玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

2013年08月

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

天仙子 其五 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917

天仙子 其五 着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

 

2013年8月31日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。    
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

天仙子 其五 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

bijo06綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

天仙子 其四 ----111

(天仙子【てんせんし】 其の四)
夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

天仙子 其五 ----112

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

霞裙月帔一羣羣。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

來洞口、望煙分。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

劉阮不歸春日曛。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

 

(天仙子【てんせんし】 其の五)

衣裳は金に似て 身は玉に似たり。眼は秋水の如く 鬢は雲の如し。

霞裙【かくん】月帔【がつひ】一に羣羣。

洞口に来たりて、煙の分かるるを望む。

劉・阮 歸らず 春日 曛【くら】し

 

美女004 



『天仙子 其五』 現代語訳と訳註

(本文)

天仙子 其五 ----112

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

霞裙月帔一羣羣。

來洞口、望煙分。

劉阮不歸春日曛。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の五)

衣裳は金に似て 身は玉に似たり。眼は秋水の如く 鬢は雲の如し。

霞裙【かくん】月帔【がつひ】一に羣羣。

洞口に来たりて、煙の分かるるを望む。

劉・阮 歸らず 春日 曛【くら】し

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

 

 

 (訳注)

天仙子 其五 ----112

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の五 棄てられて道観の祠にいる女の寂しさ)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教の道観、仏教の寺院には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

 

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

着ている衣裳が金に似ているというなら、その体は宝石に輝いているというのに似ている。眼はというと秋の澄み切った水に似ているということで、そしてその髪型は雲のようである。

★この詩のこの二句は、ここに登場する女性は以前奇麗な着物を着て美人と呼ばれていたということ。

 

霞裙月帔一羣羣。

霞模様の裳裾を着て、月の刺繍の肩掛けをかけていて、そんな女たちがここ一か所に群がるように集まっている。

・裙 裳裾(もすそ)

・帔 古代の女性の刺繍つきの肩掛け.

 

來洞口、望煙分。

女性のいるお洞の入り口に来てみると、お香の霞がそれぞれの個室から出ていて、それが分かれてくれることを望んでいる。

・洞口 木の内部にできた洞窟状の空間。うろ。 木の洞。

 

劉阮不歸春日曛。

竹林の七賢の劉伶と阮籍はもう帰って來ることはないし、この女たちにとっても盛春の日々はもう黄昏ており、もうかえってくることはないのだ。

・劉阮 竹林の七賢の劉伶と阮籍のこと。 3世紀の中国・魏(三国時代)の時代末期に、酒を飲んだり清談を行なったりと交遊した、下記の七人の称。「阮籍」、「嵆康」、「山濤」、「劉伶」、「阮咸」、「向秀」、「王戎」である。

阮籍が指導的存在である。その自由奔放な言動は『世説新語』に記されており、後世の人々から敬愛されている。七人が一堂に会したことはないらしく、4世紀頃からそう呼ばれるようになったとされる。隠者と言われることがあるが、多くは役職についており、特に山濤と王戎は宰相格の高官に登っている。

・劉伶 (221? - 300?)は、竹林の七賢の一人。字は伯倫。三国時代の魏および西晋の文人。沛国の人。世説新語によると、身長が約140cmと低く、手押し車に乗り、スコップを携えた下男を連れて、自分が死んだらそこに埋めろ、と言っていた。酒浸りで、素っ裸でいることもあった。ある人がそれをとがめたのに答えて言った。私は、天地を家、部屋をふんどしと思っている。君らはどうして私のふんどしの中に入り込むのだ。また酒浸りなので、妻が心配して意見したところ、自分では断酒できないので、神様にお願いすると言って、酒と肉を用意させた。そして祝詞をあげて、女の言うことなど聞かない、と言って肉を食って酒を飲んで酔っぱらった。

・阮籍 魏の詩人。老荘哲学者としても特異な存在であった。字は嗣宗。陳留(河南省)の人。嵆康とともに〈竹林の七賢〉の中心的な存在で,常識の意表をつく奇矯な発言と奔放な態度で世人を驚かせたが,その裏には社会の偽善や退廃に対する逆説的な批判精神がこめられていた。司馬氏の簒奪が進められる魏末の恐怖政治下にあって,目覚めた意識を持つ者としての苦悩をつぶさになめながら,韜晦【とうかい】した生きかたを貫き通した。

・曛 残照,日没時の淡い光り曛黄たそがれ.DCF00109
 

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

天仙子 其四 雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

 

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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

天仙子 其四 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

 

 

天仙子 其四 ----111

(天仙子【てんせんし】 其の四)
夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

(天仙子【てんせんし】 其の四)

夢覚むれば雲屏舊に依りて空しく、杜鵑【とけん】聲咽【むせ】びて 簾墻【れんしょう】を隔つ。

玉郎は薄幸にして去るも 蹤無し。

一日日、恨み重重。

涙は蓮腮【れんさい】に界たりて 両線 紅し。

 

 

『天仙子 其四』 現代語訳と訳註

(本文)

ホトトギス天仙子 其四 ----111

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

玉郎薄幸去無蹤。

一日日、恨重重。

涙界蓮腮兩線紅。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の四)

夢覚むれば雲屏舊に依りて空しく、杜鵑【とけん】聲咽【むせ】びて 簾墻【れんしょう】を隔つ。

玉郎は薄幸にして去るも 蹤無し。

一日日、恨み重重。

涙は蓮腮【れんさい】に界たりて 両線 紅し。

 

 

(現代語訳)

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

 

 

(訳注)

bijo02天仙子 其四

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

 

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

雲母を散らした屏風のかげに、あの人とのたのしいかたらいの夢がさめると、やっぱり相変わらず空しいものなのです。それはすだれを隔て、垣根を隔てて、ほととぎすの啼く声が、悲しくむせぶようにきこえてくるのです。

○雲屏 雲母を散らした屏風。

○依旧空 相変わらず空しい。

○杜醍 ホトトギス。

○隔簾墻 窓の外。簾は垂れ幕のかかった連子窓。なお、墻:かきね。

 

玉郎薄幸去無蹤。

薄情なおとこのあの人は、どこへいったのか、ゆくえもわからないのです。

○玉郎 美男。ここでは愛しい男の意。

○薄幸 薄情者。うわきもの。

 

一日日、恨重重。

あの人の迎えを待っているその一日と重ねる日々は恨みを重ねていく一日なのです。

 

涙界蓮腮兩線紅。

なみだのあとが、お化粧のほほをつたい紅のふたすじのなみだとなってながれるのです。

○涙界蓮腮兩線紅 涙が煩紅を溶かして蓮の花のような頬に紅い二本の筋が付いていることをいう。
 

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

天仙子 其三 韋荘 部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。


2013年8月29日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 


天仙子 其三 韋荘  Ⅹ
唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

 

天仙子 其三 ---110

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

満月003綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

(天仙子【てんせんし】 其の三)

蟾彩【せんさい:つき】と霜華【そうか:しも】は夜に分かれず、天外の鴻聾【こうせい】は枕上【ちんじょう】に聞こえ。

綉衾【しゅうきん】の香は冷ゆるも、重ねて燻らすは懶【ものう】し。

人は寂寂、葉は紛粉とす。

纔【わずか】かに睡りて前に依り夢に君を見ん。

 

 

『天仙子 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

天仙子 其三

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の三)

蟾彩【せんさい:つき】と霜華【そうか:しも】は夜に分かれず、天外の鴻聾【こうせい】は枕上【ちんじょう】に聞こえ。

綉衾【しゅうきん】の香は冷ゆるも、重ねて燻らすは懶【ものう】し。

人は寂寂、葉は紛粉とす。

纔【わずか】かに睡りて前に依り夢に君を見ん。

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

 

 

(訳注)

天仙子 其三

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の三 棄てられた女の寂しさ)

 ・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

月の蟾蜍も嫦娥もそして霜の花も夜溶けてなくなることはないのに。晴れた大空のもとなのか、他の部屋なのか、大鳥が鳴いているのが一人寝る枕の上にも聞こえてくるのです。

・蟾 1動物名。 ヒキガエルのこと。2 《西王母(せいおうぼ)の秘薬を盗んだ姮娥(嫦娥)が月に逃げてヒキガエルになったという「後漢書」の伝説から》月の中にいるというヒキガエル。転じて、月のこと。

石鼓歌 韓愈 韓退之(韓愈)詩<97-#4>Ⅱ中唐詩525 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1666

月蝕詩效玉川子作 韓愈 韓退之(韓愈)詩<96-8>Ⅱ中唐詩521 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1650

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李商隠 『嫦娥』 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集約130首 詩の背景1.道教 2.芸妓 3.嫦娥と李商隠

月は女性の姿をいい、妓女、美人のこという。

美女004 

 

綉衾香冷懶重燻。

夜も更け、錦の豪華な夜具の中に横になったまま、香が燃え尽きたのに新しい香を継ぎ足すのには面倒なのです。

・綉衾 錦の豪華な夜具。

 

入寂寂、葉紛紛。

部屋内に入って來るのは寂しさの上に寂しさが、庭の木の葉に風に吹かれて揺れ動く。

・入寂寂、葉紛紛 この二句は男女の情事の際の規則的な運動の音を表現している。

 

纔睡依前夢見君。

うとうととする。それでも目覚める前にあの人のことを夢でもいいから見たいのです。

・纔睡 浅い眠り。うとうととする。毎日待ち侘び、寂しい思いをしている、そこに他の部屋から、エクスタシーの声が聞え、衣擦れの音が聞こえてくることなどから悶々として眠れないということの表現をしている。

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謝靈運詩 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
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孟郊詩 
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李商隠詩 
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天仙子 其二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-271-5-#25   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2902

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

鬢毛01露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

天仙子 其二 ----109

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

醺醺酒気蘭和

に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。
呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

(天仙子【てんせんし】 其の二)

深夜 歸り来たりて長く酩酊【めいてい】し、扶けられて流蘇【りゅうそ】に入るも 猶お未だ醒めず。

醺醺【くんくん】たる酒気、麝蘭【じゃらん】と和じる。

驚いて睡りより覚むれば 笑ふこと呵呵【かか】とし。

長んに道ふ人生能く幾何ぞと。

 

 

『天仙子 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

醺醺酒気蘭和

呵呵。

長道人生能幾何。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の二)

深夜 歸り来たりて長く酩酊【めいてい】し、扶けられて流蘇【りゅうそ】に入るも 猶お未だ醒めず。

醺醺【くんくん】たる酒気、麝蘭【じゃらん】と和じる。

驚いて睡りより覚むれば 笑ふこと呵呵【かか】とし。

長んに道ふ人生能く幾何ぞと。

 

bijo06 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

 

(訳注)

天仙子 其二

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の二 酒)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99 

 

深夜歸來長酩酊。扶入流蘇猶未醒

夜も更けてから帰ってゆく長い時間酩酊状態にあるようだ。万幕を張ったような流蘇樹の中に助けられて入っていったのだが、やっぱりまだ酔いがさめてはいないのだ。

・流蘇 流蘇樹. 科名:: 木犀科(Oleaceae)、落葉小喬木。 別名:: 鐵樹、流疏樹、茶葉樹、六月雪. 春の季節は庭園の中に万幕を張って情交をした。

 

醺醺酒気麝蘭和。

酒に酔ってにこにこしている状態は続いているのにさらに酒を呑んでいるけれど、美人の蘭の香りや麝香の香りが和んでいる。

・醺醺 酒に酔ってにこにこしている状態。

・麝蘭 野生蘭。ここでは性対象の芸妓を示す。

 

驚睡覚、笑呵呵。

眠りから覚めて驚いたようで、次に大声で笑い始めている。

・呵呵 大声で笑う。しかる。

 

長道人生能幾何。

そして、何度も言うことは「人生というものはどれだけものであるか。」だからいまのこの時を愉しまないでどうするのか。

 

  

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

天仙子 其一 韋荘 うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

 

2013年8月27日  同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
   
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoor 送梓州李使君之任 蜀中転々 杜甫 <535-#1>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2895 杜甫詩1000-535-#1-773/1500
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html   
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html   
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-1>文選 雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html   
謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。   
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html   
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

 

 

天仙子 其一 ----108

海棠花011惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。

唯有多情宋玉知。

 

 

天仙子 其二 ----109

深夜歸來酩酊。扶入流蘇猶未醒

醺醺酒気蘭和

呵呵。

長道人生能幾何。

 

 

天仙子 其三 ---110

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

 

 

天仙子 其四 ----111

夢覚雲屏依舊空、杜鵑聲咽隔簾墻。

玉郎薄幸去無蹤。

一日日、恨重重。

涙界蓮腮兩線紅。

 

 

天仙子 其五 ----112

金似衣裳玉似身、眼如秋水鬢如雲。

霞裙月帔一羣羣。

來洞口、望煙分。

劉阮不歸春日曛。

 

 

 

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

前回の夢裏の期を惆望し、花を看るも苦尋の思いを語らず。

露しく桃花の裏の小腰肢。

眉眼細く、鬢雲垂しを。

唯だ多情の宋玉の知ること有らん。

 

『天仙子 其一』 現代語訳と訳註

(本文) ----108

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。

唯有多情宋玉知。

 

 

(下し文)

(天仙子【てんせんし】 其の一)

