2018年 6月 9日(土)午後 8時55分
今の時期、夜 8時頃に、北極星の上に横たわる北斗七星がよくみえますね。
縄文時代の北極星を探り、北斗七星の動きをイメージするにはいい時期です。

地球の回転軸のブレによって、北極星は時代と共に変わっていく
北極星は、北半球で地球の回転軸が示す方向にある星のことをいいます。しかしこの回転軸はずっと一定の方向を示しているのではなく、コマが回るようにブレを生じていきます。この動きを地球の歳差運動といいます。この動きにより北極星は数千年の単位で徐々に変わっていくのです(約 2万 6千年でひと巡りします)。これは皆さんが一番おどろくことですね。まさに地球規模というか宇宙規模のはなし。

現在の北極星と北斗七星の位置関係
今はこぐま座のα星ポラリスが北極星です。この星を中心に周りの星が回転しています。
ここでお見せする写真は、肉眼で見える星をやや控えめに映しています。デジカメ撮影によるノイズを抑えるためもあります。このアングルは今夜、当資料室から撮影したものです。おとなりのパラボラアンテナの右上にみえるのが北極星。左上に北斗七星。北の空ではこの北極星を中心に周りの星たちが回転しています。北斗七星も空を大きく回転しています。
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さてここから、縄文時代にイメージを移していきます。

縄文時代の北極星
こちらは上の写真に解説を加えたもの。右半分にかかる輪は、地球の歳差運動により回転軸が示す方向が移動していく経路を示しています。この先数千年後には右下の方へと移動していきます。つまりこの経路上にあるりゅう座のトゥバンは過去に北極星として輝いていた星です。もしくは今から 2万 1千年後にやってくる北極星ともいえます。エジプト・ギザのクフ王のピラミッドにある回廊が、この北極星をとらえていることは有名ですが、その時代はB.C.2500頃。金山巨石群の北極星観測の J石が見ていた北極星も、ひとつの仮説として同時期と推定できます。その間には明るい星がないため、J石で中心をとらえることは困難と考えます。
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ここでイメージしていただきたいのは、現在の北極星ポラリスを中心とした北斗七星の回転と、B.C.2500頃の北極星トゥバンを中心とした北斗七星の回転です。北極星は古代の方が現在よりもはるかに北斗七星に近く、回転する範囲が狭いことがわかりますね。

こんなイメージ
金山巨石群の北極星観測の J石からみた北斗七星の動きです。
左が現在で、右が縄文時代(B.C.2500頃)。

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古代中国では北極星を中心とした北斗七星がどの位置にあるかを観察することで、季節を知る目安としていたといいます。

金山巨石群の北極星を観察する J石と、その真北に位置する岩屋岩蔭遺跡巨石群の E石側面に彫られた北斗七星のカップマーク。これは、縄文時代の北極星トゥバンを観察し、岩蔭遺跡巨石群周辺を回転する北斗七星を観測していたことを物語っているようです。
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ガイドブックより『金山巨石群の「縄文」太陽観測ガイド』

縄文時代の北極星を見つけてみよう!
まだしばらくは夜空の北斗七星を観察できます。
午後 8時~9時頃、北極星の上にあるふたつの明るい星(下のコカブの方が明るい)と、北斗七星の上から 2つ目と 3つ目の星 の 間にある星 を見つけてみてください。現在の北極星よりはやや暗い星ですが、それが縄文時代(B.C.2500頃)の北極星です。北斗七星が回転するスケールもイメージしてみてください。プラネタリウムにはないスケール感が体験できますよ!
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