玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

2013年01月

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

楊柳枝 之六 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-62-15-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1864

楊柳枝 之六 温庭筠

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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楊柳枝 之六 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-62-15-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1864


楊柳枝 
宜春苑外最長條,閑裊春風伴舞腰。
大明宮の宜春苑の外 柳の枝に若芽も最も長くなっている。春風はみやびでなよなよと枝にそよぐ、宮女の舞い姿に柳も伴って揺れている。
正是玉人腸絕處,一渠春水赤闌橋。

ちょうどその場所で、ある宮女が侘しい思いをしたところなのだ。大明宮内の一番大きな龍首渠にも春の雪解け水で水嵩が上がっている嗟またこの赤闌橋を寂しくわたるのか。
楊柳枝 (之六)  
宜春【ぎしゅん】苑の外最も條を長くす,閒裊【かんじょう】春風  腰に舞うを伴う。
正【まさ】に是【こ】れ 玉人 腸斷の處,一つの渠【きょ】春水 赤闌【せきらん】の橋。


楊柳枝0006








『楊柳枝 (之六)』温庭筠 現代語訳と訳註
(本文)
楊柳枝 
宜春苑外最長條,閑裊春風伴舞腰。
正是玉人腸絕處,一渠春水赤闌橋。


(下し文)
楊柳枝 (之六)  
宜春【ぎしゅん】苑の外最も條を長くす,閒裊【かんじょう】春風  腰に舞うを伴う。
正【まさ】に是【こ】れ 玉人 腸斷の處,一つの渠【きょ】春水 赤闌【せきらん】の橋。

(現代語訳)
大明宮の宜春苑の外 柳の枝に若芽も最も長くなっている。春風はみやびでなよなよと枝にそよぐ、宮女の舞い姿に柳も伴って揺れている。
ちょうどその場所で、ある宮女が侘しい思いをしたところなのだ。大明宮内の一番大きな龍首渠にも春の雪解け水で水嵩が上がっている嗟またこの赤闌橋を寂しくわたるのか。 


(訳注)
楊柳枝 (之六)

柳を詠う。連作八首のうちこれは第六首。


宜春苑外最長條,閑裊春風伴舞腰。
大明宮の宜春苑の外 柳の枝に若芽も最も長くなっている。春風はみやびでなよなよと枝にそよぐ、宮女の舞い姿に柳も伴って揺れている。
・宜春苑 唐大明宮の庭園。李白『侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌』
侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌 李白
侍從宜春苑奉詔賦龍池柳色初青聽新鶯百囀歌
東風已綠瀛洲草。紫殿紅樓覺春好。
池南柳色半青春。縈煙裊娜拂綺城。
垂絲百尺挂雕楹。
上有好鳥相和鳴。間關早得春風情。
春風卷入碧云去。千門萬戶皆春聲。
是時君王在鎬京。五云垂暉耀紫清。
仗出金宮隨日轉。天回玉輦繞花行。
始向蓬萊看舞鶴。還過芷若聽新鶯。
新鶯飛繞上林苑。愿入簫韶雜鳳笙。
・最 一番に。もっとも。 
・長條 長い枝
・閒裊 みやびでなよなよとしている。たおやか。みやびやか。しとやか。=閒嫋(嫺嫋、嫻嫋)。 
・伴 つきしたがう。ともなう。 
・舞腰 舞い姿。


正是玉人腸絕處,一渠春水赤闌橋。
ちょうどその場所で、ある宮女が侘しい思いをしたところなのだ。大明宮内の一番大きな龍首渠にも春の雪解け水で水嵩が上がっている嗟またこの赤闌橋を寂しくわたるのか。 
・正是 ちょうど…だ。ぴったりだ。(すなわち)一筋のほりかわの春の流れ(に架かった)赤闌橋(のところだ)。
・玉人 姿の美しい人。ここでは、宮女のことになる。 
・腸斷 男性を思い腸(はらわた=下半身)がちぎれるほどの侘しさをおもうことをいう。
・渠 ほりかわ、みぞの量詞(助数詞)。 
・春水 春の川の流れ。
一渠 大明宮内の一番大きな龍首渠。大明宮の配置図参照
・赤闌橋 御橋のこと。赤欄の橋。大明宮の南に位置する。配置図参照

唐朝 大明宮01

 




































楊柳枝 (之一)
蘇小門前柳萬條,毵毵金線拂平橋。
黃莺不語東風起,深閉朱門伴舞腰。

楊柳枝 (之二)
金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。

楊柳枝 (之三)
禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。

楊柳枝 (之四)
織錦機邊莺語頻,停梭垂淚憶征人。
塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。

楊柳枝 (之五)
兩兩黃鹂色似色,袅枝啼露動芳音。
春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心

楊柳枝 (之六)
宜春苑外最長條,閑袅春風伴舞腰。
正是玉人腸絕(一作斷)處,一渠春水赤闌橋。

楊柳枝 (之七)
南內牆東禦路帝,須知春色柳絲黃。
杏花未肯無情思,何事行人最斷腸?

楊柳枝 (之八)
館娃宮外邺城西,遠映征帆近拂堤。
系得王孫歸意切,不關(一作同)芳草綠萋萋。


楊柳枝 之五 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-61-14-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1860

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女性詩人
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孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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『楊柳枝 之五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-61-14-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1860


楊柳枝 (之五)
兩兩黃鸝色似色,裊枝啼露動芳音。
小糠雨が降りやんでその後また降り始めている、黄色のうぐいす色がさらに濃くなってはっきりしてきています、風にそよぐ枝の上で泣き腫らしていて、芳しい香りに心なごます音色に心は動かされます。
春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心

間違いなく春は来ているのだ、柳の枝は幸いにも自然にその枝は長くなっています、惜しむべきことはあの人との腐れ縁、あの放蕩男とのつながりなのです。

兩に兩して黃鸝【こうり】の色 色に似る,裊枝【じょうし】啼露して芳音を動かす。
春來たれば幸にして自ら長く線の如し,惜む可くは牽纏【けんてん】蕩子の心。

楊柳枝005









『楊柳枝』 (之五) 現代語訳と訳註
(本文)
楊柳枝 (之五)
兩兩黃鸝色似色,裊枝啼露動芳音。
春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心


(下し文)
兩に兩して黃鸝【こうり】の色 色に似る,裊枝【じょうし】啼露して芳音を動かす。
春來たれば幸にして自ら長く線の如し,惜む可くは牽纏【けんてん】蕩子の心


(現代語訳)
小糠雨が降りやんでその後また降り始めている、黄色のうぐいす色がさらに濃くなってはっきりしてきています、風にそよぐ枝の上で泣き腫らしていて、芳しい香りに心なごます音色に心は動かされます。
間違いなく春は来ているのだ、柳の枝は幸いにも自然にその枝は長くなっています、惜しむべきことはあの人との腐れ縁、あの放蕩男とのつながりなのです。


(訳注)
楊柳枝 (之五)
兩兩黃鸝色似色,裊枝啼露動芳音。
小糠雨が降りやんでその後また降り始めている、黄色のうぐいす色がさらに濃くなってはっきりしてきています、風にそよぐ枝の上で泣き腫らしていて、芳しい香りに心なごます音色に心は動かされます。
・裊枝 風にそよぐ枝。1 風がそよそよと吹くさま。  2 長くしなやかなさま。
・啼露 1 涙を流して泣く。「啼泣」2 鳥や獣などが鳴く。


春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心。
間違いなく春は来ているのだ、柳の枝は幸いにも自然にその枝は長くなっています、惜しむべきことはあの人との腐れ縁、あの放蕩男とのつながりなのです。

・牽纏 絡み合う、関係する、影響する。しがらみ。くされえん。
・蕩子 「蕩児(とうじ)」に同じ。正業を忘れて、酒色にふける者。放蕩むすこ。遊蕩児。

中唐•白居易『放言五首 其二』
世途倚伏都無定,塵網牽纏卒未休。禍福回還車轉轂,榮枯反覆手藏鉤。龜靈未免刳腸患,馬失應無折足憂。不信君看弈棊者,輸贏須待局終頭。

世途(せいと)の倚伏 すべて定まるなく、塵網(じんもう)のけんてん ついに未だやまず
禍福はめぐりて 車 轂(こく)を転じ、栄枯は蔵鉤のごとく反復す
亀は霊なるも 未だ腸を刳(え)ぐらる患(うれ)いを免れず、馬は失して まさに足を折る憂い無かるべし
信ぜずんば 君看よ 奕棋(えきき)の者、輸贏(しゅえい) すべからく待つべし
美女画557

楊柳枝 之四 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-60-13-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1856

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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楊柳枝 之四 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-60-13-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1856


楊柳枝 (之四)
織錦機邊鶯語頻,停梭垂淚憶征人。
こちらの部屋で錦を織っている機の傍まで鶯が来て春を告げる泣き声を繰り返している。またこの春にもかえってこない、機織りの梭を停めて涙を流す、そしてまた、旅先のあの人の事を思うとまた涙を垂らす。
塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。
あの人が行っている関所塞の春の三ケ月はこちらとは違って今なおはるはこなくてもの寂しい。たとえ、垂れ柳が葉が芽吹いてきて風に揺られても私にとっては、春の喜びを感じることはできない。

楊柳枝 (之四)
錦を織るは機邊 鶯語【おうご】頻【ひん】なり,梭【さ】を停めて淚を垂す 征人を憶う。
塞門 三月 猶お蕭索し,縱【たと】い楊が垂れようとも 未だ春をえ覺ざる有り。


楊柳枝004












『楊柳枝)』(之四 現代語訳と訳註
(本文)
楊柳枝 (之四)
織錦機邊鶯語頻,停梭垂淚憶征人。
塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。


(下し文)
楊柳枝 (之四)
錦を織るは機邊 鶯語【おうご】頻【ひん】なり,梭【さ】を停めて淚を垂す 征人を憶う。
塞門 三月 猶お蕭索し,縱【たと】い楊が垂れようとも 未だ春をえ覺ざる有り。


(現代語訳)
こちらの部屋で錦を織っている機の傍まで鶯が来て春を告げる泣き声を繰り返している。またこの春にもかえってこない、機織りの梭を停めて涙を流す、そしてまた、旅先のあの人の事を思うとまた涙を垂らす。
あの人が行っている関所塞の春の三ケ月はこちらとは違って今なおはるはこなくてもの寂しい。たとえ、垂れ柳が葉が芽吹いてきて風に揺られても私にとっては、春の喜びを感じることはできない。


(訳注)
楊柳枝 (之四)
柳を詠う。連作八首のうち第さん四首。


織錦機邊鶯語頻,停梭垂淚憶征人。
こちらの部屋で錦を織っている機の傍まで鶯が来て春を告げる泣き声を繰り返している。またこの春にもかえってこない、機織りの梭を停めて涙を流す、そしてまた、旅先のあの人の事を思う。
・鶯語 鶯が鳴くこと。後宮の場合は侍女たちの語り合い。高楼の女儀の場合もある。季語としては早春、春を告げるということ。
・頻 くりかえす。


塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。
あの人が行っている関所塞の春の三ケ月はこちらとは違って今なおはるはこなくてもの寂しい。たとえ、垂れ柳が葉が芽吹いてきて風に揺られても私にとっては、春の喜びを感じることはできない。
塞門 西域の塞、玉門関。
・三月 春の三か月(早春、盛春、晩春)。
・蕭索 もの寂しいさま。うらぶれた感じのするさま。蕭条。

蜀の山50055

楊柳枝 之三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-59-12-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1852

楊柳枝 之三 温庭筠


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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楊柳枝 之三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-59-12-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1852


楊柳枝 (之三)
禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
柳の枝をまるで糸を操るように手に取りもてあそぶ、柳の枝は金色に輝く若芽を幾重にもかさねって目に映える。描かれた鳳凰が芙蓉の刺繍を差し込んだうす絹の窓辺に映している。
景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。
あのひとがこないまま夜明けをつげる景陽の鐘がなる、高楼のある川岸に柳並木の道、鏡に向い朝の化粧に変えて、又今日も暁の風を斬ってきてくれるあの人を待つのです。

(之三)
絲の如く柳を禦して九重を映し,鳳凰 繡の芙蓉を窗に映す。
景陽 樓の畔 千條の路,新妝するに一たび面し曉の風するを待つ。

楊柳枝003









『楊柳枝』(之三) 現代語訳と訳註
(本文) 

禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。


(下し文) 楊柳枝 (之三)
絲の如く柳を禦して九重を映し,鳳凰 繡の芙蓉を窗に映す。
景陽 樓の畔 千條の路,新妝するに一たび面し曉の風するを待つ。


(現代語訳)
柳の枝をまるで糸を操るように手に取りもてあそぶ、柳の枝は金色に輝く若芽を幾重にもかさねって目に映える。描かれた鳳凰が芙蓉の刺繍を差し込んだうす絹の窓辺に映している。
あのひとがこないまま夜明けをつげる景陽の鐘がなる、高楼のある川岸に柳並木の道、鏡に向い朝の化粧に変えて、又今日も暁の風を斬ってきてくれるあの人を待つのです。

景陽楼001











(訳注)
楊柳枝 (之三)

柳を詠う。連作八首のうち第三首。


禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
柳の枝をまるで糸を操るように手に取りもてあそぶ、柳の枝は金色に輝く若芽を幾重にもかさねって目に映えるのです。描かれた鳳凰が芙蓉の刺繍を差し込んだうす絹の窓辺に映している。
・九重 1 物が九つ、または、いくつも重なっていること。また、その重なり。「―に霞隔てば」〈源・真木柱〉 2 《昔、中国の王城は門を九重につくったところから》宮中。禁中。


景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。
あのひとがこないまま夜明けをつげる景陽の鐘がなる、高楼のある川岸に柳並木の道、鏡に向い朝の化粧に変えて、又今日も暁の風を斬ってきてくれるあの人を待つのです。
・景陽 景陽の鐘。『南斉書(后妃伝)』、斉の武帝が景陽楼に鐘を置かせ、暁に鳴らして時を知らせたことから〕暁に鳴らされる鐘。
・柳の枝は男が通ってくる頃は柳の木に馬を止めてきていた。今は馬が止まっていないのだ。男は来ないのだ。

楊柳枝 之二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-58-11-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1848

楊柳枝 之二 温庭筠

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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楊柳枝 之二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-58-11-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1848


楊柳枝 (之二)
金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれ、そのみどりは軒屋根の瓦を払っている。後宮の部屋にはまゆもまゆずみをきれいして香を焚いて待つのであるが愁いに思うことばかりなのだ。
晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。

夕方になって夜の化粧をしている、夜も更けてから興慶宮の竜池に雨が落ちている。着物のすそを少しかかげて欄干をとおって庭に出るあの方が来られるのかと出たり入ったりしている。

(楊柳枝 之二)
金縷 毵毵として碧の瓦溝あり,六宮 眉黛 惹香して愁う。
晚來 更帶するも 龍池の雨,半拂い 欄杆 半ば樓に入る。

楊柳枝002








『楊柳枝』(之二) 現代語訳と訳註
(本文)  

金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。


(下し文)(楊柳枝 之二)
金縷 毵毵として碧の瓦溝あり,六宮 眉黛 惹香して愁う。
晚來 更帶するも 龍池の雨,半拂い 欄杆 半ば樓に入る。

(現代語訳)
細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれ、そのみどりは軒屋根の瓦を払っている。後宮の部屋にはまゆもまゆずみをきれいして香を焚いて待つのであるが愁いに思うことばかりなのだ。
夕方になって夜の化粧をしている、夜も更けてから興慶宮の竜池に雨が落ちている。着物のすそを少しかかげて欄干をとおって庭に出るあの方が来られるのかと出たり入ったりしている。


(訳注)
楊柳枝 (之二)

柳を詠う。連作八首のうち第二首。


金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれ、そのみどりは軒屋根の瓦を払っている。後宮の部屋にはまゆもまゆずみをきれいして香を焚いて待つのであるが愁いに思うことばかりなのだ。
・金縷 針金状の金の撚糸で綴り合わせる
・毵毵 毛や柳の枝が細長く垂れ下がるさま。毛の長いさま。毛の長くふさふさとしたさま。 
・碧 あおい。みどり。あお。色があおい。あおみどり。無色の奥から浮き出すあおみどり色。
・六宮 皇后と五人の夫人が住む六つの宮殿。皇后と五人の夫人。後宮。


晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。
夕方になって夜の化粧をしている、夜も更けてから興慶宮の竜池に雨が落ちている。着物のすそを少しかかげて欄干をとおって庭に出るあの方が来られるのかと出たり入ったりしている。
更帶 夜のための帯に着替える。夜の時間帯がふけていく。
龍池雨 興慶宮龍池。興慶宮は長安城北にある「太極宮」、「大明宮」と区別するため、「南内」と呼ばれた。南北1.3キロメートル、東西1.1キロメートルあり、北側が宮殿、南側が庭園となっていた。南には、「竜池」という湖が存在し、船を浮かべることもあった。・半拂 着物のすそをかかげる。
欄杆 橋・階段などの縁に、人が落ちるのを防ぎ、また装飾ともするために柵状に作り付けたもの。てすり。
半入樓 でたりはいったりすること。

10risho長安城の図035

楊柳枝 (之一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-57-10-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1844

楊柳枝 (之一)


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 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩楊柳枝 (之一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-57-10-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1844 
      
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古詩十九首 (1) 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67676781.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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楊柳枝 (之一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-57-10-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1844



楊柳枝 (之一)
蘇小門前柳萬條,毵毵金線拂平橋。
黃莺不語東風起,深閉朱門伴舞腰。


楊柳枝 (之二)
金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。


楊柳枝 (之三)
禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。


楊柳枝 (之四)
織錦機邊莺語頻,停梭垂淚憶征人。
塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。


楊柳枝 (之呉)
兩兩黃鹂色似色,袅枝啼露動芳音。
春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心


楊柳枝 (之六)
宜春苑外最長條,閑袅春風伴舞腰。
正是玉人腸絕(一作斷)處,一渠春水赤闌橋。


楊柳枝 (之七)
南內牆東禦路帝,須知春色柳絲黃。
杏花未肯無情思,何事行人最斷腸?


