玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

2013年11月

虞美人二首 其一 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-365-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3372

毛文錫《虞美人二首 其一》(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

2013年11月30日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ

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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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虞美人二首 其一 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-365-8-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3372

 

 

虞美人二首 其一

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。
錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。 

其二

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

楊貴妃清華池002
 

 

『虞美人二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

虞美人二首 其一

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

 

(下し文)

鴛鴦 対浴して銀塘 暖かに、水面 蒲梢 短し。

垂楊 低く払う 麹塵の波、蛟絲 網を結びて 露珠 多く、円荷に滴る。

遙かに思うは 桃葉 呉江の碧ならんこと、便ち是れ 天河 隔つ。

錦鱗紅髭 影 沈沈として、相い思うも 空しく夢の相い尋ぬる 有るのみ、意 任え難し

 

(現代語訳)

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

 錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。

(訳注)

虞美人二首 

唐の教坊の曲名。『花間集』には十四首所収。毛文錫の詩は二首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。

 秦末・ 虞美『虞美人歌』玉臺新詠

虞美人歌
漢兵已略地,四方楚歌聲。
大王意氣盡,賤妾何聊生。
虞美人歌  秦末・虞美人 詩<118>古代 女性詩 555 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1482 

『虞美人歌』

この詩は『史記正義』に出てくる楚の項羽(項籍)の女官である虞美人の作といわれる。項羽が、垓下で敗れたときに慷慨悲歌したときの詩

項羽『垓下歌

力拔山兮氣蓋世,時不利兮騅不逝。

騅不逝兮可奈何,虞兮虞兮奈若何!

であるが、それに対して虞美人が歌い舞った。

項羽と劉邦は戦いと和睦を繰り返しながら、垓下で雌雄を決する一戦を迎える。この時、項羽の少数の軍勢を大軍で取り囲んだ劉邦は、味方の兵士たちに項羽の祖国楚の歌を歌わせる。この歌を聞いた項羽は味方の兵が寝返ったのだと誤解して絶望する。その絶望の中で歌ったとされるのが、「垓下歌」である。

・西楚覇王・項羽の愛姫・虞姫の唱った歌。 

・この悲劇に基づき後世、同題の詩が作られる。 

・虞美人 項羽の女官。「美人」は位。

・実質上の妻。『史記・項羽本紀』虞姫は、どの戦闘にもついて行った。

其一

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

呉江のほとりに住む虞美人に思慕する。前段は、春、水温む時節の池陂の景物を描写し、後段は、前段の番の鴛鴦(オシドリ)から、呉江の対岸に住む高貴な人の女となった女性への思いを募らせる。二人を隔てる呉江は決して渡れない天の川に相当し、手紙を寄せる手だてもなく、ただ夢に彼女を尋ねるはかりで、とても今の気持ちには堪えられないと、手に届かない女性への切なる思いを語る。

 

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

○銀塘 光を反射して銀色に光る池の水。

 

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

○麴塵波 薄黄色の波間。麹塵は酒造用の麹の薄黄色の花。ここでは芽吹いた薄黄色の柳の葉に水面が染まっているさまを表現している。

○蛟絲 柳の枝が水面に映るのが、ミズチが蜘蛛の絲をだしているようである。

 

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

○桃葉 東晋・王献之の愛妾の名。ここでは借りて意中の女性を意味する。王献之の愛妾“桃葉”は秦淮の両岸を往来する時、王献之は心配でならずに、いつも自ら秦淮河の渡し場まで迎えに行き、“桃葉よ桃葉、河を渡るのに櫂は使わないでおくれ、でも苦しまないでいいよ、私が迎えに行くから”という≪桃葉歌≫を作り、渡し場から大声で叫び続け、そのうちに南浦渡は桃葉渡と呼ばれるようになった。後の人々は王献之の記念として、彼が当時、桃葉を迎えに行っていた渡し場を桃葉渡と名付けた。

 

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。
隋堤01
 

河瀆神 三首其三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-364-1-#70  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3367

温庭筠河瀆神 三首其三青銅製の太鼓は打ち鳴らせば、賽の神がくるし、庭には幢幡と天蓋がいっぱいで人が徘徊している。春先、麦の若葉が出揃い穂が出、ツバメが飛び交うものでさえ落ちたり倒れたりしている。閨の簾を巻き上げると宝飾に輝く高閣には愁い異に応じている女がいる。


2013年11月29日  の紀頌之5つのブログ
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <876>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3364韓愈詩-221ー#2
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 704 《投簡梓州幕府兼簡韋十郎官【投簡梓州幕府兼簡韋十郎】》 蜀中転々 杜甫<611>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3365 杜甫詩1000-611-867/1500
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 河瀆神 三首其三 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-364-1-#70  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3367
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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河瀆神 三首其三 温庭筠  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-364-1-#70   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3367

 

河瀆神三首 其一

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

河上望叢祠,廟前春雨來時。

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

(河瀆神三首其の一)

河上 叢祠【そうし】を望み,廟前 春雨來たる時。

楚山 限り 無く鳥 飛ぶこと遲く,蘭棹【らんとう】空しく別離を傷【いた】む。

何處にか 杜鵑【ほととぎす】啼き歇【や】まざるに,豔紅【えんこう】開き盡して血の如し。

蟬鬢【ぜんびん】の美人 愁【た】たば,百花 芳草 佳節なり。

 

河瀆神三首 其二

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。

 

(河瀆神【かとくしん】三首其の二)

孤廟 寒潮に対し、西陵 風雨 蕭蕭たり。

謝娘 惆悵として欄橈に倚り、涙 流るること 玉筋 千条。

 

