下呂・金山地区筋骨めぐり英語専門ガイド 進藤みくさん37 ゲーム「聖地」海外客案内
2026/03/30 05:00 読売新聞オンライン
狭い路地が迷路のように絡み合っている公道を、下呂市金山地区では人間の筋や骨に例えて「筋骨」と特有の呼び方をする。昭和の風景が残る「筋骨エリア」が、昨秋発売の人気ホラーゲームの舞台のモデルとなったことから、国内外からファンが「聖地」として訪れ、筋骨めぐりを楽しむ。「ゲームがきっかけでも金山の良さを見ていただけるのはうれしい」と喜ぶ。
江戸時代の宿場町で、1970年前後にはダム建設で栄えた金山町の旧飛騨街道周辺。生活に密着した幅70センチから1メートルほどの共同通路と昭和の面影がいまも残る。
表通りから1段低くなった水路沿いには、密集した古い住宅の地階が延び、地下水を利用した水場などもあり、異世界感が漂う。そんな筋骨エリアがモデルになったゲーム「サイレントヒルf」(コナミデジタルエンタテインメント)が昨年9月に発売となり、「筋骨めぐり」に訪れる人は2倍ほどに増加。若者や外国人の姿も多く見られるようになった。
◇
金山町出身で市内の高校を卒業し、愛知県内の短期大学で保育を学んだ。下呂市と姉妹都市の米・ケチカン市で1年間、日本語指導員を務めたり、夫の仕事の都合で移り住んだ高山市内のゲストハウスで2年間働いたりしたが、英語は好きというだけでほぼ独学だ。
2021年に地元に戻り、子育てをしながら木工の仕事に携わる中で、「英語のスキルを生かすというよりも、英語を学びながら外国の方と交流したい。金山で英語の仕事ができないか」との思いが募った。たどり着いたのがガイドだった。
24年夏から、「筋骨めぐり」の発案者で3000回を超えるガイド実績のある岡戸孝明さん(77)のガイドに何度もついて回り、ガイド内容をひたすらメモして英語の台本づくりに取り組んだ。昨年3月には英語ガイドとしてデビューを果たした。
◇
有名観光地から地方へという訪日外国人観光客の流れがあっても、なかなか金山には波及して来ない。ところが、ゲームをきっかけにポツポツと予約が入るようになった。これまでに米、英、独、香港など10か国地域の13組、32人をガイドした。
タイから訪れた人たちはカメラマンを雇い、主人公のコスプレをして熱心に撮影をして回った。洗濯物が干してあったり、屋内の音が漏れ聞こえたりするような生活空間でもある筋骨エリア。「ガイドを付ける人たちは、とても丁寧で行儀がいい。ガイドがいれば、地元の人にも迷惑がかからない」という。
ゲームにちなんだラベルの日本酒なども売り出している奥飛騨酒造での試飲などを含め、「こんなに楽しいツアーだとは思わなかった」の言葉も励みに、英語ガイドのPRに努める。
「筋骨めぐりを地域で盛り上げていきたい。将来的には金山巨石群や四つの滝など、地域のほかの場所も英語で案内できたらいいな」と夢を広げる。
(山崎栄二)