楊柳枝 (之八)
館娃宮外邺城西,遠映征帆近拂堤。
系得王孫歸意切,不關(一作同)芳草綠萋萋。



楊柳枝 (之一)
蘇小門前柳萬條,毵毵金線拂平橋。
南斉の錢唐の妓女蘇小小の置屋の門前の柳は、万条のしだれやなぎでがある 細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれる。
黄鶯不語東風起,深閉朱門伴細腰。
ウグイスが春の訪れを告げていないのに春風が吹きはじめたときにそのひとはおとずれて、もう夏が来ようというのに立派な朱塗りの南門を閉ざしたその街の奥深い所に、腰の細いたおやかな女性を伴っているのだ。
楊柳枝 (之一)
蘇小【そしょう】の門前 柳は萬條,毵毵【さんさん】たる金線 平橋を拂ふ。
黄鶯【こうおう】語らず東風の起きるを,深く朱門に 閉ざして細腰を伴ふ。



楊柳枝001










『楊柳枝』 現代語訳と訳註 
(本文)

蘇小門前柳萬條,毵毵金線拂平橋。
黄鶯不語東風起,深閉朱門伴細腰。


(下し文)
(楊柳枝)
蘇小【そしょう】の門前 柳は萬條,毵毵【さんさん】たる金線 平橋を拂ふ。
黄鶯【こうおう】語らず東風の起きるを,深く朱門に 閉ざして細腰を伴ふ。


(現代語訳)
南斉の錢唐の妓女蘇小小の置屋の門前の柳は、万条のしだれやなぎでがある 細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれる。
ウグイスが春の訪れを告げていないのに春風が吹きはじめたときにそのひとはおとずれて、もう夏が来ようというのに立派な朱塗りの南門を閉ざしたその街の奥深い所に、腰の細いたおやかな女性を伴っているのだ。


(訳注)
楊柳枝

柳を詠う。連作八首のうち第一首。


蘇小門前柳萬條、毵毵金線拂平橋。
南斉の錢唐の妓女蘇小小の置屋の門前の柳は、万条のしだれやなぎでがある 細長くふさふさとして垂れ下がる黄金色に輝く新芽のめぶいた柳の枝は、平らな橋を撫で払うように、風にゆれる。
・蘇小 蘇小小のこと。南斉時代の妓女。錢唐・蘇小蘇小小の作品は『玉臺新詠』に残されている。
『歌一首』(『蘇小小歌』『西陵歌』)
妾乘油壁車,郞乘靑馬。
何處結同心?西陵松柏下。
」 というのがそれになる。南斉(南齊)時代、謝朓と同時期、銭塘の名妓。才色兼備の誉れが高かった。現・浙江省杭州市、「銭塘」のこと。唐代に「唐」字を避けて「錢唐」を「銭塘」とした。白楽天、杜牧、羅隱も詩の中に詠う。
後世、蘇小小については、
白居易 『楊柳枝』其五
蘇州楊柳任君誇,更有錢塘勝館娃。
若解多情尋小小,綠楊深處是蘇家。
白居易 『楊柳枝』其六
蘇家小女舊知名,楊柳風前別有情。
剥條盤作銀環樣,卷葉吹爲玉笛聲。
白居易 『餘杭形勝』
餘杭形勝四方無,州傍靑山縣枕湖。
遶郭荷花三十里,拂城松樹一千株。
夢兒亭古傳名謝,敎妓樓新道姓蘇。
獨有使君年太老,風光不稱白髭鬚。
杜牧 『自宣城赴官上京』
瀟灑江湖十過秋,酒杯無日不淹留。
謝公城畔溪驚夢,蘇小門前柳拂頭。
千里雲山何處好,幾人襟韻一生休。
塵冠挂卻知閒事,終擬蹉訪舊遊。
五代・梁・羅隱 『江南行』
江煙雨蛟軟,漠漠小山眉黛淺。
水國多愁又有情,夜槽壓酒銀船滿。
細絲搖柳凝曉空,呉王臺春夢中。
鴛鴦喚不起,平鋪綠水眠東風。
西陵路邊月悄悄,油碧輕車蘇小小。
牛嬌 『楊柳枝』
呉王宮裏色偏深,一簇纖條萬縷金。
不憤錢塘蘇小小,引郎松下結同心。

と、多くの作品が作られている。現在、杭州西湖畔(西北)に墳墓 がある。
・萬條 極めてたくさんの枝の本数。万朶。
・毵毵 毛や柳の枝が細長く垂れ下がるさま。毛の長いさま。毛の長くふさふさとしたさま。 
・金線 新芽が金色に輝いているシダレヤナギの枝のこと。 
・平橋 平らな橋。写真のようになっていない橋。
靈江浮橋という橋が南宋淳熙年間に建設されている,当初の名前は“中津橋”と称していた。浙江省臨海縣南門城外の靈江の上にかけられている。現存に於ける最古の橋といわれる河北省趙縣交河の上にかけられている趙州橋(隋,原名安濟橋)写真
古橋001
 









黄鶯不語東風起、深閉朱門伴細腰。

ウグイスが春の訪れを告げていないのに春風が吹きはじめたときにそのひとはおとずれて、もう夏が来ようというのに立派な朱塗りの南門を閉ざしたその街の奥深い所に、腰の細いたおやかな女性を伴っているのだ。 
・黄鶯 ウグイス。 
送李億東歸 溫庭筠
黃山遠隔秦樹,紫禁斜通渭城。
別路青青柳弱,前溪漠漠苔生。
和風澹蕩歸客,落月殷勤早鶯。
灞上金樽未飲,宴歌已有餘聲。
・不語 話さない。春を告げないままでいる。 
・東風 春風。 
・起 (吹き)始める。
・深閉 奥深く閉ざす。尋ねた人が出てこないことを云う。 
・朱門 赤い色で塗られた立派な門。赤い門は南向きの門であり、夏をあらわす。
・伴 連れ立つ。一緒にいる。ともなう。 蘇小々のところで春になる前から夏になろうというまでいつづけるということ。
・細腰 腰の細いたおやかな女性であり、女性に擬せられる柳の表現でもある。女性の細い腰。楚の霊王が細い腰を好んだという。『漢書・馬寥傳』の「呉王好劍客,百姓多瘡瘢。楚王好細腰,宮中多餓死。」、『荀子・君道』「楚莊王好細腰,故朝有餓人。」や『韓非子』「越王好勇,而民多輕死。楚靈王好細腰,而國中多餓人。」「楚の霊王は細腰を好み、国中餓する人多し」。
『南歌子』(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰
花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
○細腰宮:(春秋)楚の宮殿。『漢書・馬寥伝』の「呉王好劍客,百姓多瘡瘢。楚王好細腰,宮中多餓死。」からきている。
在位BC614~BC591。楚の穆王(商臣)の子。即位して三年の間、無為に過ごし、奢侈をきわめ、諫める者は死罪にすると触れを出した。激やせした状態の女性を好み、宮女たちは痩せるため、食を減らし、絶食する者もいた。そのため多くの宮女、侍女たちに餓死者が出た。皇帝のわがままによる宮女たちの悲惨な出来事をとらえている。

李商隱 『聞歌』 
斂笑凝眸意欲歌,高雲不動碧嵯峨。
銅臺罷望歸何處,玉輦忘還事幾多。
靑冢路邊南雁盡,細腰宮裏北人過。
此聲腸斷非今日,香灺燈光奈爾何。

贈少年 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-56-9-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1840

贈少年 温庭筠


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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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贈少年 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-56-9-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1840


贈少年 温庭筠
江海相逢客恨多,秋風葉下洞庭波。
漂泊の旅をつづけ江南を進んでいる、旅での出会いに旅愁を感じることが多くあるのだ。季節も変わり秋風に葉が散り落ち、悲愁の洞庭湖は波立っている。
酒酣夜別淮陰市,月照高樓一曲歌。

酒の宴がたけなわになった夜更け、韓信の故事のある淮陰の市場を別れることになるが、月の光は、高楼で別れの歌を一曲歌っている少年たちを照している。
(少年に贈る)
江海【かうかい】相【あ】ひ逢【あ】ひて客恨【かくこん】多く,秋風 葉は 下くだりて洞庭【どうてい】波だつ。
酒 酣【たけなわ】にして 夜 別る淮陰【わいいん】の市,月は照らす 高樓 一曲の歌。



oborotsuki03h『贈少年』温庭筠 現代語訳と訳註
(本文)

江海相逢客恨多,秋風葉下洞庭波。
酒酣夜別淮陰市,月照高樓一曲歌。


(下し文)
(少年に贈る)
江海【かうかい】相【あ】ひ逢【あ】ひて客恨【かくこん】多く,秋風 葉は 下くだりて洞庭【どうてい】波だつ。
酒 酣【たけなわ】にして 夜 別る淮陰【わいいん】の市,月は照らす 高樓 一曲の歌。


(現代語訳)
漂泊の旅をつづけ江南を進んでいる、旅での出会いに旅愁を感じることが多くあるのだ。季節も変わり秋風に葉が散り落ち、悲愁の洞庭湖は波立っている。
酒の宴がたけなわになった夜更け、韓信の故事のある淮陰の市場を別れることになるが、月の光は、高楼で別れの歌を一曲歌っている少年たちを照している。


(訳注)
贈少年

いわゆる貴公子とか、游侠の若者に詩を贈る。作者の心と若者の心の絡み合うさまを詩にする。詩中の「淮陰市」はキーワードで、「隠忍自重した游侠の徒・韓信のようにあれ。」と歌う。両者は、出逢って楽しむということはなく「客恨」「秋風」「淮陰市」と失意の情感を醸している。 
少年:若者。年若い者。唐詩で「少年」といえば、王維 少年行
新豐美酒斗十千,咸陽遊侠多少年。
相逢意氣爲君飮,繋馬高樓垂柳邊。
李白 17少年行
少年行      
五陵年少金市東、銀鞍白馬度春風。
落花踏尽遊何処、笑入胡姫酒肆中。
杜甫 少年行

馬上誰家白面郎、臨階下馬坐人牀。
不通姓氏麤豪甚、指點銀瓶索酒嘗。
 王昌齢『少年行』
走馬遠相尋,西樓下夕陰。結交期一劍,留意贈千金。高閣歌聲遠,重門柳色深。夜闌須盡飲,莫負百年心。
いなせな若者や壮士を詠う。


江海相逢客恨多、秋風葉下洞庭波。
漂泊の旅をつづけ江南を進んでいる、旅での出会いに旅愁を感じることが多くあるのだ。季節も変わり秋風に葉が散り落ち、悲愁の洞庭湖は波立っている。
・江海 他郷。長江下流域、江南地方。
・相逢 出逢う。作者が若者に偶然に出逢ったこと。 
・客恨 女性と別れて旅にでて、その寂しさを旅で感じ続けていること。旅中の寂しい気持ち。旅愁。客愁。
・秋風 侘びしげな秋の風。万物の精気が衰えてくる季節の風。夏がすぎ秋風が吹く新たな季節となりと時間経過を示す。


酒酣夜別淮陰市、月照高樓一曲歌
酒の宴がたけなわになった夜更け、韓信の故事のある淮陰の市場を別れることになるが、月の光は、高楼で別れの歌を一曲歌っている少年たちを照している。 
・酣 たけなわ。
・淮陰市 韓信が人生を変えた漂母と出会った街。

李白『猛虎行』朝過博浪沙。 暮入淮陰市。

猛虎行 #2 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -277

・淮陰 現・江蘇省淮安の地。淮陰侯・韓信の游侠時代の股くぐりや、食べ物を恵んでもらった故事等を指そう。恐らく詩中の「少年」は、何か屈辱的なことにあって、傷つき落ち込んでいたのだろう。 ・市:市街。いち。物品を売買を販売する所。人や物資の多く集まる場所。

經下邳圯橋懷張子房 李白-272

扶風豪士歌 安史の乱と李白(3215

淮陰書懷寄王宗成李白350-199

李白32 玉真公主別館苦雨贈衛尉張卿二首 其二



韓信が人生を変えた漂母と出会った故事。
貧乏で品行も悪かったために職に就けず、他人の家に上がり込んでは居候するという遊侠無頼の生活に終始していた。こんな有様であったため、淮陰の者はみな韓信を見下していた。とある亭長の家に居候していたが、嫌気がした亭長とその妻は韓信に食事を出さなくなった。いよいよ当てのなくなった韓信は、数日間何も食べないで放浪し、見かねた老女に数十日間食事を恵まれる有様であった。韓信はその老女に「必ず厚く御礼をする」と言ったが、老女は「あんたが可哀想だからしてあげただけのこと。御礼なんて望んでいない」と語ったという。

韓信の「股をくぐり」の故事

韓信は町の少年に「お前は背が高く、いつも剣を帯びているが、実際には臆病者に違いない。その剣で俺を刺してみろ。出来ないならば俺の股をくぐれ」と挑発された。韓信は黙って少年の股をくぐり、周囲の者は韓信を大いに笑ったという。大いに笑われた韓信であったが、「恥は一時、志は一生。ここでこいつを切り殺しても何の得もなく、それどころか仇持ちになってしまうだけだ」と冷静に判断していたのである。この出来事は「韓信の股くぐり」として知られることになる。


『一翦梅  李清照』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-55-8-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1836


一翦梅  李清照



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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

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『一翦梅  李清照』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-55-8-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1836


李清照
(1084~1153年頃)北宋末期・南宋初期の詩人。斉州章丘(現在の山東省済南市の県級市章丘市)の人。夫は政治家の趙明誠。父は李絡非、韓茸の門に出た学者で、文章をよくした。中国史上を代表する女流詞人として知られている。現代でも通ずる繊細な感情の動きと口語も使った自然で親しみやすい作風とが相俟った、中国人の間では、極めて人気がある詞人である。
18歳の時、当時太学の生徒であった3歳年上の夫と知り合って結婚する。本や古器物をこよなく愛した二人は衣類を質に入れては気に入った本などを購入したと言われるほどの蔵書家であった。


一翦梅

紅藕香殘玉簟秋。
輕解羅裳,獨上蘭舟。
雲中誰寄錦書來,雁字回時,月滿西樓。

花自飄零水自流。
一種相思,兩處閑愁。
此情無計可消除,才下眉頭,却上心頭。


一翦梅

紅藕香殘玉簟秋。
赤いハスの花の香りもおとろえてきて、玉簟の敷物がもう冷たすぎるほどに感じられる秋です。 
輕解羅裳,獨上蘭舟。
うすぎぬの下袴を軽くほどいてもちあげて、連れの人もなしに蘭舟にのるのです。 
雲中誰寄錦書來,
雲のかなたからいったいどなだが手紙を届けてくれるでしょうか。 
雁字回時,月滿西樓。

便りを待ちながら見上げると文字のように並んで飛ぶ雁の群が帰って來るとき、月の光は西の高楼に満ち満ちて照らしているのです。
花自飄零水自流。
花は、いつか自然に散ってゆき、川の流れは変わることなく悠々と流れ去ってゆくのです。
一種相思,兩處閑愁。
ふたりのおもいはひとつのはずですが私は今もあなたを思い続けています。このおもいは二つの場所で空しく愁えているのです。
此情無計可消除,
この思いは、どうしても消し去ることができないのです。
才下眉頭,却上心頭。

やっとのことで眉間を寄せて心配したのを、こんどは眉間を拡げて落ち着いてみるのですが、かえって、深く心の内にこだわりが生まれてくるのです。(あなたを思うと心は往ったり来たり心配でたまりません。)

(一翦梅)【いつせんばい】
紅き藕【はす】の香は殘【すた】る玉簟の秋。
輕やかに羅裳を解【あ】げ,獨り蘭舟に上る。
雲中誰か錦書を寄せ來【きた】らん,
雁字回【かへ】る時,月は西樓に滿つ。

花自【おのづか】ら飄零【ひょうれい】して水自ら流る。
一種の相思は,兩處閑愁す。
此の情は消し除く可【べ】く計【はかる】無し,
才【わずか】に 眉頭【まよね】より下り,却って心頭【こころ】に上る。


『一翦梅』李清照 現代語訳と訳註
(本文
) 紅藕香殘玉簟秋。
輕解羅裳,獨上蘭舟。
雲中誰寄錦書來,
雁字回時,月滿西樓。

花自飄零水自流。
一種相思,兩處閑愁。
此情無計可消除,
才下眉頭,却上心頭。


(下し文) (一翦梅)【いつせんばい】
紅き藕【はす】の香は殘【すた】る玉簟の秋。
輕やかに羅裳を解【あ】げ,獨り蘭舟に上る。
雲中誰か錦書を寄せ來【きた】らん,
雁字回【かへ】る時,月は西樓に滿つ。

花自【おのづか】ら飄零【ひょうれい】して水自ら流る。
一種の相思は,兩處閑愁す。
此の情は消し除く可【べ】く計【はかる】無し,
才【わずか】に 眉頭【まよね】より下り,却って心頭【こころ】に上る。


(現代語訳)
赤いハスの花の香りもおとろえてきて、玉簟の敷物がもう冷たすぎるほどに感じられる秋です。 
うすぎぬの下袴を軽くほどいてもちあげて、連れの人もなしに蘭舟にのるのです。 
雲のかなたからいったいどなだが手紙を届けてくれるでしょうか。 
便りを待ちながら見上げると文字のように並んで飛ぶ雁の群が帰って來るとき、月の光は西の高楼に満ち満ちて照らしているのです。
花は、いつか自然に散ってゆき、川の流れは変わることなく悠々と流れ去ってゆくのです。
ふたりのおもいはひとつのはずですが私は今もあなたを思い続けています。このおもいは二つの場所で空しく愁えているのです。
この思いは、どうしても消し去ることができないのです。
やっとのことで眉間を寄せて心配したのを、こんどは眉間を拡げて落ち着いてみるのですが、かえって、深く心の内にこだわりが生まれてくるのです。(あなたを思うと心は往ったり来たり心配でたまりません。)


(訳注)
一翦梅

双調。六十字。前段六句三平韻。後段六句三平韻。
温庭筠の抜群の秀作『瑤瑟怨』
冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。
雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。
に強い影響を受けた作品である。。
結婚して間もなく夫の趙明誠は「笈を背負うて遠游」(本箱を背負って勉強の旅に出ること)した。この詞は遠游している夫に対して他人の女子が誰かのあてて書いたように一般論にしてあるという設定にした方が詞として理解が深まる。但、結婚後2年で汴京に仕官しているので半年か1年未満の遠游ということになる。