暮大 愁い聴く 思帰落を、早梅の香り 山郭に満つ。

首を迴らせば 両情 蕭索たり、離魂 何処にか飄泊す。
 

其三

(最高の良い思いの生活をしていた女が春が過ぎようとしているのに愁いの気持ちでいることを詠う。)

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

青銅製の太鼓は打ち鳴らせば、賽の神がくるし、庭には幢幡と天蓋がいっぱいで人が徘徊している。

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

水際の村にも、大江の港にも風雨と雷とが通過していく、女の神であるところの長江下流域の山々には男の神であるところの霞か雲がかかっていたのが絵のように開いてはれてきている。

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄。

そんな生活をしていたのに、湊で別れを告げてから櫓の音だけがむなしくものさびしく残るだけだ。まだ若くて輝いている容姿の美女なのに、怨めしく悔しい思いで居ながら薄化粧をし直している。

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

春先、麦の若葉が出揃い穂が出、ツバメが飛び交うものでさえ落ちたり倒れたりしている。閨の簾を巻き上げると宝飾に輝く高閣には愁い異に応じている女がいる。

(河瀆神【かとくしん】三首其の三)

銅皷【どうこ】賽神來り,幡蓋【はんがい】庭に滿ちて徘徊す。

水村 江浦 風雷過ぎ,楚山 煙開く畫の如し。

離別 櫓聲 空しく蕭索【しょくさく】し,玉容 惆悵にして薄く粧す。

青麥 鷰飛【えんひ】落落し,簾を捲きて珠閣に愁對す。

pla060
 

『河瀆神三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

河瀆神三首 其三

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄。

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

 

(下し文)

(河瀆神【かとくしん】三首其の三)

銅皷【どうこ】賽神來り,幡蓋【はんがい】庭に滿ちて徘徊す。

水村 江浦 風雷過ぎ,楚山 煙開く畫の如し。

離別 櫓聲 空しく蕭索【しょくさく】し,玉容 惆悵にして薄く粧す。

青麥 鷰飛【えんひ】落落し,簾を捲きて珠閣に愁對す。

 

(現代語訳)

(最高の良い思いの生活をしていた女が春が過ぎようとしているのに愁いの気持ちでいることを詠う。)

青銅製の太鼓は打ち鳴らせば、賽の神がくるし、庭には幢幡と天蓋がいっぱいで人が徘徊している。

水際の村にも、大江の港にも風雨と雷とが通過していく、女の神であるところの長江下流域の山々には男の神であるところの霞か雲がかかっていたのが絵のように開いてはれてきている。

そんな生活をしていたのに、湊で別れを告げてから櫓の音だけがむなしくものさびしく残るだけだ。まだ若くて輝いている容姿の美女なのに、怨めしく悔しい思いで居ながら薄化粧をし直している。

春先、麦の若葉が出揃い穂が出、ツバメが飛び交うものでさえ落ちたり倒れたりしている。閨の簾を巻き上げると宝飾に輝く高閣には愁い異に応じている女がいる。

 

(訳注)

河瀆神三首

唐の教坊の曲名。『花間集』には六首所収。温庭筠の作は三首収められている。双調四十九字、前段二十四字四句四平韻、後段二十五字四句四仄韻で、⑤⑥⑦⑥/❼❻❻❻の詞形をとる。張泌の作が一首、孫光憲の『河瀆神』参照。河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

河瀆神三首 其三

(最高の良い思いの生活をしていた女が春が過ぎようとしているのに愁いの気持ちでいることを詠う。)

 

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

青銅製の太鼓は打ち鳴らせば、賽の神がくるし、庭には幢幡と天蓋がいっぱいで人が徘徊している。

・銅皷 中国南部から東南アジアにわたり広く分布する青銅製の太鼓。楽器としてはゴング類に属する。その鋳造と使用の年代は長く,流伝の地域は広く,関係する民族も多い。銅鼓の起源については,篠製置台上の太鼓を青銅でかたどったとするもの,漢族古楽器の錞于(じゆんう)(銅錞)からの発展とするもの,雲南省のタイ()族,チンポー(景頗)族で今なお使われている木製象脚鼓の写しとするものなど諸説があるが,炊具から変化したとする考えが比較的有力となりつつある。

・賽神「塞の神」といえば「道祖神」のことであるように、中国では「塞」は道路や境界の要所に土神を祀って守護神とすること、転じてそういった「守り」のことです。これが日本神話になると、伊弉諾尊イザナギノミコトが伊弉冉尊イザナミノミコトを黄泉ヨミの国に訪ね、逃げ戻った時、追いかけてきた黄泉醜女ヨモツシコメをさえぎり止めるために投げた杖から成り出た神) 邪霊の侵入を防ぐ神=さえぎる神=障の神(さえのかみ)と、いうことになります。

・幡蓋 幢幡(どうばん)と天蓋。幢幡:仏堂に飾る旗。竿柱(さおばしら)に、長い帛(はく)を垂れ下げたもの。天蓋:1 仏具の一。仏像などの上にかざす笠状の装飾物。周囲に瓔珞(ようらく)などの飾りを垂らす。2 虚無僧(こむそう)がかぶる、藺草(いぐさ)などで作った深編み笠。3 貴人の寝台や玉座、祭壇・司祭座などの上方に設ける織物のおおい。

 

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

水際の村にも、大江の港にも風雨と雷とが通過していく、女の神であるところの長江下流域の山々には男の神であるところの霞か雲がかかっていたのが絵のように開いてはれてきている。

・楚山 愛する男性を思う山の精霊は女性の霊である。『楚辞・九歌(山鬼)』

 

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄

そんな生活をしていたのに、湊で別れを告げてから櫓の音だけがむなしくものさびしく残るだけだ。まだ若くて輝いている容姿の美女なのに、怨めしく悔しい思いで居ながら薄化粧をし直している。

