2023年 11月 8日(水)中日新聞 飛騨版

みこし継承へ苦渋の決断
下呂・金山祭り、花装飾を一部廃止し軽量化改修

中日新聞Web11/8(水)5:05

 全国的に祭りの担い手不足が叫ばれる中、下呂市金山町金山にある柯柄(えがら)八幡神社の例祭「金山祭り」を巡り、住民が苦渋の決断をした。数十年にわたって奉納してきた伝統の「花みこし」は制作に手間がかかるとして廃止し、少人数でも担げるよう軽量化したみこしに改修中。「地元の伝統文化を守るのを手助けしてほしい」と、クラウドファンディング(CF)で費用を募っている。 (上田千秋)

金山祭みこし 01
 夜間に光る花みこし=土屋委員長提供

 「以前のままの状態で続けようとしたら、みこしそのものがなくなってしまう恐れもあると考えた」。愛宕連神輿(みこし)改修工事プロジェクト委員会の土屋竹浩委員長(63)はこう語る。

 毎年 4月の第 3土曜と日曜に開かれる祭りの主要行事は、4基のみこしの奉納。うち 3基は、桜色に染めた美濃和紙を巻いた約250本の竹を屋根に取り付け、花が満開になったような装いになる。夜間に担ぐ際は電飾が光り、独特の雰囲気を醸し出していた。

 ただ、「花」の部分を作るのには住民総出で 2カ月ほどかかる。このため今年初め、コロナ禍により祭りは 4年連続で神事のみにすると決めたのに合わせ、みこしをかつぐ四つの「連」のうち愛宕連と妙見連が次回以降、花みこしをやめることにした。

 愛宕連の顧問でもある土屋委員長は「主に作業を担ってくれていた人の高齢化が進み、目が衰えたり、体力的に厳しくなったりしていた。住民全体の数も減っている」と説明する。

 愛宕連のみこしの改修は 9月に始まり、軽い土台に替えるほか、屋根を大きくして板金塗装する。一番上に鳳凰(ほうおう)の飾りを取り付け、来年 4月20日の祭り初日でお披露目の予定。CF=QRコード=で募るのは改修費300万円のうち60万円で、返礼品に地元の日本酒や飛騨牛、観光スポットを巡るツアーのチケットなどを用意した。

 市南部に位置する同町は岐阜市や名古屋市に比較的近いからか若者らの流出が止まらず、下呂市でも人口減少が顕著な地域。出生数が1桁に落ち込んだ年もあり、住民の将来への危機感は強い。土屋委員長は「みこしが残っていれば、一度出て行っても祭りの時期に家族を連れて帰って来てくれる。外部の人も、5年ぶりとなるみこしを見に足を運んでもらえれば」と語った。

金山祭みこし 02
 改修中のみこしの横に立つ土屋委員長=下呂市で
..................................................................................................

金山祭みこし 中日新聞