紅藕香殘玉簟秋
赤いハスの花の香りもおとろえてきて、玉簟の敷物がもう冷たすぎるほどに感じられる秋です。 
・紅藕 赤い蓮の花。
・香殘 夏に咲いた赤い蓮の花の香りも すたれ。 まだ夏に咲いた蓮の花の香りが微かに残っている。 
・玉簟秋 秋になり、ただでさえ冷たい竹製の敷物がさらに冷たく感じられるということで一人寝の冷たさ、寂しさを強調する。


輕解羅裳、獨上蘭舟。
うすぎぬの下袴を軽くほどいてもちあげて、連れの人もなしに蘭舟にのるのです。 
・解 とく。ほどく。ぬぐ。わかれる。「獨上蘭舟」のための動作、裳裾を持ち上げるということ。かわいらしさと上品な色気を感じる句である。
・羅裳 うすぎぬの もすそ。したはかま。軽やかにうすぎぬの裳すそを持ち上げ舟に乗る。
獨上 独りで舟にのる。
蘭舟 木蘭(モクレン:香木)の舟。


雲中誰寄錦書來
雲のかなたからいったいどなだが手紙を届けてくれるでしょうか。 
・雲中 雲の彼方からだれが手紙を寄せてくれるのか、というほどの意味。 
・寄 手紙を寄せる。 
・錦書 手紙。前秦の竇滔の妻蘇氏が錦を織って廻文の詩二百余首を題して任地に行ったままで消息の分からない夫の滔におくって愛情を取り戻したという故事にならっている。手紙の美称。(夫は趙明誠) 


雁字回時、月滿西樓。
便りを待ちながら見上げると文字のように並んで飛ぶ雁の群が帰って來るとき、月の光は西の高楼に満ち満ちて照らしているのです。
・雁字 渡る時一列に並んで飛ぶ雁の群が文字のような形をすることから、季節が変わって回ってくることから男女の往復の書簡の場合に使う。


花自飄零水自流
花は、いつか自然に散ってゆき、川の流れは変わることなく悠々と流れ去ってゆくのです。
・花自飄零 花は、私の心とは関係なく自然に散っていく。花はわたし自身の事でもあり、年老いていく。(落ちぶれてさすらう=放っておいた跎らほかの人のものになるかもしれないという意味を含む。) 
・自 人の感情とは関係なく。おのずと。 
・飄零 花や葉が散る。(人が)落ちぶれていく。零落して、彷徨う。
・水自流 川の水は、自然に流れ去る。道理を云う。


一種相思、兩處閑愁
ふたりのおもいはひとつのはずですが私は今もあなたを思い続けています。このおもいは二つの場所で空しく愁えているのです。
・一種 二人の思いは一つなのに、思う場所は二過疎であること。
・相思 思いやる。愛情。「相」字は「相互に」の意ではなく、私があなたのことを思っているという意味である。
・閑 むなしく。


此情無計可消除
この思いは、どうしても消し去ることができないのです。
・此情 この思い。 
・無計 すべがない。 
・可 することができる。 


才下眉頭、却上心頭
やっとのことで眉間を寄せて心配したのを、こんどは眉間を拡げて落ち着いてみるのですが、かえって、深く心の内にこだわりが生まれてくるのです。(あなたを思うと心は往ったり来たり心配でたまりません。)
・才 わずか。 
・眉頭 眉間を寄せて心配したのを、こんどは眉間を拡げて落ち着くことをいう。
・却 と雖も。ぎゃくに。かえって。 
・心頭 心に のぼす。気にかかる。心頭:(白話)胸の内。心の中。

『瀟湘神  劉禹錫』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-54-7-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1832

瀟湘神  劉禹錫

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謝靈運詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

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『瀟湘神  劉禹錫』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-54-7-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1832



劉禹錫
中唐の詩人。772‐842 中唐の詩人。字は夢得。洛陽(河南省)の人。はじめ淮南(わいなん)節度使(安徽・江蘇省の地方長官)の幕僚となったが,のちに中央政府の正規の官職である監察御史となり,柳宗元などと同じく,当時権勢を誇った王叔文(753‐806)の一派に属して,将来の宰相と目された。しかし,王叔文が失脚すると,連座して朗州(湖南省)の司馬に左遷された。朗州では民謡の歌詞の改作を盛んに行い,〈竹枝詞(ちくしし)〉などがその地で広く歌われた。

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瀟湘神
斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。
斑文のある湘妃竹、その斑竹で作った笛。娥皇と女英の涙の痕が点々とあるが、これはその人を思いやる証しなのである。 
楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。
楚の国から来たその人は、瀟湘の川の上で、湘妃の奏でる瑤瑟のもの悲しい調べを聴きたいとおもった。瀟湘の川の流れに船を浮かべてそう思ったのだ。深夜に月の明るく澄んでいる時のことであった。 

瀟湘神 
斑竹枝,斑竹枝,涙痕 點點 相思を寄す。
楚客 聽かんと欲す瑤瑟の怨を,瀟湘の深夜 月明の時。

Nature1-012












『瀟湘神』劉禹錫 現代語訳と訳註
(本文)

斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。
楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。



(下し文)
瀟湘神 
斑竹枝,斑竹枝,涙痕 點點 相思を寄す。
楚客 聽かんと欲す瑤瑟の怨を,瀟湘の深夜 月明の時。




(現代語訳)
斑文のある湘妃竹、その斑竹で作った笛。娥皇と女英の涙の痕が点々とあるが、これはその人を思いやる証しなのである。 
楚の国から来たその人は、瀟湘の川の上で、湘妃の奏でる瑤瑟のもの悲しい調べを聴きたいとおもった。瀟湘の川の流れに船を浮かべてそう思ったのだ。深夜に月の明るく澄んでいる時のことであった。 


(訳注)
瀟湘神

詞牌の一。詞の形式名。『瀟湘曲』ともいう。詳しくは下記の「構成について」を参照。この作品がこの詞牌の起源になる。湘妃と斑竹の、亡き人を偲ぶ故事で、深い味わいを出している。
温庭筠は『瑤瑟怨』
冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。
雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。  と詠う。


斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。
斑文のある湘妃竹、その斑竹で作った笛。娥皇と女英の涙の痕が点々とあるが、これはその人を思いやる証しなのである。 
・斑竹 斑文のある竹。湘妃竹のこと。湘妃とは、舜帝の妃・娥皇と女英の二人のこと。舜帝を慕って湘水に身を投じて、川の湘靈、湘神となったという故事。舜帝が蒼梧(現在の江西省蒼梧)で崩じた時に、娥皇と女英の二人の妃がここに来て深く嘆き悲しみ、流した涙が竹に滴り、その痕(あと)が竹に斑斑と残ったことから「斑竹」と謂われた。或いは、九嶷山で亡くなり、二人の妃が三日三晩泣き続けたが、やがて九嶷山に血涙の痕があるような竹が生えだしたという。恨みの涙、別れの涙。慟哭の涙、偲ぶ涙。辺境の地に向かう惜別の涙、四面楚歌の絶望の悔し涙。とあるけれど、頼りにして従っていた貴顕の御方が、左遷された、取り残された書生の将来不安の涙。
李商隠の『涙』詩は、人の世の涙の諸相を写し出し、最後に保護者と別れる貧士の涙が、何よりも痛切であることを歌う。面白い詩だ。
李商隠 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 33
・涙痕 涙の痕。 
・點點 点々と。 
・寄 よせる。手紙を差し出す。 
・相思 異性を思いやる。或いは、相互に思う。


楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。
楚の国から来たその人は、瀟湘の川の上で、湘妃の奏でる瑤瑟のもの悲しい調べを聴きたいとおもった。瀟湘の川の流れに船を浮かべてそう思ったのだ。深夜に月の明るく澄んでいる時のことであった。 
・楚客 楚の国から来た旅人。楚の人。ここでは、屈原をいう。また屈原と同様にその近く、常徳桃花源の附近をさすらう作者をいう。楚の国から来た旅人。楚の人。屈原をいう。また、屈原のように流離う人。
・瑤瑟 美くしい玉でもって飾りを施された瑟。
・怨 愛についての深い情念。深い思い。うらみ。ここでは、川の神(湘靈、湘神)湘妃の奏でる瑤瑟の凄艶さ、もの悲しさをいう。
・瀟湘 瀟水と湘水。湖南省を流れ洞庭湖に注ぐ。湘水は、現在“湘江”という。

瑶瑟怨 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-53-6-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1828

瑶瑟怨 温庭筠

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瑤瑟怨
冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。
涼しげな竹で編んだ敷物の立派な氷の上のような寝床にもかかわらず独り寝の侘びしさで寝付けず、夢を見ることもできなくて、 大空は空が川面のように澄みわたって、男の人は夜空の雲のように軽やかに流れ動くのです。
雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。

カリの鳴き声が遠くに渡って行き、瀟水と湘水の流れる湖南地方まで行くのでしょう。崑崙山の五城十二楼というべきわたしの部屋にはもうすぐ満月になろうかという月のあかりが自然と明るくさしこんでくるのです。(今夜は十二夜で満月には帰ってきてくれるという希望を持った意味となる。) 

瑤瑟怨
冰簟【ひょうてん】銀床【ぎんしょう】なれども夢成【な】らず,碧天【へきてん】水の如【ごと】く夜雲【やうん】輕【かる】し。
雁聲【がんせい】遠く過【す】ぎて瀟湘【しょうしょう】に去【さ】り,十二樓【じゅうにろう】中月自【おの】づから明るし。



甘粛省-嘉峪関


『瑤瑟怨』 現代語訳と訳註
(本文)

冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。
雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。


(下し文)
冰簟【ひょうてん】銀床【ぎんしょう】なれども夢成【な】らず,碧天【へきてん】水の如【ごと】く夜雲【やうん】輕【かる】し。
雁聲【がんせい】遠く過【す】ぎて瀟湘【しょうしょう】に去【さ】り,十二樓【じゅうにろう】中月自【おの】づから明るし。


(現代語訳)
涼しげな竹で編んだ敷物の立派な氷の上のような寝床にもかかわらず独り寝の侘びしさで寝付けず、夢を見ることもできなくて、 大空は空が川面のように澄みわたって、男の人は夜空の雲のように軽やかに流れ動くのです。 
カリの鳴き声が遠くに渡って行き、瀟水と湘水の流れる湖南地方まで行くのでしょう。崑崙山の五城十二楼というべきわたしの部屋にはもうすぐ満月になろうかという月のあかりが自然と明るくさしこんでくるのです。(今夜は十二夜で満月には帰ってきてくれるという希望を持った意味となる。) 


(訳注)
瑤瑟怨

(離れた地にいる男性を)うらめしく思うのだけれど思い直して、立派な瑟を奏でて帰ってくるのを夢見る詩。閨怨詩。女性側の立場で詠っている。
李商隠『燕臺詩四首 其三』 秋
瑤瑟愔愔藏楚弄,越羅冷薄金泥重。
簾鉤鸚鵡夜驚霜,喚起南雲繞雲夢。」
璫璫丁丁聯尺素,內記湘川相識處。
歌唇一世銜雨看,可惜馨香手中故。』
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中唐・劉禹錫の『瀟湘神』
斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。
楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。
中唐・錢起の『歸雁』
瀟湘何事等閒回,水碧沙明兩岸苔。
二十五弦彈夜月,不勝淸怨卻飛來。
両宋・李清照『一翦梅』
紅藕香殘玉簟秋。輕解羅裳,獨上蘭舟。
雲中誰寄錦書來,雁字回時,月滿西樓。
花自飄零水自流。一種相思,兩處閑愁。
此情無計可消除,才下眉頭,却上心頭。
・瑤瑟 美しい玉(ぎょく)でもって飾りを施された瑟。 


冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。
涼しげな竹で編んだ敷物の立派な氷の上のような寝床にもかかわらず独り寝の侘びしさで寝付けず、夢を見ることもできなくて、 大空は空が川面のように澄みわたって、男の人は夜空の雲のように軽やかに流れ動くのです。 
氷簟 氷の上で寝るほどの涼しい簟で編んだしきもの。

鄭羣贈簟 #1 Ⅱ韓退之(韓愈)307 紀頌之の漢詩ブログ998


李商隠『可歎』
幸會東城宴末廻、年華憂共水相催。
梁家宅裏秦宮入、趙后樓中赤鳳來。
冰簟且眠金鏤枕、瓊筵不酔玉交杯。
宓妃愁坐芝田館、用盡陳王八斗才。
可歎 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-96
・銀床 立派で美しい寝床(ねどこ)誰もいない秋を連想させる。 
・夢不成 夢が成立しない。夢の中で愛しい男性と会いたいものと思っていたが、独り寝の侘びしさの為、寝付けずにいる。そのため、夢を見ることもできない、という意味。
・碧天 日中は青空、夜は玄(くろ)の意で、夜空、ミッドナイトブルーの大空
・如水 夜空が川面のように澄みわたっているさまをいう。
・雲 男性を意味し、自由にどこにでも軽々と動く。


雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。
カリの鳴き声が遠くに渡って行き、瀟水と湘水の流れる湖南地方まで行くのでしょう。崑崙山の五城十二楼というべきわたしの部屋にはもうすぐ満月になろうかという月のあかりが自然と明るくさしこんでくるのです。(今夜は十二夜で満月には帰ってきてくれるという希望を持った意味となる。) 
・雁声 カリの鳴き声。雁は秋に南国に向かう渡り鳥。 
・瀟湘 瀟水と湘水。湖南省を流れ、洞庭湖に注ぐ大河。
・去 さる。行く。
・十二楼 五城十二楼のこと。ここでは若い女性の美しい部屋のこと。神話伝説中の仙人の居住場所で崑崙山の天墉城にある十二の楼台。史記巻28『封禅書』「曰、黄帝時為五城十二楼、以候神人。」(黄帝の時、五城十二楼を為り、以て神人を候う。)伝説三皇五帝・黄帝の時代、五つの宮殿、十二の高殿を造って、ここに神秘のひとたちをお迎えした。神仙の降る場をいう。『抱朴子』によればこの五城十二楼は、今も崑崙山の山頂にあるという。『漢書』郊祀志下にも見える。十二樓臺。杜甫『剣門』に詳しく説明している。
・月 雁声が聞こえる時の「月」とは、秋の月のことになる。月について、今夜は十二夜、満月には帰ってきてくれるという希望を持った意味となる。ちなみに十三夜は初恋。二十日は名残月、別れの月。閨情詩はそれぞれ別の意味を含んでいるので併せて考えると味わいが深くなる。)
 明らかである。はれわたった名月である。

商山早行 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-52-5-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1824

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首


◎漢文委員会のHP http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/
         http://kanbuniinkai7.dousetsu.com
         http://kanbuniinkai8.dousetsu.com
         http://3rd.geocities.jp/miz910yh/
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商山早行 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-52-5-#  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1824


商山早行
晨起動征鐸、客行悲故郷。
朝早くから起きだして、馬の首につけた征鐸を鳴らして出発の準備をしている、旅人には、故郷に悲しい思いを残したまま旅立っているものなのです。
雞聲茅店月、人迹板橋霜。
時を惜しんで過ごしているのにもう朝をつげる鶏が鳴いている、別れの月が茅葺の屋根の上に残っている。そして、凍えつめたい橋の板の霜にあの人の足跡がくっきりと残っている。
槲葉落山路、枳花明驛牆。
山の路に旅の邪気除けの槲かしわの葉が新芽と入れ替わった葉が落ちている、あの人のことを思い出すからたちの花が、宿駅舎の籬に、白く明るく咲いて春を告げている。
因思杜陵夢、鳧雁滿囘塘。
長安の東、杜陵で過ごした夢のようなあの頃が目に浮かびます。鴨の季節でも、雁の季節も池のあたり夫婦でいっぱいに浮かんでいました。(きっと帰ってきて、又堤の辺で過ごしましょう。)
(商山【しょうざん】の早行)
晨【あした】に起きて征鐸【せいたく】を動かし、客行【きゃくこう】故郷を悲しむ。
鶏声【けいせい】茅店【ぼうてん】の月、人跡【じんせき】板橋【ばんきょう】の霜。
槲葉【こくよう】山路【さんろ】に落ち、枳花【きか】駅牆【えきしょう】に明らかなり。
因【よ】りて思う杜陵【とりょう】の夢、鳧雁【ふがん】回塘【かいとう】に満つるを。




『商山早行』 現代語訳と訳註

枳殻の花00
(本文)
晨起動征鐸、客行悲故郷。
雞聲茅店月、人迹板橋霜。
槲葉落山路、枳花明驛牆。
因思杜陵夢、鳧雁滿囘塘。








(下し文) (商山【しょうざん】の早行)
晨【あした】に起きて征鐸【せいたく】を動かし、客行【きゃくこう】故郷を悲しむ。
鶏声【けいせい】茅店【ぼうてん】の月、人跡【じんせき】板橋【ばんきょう】の霜。
槲葉【こくよう】山路【さんろ】に落ち、枳花【きか】駅牆【えきしょう】に明らかなり。
因【よ】りて思う杜陵【とりょう】の夢、鳧雁【ふがん】回塘【かいとう】に満つるを。


(現代語訳)
朝早くから起きだして、馬の首につけた征鐸を鳴らして出発の準備をしている、旅人には、故郷に悲しい思いを残したまま旅立っているものなのです。
時を惜しんで過ごしているのにもう朝をつげる鶏が鳴いている、別れの月が茅葺の屋根の上に残っている。そして、凍えつめたい橋の板の霜にあの人の足跡がくっきりと残っている。
山の路に旅の邪気除けの槲かしわの葉が新芽と入れ替わった葉が落ちている、あの人のことを思い出すからたちの花が、宿駅舎の籬に、白く明るく咲いて春を告げている。
長安の東、杜陵で過ごした夢のようなあの頃が目に浮かびます。鴨の季節でも、雁の季節も池のあたり夫婦でいっぱいに浮かんでいました。(きっと帰ってきて、又堤の辺で過ごしましょう。))


(訳注)
商山早行

『商山の早行』は、山の宿場の早朝の旅立ちをこの宿場まで別れを惜しんできた女の側から詠った五言律詩である。長安の東南に位置する藍田の旅籠であろうと思う。


晨起動征鐸、客行悲故郷。
朝早くから起きだして、馬の首につけた征鐸を鳴らして出発の準備をしている、旅人には、故郷に悲しい思いを残したまま旅立っているものなのです。