・櫓聲 詩的には、いさり歌であるが、ここでは女とあかれていく船の櫓お漕ぐ音というところ。

・蕭索 もの寂しいさま。うらぶれた感じのするさま。蕭条。

 

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

春先、麦の若葉が出揃い穂が出、ツバメが飛び交うものでさえ落ちたり倒れたりしている。閨の簾を巻き上げると宝飾に輝く高閣には愁い異に応じている女がいる。

・青麥 春先、麦の若葉が出揃い穂が出るまでのあいだの麦をいう。麦は、秋に種をまき、冬に芽

吹き、春、若葉を伸ばし、夏に稔る。まだ春の景色が整わない中、畑一面に萌え出た麦の

若葉の緑は目にも鮮やかなものである。小麦、大麦、ライ麦、燕麦などの麦類はイネ科の二年草で、中央、西アジアが原産。晩秋から初冬に蒔かれ、冬を越して晩春には青々とした穂が出る。これが穂麦で、初夏に黄熟し刈り取られる。世界的に栽培される麦類は大麦、小麦、ライ麦、燕麦で、世界の穀物生産の半分近くになる。

・落落 1 度量が大きくてこだわらないさま。2 物が落ちたり倒れたりしているさま。
波眼蝶0055
 

河瀆神 三首其二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-363-1-#69  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3362

温庭筠河瀆神 三首其二単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。



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河瀆神三首

其一

河上望叢祠,廟前春雨來時。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

 

其二

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

 

其三

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄。

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

 

 

河瀆神三首 其一

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

河上望叢祠,廟前春雨來時。

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

(河瀆神三首其の一)

河上 叢祠【そうし】を望み,廟前 春雨來たる時。

楚山 限り 無く鳥 飛ぶこと遲く,蘭棹【らんとう】空しく別離を傷【いた】む。

何處にか 杜鵑【ほととぎす】啼き歇【や】まざるに,豔紅【えんこう】開き盡して血の如し。

蟬鬢【ぜんびん】の美人 愁【た】たば,百花 芳草 佳節なり。

 

河瀆神三首 其二

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。

 

(河瀆神【かとくしん】三首其の二)

孤廟 寒潮に対し、西陵 風雨 蕭蕭たり。

謝娘 惆悵として欄橈に倚り、涙 流るること 玉筋 千条。

 

暮大 愁い聴く 思帰落を、早梅の香り 山郭に満つ。

首を迴らせば 両情 蕭索たり、離魂 何処にか飄泊す。

隋堤01
 

『河瀆神三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

河瀆神三首 其二

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

 

(下し文)

孤廟 寒潮に対し、西陵 風雨 蕭蕭たり。

謝娘 惆悵として欄橈に倚り、涙 流るること 玉筋 千条。

 

暮大 愁い聴く 思帰落を、早梅の香り 山郭に満つ。

首を迴らせば 両情 蕭索たり、離魂 何処にか飄泊す。

 

(現代語訳)

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。

 

(訳注)

河瀆神三首

唐の教坊の曲名。『花間集』には六首所収。温庭筠の作は三首収められている。双調四十九字、前段二十四字四句四平韻、後段二十五字四句四仄韻で、⑤⑥⑦⑥/❼❻❻❻の詞形をとる。張泌の作が一首、孫光憲の『河瀆神』参照。河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

河瀆神三首 其二

(初めて客をとった女妓がその客が旅に出るという女の情を詠う。)

前段第一句、孤廟の孤は一つを意味するが、続く句は、棹に身を寄せ、生娘ではじめての男に不安と悲しみに涙をはらはらと流すさまを言う。後段末句は、振り向けば今一つになったのに.男の愛はどこにもなく、別離の思いを抱いて、旅立っていく男は今からどこかをさまようのであろうと、よくある場面を詠っている。孤の字以外にも、寒、粛歳といった語が女の哀感を高めている。典型的な教坊の曲である。

 

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

単独に立っている廟社が寒々とした大きな流れに向かいたっている。ここ西陵峡には巫山の巫女の化身の風まじりの雨がしとしとと降る。

〇寒潮 寒々とした川の流れ。

○西陵 長江の三峡中の一つ、西陵峡。巫山の雨を連想させる。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう

美女004
 

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

あの女性は恨みがましく愁いをもってきれいな船の棹に身を寄せている。はらはらと止めどなくまるで玉飾りのように涙を流している。

○謝娘 美女、妓女あるいは、愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築き、愛妾の謝秋娘を住まわせたことに基づく。・謝娘:「あの女性」の意。詞では、若くて美しい女性、乙女という場合もある。また、謝安についての逸話に基づく場合、謝靈運を云う場合もある。

歸國遙二首 其一

香玉,翠鳳寶釵垂菉簌

鈿筐交勝金粟,越羅春水淥。

畫堂照簾殘燭,夢餘更漏促。

謝娘無限心曲,曉屏山斷續。

歸國遙二首 其一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-300-5-#54  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3047

・謝娘 おとめ。生娘。韋荘『浣渓沙』其三 

惆悵夢餘山月斜、孤燈照壁背窗紗、小樓高閣謝娘家。暗想玉容何所似、一枝春雪凍梅花、満身香霧簇朝霞。

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

若くて美しい女性を指す。乙女。マドンナ。韋荘『荷葉杯』

記得那年花下。 深夜。

初識謝娘時。

水堂西面畫簾垂。 攜手暗相期。

惆悵曉鶯殘月。 相別。

從此隔音塵。

如今倶是異鄕人。 相見更無因。

荷葉杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-258-5-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2672

