HIDA KANAYAMA 金山巨石群と筋骨めぐりのスタッフブログ

太陽とともに生きた縄文人たちの巨石カレンダー「金山巨石群」 と昭和の懐かしい風景がよみがえる飛騨金山の「筋骨めぐり」 を紹介します

≪岐阜県下呂市金山町≫
“飛騨かなやま” 金山巨石群 と 筋骨めぐり のスタッフブログ
本ブログでは 『金山巨石群』 および 『筋骨めぐり』 に関する個別の情報を掲載していきます

2024年 7月24日更新
2024年 7月20日~23日
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夏至(6/21)を経た30日後の太陽高度は、夏至の30日前とも同じです。
年 2回の太陽スポット光で精度を高める金山巨石群の暦システム。
今回はそのうちのひとつ、夏至から約30日後の太陽スポット光観測です。


昨年の 7月21日~23日の観測 とよく見比べてみてください。
今年と昨年の違いは、4年に1日が修正される閏年との関係があります。


7月20日 13:13
点線の光は上から順にひとつずつ現れますが、この直前に雨が降ったため、その様子は観測できず。写真はすでに 6つの点が現れた後で、下から消えかかているところ。点線の幅は太く、力強い点線を描いています。
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7月21日 13:09
昨日よりも点線の幅が狭くなっているのが目視できます。
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7月22日 13:04 
巨石間へ南中する太陽光が射しこむ。
ひとつめの点線がまもなく入るところ。

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13:05
昨日よりも点線はさらに細く。
昨年の7月23日とほぼ同じです。今年は22日まで(平年は22日まで)。

昨年の10月15日は金山カレンダーの閏日でした。つまり2023年は金山カレンダーの閏年。
10月15日の前である 7月23日には、4年間に積み重なった(1/4日×4年)僅かなズレによって、 1日遅く7月23日まで点線を描いたということ。

したがって今年の7月23日は(昨年10月15日にプラス 1日の調整が行われた後のため)点線の光は入りません。(入っても線にはならない点がひとつかふたつといったところ。これは点線の光とは見なしません)

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今日の気温 35.1度でした…。
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7月23日 この日の気温は 35.9度。
13:07 
点線光は入らず                                   
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(Photo by Chika)

13:31
30分ほど経過して、点線が 2つほど(太陽高度 +64.2°/太陽方位 S58.5°W)
これは 2023年 5月20日(太陽高度 +64.2°/太陽方位 S58.4°W)と同じ状況です。
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(Photo by Narita)

これで「夏期 62日間」が終了しました。
30日後には太陽位置(高度)が夏至と秋分の中間まで下りてきます。
そのとき金山カレンダーでは「夏期120日間」(夏のシーズン)に終わりを告げ、
同時に岩屋のコウモリたちの子育て期間に終わりが告げられ、旅立ちのときを迎えます。

(金山巨石群リサーチセンター 徳田紫穂)

2024年 6月21, 22日
今年も 夏至の日 の金山巨石群は大勢の人で賑わいました。
特にコロナ期から大きく増え続けているように感じます。
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2024.6.21  14:11

昇る太陽 
Rising Sun
夏の光のイベントは、線刻石のある巨石群で行われます。
6月22日、曇り予報の中、朝 4時半の空を見て「これなら晴れる!」
6時頃、前日から参加の方(ぬく森の里温泉に宿泊)と朝の観測に出かけました。
すでに常連のユウゾウさんが朝日が昇る位置でスタンバイ、ひとりチェアに座ってモーニングコーヒーに酔い痴れていました。

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夏至の頃、東の北限から昇る太陽は、B石とC石の巨石間から昇ってきます。
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その太陽光が、線刻石(A石)の下の洞くつに射しこみます。
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洞くつ内の奥行は約 7m。
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6時50分頃
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この洞くつは、1998年 7月31日、入口に光が射しこんでいることを確認した後、2003年 6月からの発掘によって出現した洞くつです。それまでは土に覆われていました。ここから出てきた土は、川原石のような丸い小石と緑色の砂で埋まっていました。この中から、スクレイパーや炭化物も出ています。
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南中する太陽 Meridian Sun
今年の夏至は 6月21日。
11時半からの「光の体験ツアー」とガイドツアーの参加者は23名。
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昼の観測場所は、線刻石(A石)の上の洞くつです。
ここも2002年から2003年の発掘によって出現した洞くつです。
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そこへ夏至の頃の、南中時刻(11:40頃)の太陽スポット光が射しこみます。
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上と下の写真は 6月19日。(夏至当日は混み合うためこのような撮影は不可)

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その光の形に意味があります。
<下段>
発掘後、2005年のはじめての観測記録です。
巨石間から射しこむ光は、6月18日から25日まで、位置も形もほとんど同じです。
それは夏至(や冬至)の頃は、地球から見た太陽軌跡は停滞するように見えるためです。
太陽は夏至をはさんだ数日間はほぼ同じ軌跡をたどります。
<上段>
いずれも 6月19日のスポット光ですが、左が昨年で右が今年。
光の形が若干違うように見えますが、これは時刻の違いです。重要なのは形と大きさです。床に映り込んだ光の大きさを見るとき、光の幅(東西)もそうですが、夏至の頃は縦の長さ(南北)を見比べると、いずれもほぼ同じです。

夏至の頃のスポット光の形の意味は、これまでも説明してきたとおり、1997年小林由来氏によって発見された「謎の痕跡」の意味を解くものです。(この謎が解かれるまでのプロセスは、今年出版される書籍で詳しく紹介しています)

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Guide Book p.35

今年の夏至は雨天・曇天の予報でしたが、両日昼のスポット光時刻には晴れ間が広がり、多くの方々に光を体験していただきました。午後からも、光のイベントとは関係なく訪れる方々も多くありました。
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夏の「楕円形」のスポット光は、7月14日頃まで続きます。
晴れのチャンスに11時40分頃、検証に出かけてみてはいかがでしょうか。
(光は11:40頃から13:00頃まで射しこみます)

金山巨石群リサーチセンター
徳田紫穂

2024年 5月19日(日)

中日新聞 掲載(飛騨版)
20240519_中日 宝物見つけた
 

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