HIDA KANAYAMA 金山巨石群と筋骨めぐりのスタッフブログ

太陽とともに生きた縄文人たちの巨石カレンダー「金山巨石群」 と昭和の懐かしい風景がよみがえる飛騨金山の「筋骨めぐり」 を紹介します

カテゴリ: 金山巨石群

2023年 7月21日~23日

『夏至30日前の観測』と同じ 点線スポット光観測です。

13:00頃、三角状の石面(40×30×25cm)へ射しこむ点線状の光によって、
夏至から30日が経過したことを知らせる観測です。

下の写真は光が射しこみ始めて、5つ目の点線(全部で6つ)が現れた瞬間です。
奥の巨石間(下部 影の部分)に点線状の光が見えます。
2307_01

これは 6つめが下の角に現れたとき。
2307_02

ガイドツアーの参加者、常連さんやリピーターの方々です。もちろん初めての方も。
2307_04
『何回見ても すっげぇな~』
2307_05
『なんで点々???』
2307_03

7月21日 13:07
2307_06

7月22日 13:06
この点線スポット光は、夏至の30日後を知らせます。
通常は 7月22日に細い点線が 4つくらいで、翌日は入らなくなります。
しかし毎年観ている方なら気づくと思いますが、今年はまだ力強く点線を描いています。
これは翌日も光が入ることを意味しますが、どういうことでしょうか?
2307_07

これは 今年が金山巨石群の閏年観測(10月15日)の年だから です。
(閏年観測のスポット光は、平年が10/14まで、閏年が10/15まで射しこむ)
7月の点線スポット光観測も同様に、夏至から冬至までの期間の観測のため、現在の日付で見ると 1日遅くなるわけです。(ガイドブック p.69 参照)

その光が下の写真です。

7月23日 13:06    Photo by Chika
つまりこのような細い点線は、通常(平年は)7月22日の光となります。
2307_23 Chika

そして 7月24日は点線を描くことはありません。
これで夏期 62日間が終了したというわけです。

金山巨石群リサーチセンター
徳田紫穂

調査日:2023年 7月6日(木)・7月 7日(金)
場 所:美濃市松森

縄文巨石天文学の復活プロジェクト・北緯35度31分40秒ラインの巨石調査
中津川市の巨石を起点として現在、関市までの48kmの東西ライン上に17か所の太陽観測巨石が見つかっています。春分・秋分の昇る太陽もしくは沈む太陽観測の巨石群。

6月25日に掲載が終了した岐阜新聞のコラム、そして東芝国際交流財団の2022年の助成事業で制作された動画の最後でも宣言しているとおり、さらにリサーチセンターでは西へ調査範囲を拡大していきます。
その一環で先日、美濃市以西の調査を開始しました。

調査隊は 小林・徳田の 2名です。

関市のたんす岩西の小野エリアを、さらに西へ抜けると松鞍山のふもと周辺に出ます。
この道沿いに、岩窟があります。ここへ再び出かけました。

これは 2021年 2月25日に確認した場所で、北緯35度31分41.96秒に位置しています。
mino_2301
岩窟の道ふもとには、「山の神」の立て札があります。
周辺の木々に同化していて見落としがちです。
mino_2316
mino_2302
中に入ると、北東の空が見えます。
mino_2303
と言っても今は木々で視界が遮られるので、道に出てみると下の写真通り、正面は山の谷間で空が開けています。測量すると岩窟内から北極星も見えそうです。もっとも夏至の朝日が正面から昇り、内部を照らします。
mino_2304

それを確認し、他の巨石を検討します。
春分と秋分の朝日、夕日を観測できる巨石群です。
mino_2305
道を車で移動する途中、40秒辺りで神社まで行く登山道の入口が目にとまりました。
松鞍神社とあります。316mの頂上付近に神社があるようですが、40秒はそこまでいかなくても、入口から少し先ですが、この日 (6日)はここまで。17時前。
mino_2306
翌日あらためて40秒付近へ。
道中に巨石がありました。41.81秒
このあたりの岩石を調べると、美濃帯構成岩類とあり、石炭紀~三畳紀の石灰岩、緑色岩、チャートなどのブロック等を混在しているといいます。見るからにチャートの層があらわです。この側面は東西を向いているため、正面の山から昇る太陽が、夏と冬を分ける春と秋に観測できます。
mino_2307
さらに私たちは松鞍山を西へ回り込みました。