惆悵 恨み嘆くこと。うらめしい。うらみがましい。

○欄橈 枠。蘭(木蘭) は棹を美化する。

○玉筋 流れる涙の筋。筋は箸。ここでは、涙の筋を玉の箸に見立てている。

 

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

夕暮れには悲しく響く「思帰の曲」はまるで杜鵑が啼くようである、山里に早梅の香りの満ちてくる頃のことだった。

○思帰落 曲調の名。ホトトギスの鳴き声。

 

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

男は帰ってゆく、振り返り見ればこの二つの心はうち沈み、別離の思いはどこかにいってさすらうことだろう。
蓮00
 

河瀆神 三首其一 温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞Gs-362-1-#68 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3357

温庭筠《河瀆神 三首其一こんなに啼くと「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

 

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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

河瀆神 三首其一 温庭筠 Ⅹ唐五代詞Gs-362-1-#68 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3357

 

 

河瀆神三首

其一

河上望叢祠,廟前春雨來時。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

 

其二

孤廟對寒潮,西陵風雨蕭蕭。

謝娘惆悵倚欄橈,淚流玉筋千條。

暮天愁聽思歸落,早梅香滿山郭。

迴首兩情蕭索,離魂何處飄泊。

 

其三

銅皷賽神來,滿庭幡蓋徘徊。

水村江浦過風雷,楚山如畫煙開。

離別櫓聲空蕭索,玉容惆悵粧薄。

青麥鷰飛落落,捲簾愁對珠閣。

 

 

河瀆神三首 其一

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

河上望叢祠,廟前春雨來時。

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

(河瀆神三首其の一)

河上 叢祠【そうし】を望み,廟前 春雨來たる時。

楚山 限り 無く鳥 飛ぶこと遲く,蘭棹【らんとう】空しく別離を傷【いた】む。

何處にか 杜鵑【ほととぎす】啼き歇【や】まざるに,豔紅【えんこう】開き盡して血の如し。

蟬鬢【ぜんびん】の美人 愁【た】たば,百花 芳草 佳節なり。

美女004
 

 

『河瀆神三首 其一』 現代語訳と訳註

(本文) 河瀆神三首 其一

河上望叢祠,廟前春雨來時。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

 

(下し文)

(河瀆神三首其の一)

河上 叢祠【そうし】を望み,廟前 春雨來たる時。

楚山 限り 無く鳥 飛ぶこと遲く,蘭棹【らんとう】空しく別離を傷【いた】む。

何處にか 杜鵑【ほととぎす】啼き歇【や】まざるに,豔紅【えんこう】開き盡して血の如し。

蟬鬢【ぜんびん】の美人 愁【た】たば,百花 芳草 佳節なり。

 

 

(現代語訳)

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

 

(訳注)

河瀆神三首

唐の教坊の曲名。『花間集』には六首所収。温庭筠の作は三首収められている。双調四十九字、前段二十四字四句四平韻、後段二十五字四句四仄韻で、⑤⑥⑦⑥/❼❻❻❻の詞形をとる。張泌の作が一首、孫光憲の『河瀆神』参照。河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

河瀆神三首 其一

(道妓の居る祠に向うもの、女妓を伴っておいて出発する者、全くおとずれの居ないもの、鳴くもの喜ぶもの道妓たちの悲喜交々を詠う。)

岸に取り残された女妓、最前から止むことなく聞こえて来る悲しい杜鴎(ホトトギス)の声。血を吐くようなその声は、女に代わって男を引き止めるかのように、「不如帰(帰るに如かず)」、「不如帰去(帰り去るに如かず)」と鳴く。そればかりか、周囲に咲く真っ赤な肺臓(ツツジ) の花は杜酷が鳴いて吐いた血に染まったものであると言い、女の悲しみを際だたせる。

 

 

河上望叢祠,廟前春雨來時。

舟の上より川岸の木立に囲まれた祠に向いながめやる。廟殿の辺りも巫女が成り変わった春雨の降り来ているころだ。

〇河上 川の上から。

〇叢祠 木立に囲まれた祠。

 

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

この雨は楚の山々にもは果てしない思いがとどき、鳥が緩やかに飛びたつ、道女が加わって舟が発ちに空しく別れを傷むものがいる。

○楚山無限 楚の山々が果てしなく続くさまを言うと同時に、男の尽きぬ別離の思いを暗示する。

○蘭柑 木蘭の木で作った棹。ここは舟に華やかな女性が加わった様を云う。この二句は、選ばれた道妓とえらばれない道妓についていう。道妓については韓愈『華山女』李商隠『聖女祠』『重過聖女祠』などあり、場面設定を明確にしないと意味が正しく理解できない。

 

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

何処にでも杜鵑は鳴くつづけ声が絶えることはない。こんなに啼けば「啼いて血を吐くホトトギス」の逸話のように赤き躑躅が血の色に染ったものだということもわかる。

ホトトギス
○杜鵑
 ホトトギス。中国では古くからホトトギスの鳴き声を「不如帰(帰るに如かず)」または「不如焔去(帰り去るに如かず)」と聞きなしてきた。蜀の望帝の春を思う心は、血を吐いて悲しげになく杜鵑(ホトトギス)に魂を托(たく)した。望帝が百余歳のころ、楚(そ)の国で鼈霊(べつれい)という男が死んだ。ところが、その死体は長江を遡(さかのぼ)り、蜀の都に流れ着いて生き返り、望帝に会いに来た。そこで、望帝は鼈霊を宰相に任命した。おりしも、蜀で大洪水が起こり、鼈霊がまるで禹と同じように活躍し、それを治めた。ところが、この後、望帝は鼈霊の妻と密通してしまい、良心の呵責(かしゃく)にさいなまれて鼈霊に位を譲った。王となった鼈霊は開明帝と称したが、望帝の方は退位後に修行を積んでホトトギスとなり、毎年春が来るたびに鳴いた。蜀の人々はその鳴き声を聞いて望帝をしのんだという。