前回の夢裏の期を惆望【ちょうぼう】し、花を看るも苦尋【くじん】の思いを語らず。

露しく桃花の裏【なか】の小腰肢。

眉眼細く、鬢雲 垂しを。

唯だ 多情の宋玉の知ること有らん。

 

 

(現代語訳)

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

 

 

(訳注)

天仙子 其一

(天にある仙郷にいる人の詩。 其の一 薄情な男)

・天仙子 単調三十四字、六句五平韻(詞譜二)。

当時の道教、仏教には男に棄てられたり、年齢を重ねて客が着かない女性の駆け込み場所となって、売春で余生を過ごした。そうした女性を男の視線から詠ったものである。李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』にこの女性たちについて詠っている。

聖女詞 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 99

 

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

うらむ気持ちをもってこの前の夢の中での情事の約束を思い出しています。それは花を観賞しても苦しく尋ねても、思いをうちあけても少しも私に語りかけてはくれませんでした。

・惆望 うらむ、いたむ、気落ちするなどの気持ちをもって遠くを眺める。

 

露桃花裏小腰肢。

小さい枝のような腰の私の存在感は庭に咲くどの桃の花に同じように降りる露のようでしかないのでしょうか。

 

眉眼細、鬢雲垂。

私はまだ自信を持っているのです。眉や眼は柳の葉のように細く長いのです。そして、鬢は雲の形にかたちよくととのえています。

 

唯有多情宋玉知。

ただ、わたしは楚の文学者「宋玉」のことを知っていますし、あなたが同じように能力は持っていても多情の浮気者であることも知っているのです。

・宋玉 中国,戦国時代末期、楚の文学者。屈原の弟子とされる。屈原にならって主として辞賦作品を作ったが,その批判精神は受け継げず,主君の好悪のままに作品を作る宮廷作家の最も早い例ともされる。宋玉の作品として,《文選》には〈風の賦〉〈高唐の賦〉〈神女の賦〉〈登徒子好色の賦〉など,《楚辞章句》には〈九弁〉〈招魂〉などが収められるほか,《古文苑》にも幾編かの宋玉作と称する作品が収められている。しかし彼の伝記に確実なよりどころのないこととあわせて,それぞれの作品の来歴にも多くの問題のあることが指摘されている。
pla011 

長安春 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-269-5-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2892

長安の春 韋荘  当時、長安は人口120万にを超す世界最大級の都市。大雁塔は古き良き長安の姿を今も残す。杏園は大雁塔の皆々あった庭園である。春、都では科挙に合格した者たちの祝宴が開かれる。貴族たちの家々は合格者に解放され、無礼講。


2013年8月26日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

長安春 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-269-5-#23   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2892

 


当時、長安は人口120万にを超す世界最大級の都市であった。
7
世紀に建立された大雁塔は古き良き長安の姿を今も残す。
この詩の杏園は大雁塔の皆々あった庭園である。
春、都では官僚になるための試験、科挙に合格した者たちの祝宴が開かれる。

貴族たちの家々は合格者に解放され、無礼講。

庭の花を競い、酒を競い、華やかな歌舞に宮廷料理、宴は賑やかに行われる。

科挙に合格した者だけがわが世の春を謳歌するのだ。
この日だけは、華やかな高殿の若き乙女たちも主役の座を譲ってくれる。

この試験のために全国から若者が集まってくる。

何年もかかってやっと合格するもの、どうしても及第しないもの悲喜こもごもの日なのだが、この詩は長安のにぎわいを詠った有名な詩である。
作者韋荘も合格した一人だが、合格後しばらくして唐王朝は滅亡している。
この詩は、絢爛たる輝きを見せた長安最後の姿かもしれない。

長安の春」 韋荘
 長安は旧暦2月、春の盛りの大賑わい、都の大通りには、車馬が音を立てて行きかう。家々には、花も恥じらう乙女たちが集まり、木々の枝にはほころんだ蕾のように艶めかしい。
 簾の中で笑い、ざわめき、長安の春はわたしのためにあるとばかりに自慢顔。
 長安の春は、皆のもののはずだが昔から、高殿の乙女たちの独り占め。
 それでも今日だけは彼女たちもどうしようもない。杏園に向かう人たちが軽快な馬車で春を連れ去ってしまうのだから。



長安の春
長安二月多香塵、六街車馬聲鈴凛。
家家楼上如花人、千枝萬枝紅艶新。
簾間笑語自相問、何人占得長安春。
長安春色本無主、古来盡屬紅樓女。
如今無奈杏園人、駿馬輕車擁将去。


■ 韋荘 (いそう)836910晩唐の詩人。字は端己。
杜陵(現・陝西省西安附近)の人。字(あざな)は端己(たんき)。杜陵(陝西省西安)の人。温庭均(おんていいん)とともに唐五代の詞を代表する
・唐末の都の荒廃をうたった長編の七言古詩「秦婦吟」が有名。
・秦婦吟  金陵圖(江雨霏霏江草齊)   古別離(晴煙漠漠柳??)   題酒家(酒綠花紅客愛詩)
botan00


上記、唐の詩人、韋荘いそうの長編詩の巻頭にみる如く繁栄を誇った「長安」も紀元前221年、初めて戦国乱世に終止符を打ち全中国を統一した、秦の始皇帝に始まっている。


■ 長安をめぐる
 秦王朝の首都「咸陽」は渭水の北岸にあった。現在の咸陽市であえる。始皇帝は更に空き地の多い南岸を開発し「阿房宮」を中心とする壮麗な離宮を建造した。この「渭水」南岸地域が以後の長安の基礎となった。 

そればかりではない、同時に死後の離宮の意味で陵みささぎを造営したのが、2000年以上の時を経て、現在我々が接することの出来る始皇帝陵であり兵馬俑なのである。

始皇帝の死後、「咸陽」は徹底的に破壊されたが、南岸の離宮は破壊を免れた。紀元前202年、項羽を滅ぼし天下を統一した前漢(前208年~後8年)の高祖、劉邦は、この南岸の離宮を基盤にして新首都を築き「長安」と名付けた。 

以後、後8年、王莽おうもうに滅ぼされるまで前漢の首都であり続けた。王莽の敗死後、前漢の一族劉秀が光武帝として後漢の王朝を立てるが、後漢は首都を「洛陽」に定め、以後「三国時代」の魏王朝(220年から265年)、次いで中国全土を統一した「西晋王朝」(265~316)に至るまで約300年間、洛陽が首都、長安が副都として機能したに止まった。 

長安が生まれ変わり、再び首都として復帰したのは、それから270年後の隋王朝の時代である。因みに、4世紀初め西晋滅亡後、中国は南北に分裂、南部を漢民族の王朝(南朝)が、北部を異民族の王朝(北朝)が支配する状況が続く。
北朝系の隋王朝の創始者、文帝(楊堅)は581年、南朝最後の王朝陳を滅ぼして分裂状態を終息させ、中国全土を統一した。

文帝は北朝の前王朝北周を滅ぼし、隋を創設した翌年の開皇2年(582)、前漢の旧都を受け継いだ北周の首都、長安を破壊し、その東南に整然とした都市計画に基ずき新首都を建設、「大興」と名付けた。

隋は第2代皇帝煬帝の失政が祟り、短期間で滅亡したけれども、文帝の建造した大興は、次なる唐王朝に受け継がれ、唐の首都「長安」として、華々しい発展を遂げる。

函谷関長安地図座標001




















唐代、長安が最も栄えたのは、絶世の美女楊貴妃との恋で知られる、第6代皇帝玄宗(685~712)の時代である。当時、長安の人口120万、多くの留学生や商人が滞在する、絢爛たる国際都市であった。その中には空海や安部仲麻呂など日本からの留学生も含まれていた。当時の華やぎは冒頭の詩「長安の春」で想像出きるでしょう。


現在の西安は唐の長安の一部だが、市内に聳える大鴈塔、郊外の華清池や乾陵(玄宗の祖父母、高宗と則天武后の陵)等々無数の旧跡によってその栄華を偲ぶことが出来る。
このように、西安(長安)は始皇帝の時代から輝ける唐の時代を経て現在に至るまで、悠久の歴史を内包した稀有の歴史都市である。 

  大雁塔


大雁寺02
  慈恩寺 大雁塔

歴代の王朝が都を定めた長安。その長安で古都の雰囲気を演出しているもののひとつに大雁塔があります。塔は現在の西安の東南郊外慈恩寺境内にあります。

 慈恩寺は648年、唐の第三代皇帝高宗李治が亡くなった母、文徳皇后の慈恩を追慕して建立した寺で、高宗の皇太子時代に立てられました。当時の慈恩寺は僧房1897室、僧侶300人が集まっていました。しかし、唐代末期、戦乱のため焼き払われ、今の大きさは昔の十分の一に過ぎません。現在の境内にある当時の建物は大雁塔だけですが、塔の前方には明代と清代の建物が残っています。

 

 

長安春
長安二月多香塵、六街車馬聲鈴凛。

長安の盛春は、花の香りがあつまって塵が多く舞い立つのです。長安の目ぬき通りには、車や馬などの乗り物の音が、ガラガラ、リンリンときしり音が轟いているのです。 

家家楼上如花人、千枝萬枝紅艶新。

どの家でも、建物の上には花のように美しい女の人が庭の花をみている。多くの枝々で赤い花があでやかで新鮮であり、そのように、べにおしろいがあでやかな女性たちが多くいる。

簾間笑語自相問、何人占得長安春。』

すだれをした部屋で、笑って気楽なことばはなしている、そして自分に問いかけてくる。その話題は「どういう人が、長安の春を独占しているのかということだ。 

長安春色本無主、古来盡屬紅樓女。

長安の春の景色は、本来、あるじというものが無いものです。昔からことごとく、高楼から望む女性に附属するものだったのです。 

如今無奈杏園人、駿馬輕車擁将去。』

だが、現在は、どうしようもないことだが、科挙に合格し、新たに進士となった人たちが杏園で、祝宴を賜っている。彼等が軽快な車で長安の春を独占して、紅の女たちを携えて持って行くようになってしまった。

長安 二月  香塵【かうじん】多く,六街【りくがい】の車馬  聲【せい】轔轔【りんりん】。

家家【かか】樓上 花の如き人,千枝萬枝 紅豔【こうえん】新あらたなり。

簾間【れんかん】笑語 自みづから相い問う、何人なんぴとか 占しめ得たる長安の春を。

 

長安の春色 本もと主じ無く,古來 盡【ことごと】く屬す  紅樓【こうろう】の女に。

如今【じょこん】奈【いかん】ともする無し 杏園【きゃうえん】の人,駿馬【しゅんめ】輕車にて擁し將て去る。

 

 

『長安春』 現代語訳と訳註

(本文)

長安二月多香塵、六街車馬聲鈴凛。

家家楼上如花人、千枝萬枝紅艶新。

簾間笑語自相問、何人占得長安春。

 

長安春色本無主、古来盡屬紅樓女。

如今無奈杏園人、駿馬輕車擁将去。

 

(下し文)

(長安春)

長安二月 香塵【かうじん】多く,六街【りくがい】の車馬  聲【せい】轔轔【りんりん】。

家家【かか】樓上 花の如き人,千枝萬枝 紅豔【こうえん】新あらたなり。

簾間【れんかん】笑語 自みづから相い問う、何人なんぴとか 占しめ得たる長安の春を。

 

長安の春色 本もと主じ無く,古來 盡【ことごと】く屬す  紅樓【こうろう】の女に。

如今【じょこん】奈【いかん】ともする無し 杏園【きゃうえん】の人,駿馬【しゅんめ】輕車にて擁し將て去る。

 

 

(現代語訳)

長安の盛春は、花の香りがあつまって塵が多く舞い立つのです。長安の目ぬき通りには、車や馬などの乗り物の音が、ガラガラ、リンリンときしり音が轟いているのです。 

どの家でも、建物の上には花のように美しい女の人が庭の花をみている。多くの枝々で赤い花があでやかで新鮮であり、そのように、べにおしろいがあでやかな女性たちが多くいる。

すだれをした部屋で、笑って気楽なことばはなしている、そして自分に問いかけてくる。その話題は「どういう人が、長安の春を独占しているのかということだ。 

長安の春の景色は、本来、あるじというものが無いものです。昔からことごとく、高楼から望む女性に附属するものだったのです。 

だが、現在は、どうしようもないことだが、科挙に合格し、新たに進士となった人たちが杏園で、祝宴を賜っている。彼等が軽快な車で長安の春を独占して、紅の女たちを携えて持って行くようになってしまった。 

 

 

(訳注)

長安春 帝都・長安での進士合格者に対する春の花の宴に対して。長安の春。 *作者が進士の試験に落ちた時の詩作だろうか、進士合格者の花の宴に対して、複雑な気持ちを詠ったもの。進士の試験は秋にあり、翌年の春の花が咲き誇る時期に結果発表がある。官吏登用試験(科挙)に合格した進士には、後出・長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・長安:唐の首都。現・陝西省・西安 。科挙の最終試験会場もここにあり、科挙合格者の祝宴もここで開かれる。

孟郊はそれに落第して、落胆のさまを『再下第』「一夕九起嗟,夢短不到家。兩度長安陌,空將涙見花。」とうたった。この詩もそれと似た感情を詠っていよう。

孟郊は『登科後』で「昔日齷齪不足誇,今朝放蕩思無涯。春風得意馬蹄疾,一日看盡長安花。」と、がらりと変わった詩を作っている。 唐宋詩236 登科後 Ⅶ孟郊(孟東野)<19>紀頌之の漢詩ブログ