雞聲茅店月、人迹板橋霜。
時を惜しんで過ごしているのにもう朝をつげる鶏が鳴いている、別れの月が茅葺の屋根の上に残っている。そして、凍えつめたい橋の板の霜にあの人の足跡がくっきりと残っている。
・雞聲 夜通し起きていたことを意味する語である。
・茅店月 月は女性を意味するということもあるが、ここに言う月は、有明の月 (残る月・朝月・夜明けの月・有明). 残月、有明けの月は別れを意味する陰暦20日の月である。


槲葉落山路、枳花明驛牆。
山の路に旅の邪気除けの槲かしわの葉が新芽と入れ替わった葉が落ちている、あの人のことを思い出すからたちの花が、宿駅舎の籬に、白く明るく咲いて春を告げている。
・槲葉 槲の葉っぱには邪気除けの意味があり別れにつきもののもので、秋に枯れた葉が春までついたまま、新芽が出るまでは落葉しない。
・枳花 胸を痛めて居ることを示す花。片思いの花。春を示す。


因思杜陵夢、鳧雁滿囘塘。
長安の東、杜陵で過ごした夢のようなあの頃が目に浮かびます。鴨の季節でも、雁の季節も池のあたり夫婦でいっぱいに浮かんでいました。(きっと帰ってきて、又堤の辺で過ごしましょう。))
・鳧雁 . かもとかり。水鳥で鴨も雁もツガイでいること

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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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春日野行
騎馬踏煙莎,青春奈怨何。
蝶翎朝粉盡,鴉背夕陽多。
柳豔欺芳帶,山愁縈翠蛾。
別情無處說,方寸是星河。

男の乗った馬は春霞の中ハマスゲを踏みつつ進んで、盛春のこの時この憤怒をどうしてどうしたらよいのですか。
蝶のようなあでやかな羽を広げ朝から花弁の花粉をつくしてとび行楽の宴を回っていき、夕日の中多くのその背の姿はシルエットであり、黒い影は烏が巣に帰っていくようなのです。
蝶のようなあでやかな羽を広げ朝から花弁の花粉をつくしてとび行楽の宴を回っていき、夕日の中多くのその背の姿はシルエットであり、黒い影は烏が巣に帰っていくようなのです。
柳の動きは艶めかしいものであり春の芳しい草に思わず帯を解くほどに欺かれてしまうのです。屏風に寝姿を影し、緑の蛾眉は今を盛りにしています。
あの人とのこの感情を忘れ去るということは説明することさえできない。この私の小さな心はこの天の川の織女のように又一年待てというのでしょうか。

(春日【しゅんじつ】野行【やこう】)
騎馬 煙莎を踏み,青春 奈【いか】に怨を何【いか】んせん。
蝶の翎【はね】に朝の粉は盡き,鴉【からす】の背に夕べの陽多し。
柳の豔【えん】に芳しき帶するを欺き,山の愁に翠蛾を縈にする。
別情して處說無し,方に是れの星河を寸するなり。


『春日野行』 現代語訳と訳註
(本文)

騎馬踏煙莎,青春奈怨何。蝶翎朝粉盡,鴉背夕陽多。
柳豔欺芳帶,山愁縈翠蛾。別情無處說,方寸是星河。


(下し文)
(春日【しゅんじつ】野行【やこう】)
騎馬 煙莎を踏み,青春 奈【いか】に怨を何【いか】んせん。
蝶の翎【はね】に朝の粉は盡き,鴉【からす】の背に夕べの陽多し。
柳の豔【えん】に芳しき帶するを欺き,山の愁に翠蛾を縈にする。
別情して處說無し,方に是れの星河を寸するなり。


(現代語訳)
男の乗った馬は春霞の中ハマスゲを踏みつつ進んで、盛春のこの時この憤怒をどうしてどうしたらよいのですか。
蝶のようなあでやかな羽を広げ朝から花弁の花粉をつくしてとび行楽の宴を回っていき、夕日の中多くのその背の姿はシルエットであり、黒い影は烏が巣に帰っていくようなのです。
蝶のようなあでやかな羽を広げ朝から花弁の花粉をつくしてとび行楽の宴を回っていき、夕日の中多くのその背の姿はシルエットであり、黒い影は烏が巣に帰っていくようなのです。
柳の動きは艶めかしいものであり春の芳しい草に思わず帯を解くほどに欺かれてしまうのです。屏風に寝姿を影し、緑の蛾眉は今を盛りにしています。
あの人とのこの感情を忘れ去るということは説明することさえできない。この私の小さな心はこの天の川の織女のように又一年待てというのでしょうか。


(訳注)
春日野行

ある晴れた春の日の行楽の景色を詠う。春には庭園、野原に万幕を張り、筵を敷き宴を開くのである。朝から夜まで、あるいは夜を徹して宴会は続けられるのである。この詩で歌われる、各句の語はどの語も男女の性に関したものである。詳しい解釈説明は省略する。
五言律詩 


騎馬踏煙莎,青春奈怨何。
男の乗った馬は春霞の中ハマスゲを踏みつつ進んで、盛春のこの時この憤怒をどうしてどうしたらよいのですか
・莎 スゲやチガヤのようなしなやかな草。編んで蓑(みの)やむしろを作った。


蝶翎朝粉盡,鴉背夕陽多。
蝶のようなあでやかな羽を広げ朝から花弁の花粉をつくしてとび行楽の宴を回っていき、夕日の中多くのその背の姿はシルエットであり、黒い影は烏が巣に帰っていくようなのです。


柳豔欺芳帶,山愁縈翠蛾。
柳の動きは艶めかしいものであり春の芳しい草に思わず帯を解くほどに欺かれてしまうのです。屏風に寝姿を影し、緑の蛾眉は今を盛りにしています。


別情無處說,方寸是星河。
あの人とのこの感情を忘れ去るということは説明することさえできない。この私の小さな心はこの天の川の織女のように又一年待てというのでしょうか。
・方寸 一寸四方。こころ。
・星河 あまのかわ


参考
「春日野行」溫庭筠
雨漲西塘金堤斜,碧草芊芊晴吐芽。
野岸明媚山芍藥,水田叫噪官蝦蟆。
鏡中有浪動菱蔓,陌上無風飄柳花。
何事輕橈句溪客,綠萍方好不歸家。

『寄岳州李員外遠』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-50-3-# 七言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1816 七言律詩

寄岳州李員外遠 温庭筠

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『寄岳州李員外遠』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-50-3-#  七言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1816 七言律詩


「寄岳州李外郎遠」溫庭筠
含蘋不語坐持頤,天遠樓高宋玉悲。
かおをひそめてだまっている座ったままで下あごに手を当てたままでいる。秋の空はすみきって樓閣は高く聳えている神女を待つ宋玉のように悲しさに耐えきれないでいる。
湖上殘棋人散後,岳陽微雨鳥來遲。
湖のほとりに約束の日に来ないといってもお相手をきめる弾棋の盤には近づかない方がとみんないなくなっていく。岳陽樓に巫山の雨のように小ぬか雨が降る使いの蒼い鳥も遅くなってこないままだ。
早梅猶得回歌扇,春水還應理釣絲。
早梅が咲き始めあの人は春には帰って來るのだろうか、そういって扇に詩歌を書いて廻することにしている、春の雪解け水の季節に変わってもまた神女を待って釣り糸を垂れているのである。
獨有袁宏正憔悴,一樽惆悵落花時。
ただひとり東晋の袁宏というべき李億君はまさに憔悴しきっているということなのだ。この杯を傾け、憂え悲しみぬいてもう花が散り落ちていく時を過ごしていくのだ。
(岳州の李外郎遠に寄す)
蘋【ひん】を含んで語らず 坐して頤【おとがい】を持す,天遠く樓高く宋玉悲しむ。
湖上の殘棋 人散するの後,岳陽の微雨 鳥來ること遲し。
早梅 猶お歌扇を回らすを得ん,春水 還た應に釣絲を理【おさ】むるなるべし。
獨り袁宏の正に憔悴する有り,一樽 惆悵す落花の時。

岳陽楼00














『寄岳州李外郎遠』 現代語訳と訳註
(本文)
含嚬不語坐持頤,天遠樓高宋玉悲。
湖上殘棋人散後,岳陽微雨鳥來遲。
早梅猶得回歌扇,春水還應理釣絲。
獨有袁宏正憔悴,一樽惆悵落花時。


(下し文) (岳州の李外郎遠に寄す)
嚬【ひん】を含んで語らず 坐して頤【おとがい】を持す,天遠く樓高く宋玉悲しむ。
湖上の殘棋 人散するの後,岳陽の微雨 鳥來ること遲し。
早梅 猶お歌扇を回らすを得ん,春水 還た應に釣絲を理【おさ】むるなるべし。
獨り袁宏の正に憔悴する有り,一樽 惆悵す落花の時。


(現代語訳)
かおをひそめてだまっている座ったままで下あごに手を当てたままでいる。秋の空はすみきって樓閣は高く聳えている神女を待つ宋玉のように悲しさに耐えきれないでいる。
湖のほとりに約束の日に来ないといってもお相手をきめる弾棋の盤には近づかない方がとみんないなくなっていく。岳陽樓に巫山の雨のように小ぬか雨が降る使いの蒼い鳥も遅くなってこないままだ。
早梅が咲き始めあの人は春には帰って來るのだろうか、そういって扇に詩歌を書いて廻することにしている、春の雪解け水の季節に変わってもまた神女を待って釣り糸を垂れているのである。
ただひとり東晋の袁宏というべき李億君はまさに憔悴しきっているということなのだ。この杯を傾け、憂え悲しみぬいてもう花が散り落ちていく時を過ごしていくのだ。


(訳注)
寄岳州李外郎遠

岳州に赴任した李億が魚玄機を襄陽で棄てて消え去ったこと。本人に対して故事と喩えの名前でもって反省を促したものとかんがえる。


含蘋不語坐持頤,天遠樓高宋玉悲。
かおをひそめてだまっている座ったままで下あごに手を当てたままでいる。秋の空はすみきって樓閣は高く聳えている神女を待つ宋玉のように悲しさに耐えきれないでいる。
・嚬 眉にしわを寄せる。顔をしかめる。蘋とするテクストもある 蘋はあさざの類、白い花のさく水草。○青鳥 仙女西王母の使いという。この宮女たちを仙女の使者の青鳥の故事を借りている。○銜紅巾 銜は口でくわえること。紅巾は婦人の用いる衿のかざりのきれ。青鳥も馴れ親しむことをいう。
・頤 おとがい。したあご。


湖上殘棋人散後,岳陽微雨鳥來遲。
湖のほとりに約束の日に来ないといってもお相手をきめる弾棋の盤には近づかない方がとみんないなくなっていく。岳陽樓に巫山の雨のように小ぬか雨が降る使いの蒼い鳥も遅くなってこないままだ。
・殘棋 宮中や芸妓のあそびで「彈棋局」というが、中央が鉢を伏せたように盛り上がった碁盤の両側からコマを弾いて相手のコマにあてるゲームで駒が残るのが勝ち相手をするというもので、「棋」(ゲームのこま)と「期」(逢い引き、またその約束)の掛けことばは、恋をうたう南朝の楽府に習見。
心最不平。


早梅猶得回歌扇,春水還應理釣絲。
早梅が咲き始めあの人は春には帰って來るのだろうか、そういって扇に詩歌を書いて廻することにしている、春の雪解け水の季節に変わってもまた神女を待って釣り糸を垂れているのである。
・「早梅」は、異郷に在る悲哀を詠じている。
『楚辞』 「九章」 では、 神仙になって徳の光を輝. かせると述べるために、 日月を ..... 大きな石に座って釣糸を垂れる。 水は澄み切っ て丶 静かな心で、釣り糸を垂れて巫女を待つのである。

寒梅002











獨有袁宏正憔悴,一樽惆悵落花時。
ただひとり東晋の袁宏というべき李億君はまさに憔悴しきっているということなのだ。この杯を傾け、憂え悲しみぬいてもう花が散り落ちていく時を過ごしていくのだ。
袁宏 328年―376年,東晉文學家。字彥伯,小字虎。陳郡陽夏(今河南太康)の人。初入仕途,謝尚引為參軍,累遷至大司馬桓溫府記室。文筆典雅,才思敏捷,深受桓溫器重,使專掌書記。魚玄機の夫の李億と同郷で袁宏をたとえたもの。
憫帳は憂え悲しむこと。

『河傳』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-49-2-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1812

河傳 温庭筠 



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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首


『河傳』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-49-2-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1812






河傳
湖上,閑望。
湖のほとりの樓閣から、静かに湖面を眺めている。
雨蕭蕭,煙浦花橋路遙。
雨はしとしとと降り続いてる。雨靄のかかった入り江に、橋のほとりに花が雨に潤い鮮やかにさいている、その路はとおくはるかにかすんでいる。
謝娘翠蛾愁不消,終朝,夢魂迷晚潮。
嘗ては謝安に携えられた娘のようであったのに今は、みどりの蛾眉が消えかけても愁いは消えないでいるのです。宵の化粧もそのままについにあさになるのです、あの人は夜は夢のなか、昼は魂さえも雨靄に、夕ぐれになれば潮のあとを追って迷ってばかりなのでしょう。
蕩子天涯歸棹遠,春已晚,莺語空腸斷。
空のはてに行ったまま、わたしのことも忘れてしまっている放蕩癖のあの人が、舟にのって帰ってくることはないのでしょうか。この長雨で春はもう過ぎて行こうとしています。鶯の鳴き声を聞くたびにただむなしい下腹はいたくなるだけなのです。
若耶溪,溪水西。
若耶渓にも女が居ます、西施が足を洗って見初められた渓川の西の方に。
柳堤,不聞郎馬嘶。

楊柳を折った柳の堤に、ここにはあの人が旅立つときに乗った馬のいなないたのに、今はなにもきこえないのです。
河傳
湖の上り,閑かに望む。
雨 蕭蕭として,煙める浦に花橋の路遙なり。
娘 翠蛾を謝するは愁い消さず,終に朝なり,夢魂は晚の潮に迷う。
蕩子は天涯にあり棹して歸るは遠く,春 已に晚く,鶯語 空しく腸斷す。
若耶溪,溪水の西。
柳の堤,郎の馬嘶くも聞えず。

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『河傳』 現代語訳と訳註
(本文)

湖上,閑望。
雨蕭蕭,煙浦花橋路遙。
謝娘翠蛾愁不消,終朝,夢魂迷晚潮。
蕩子天涯歸棹遠,春已晚,莺語空腸斷。
若耶溪,溪水西。
柳堤,不聞郎馬嘶。


(下し文)
湖の上り,閑かに望む。
雨 蕭蕭として,煙める浦に花橋の路遙なり。
娘 翠蛾を謝するは愁い消さず,終に朝なり,夢魂は晚の潮に迷う。
蕩子は天涯にあり棹して歸るは遠く,春 已に晚く,鶯語 空しく腸斷す。
若耶溪,溪水の西。
柳の堤,郎の馬嘶くも聞えず。


(現代語訳)
湖のほとりの樓閣から、静かに湖面を眺めている。
雨はしとしとと降り続いてる。雨靄のかかった入り江に、橋のほとりに花が雨に潤い鮮やかにさいている、その路はとおくはるかにかすんでいる。
嘗ては謝安に携えられた娘のようであったのに今は、みどりの蛾眉が消えかけても愁いは消えないでいるのです。宵の化粧もそのままについにあさになるのです、あの人は夜は夢のなか、昼は魂さえも雨靄に、夕ぐれになれば潮のあとを追って迷ってばかりなのでしょう。
空のはてに行ったまま、わたしのことも忘れてしまっている放蕩癖のあの人が、舟にのって帰ってくることはないのでしょうか。この長雨で春はもう過ぎて行こうとしています。鶯の鳴き声を聞くたびにただむなしい下腹はいたくなるだけなのです。
若耶渓にも女が居ます、西施が足を洗って見初められた渓川の西の方に。
楊柳を折った柳の堤に、ここにはあの人が旅立つときに乗った馬のいなないたのに、今はなにもきこえないのです。

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(訳注)
河傳

・双調五十五字、前段七旬同氏韻五平韻、後段七句三穴韻四平韻(詞譜十一)。


湖上,閑望。
湖のほとりの楼閣から、静かに湖面を眺めている。
・湖上 中盤に謝娘が出ることから、太湖あたりかもしれない。すると湖畔の樓閣であろう。


雨蕭蕭,煙浦花橋路遙。
雨はしとしとと降り続いてる。雨靄のかかった入り江に、橋のほとりに花が雨に潤い鮮やかにさいている、その路はとおくはるかにかすんでいる。
・湖、樓閣、浦、花、橋、道、すべてあの人との思い出の場所である。嘗てはあの人に携えられて遊んだところなのだ。

謝娘翠蛾愁不消,終朝,夢魂迷晚潮。
嘗ては謝安に携えられた娘のようであったのに今は、みどりの蛾眉が消えかけても愁いは消えないでいるのです。宵の化粧もそのままについにあさになるのです、あの人は夜は夢のなか、昼は魂さえも雨靄に、夕ぐれになれば潮のあとを追って迷ってばかりなのでしょう。
・謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」
『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

・翠蛾 翠の蛾眉。
・終朝 宵の化粧(翠蛾)をして待っていても終に朝になってしまう。
・夢魂 夜は夢の中で迷い、昼は魂が雨靄に迷い、夕暮れは潮の波に迷うということ。


蕩子天涯歸棹遠,春已晚,鶯語空腸斷。
空のはてに行ったまま、わたしのことも忘れてしまっている放蕩癖のあの人が、舟にのって帰ってくることはないのでしょうか。この長雨で春はもう過ぎて行こうとしています。鶯の鳴き声を聞くたびにただむなしい下腹はいたくなるだけなのです。
・蕩子 放蕩の男子。いわゆる貴公子という場合もある。久しく他方に行ったまま、遊びつづけて帰ってこない人。古詩十九首 第ニ首「青青河畔艸、欝欝園中柳。盈盈楼上女、皎皎当窓牅。娥娥紅紛粧、繊繊出素手。昔為倡家女、今為蕩子婦。蕩子行不帰、空牀難独守。」とある。
古詩十九首之二 (2) 漢詩<89>Ⅱ李白に影響を与えた詩521 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1380



