HIDA KANAYAMA 金山巨石群と筋骨めぐりのスタッフブログ

≪岐阜県下呂市 金山町≫ 縄文時代から機能している太陽カレンダー 「金山巨石群」 と飛騨街道金山宿に張りめぐらされた 「筋骨めぐり」 を紹介します

カテゴリ: 金山巨石群

2018年 7月15日(日)
西日本に大災害をもたらした豪雨が治まって後、今度は照り付ける陽射しにつらい毎日が続いています。そんな中、金山巨石群では 夏の60日間の終わり を告げる光の時期になりました。

岩屋岩蔭遺跡巨石群の夏のコウモリたちも出産を経て順調に育っています。
あと30日が過ぎると、旅立ちの日がやってきます。


今日は 楕円のスポット光(11:40) 最後の日でもあり、点線スポット光(13:00) の 7日前でもあります。4名様のガイドツアーがありました。
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金山巨石群は数千年の時を経て、現在も太陽の動きを刻み続けています。金山町もあちこちで谷が氾濫し、浸水した家屋の片づけを手伝う中、ここへきて巨石群を巡ると何か伝わってくるもがありました。自然災害に対するメッセージ、地震や豪雨などの自然災害は起こるものだと、どっしりと安定した巨石群は余裕で語っているよう。3.11 東日本大震災であらためて認識した教訓 も含め、起こりうる自然現象の予知を個人レベルで持たなければいけない…なんてことを考えながら、流れる汗を拭きながら今回の大雨でえぐられた遊歩道を歩いていました。

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7月 8日前後の豪雨の影響
20年間の調査の中で初めての豪雨だったことを物語る痕跡。深いところで20cm程えぐられています。いつも大雨が降ると遊歩道が川になりますが、今回はちょっと違う…。
線刻石のある巨石群の下の道はほとんどがこんな感じです。

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下は60年程前にダイナマイトで石が割られた跡が残る巨石付近の足元。昔の石畳が出てきました。でも縄文ではないでしょう。岩屋ダムができる50年ほど前まで下呂からこの道を通ってきたわけなので、新しい石畳ですね。でもこれもまた面白い。
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巨石群は何ともありませんが、道の前に流れている妙見谷の石たちはかなり動いて階段には砂が上がっていました。
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右の配管用のコンクリ?は少し上流にあったものが流れ着いたようです。
ここは歩きにくい場所でしたが、土砂が埋まって歩きやすくなりました。

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ちょうどいいプールができていましたが、もうありません。
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巨石群前の道を下り、テニスコートへ出たところは、水があふれだした跡がありました。
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ちなみにテニスコートにあるトイレは、このように断水のため現在は使用禁止です。
7月21日・22日の観測会へお越しの際は、ご注意ください。
一番近い公衆トイレは岩屋ダム資料館にあります。
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下は 2012年 8月の台風12号のあと。今回は豪雨とはいえ、ここまでの被害はなく、ひとまず安心していますが、遊歩道の修復に課題が残りました。
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点線スポット光(午後 1時)の観測
こちらが今日の本題です。11:40頃の楕円形の最後のスポット光はツアーのお客さまと確認して、13:00頃の観測がこちらです。
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まだ点線とはいえませんね。点線の期間は 5日間(7/18~22)とみていますので、今日 15日は 7日前のカウントダウンということになります。日に日にこのラインは細くなり最後の日が、夏至から30日後を告げる日となります。これが夏期62日間のスポット光観測です。
≫2016年7月の観測はコチラ
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今日のツアーのお客さんはこの光も最後に観て終了。11:40と13:00の両方が見られる日を選んだのはいいタイミング。そのつもりはなかったそうですが。

明日16日から22日までも、午後 1時頃に線刻石のある巨石群へ行けば、この観測を誰でも自由に見ることができます。洞窟の外は直射日光が強いので、暑さ対策はお忘れなく。


観測会は 7月21日(土)と22日(日)午後 1時頃です(12:50から要待機)。

 金山町内の大雨による被害・復旧状況はこちらからご覧ください。

2018年 6月21日(木)・22日(金)
夏至の太陽観測  6:00~18:00
今年は梅雨どきの晴れ間で夏のサイクルを確認。
巨石に絡みつく “イワガラミ” も夏の光を浴びています。

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朝の観測 (6/22)
朝 6時を過ぎると巨石群に光が射してきます。
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夏の朝日はとても力強い。