それを知った杜宇ホトトギスは嘆き悲しみ、「不如帰去」(帰り去くに如かず。帰ることが出来ない。)と鳴きながら血を吐いた。ホトトギスの口が赤いのはそのためだ。詳しくは杜甫『杜鵑行』を参照されたい。

不如帰、杜宇、杜鵑、蜀魂、蜀鳥、杜魄、蜀魄、子規、躑躅。李白『宣城見杜鵑花』「蜀國曾聞子規鳥,宣城還見杜鵑」

杜甫『杜鵑行』

君不見昔日蜀天子,化作杜鵑似老烏。

寄巢生子不自啄,群鳥至今與哺雛。

雖同君臣有舊禮,骨肉滿眼身羈孤。

業工竄伏深樹裡,四月五月偏號呼。

其聲哀痛口流血,所訴何事常區區。

爾豈摧殘始發憤,羞帶羽翮傷形愚。

蒼天變化誰料得,萬事反覆何所無。

萬事反覆何所無,豈憶當殿群臣趨?

杜鵑行 杜甫 成都(2)浣花渓の草堂(2 -16-1)  <379 1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1831 杜甫詩1000-379-557/1500

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

酒泉子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-275-5-#29  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2922

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

楊蘊中 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-245-111-#101  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2607

蜀中三首 其三 鄭谷  唐五代詞・宋詩 薛濤-135-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2222

菩薩蠻 七』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-7-1-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1644

○艶紅開尽如山 伝説によれば、ホトトギスは周末の蜀の望帝が亡き妻を求めて化身した鳥で、鳴き続けて喉から吐いた血がツツジの花になったと逸話もある。男女間の問題で何処でも鳴き続け、血を吐くようなことはあるものだという。

 

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

若く美しい蝉の髪の女は愁うことなどまったくない、それは花咲き乱れ草薫る絶頂の良き時を過ごしているのだ。

○蝉鬢 透明で黒い麹脈の入った蝉の羽のような鬢。薄く梳いた女の鬢の毛をいう。雲型もとあり、流行があったもの。
雲髻001
 

寄人 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞 Gs-361-7-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352

張泌《寄人》 深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

2013年11月26日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(6)#2-4 文選 賦<112―6>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩960 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3348
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(26)-#24韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <873>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3349韓愈詩-220-#24
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 701 《章梓州水亭〔自注:時漢中王兼道士席謙在會,同用荷字韻。〕》蜀中転々 杜甫<608> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3350 杜甫詩1000-608-864/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 85蘇武 《詩四首 其二》 古詩源  漢詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3351 (11/26)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

寄人 張泌【ちょうひつ】Ⅹ唐五代詞 Gs-361-7-#23   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352

 

 

寄人

(愛しい人に詩をよせる。)

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

 

(人に寄す)

夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。

多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。

tsuki04
春爛漫の美女007
 

『寄人』 現代語訳と訳註

(本文)

寄人

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

 

(下し文)

(人に寄す)

夢に別れても依依として謝家に到り,小廊迴り合し 曲闌 斜めなり。

多情なるも只だ 春庭の月有り,猶お離人の爲に落花を照らす。

 

(現代語訳)

(愛しい人に詩をよせる。)

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。

 

(訳注)

寄人

(愛しい人に詩をよせる。)

・寄 手紙で送る。詩を手紙で差し出す。人 ここは、作者が客観的に待ち侘びる女のさまを詠ったもので、「少し年を取ったかもしれませんがあなただけを待ち続けているのです」と手紙を書くだろうという教坊の曲である。この頃の詩は今で云う「あるある」を宴席で披露するもので、涼州詩や塞上詩とおなじように、実体験のものである必要はないのである。

・張泌 唐末~五代・後蜀の詞人。唐末に進士となる。生没年不詳。出身地不詳。五代・後蜀の花間派(五代・『花間集』に掲載された詞人)たちの一。官は右諫議大夫史館修撰で終わる。

 

別夢依依到謝家, 小廊迴合曲闌斜。

夢の中で別れても名残が惜しくおもう、東晋の才媛・謝道韞のようなわたしがいるのです。いまは、建物の外側の小振りな廊下がぐるりととりまいて、まがった欄干は、斜めに続いているところにいるのです。 

・別夢 遙かな昔、もはやぼんやりとした別れ。 ・依依:名残惜しく、離れにくいさま。また、細々と絶えないさま。

・謝家 恋人の女性側の家。謝は、東晋の才媛・謝道韞のことで彼女の姓。こよなく可愛い女性の意で使われている。謝道韞とは、魏晋時代随一の才女といわれた東晋・謝安の姪の謝道韞のこと。謝安は姪の謝道韞をこよなく可愛がったというが、謝安や謝靈運を云う場合もある。この頃は男が女の所へ通うか、女を囲うものであるから、女の家であろう。

温庭筠『更漏子』

柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。

驚寒雁,起城烏,畫屏金遮

香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。

紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-15-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

薛濤『酬郭簡州寄柑子』「霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。」

酬郭簡州寄柑子 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-192-58-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2507

・小廊 小振りな渡り廊下。小振りなまわり廊下。建物(=正房)の両外側の廊下。 

・迴合 周囲をめぐる。周りをとりまく。

・曲闌 まがった手すり。まがった欄干。

○この二句は、女性が女妓であり、めぐり廻ってゆきつくことを意味し、いろんな女性の所に行くことを連想させ、次の「多情」につながり深い情けが浮気の心につながる。

 

