2013 年の 6 月に発売されて 2 年半になるクロスカブですが、実は購入前から搭載されている 110cc のエンジンの不調についてはある程度分かっていました。

搭載される 110cc のエンジンは普通の 110cc カブのエンジンと同じで、新開発のエンジンです。変速ショックを和らげるために 2 系統のクラッチを装備するエンジンです。

スーパーカブといえば耐久性・信頼性に優れるエンジンを搭載し、老若男女を問わず乗れることで 旗艦モデルの CB1300 やGOLDWING 、 CBR1000 をある意味超えるマシンな訳で、ユーザーの期待も半端なく大きいです。

そんなカブですから新型エンジンに期待するユーザーも多く、エンジン不調の報告が相次ぎ、すでに、それも原因は特定されています。

それは「カムチェーンテンショナー」付近の欠陥。今更私がどうこう述べるより「クロスカブ」「異音」で検索しもらえれば、理解していただけます。

正確に言えば、「カムテンショナー」を押し上げる「プッシュロッド」に関する欠陥から生ずる部品の破損・磨耗なのでしょうかね。新車から音がするという人もいるようです。

カブには歴代使われてきた「オートカムテンショナー」と言われる、カムチェーンを調整なしに適正に張り続ける機構が備わっています。

スプリングの圧力とエンジン作動状態で発生する油圧で「プッシュロッド」を押し上げて、テンショナーを作動させています。

この「プッシュロッド」が使用に従い磨耗し、エンジンケースとのクリアランスが増大し振動→テンショナーの作動不良から生ずる異音、また先端についていて、テンショナーと接する部分のゴムというかABS 樹脂が偏磨耗する、中にはこの部品が外れて金属のプッシュロッドがテンショナーを削ってしまうという現象も報告されています。

この異音、発生タイミングも共通していて、始動時、中でも冬などの冷寒時です。

始動時、冷寒時というように、エンジンオイルがカムチェーン付近まで潤滑していない、あるいは温度低下によりオイルが硬化、さらに膨張が少なく十分にカムチェーンテンショナーを押し上げていないという状態で、カムチェーンの緩みから音が発生する→温度上昇とともにオイルが循環し異音が収まる、という構図だと思います。

ホンダはこれをリコールにしていないようで、あまりにも気になる車両はプッシュロッドおよびスプリングの交換で対処しているようです。

ちなみにプッシュロッドとスプリングはエンジンオイルドレンの横の 14mm のボルトを外すと簡単に交換できます。

幸い私のクロスカブ(購入後約 1 年、走行 9000km)では異音は感じられませんでしたが、最近の朝の冷え込み(3 ℃程度)で始動時に若干カタカタいう音が聞こえました。しかしながら 10 秒もすれば収まります。気にしなければ問題ないのですが、原因を知っているだけに気持ちの良いものではありませんね。

そんな中、「プッシュロッド」を見せてもらえる好機がありました。

車両はクロスカブと同じエンジンを搭載する 110PRO 。配達用途に使われている車両です。試用期間は約 1 年。走行は 13000km、しかしながら配達用途のため走行距離以上にエンジン稼働時間は長く、1 日 6 時間 1 ヶ月 22 日程度稼動しているそうです。

エンジンオイルの交換サイクルは 3000km ですが、整備の日程から実際は 4000km 以上走ることもあるそうです。エンジンオイルはリッター 500 円以下の鉱物油とシビアなコンディションです。

左が同時期の車両で走行距離 80km のほぼ新車、右が上記の 13000km 走行の車両です。

突然のことでだったのでカメラを持っておらず、ガラケーのカメラで撮ったので画像が甘いですがご容赦ください。

プッシュロッド本体の金属部分は見て分かるような磨耗はありません。

金属部分がケースと接触して磨耗するのも原因とされていますが、おそらく 100マイクロメートル単位の磨耗でしょうね。エンジンオイルの油膜でカバーできる程度だと思います。

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カムチェーンテンショナーとあたる部分(先端部の黒い樹脂部)の磨耗が見られます。

もちろん磨耗して機能を発揮する部品なので、そう考えると 80km と 13000km の差としては思ったより小さいかな?という感じです。
この磨耗が異音の原因すべてではないでしょうが、新品部品に交換すると音は収まるそうです。

ちなみに 13000km 走行の車両はエンジン始動時に 20 秒ほど異音が発生してました。(気温約 5 ℃時)

後日自分のクロスカブも確認してみようと思います。