HIDA KANAYAMA 金山巨石群と筋骨めぐりのスタッフブログ

太陽とともに生きた縄文人たちの巨石カレンダー「金山巨石群」 と昭和の懐かしい風景がよみがえる飛騨金山の「筋骨めぐり」 を紹介します

2018年07月

7月21日頃の約 5日間の点線スポット光によって、
夏至から30日が経過したことを知るためのカウントダウン観測です。

特に21日、22日の観測会では、19日に放映された
NHK BS “コズミックフロント☆NEXT” の影響もあり、遠方からも多くの方々が訪れました。
金山巨石群へみえるのは地元民はほとんどなく、いつも遠方の方々ばかり。

先の西日本豪雨のあと、皮肉なことに金山には夕立の雨もないカンカン照りが続き厳しい暑さの中の観測会でした。ちょうど 39.4度まで気温が上がった頃でしたね。

午後 1時頃、この光を見ようとジワジワと人が集まってきます。
この日は22日。

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光が射し込む位置を下から見ると、その隙間はふたつの巨石から成ります。
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7月15日
この日は、楕円形のスポット光が終わる頃。
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そのとき、点線スポット光はこんな感じ。
この光はまだ、点線とは見なしません。

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7月19日
点線と見なすのは、18日から5日間。
19日はくっきりと力強く入っていますね。

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7月20日
この日も。点は6つ。
金曜日なので、小林由来氏の解説です。本業のお店はお休みのため。

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7月21日
光線は日ごと、細くなってきているのがわかります。
21日は消える 2日前。
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7月22日

最後の日。でも 今年は 点が 4つ よく 見えていますね。
毎年観ている方はわかったと思いますが、最後の日にしてはかなり力強い光です。

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7月23日

前日の光の観測から、翌日23日も光が射しこむことが予想され来てみると…20日・22日も観測にみえた愛知県の常連さんが待ち構えていました。いいタイミングで NHK の番組を見て下呂温泉に泊まり巨石群へ訪れたというご夫婦も一緒に。13:06 はホソーい点が 4つ。2分後には 3つですが、確かに入っているのがわかります。
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これは、1年が365日ちょうどではないために、毎年同じ日の観測でも、わずかに光の見え方が変わってきます。それがおおよそ 4年ごとに繰り返されます。うるう年の関係ですが、この観測で、閏年を決定することは困難です。なぜならば、地球から見たときの 1日ごとの太陽の移動が小さいからです。

金山巨石群の岩屋岩蔭遺跡巨石群では、春分と秋分の頃に射し込むスポット光観測で、その難題をクリアしています。うるう年の観測です。それは、地球から見たときの 1日ごとの太陽の移動が、1年のうちで最も大きいときのスポット光観測だから可能になります。

・春分と秋分の頃
・スポット光観測

このふたつの条件がそろい、うるう年観測を可能にしています。(この意味が本当にわかると断然、巨石群の暦システムがおもしろくなってきます)しかしどのようにして観測のための巨石群を構築したかはいまだ謎ですが、現状を見つめていくと、文字なんか無くても太陽暦は存在することを、見せつけているんですね。素晴らしい!

≫2016年7月の観測はコチラ

≪番組≫
NHK BSプレミアム “コズミック フロント☆NEXT” 
 

2018年 7月19日(木)よる10時~11時
(再放送:7月25日(水)よる11:45~)

本題は「人類と星のファーストコンタクト」。
今回「金山巨石群」が登場するのは、“宇宙街紀行” というミニコーナー(約 4分)です。『宇宙』をテーマに、街の魅力を伝える今年新設のコーナー。

全国に多くある温泉地の中でも、下呂温泉は壮大なテーマを秘めた街…。

ぜひご覧ください!