 

 

長安二月多香塵、六街車馬声轔轔。

長安の盛春は、花の香りがあつまって塵が多く舞い立つのです。長安の目ぬき通りには、車や馬などの乗り物の音が、ガラガラ、リンリンときしり音が轟いているのです。 

・二月:陰暦二月のことで、盛春。太陽暦の三月下旬~四月中旬頃。 

・香塵:塵に香りが移ったこと、花が散ったこと。今まで吹いていた風で花が散ってしまったことを表す。また、沈香を削った粉。石崇の家で働く歌妓が軽やかに舞えるかを試すために、床に沈香を削った粉を撒き、その上を歌妓に通らせ、足跡がつかなかった者には褒美として真珠を与え、跡がついた者には罰として食べ物を減らして細身にさせた。

・六街:長安の街並み(通り・辻)。長安城の街衢。下図に見る様に唐代、長安は東市と西市の間に六つ街衢があった。このあたりが最も人が集まった。

長安城図 座標






































『資治通鑑』巻二百九「中書舎人韋元徼巡六街。
長安城中左、右六街,金吾街使主之;左、右金吾将軍,掌晝夜巡警之法,以執禦非違。」とある。 

・車馬:車と馬。車や馬などの乗り物。 

・声:音声。音。せい。 

・轔轔:車のきしり轟(とどろ)く音。さかんなさま。杜甫の『兵車行』に「車轔轔,馬蕭蕭,行人弓箭各在腰。耶孃妻子走相送,塵埃不見咸陽橋。牽衣頓足闌道哭,哭聲直上干雲霄。道旁過者問行人,行人但云點行頻。或從十五北防河,便至四十西營田。去時里正與裹頭,歸來頭白還戍邊。邊庭流血成海水,武皇開邊意未已。君不聞漢家山東二百州,千邨萬落生荊杞。縱有健婦把鋤犁,禾生隴畝無東西。況復秦兵耐苦戰,被驅不異犬與鷄。長者雖有問,役夫敢申恨。且如今年冬,未休關西卒。縣官急索租,租税從何出。信知生男惡,反是生女好。生女猶得嫁比鄰,生男埋沒隨百草。君不見青海頭,古來白骨無人收。新鬼煩冤舊鬼哭,天陰雨濕聲啾啾。」とある。

 

 

家家楼上如花人、千枝万枝紅艶新。

どの家でも、建物の上には花のように美しい女の人が庭の花をみている。多くの枝々で赤い花があでやかで新鮮であり、そのように、べにおしろいがあでやかな女性たちが多くいる。

・家家:どの家でも。全ての家で。 

・楼上:高い高樓上の。建物の上の。 

・如花人:花のように美しい(女の)人。

・千枝万枝:多くの枝々で。・千…万…:数え切れないほど多いさま。強調を表す。 

・紅艶新:べに(おしろい)の化粧があでやかで粧(よそお)いたてである。 *この「紅艶新」の部分は「紅艶・新」(べにの化粧があでやかで、したてである、の意)なのか、「紅・艶又新」((べにの化粧は、あでやかで、したてである、の意)なのか、よく分からない。思うに、「如花人」と女性の美しさを称えたことから、「紅」は、「花(赤いはな)」と「べに(化粧)」と両方の意を持たせた相関語としているだろうことから、「紅艶新」も双方にとるのだろう。

 

簾間笑語自相問、何人占得長安春。

すだれをした部屋で、笑って気楽なことばはなしている、そして自分に問いかけてくる。その話題は「どういう人が、長安の春を独占しているのかということだ。 

・簾間:すだれの中。すだれをした部屋。女性の部屋。 

・笑語:笑いながら話す。 ・自相問:自問(自答)をする意。 

・自:みづから。また、自然と。おのづから。ここは、前者の意。 

・相問:問いかける。…に問いかける。

・何人:どういう人。いかなる人。なにびと。「誰」よりも、疑問・詰問の感じが強い。「何人」を「誰人」とすると反語となり、意味が異なる。 

・占得:独占する。

 

長安春色本無主、古来尽属紅楼女。

長安の春の景色は、本来、あるじというものが無いものです。昔からことごとく、高楼から望む女性に附属するものだったのです。 

・春色:春の景色。春の気配。韋莊の『古別離』で「晴煙漠漠柳毿毿,不那離情酒半酣。更把玉鞭雲外指,斷腸春色在江南。」と使う。古別離 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912 

・本:本来。もともと。 

・無主:(愛でてくれる)あるじがいないこと。また、死者を祀る施主がいない。

・古来:むかしから。 ・尽:ことごとく。 

・属:つながる。属する。附属する。 ・紅楼:富家の女の住居。また、妓楼。本来の意は、朱塗りのたかどの。

 

如今無奈杏園人、駿馬軽車擁将去。

だが、現在は、どうしようもないことだが、科挙に合格し、新たに進士となった人たちが杏園で、祝宴を賜っている。彼等が軽快な車で長安の春を独占して、紅の女たちを携えて持って行くようになってしまった。 

・如今:いま。ただいま。現今。 

・無奈:どうしようもない。いかんともし難い。いたしかたがない。いかんともすることがない。いかんせん。いかんともするなし。「無可奈何」の略。

・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 

・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

・駿馬:足の速い優(すぐ)れた馬。李白の『襄陽歌』「此江若變作春酒,壘麹便築糟丘臺。千金駿馬換小妾,笑坐雕鞍歌落梅。車旁側挂一壺酒,鳳笙龍管行相催。咸陽市中歎黄犬,何如月下傾金罍。君不見晉朝羊公一片石,龜頭剥落生莓苔。涙亦不能爲之墮,心亦不能爲之哀。清風朗月不用一錢買,玉山自倒非人推。舒州杓,力士鐺。李白與爾同死生,襄王雲雨今安在,江水東流猿夜聲。」とある。 

李白と道教48襄陽歌 ⅰ

李白と道教48襄陽歌 ⅱ

李白と道教(7)襄陽曲49から52

・軽車:軽快な車。小さな車。 

・擁将去:抱(だ)き抱(かか)えて持って行く。 

・将去:持って行く。・将:持つ。孟郊は落胆のさまを『再下第』「兩度長安陌,空將涙見花。」とうたった。botan00

浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887

浣溪沙 韋荘 よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。


2013年8月25日  同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 
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浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887


 

浣渓沙

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)
夜夜相思更漏殘傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

 

 

(浣溪沙)

夜夜相ひ思ひて 更漏殘れ。明月に傷心して欄干に凭る。

君を想ふに我を思ひて 錦の衾 寒からん。

 

咫尺の畫堂 深きこと海に似,憶ひ來って唯だ舊き書を把りて看る。

幾れの時か手を攜へて長安に入らん。

 

満月003 

 

『浣溪沙』 現代語訳と訳註

(本文) 浣渓沙

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

想君思我錦衾寒。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

幾時攜手入長安。

 

 

(下し文)

(浣溪沙)

夜夜相ひ思ひて 更漏殘れ。明月に傷心して欄干に凭る。

君を想ふに我を思ひて 錦の衾 寒からん。

 

咫尺の畫堂 深きこと海に似,憶ひ來って唯だ舊き書を把りて看る。

幾れの時か手を攜へて長安に入らん。

 

 

(現代語訳)

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

 

 

(訳注)

浣溪沙

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

春の行楽、男女のようすを詠う新しい形の詩。 

詞牌の一。詞の形式名。双調 四十二字。平韻一韻到底。詳しくは 「構成について」を参照。浣渓沙

  この詞は花間集 韋荘の浣溪沙 其五である。

・韋莊:韋荘。唐末、蜀の詞人。

 

 

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

・夜夜:よごと。

・相思:大事な人を思いしのぶ。相は、相互にの意味は、この場合は弱い。相思相愛の相思とは違う。現代語に単相思(片思い)がある。但し、想君思我錦衾寒のとり方によっては、「相互に」の意味になる。

・更漏:水時計。転じて時間。

・殘:のこりすくない。そこなう。ここでは、残る、残り、等ではない。残更になったこと。明け方、午前四時頃になったこと。残は残暑、残更の残。

・傷心:心をいためること。

・凭欄干:高殿の手すりに寄り添うこと。景色を眺めたりしながら、物思いに耽ることで、詞では想いに耽るという場合の常套表現。倚欄干、憑欄干等に同じ。

 

 

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

・錦衾寒:錦の掛け布団が寒い。つまり独り寝で、夜を過ごしていることを、主人公は想像している。

 

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

・咫尺:僅かの距離。咫は八寸。ここでは、画堂が小さいことをいう。

・畫堂:麗しく彩色を施した建物。

・深似海:狭い画堂が海のように深く感じられる。画堂に住んでいる主人公の孤独感、寂寥感を表している。

・憶來:おもいだしては。来は、動詞に着く助動詞のような働きをする。

・把:…をとって、…もって。把は手に持つ、握るというのが、基本的な意味で、ここもその意味になる。

・舊書:昔の手紙。

 

 

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

・攜手:攜=携に同じ。手を持つ。手をつなぐ。異性を指す。晋謝安を詠った李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』李白憶東山二首其二 李白 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -270  「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」(姪良が二姥を携えて会稽に赴くを送り、戯れに此の贈有り、妓を携えて 東山に去れば。春光 半道に催す。遙(はるか)に看る 桃李(とうり)の若く、双(ふた)つながら鏡中に入って開くを。)
1781180 

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

韋莊 浣渓沙 其四 みどりの葉が繁ってき、鶯の姿は見合ないけれど間違いなく鶯が鳴いている。柳の枝はその枝を垂れている昔から歌に唄われた「白銅堤」を柳の枝が箒のように拂っている。

 

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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
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李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

 

 

花間集

浣渓沙 其一 ---079

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿,

早朝に置きだし化粧をやり直す、今日は清明節の一日なのです。柳絮が柳球になってが花鈿のところを左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いている。

捲簾直出畫堂前。 

すだれを巻き上げると直ちに美しく彩色してある建物の前に出てみたのです。


指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,

ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。

含顰不語恨春殘。

寂しくて眉をひそめて、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないのです。

 

浣溪沙

淸曉 妝成す 寒食の天に,柳球斜めに 嫋【じょう】として  花鈿を 間す,

簾を捲き 直ちに出づ  畫堂の 前。

 

指 點【さ】す牡丹の初めて綻【ほころ】べる朶【えだ】を,

日 高くして 猶ほも自ら  朱欄に 凭【よ】り,

顰【ひん】を含むも 語らず  春殘を恨むを。

 

 

浣渓沙 其二 ---080

欲上鞦韆四體傭、擬教人送又心忪、

ぶらんこにのろうとおもったのに四肢・五体がだるくてしかたがないのです。あの人の連絡もないので使いの者を遣わしたいと思うけれどやっぱり心が不安だらけになってできないのです。

畫堂簾幕月明風。

美しく彩色に描かれた高楼にかかっている簾や帷幕に月影を映して、それが風に揺れています。

 

此夜有情誰不極、隔墻梨雪又玲瓏、

此の夜は誰の情けを受けたいとしても誰もいないのです。垣根を隔てて春の盛りに梨の花がゆきのようにさいている、そしてそれが玉などが透き通るようにただ美しいだけなのです。

玉容憔悴惹微紅。

美しい容貌の女は心痛のために、やせおとろえ薄紅を付けたその顔も涙で崩れているのです。

 

鞦韆【しゅうせん】に上らんとして四体慵【ものう】し 人をして送らしめんと擬【ほっ】するも又心【おどろ】く、畫堂の簾幕に月明らかに風ふく。

 

此の夜情有るを誰か極めざらん、墻【かき】を隔てて梨雪又玲瓏【れいろう】たり、玉容憔悴して微紅惹【みだ】る。

 

 

浣渓沙 其三 ----081

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、

毎夜夢を見て起きると恨めしさが残る下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火を付けた部屋の壁に影を映し、反田尾の小窓に張った絹布も影を落とす。

小樓高閣謝娘家。

離れ家があり、立派な高樓がある、あの生娘のいる家なのです。

 

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

ひそかに思っているのはあの綺麗な女のことですがどの家にいるのでしょう。春も盛りであの枝には雪のように梅の花が咲き誇る。

満身香霧簇朝霞。

その部屋に香はひろがり独り身に滲みる、待ち侘びて朝霧もこの霞に集まっているのです。

 

惆悵たり夢の餘り山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓高閣は謝娘の家。

暗かに想ふ玉容何の似たる所ぞ、一枝の春雪梅花を凍らし、満身の香霧に朝霞簇【むら】がると。

 

 

浣渓沙 其四----082

緑樹藏鶯鴬正啼、柳絲斜拂白銅堤、

みどりの葉が繁ってき、鶯の姿は見合ないけれど間違いなく鶯が鳴いている。柳の枝はその枝を垂れている昔から歌に唄われた「白銅堤」を柳の枝が箒のように拂っている。

弄珠江上草萋萋。

ここにある歓楽街で美人と遊び大江のうえに遊ぶ、そして行楽は郊外の草が茂っている中で遊ぶ。

 

日暮飲、綉驄馬一聲

日暮れになって飲んで帰るのはどこの旅人だろうか。刺繍に飾られた鞍の駿馬が一声いなないた、

満身蘭麝醉如泥

その時は全身に最高のお香「蘭麝」にひたっていて酒も酔いどれてもう泥のようになっている。

 

