2012年04月27日

驚くべきことに、今年4月から判検交流が廃止されていたらしい。

「判検交流」とは、3年程度の任期付きで、裁判官が検事になったり、検事が裁判官になる制度である。「制度」と今言ったが、実は法的根拠は無く、きちんとした記録も取られていない。いわば「慣習」である。

日本の司法は、「法曹一元」と言って、司法試験に受かれば、弁護士・裁判官・検察どれにでもなることができる。そのため、このような判検交流も理論上認められるわけだ。

この判検交流の目的は、「互いの仕事を理解すること」とされているが・・・もとはと言えば、法務省に民事の専門家が不足していたころ、民事系の裁判官を行政府に引っ張ってきたことが始まりのようである。国が裁判の当事者となった場合、国側の弁護士は「検察」であるが、検察では民事弁護に対応しきれない。じゃあ司法府からとってこようというわけだ。

もっとも、刑事部の裁判官が検察になったり、検察が裁判官になったりするのは「人員不足の解消」のためには不要だし、そもそも法務省の人員不足は大体解消されているので、今の判検交流は「惰性で続けられてきた」とも言えるのかもしれない。


ところで、この判検交流は、実は昔から非常に批判が大きいものでもあった。
確かに、国家公務員と言えば「出向」は当たり前であり、出向そのものではないにしろ、検察と判事の人事交流があっても良いようにも思える。
しかし、行政と司法という本来互いを監視し合う機関で交流がなされれば、当然馴れ合いに起因する数々の問題がでてきてしまうのだ。

第一に、刑事事件における検察と裁判官の「信頼関係」だ。
知っての通り、刑事裁判では「無罪の推定」という大原則がある。
したがって、裁判官は、検察に対し「お前それホントかよ」という、疑いの目を向けていなければならない。

しかし、検察と裁判官が仲良しになってしまうと、それがしづらくなる。
想像してみてほしい。自分が裁判官だとして・・・3年間検事として一緒に働いた仲の良い同僚が有罪をもとめてきたら?正直言って、俺は公正な判断をする自身が無い。「公正にしなければ」と意識しても、知らず知らず検察を信用してしまうかもしれない。

これは人間である以上は仕方ないのであって、必要なのは、そういう状況を回避する制度である。
その点、判検交流は、間違った信頼関係を気づいてしまう危険な慣習なのだ。

第二に、税務訴訟や行政訴訟における「身内意識」だ。

上でものべたとおり、検察と言うのは、公訴という役目の他、「国の弁護人」という仕事もになっている。
例えば、国賠訴訟とかが起こされたら、検察は国側にたって国民と争うことになる。

では、かつて国を弁護していた検察が、気づいたら行政訴訟の裁判官になっていたらあなたはどう思うだろう。「え?お前1年前まで国の味方するために法廷に立ってたじゃん?」という文句は、当然つけたくなると思う。これでは、本当に「公正」なのか、どうしても疑いたくなってしまう。


このようなわけで、判検交流は特に弁護士から強く批判されてきた。
だが、かれこれ4、50年ずっと続けられてきた。
「多様な経験を積ませる」というのは、必要なことだという意見もあったし。


それが、ここにきて急に廃止。


タイミング的に、冤罪事件の発覚が続いたこと、検察の不祥事が響いたことは疑いようが無い。
あの事件のおかげで、あっという間に廃止まで行った。これはちょっと意外だ。

まぁ、客観的にみて、異常な慣習だったと思うから、無くなって良かったんだろう。
確かに、経験豊富な人が検事・裁判官に向いてるけど、「経験」は別に判検交流以外の方法がある。
代替可能性があるのであれば、リスキーな判検交流などすべきではない。

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この記事へのコメント

1. Posted by 遂犯無罪   2012年10月13日 11:33
始めて知りました、引用させて戴きます。

http://www.kyudan.com/cgi-bin/bbskd/read.cgi
2. Posted by 遂犯無罪   2012年10月13日 12:20
転載させて戴きます。
刑事判決書は交付申請と謄写費用が必要です、殆どの刑事裁判は自白事件であり被告人の関心は執行猶予が付くか否か、また刑期はどの位か。
有罪判決の理由などどうでもいいのです、一審で確定した前科者は自分の判決書を見ていない。
また判決書が検察庁に保管されるのも問題です。

http://www.suihanmuzai.com/120924.jpg.html
3. Posted by 遂犯無罪   2012年10月13日 21:32
再審事件となった刑事原判決をした原田國男裁判長は見事な禿頭であった
16年が過ぎた今の原田にはしっかりとした頭髪がある・・

柏市戸籍改ざん事件を松戸検察庁に告訴した小川氏の担当検事は関一穂。
この不起訴処分通知が偽造郵便スタンプを使った既製封筒で送られている。
本日に小川氏は、この関検事の顔写真を見た、そして・・

日本の司法を覆う言い知れぬ深い闇が存在している

http://www.suihanmuzai.com/120920.jpg.html

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