2018年 7月15日(日)
西日本に大災害をもたらした豪雨が治まって後、今度は照り付ける陽射しにつらい毎日が続いています。そんな中、金山巨石群では 夏の60日間の終わり を告げる光の時期になりました。

岩屋岩蔭遺跡巨石群の夏のコウモリたちも出産を経て順調に育っています。
あと30日が過ぎると、旅立ちの日がやってきます。


今日は 楕円のスポット光(11:40) 最後の日でもあり、点線スポット光(13:00) の 7日前でもあります。4名様のガイドツアーがありました。
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金山巨石群は数千年の時を経て、現在も太陽の動きを刻み続けています。金山町もあちこちで谷が氾濫し、浸水した家屋の片づけを手伝う中、ここへきて巨石群を巡ると何か伝わってくるもがありました。自然災害に対するメッセージ、地震や豪雨などの自然災害は起こるものだと、どっしりと安定した巨石群は余裕で語っているよう。3.11 東日本大震災であらためて認識した教訓 も含め、起こりうる自然現象の予知を個人レベルで持たなければいけない…なんてことを考えながら、流れる汗を拭きながら今回の大雨でえぐられた遊歩道を歩いていました。

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7月 8日前後の豪雨の影響
20年間の調査の中で初めての豪雨だったことを物語る痕跡。深いところで20cm程えぐられています。いつも大雨が降ると遊歩道が川になりますが、今回はちょっと違う…。
線刻石のある巨石群の下の道はほとんどがこんな感じです。

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下は60年程前にダイナマイトで石が割られた跡が残る巨石付近の足元。昔の石畳が出てきました。でも縄文ではないでしょう。岩屋ダムができる50年ほど前まで下呂からこの道を通ってきたわけなので、新しい石畳ですね。でもこれもまた面白い。
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巨石群は何ともありませんが、道の前に流れている妙見谷の石たちはかなり動いて階段には砂が上がっていました。
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右の配管用のコンクリ?は少し上流にあったものが流れ着いたようです。
ここは歩きにくい場所でしたが、土砂が埋まって歩きやすくなりました。

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ちょうどいいプールができていましたが、もうありません。
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巨石群前の道を下り、テニスコートへ出たところは、水があふれだした跡がありました。
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ちなみにテニスコートにあるトイレは、このように断水のため現在は使用禁止です。
7月21日・22日の観測会へお越しの際は、ご注意ください。
一番近い公衆トイレは岩屋ダム資料館にあります。
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下は 2012年 8月の台風12号のあと。今回は豪雨とはいえ、ここまでの被害はなく、ひとまず安心していますが、遊歩道の修復に課題が残りました。
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点線スポット光(午後 1時)の観測
こちらが今日の本題です。11:40頃の楕円形の最後のスポット光はツアーのお客さまと確認して、13:00頃の観測がこちらです。
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まだ点線とはいえませんね。点線の期間は 5日間(7/18~22)とみていますので、今日 15日は 7日前のカウントダウンということになります。日に日にこのラインは細くなり最後の日が、夏至から30日後を告げる日となります。これが夏期62日間のスポット光観測です。
≫2016年7月の観測はコチラ
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今日のツアーのお客さんはこの光も最後に観て終了。11:40と13:00の両方が見られる日を選んだのはいいタイミング。そのつもりはなかったそうですが。

明日16日から22日までも、午後 1時頃に線刻石のある巨石群へ行けば、この観測を誰でも自由に見ることができます。洞窟の外は直射日光が強いので、暑さ対策はお忘れなく。


観測会は 7月21日(土)と22日(日)午後 1時頃です(12:50から要待機)。

 金山町内の大雨による被害・復旧状況はこちらからご覧ください。

下呂市金山町で観測史上最大雨量を記録した今回の豪雨の影響は、金山町の観光資源である「筋骨めぐり」のコースにも大きな被害を受けました。飛騨街道の西裏メイン通りに沿う「長洞谷」の氾濫により、床下・床上浸水の被害が多数出ています。

水位がどこまで来たか、左の写真は通常の様子で、右が今回の濁流の水位を示しています。
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下は 2018年 7月 8日午後の様子
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 復旧作業の様子はこちらです(2018年 7月 8日・9日)

◆中日新聞 2018年 7月11日 床上・床下浸水72世帯 下呂市金山
◆読売新聞 2018年 7月13日 豪雨被災地・関、ボランティア不足懸念
◆中日新聞 2018年 7月15日 <濁流 大雨特別警報 1週間>(下)避難者たった 5%

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