ワシン坂のアジサイ



















谷戸坂を登り、そのまま真っ直ぐに山手の東の崖に沿ってゆく道が本牧の近くで下りになりますが、そのあたりがワシン坂です。開港以前は本牧十二天へ抜ける淋しい山道だったそうです。この坂にそってカネボウ研修所がありますが、研修所の木々が日の光をさえぎって坂に昼間でも暗い翳を作っています。

その擁護壁は見た目かなり古そうです。その石積みの間からアジサイが生えています。ガクアジサイの古めかしい姿がこの坂の雰囲気にとてもよく似合っています。
この坂の下に昔から湧き水があり、今でも近隣の人たちに利用されています。

古壁のアジサイシダ







ユニークな坂の名前についてはとても面白い考証があります。「横浜山手変遷誌 小寺篤著 山手資料館刊 1980」によりますと次の4説があるそうです。

1. 和親条約によるという説
2. ワシンさんが住んでいたからという説
3. 鷲の飛んでいるのが見られたからという説
4. 湧水、清水が外国人の口で転化したという説

著者によると1は和親条約とこの坂との直接的関係がないので無理、2は住民録などを調べた結果この付近に外国人はおおかったもののワシンさんと思しき人は住んでいなかったとのこと、3は鷲見坂からの転化と思われるが可能性としてはあるとのこと、しかし、4が最も信憑性があるとのことです。

この坂を最も特徴づけるものは昔から湧き水であり、日本人のワキミズ、シミズという発音がこの付近に住んでいた外国人の間でワシンに転化したのではないか、と書いています。小さな坂の名前ですが、まだ研究の余地がありそうですね。

ワシン坂の湧き水湧き水の解説