緑樹は鶯を藏すも鶯は正に啼く、柳絲は斜に拂う白銅堤、珠を弄ぶも江上は草萋萋【しげり】たり。

日暮れ飲み歸るは何處の客ぞ、綉鞍の驄馬【あしげ】一聲嘶く、満身の蘭麝醉うこと泥の如し。

 

浣渓沙 其五一一一083

浣渓沙

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。

 

 

 

浣渓沙 現代語訳と訳註

(本文)  其四----082

緑樹藏鶯鴬正啼、柳絲斜拂白銅堤、弄珠江上草萋萋。

日暮飲、綉驄馬一聲満身蘭麝醉如泥

 

 

(下し文)

緑樹は鶯を藏すも鶯は正に啼く、柳絲は斜に拂う白銅堤、珠を弄ぶも江上は草萋萋【しげり】たり。

日暮れ飲み歸るは何處の客ぞ、綉鞍の驄馬【あしげ】一聲嘶く、満身の蘭麝醉うこと泥の如し。

 

 

(現代語訳)

みどりの葉が繁ってき、鶯の姿は見合ないけれど間違いなく鶯が鳴いている。柳の枝はその枝を垂れている昔から歌に唄われた「白銅堤」を柳の枝が箒のように拂っている。

ここにある歓楽街で美人と遊び大江のうえに遊ぶ、そして行楽は郊外の草が茂っている中で遊ぶ。

日暮れになって飲んで帰るのはどこの旅人だろうか。

刺繍に飾られた鞍の駿馬が一声いなないた、

その時は全身に最高のお香「蘭麝」にひたっていて酒も酔いどれてもう泥のようになっている。

 

 

(訳注)

浣渓沙 其四 ----082

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

春の行楽、男女のようすを詠う新しい形の詩。

詞牌の一。詞の形式名。双調 四十二字。平韻一韻到底。この詞は花間集巻二所収の浣溪沙其四である。

 

 

緑樹藏鶯鴬正啼、柳絲斜拂白銅堤

みどりの葉が繁ってき、鶯の姿は見合ないけれど間違いなく鶯が鳴いている。柳の枝はその枝を垂れている昔から歌に唄われた「白銅堤」を柳の枝が箒のように拂っている。

・白銅堤 古代襄陽境漢水堤名。・白銅蹄 六朝時代に襄陽に流行した童謡の題。 李白『襄陽曲四首其一』「襄陽行樂處、歌舞白銅蹄。江城回淥水、花月使人迷。」あるいは六朝の宋の隋王寵が作ったといわれる「嚢陽楽」という歌謡に、「朝に嚢陽城を発し、暮に大隄の宿に至る。大隄の諸女児、花顛郡の目を驚かす」とある。

 

弄珠江上草萋萋。

ここにある歓楽街で美人と遊び大江のうえに遊ぶ、そして行楽は郊外の草が茂っている中で遊ぶ。

・珠 真珠など宝石。 美しいもの、すぐれたもの、尊いもののたとえ。特に芸術作品にいうことが多い。

 

日暮飲、綉驄馬一聲

日暮れになって飲んで帰るのはどこの旅人だろうか。

刺繍に飾られた鞍の駿馬が一声いなないた、

 

満身蘭麝醉如泥。

その時は全身に最高のお香「蘭麝」にひたっていて酒も酔いどれてもう泥のようになっている。

蘭麝 蘭の花と麝香(じゃこう)の香り。また、よい香り。【蘭奢待】香木の一種。正倉院宝物の香薬中,目録に黄熟香(おうじゆくこう)と記されている3500匁,51寸の香木を香道家は蘭奢待と呼ぶ。木所(きどころ)は伽羅である。目録では薬物に分類され,鎮静,去痰の薬効があるという。芯の部分は朽ちて空洞となっている。数ヵ所に截香の跡がある。黄熟の語義は明らかでないが,中国明代,倪朱謨(げいしゆばく)の《本艸彙言》によれば,木肌が熟して黄色をおび佳香を発するところから名づけられたという。

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

韋荘 浣渓沙 其三 毎夜夢を見て起きると恨めしさが残る下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火を付けた部屋の壁に影を映し、反田尾の小窓に張った絹布も影を落とす。離れ家があり、立派な高樓がある、あの生娘のいる家なのです。

 

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孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
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浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

 

 

浣渓沙 其三 ----081

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)
惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、

毎夜夢を見て起きると恨めしさが残る下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火を付けた部屋の壁に影を映し、反田尾の小窓に張った絹布も影を落とす。

小樓高閣謝娘家。

離れ家があり、立派な高樓がある、あの生娘のいる家なのです。

 

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

ひそかに思っているのはあの綺麗な女のことですがどの家にいるのでしょう。春も盛りであの枝には雪のように梅の花が咲き誇る。

満身香霧簇朝霞。

その部屋に香はひろがり独り身に滲みる、待ち侘びて朝霧もこの霞に集まっているのです。

 

惆悵たり夢の餘り山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓高閣は謝娘の家。

暗かに想ふ玉容何の似たる所ぞ、一枝の春雪梅花を凍らし、満身の香霧に朝霞簇【むら】がると。

 

 

浣渓沙其三 現代語訳と訳註

(本文) ----081

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

 

 

(下し文)

惆悵たり夢の餘り山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓高閣は謝娘の家。

暗かに想ふ玉容何の似たる所ぞ、一枝の春雪梅花を凍らし、満身の香霧に朝霞簇【むら】がると。

 

 

(現代語訳)

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

毎夜夢を見て起きると恨めしさが残る下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火を付けた部屋の壁に影を映し、反田尾の小窓に張った絹布も影を落とす。

離れ家があり、立派な高樓がある、あの生娘のいる家なのです。

ひそかに思っているのはあの綺麗な女のことですがどの家にいるのでしょう。春も盛りであの枝には雪のように梅の花が咲き誇る。

その部屋に香はひろがり独り身に滲みる、待ち侘びて朝霧もこの霞に集まっているのです。

 

 

(訳注)

浣渓沙 其三 ----081

kagaribi00(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

春の行楽、男女のようすを詠う新しい形の詩。

詞牌の一。詞の形式名。双調 四十二字。平韻一韻到底。この詞は花間集巻二所収の浣溪沙其三である。

 

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、

毎夜夢を見て起きると恨めしさが残る下弦の月が山に傾いている。一つだけ燈火を付けた部屋の壁に影を映し、反田尾の小窓に張った絹布も影を落とす。

・惆悵:うらめしい。うらみがましい。

『淸平樂』

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

淸平樂 () 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

『應天長 之二』韋莊

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

小樓高閣謝娘家。

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

『歸國遙』 韋荘

春欲暮、 滿地落花紅帶雨。

惆悵玉籠鸚鵡、單棲無伴侶。

南望去程何許、問花花不語。

早晩得同歸去、恨無雙翠羽。

歸國遙 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-252-5-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2642

韋荘『菩薩蠻 一』

紅樓別夜堪惆悵。 香燈半捲流蘇帳。

殘月出門時。美人和涙辭。

琵琶金翠羽。絃上黄鶯語。

勸我早歸家。綠窗人似花。

菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617

 

海棠花022

















小樓高閣謝娘家。

離れ家があり、立派な高樓がある、あの生娘のいる家なのです。

・小樓 離れ家。樓は1 高く構えた建物。たかどの。2 遠くを見るためにつくった高い建物。ものみやぐら。望楼。

・高閣 (1)高くて立派な建物。高楼。 (2)高い棚。

・謝娘 おとめ。生娘。

 

 

暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、

ひそかに思っているのはあの綺麗な女のことですがどの家にいるのでしょう。春も盛りであの枝には雪のように梅の花が咲き誇る。

 

満身香霧簇朝霞。

その部屋に香はひろがり独り身に滲みる、待ち侘びて朝霧もこの霞に集まっているのです。
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。   
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html   
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。   
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。   
孟郊詩 
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李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

浣渓沙 其二 (欲上鞦韆四體傭) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-265-5-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2872

 

 

花間集

浣渓沙 其一 ---079

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿,

早朝に置きだし化粧をやり直す、今日は清明節の一日なのです。柳絮が柳球になってが花鈿のところを左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いている。
捲簾直出畫堂前。 

すだれを巻き上げると直ちに美しく彩色してある建物の前に出てみたのです。


指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,

ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。

含顰不語恨春殘。

寂しくて眉をひそめて、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないのです。

 

浣溪沙

淸曉 妝成す 寒食の天に,柳球斜めに 嫋【じょう】として  花鈿を 間す,

簾を捲き 直ちに出づ  畫堂の 前。

 

指 點【さ】す牡丹の初めて綻【ほころ】べる朶【えだ】を,

日 高くして 猶ほも自ら  朱欄に 凭【よ】り,

顰【ひん】を含むも 語らず  春殘を恨むを。

 

 

浣渓沙 其二 ---080

欲上鞦韆四體傭、擬教人送又心忪、

ぶらんこにのろうとおもったのに四肢・五体がだるくてしかたがないのです。あの人の連絡もないので使いの者を遣わしたいと思うけれどやっぱり心が不安だらけになってできないのです。

畫堂簾幕月明風。

美しく彩色に描かれた高楼にかかっている簾や帷幕に月影を映して、それが風に揺れています。

 

此夜有情誰不極、隔墻梨雪又玲瓏、

此の夜は誰の情けを受けたいとしても誰もいないのです。垣根を隔てて春の盛りに梨の花がゆきのようにさいている、そしてそれが玉などが透き通るようにただ美しいだけなのです。

玉容憔悴惹微紅。

美しい容貌の女は心痛のために、やせおとろえ薄紅を付けたその顔も涙で崩れているのです。

 

bijo06鞦韆【しゅうせん】に上らんとして四体慵【ものう】し 人をして送らしめんと擬【ほっ】するも又心【おどろ】く、畫堂の簾幕に月明らかに風ふく。

 

此の夜情有るを誰か極めざらん、墻【かき】を隔てて梨雪又玲瓏【れいろう】たり、玉容憔悴して微紅惹【みだ】る。

 


浣渓沙 其三 ----081

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

 

惆悵たり夢の餘り山月斜なり、孤燈は壁背の窗紗を照らす、小樓高閣は謝娘の家。

暗かに想ふ玉容何の似たる所ぞ、一枝の春雪梅花を凍らし、満身の香霧に朝霞簇【むら】がると。

 

 

浣渓沙 其四----082

緑樹藏鶯鴬正啼、柳絲斜拂白銅堤、弄珠江上草萋萋。

日暮飲、綉驄馬一聲満身蘭麝醉如泥

 

緑樹は鶯を藏すも鶯は正に啼く、柳絲は斜に拂う白銅堤、珠を弄ぶも江上は草萋萋【しげり】たり。

日暮れ飲み歸るは何處の客ぞ、綉鞍の驄馬【あしげ】一聲嘶く、満身の蘭麝醉うこと泥の如し。

 

浣渓沙 其五一一一083

浣渓沙

夜夜相思更漏殘、傷心明月凭欄干。

よごとあなたのことを思っていると夜も更けてきて今日もあとわずか、傷ついた気持のまま、傾いた明月にうつる景色を眺めたりしながら、物思いに耽るのです。

想君思我錦衾寒。

君に想いを馳せれば、わたしの錦の掛け布団が寒いけれども、きっと私のことを思っていることをおもえばあったかいでしょう。

 

咫尺畫堂深似海,憶來唯把舊書看。

画堂が小さく僅かの距離でいるもの、狭い画堂が海のように深く感じられる。おもいだすのはただひたすら以前もらった手紙を見ているのです。

幾時攜手入長安。

いつになったら晋の謝安のように女を携えて長安の都に入れるようになるのだろう。


(浣溪沙)

夜夜相ひ思ひて 更漏殘れ。明月に傷心して欄干に凭る。

君を想ふに我を思ひて 錦の衾 寒からん。

 

咫尺の畫堂 深きこと海に似,憶ひ來って唯だ舊き書を把りて看る。

幾れの時か手を攜へて長安に入らん。

 

 

浣渓沙 其二 現代語訳と訳註

(本文) ---080

欲上鞦韆四體傭、擬教人送又心忪、

畫堂簾幕月明風。

 

此夜有情誰不極、隔墻梨雪又玲瓏、

玉容憔悴惹微紅。

 

 

(下し文)

鞦韆【しゅうせん】に上らんとして四体慵【ものう】し 人をして送らしめんと擬【ほっ】するも又心 忪【おどろ】く、畫堂の簾幕に月明らかに風ふく。

 

此の夜情有るを誰か極めざらん、墻【かき】を隔てて梨雪又玲瓏【れいろう】たり、玉容憔悴して微紅惹【みだ】る。

 

 

(現代語訳)

ぶらんこにのろうとおもったのに四肢・五体がだるくてしかたがないのです。あの人の連絡もないので使いの者を遣わしたいと思うけれどやっぱり心が不安だらけになってできないのです。

美しく彩色に描かれた高楼にかかっている簾や帷幕に月影を映して、それが風に揺れています。

此の夜は誰の情けを受けたいとしても誰もいないのです。垣根を隔てて春の盛りに梨の花がゆきのようにさいている、そしてそれが玉などが透き通るようにただ美しいだけなのです。

美しい容貌の女は心痛のために、やせおとろえ薄紅を付けたその顔も涙で崩れているのです。

 

 

(訳注)

欲上鞦韆四體傭、擬教人送又心忪、

ぶらんこにのろうとおもったのに四肢・五体がだるくてしかたがないのです。あの人の連絡もないので使いの者を遣わしたいと思うけれどやっぱり心が不安だらけになってできないのです。

鞦韆 2本の綱や鎖で横木をつり下げ、それに乗って前後に揺り動かして遊ぶもの。ぶらんこ。しゅうせん。《季 春》

四体 頭・胴・手・足。全身。五体。

・慵 物憂い,けだるい.