お墓が山の奥へ続く場所に駐車して、歩き始めて 4分ほど経ったとき、巨石が目の前に現れました。こんなに早く…。これは関市の「岩神さま」と地元で呼ばれている巨石を見つけたときと同じです。もっとも焦点を絞り込んでいる辺りだったので、あっても不思議ではないのですが。この絞り込みも、17か所の調査法に従うものです。
mino_2308
mino_2309
手前の側面が平らで、向きはそれぞれ、東と西を指していました。
北緯35度31分41.20秒。ちなみに気温は 32度。

mino_2310
巨石の一部(右側)が剥ぎとられているかのような形状で、上下中央辺りに深い溝がありました。この溝が指す方向は東の空です。
mino_2311
溝に頭を設置して東の空を見ると、下の写真のような視界です。
この正面から、春分と秋分の太陽が昇ってきます。
mino_2312
そして反対側、今度は西を見てみます。
mino_2313
mino_2314
今は木々に遮られていますが、見通しがよければ、下のように平野部の先にある山々が望めます。
mino_2315
つまり40秒ライン上の中津川市から関市まで、さらに隣の美濃市の山間部の西端にこの巨石があったわけですが、さらにこの先西へ続くよ!と言っているようなもの。

この先西へはしばらく平野部が続くため、その先の山々へ今度は焦点を移します。今のところ地図上で検討しているのは、武芸川町、山形市、本巣市、揖斐川町谷汲から乙原へ。


梅雨が明けると次は猛暑がやってきますが、天候と体調を見ながら。退院後半年以上が経ちましたが、その後はじめての調査となった今回、気温32度の中でしたが、足腰は健在です。それ以上にパワーをもらった今回の調査でした。

この先は、大きな区切りで山々の調査に入ります。

つづく。

金山巨石群リサーチセンター 徳田紫穂











7月30日(日)岩屋ダムの点検放流を行います。

併せてロックフィルダムフェスが開催されるため、金山巨石群へお越しの方々の駐車場が変更されます。いつものように巨石群のすぐ目の前に駐車することができません。ご了承ください。

イベント会場が、巨石群の下(西側)にある 旧テニスコート。

それよりも 400mくらい南の広場が 臨時駐車場 です。
詳しくはこちら(MAP)

ご理解とご協力をお願いします。


金山巨石群リサーチセンター


【2023年 9月28日】

縄文巨石天文学の復活プロジェクト
Project for Reviving Jomon Megalithic Astronomy


屋外調査・活動の記録 
2018~2019年
  ※2020年  4月~9月(2020年度  前期)
  ※2020年 10月~1月(2020年度  後期①)
  ※2021年   2, 3月(2020年度  後期②)
  ※2021年  4月~ 2022年 3月 (2021年度)
  ※2022年  4月~ 2023年 3月(2022年度)
ジャーナル誌掲載記事


調査日

現地調査時刻・内容

調査スタッフ

別 移動時間

2023年 4月~2024年 3月

  7/ 7(木)

 15:45~17:00(美濃市 松森)                   N35°31'40"ライン調査
    【2回目】41.96" 地点/山の神洞くつ
     (春~秋の朝日)
 

小林・徳田

 往復 100分

  7/ 8(金)

① 10:45~14:00(美濃市 松森)
      N35°31'40"ライン調査
    【初】N35°31'41.20" 地点

小林・徳田

往復 100分

  7/14(金)

① 12:30~16:00(関市武芸川町・武儀川周辺)           N35°31'40"ライン調査

小林・徳田

← 往復込

  9/26(火)

① 6:00~8:40(七宗町・飛騨川河岸)             N35°31'40"ライン  秋分頃の朝日撮影小林・徳田← 往復込
  9/28(火)

① 17:15~17:50(美濃市 松森)         N35°31'40"ライン  秋分頃の夕日撮影

小林・徳田

往復 120分












 





  




 




 








 




 




 




 



 




 



 

 

 

 



 

 



 
















現在、金山巨石群リサーチセンターで調査がすすめられている
『縄文巨石天文学の復活プロジェクト』。

2022年度の東芝国際交流財団の助成事業により制作されたドキュメンタリー作品です。
制作は金山巨石群リサーチセンター。

同内容は  4月26日付の中日新聞の上田千秋記者に取り上げていただきました。



日本語版も制作中です。

金山巨石群リサーチセンター 徳田紫穂

↑このページのトップヘ