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

深情けは裏を返せば浮気心というけれど、それでもただ春の庭園の上に出ているのは月のようにしています。あなたは離れていっていますが、あなたのためにひとりでまっています、庭に散って落ちた花にはいまも月光が照らし続けているのです。 

・多情:深情け。情愛が深く感じやすいこと。

韋荘『天仙子 其一』

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。唯有多情宋玉知。

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

魚玄機『和人次韻』

喧喧朱紫雜人寰,獨自清吟日色間。

何事玉郎搜藻思,忽將瓊韻扣柴關。

白花發詠慚稱謝,僻巷深居謬學顏。

不用多情欲相見,松蘿高處是前山。

和人次韻 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-118-53-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2137

・只有 ただ…だけがある。ただ…よりほかはない。 

春庭月 また来た春の庭園の上に出ている月。春は眠っている性の情が戻ってくる季節である。春庭は行楽を云う。

・離人 直近まで一緒にいたが別れていった人。離れていった過去の恋人。薛濤『送鄭資州』「雨暗眉山江水流,離人掩袂立高樓。雙旌千騎駢東陌,獨有羅敷望上頭。」

送鄭資州 薛濤 唐代詞・宋詩 薛濤-194-60-#54  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2517

・照 てらしだす。 

・落花 散って落ちた花。また、花が散り落ちる女のことで、年増になった女を云う。

蝴蝶兒 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-360-7-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3347

張泌《蝴蝶兒 一首》ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。


2013年11月25日  の紀頌之5つのブログ
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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蝴蝶兒 一首 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-360-7-#22   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3347

 

 

蝴蝶兒

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)
蝴蝶兒,晚春時,
かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、
阿嬌初著淡黃衣,倚
學畫伊。

阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

還似花間見,雙雙對對飛。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

波眼蝶0055
 

 

『蝴蝶兒』 現代語訳と訳註

(本文)

蝴蝶兒

蝴蝶兒,晚春時,阿嬌初著淡黃衣,倚學畫伊。

還似花間見,雙雙對對飛。

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

 

(下し文)

(蝴蝶兒【こちょうじ】)

蝴蝶兒,晚春の時,阿嬌【あきょう】初めて淡黃の衣を著けて,り 伊【これ】を畫くを學ぶ。

還た花間 見るに似たり,雙雙とし 對對として飛ぶ。

端無くも淚を和して 鷰脂【えんし】を拭【ぬぐい】,惹【さそ】いて雙翅【そうし】垂れ教【し】む。

 

(現代語訳)

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)

かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

agehacho01
 

(訳注)

蝴蝶兒

(うら若い女が楽しくお付き合いをしていて窓辺で蝶の絵を描くが、すぐに棄てられてしまった。そのさまを詠う。)描かれた番の蝶は、楽しそうで花から花へと並び飛ぶえであったものが、ほかの女のもとに行った男を思い、思わず絵に涙を落とす。そして、慌てて濡れた腋脂の色をぬぐうと、蝶の絵は二枚の羽を垂れた姿に変わったと述べる。媒の絵を見て悔しい思い涙を落とした。

『花間集』には張泌の一首のみ所収。曲名が作品冒頭の語になっていること、またこの曲名の作品は、張泌以外にはないことからすると、彼の創作曲である。双調四十字、前段十八字四句四平韻、後段二十二字四句三平韻で、③③⑦⑤/5⑤⑦⑤の詞形をとる。

 

蝴蝶兒,晚春時,阿嬌初著淡黃衣,倚學畫伊。

かわいらしい蝶のような子、春もおわろうとするころ、阿矯ちゃんは初めて薄黄の衣を身に着けたのです。こんどは窓近くいて、習いたての絵を描いているのはそれも胡蝶の絵なのです。

胡蝶児 胡蝶に同じ。児は接尾辞。多く愛らしいものや小さいものに付ける。「・・・・ちゃん」という雰囲気の類。

阿嬌 少女の名。阿は呼びかけの接頭語。ここでは少女を意味する。「かわいこちゃん」という雰囲気の類。

 指示代名詞。ここでは蝶を指す。

 

還似花間見,雙雙對對飛。

ここにいる男女は「花間の蝶」、この子は今好きな人を考えて楽しい時だから二つながら、一つになって留まっているし、番となりて並んで飛ぶ絵を描いてるのです。

還似花間見 この句は男女の関係、性交を云うもので、花が女で、蝶が男ということでの花間に見るようだということ『花間集』の象徴ともいえるくである。還は、やはり。だからこそ、絵の蝶は「やはり」花の間を飛ぶ、本当の蝶のようだの意。好きな人とうまくいっている時には、思うことも、絵にかいても二つ、つがいに書くという女心を云う。今だったら相合傘を書くということだ。

DCF00104
 

無端和淚拭鷰脂,惹教雙翅垂。

それがどうでしょう、今この子は、訳もなく涙を落して絵がにじんでしまった、絵にそんなことを引き起こしたので、燕脂の色で拭ってみると、胡蝶の羽が垂れ下れてしまった。もう、楽しく飛ぶ蝶ではなくなってしまったのです。

無端 故なく、訳もなく。

和涙拭燕脂 涙で濡れた蝶の絵の燕脂の色をぬぐう。

 引き起こす。

河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

張泌河瀆神 一首 古木にからすや、冬の烏鳴がき騒ぎ、庭一面を覆う楓樹に庭に落ち葉、紅葉などふくめて秋の花がいっぱいである。真昼時というのに薄い帳がかかり、その奥深くには灯明ともり、絵が壁に描かれた祠の楼閣に下がる珠簾斜めになびく。