若耶溪,溪水西。
若耶渓にも女が居ます、西施が足を洗って見初められた渓川の西の方に。
若耶渓 今新江省紹興県南にある。西施が紗を浣ったところ。ここは素女を西施にたとえていう。西施ものがたり 参照

『採蓮曲』
若耶渓傍採蓮女、笑隔荷花共人語。
日照新粧水底明、風飄香袖空中挙。
岸上誰家遊冶郎、三三五五映垂楊。
紫騮嘶入落花去、見此踟蹰空断腸


李白10  採蓮曲


李白『越女詞 五首 其三』 
耶溪採蓮女,見客棹歌囘。
笑入荷花去,佯羞不出來。

越女詞 五首 其三 李白14-3


柳堤,不聞郎馬嘶。
楊柳を折った柳の堤に、ここにはあの人が旅立つときに乗った馬のいなないたのに、今はなにもきこえないのです。



温庭筠の同名の詞は以下の通り内容は連詞のようであるが、注釈は省略する。
河傳
江畔,相喚。曉妝鮮,仙景個女采蓮。
請君莫嚮那岸邊。少年,好花新滿船。
紅袖搖曳逐風暖(一作軟),垂玉腕,腸嚮柳絲斷。
浦南歸,浦北歸。莫知,晚來人已稀。


河傳
同伴,相喚。杏花稀,夢裏每愁依違。
仙客一去燕已飛。不歸,淚痕空滿衣。
天際雲鳥引晴(一作情)遠,春已晚,煙霭渡南苑。
雪梅香,柳帶長。小娘,轉令人意傷。

『訴衷情』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-48-1-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1808

訴衷情 温庭筠

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『訴衷情』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-48-1-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1808



訴衷情
鶯語花舞春晝午,雨霏微。
金帶枕,宮錦,鳳凰帷。
柳弱蝶交飛,依依。
遼陽音信稀,夢中歸。

夜が明けると鶯が鳴いている、花が風に舞い散りゆく、春雨の日はもう真昼を過ぎる。それでも細かなそぼふる雨は涙雨なのです。
今夜もただひとり金帯の枕をあてて、錦のしとねをしきます。鳳凰の模様がえがかれた垂絹がたれると、さびしさがますのです。
柳は風になよなよと枝をからませ、蝶は花へととびかう、ああ、柳のように、蝶のようにあの人と春を過ごしたい。
あの人は帰ってこれないという遙か先の遼陽にいってしまった、もう手紙も噂話さえもおとずれは稀になっている。いまは夢の中にあの人は帰ってきてくれる。

鶯語り花舞う春の晝午,雨は霏微【ひび】たり。
金帶の枕,錦なる宮に,鳳凰の帷【たれきぬ】。
柳弱らかく蝶 交り飛ぶ,依を依とする。
遼陽 音信 稀れなり,夢中にして歸る。

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『訴衷情』 現代語訳と訳註
(本文)
訴衷情
鶯語花舞春晝午,雨霏微。
金帶枕,宮錦,鳳凰帷。
柳弱蝶交飛,依依。
遼陽音信稀,夢中歸。


(下し文)
鶯語り花舞う春の晝午,雨は霏微【ひび】たり。
金帶の枕,錦なる宮に,鳳凰の帷【たれきぬ】。
柳弱らかく蝶 交り飛ぶ,依を依とする。
遼陽 音信 稀れなり,夢中にして歸る。


(現代語訳)
夜が明けると鶯が鳴いている、花が風に舞い散りゆく、春雨の日はもう真昼を過ぎる。それでも細かなそぼふる雨は涙雨なのです。
今夜もただひとり金帯の枕をあてて、錦のしとねをしきます。鳳凰の模様がえがかれた垂絹がたれると、さびしさがますのです。
柳は風になよなよと枝をからませ、蝶は花へととびかう、ああ、柳のように、蝶のようにあの人と春を過ごしたい。
あの人は帰ってこれないという遙か先の遼陽にいってしまった、もう手紙も噂話さえもおとずれは稀になっている。いまは夢の中にあの人は帰ってきてくれる。


(訳注)
訴衷情

単調三十三字、十一句五灰韻
六平韻(詞譜二)。


鶯語花舞春晝午,雨霏微。
夜が明けると鶯が鳴いている、花が風に舞い散りゆく、春雨の日はもう真昼を過ぎる。それでも細かなそぼふる雨は涙雨なのです。
・この二句は朝からそぼ降る雨が夕方まで続くことを云う。この句によって寂しさの表現を強調することになっている。


金帶枕,宮錦,鳳凰帷。
今夜もただひとり金帯の枕をあてて、錦のしとねをしきます。鳳凰の模様がえがかれた垂絹がたれると、さびしさがますのです。
・金帶枕 金の編み込みの帯のついた枕である。金鏤枕と同じであろう。黄金をちりばめた枕。曹植「洛神の賦」(『文選』巻一九)の李善の注が引く「記」 に、「東阿王(曹植)朝に入り、帝(文帝=曹丕)は植に甄后の玉銭金帯枕を示す」。


柳弱蝶交飛,依依。
柳は風になよなよと枝をからませ、蝶は花へととびかう、ああ、柳のように、蝶のようにあの人と春を過ごしたい。
・柳 蝶 どちらも男性を意味する語で、女性を意味するのは楊柳、花が女性を示す。
・依依 依依はそれぞれ柳に依りと蝶に依りが私が生かされるということである。


遼陽音信稀,夢中歸。
あの人は帰ってこれないという遙か先の遼陽にいってしまった、もう手紙も噂話さえもおとずれは稀になっている。いまは夢の中にあの人は帰ってきてくれる。
・遼陽 今、遼寧省洛陽県西南にあたる地名、古くから征夫の行ったところとして詩詞にあらわれる。行ったきりで帰ってこないことの喩え。


『遐方怨 二首之二 』(憑繡檻)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-47-16-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1804

遐方怨 二首之二(憑繡檻)

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『遐方怨 二首之二 』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-47-16-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1804


遐方怨
憑繡檻,解羅帷。
綺麗に飾り付けられた部屋の欄干に惹かれて、うす絹のとばりの中で私の体はとかれたのです。
未得君書,腸斷,瀟湘春雁飛。
今はあなたからの書簡さえ届かず、下腹の痛みさえ覚えるのです。風光明媚な水郷の瀟湘地方では春になると雁が北に帰っていく。
不知征馬幾時歸?
それなのに馬に乗って旅に出たきり、あの人がいつ帰って來るのか、いつの事かわかりはしない。
海棠花謝也,雨霏霏。
雨に打たれて海棠花はしぼんでいく、私の若さも失っていくのが心配なのです。雨はたえまなく降りつづけている。(この雨が上がってくると強い日差しで花は凋むのである。そうなる前に私のもとに。)

遐方怨
繡檻に憑り,羅帷を解く。
未だ君の書を得ずして,腸斷し,瀟湘 春雁飛ぶ。
征馬 幾時にか歸えるを知らずや?
海棠の花は謝す也,雨は霏霏【ひひ】とする。


『遐方怨』 現代語訳と訳註
(本文)
遐方怨
憑繡檻,解羅帷。
未得君書,腸斷(一作斷腸),瀟湘春雁飛。
不知征馬幾時歸?
海棠花謝也,雨霏霏。


(下し文)
遐方怨
繡檻に憑り,羅帷を解く。
未だ君の書を得ずして,腸斷し,瀟湘 春雁飛ぶ。
征馬 幾時にか歸えるを知らずや?
海棠の花は謝す也,雨は霏霏【ひひ】とする。

(現代語訳)
綺麗に飾り付けられた部屋の欄干に惹かれて、うす絹のとばりの中で私の体はとかれたのです。
今はあなたからの書簡さえ届かず、下腹の痛みさえ覚えるのです。風光明媚な水郷の瀟湘地方では春になると雁が北に帰っていく。
それなのに馬に乗って旅に出たきり、あの人がいつ帰って來るのか、いつの事かわかりはしない。
雨に打たれて海棠花はしぼんでいく、私の若さも失っていくのが心配なのです。雨はたえまなく降りつづけている。(この雨が上がってくると強い日差しで花は凋むのである。そうなる前に私のもとに。)


(訳注)
遐方怨

此の詩はあでやかな海棠の花が雨にあい更に艶やかになるがやがて凋むのが、女の溌剌としているのが衰え凋んでいくことを詠う。


憑繡檻,解羅帷。
綺麗に飾り付けられた部屋の欄干に惹かれて、うす絹のとばりの中で私の体はとかれたのです。
・繡檻 飾り付けられた欄干。檻は囲われた部屋、檻であるから、束縛された状況にある女性を意味している。


未得君書,腸斷,瀟湘春雁飛。
今はあなたからの書簡さえ届かず、下腹の痛みさえ覚えるのです。風光明媚な水郷の瀟湘地方では春になると雁が北に帰っていく。
・瀟湘 湖南省長沙一帯の地域。洞庭湖と流入する瀟水と湘江の合流するあたりを瀟湘といい、古来より風光明媚な水郷地帯として知られる。
 水が深くて清い.瀟洒(表情や振舞いが)スマートな,垢(あか)ぬけした.瀟瀟(1) 風雨の激しい,吹き降りの.(2) (小雨が)しとしと降る,そぼ降る.


不知征馬幾時歸?
それなのに馬に乗って旅に出たきり、あの人がいつ帰って來るのか、いつの事かわかりはしない。
・征馬 旅に出るときに乗る馬。 戦場におもむく馬。


海棠花謝也,雨霏霏。
雨に打たれて海棠の花はしぼんでいく、私の若さも失っていくのが心配なのです。雨はたえまなく降りつづけている。(この雨が上がってくると強い日差しで花は凋むのである。そうなる前に私のもとに。)
・花海棠 花期は4-5月頃で淡紅色の花を咲かせる。性質は強健で育てやすい。花が咲いた後の林檎に似た小さな赤い実ができる。「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。
・霏霏 雪や雨が絶え間なく降るさま。物事が絶え間なく続くさま。
海棠花002










海棠渓        薛濤
春教風景駐仙霞、水面魚身総帯花。
人世不思霊卉異、競将紅纈染軽沙。

春は風景をして仙霞を駐(とど)めしめ
水面の魚身総て花を帯ぶ
人世(じんせい)思わず霊卉(れいき)の異(い)を
競って紅纈を将(も)って軽沙を染む

春の神様は、風と光に、谷いっぱいの花がすみを送り届けさせたもうた。 清らかな谷川の水に映る花影、泳ぐ魚はまるで花模様を帯びたかのよう。 世間では、この海棠の霊妙なわざに気がつきもせず、競って赤いしぼりを河原の砂の上に干している

海棠渓   薛濤
春教風景駐仙霞、水面魚身総帯花。
人世不思霊卉異、競将紅纈染軽沙。

春は風景をして仙霞を駐(とどめ)しめ
水面の魚身総(すべ)て花を帯びる
人世思はず霊卉(れいき)の異を
競つて将に紅纈(こうけつ)をもつて軽沙を染む
紅纈は赤いしぼり

『遐方怨 二首之一』(花半坼)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-46-15-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1800

遐方怨 二首之一(花半坼) 温庭筠

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『遐方怨』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-46-15-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1800


遐方怨 二首 温庭筠

遐方怨 之一
花半坼,雨初晴。
花はその弁を半ばほころびはじめている、雨はけさ早くに晴れあがっている。
未卷珠簾,夢殘,惆悵聞曉鶯。
夜は明けても閨に臥したまま、いまだ簾をかかげようとはしない。あの人との夢だけがのこるだけだから、かなしく愁いの心持で、いつしか暁の鶯の啼く声を聞くのです。
宿妝眉淺粉山橫。
昨夜のお化粧はもうくずれてしまい、えがいた眉ずみの色もうすれて、おしろいは額に寄り、線のように横たわっている。
約鬟鸞鏡裏,繡羅輕。
鏡にむかって髷【わげ】をたばね、刺繍をしたうすぎぬの上衣をかるく身にまとう。
(崩れた夜の化粧を落として、朝の化粧を済ませた女の哀いい愁い。)


遐方怨
花 半坼【はんたく】し,雨 初めて晴る。
未だ珠簾を卷ずして,夢は殘り,惆悵【ちょうちょう】して曉莺【ぎょうおう】を聞く。
妝を宿して眉淺く粉【おしろい】山橫たえるなり。
鬟を約して鸞鏡【らんきょう】の裏【うち】,繡羅 輕やかなり。




『遐方怨』 之一 現代語訳と訳註
(本文)
花半坼,雨初晴。
未卷珠簾,夢殘,惆悵聞曉鶯。
宿妝眉淺粉山橫。
約鬟鸞鏡裏,繡羅輕。


(下し文) 遐方怨
花 半坼【はんたく】し,雨 初めて晴る。
未だ珠簾を卷ずして,夢は殘り,惆悵【ちょうちょう】して曉鶯【ぎょうおう】を聞く。
妝を宿して眉淺く粉【おしろい】山橫たえるなり。
鬟を約して鸞鏡【らんきょう】の裏【うち】,繡羅 輕やかなり。


(現代語訳)
花はその弁を半ばほころびはじめている、雨はけさ早くに晴れあがっている。
夜は明けても閨に臥したまま、いまだ簾をかかげようとはしない。あの人との夢だけがのこるだけだから、かなしく愁いの心持で、いつしか暁の鶯の啼く声を聞くのです。
昨夜のお化粧はもうくずれてしまい、えがいた眉ずみの色もうすれて、おしろいは額に寄り、線のように横たわっている。
鏡にむかって髷【わげ】をたばね、刺繍をしたうすぎぬの上衣をかるく身にまとう。
(崩れた夜の化粧を落として、朝の化粧を済ませた女の哀いい愁い。)


(訳注)
遐方怨 之一

避方怨 単調三十二字、七句四平韻(詞譜二)。

花半坼,雨初晴。
花はその弁を半ばほころびはじめている、雨はけさ早くに晴れあがっている。
・坼 さける、 わかれる、 ひらく、 さけめ
「牡丹半坼初經雨,雕檻翠幕朝陽。」「正海棠半坼,不耐春寒。」
「草木半舒坼,不類冰雪晨。」(草木は半ば舒坼(じょたく)し、氷雪の晨に類(に)ず。)

行次西郊作 一百韻 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 149


未卷珠簾,夢殘,惆悵聞曉莺鶯。
夜は明けても閨に臥したまま、いまだ簾をかかげようとはしない。あの人との夢だけがのこるだけだから、かなしく愁いの心持で、いつしか暁の鶯の啼く声を聞くのです。
・憫帳 憂え悲しむこと。温庭筠『更漏子 一』「惆悵謝家池閣」 謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」送姪良携二妓赴会稽戯有此贈  李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。


妝眉淺粉山橫。
昨夜のお化粧はもうくずれてしまい、えがいた眉ずみの色もうすれて、おしろいは額に寄り、線のように横たわっている。


鬟鸞鏡裏,繡羅輕。
鏡にむかって髷【わげ】をたばね、刺繍をしたうすぎぬの上衣をかるく身にまとう。
(崩れた夜の化粧を落として、朝の化粧を済ませた女の哀いい愁い。)
・鸞鏡 背面に鸞を彫んだ鏡。

『夢江南 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-45-14-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1796

夢江南 之二 温庭筠

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 上代・後漢・三国・晉南北朝・隋初唐・盛唐・中唐・晩唐北宋の詩人  
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『夢江南 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-45-14-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1796


夢江南 之一
千萬恨,恨極在天涯。
限りないほどのこの恨んでも恨んでも恨みきれない。この恨みの最も強いものは地の果てにいる愛しい人が行ったきりだということです。
山月不知心裏事,水風空落眼前花。
私の周りの自然美の山にかかる月は心の内から裏まであふれるほどのものになっている心配事は知らないでしょう。川面を吹き抜ける風は私の目の前の花をむなしく落していくのも私の心の内を知らないのです。
揺曳碧雲斜。
はるかかなたのあの人の所へあのたなびいている雲が渡してくれるのです。

夢江南 之一
千萬の恨み,恨みの極まれるは天涯に在り。
山月は知らず心裏の事,水風は空しく落つ 眼前の花。
碧雲 揺曳して斜めなり。


夢江南 之二
梳洗罷,獨倚望江樓。
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
腸斷白蘋洲。

この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。

夢江南 之二
梳洗【そせん】罷【おわ】り,獨り江樓に倚【よ】りて望む。
過ぎ盡くす千帆 皆是ならず,斜暉【き】脈脈として  水悠悠。
腸斷す 白蘋【ひん】の洲。
白蘋005




『夢江南』之二 現代語訳と訳註
(本文) 

梳洗罷,獨倚望江樓。
過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
腸斷白蘋洲。




(下し文)
夢江南 之二
梳洗【そせん】罷【おわ】り,獨り江樓に倚【よ】りて望む。
過ぎ盡くす千帆 皆是ならず,斜暉【き】脈脈として  水悠悠。
腸斷す 白蘋【ひん】の洲。

(現代語訳)
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。


(訳注)
夢江南 之二

夢江南:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十七字。五句平韻。この詞は花間集 第二 夢江南二作品中の第二である。


梳洗罷,獨倚望江樓。
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
・梳洗 くしけずることと洗うことで、朝起きたときなどの身繕いのこと。梳沐。
・罷 おわる。やむ。
・望江樓 河辺に建てられた江を見ることができる高殿」とあった。


過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
過盡 (全てが)通り過ぎてしまったが。
・千帆 多くの帆掛け船。
・皆 みな。
・不是 「是」ではない。そうではない。自分の思っている(あの人が乗っている)舟ではない。
・斜暉 夕陽。斜陽。落暉。
脈脈 情を含んで(見つめて)いるさま。思いを寄せて尽きないさま。
・水悠悠 自分の心は「脈脈」として切ない思いなのに、それに反して、自然の川の流れは、物に拘泥せずに悠々と流れ去っていく。


腸斷白蘋洲。
この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。
・腸斷 男性と関係がもてないことへの腸が断たれるほどの辛い思い。
・白蘋洲 蘋は萍で、浮き草。白い花をつけている。それがある川の洲。蘋萍(ひんへい)、萍蘋(へいひん)の小さな中洲。
杜甫『麗人行』「楊花雪落覆白蘋,青鳥飛去銜紅巾。」
白蘋 蘋はあさざの類、白い花のさく水草。麗人行  杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 65