・忪 ドキドキする、動悸が不安定、驚く、恐れおののく。

 

 

畫堂簾幕月明風。

美しく彩色に描かれた高楼にかかっている簾や帷幕に月影を映して、それが風に揺れています。

・畫堂:美しく彩色してある建物。立派な建物。

 

 

此夜有情誰不極、隔墻梨雪又玲瓏、

此の夜は誰の情けを受けたいとしても誰もいないのです。垣根を隔てて春の盛りに梨の花がゆきのようにさいている、そしてそれが玉などが透き通るようにただ美しいだけなのです。

・玲瓏 1 玉などが透き通るように美しいさま。また、玉のように輝くさま。 2 玉などの触れ合って美しく鳴るさま。また、音声の澄んで響くさま。

 

 

玉容憔悴惹微紅。

美しい容貌の女は心痛のために、やせおとろえ薄紅を付けたその顔も涙で崩れているのです。

玉容 美しい容貌(ようぼう)。玉貌。

憔悴 病気や心痛のために、やせおとろえること。やつれること。
pla011 

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。


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女性詩人 
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。   
李商隠詩 
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浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

 

 

浣溪沙

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿

早朝に置きだし化粧をやり直す、今日は清明節の一日なのです。柳絮が柳球になってが花鈿のところを左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いている。

捲簾直出畫堂前。

すだれを巻き上げると直ちに美しく彩色してある建物の前に出てみたのです。

 

指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,

ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。

含顰不語恨春殘。

寂しくて眉をひそめて、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないのです。

 

浣溪沙

淸曉 妝成す 寒食の天に,柳球斜めに 嫋【じょう】として  花鈿を 間す,

簾を捲き 直ちに出づ  畫堂の 前。

 

指 點【さ】す牡丹の初めて綻【ほころ】べる朶【えだ】を,

日 高くして 猶ほも自ら  朱欄に 凭【よ】り,

顰【ひん】を含むも 語らず  春殘を恨むを。

botan00 

 















『浣溪沙』 現代語訳と訳註

(本文)

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿,捲簾直出畫堂前。 指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,含顰不語恨春殘。

 

 

(下し文)

浣溪沙

淸曉 妝成す 寒食の天に,柳球斜めに 嫋【じょう】として  花鈿を 間す,

簾を捲き 直ちに出づ  畫堂の 前。

 

指 點【さ】す牡丹の初めて綻【ほころ】べる朶【えだ】を,

日 高くして 猶ほも自ら  朱欄に 凭【よ】り,

顰【ひん】を含むも 語らず  春殘を恨むを。

 

 

(現代語訳)

早朝に置きだし化粧をやり直す、今日は清明節の一日なのです。柳絮が柳球になってが花鈿のところを左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いている。

すだれを巻き上げると直ちに美しく彩色してある建物の前に出てみたのです。

ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。

寂しくて眉をひそめて、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないのです。

 

 

(訳注)

浣溪沙

(きれいな谷間が砂でいっぱいになる。)

春の行楽、男女のようすを詠う新しい形の詩。

詞牌の一。詞の形式名。双調 四十二字。平韻一韻到底。この詞は花間集巻二所収の浣溪沙其一である。

 

淸曉妝成寒食天,柳球斜嫋間花鈿,

早朝に置きだし化粧をやり直す、今日は清明節の一日なのです。柳絮が柳球になってが花鈿のところを左右になまめかしくゆらゆらと揺れ動いている。

・淸曉:あかつきの最初。の夜が明けたばかり。

・妝成:清明の日の朝の身繕いもできあがり。

・寒食:清明節の3日前夜。現在の暦で言うと、四月四日前後か。“掃墓”(先祖のお墓参りをして、お墓の掃除をする日)の日でもある。春の盛りから晩春にさしかかる頃。

・天:日。一日(いちにち)。

・柳球:柳の枝で球状のものにした寒食の日の装飾。戴柳や挿柳(柳の枝を髪に挿して、厄よけとすること)の風習。これは、清明節の風俗と深い関係がある。清明節と柳については多くの諺があり、例えば「寒食、禁烟節」(火を使わない日)でもあることと関係づけて、また、黄巣の乱に関係付け、或いは、「鬼節」(“掃墓”)でもあることと関係づけて戴柳や挿柳の風習があるという。これらのこととは別に、風に方々飛ばされた柳絮が団子状に固まったものとも考えられる。現代語の“柳花球”のこと。

・斜:ななめに。きっちりとなっていないさまをいう。

・嫋:かぼそく弱々しいさま。風がそよそよと吹くさま。煙などがゆらゆらと立ち上るさま。ここでは、ゆらゆらと揺れ動くさまをいう。

・間:間する。隔てる。間(ま)をおく。ここは動詞の意。名詞とは声調が違う。

・花鈿:婦人の頭の装飾品で、前額にはりつけるもの。或いは、花かんざし。ここは花かんざしを挿した女をいう。女が見送り男が旅立つのである。

魚玄機『折楊柳』

朝朝送別泣花鈿,折盡春風楊柳煙。

願得西山無樹木,免教人作淚懸懸。

朝朝 送別 花鈿に泣き、春風に折り尽くすは楊柳 煙る。

願はくは 西山 樹木なしとし、人をして 涙の懸懸を作さしむるを免るるを得んことを。

 

 

捲簾直出畫堂前。

すだれを巻き上げると直ちに美しく彩色してある建物の前に出てみたのです。

・捲簾:スダレを巻き上げる。

・直出:直ちに…に出て。

・畫堂:美しく彩色してある建物。立派な建物。

 

 

指點牡丹初綻朶,日高猶自凭朱欄,

ボタン花がほころんだばかりの枝を指で摘して数える。日が高くなってくると、なおかつ、朱色の欄干に寄り添って遠くを見つめて物思うのです。

・指點:指摘する。一つ一つ指差して数える。

・牡丹:ボタンの花。

・初:咲いたばかりの。いましがた咲いたばかりの。

・綻朶:花がほころんだばかりの枝。

・日高:日が高くなる。お昼近くなる。

・猶自:…でさえ、なおかつ。

・凭:よりかかる。もたれる。

・朱欄:あかい欄干。

 

 

含顰不語恨春殘。

寂しくて眉をひそめて、移ろいゆく春の名残を惜しんで臨み、だけど、恨み言を口にすることができないのです。

・含顰:眉をひそめる。しかめる。 

・顰 顔をしかめる。眉を寄せる。

・不語:…を口にしない。言わない。

・恨:恨み言。

・春殘:移ろいゆく春。去りゆく春。

★この春に遊びにも来てくれないし、行楽に御誘いにいくら待っても来てくれない。一年取った女を男の側から見た詩である。

 pla024

116 思帝鄕二首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-263-5-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2697

思帝鄕 韋荘 ある春の日に、郊外へ行楽に出かけました。杏の花びらが頭一杯に降りかかってくるような日でした。こんな田舎道にいるのは、どこの若者なのでしょう。行楽で足を延ばしてきたなかなか風流な事でしょう。

 

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116 思帝鄕二首 其二 韋荘 Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-263-5-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2697

 
思帝鄕二首 其一

雲髻墜,鳳釵垂,

髻墜釵垂無力,枕函欹。

翡翠屏深月落,漏依依。

盡人間天上,兩心知。

 

 

思帝郷二首 其二

(帝都にいて田舎を思う。)

 春日遊,  杏花吹滿頭。

ある春の日に、郊外へ行楽に出かけました。杏の花びらが頭一杯に降りかかってくるような日でした。
 陌上誰家年少、 足風流。

こんな田舎道にいるのは、どこの若者なのでしょう。 行楽で足を延ばしてきたなかなか風流な事でしょう。
 妾擬將身嫁與、 一生休。

わたしは一度でいいから、嫁という地位をあたえられたいのです。そしたら、一生 おちつき、これでおわっても満足なのです。

 縱被無情棄,  不能羞。

たとえ、無情にも棄てられたとしても、いっかいよめになっておれば、はずかしいとは思わないものなのです。

 

思帝鄕

春日遊ぶ, 杏花 吹きて頭に滿つ。

陌【あぜみち】の上 誰が家の年少か、足【はなは】だ風流なり。

妾【わたし】は擬【おも】う 身を嫁與【かよ】すとしても、 一生の休んぜん。

 縱【たと】い無情に棄てらるるとも, 羞づ能【あた】わず。

花と張0104 






 

『思帝鄕』 現代語訳と訳註

(本文) 思帝郷 思帝鄕二首 其二

 春日遊,  杏花吹滿頭。

 陌上誰家年少、 足風流。

 妾擬將身嫁與、 一生休。

 縱被無情棄,  不能羞。

 

 

(下し文)

思帝鄕

春日遊ぶ, 杏花 吹きて頭に滿つ。

陌【あぜみち】の上 誰が家の年少か、足【はなは】だ風流なり。

妾【わたし】は擬【おも】う 身を嫁與【かよ】すとしても、 一生の休んぜん。

 縱【たと】い無情に棄てらるるとも, 羞づ能【あた】わず。

 

 

(現代語訳)

(帝都にいて田舎を思う。)

ある春の日に、郊外へ行楽に出かけました。杏の花びらが頭一杯に降りかかってくるような日でした。 

こんな田舎道にいるのは、どこの若者なのでしょう。 行楽で足を延ばしてきたなかなか風流な事でしょう。

わたしは一度でいいから、嫁という地位をあたえられたいのです。そしたら、一生 おちつき、これでおわっても満足なのです。

たとえ、無情にも棄てられたとしても、いっかいよめになっておれば、はずかしいとは思わないものなのです。

 

 

(訳注)

思帝郷 思帝鄕二首 其二

(帝都にいて田舎を思う。)

詞牌の一。詞の形式名。単調 三十四字。

八句五平韻平声一韻到底。萬斯年曲。

 

春日遊、杏花吹滿頭。

ある春の日に、郊外へ行楽に出かけました。杏の花びらが頭一杯に降りかかってくるような日でした。 

・杏花:アンズの花。春の情景を表す常套句でもある。

・吹滿頭:春の象徴である杏の花びらが頭一杯に降りかかっているさま。

 

 

陌上誰家年少、 足風流。

こんな田舎道にいるのは、どこの若者なのでしょう。 行楽で足を延ばしてきたなかなか風流な事でしょう。

・陌上:あぜ道にいる。陌は田畑の中の東西に走る道。転じて、あぜ道。田舎道。

・誰家:(古白話)だれ。何びと。建物としての家を直接尋ねてはいない。年少を強調するための語で、「家」字の意味は強くない。ここはこのあたりでいつもは見かけない若者であること。みなりが田舎に似合わないということ。

・年少:年が若い。また、年が若い者。少年。若者。

・足風流:風流にたりる。この時期の行楽は、野原・木陰に来て、酒を呑み、男女の交わりをすることにある。そういった女性とピクニックを詩に来ている。ここでの風流はエロティックな様子を云うのである。

 

妾擬將身嫁與、 一生休。

わたしは一度でいいから、嫁という地位をあたえられたいのです。そしたら、一生 おちつき、これでおわっても満足なのです。    

・妾:わたし。わて。あちき。女性の謙譲の自称。 

・擬:…したいと思う。擬待。 

・將身:身を…。 

・嫁與:嫁入りする。一夫多妻制の時代、芸妓は一定の地位あるものに身請けをされることがステータスであったので、今で云う嫁入りとは少し異なる。 

・休:いこう。おちつく。やすんじる。

 

 

縱被無情棄,  不能羞。

たとえ、無情にも棄てられたとしても、いっかいよめになっておれば、はずかしいとは思わないものなのです。

・縱:たとえ…であっても。たとい…とも。仮定の表現の辞。 

・被:…される。受け身の表現の辞。日本語の受け身の助動詞「る、らる」(れる、られる)に働きが似ているが、「被」は明らかに他者より外的な力が加わった場合にのみ使われ、「る、らる」よりも使用の場が限定されている。 

・無情:無情にも。人情をわきまえず。冷たく。 

・棄:ここでは男性にすてられる。男に罪悪感がない時代である。

・羞:きまりがわるくて人に顔をあわせられない、という意味のはずかしさ。乙女のはじらい等に使う。恥や辱とは違う。不能:…ということはありえない。…と思わない。…と考えない。

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淸平樂(三) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-262-5-#16  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2692

淸平樂(三) 韋荘 春の長雨がしとしとと降り、梨の花が細雨に濡れているのは、むかし色白の美貌であった女性が春に涙を流すのです。ツバメが飛び交い、美しい窓のカーテンの金の装飾や縫いとりのある立派な簾額の側を払って飛んでいます。 


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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

淸平樂(三) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-262-5-#16   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2692

 

 

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その三

春愁南陌。故國音書隔。

また来た春も愁いが募るばかり、表の通りもそうなのです。ふるさとの親族知人もなくなり、だれからの手紙が途絶えてしまったのです。

細雨霏霏梨花白。燕拂畫簾金額。

春の長雨がしとしとと降り、梨の花が細雨に濡れているのは、むかし色白の美貌であった女性が春に涙を流すのです。ツバメが飛び交い、美しい窓のカーテンの金の装飾や縫いとりのある立派な簾額の側を払って飛んでいます。 