2013年11月24日  の紀頌之5つのブログ
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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河瀆神 一首 張泌【ちょうひつ】Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-359-7-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3342

 

河瀆神 一首

(道女の祠にも冬が来たと夜が早く来るその景色をうたう)

古樹噪寒鴉,滿庭楓葉蘆花。

古木にからすや、冬の烏鳴がき騒ぎ、庭一面を覆う楓樹に庭に落ち葉、紅葉などふくめて秋の花がいっぱいである。

晝燈當午隔輕紗,畫閣珠簾影斜。

真昼時というのに薄い帳がかかり、その奥深くには灯明ともり、絵が壁に描かれた祠の楼閣に下がる珠簾斜めになびく。

門外往來祈賽客,翩翩帆落天涯。

門前を行き交うのは参詣の人や道女の客の群れであり、ひらひらと水面の果てに帆船が消え行く。

迴首隔江煙火,渡頭三兩人家。

振り向けば川を隔てる渡し場に迎えのかがり火がたかれ、、埠頭に火を焚き、その向こうに人家が二つ三つとならぶ。

河瀆神【かとくしん】 一首

古樹 寒鴉【かんあ】噪【さわ】がしく,庭を滿る 楓葉【ふうよう】蘆花【ろか】。

晝燈【ちゅうとう】午に當りて輕紗【けいさ】を隔て,畫閣 珠簾 影斜【なな】めなり。

門外 往來す祈賽【きさい】の客,翩翩【へんぺん】たる帆は天涯に落つ。

首を迴らせば 江を隔つる煙火あり,渡頭 三つ兩つの人家あり。

 


『河瀆神一首』現代語訳と訳註

(本文)

河瀆神 一首

古樹噪寒鴉,滿庭楓葉蘆花。

晝燈當午隔輕紗,畫閣珠簾影斜。

門外往來祈賽客,翩翩帆落天涯。

迴首隔江煙火,渡頭三兩人家。


(下し文)

河瀆神【かとくしん】 一首

古樹 寒鴉【かんあ】噪【さわ】がしく,庭を滿る 楓葉【ふうよう】蘆花【ろか】。

晝燈【ちゅうとう】午に當りて輕紗【けいさ】を隔て,畫閣 珠簾 影斜【なな】めなり。

門外 往來す祈賽【きさい】の客,翩翩【へんぺん】たる帆は天涯に落つ。

首を迴らせば 江を隔つる煙火あり,渡頭 三つ兩つの人家あり。


(現代語訳)

(道女の祠にも冬が来たと夜が早く来るその景色をうたう)

古木にからすや、冬の烏鳴がき騒ぎ、庭一面を覆う楓樹に庭に落ち葉、紅葉などふくめて秋の花がいっぱいである。

真昼時というのに薄い帳がかかり、その奥深くには灯明ともり、絵が壁に描かれた祠の楼閣に下がる珠簾斜めになびく。

門前を行き交うのは参詣の人や道女の客の群れであり、ひらひらと水面の果てに帆船が消え行く。

振り向けば川を隔てる渡し場に迎えのかがり火がたかれ、、埠頭に火を焚き、その向こうに人家が二つ三つとならぶ。

 nanda019


(訳注)

河瀆神 一首

(道女の祠にも冬が来たと夜が早く来るその景色をうたう)

『花間集』には張泌の作が一首収められている。双調四十九字、前段二十四字四句四平韻、後段五字四句四灰韻で、⑤⑥⑦⑥/❼❻❻❻の詞形をとる。温庭筠、孫光憲の『河瀆神』参照。

水神を祀る社とその周辺の道女の祠と娼屋と周辺の模様を詠う。前段は、冬を迎える社を覆う古木、烏、楓、蘆の花、祠の高閣の珠簾、灯明をかかげてきゃくをむかえるのを描き、後段は、社の外の参拝客、川を行く帆船、娼屋の燈火が上る二、三軒の人家の様を描く。


古樹噪寒鴉,滿庭楓葉蘆花。

古木にからすや、冬の烏鳴がき騒ぎ、庭一面を覆う楓樹に庭に落ち葉、紅葉などふくめて秋の花がいっぱいである。

○寒鴉 秋から冬にかけての烏。『鴉』(からす)

○楓 マンサク科の落葉高木。カエデではない。

○蘆花 アシの花穂。蘆には秋という意味があり「秋の花」庭に落ち葉、紅葉などふくめて秋の花がいっぱいであること。


晝燈當午隔輕紗,畫閣珠簾影斜。

真昼時というのに薄い帳がかかり、その奥深くには灯明ともり、絵が壁に描かれた祠の楼閣に下がる珠簾斜めになびく。

○畫閣 絵が壁に描かれた祠の楼閣。珠簾とあるところから、道女、聖女妓の祠であることがわかる。


門外往來祈賽客,翩翩帆落天涯。

門前を行き交うのは参詣の人や道女の客の群れであり、ひらひらと水面の果てに帆船が消え行く。

○祈賽 祈は御利益を祈る、賽は神の加護に感謝を捧げる。○翩翩 ばたばたとはためくさま。

落天涯 水平線の彼方に消え去る。


迴首隔江煙火,渡頭三兩人家。

振り向けば川を隔てる渡し場に迎えのかがり火がたかれ、、埠頭に火を焚き、その向こうに人家が二つ三つとならぶ。

〇煙火 煙と火。

○渡頭 渡し場。
Flower1-004

江城子 二首其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-358-7-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3337

張泌《江城子 二首其二》花さき乱れる浣花渓に訪れては男女の仲睦まじい所をよく見かける。それなのに悲秋といわれるころにはまぶたに涙を浮かべてつきがあかるく水面を照らすのを見つめている。こうした女たちとは気軽くお付き合いするということなのだろう。