『夢江南 之一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-44-13-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1792

『夢江南 之一』温庭筠

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『夢江南 之一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-44-13-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1792


夢江南 之一
千萬恨,恨極在天涯。
限りないほどのこの恨んでも恨んでも恨みきれない。この恨みの最も強いものは地の果てにいる愛しい人が行ったきりだということです。
山月不知心裏事,水風空落眼前花。
私の周りの自然美の山にかかる月は心の内から裏まであふれるほどのものになっている心配事は知らないでしょう。川面を吹き抜ける風は私の目の前の花をむなしく落していくのも私の心の内を知らないのです。
揺曳碧雲斜。
はるかかなたのあの人の所へあのたなびいている雲が渡してくれるのです。

夢江南
千萬の恨み,恨みの極まれるは天涯に在り。
山月は知らず心裏の事,水風は空しく落つ 眼前の花。
碧雲 揺曳して斜めなり。


夢江南 之二
梳洗罷,獨倚望江樓。
過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
腸斷白蘋洲。



『夢江南』 之一 現代語訳と訳註

sky024




(本文)

千萬恨,恨極在天涯。
山月不知心裏事,水風空落眼前花。
揺曳碧雲斜。

(下し文)
千萬の恨み,恨みの極まれるは天涯に在り。
山月は知らず心裏の事,水風は空しく落つ 眼前の花。
碧雲 揺曳して斜めなり。


(現代語訳)
限りないほどのこの恨んでも恨んでも恨みきれない。この恨みの最も強いものは地の果てにいる愛しい人が行ったきりだということです。
私の周りの自然美の山にかかる月は心の内から裏まであふれるほどのものになっている心配事は知らないでしょう。川面を吹き抜ける風は私の目の前の花をむなしく落していくのも私の心の内を知らないのです。
はるかかなたのあの人の所へあのたなびいている雲が渡してくれるのです。


(訳注)
夢江南:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十七字。五句平韻。この詞は花間集 第二 夢江南二作品中の第一である。

甘粛省-嘉峪関
千萬恨,恨極在天涯。
限りないほどのこの恨んでも恨んでも恨みきれない。この恨みの最も強いものは地の果てにいる愛しい人が行ったきりだということです。
・千萬 限りない。多量を云う。
・恨 うらみ。こころに強く残っているわだかまり。
・恨極 恨みの最たるもの。
・在天涯 天の果てにある。地の果てにいる愛しい人のことをいう。


山月不知心裏事,水風空落眼前花。
私の周りの自然美の山にかかる月は心の内から裏まであふれるほどのものになっている心配事は知らないでしょう。川面を吹き抜ける風は私の目の前の花をむなしく落していくのも私の心の内を知らないのです。
山月 山にかかっている月。周りの自然。
不知 知らない。分からない。
・心裏事 心の中の事。「心中事」としないで、「心裏事」としたのは、中に持っているのではなくそのうらまであふれるほどのものになっている。
・水風 水辺の風。川面を吹き抜ける風。ここも周りの自然。
空落 むなしくおちる。
眼前花 目の前の花。


揺曳碧雲斜。
はるかかなたのあの人の所へあのたなびいている雲が渡してくれるのです。
揺曳 雲などがたなびいている。
・碧雲 青雲。
・斜 雲などが渡る時の動きある表現。

『渭上題三首』 之三温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784

『渭上題三首』 之三温庭筠 


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『渭上題三首』 之三温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784


「渭上題三首」溫庭筠
之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
之二
目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。
之三
煙水何曾息世機,暫時相向亦依依。
所嗟白首磻溪叟,一下漁舟更不歸。

渭上題三首 之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されて栄達を得たが、子陵は後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。萬戸の昔から、もやの立ちこめた水面において釣り糸を垂れていることに絡んでいる。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
㶚水に架かるこの橋の上は一つの通の重要な手紙が行き交ったり、名誉と利得の歴史的な跡がたくさんあり、今ここに至って、江南に向かう鳥、旅人はこの橋を背にして旅立っていく。


呂公は榮達し子陵は歸る,萬古 煙波あり釣磯を繞る。
橋上 一通し名利の跡あり,今に至も江鳥も人をも背にして飛ぶ。


渭上題三首 之二
目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
今舟で旅する行く手をはるか遠くまで望雲の向こうの空まで見えるたびは広くゆったりとしていることだ。風に帆を立てていく一片の船が進むその水面はづっと続いて空とつながっている。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。
渭水の流れに沿って軽い舵を取って進んでいけばこれこそ逗留しているのであるから東の故郷に帰っていく路になるのである。釣り船を作って釣りをして立身出世の機会を忘れてしまうというのは君の才能からして納得はできないことなのである。


目極めて雲霄 浩然とするを思い,風帆 一片 水 天に連なる。
橈を輕くして便ち是れ東歸の路,機を忘れ釣船を作すことを肯【うなず】かず。



渭上題三首之三 温庭筠 
煙水何曾息世機,暫時相向亦依依。
この水面にたちこめた靄というのは、どういうわけかこれまでずっと世の中に認められるチャンスを止めさせたということはない。しばらくの間、この水面に向かっていても、ただまたぼんやり立ち籠めてくるだけなのです。 
所嗟白首磻谿叟,一下漁舟更不歸。
そうしてみるとなげかわしいことは、同じ様に釣り糸を垂れたあの谿の白髪頭の太公望呂尚のことだ。それはひとたび釣り舟を下りて、せっかく半隠士の漁父であることを捨てて、栄達の道を歩み去り、ここには戻ってこないことである。 


渭上の題    
煙水 何ぞ 曾【かつ】て世機を息めん,暫時相い向ひて亦た依依たり。
嗟く所は白首磻谿【はんけい】の叟,一たび漁舟を 下りて更に 歸らざるを。

kairo10681











『渭上題三首』之三 現代語訳と訳註
(本文)

煙水何曾息世機,暫時相向亦依依。
所嗟白首磻溪叟,一下漁舟更不歸。


(下し文)
目極めて雲霄 浩然とするを思い,風帆 一片 水 天に連なる。
橈を輕くして便ち是れ東歸の路,機を忘れ釣船を作すことを肯【うなず】かず。


(現代語訳)
この水面にたちこめた靄というのは、どういうわけかこれまでずっと世の中に認められるチャンスを止めさせたということはない。しばらくの間、この水面に向かっていても、ただまたぼんやり立ち籠めてくるだけなのです。 
そうしてみるとなげかわしいことは、同じ様に釣り糸を垂れたあの谿の白髪頭の太公望呂尚のことだ。それはひとたび釣り舟を下りて、せっかく半隠士の漁父であることを捨てて、栄達の道を歩み去り、ここには戻ってこないことである。


(訳注)
温庭筠:晩唐の詩人。812年元和七年―872年咸通十三年。音楽に詳しく、艶麗優美な詩詞を作る。本名は岐。字は飛卿。太原の人。李商隠と共に「温李」と称される。
・渭上題 渭水の畔での詩作。これは三首連作のその三。


煙水何曾息世機、暫時相向亦依依。
この水面にたちこめた靄というのは、どういうわけかこれまでずっと世の中に認められるチャンスを止めさせたということはない。しばらくの間、この水面に向かっていても、ただまたぼんやり立ち籠めてくるだけなのです。 
・煙水 靄(もや)のたちこめた水面。広い水面が煙ったように波立っているさま。「煙波」この連作『渭上題』のその一では「呂公榮達子陵歸,萬古煙波遶釣磯。」と「煙波」としている。 
・何曾 どうして…(った)ろうか。どうして…であろうか。今までずっと…したことはない。 
・息 やすむ。いこう。 
・世機 世の中との交渉。世に認められる機会。
・暫時 しばらく。しばし。少時。
・亦 …もまた。やはり。 
・依依 遠くてぼんやりしているさま。恋い慕うさま。離れるに忍びないさま。ほのかなさま。枝のしなやかなさま。


所嗟白首谿叟、一下漁舟更不歸。
そうしてみるとなげかわしいことは、同じ様に釣り糸を垂れたあの谿の白髪頭の太公望呂尚のことだ。それはひとたび釣り舟を下りて、せっかく半隠士の漁父であることを捨てて、栄達の道を歩み去り、ここには戻ってこないことである。 
・所嗟 なげかわしいこと。なげくところ。
白首 白髪(しらが)頭。 
・磻谿叟 谿の畔に住んでいた太公望呂尚を指す。呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されてその師となり、文王、武王をたすけて殷を滅ぼした。周(西周)政治家。周の祖「太公(文王の父)が待ち望んでいた(賢者)」という意味で、太公望と呼ばれる。武王を佐(たす)けて、殷の紂王を滅ぼし、功によって斉(現:山東省の一部)に封ぜられた。 
・磻谿 陝西省寶鷄県南東を流れて渭水に注ぐ川。太公望呂尚が釣りをしていた所。
・一 ひとたび。 
・漁舟 釣り舟。ここでは、太公望といわれた呂尚のことになる。なお、漁父や樵は、隠士に準ずる位置にある。
同じように、

謝靈運『遊嶺門山』

千圻邈不同,萬嶺狀皆異。威摧三山峭,瀄汩兩江駛。漁舟豈安流,樵拾謝西芘。人生誰雲樂?貴不屈所志。』(千圻【せんせき】は邈【かたち】 同じからず、万嶺は状 皆な異なる。威摧【そび】ゆる三山は峭【けわ】しく、瀄汩【しついつ】は両つの江に駛【はや】し。漁舟は 壹 流れに安んぜんや、樵は西芘【にしかげ】に謝【お】つるを拾う。人生誰か楽と云う、志す所に屈せざるを貴ぶ。)
遊嶺門山  #2 謝霊運<21>  詩集 389http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67482044.html

孟浩然『望洞庭湖贈張丞相』「八月湖水平,涵虚混太淸。氣蒸雲夢澤,波撼岳陽城。欲濟無舟楫,端居恥聖明。坐觀垂釣者,徒有羨魚情。」(洞庭湖を望み 張丞相に贈る。八月 湖水 平らかに,虚【きょ】を涵【ひた】して  太淸【たいせい】に混ず。氣は蒸【む】す 雲夢【うんぼう】澤【たく】,波は撼【ゆる】がす 岳陽【がくよう】城。濟【わた】らんと欲するに 舟楫【しゅうしふ】無く,端居して 聖明【せいめい】に恥づ。坐して 釣を垂る者を 觀【み】るに,徒【いたづら】に 魚【うお】を羨【うらや】むの情 有り。)と詠われる。 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67387159.html
『贈韓退之』  張署
九疑峰畔二江前,戀闕思鄉日抵年。
白簡趨朝曾竝命,蒼梧左宦一聊翩。
鮫人遠泛漁舟水,鵩鳥閑飛露裏天。
渙汗幾時流率土,扁舟西下共歸田。
(韓退之に贈る)
九疑峰の畔 二江の前,闕を戀ひ 鄉を思うて 自ら年に抵る。
白簡 朝に趨く曾て竝びに命ぜられ,蒼梧に宦を左せらるるも一聊翩たり。
鮫人遠く泛ぶ漁舟の水,鵩鳥 閑に飛ぶ 露裏の天。
渙汗 幾時か 率土に流べば,扁舟 西下して 共に歸田せむ。

『渭上題三首 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784

『渭上題三首 之二』温庭筠




 
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『渭上題三首 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784


「渭上題三首」溫庭筠
之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
之二
目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。
之三
煙水何曾息世機,暫時相向亦依依。
所嗟白首磻溪叟,一下漁舟更不歸。

渭上題三首 之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されて栄達を得たが、子陵は後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。萬戸の昔から、もやの立ちこめた水面において釣り糸を垂れていることに絡んでいる。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
㶚水に架かるこの橋の上は一つの通の重要な手紙が行き交ったり、名誉と利得の歴史的な跡がたくさんあり、今ここに至って、江南に向かう鳥、旅人はこの橋を背にして旅立っていく。

嘉陵江111111














渭上題三首 之二
目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
今舟で旅する行く手をはるか遠くまで望雲の向こうの空まで見えるたびは広くゆったりとしていることだ。風に帆を立てていく一片の船が進むその水面はづっと続いて空とつながっている。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。

渭水の流れに沿って軽い舵を取って進んでいけばこれこそ逗留しているのであるから東の故郷に帰っていく路になるのである。釣り船を作って釣りをして立身出世の機会を忘れてしまうというのは君の才能からして納得はできないことなのである。

目極めて雲霄 浩然とするを思い,風帆 一片 水 天に連なる。
橈を輕くして便ち是れ東歸の路,機を忘れ釣船を作すことを肯【うなず】かず。


『渭上題三首』 之二 現代語訳と訳註
(本文)

目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。


(下し文)
目極めて雲霄 浩然とするを思い,風帆 一片 水 天に連なる。
橈を輕くして便ち是れ東歸の路,機を忘れ釣船を作すことを肯【うなず】かず。

(現代語訳)
今舟で旅する行く手をはるか遠くまで望雲の向こうの空まで見えるたびは広くゆったりとしていることだ。風に帆を立てていく一片の船が進むその水面はづっと続いて空とつながっている。
渭水の流れに沿って軽い舵を取って進んでいけばこれこそ逗留しているのであるから東の故郷に帰っていく路になるのである。釣り船を作って釣りをして立身出世の機会を忘れてしまうというのは君の才能からして納得はできないことなのである。


(訳注)
渭上題三首 之二
渭水の畔での詩作。これは三首連作のその二。


目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
今舟で旅する行く手をはるか遠くまで望雲の向こうの空まで見えるたびは広くゆったりとしていることだ。風に帆を立てていく一片の船が進むその水面はづっと続いて空とつながっている。
・目極 目の届くかぎり遠方を見る。
・雲霄 そら、くものうえのおおぞら、高い地位をいう。
・浩然 《「浩」は水が豊かなさま》心などが広くゆったりとしているさま。


輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。
渭水の流れに沿って軽い舵を取って進んでいけばこれこそ逗留しているのであるから東の故郷に帰っていく路になるのである。釣り船を作って釣りをして立身出世の機会を忘れてしまうというのは君の才能からして納得はできないことなのである。
輕橈 舵が軽い。流れに沿って進むこと。
・東歸路 魚玄義と李億が澤州に帰ること。渭水の流れに乗って行けば、水は東流して行くということ。
・肯 うなずいて承知する。「肯定/首肯」 2 骨についた肉。
・忘機 わかれめをわすれる。魚玄機の才能を棄てて旅立っていくのは残念であるということ。


『渭上題三首 之一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-41-10-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1780



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『渭上題三首 之一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-41-10-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1780


温庭筠 おんていいん
(812頃―870以後)本名は岐、字は飛卿、幷州(山西省大原)の人。初唐の宰相温彦博の子孫にあたるといわれる。年少のころから詩をよくしたが、素行がわるく頽廃遊蕩生活に耽り、歌樓妓館のところに出入して、艶麗な歌曲ばかりつくっていた。進士の試験にも落第をつづけ、官途につくこともできなかった。徐商が裏陽(湖北)の地方長官をしていたとき、採用されて巡官となり、ついで徐商が中央の高官(成通のはじめ尚書省に入る)になったので、さらに任用されようとしたが成らなかった。859年頃に詩名によって特に召されて登用され、国子(大学)助教となった。たが、叙任前に微行中の宣宗に無礼があって罷免され、晩年は流落して終わった。そのため、生歿が未詳である。



「渭上題三首」溫庭筠
之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
之二
目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。
輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。
之三
煙水何曾息世機,暫時相向亦依依。
所嗟白首磻溪叟,一下漁舟更不歸。


渭上題三首 之一
呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されて栄達を得たが、子陵は後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。萬戸の昔から、もやの立ちこめた水面において釣り糸を垂れていることに絡んでいる。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。

㶚水に架かるこの橋の上は一つの通の重要な手紙が行き交ったり、名誉と利得の歴史的な跡がたくさんあり、今ここに至って、江南に向かう鳥、旅人はこの橋を背にして旅立っていく。

呂公は榮達し子陵は歸る,萬古 煙波あり釣磯を繞る。
橋上 一通し名利の跡あり,今に至も江鳥も人をも背にして飛ぶ。


『渭上題三首』之一 現代語訳と訳註
(本文) 

呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。

水辺0000


(下し文)
呂公は榮達し子陵は歸る,萬古 煙波あり釣磯を繞る。
橋上 一通し名利の跡あり,今に至も江鳥も人をも背にして飛ぶ。


(現代語訳)
呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されて栄達を得たが、子陵は後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。萬戸の昔から、もやの立ちこめた水面において釣り糸を垂れていることに絡んでいる。
㶚水に架かるこの橋の上は一つの通の重要な手紙が行き交ったり、名誉と利得の歴史的な跡がたくさんあり、今ここに至って、江南に向かう鳥、旅人はこの橋を背にして旅立っていく。


(訳注)
渭上題三首 之一

渭水の畔での詩作。これは三首連作のその一。


呂公榮達子陵歸,萬古煙波繞釣磯。
呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されて栄達を得たが、子陵は後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。萬戸の昔から、もやの立ちこめた水面において釣り糸を垂れていることに絡んでいる。
・呂公 呂尚は渭水の畔で釣りをしていて、文王に見出されてその師となり、文王、武王をたすけて殷を滅ぼした。周(西周)政治家。周の祖「太公(文王の父)が待ち望んでいた(賢者)」という意味で、太公望と呼ばれる。武王を佐(たす)けて、殷の紂王を滅ぼし、功によって斉(現:山東省の一部)に封ぜられた。
榮達
・子陵 後漢の厳子陵。余桃の人。 厳光。後漢を興した光武帝がまだ書生だった頃、一緒に学んだが、光武帝が即位すると去って身を隠した。光武帝は重く用いようと、国中を探して、釣りをしていた厳子陵ようやく見つけ出したが、招聘に応ずることはなかった。厳光が釣りをしていた場所(桐盧県の南、富春江の湖畔)は「厳陵瀬」と名づけられた。釣臺は東西に一つずつあり、高さはそれぞれ数丈、その下には羊裘軒・客星館・招隠堂があった。
・煙波 もやの立ちこめた水面。また、水面が煙るように波立っているようす。煙濤(えんとう)。煙浪(えんろう)。
・繞釣磯 太公望は渭水、子陵は富春江の湖畔。