 

 盡日相望王孫, 塵滿衣上涙痕。 
一日中、王孫の帰ってくるのを眺め待っていて、塵があの人が来ると着ていた衣の上に涙がおちて痕が一杯ついてしまっている。

誰向橋邊吹笛, 駐馬西望消魂。

誰が橋のたもとで向こうを向いて、笛を吹いているのでしょうか。柳のたもとに馬をとどめて、西の方を眺めて、私のもとへは誰も来ないから深く悲しんで沈んでしまいます。

  

淸平樂 (三)

春愁の 南陌。故國 音書隔つ。

細雨 霏霏として 梨花白し。燕は畫簾 金額を拂ふ。

 

 盡日 王孫相ひ望み,塵は衣上の涙痕に滿つ。

 誰か 橋邊に向いて 笛を吹く,馬を駐【とど】めて 西を望みて消魂す。

 

魚玄機が宮島に

 












『淸平樂』 (三) 現代語訳と訳註

(本文)

淸平樂

春愁南陌。故國音書隔。

細雨霏霏梨花白。燕拂畫簾金額。

 

 盡日相望王孫, 塵滿衣上涙痕。

 誰向橋邊吹笛, 駐馬西望消魂。

 

 

(下し文)

淸平樂 (三)

春愁の 南陌。故國 音書隔つ。

細雨 霏霏として 梨花白し。燕は畫簾 金額を拂ふ。

 

 盡日 王孫相ひ望み,塵は衣上の涙痕に滿つ。

 誰か 橋邊に向いて 笛を吹く,馬を駐【とど】めて 西を望みて消魂す。

 

 

(現代語訳)

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その三

また来た春も愁いが募るばかり、表の通りもそうなのです。ふるさとの親族知人もなくなり、だれからの手紙が途絶えてしまったのです。

春の長雨がしとしとと降り、梨の花が細雨に濡れているのは、むかし色白の美貌であった女性が春に涙を流すのです。ツバメが飛び交い、美しい窓のカーテンの金の装飾や縫いとりのある立派な簾額の側を払って飛んでいます。 

一日中、王孫の帰ってくるのを眺め待っていて、塵があの人が来ると着ていた衣の上に涙がおちて痕が一杯ついてしまっている。

誰が橋のたもとで向こうを向いて、笛を吹いているのでしょうか。柳のたもとに馬をとどめて、西の方を眺めて、私のもとへは誰も来ないから深く悲しんで沈んでしまいます。

 

 

(訳注)

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その三

詞譜の一。詞の形式名。双調。四十六字。平韻相互の換韻。花間集巻第二所収。

この作品は『花間集』第二にある。妓女が年増になって誰の相手もされないことへの寂しさを詠う。この詩も男の目から見た女性を詠うもので、年増の妓女が侘しく思う語句を鏤めている。

 

 

春愁南陌。故國音書隔。

また来た春も愁いが募るばかり、表の通りもそうなのです。ふるさとの親族知人もなくなり、だれからの手紙が途絶えてしまったのです。

・春愁:春の物思い。女性のもとに男が訪れないことを悲しむことを云う。 

・南陌:家の正面の門は南側にある。その南にある大きな通りを云う。・陌:道。街路。東西に通じるあぜ道。この道を車に乗って訪れていたので、悲しみを強調するもの。

・故國:ふるさと。 売られてきた女性自身に故郷からも見放された。

・音書:たより。手紙。音信。男は来ないし、手紙もくれない。 

・隔:へだたる。便りが途絶えてきた。

 

 

細雨霏霏梨花白。燕拂畫簾金額。

春の長雨がしとしとと降り、梨の花が細雨に濡れているのは、むかし色白の美貌であった女性が春に涙を流すのです。ツバメが飛び交い、美しい窓のカーテンの金の装飾や縫いとりのある立派な簾額の側を払って飛んでいます。  

・細雨:こぬか雨。 

・霏霏:霧雨がしとしとと降るさま。 

・梨花:ナシの花。 

・白:白く咲く。

・燕拂:ツバメが払って触れるように飛び込んでUターンする。ツバメは交尾する時期であり、憐れを誘う語である。

・畫簾:美しい窓のカーテン。 

・金額:金の装飾や縫いとりのある立派な簾額。

 

盡日相望王孫, 塵滿衣上涙痕。

一日中、王孫の帰ってくるのを眺め待っていて、塵があの人が来ると着ていた衣の上に涙がおちて痕が一杯ついてしまっている。

・盡日:一日中。終日。 

・相望:見つめている。眺めている。「相」は対象に動作が及んでいる表現。…に。…を。 

・王孫:王族、貴族の子弟。ここでは、(女性の許を離れて旅立っている)男性を指す。男性。王維の『山居秋暝』で「空山新雨後,天氣晩來秋。明月松間照,清泉石上流。竹喧歸浣女,蓮動下漁舟。隨意春芳歇,王孫自可留。」、温庭筠の『楊柳枝』「館娃宮外城西,遠映征帆近拂堤。繋得王孫歸意切,不關春草綠萋萋。 」がある。 

『楊柳枝 之八』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-64-17-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1872

・塵滿 あの人が来ると来ていた衣の上にずっと身に着けていないからその上に塵が積もっているという意味である。

・衣上涙痕 塵が積もった衣の上に涙がおち濡れたの後に塵が附いて、涙の形が浮き出ているさまをいう。

 

 

誰向橋邊吹笛, 駐馬西望消魂。

誰が橋のたもとで向こうを向いて、笛を吹いているのでしょうか。柳のたもとに馬をとどめて、西の方を眺めて、私のもとへは誰も来ないから深く悲しんで沈んでしまいます。

・橋邊:橋のたもと。 そこを通って男が来たことを云う。又、行楽に橋を通って行った。

・吹笛:笛を吹く。

・駐馬:馬をとどめて。他の女のもとにきた男は、車か、馬、船で来たということ。 

・西望:西の方を眺める。夕陽の方になる。西は歓楽を意味する。 一般的には西域に出征した男を思い浮かべることが多い。

・消魂:深く悲しんで意気を失うこと。

女性詩人0053 

淸平樂 (二) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

淸平樂 () 韋荘 春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

 

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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

淸平樂 () 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-261-5-#15   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2687

 

 

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)その二

野花芳草,  寂寞關山道。

春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

 

 羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。 

 夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。  

 

(淸平樂)

野花 芳草,寂寞たる  關山の 道。

柳は金絲を吐き鶯語は早く,惆悵たり香閨に暗かに 老ゆるを。

 

羅帶に同心を結べるを悔み,獨り朱欄に凭れば思ひ 深し。

夢より覺むれば半床に斜月,小窗より風觸りて琴を 鳴らす。

tski00120 

『淸平樂』 現代語訳と訳註

(本文)

野花芳草,  寂寞關山道。

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

 

 羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

 夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

 

 

 

(下し文)(淸平樂)

野花 芳草,寂寞たる  關山の 道。

柳は金絲を吐き鶯語は早く,惆悵たり香閨に暗かに 老ゆるを。

 

羅帶に同心を結べるを悔み,獨り朱欄に凭れば思ひ 深し。

夢より覺むれば半床に斜月,小窗より風觸りて琴を 鳴らす。

 

(現代語訳)

満月003春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。 

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。 

 

 

(訳注)

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)

詞譜の一。詞の形式名。双調。四十六字。平韻相互の換韻。花間集巻第二所収。

当時の女性は二十代後半以降は独りになってしまうのがほとんどで寂しい老後を迎えるのがふつうであった。

 

野花芳草,  寂寞關山道。

春の野原の草花はかぐわしく大地に春が巡ってきます。ふるさとへつづく山道は、もの寂しく大地に春が巡ってくれば、また一年歳が流れ、わたしはまた寂しい春を過ごしてゆくのです。 

・寂寞:寂しげである。 

・關山:郷里に入る境をめぐる山。ふるさと。

 

 

柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。

ヤナギが黄金色の新芽を出し、ウグイスが春を告げますが一人で過ごす春は早く過ぎ去ってゆきます。うらめしい思いはつのるばかり、女だけの部屋で、時の流れのままにひそかに老いてゆくのです。

・柳吐金絲:ヤナギが黄金色の新芽を出す。 

・鶯語早:ウグイスが春を告げる時期が早くなったかのように感じる。

・惆悵:うらめしい。うらみがましい。 

・香閨:女性の部屋。 

・暗老:密かに老いてゆく。

 

 

羅帶悔結同心, 獨凭朱欄思深。

あの頃、羅帶を同心結にして、永遠の愛を誓ったことが悔やまれてなりません。窓の朱色の欄干に独りでもたれかかり、遠くを見やって深く思いを巡らすのです。  

・羅帶:うすぎぬの帯。 

・悔:くやまれる。 

・結同心:永遠の愛を誓って、結び模様をする。性的な交渉を前提にしたもの。

薛濤『春望詞四首 其三』「風花日將老,佳期猶渺渺。不結同心人,空結同心草。」(風花 日に將に老いんとする、佳期 猶は渺渺。同心の人とは 結ばれず、空しく 同心の草を 結ぶ。)

玉台新詠巻十に、銭唐蘇小小『歌一首』として次の詩がある。「 妾乗油璧車、郎騎青□馬、 何処結同心、西陵松柏下。」(何れの処にか同心を結ばん)という句がある。

温庭筠 『更漏子』「相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。城上月,白如雪,蟬美人愁

薛濤『池上雙鳧』「雙棲綠池上,朝去暮飛還。 更憶將雛日,同心蓮葉間。」 (綠池の上に 雙棲【そうせい】し、朝去りて 暮に 飛還【ひかん】す。更に憶ふ 雛を將【やしな】ふの日には、心を 蓮葉【れんよう】の間に 同じうせん。)

・獨:独りだけで。 

・凭朱欄:(窓の)朱色の欄干にもたれかかり、(遠くを見やる)。 *物思いに耽ることを表現する。 

・思深:深く思いを巡らす。

 

 

夢覺半床斜月, 小窗風觸鳴琴。

夢から目覚めて、ベッドの半ばまで斜めになった位置に来た月光が射し込んでいます。小窓から風がぬけてきて、琴に触れて鳴らしたようです。 

・夢覺:夢から目覚める。 ・半床:ベッドの半ば。 

・斜月:窓から沈みかかった斜めの位置に来た月光が射し込む。上弦の月から下弦の月の間の月であろうが、部屋の中まで入って來る月であるから満月に近いものであろうが十三から十七の月はこのような詩の場合は用いない。離れている人を偲ぶことを暗示する月は上弦月=希望というものでもあろうか。

・小窗:女のいる部屋の小さな窓。 

・鳴琴:琴を鳴らす。近頃は琴を引くことがないので、風切音が琴のように思えたという、寂しさを強調することを云うものである。

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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

淸平樂(一) 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-260-5-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2682

 

 

清平楽

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)

何處遊女,蜀國多雲雨。

あの遊女はどこにいるのだろうか。蜀の国に降る雨は「巫山雲雨」の言い伝えどおりに多情のものである。

雲解有情花解語,窣地綉羅金縷。

雲となる男は情を解して、花はおんなでその言葉がわかる。金糸の女の身にまとう衣装であるくと突然と風音のもの寂しさが地を這う。

 

妝成不整金鈿。含羞待月鞦韆。

お化粧、身繕いができあがったはずなのにあわてたからか金の髪飾りがゆがんでいる。それでもはじらいながら月の出を待つ、ブランコで女は遊んでいる。

住在綠槐陰裏,門臨春水橋邊。

「あたしは、青々と茂ったエンジュの木陰のところに住んでいる。」いっていた。門から望む景色は春のぞうすいした川の流れに橋のあたりに面しているものなのだ。

 

淸平樂

何處にか 遊女,蜀國雲雨多し。

雲は情を有し花は語を解す,地を窣(さらさら)たる  綉羅 金縷。

 

妝【よそほ】い成るも金鈿整はず。羞いを含み月を鞦韆に待つ。

綠槐の陰裏に住む在り,春水の橋邊に門臨す。

 

 

『淸平樂』() 現代語訳と訳註

美女画557












(
本文)

清平楽

何處遊女,蜀國多雲雨。

雲解有情花解語,窣地綉羅金縷。

 

妝成不整金鈿。含羞待月鞦韆。

住在綠槐陰裏,門臨春水橋邊。

 

 

(下し文)

淸平樂

何處にか 遊女,蜀國雲雨多し。

雲は情を有し花は語を解す,地を窣(さらさら)たる  綉羅 金縷。

 

妝【よそほ】い成るも金鈿整はず。羞いを含み月を鞦韆に待つ。

綠槐の陰裏に住む在り,春水の橋邊に門臨す。

 

 

(現代語訳)

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)

あの遊女はどこにいるのだろうか。蜀の国に降る雨は「巫山雲雨」の言い伝えどおりに多情のものである。

雲となる男は情を解して、花はおんなでその言葉がわかる。金糸の女の身にまとう衣装であるくと突然と風音のもの寂しさが地を這う。

お化粧、身繕いができあがったはずなのにあわてたからか金の髪飾りがゆがんでいる。それでもはじらいながら月の出を待つ、ブランコで女は遊んでいる。

「あたしは、青々と茂ったエンジュの木陰のところに住んでいる。」いっていた。門から望む景色は春のぞうすいした川の流れに橋のあたりに面しているものなのだ。

 