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夏至の朝日は巨石間から昇ります。巨石間の向こうはちょうど山の谷間に当たるため、夏至の頃は、朝早く 6時頃に、そして低い位置から出現します。(山の谷間が太陽の道と関係している)
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横から照りつけるこの光線は夏至の頃の朝のみの光景。
湿度が高いため、より神秘的な光景です。

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そして左右の巨石間から昇る太陽の光が、正面の巨石の洞窟内へ射し込みます。
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左の巨石の丸い影が、正面の巨石の平面に映り込んでいます。あと60日経つと、右下の洞窟は、左の巨石の影ですっぽりと覆われ、光は射し込まなくなります。すると夏が終わることを告げます。つまり60日前も同じ状態で、夏の始まりを告げるわけですね。ここはガイドブックの30ページの観測です。
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丸い影を作る石の背が、夏の強い朝日を充電しているよう。
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洞窟側から。充電しきれない光が降り注ぐよう。今年は神々しく!
巨石間にできる光の道です。
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光の道の先には、洞窟で再び充電。
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中から観測。縄文時代も古代人が洞窟の中で夏の到来を観ていたんでしょうね。今年も太陽は自然や僕たちと一緒に生きてる…。夏を歓迎!だから巨石に刻まれた痕跡は森で生きる人々にとって重要な「夏」を記したんだと思います。その心境がだんだんわかってきた。
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洞窟の構造にはまだ謎があります。
段階的に光を計測する構造とみています。

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太陽が昇るにしたがい、丸い影は下へ移動していきます。この時の影の位置でも、夏の「ある観測」がありますが、近年は杉の木が育ち、観測の妨げとなってしまっています。
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この後、8:20の観測ー10:45頃の観測を経て、11:30からは 光の体験ツアー とそれに便乗組の 計 5名様のガイドツアー。夏至のメインイベントは昼のスポット光観測です。その他、多くの方々が、夏のスポット光の観測場所に集まっていました。


昼の観測 (6/21)
昼のレポートはこちらの新聞で。21日、くもり時々晴れの日。いつもお世話になっている中日新聞・松本さんの取材記事です。この日は体験ツアーと便乗組 計 9名様のガイドツアーに、その他多くの方々も。
新聞_中日夏至 2018
夏至のスポット光については コチラ(2015年夏至のブログ)


夕刻の観測 (6/21)
どこからどーやってみるの~!? とキョロキョロ…。
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人が並んでいる巨石間が、朝の光の道。

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正面の洞窟の巨石と北側(右側)に接する石の隙間に夏至の頃の太陽が沈みます。ガイドブック 36ページの観測です。
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山に沈む直前の光。17:55頃。岩屋岩蔭遺跡巨石群がもう少し南寄りに座っていたら、ここへ光は届きません。それも考慮された配置になっています。

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まだしばらく同様の光が体験できます。
夏は朝から夕刻まで太陽を追いかけるように観測するわけですが、それによって空で移動する太陽の道が感覚的に見えてくるんですね。そうすると古代人が刻んだ「痕跡」の位置はまさに夏至の太陽と関係していることがわかってきます。是非、古代人の太陽をつかむ感覚を、皆さんと共有していきたいものです。







6月15日(金)
まもなく夏至 21日がやってきます。
もうすでに 夏のスポット光 ほぼ夏至 を告げています。

このとおり。14日の楕円形のスポット光です。
2007年 6月16日の光と比較のため、スケッチブックに光を乗せてみました。ほぼ同じですが、若干細く感じます、特に左端が。毎日見ていると、夏至に限りなく近い頃を感覚的に身につけることができるのですね。
すばらしいことです! ここでは、カレンダーをめくる必要はありません。
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金山巨石群の高精度なスポット光観測のひとつが、この夏至頃の楕円スポット光観測と、下の30日前(後)の観測の組み合わせで「夏至の日」を特定できるというもの。金山巨石群のある山間部において、一番の難題をクリアしたスポット光観測です。

次の 5日間限定の光のショーは 7月18日~22日まで。

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夏至の観測会は 6月20日(水)~22日(金)6:00~17:00頃まで。

7月の 5日間限定の観測 は 7月18日(火)~22日(日)12:50頃ですが、観測会は21日と22日のみ。見ごたえあるのは、18・19・20日。ご覧になりたい方は、ぜひ 光の体験ツアー をご利用ください。詳しいガイド付きで、21日・22日ほどは混みあわないのでお勧めです。

 