橋上一通名利跡,至今江鳥背人飛。
㶚水に架かるこの橋の上は一つの通の重要な手紙が行き交ったり、名誉と利得の歴史的な跡がたくさんあり、今ここに至って、江南に向かう鳥、旅人はこの橋を背にして旅立っていく。
・橋上 㶚水に架かるこの橋の上。
・一通 一つの通の手紙。
・名利跡 名聞と利欲、名誉と利得の跡。
・至今 昔から今まで。
・江鳥 江南の鳥。南へかえる鳥。
・背人飛 上句の橋上をうけてこの橋を背にすることをいう。

『春日寄岳州從事李員外二首』之二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-40-9-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1776

『春日寄岳州從事李員外二首』之二 温庭筠

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『春日寄岳州從事李員外二首』之二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-40-9-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1776


春日寄岳州從事李員外二首 之二
從小識賓卿,恩深若弟兄。
子供のころより李卿を知っていた、恩は深くきょうだいのようして育ったものだった。
相逢在何日,此別不勝情。
旅に出ることになって互いにここで出会ってからもう何日か経ってしまったのであるが、でもどうしてもここで別れなければいけないことは感情的にどうしようもないのであるのだ。
紅粉座中客,彩斿江上城。
魚玄機の家の者たちがみんなが来てくれて座敷にいっぱいになった。いろどりのよい遊びをみんなで長安城の大江に船を浮かべたものである。
尚平婚嫁累,無路逐雙旌。

それはそうとして、魚玄機は累々と続く家系に嫁いだのであるが、高級官吏の地方赴任に際してこの路に旗を立てていくのであるが正妻と魚家の日本を建てていくことが出来ないのである。
(二)
小從り賓卿【ひんけい】識る,恩深きこと弟兄の若し。
相い逢う何れの日にか在らん,此の別情に勝【た】えず。
紅粉【こうふん】座中の客,彩斿【さいゆう】江上の城。
尚平【しょうへい】婚嫁【こんか】累し,路 雙旌【そうせい】を逐う無し。


『春日寄岳州從事李員外二首』之二 現代語訳と訳註
(本文)

茶苑
 春日寄岳州從事李員外二首 之二
從小識賓卿,恩深若弟兄。相逢在何日,此別不勝情。紅粉座中客,彩斿江上城。尚平婚嫁累,無路逐雙旌。


(下し文)
(二)
小從り賓卿【ひんけい】識る,恩深きこと弟兄の若し。
相い逢う何れの日にか在らん,此の別情に勝【た】えず。
紅粉【こうふん】座中の客,彩斿【さいゆう】江上の城。
尚平【しょうへい】婚嫁【こんか】累し,路 雙旌【そうせい】を逐う無し。


(現代語訳)
子供のころより李卿を知っていた、恩は深くきょうだいのようして育ったものだった。
旅に出ることになって互いにここで出会ってからもう何日か経ってしまったのであるが、でもどうしてもここで別れなければいけないことは感情的にどうしようもないのであるのだ。
魚玄機の家の者たちがみんなが来てくれて座敷にいっぱいになった。いろどりのよい遊びをみんなで長安城の大江に船を浮かべたものである。
それはそうとして、魚玄機は累々と続く家系に嫁いだのであるが、高級官吏の地方赴任に際してこの路に旗を立てていくのであるが正妻と魚家の日本を建てていくことが出来ないのである。


(訳注)
春日寄岳州從事李員外二首 之二
魚玄機は李億の妻になった。やがて二人は手を携えて旅に出る。李億の故郷である潭州へと向かったのである。この旅の送別の詩である。魚玄機と李億の旅の様相がわかる。


從小識賓卿,恩深若弟兄。
子供のころより李卿を知っていた、恩は深くきょうだいのようして育ったものだった。
・賓卿 李億は澤州の名門の家である。
・弟兄 温庭筠と李億の年齢差は十才であったので李億が温庭筠を兄と慕った。


相逢在何日,此別不勝情。
旅に出ることになって互いにここで出会ってからもう何日か経ってしまったのであるが、でもどうしてもここで別れなければいけないことは感情的にどうしようもないのであるのだ。
・此別 当時の別れは、数日間にわたって宴会をしたもので、長安の城郭内で行い、数日かけて㶚陵亭まで別れの宴会を続けて行う。


紅粉座中客,彩斿江上城。
魚玄機の家の者たちがみんなが来てくれて座敷にいっぱいになった。いろどりのよい遊びをみんなで長安城の大江に船を浮かべたものである。
・紅粉 紅白粉。芸妓の事を示す。
・座中客 芸者の魚玄機の一族、関係芸子など全員で入れ代わり立ち代わり全員が出席したものである。
・彩斿 あでやかないろんな遊びをすること。
・江上 大江、ここでは城郭内の濠堀での舟遊びを云う。
・城 長安城。


尚平婚嫁累,無路逐雙旌。
それはそうとして、魚玄機は累々と続く家系に嫁いだのであるが、高級官吏の地方赴任に際してこの路に旗を立てていくのであるが正妻と魚家の日本を建てていくことが出来ないのである。
・婚嫁累 魚玄機は累々と続く家系に嫁いだこと。
・雙旌 高級官吏の地方赴任に際して李億の家の旗、妻が何人いてもその家の旗を立てたもので、正妻の家と魚玄機の家の旗を立てるが、この旅には制裁の家の旗はなかったのであろう。

『 春日寄岳州從事李員外二首 』之一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-39-8-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1772

春日寄岳州從事李員外二首(一) 溫庭筠



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『 春日寄岳州從事李員外二首 』之一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-39-8-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1772



春日寄岳州從事李員外二首 溫庭筠


(一)
苒弱樓前柳,輕空花外窗。
㶚陵亭の前の草原に柔らかに草が生え樓閣の前の柳も芽吹く、春霞で薄くかすんだ空に窓の向こうにはなはさきはじめる。
蝶高飛有伴,鶯早語無雙。
蝶が飛ぶように官僚でも華麗に出世する夫の李億は伴侶を携えて旅立つ、鶯が素早く詠う詩詞は世に並ぶ者はいない。
剪勝裁春字,開屏見曉江。
旅先の景勝地に鋭く切り込み、この春にふさわしい軸で裁縫する。そして、別れの朝この大江を下って行けば屏風を開くかのように夫婦の楽しい生活が見えるようである。
從來共情戰,今日欲歸降。
私も今まで花街でいろんな戦いをし、あそんできたのだけれど、今日こうして夫婦の姿を見るとこんなに美しさが引き立ってきている、これではとてもあなたたちにはかないません、帰らせてもらいます。

(一)
苒弱【ぜんじゃく】樓前【ろうぜん】の柳,輕空【けいくう】花外の窗。
蝶高く飛ぶに伴有り,鶯早【つと】に語無雙【なら】び。
勝を剪りて春字を裁し,屏を開けば曉江を見る。
從來【じゅうらい】情戰【じょうせん】を共にす,今日歸降せんと欲す。


(二)
從小識賓卿,恩深若弟兄。相逢在何日,此別不勝情。紅粉座中客,彩斿江上城。尚平婚嫁累,無路逐雙旌。
(二)
小從り賓卿【ひんけい】識る,恩深きこと弟兄の若し。相い逢う何れの日にか在らん,此の別情に勝【た】えず。
紅粉【こうふん】座中の客,彩斿【さいゆう】江上の城。
尚平【しょうへい】婚嫁【こんか】累し,路 雙旌【そうせい】を逐う無し。

denen03339
『春日寄岳州從事李員外二首』 現代語訳と訳註
(本文)
(一)
苒弱樓前柳,輕空花外窗。蝶高飛有伴,鶯早語無雙。剪勝裁春字,開屏見曉江。從來共情戰,今日欲歸降。


(下し文)
(一)
苒弱【ぜんじゃく】樓前【ろうぜん】の柳,輕空【けいくう】花外の窗。
蝶高く飛ぶに伴有り,鶯早【つと】に語無雙【なら】び。
勝を剪りて春字を裁し,屏を開けば曉江を見る。
從來【じゅうらい】情戰【じょうせん】を共にす,今日歸降せんと欲す。


(現代語訳)
㶚陵亭の前の草原に柔らかに草が生え樓閣の前の柳も芽吹く、春霞で薄くかすんだ空に窓の向こうにはなはさきはじめる。
蝶が飛ぶように官僚でも華麗に出世する夫の李億は伴侶を携えて旅立つ、鶯が素早く詠う詩詞は世に並ぶ者はいない。
旅先の景勝地に鋭く切り込み、この春にふさわしい軸で裁縫する。そして、別れの朝この大江を下って行けば屏風を開くかのように夫婦の楽しい生活が見えるようである。
私も今まで花街でいろんな戦いをし、あそんできたのだけれど、今日こうして夫婦の姿を見るとこんなに美しさが引き立ってきている、これではとてもあなたたちにはかないません、帰らせてもらいます。


(訳注)
春日寄岳州從事李員外二首(一)

魚玄機は李億の妻になった。やがて二人は手を携えて旅に出る。李億の故郷である潭州へと向かったのである。この旅の送別の詩である。


苒弱樓前柳,輕空花外窗。
㶚陵亭の前の草原に柔らかに草が生え樓閣の前の柳も芽吹く、春霞で薄くかすんだ空に窓の向こうにはなはさきはじめる。
・苒 草がしげるさま。
・輕空 春霞で薄くかすんだ空。


蝶高飛有伴,鶯早語無雙。
蝶が飛ぶように官僚でも華麗に出世する夫の李億は伴侶を携えて旅立つ、鶯が素早く詠う詩詞は世に並ぶ者はいない。
・蝶 蝴蝶。夫の李億を示す。
・鶯 うぐいす。妻の魚玄機を指す。


剪勝裁春字,開屏見曉江。
旅先の景勝地に鋭く切り込み、この春にふさわしい軸で裁縫する。そして、別れの朝この大江を下って行けば屏風を開くかのように夫婦の楽しい生活が見えるようである。


從來共情戰,今日欲歸降。
私も今まで花街でいろんな戦いをし、あそんできたのだけれど、今日こうして夫婦の姿を見るとこんなに美しさが引き立ってきている、これではとてもあなたたちにはかないません、帰らせてもらいます。


『送李億東歸』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-38-7-# 全唐詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1768

送李億東歸 溫庭筠

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『送李億東歸』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-38-7-#  全唐詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1768


森鴎外の「魚玄機」より、
温庭筠の友に李億と云う素封家があった。年は温より十ばかりも少くて頗る詞賦を解していた。
咸通元年の春であった。久しく襄陽に往っていた温が長安に還ったので、李がその寓居を訪ねた。襄陽では、温は刺史徐商の下で小吏になって、やや久しく勤めていたが、終に厭倦【えんけん】を生じて罷めたのである。
温の机の上に玄機の詩稿があった。李億はそれを見て
歎称した。そしてどんな女かと云った。温は三年前
から詩を教えている、花の如き少女だと告げた。それ
を聞くと、李億は精【くわ】しく魚家のある街を問うて、何か思うことありげに、急いで座を起った。
李は温の所を辞して、径【ただ】ちに魚家に往って、玄機を納【い】れて側室にしようと云った。玄機の両親は幣の厚いのに動された。

玄機は出でて李と相見た。今年はもう十八歳になっている。その容貌の美しさは、温の初て逢った時の比ではない。李もまた白皙【はくせき】の美丈夫である。李は切に請い、玄機は必ずしも拒まぬので、約束は即時に成就して、数日の後に、李は玄機を城外の林亭に迎え入れた。


 こうして李億の妻になったのである。やがて二人は手を携えて旅に出る。李億の故郷である潭州へと向かったのである。この旅の送別の詩である。



送李億東歸 溫庭筠
黃山遠隔秦樹,紫禁斜通渭城。
澤州の黄山は㶚水㶚陵にむかう京畿の道路の並木樹を遠く隔ててある。天子の宮城は渭水が斜めに流れ向こうに西に向かう旅人の別れの渭城がある。
別路青青柳弱,前溪漠漠苔生。
長安を東に向かうこの分かれ道には春を待つ青々とした柳の若芽が目に入る。滻水には寂しい感じでぼんやりと生えている苔が広がっている。
和風澹蕩歸客,落月殷勤早鶯。
東からの春風に凍えた体に和んでくる、月は傾き暁の早春の鶯が啼いていてゆったりしてのどかな感じになる。
灞上金樽未飲,宴歌已有餘聲。
長安での別れは㶚橋の畔の亭で金の盃でまだ酒を酌み交わしてはいない。宴が始まり、歌を唄うそうなってくると声を出しても出し切れないほどあるものだ。

李億の東歸を送る
黃山遠く秦樹【しんじゅ】を隔て,紫禁 斜に渭城に通ず。
別路 青青 柳弱【わか】き,前溪 漠漠 苔生す。
和風 澹蕩【たんとう】たり歸客,落月 殷勤たり早鶯。
灞上【はじょう】金樽【きんそん】未だ飲まざるに,宴歌【えんか】已に餘聲有り。

miyajima594
『送李億東歸』 現代語訳と訳註
(本文)
送李億東歸 溫庭筠
黃山遠隔秦樹,紫禁斜通渭城。
別路青青柳弱,前溪漠漠苔生。
和風澹蕩歸客,落月殷勤早鶯。
灞上金樽未飲,宴歌已有餘聲。


(下し文)
李億の東歸を送る
黃山遠く秦樹【しんじゅ】を隔て,紫禁 斜に渭城に通ず。
別路 青青 柳弱【わか】き,前溪 漠漠 苔生す。
和風 澹蕩【たんとう】たり歸客,落月 殷勤たり早鶯。
灞上【はじょう】金樽【きんそん】未だ飲まざるに,宴歌【えんか】已に餘聲有り。


(現代語訳)
澤州の黄山は㶚水㶚陵にむかう京畿の道路の並木樹を遠く隔ててある。天子の宮城は渭水が斜めに流れ向こうに西に向かう旅人の別れの渭城がある。
長安を東に向かうこの分かれ道には春を待つ青々とした柳の若芽が目に入る。滻水には寂しい感じでぼんやりと生えている苔が広がっている。
東からの春風に凍えた体に和んでくる、月は傾き暁の早春の鶯が啼いていてゆったりしてのどかな感じになる。
長安での別れは㶚橋の畔の亭で金の盃でまだ酒を酌み交わしてはいない。宴が始まり、歌を唄うそうなってくると声を出しても出し切れないほどあるものだ。


(訳注)
送李億東歸 溫庭筠

開成五年秋魚玄機と李億が彼の故郷澤州に帰るときに贈った温庭んらしい綺麗な詩である。


黃山遠隔秦樹,紫禁斜通渭城。
澤州の黄山は㶚水㶚陵にむかう京畿の道路の並木樹を遠く隔ててある。天子の宮城は渭水が斜めに流れ向こうに西に向かう旅人の別れの渭城がある。
・黃山 澤州の景勝地。現在の山西省 長治市 壷関県 黄山郷。
・秦樹 京畿の道路の並木樹をいう。杜甫『投贈哥舒開府翰二十韻』日月低秦樹秦樹とは関中の樹木、帝畿の樹木をいう。日月の光がこの樹木に向かって上から下へと照らしかけるというのは帝業のかがやくこころをこめていう。『送張十二参軍赴蜀州因呈楊五侍御』「两行秦樹直、萬點蜀山尖。」○奏樹とは京畿の道路の並木樹をいう。直とはまっすぐに立っていること。
紫禁 天帝の居る所の意の「紫微垣(しびえん)」から》天子の居所。禁中。紫極。
・渭城 渭城. 西安市の北に位置し、渭水に望む渭城は都を離れる旅人を見送る地として著名。現在の咸陽市のやや西にあった街。王維『送元二使安西』「渭城朝雨浥輕塵,客舍青青柳色新。 勸君更盡一杯酒,西出陽關無故人。 這是一首送別的名曲。」


別路青青柳弱,前溪漠漠苔生。
長安を東に向かうこの分かれ道には春を待つ青々とした柳の若芽が目に入る。滻水には寂しい感じでぼんやりと生えている苔が広がっている。
・漠漠 果てしもなく広いさま。また、とりとめもなくぼんやりしたさま。


和風澹蕩歸客,落月殷勤早鶯。
東からの春風に凍えた体に和んでくる、月は傾き暁の早春の鶯が啼いていてゆったりしてのどかな感じになる。
・澹蕩 ゆったりしてのどかなさま。
・落月 早春から仲春にかかり始めるころ、月はじめに夜明けに残る月はない。
・殷勤 1 〔丁寧いんぎんにお辞儀をする2 〔男女の親しい間柄〕いんぎんな間柄である
・早鶯 暁の鶯。早春譜の鶯。暁鶯 、雪中鶯、初鴛


灞上金樽未飲,宴歌已有餘聲。
長安での別れは㶚橋の畔の亭で金の盃でまだ酒を酌み交わしてはいない。宴が始まり、歌を唄うそうなってくると声を出しても出し切れないほどあるものだ。
・灞上 㶚水に架かる㶚橋の上。長安の東へのに別れには必ずここまで来た常套の場所である。長安での別れを詠い名作は李白の詩である。
雑言古詩『灞陵行送別』 李白 
送君灞陵亭。 灞水流浩浩。
上有無花之古樹。 下有傷心之春草。
我向秦人問路歧。 云是王粲南登之古道。
古道連綿走西京。 紫闕落日浮云生。
正當今夕斷腸處。 驪歌愁絕不忍聽。
君を送る  灞陵亭(はりょうてい)、灞水(はすい)は流れて浩浩(こうこう)たり
上に無花(むか)の古樹(こじゅ)有り、下に傷心(しょうしん)の春草(しゅんそう)有り
我  秦人(しんじん)に向かって路岐(ろき)を問う、云う是れ 王粲(おうさん)が南登(なんと)の古道なりと
古道は連綿(れんめん)として西京(せいけい)に走り、紫関(しかん)  落日  浮雲(ふうん)生ず
正(まさ)に当たる 今夕(こんせき)断腸の処(ところ)、驪歌(りか)愁絶(しゅうぜつ)して聴くに忍(しの)びず

灞陵亭で君を送る、灞水の流れはひろびろとうららかにながれている。
まだ早春で、頭上には花のない古木がある、足元には心を痛めるような芽生え始めた春草が生えている
土地の人に向かって東洛陽方面と南はどこへと分かれ道のことを尋ねた。こちらの道は建安の七子の王粲が「南登」と歌った古道はこれで漢水まで続くのだといった。
もう一方の古道は、洛陽から連綿と続いて長安にはしっている。その紫の天子の御門のうちでは夕日が落ちて宮女たちのよろこびが生じているのだろう。
まさに今夜わたしは別れてひとりの夜、断腸のもだえ聲のあるところ、女が主人恋しさに唄う歌は、聞くに堪えない。

灞陵行送別 李白:Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白139


『玉胡蝶』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-37-6-# 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1764

玉胡蝶 温庭筠

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『玉胡蝶』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-37-6-#   花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1764


玉胡蝶
秋風淒切傷離,行客未歸時。
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない。
寒外草先衰,江南雁到遲。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
搖落使人悲,腸斷誰得知?

こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。

玉の胡蝶
秋の風 淒として切なく離るることを傷み,行客は未だ歸る時なし。
寒外 草 衰えること先んじ,江南 雁 遲れて到る。
芙蓉 凋嫩【ちょうどん】の臉,楊柳の新たの眉を墮つ。
搖落して人をして悲しましむ,腸斷して誰か知るを得んや?

pla039
『玉胡蝶』 現代語訳と訳註
(本文)

玉胡蝶
秋風淒切傷離,行客未歸時。
寒外草先衰,江南雁到遲。
芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
搖落使人悲,腸斷誰得知?


(下し文)
玉胡蝶
秋の風 淒として切なく離るることを傷み,行客は未だ歸る時なし。
寒外 草 衰えること先んじ,江南 雁 遲れて到る。
芙蓉 凋嫩【ちょうどん】の臉,楊柳の新たの眉を墮つ。
搖落して人をして悲しましむ,腸斷して誰か知るを得んや?


(現代語訳)
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。


(訳注)
玉胡蝶

玉胡蝶 双調四十一字、前段四句四平韻、後段四句三平韻(詞譜四)。
・胡蝶 西域の異民族の蝶ということであるが、ここでは上品な色町における女性を云い、その女性が最も輝いているころのことを指している。性を売る女性ではない。
蛇足だが、胡蝶は[荘子斉物論](荘子が夢で胡蝶になって楽しみ、自分と蝶との区別を忘れ たという故事から)現実と夢の区別がつかないこと。 自他を分たぬ境地。また、人生のはかなさにたとえる。蝶夢。


秋風淒切傷離,行客未歸時。
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない
凄切 さびしくいたましいこと。
・行客 旅人。ここは征夫。
 雁と書信をかけていう。


寒外草先衰,江南雁到遲。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
この聯は完全対句となっているので意味もそれを基本に読み取る。。


芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
・芙蓉凋嫩臉 芙蓉:若々しい女性を象徴するもの。凋嫩臉:精神的苦痛が頬をこけさせることを云う。
・楊柳墮新眉 楊柳:男女の若々しい様子を示すもので男女のいとなみも暗示させる。柳の葉の形の眉も若い女性がした化粧である。この聯は完全対句となっている。

/○楊柳 楊柳は男女を示す。また楊は芸妓の色町を示す語である。柳は男性であるが、細柳は女性を示す語として、つかわれる。

搖落使人悲,腸斷誰得知?
こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。
・搖落 うらがれること。
宋玉『九辨』、
悲哉秋之為氣也!
蕭瑟兮草木搖落而變衰,

杜甫『蒹葭』
摧折不自守,秋風吹若何?
暫時花戴雪,幾處葉沈波。
體弱春苗早,叢長夜露多。
江湖後搖落,亦恐歲蹉跎。

秦州抒情詩(13) 兼葭 杜甫 <298> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブロ1361 杜甫詩 700- 418


断腸は胸のもやもやではなく下半身のもやもやをいう。

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『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760


南歌子 七首
(一)
手裏金鹦鹉,胸前繡鳳凰。偷眼暗形相。不如從嫁與,作鴛鴦。
嫁ぐかもしれないそのひとの手の中には、黄金製の鸚鵡杯があり、衣服の胸元には、ホウオウの刺繍がしてあります。
わたしはこっそりとその人お顔と姿をうかがい見るのです。もう嫁いでいった方がいいかもしれない。きっと鴛鴦のような夫婦となります。 


(二)
似帶如絲柳,團酥握雪花。簾卷玉鈎斜。九衢塵欲暮,逐香車。

その人は帯のようにしなやかであり、糸柳のような腰つきであり、その肌はきよく滑らかなまるみをもっていて雪の白さと艶やかな花の白さの指さきで握ってくれる。
車の簾を巻き上げも、宝玉で輝く簾を掛ける鉤金具もうまく途中で止めている。
大通りはいくつにも別れその上この人ごみに紛れて暮れていこうとしている。その人の香りの車の後を追っていくのである。

(三)
鬓垂低梳髻,連娟細掃眉。終日兩相思。爲君憔悴盡,百花時。
左右の鬢の雲型に垂れる髪は低くして髻まできれいに梳いてある。上品な麗しさは続き細く書かれた眉につながっていました。
その日は一日中二人でいて互いに思い続けていました。
今あなたは百花繚乱の時かもしれませんが私はそのために心配でたまらなく心労の限りを尽くして痩せ細ってしまいます。

(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。倚枕覆鴛衾。隔簾鶯百囀,感君心。
ほほのうえには、かぼそい金霞のよそおいでかざり、眉間にはふかく翠りの鈿のかざりをしている。
着飾ったうつくしい人は枕をあててよこになり、鴛鴦のうす絹の掛け布をかづいている。
御簾を隔てて鶯がしきりにさえずっているので、その鶯の囀りは、しみじみとあなたのこころを感じているのです。

(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。鴛枕映屏山。月明三五夜,對芳顔。

蕊黃は女の額に黄色の化粧をほどこして、花を開かせ、麗しい輪にまいた黒毛のまげで精いっぱいのお化粧をしています。
鴛鴦のように私が寝床についてよこ向きになると、寝姿が屏風に山影が映ります。
今夜は十五夜で月明かりが明るくしてくれます。だからあなたの美しい顔を私の方に向けてください。

(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
あの女は流し目を動かしまるで波眼蝶のようなのだ、優雅にして美しく垂れ柳のような細腰をしている。
あの人はあの女を花のさき乱れる裏の茂みに誘っている。わたしはあの人のことをこんなに思っているのにこんな私の下の腹なんて切ってしまいたい。それにしてもこんな春の宵は恨めしいのです。


(七)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。羅帳罷爐熏。近來心更切,爲思君。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。


南歌子七首
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
羅帳罷爐熏。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近來心更切,爲思君。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。

懶拂【らんふつ】して鴛鴦の枕,休縫するは翡翠の裙。
羅帳 爐熏【くんろ】を罷【まか】る。
近來 更なる心は切れ,君を思うを爲さる。


ホトトギス

『南歌子七首』(七) 現代語訳と訳註
(本文)

懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
羅帳罷爐熏。
近來心更切,爲思君。


(下し文)

懶拂【らんふつ】して鴛鴦の枕,休縫するは翡翠の裙。
羅帳 爐熏【くんろ】を罷【まか】る。
近來 更なる心は切れ,君を思うを爲さる。




(現代語訳)

けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。


(訳注)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
・懶拂 懶: 何かすることを面倒がること。また、そのような性質や人。また、そのさま。ぶしょう。
・鴛鴦枕 鴛鴦の絵が描かれた枕。仲良くしていたころのことを想像させる。
・休縫 裁縫することを休止する。
・翡翠裙 翡翠の襦袢。肌着。スカート。


羅帳罷爐熏。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
・羅帳 うす絹のとばり。
・爐熏 彩画香炉。竹を截頭円錐形に粗く編み,絹で包んだ器。


近來心更切,爲思君。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。
・近來 近頃では。
心更切 心さえも切断している。
・爲思君 ただあなたを思うことだけさせられている。

『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756

『南歌子七首』(六)温庭筠

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『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756


南歌子 七首
(一)
手裏金鹦鹉,胸前繡鳳凰。偷眼暗形相。不如從嫁與,作鴛鴦。
(二)
似帶如絲柳,團酥握雪花。簾卷玉鈎斜。九衢塵欲暮,逐香車。
(三)
鬓垂低梳髻,連娟細掃眉。終日兩相思。爲君憔悴盡,百花時。
(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。倚枕覆鴛衾。隔簾鶯百囀,感君心。
(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。鴛枕映屏山。月明三五夜,對芳顔。
(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
(七)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。羅帳罷爐熏。近來心更切,爲思君。


(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。
あの女は流し目を動かしまるで波眼蝶のようなのだ、優雅にして美しく垂れ柳のような細腰をしている。
花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
あの人はあの女を花のさき乱れる裏の茂みに誘っている。わたしはあの人のことをこんなに思っているのにこんな私の下の腹なんて切ってしまいたい。それにしてもこんな春の宵は恨めしいのです。
(六)
轉盼【てんはん】波眼の如し,娉婷【ひょうてい】似って柳腰【りゅうよう】たり。
花裏 暗【ひそか】に相い招く,君を憶う腸 斷ぜんと欲す,春宵を恨む。

fiower880
『南歌子』 現代語訳と訳註
(本文)
(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。
花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。


(下し文) (六)
轉盼【てんはん】波眼の如し,娉婷【ひょうてい】似って柳腰【りゅうよう】たり。
花裏 暗【ひそか】に相い招く,君を憶う腸 斷ぜんと欲す,春宵を恨む。


(現代語訳)
あの女は流し目を動かしまるで波眼蝶のようなのだ、優雅にして美しく垂れ柳のような細腰をしている。
あの人はあの女を花のさき乱れる裏の茂みに誘っている。わたしはあの人のことをこんなに思っているのにこんな私の下の腹なんて切ってしまいたい。それにしてもこんな春の宵は恨めしいのです。


(訳注) (六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。

あの女は流し目を動かしまるで波眼蝶のようなのだ、優雅にして美しく垂れ柳のような細腰をしている。
・轉盼 流し目を動かす。盼:(1) 切望する,焦がれる切盼切望する.(2) 見る左顾右盼左右を見回す.
・波眼 波眼蝶
波眼蝶0055 
娉婷 【ひょうてい】(婦人の姿や振舞いが)優雅な,美しい
柳腰 細くてしなやかな腰。多く、美人のたとえ。李商隠『楚宮』「楚管蠻弦愁一概,空城罷舞腰支在。」楚宮詩でいう「腰支在」は妖艶な腰の体つきで舞い姿をみせた。「宮妓」詩に「披香新殿に腰支を闘わす」というように、踊り子の動きの際立つ部位。薄絹をつけて舞う宮廷での踊りは、頽廃的に性欲に訴えるものであった。

楚宮 李商隠:kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 55

また、同様に細腰について、女性の細い腰。楚の霊王が細い腰を好んだという。『漢書・馬寥傳』の「呉王好劍客,百姓多瘡瘢。楚王好細腰,宮中多餓死。」、『荀子・君道』「楚莊王好細腰,故朝有餓人。」や『韓非子』「越王好勇,而民多輕死。楚靈王好細腰,而國中多餓人。」「楚の霊王は細腰を好み、国中餓する人多し」。


花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
あの人はあの女を花のさき乱れる裏の茂みに誘っている。わたしはあの人のことをこんなに思っているのにこんな私の下の腹なんて切ってしまいたい。それにしてもこんな春の宵は恨めしいのです。

『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752

『南歌子七首(五)』温庭筠

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『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752


南歌子 七首
(一)
手裏金鹦鹉,胸前繡鳳凰。偷眼暗形相。不如從嫁與,作鴛鴦。
(二)
似帶如絲柳,團酥握雪花。簾卷玉鈎斜。九衢塵欲暮,逐香車。
(三)
鬓垂低梳髻,連娟細掃眉。終日兩相思。爲君憔悴盡,百花時。
(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。倚枕覆鴛衾。隔簾鶯百囀,感君心。
(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。鴛枕映屏山。月明三五夜,對芳顔。
(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
(七)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。羅帳罷爐熏。近來心更切,爲思君。


(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。
蕊黃は女の額に黄色の化粧をほどこして、花を開かせ、麗しい輪にまいた黒毛のまげで精いっぱいのお化粧をしています。
鴛枕映屏山。
鴛鴦のように私が寝床についてよこ向きになると、寝姿が屏風に山影が映ります。
月明三五夜,對芳顔。

今夜は十五夜で月明かりが明るくしてくれます。だからあなたの美しい顔を私の方に向けてください。

(五)
撲蕊【ぼうくずい】黃子【おうし】を添え,呵花して翠鬟【すいかん】に滿つ。
鴛枕【かちん】屏山を映す。
月明 三五の夜,芳顔に對す。

蕊黄
『南歌子』(五) 現代語訳と訳註
(本文)
(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。
鴛枕映屏山。
月明三五夜,對芳顔。


(下し文)
撲蕊【ぼうくずい】黃子【おうし】を添え,呵花して翠鬟【すいかん】に滿つ。
鴛枕【かちん】屏山を映す。
月明 三五の夜,芳顔に對す。


(現代語訳)
蕊黃は女の額に黄色の化粧をほどこして、花を開かせ、麗しい輪にまいた黒毛のまげで精いっぱいのお化粧をしています。
鴛鴦のように私が寝床についてよこ向きになると、寝姿が屏風に山影が映ります。
今夜は十五夜で月明かりが明るくしてくれます。だからあなたの美しい顔を私の方に向けてください。


(訳注)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。
蕊黃は女の額に黄色の化粧をほどこして、花を開かせ、麗しい輪にまいた黒毛のまげで精いっぱいのお化粧をしています。
・撲蕊 蕊黃は女の額にほどこす黄色の化粧法。額黄ともいい、古く漢代からあったといい、六朝時代をへて唐代までずっと行なわれていた。
・黃子 蕊黃の黄色の粉のこと。この句は若い花盛りの娘をあらわす句である。
・呵花 花が大きく開いたこと。
・翠鬟 (1)カワセミの羽のように麗しい輪にまいた黒毛のまげ。美人の髪をいう。美女の譬え。(2)青々とした山。


鴛枕映屏山。
鴛鴦のように私が寝床についてよこ向きになると、寝姿が屏風に山影が映ります。
・鴛枕 鴛鴦のように枕した。鴛鴦の絵が描かれた枕。
・屏山 美女が寝床についてよこ向きになった寝姿を云う。


月明三五夜,對芳顔。
今夜は十五夜で月明かりが明るくしてくれます。だからあなたの美しい顔を私の方に向けてください。
・月明 夜を明るくしてくれる月明かり。
三五夜 十五夜。女性が最も女性らしいという意味を含む。
・芳顔 イケメンのあなた。美しい顔。また、他人を敬って、その顔をいう語。尊顔。

『南歌子七首(四)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748

『南歌子七首(四)』温庭筠 

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◎漢文委員会のHP http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/
                  http://kanbuniinkai7.dousetsu.com
                  http://kanbuniinkai8.dousetsu.com
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南歌子七首 (四) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748


南歌子 七首
(一)
手裏金鹦鹉,胸前繡鳳凰。偷眼暗形相。不如從嫁與,作鴛鴦。
(二)
似帶如絲柳,團酥握雪花。簾卷玉鈎斜。九衢塵欲暮,逐香車。
(三)
鬓垂低梳髻,連娟細掃眉。終日兩相思。爲君憔悴盡,百花時。
(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。倚枕覆鴛衾。隔簾鶯百囀,感君心。
(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。鴛枕映屏山。月明三五夜,對芳顔。
(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
(七)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。羅帳罷爐熏。近來心更切,爲思君。


(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。
ほほのうえには、かぼそい金霞のよそおいでかざり、眉間にはふかく翠りの鈿のかざりをしている。
倚枕覆鴛衾。
着飾って麗しくして枕をあててよこになり、鴛鴦のうす絹の掛け布をかけています。
隔簾鶯百囀,感君心。

御簾を隔てて鶯がしきりにさえずっているので、その鶯の囀りは、しみじみとあなたのこころを感じているのです。

曉鶯005

臉の上 金の霞細,眉間 翠の钿深。
枕に倚りて鴛衾に覆す。
簾を隔てて鶯百囀り,君が心を感ず。





『南歌子 七首』(四) 現代語訳と訳註
(本文)
臉上金霞細,眉間翠钿深。
倚枕覆鴛衾。
隔簾莺百啭,感君心。


(下し文)
南歌子
臉の上 金の霞細,眉間 翠の钿深。
枕に倚りて鴛衾に覆す。
簾を隔てて鶯百囀り,君が心を感ず。


(現代語訳)
ほほのうえには、かぼそい金霞のよそおいでかざり、眉間にはふかく翠りの鈿のかざりをしている。
着飾って麗しくして枕をあててよこになり、鴛鴦のうす絹の掛け布をかけています。
御簾を隔てて鶯がしきりにさえずっているので、その鶯の囀りは、しみじみとあなたのこころを感じているのです。


(訳注)
『花間集』巻一にある。女性が来てくれるのを待ち侘びて春の朝を詠う。
唐教坊曲名。単調二十三字。唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。
『更漏子』『定西番』は宮廷で歌われたこの教坊曲である。


臉上金霞細,眉間翠鈿深。
わたしは今日もほほのうえには、かぼそい金霞のよそおいでかざり、眉間にはふかく翠りの鈿のかざりをしているのです。
・眉間翠鈿深 眉の間の正面のところに翠鈿をつけた化粧をいう。深というのは眉の間にほどこされて深く見えるからであろう。


倚枕覆鴛衾。
着飾って麗しくして枕をあててよこになり、鴛鴦のうす絹の掛け布をかけています。
・倚枕 枕をそばだてると訓している。頭をもたたげてななめに枕によりかからせる意とおもう。
・覆鴛駕 駕駕の模様のある被をおおう。


隔簾鶯百囀,感君心。
御簾を隔てて鶯がしきりにさえずっているので、その鶯の囀りは、しみじみとあなたのこころを感じているのです。
・感君心 君の心に感ずる。前に見える
更漏子詞の「感君憐」と同じ意であろう。
君は情人をさすであろう。