 

(訳注)

淸平樂

(世の中が清らかに治まっていることを詠う詩譜)

詞譜の一。詞の形式名。双調。四十六字。平韻相互の換韻。花間集巻第二所収。

春になって、行楽しようとたずねてみたが女はどこ得行ったのか黙って居なくなっている。残されたのは衣擦れの音と増水した川に架かる橋だけであった。

 

何處遊女、蜀國多雲雨。

あの遊女はどこにいるのだろうか。蜀の国に降る雨は「巫山雲雨」の言い伝えどおりに多情のものである。

・何處:どこにいるのか。

・遊女:あそびめ。

・蜀國:蜀の国。ここの巫山県の東部に巫山がある。「巫山雲雨」で男女の交情をいう。現・四川省のこと。

・多雲雨:多情である。雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。

宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

杜甫『水檻遣心二首』其の2 「蜀天常夜雨,江檻已朝晴。葉潤林塘密,衣幹枕席清。不堪支老病,何得尚浮名?淺把涓涓酒,深憑送此生。」楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させるが蜀では夜雨が降る。

李商隠『細 雨』「帷飄白玉堂、簟巻碧牙牀。楚女昔時意、蕭蕭髪彩涼。」(やわらかに風に翻るとばりは、白い玉の輝く堂を包んでいる。あるいは竹の敷物は、冷やかに碧く光る象牙の牀に拡げられている。巫山の神女はその身をささげたあの時の気持ちを秘めて今もいる、粛々と黒髪を一層色濃くし涼やかにしている。

・無覓處:探しようがない。漂いやがて消えてゆくガスのような雲なので、探しようがない。

 

 

雲解有情花解語,窣地綉羅金縷。

雲となる男は情を解して、花はおんなでその言葉がわかる。金糸の女の身にまとう衣装であるくと突然と風音のもの寂しさが地を這う。

・花解語:花は言葉がわかる。美しい女性を暗示している。婉約詞では、美しい女性を「解語花」(言葉を解する花)という。

・雲解有情花解語:雲は男の情で、それを解して花はおんなの言葉で、情が深くてやさしく美しい女性たちはよくわかる。

・窣地:突然と風音のもの寂しさが地を這う。

・綉羅:ぬいとりのあるうすぎぬ。女性の身にまとう衣装の布地。

・金縷:金糸の(刺繍)。

 

 

妝成不整金鈿。含羞待月鞦韆。

お化粧、身繕いができあがったはずなのにあわてたからか金の髪飾りがゆがんでいる。それでもはじらいながら月の出を待つ、ブランコで女は遊んでいる。

・妝成:よそおいがなる。身繕いができあがる。

・不整金鈿:金のかんざしなどの髪飾りがゆがんで。

ここは白居易の「長恨歌」の「雲鬢半偏新睡覺,花冠不整下堂來。」をふまえていよう。

・含羞:はじらいながら。

・待月:月の出を待つ。明るくなるのを待つ。ここは月はおんなをいむするので「待女()」意味になる。

・鞦韆:ブランコ。妓女の遊具。

 

 

住在綠槐陰裏,門臨春水橋邊。

「あたしは、青々と茂ったエンジュの木陰のところに住んでいる。」いっていた。門から望む景色は春のぞうすいした川の流れに橋のあたりに面しているものなのだ。

・住在:…に住んでいる。

・綠槐陰裏:青々と茂ったエンジュの木陰で。裏:なかで。男が女の棲んでいるところに通うのが当時の情交の基本であって、どこを探しても女がいない。増水した水の揺れを男女の情交として見ている。

・門臨:門は…に面している。

・春水橋邊:雪解けの水が増水している春の川の流れに架かった橋のたもと。春水は男女の思いと情交を比喩するものである。
李清照0055 

謁金門 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-259-5-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2677

謁金門 其二 韋莊 もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

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謁金門 其二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-259-5-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2677

 

 

謁金門 其二

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

空相憶,  無計得傳消息。

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

天上嫦娥不識,寄書何處覓。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

 

新睡覺來無力,不忍把伊書跡。

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。

滿院落花春寂寂,斷腸芳草碧。

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

 

謁金門

空しく相い憶い,消息を傳え得る 計無し。

天上 嫦娥は識らずして,書を何處にか覓【もと】むるに寄さん。

 

新睡より覺めて力無く來り,伊【こ】の書跡を把【も】つは忍ばず。

滿院 落花して 春 寂寂,斷腸して 芳草 碧。

くちなしの花 






 

『謁金門』 現代語訳と訳註

(本文)
謁金門 其二

空相憶,  無計得傳消息。

天上嫦娥不識,寄書何處覓。

 

新睡覺來無力,不忍把伊書跡。

滿院落花春寂寂,斷腸芳草碧。

 

 

王屋山01

(下し文)

謁金門 その二

空しく相い憶い,消息を傳え得る 計無し。

天上 嫦娥は識らずして,書を何處にか覓【もと】むるに寄さん。

 

新睡より覺めて力無く來り,伊【こ】の書跡を把【も】つは忍ばず。

滿院 落花して 春 寂寂,斷腸して 芳草 碧。

 

 

(現代語訳)

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。 

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

 

 

(訳注)

謁金門 其二

金門をはいって謁見したい(理不尽なことを中央朝廷に謁見して訴えたい)

詞牌の一。詞の形式名。双調。四十六字。換韻。『花間集』第三の第二首めになる。この作品は、作者の愛妾が、才媛であるということを聞きつけた蜀王の王建に、奪われてしまった悲しみと追憶に浸って作ったもの。彼女は、この韋莊の詞を見て、食を断って死んだという。

・金門:・金門 唐代では文学の翰林院の門の金馬門のこと。漢代の未央宮(びおうきゅう)の門の一。側臣が出仕して下問を待つ所。金馬。金門。

 

空相憶、無計得傳消息。

もう空しくてただ思い遣るだけです。消息を伝える方法がまったく見つからないのです。

・空:むなしく。かいなく。 

・相憶:思い遣る。「相」動作を対象に及ぼす働きをする。

・無計:方法がない。図りようがない。 

・消息:たより。しらせ。

 

天上嫦娥不識、寄書何處覓。

天上の昇った仙女の嫦娥でもきっと分からないだろう。手紙を出すのにも宛先をどこにもとめたらいいものやらわからない。 

・天上:天の上の。天上界の。 

・嫦娥:月世界に棲むといわれる仙女。姮娥 『准南子』に「翠、不死の薬を西王母に請ふ。その妻檀紙、これを病みて月官に奔る」とみえる。・誇蛾 恒蛾、嫦娥、常娥、娥娥 蛾娥など 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。なお、魯迅(1881l936)にこの神話を小説化した「羿月」がいげつと題する小説がある。常蛾の詩1. 道教の影響 2. 芸妓について 3. 李商隠 12 嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。○嬋娟 艶めかしく姿あでやかなるさま。顔や容姿があでやかで美しい。魏の阮籍(210263年)の詠懐詩に「秋月復た嬋娟たり。」とブログ阮籍 詠懐詩、白眼視 嵆康 幽憤詩 

・不識:知らない。分からない。

・寄書:手紙を出す。 

・何處:どこ。 

・覓:もとめる。

 

新睡覺來無力、不忍把伊書跡。

午睡の一眠りから目覚めたのだが元気にならない。がっくりとして、彼女の書いた物を手に取ってみれば、もう我慢ができなくなってくる。 

・新睡:(午睡の)一眠り。 

・覺來:目覚めて。「來」…に なって。 

・無力:ぐったりとして。

・不忍:我慢できない。忍ぶことができない。 

・把:手に取り持つ。 

・伊:これ。かれ。この。代詞。ここでは、彼女の意になる。 

・書跡:書いた物。手跡。筆跡。

 

滿院落花春寂寂、斷腸芳草碧。

この庭一面に花びらが散ってしまう、この楽しいはずの春は過ぎ去ろうとしていいて寂しい春になっている。我慢のできないおもいは「断腸の思い」で万物が生成する春草の明るいあおさは広がっている。

・滿院:庭一杯。庭一面。「院」中庭。周りに建物がある庭。 ・落花:花びらが散っている。落花(の跡)。 *春は過ぎ去った、素晴らしい気節は過ぎ去った、ということ。 ・春寂寂:春は寂しげである。

・斷腸:下半身の疼きを基本にした非常な悲しみであることをいう。相手と過去に情交をしたことを前提にした悲しみを云う。

・芳草:春草。 

・碧:あおい。みどり。
kairo10682 

荷葉杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。  
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 

 

荷葉杯 其二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

 

 

荷葉杯 其二

記得那年花下。 深夜。

忘れもしない、あの年、花かげのもとで、それは深夜のことでした。

初識謝娘時。

「はじめて乙女を知った時」といっていました。 

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

池のほとりの座敷の西側のところで、えすだれを垂れたその中で、手を携えて夜を過ごし、暗黙の内に次の情事の思いをきめたのです。

 

惆悵曉鶯殘月。 相別。

かなしくい嘆かわしいことに、あかつきの鷺がなき、名残の月が別れの月に変わって別れたのです。

從此隔音塵。

それ以来、音信は絶えてしまったのです。 

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

今は二人とも異郷の人となってしまい、逢おうとしてももはやそのよしもなくなってしまいました。

 

60moon 













『荷葉杯』 現代語訳と訳註

(本文)

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

 

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

 

 

(下し文)

荷葉杯

記し得たり  那の年 花の下。 深夜。

初めて  謝娘を 識りし時。

水堂の西面は 畫簾垂れ。手を攜へ暗に相ひ期す。

 

惆悵たり  曉の鶯  殘の月。相ひ別れ。

此 從り 音塵を  隔つ。

如今 倶に是 異鄕の人。相ひ見ゆるに更に因無し。

 

 

(現代語訳)

忘れもしない、あの年、花かげのもとで、それは深夜のことでした。

「はじめて乙女を知った時」といっていました。 

池のほとりの座敷の西側のところで、えすだれを垂れたその中で、手を携えて夜を過ごし、暗黙の内に次の情事の思いをきめたのです。

かなしくい嘆かわしいことに、あかつきの鷺がなき、名残の月が別れの月に変わって別れたのです。

それ以来、音信は絶えてしまったのです。 

今は二人とも異郷の人となってしまい、逢おうとしてももはやそのよしもなくなってしまいました。

 

 

(訳注)

荷葉杯

詞譜一。詞の形式名。双調 五十字。換韻。花間集。

男が女の気持ちを詠うもの。

 

 

記得那年花下、深夜。

忘れもしない、あの年、花かげのもとで、それは深夜のことでした。

・記得:(俗語・現代語)…を覚えている。(「記」は、覚えている。記憶している。

・那年:(俗語)あのとし。彼(か)のとし。

・花下:花のもと。花底。

 

 

初識謝娘時。

「はじめて乙女を知った時」といっていました。 

・初識:はじめて知り合ったとき。 

・謝娘:「あの女性」の意。固有名詞ではあるが、詞では、若くて美しい女性を指す。乙女。マドンナ。

 

水堂西面畫簾垂、攜手暗相期。

池のほとりの座敷の西側のところで、えすだれを垂れたその中で、手を携えて夜を過ごし、暗黙の内に次の情事の思いをきめたのです。

・水堂:水辺の建物。

・畫簾:綺麗に彩色を施した簾。えすだれ。

・攜手:手を持つ。時を共にする際の導入語である。手をたずさえる。閨へエスコートする。 

・相期:時間を決めて会うことを心に定める。この頃の情事は夜日が昇前までを期す。

 

 

惆悵曉鶯殘月、相別。

かなしくい嘆かわしいことに、あかつきの鷺がなき、名残の月が別れの月に変わって別れたのです。

・惆悵:恨み。 

・曉鶯:明け方に鳴き始める鶯の声。 

moon5411

・殘月:沈みかけの月。有り明けの月。曉鶯殘月は、この頃は男は日が昇前に帰るもので、名残月(下弦の月)もその様子をいうもので、男が独り寝で、明け方まで悶々としているということではない。

 

 

從此隔音塵。

それ以来、音信は絶えてしまったのです。 

・從此:(…て、)それ以来ずっと。 

・隔音塵:消息、通信がないこと。音塵は、音信、たより。

 

如今倶是異鄕人、相見更無因。

今は二人とも異郷の人となってしまい、逢おうとしてももはやそのよしもなくなってしまいました。

・如今:いま。 

・倶是:ともに これ。是は、ここでは、接続詞、副詞の語尾として使われている。

・異鄕人:異郷の人。遠く離れてしまったことを云う。

・無因:便りがない。寄る辺がない。無由。

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

應天長 之二 韋莊 貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。


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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
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應天長 二 韋荘  Ⅹ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

 

 

應天長 之一 韋莊

(應天長 その一)

木芙蓉01綠槐陰裏黄鶯語。深院無人春晝午。

青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。

畫簾垂、金鳳舞。寂莫綉屏香一。

何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。

 

碧天雲,無定處。空有夢魂來去。

青空にある雲。寄る辺がない。恋しいあのひとはどこにいるのやら。わたしの所へは、ただむなしく夢の中にいる魂だけがやってくるだけ。

夜夜綠窗風雨。 斷腸君信否。

夜毎、待ち侘びる女の部屋の窓辺には嵐が吹き荒びつづける。この深い嘆きをあのひとは信じてくれるだろうか。

 

