中日新聞 飛騨版
https://www.chunichi.co.jp/article/878970
<次世代のために 下呂市長選を前に>(上)
縮む町、目立つ空き家

「まさか、あそこまで減るとは思っていなかった。衝撃的だった」。下呂市金山町田島で古民家宿「樹々庵」を営む金森亜紀さん(56)はこう振り返る。
ショックを受けた原因は、同町の新生児の数が2021年度、一桁に落ち込んだこと。自分が子育てをしていた頃は同級生が40〜50人いた。同年度まで10年余り金山児童館の館長を務めた金森さんは「年々、来る子の数が減っているなあとは感じていた。少人数の良さはあるにしても、できなくなることも多くなってしまう」と表情を曇らせた。
4町1村が合併し04年3月に発足した下呂市はこの20年の間、人口が約4万人から2万9千人余へと4分の3に縮小。市南部に位置する同町は特に深刻で、3割減の約5200人になった。岐阜市や名古屋市などの都市圏に比較的近く、そちらへ移ってしまう人が多いためと言われる。
この先、状況はさらに悪化する。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、50年の下呂市の人口は現在の半分強の1万5154人。県内21市で減少割合は最も大きい。
そうした中、より深刻になると想定されるのが空き家の増加だ。総務省の住宅・土地統計調査では、同市の18年の空き家率は全国平均(13・6%)より高い19・5%。市建設総務課の担当者は、近く結果が出る23年の調査も「さらに高い数字になるだろう」とみる。手入れが行き届かない空き家は朽ちるのが早く、地震の際に倒壊して道路をふさいでしまえば、救助や復旧作業に支障を来す。
一方で、「空き家はそのままなら負債。有効活用すれば資産」と考える人もいる。金山町中心部で「コミュニティカフェつむぎ」を経営する佐藤文さん(40)。周辺でも空き家が多くなっていて、自身が代表を務める住民グループ「金山みらい協議会」の事業として現状を調べ、民泊施設としての活用を模索している。
佐藤さんは「金山が目的地でなくても、高山や白川村、長野など広範囲を回る途中に1泊し、仲間内で自由に使いたいという需要は十分にある」と説く。
金森さんも民泊を始めて、予想以上の来客数に驚いた。「金山は何もないわけではなく、都会からすれば『非日常』。1回来てすぐに移住とはならなくても、関係人口は増えていく。住民と行政が一体になって魅力を発信していけば、可能性はまだまだある」
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下呂市長選が7日、告示される。次世代のために、市が向き合わなければならない課題を2回に分けて考える。(上田千秋)































