2018年 6月 9日(土)午後 8時55分
今の時期、夜 8時頃に、北極星の上に横たわる北斗七星がよくみえますね。
縄文時代の北極星を探り、北斗七星の動きをイメージするにはいい時期です。

地球の回転軸のブレによって、北極星は時代と共に変わっていく
北極星は、北半球で地球の回転軸が示す方向にある星のことをいいます。しかしこの回転軸はずっと一定の方向を示しているのではなく、コマが回るようにブレを生じていきます。この動きを地球の歳差運動といいます。この動きにより北極星は数千年の単位で徐々に変わっていくのです(約 2万 6千年でひと巡りします)。これは皆さんが一番おどろくことですね。まさに地球規模というか宇宙規模のはなし。

現在の北極星と北斗七星の位置関係
今はこぐま座のα星ポラリスが北極星です。この星を中心に周りの星が回転しています。
ここでお見せする写真は、肉眼で見える星をやや控えめに映しています。デジカメ撮影によるノイズを抑えるためもあります。このアングルは今夜、当資料室から撮影したものです。おとなりのパラボラアンテナの右上にみえるのが北極星。左上に北斗七星。北の空ではこの北極星を中心に周りの星たちが回転しています。北斗七星も空を大きく回転しています。
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さてここから、縄文時代にイメージを移していきます。

縄文時代の北極星
こちらは上の写真に解説を加えたもの。右半分にかかる輪は、地球の歳差運動により回転軸が示す方向が移動していく経路を示しています。この先数千年後には右下の方へと移動していきます。つまりこの経路上にあるりゅう座のトゥバンは過去に北極星として輝いていた星です。もしくは今から 2万 1千年後にやってくる北極星ともいえます。エジプト・ギザのクフ王のピラミッドにある回廊が、この北極星をとらえていることは有名ですが、その時代はB.C.2500頃。金山巨石群の北極星観測の J石が見ていた北極星も、ひとつの仮説として同時期と推定できます。その間には明るい星がないため、J石で中心をとらえることは困難と考えます。
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ここでイメージしていただきたいのは、現在の北極星ポラリスを中心とした北斗七星の回転と、B.C.2500頃の北極星トゥバンを中心とした北斗七星の回転です。北極星は古代の方が現在よりもはるかに北斗七星に近く、回転する範囲が狭いことがわかりますね。

こんなイメージ
金山巨石群の北極星観測の J石からみた北斗七星の動きです。
左が現在で、右が縄文時代(B.C.2500頃)。

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古代中国では北極星を中心とした北斗七星がどの位置にあるかを観察することで、季節を知る目安としていたといいます。

金山巨石群の北極星を観察する J石と、その真北に位置する岩屋岩蔭遺跡巨石群の E石側面に彫られた北斗七星のカップマーク。これは、縄文時代の北極星トゥバンを観察し、岩蔭遺跡巨石群周辺を回転する北斗七星を観測していたことを物語っているようです。
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ガイドブックより『金山巨石群の「縄文」太陽観測ガイド』

縄文時代の北極星を見つけてみよう!
まだしばらくは夜空の北斗七星を観察できます。
午後 8時~9時頃、北極星の上にあるふたつの明るい星(下のコカブの方が明るい)と、北斗七星の上から 2つ目と 3つ目の星 の 間にある星 を見つけてみてください。現在の北極星よりはやや暗い星ですが、それが縄文時代(B.C.2500頃)の北極星です。北斗七星が回転するスケールもイメージしてみてください。プラネタリウムにはないスケール感が体験できますよ!
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金山町観光協会主催
金山巨石群★光の体験ツアー

JR飛騨金山駅から、光の体験ツアー専用の バス送迎が再開しました!

2015年 3月までも市の許可のもと、送迎サービスを行い、その効果としてツアー客数が増え続ける中でしたが、2015年 4月にストップ規制がかかり、ツアーは各自での移動を余儀なくされてしまいました。以降も「光の体験ツアー」客は増え続けていますが、今回のバス送迎解禁はJR鉄道のツアー参加者には朗報です。 

以下の新聞記事の通り 下呂市エコツーリズム推進協議会 の全体構想が、環境省の認定を受けたことによるものです。岐阜県内で初というのは驚きですが、ともあれ県内で先行する下呂市の観光構想を成功させたいところです。

ツアー客の高齢化はまだこれからというタイミングで、車離れする鉄道利用者にはありがたいサービス。送迎の自由度は高まったとはいうものの、無料送迎をする側の、本当の「おもてなし度」が試される ともいえるかもしれません。

エコツーリズム

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