 

應天長 之二 韋莊

(應天長 その二)

別来半歳音書絶、一寸離腸千萬結。

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

想得此時情切、 涙沾紅袖

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

 

應天長 之二 韋莊

別れ来りて半歳 音書【いんしょ】絶え、一寸 離腸して 千萬 結ぶ。

相い見る難く、相い別れるは易し、又是れ玉楼 花 雪に似たり。

 

相い思う暗く、虚しく説く無く、惆悵して夜来るは煙月なり。

想得るは此の時情切たり、涙沾うは紅袖の

 

 

『應天長 之二』韋莊 現代語訳と訳註

(本文) 

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

想得此時情切、 涙沾紅袖

 

(下し文)

應天長 之二 韋莊

別れ来りて半歳 音書【いんしょ】絶え、一寸 離腸して 千萬 結ぶ。

相い見る難く、相い別れるは易し、又是れ玉楼 花 雪に似たり。

 

相い思う暗く、虚しく説く無く、惆悵して夜来るは煙月なり。

想得るは此の時情切たり、涙沾うは紅袖の【うつ】。

 

 

(現代語訳)

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

 

 

 

(訳注)

應天長 之二 韋莊

・應天長:詞牌の一。詞の形式名。双調。五十字。仄韻一韻到底。花間集巻第二所収。

oborotsuki04 

 

別来半歳青書絶、一寸離腸千萬結。

貴方と別れてもう半年になろうとしている、音信は一切なくなっている。この間は全く性交できなくなったものの心はほんの少しも離れていないという「千萬結」と千年万年結ばれているといいかわしたのですから。

・一寸離腸 一寸は心についていう。一寸心、寸心、方寸など皆同じ。心はほんの少しも離れていない。腸は性的な結びつきを云うので、心の結びつきではない。最近は全く性交をしなくなったという意味。

・千万結 心がはなはだしく結ばれていると男が云った言葉であること。

 

難相見。易相別、又是玉楼花似雪。

いくら恋しい人であっても逢うのは難しく、別れるのは容易いことです。また、今年も玉の楼に雪のように花がふきちるころとなりました。

・花似雪 花の白いのは梨・杏などをいうことが多い。韋荘の浣渓沙詞「隔膳梨雪又玲瀧」、清平楽詞「鮎雨罪霧梨花白」、温庭筠の菩薩蛮詞「茶花含霹団春雪」など。

 

 

暗相思、無虚説、惆悵夜来煙月。

ひそかにあの人をこいしくおもっているけれど、わたしのこころのうちをうちあけるすべもないのです。夜になり、おぼろ月を仰いでは、かなしいおもいにとざされる。

・煙月 朧月というのは、月は女性でそれを隠すくのが男で男との交わりがない女性をしめす。

 

想得此時情切、 涙沾紅袖

こんな思いのときのこころの切なさをしみじみと感じては、毎夜、涙がとめどなく紅の袖をしとどにぬらして、カビの斑点が出るくらいです。

  黒みがかった黄色.涙で色が濃くなったことを云う。はウツ。梅雨で衣服が湿って黴や班点がつくさまをいうときに用いられる。
 

應天長 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-256-5-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2662

韋荘應天長 一青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。  
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
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孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150

 

 

應天長 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-256-5-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2662

 

 

應天長  韋莊

(應天長)

綠槐陰裏黄鶯語。深院無人春晝午。

青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。

畫簾垂、金鳳舞。寂莫綉屏香一。

何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。

 

碧天雲,無定處。空有夢魂來去。

青空にある雲。寄る辺がない。恋しいあのひとはどこにいるのやら。わたしの所へは、ただむなしく夢の中にいる魂だけがやってくるだけ。

夜夜綠窗風雨。 斷腸君信否。

夜毎、待ち侘びる女の部屋の窓辺には嵐が吹き荒びつづける。この深い嘆きをあのひとは信じてくれるだろうか。

 

(應天長)

綠槐 陰裏 黄鶯 語り。深院 人無く 春の 晝午【さが】り。

畫簾 垂らせば、金鳳 舞ひ。寂莫たる 綉屏に  香 一【すぢ】。

 

碧天の 雲, 定める處 無し。 空しく 夢魂の 來去 有るのみ。

夜夜 綠窗に 風雨ありて。 斷腸せるを 君 信ずや否や。

鶯00 

 










『應天長』 現代語訳と訳註

(本文)

綠槐陰裏黄鶯語。深院無人春晝午。

畫簾垂、金鳳舞。寂莫綉屏香一。

 

碧天雲,無定處。空有夢魂來去。

夜夜綠窗風雨。 斷腸君信否。

 

 

(下し文)

(應天長)

綠槐 陰裏 黄鶯 語り。深院 人無く 春の 晝午【さが】り。

畫簾 垂らせば、金鳳 舞ひ。寂莫たる 綉屏に  香 一【すぢ】。

 

碧天の 雲, 定める處 無し。 空しく 夢魂の 來去 有るのみ。

夜夜 綠窗に 風雨ありて。 斷腸せるを 君 信ずや否や。

 

 

(現代語訳)

(應天長)

青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。

何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。

青空にある雲。寄る辺がない。恋しいあのひとはどこにいるのやら。わたしの所へは、ただむなしく夢の中にいる魂だけがやってくるだけ。

夜毎、待ち侘びる女の部屋の窓辺には嵐が吹き荒びつづける。この深い嘆きをあのひとは信じてくれるだろうか。

 

 

(訳注)

應天長  韋莊

・應天長:詞牌の一。詞の形式名。双調。五十字。仄韻一韻到底。花間集巻第二所収。

 

綠槐陰裏黄鶯語。深院無人春晝午。

青々と茂った槐の木陰でウグイスが春が来たことを告げてくれる。あの人を待つ奥深い庭は静かで人気がなく、春の昼下がりボーッと過す。

・綠槐陰裏:青々と茂ったエンジュの木陰で。 ・槐 開花は7月で、枝先の円錐花序に白色の蝶形花を多数開き、蜂などの重要な蜜源植物となっている。豆果の莢は、種子と種子の間が著しくくびれる。 花・蕾にはルチンを多く含有する。蕾を乾燥させたものは、槐花(かいか)という生薬で止血作用がある。・裏:なかで。

・黄鶯:ウグイス。コウライウグイス。

・語:ここでは、さえずる。詩詞では、花や鳥が声を出すときは「花語」「鳥語」という。

・深院:奥深い庭。深院は詞人に好かれていて、歐陽脩(馮延巳)、李淸照などに「庭院深深深幾許」と、よく使われる。塀に囲まれた奥深いにわ。中国の庭は塀で細かく区切られ、奥深くなっている。 ・院:中庭。

・無人:(静かで)人気がない。

・春晝午:春の昼下がり。

 

畫簾垂、金鳳舞。寂莫綉屏香一。

何気なく美しく縫い取りをしたカーテンを下ろす、カーテンの縫い取り模様の金の鳳が動く。寂しげな女性の部屋の縫い取りのある屏風のそばの香炉から煙が一筋たっている。

・畫簾:美しく縫い取りをしたカーテン。カーテンは簾帳幔幃幄帷…とまだまだ多くある。これは、つける場所や形、材料から決まるといえるが、詩詞では、平仄と語調で決まることも多いだろう。 ・畫:飾りをした。画堂、画角…と多い。

・金鳳:金の鳳。ここでは、カーテン地の縫い取り模様を指す。

・寂莫:さびしい。

・綉屏:縫い取りのある屏風。また、女性の部屋の屏風。

・香:香炉。香木。

・一:(香が)ひとすじ。 ・:灯心。焼く。「線香一本」というときの「本」にあたる量詞。

 

 

 

碧天雲,無定處。空有夢魂來去。

青空にある雲。寄る辺がない。恋しいあのひとはどこにいるのやら。わたしの所へは、ただむなしく夢の中にいる魂だけがやってくるだけ。

・碧天雲:青空にある雲。この女性の恋人のことを暗示している。後に続く「無定處」からそういえる。

・無定處:寄る辺がない。一ところで留まらないで、あちらこちらに移りゆく。この女性の恋人の行動でもある。

・空有:ただむなしく…のみあるだけだ。

・夢魂:夢の中にいる魂。夢を見ている魂。婉約詞ではよく使われる語。

・來去:やってくる。動きを表す。

 

 

夜夜綠窗風雨。 斷腸君信否。

夜毎、待ち侘びる女の部屋の窓辺には嵐が吹き荒びつづける。この深い嘆きをあのひとは信じてくれるだろうか。

・夜夜:よごと。

・綠窗:女性の部屋の窓。

・風雨:あらし。ここでは、帰ってくるのを待っている女性の心の中を吹きすさぶ嵐のこと。

・斷腸:非常な嘆きをいう。

・君:人に対する尊称。ここでは恋しい人のこと。

・信否:信じるだろうか。 ・否:主として文末に付き、疑問文にする働きがある。

 yamadori00

女冠子 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-255-5-#9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2657

韋荘《女冠子 (二)昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

 

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謝靈運詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。  
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。  
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html  
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー 
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html  
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html  
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。  
女性詩人 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。  
孟郊詩 
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。  
李商隠詩 
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150


 


女冠子 二 韋荘  Ⅹ
唐五代詞・宋詩Gs-255-5-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2657

 

 

唐・蜀  韋莊

女冠子  一

四月十七,正是去年今日。

初夏、四月十七日になると思いだす。まさにこの日一年前の今日の日のことです。

別君時。

そう、それはあなたと別れた時の事です。

忍涙佯低面,含羞半斂眉。

涙をこらえにこらえ、それを見られないように偽ってうつむいたままでした。とても恥かしいことと思い下を向いたのです。そして少し眉を寄せて、つらそうな表情をしたものです。 

 

不知魂已斷,空有夢相隨。

あの人のわたしへの思い(魂)はいつの間にか、とっくに断たれてしまっている。それなのに、むなしく夢で追いかけているのです。

除卻天邊月,沒人知。

空にある月が私なのにそれを除いてしまうのです。もう、誰もわたしの心を知ろうとはしないのです。

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(女【じょ】冠子【かんし】 一)

四月の十七,正に是れ去年の今日。

君と別れし時。

涙を忍びて佯【いつは】りて面を低げ,羞【はぢら】いを含みて眉を斂む。

 

知らず魂い已に斷たれ,空しく夢に相ひ隨う有り。

天邊の月を除卻せば,人の知る沒【な】し。

 

 

女冠子 (二)

昨夜夜半,枕上分明夢見。

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

語多時。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

覺來知是夢,不勝悲。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

 

 

女冠子

昨夜 夜半,枕上 分明に夢に見【まみ】ゆ。

語ること  多時にわたる。

舊に依る  桃花の 面【かほ】,頻に 低ぐ  柳葉の眉を。

 

半ば羞ぢ 還た 半ば喜び,去らんと欲して 又 依依たり。

覺め來って  知るは 是れ 夢,悲みに 勝【た】へず。

 

 

『女冠子』 現代語訳と訳註

(本文)

女冠子 (二)

昨夜夜半,枕上分明夢見。

語多時。

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

覺來知是夢,不勝悲。

 

 

(下し文)

女冠子

昨夜 夜半,枕上 分明に夢に見【まみ】ゆ。

語ること  多時にわたる。

舊に依る  桃花の 面【かほ】,頻に低ぐ 柳葉の眉を。

 

半ば羞ぢ 還た 半ば喜び,去らんと欲して 又 依依たり。

覺め來って  知るは 是れ 夢,悲みに 勝【た】へず。

 

 

(現代語訳)

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

 

 

(訳注)

女冠子

詞牌の一。双調(単調、異体もある) 四十一字。換韻。聯章詞(聯章体=同一の事柄を複数の詞で詠み、セットで一纏まりとなっているもの)なっている。この詞は、男性の側に立って描かれている。

 

昨夜夜半,枕上分明夢見。

昨夜の夜半のことだった。枕辺で。寝ていてはっきりと明らかなことは夢で会えるということです。

・分明:はっきりと明らかなこと。

・夢見:夢で会う。見:会う。ここは、夢を見る、ではない。

・語多時:(想いを)語ることが長時間に亘る。多くの時間、(情愛を)語った。

 

語多時。

その時は幾時か、共にかたりあったものでした。

 

依舊桃花面,頻低柳葉眉。

以前と同じで麗しい女性の面影は桃の花のようです。女性の美しい眉はしきりに長く下げている。

・依舊:昔ながらの。以前と同じで。

・桃花面:桃の花のように麗しい女性の容貌。美貌。面:かお。

・頻低柳葉眉:しきりと美しい眉を下げる。柳眉:女性の美しい眉。

 

半羞還半喜,欲去又依依。

半ば、恥じらい、こんどは半ば、喜ぶということでしたし、行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたいのです。

・半羞還半喜:半ばは恥じらい、半ばは喜ぶ。

・還:なおも。また。

・欲去又依依:行こうとしても、名残が尽きなくて離れがたい。依依:名残惜しく離れにくいさま。

 

覺來知是夢,不勝悲。

夢から覚めてから、夢であるということがやっと分かったし、悲しみにとてもたえることができないのです。

・覺來:夢から覚める。

・知是夢:夢であるということがやっと分かった。知ったことは、夢である。

・不勝悲:悲しみに勝(た)えない。とても悲しい。