クリスマスの外人墓地


















親戚の人が長年介護をしていた外国人のお墓参りに同行しました。外人墓地の元町入り口から入ってすぐのところでした。冬の墓地は木々も枯れ、草花も少なく淋しい感じでしたが、クリスマスのせいかところどころの墓標には花が生けられていました。

冬の外人墓地リースの飾り







隣のお墓、上の写真の手前の黒い御影石は某有名中国料理店主の先祖のお墓でした。右のお墓にはクリスマスリースが飾ってありました。

外人墓地を良く描いた作家に戦前戦後に活躍した中里恒子がいます。

・・・丁度、その頃、一人で山手の外人墓地へおまいりに行っては、碑文を蒐集していたので、ふと思いついて、マリアンヌに手伝ってもらおうと考えた。
「どうして、お墓の文句なんか書きとるの」
「・・・好きだから」
「どこが面白いの、みんな名前と、死んだ月日と、短いお祈りの言葉ぐらいじゃないの」
「それには動機のようなものがあるのよ、だけど・・まあそんなこといいじゃないの」
マリアンヌはちらっと凝視めて、
「そうね、ここのお墓なら、ちょっとぐらいあたしも散歩したい気持ちがしてよ」
少女らしく、素直に考えてくれたので、私も気持ちが良かった。そして、私たちはある冬にま近い朝、横浜駅からわざと電車に乗って、元町の通りを歩いて、測候所の脇の坂から、累るいと重なる白い十字架を眺めながら墓地の表門をはいった。」・・・

                 中里恒子 「森の中」 昭和13年、より。

ここに出てくるマリアンヌという少女はその後、若くして亡くなり、やはり、外人墓地に眠ることになりました。