2013年11月23日  の紀頌之5つのブログ
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班孟堅(班固)《西都賦》(3)#2-1 文選 賦<112―3>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩957 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3333
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(23)-#21韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <870>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3334韓愈詩-220-#21
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 698 《王命》 蜀中転々 杜甫<605>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3335 杜甫詩1000-605-861/1500
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 江城子 二首其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-358-7-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3337
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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江城子 二首其二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-358-7-#20   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3337

 

 

江城子 二首 其一

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

飛絮落花,時節近清明。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

(江城子 二首 其の一)

碧の欄干の外 中庭小さくし,雨初めて晴れ,曉の鶯は聲す。

絮を飛し 花を落す,時節は清明に近ずく。

睡りから起きて簾を捲く 一の事も無し,面を勻え了り,心も情も沒【な】くす。

 春爛漫の美女007

其二

(今を盛りの女妓は別離に涙を浮かべていたのにもう別の男と付き合っているのでインタビューしてみると答えてくれた)

浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

花さき乱れる浣花渓に訪れては男女の仲睦まじい所をよく見かける。それなのに悲秋といわれるころにはまぶたに涙を浮かべてつきがあかるく水面を照らすのを見つめている。こうした女たちとは気軽くお付き合いするということなのだろう。

綠雲高綰,金族小蜻蜓。

両鬢にみどりの黒髪を雲型にし頭の中央には、高く束ねて流行の髪型にしている。流行の小さなトンボの金細工の飾りをつけている。

好是問他來得磨?和笑道:莫多情。

いい場にめぐり合わせたので、その女の人に聞いてみる「ここに来て何をするの?」と。そうしたら、笑って答えてくれる。「激しく思ってくれ過ぎるもの厭だし、いくら気楽に付き合うといっても、浮気心が多いのもいやですね。」と。

江城子 二首其の二

浣花溪の上【ほと】り卿卿するを見る,臉波 秋水明るく,黛眉 輕し。

綠雲 高綰にして,金族の小蜻蜓あり。

是を好とし 他に問う「來りて磨を得んや?」和かに笑うて道う「多情する莫れ。」と

 

木蓮001
 

 

『江城子 二首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

江城子 二首 其二

浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

綠雲高綰,金族小蜻蜓。

好是問他來得磨?和笑道:莫多情。

 

(下し文)

江城子 二首其の二

浣花溪の上【ほと】り卿卿するを見る,臉波 秋水明るく,黛眉 輕し。

綠雲 高綰にして,金族の小蜻蜓あり。

是を好とし 他に問う「來りて磨を得んや?」和かに笑うて道う「多情する莫れ。」と

 

(現代語訳)

(今を盛りの女妓は別離に涙を浮かべていたのにもう別の男と付き合っているのでインタビューしてみると答えてくれた)

花さき乱れる浣花渓に訪れては男女の仲睦まじい所をよく見かける。それなのに悲秋といわれるころにはまぶたに涙を浮かべてつきがあかるく水面を照らすのを見つめている。こうした女たちとは気軽くお付き合いするということなのだろう。

両鬢にみどりの黒髪を雲型にし頭の中央には、高く束ねて流行の髪型にしている。流行の小さなトンボの金細工の飾りをつけている。

いい場にめぐり合わせたので、その女の人に聞いてみる「ここに来て何をするの?」と。そうしたら、笑って答えてくれる。「激しく思ってくれ過ぎるもの厭だし、いくら気楽に付き合うといっても、浮気心が多いのもいやですね。」と。

 

 

(訳注)

江城子 二首 其二

(今を盛りの女妓は別離に涙を浮かべていたのにもう別の男と付き合っているのでインタビュうーしてみると答えてくれた)

張泌:唐末~五代・後蜀の詞人。唐末に進士となる。生没年不詳。出身地不詳。五代・後蜀の花間派(五代・『花間集』に掲載された詞人)たちの一。官は右諫議大夫史館修撰で終わる。

 

浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

花さき乱れる浣花渓に訪れては男女の仲睦まじい所をよく見かける。それなのに悲秋といわれるころにはまぶたに涙を浮かべてつきがあかるく水面を照らすのを見つめている。こうした女たちとは気軽くお付き合いするということなのだろう。

・卿卿 昵懇の間柄。貴人と逢ってうれしい状況を云う。男女の情事の際の声を意味する。形容夫妻或相的男女十分昵人は手に手を取っていつまでも語り合い,仲むつまじい限りだ。

牛嶠『菩薩蠻七首 其三』

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

樓上望卿卿寒新雨晴。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

何處有相知,羨他初畫眉。

 

菩薩蠻七首 其二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

今宵求夢想,難到青樓上。

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

菩薩蠻七首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-331-6-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3202

 

 

 

綠雲高綰,金族小蜻蜓。

両鬢にみどりの黒髪を雲型にし頭の中央には、高く束ねて流行の髪型にしている。流行の小さなトンボの金細工の飾りをつけている。

・綰1 髪をかき上げて束ねる。「人皆は今は長しと―・けと言へど」〈万・一二四〉2 舟をあやつる。「大舟を荒海(あるみ)に漕ぎ出で八()舟―・け我が見し児らがまみは著(しる)しも」〈万・一二六六〉3 《「だく」とも》手綱をあやつる。

・蜻蜓 とんぼ。ここでは髪飾り。

 

好是問他來得磨?和笑道:莫多情。

いい場にめぐり合わせたので、その女の人に聞いてみる「ここに来て何をするの?」と。そうしたら、笑って答えてくれる。「激しく思ってくれ過ぎるもの厭だし、いくら気楽に付き合うといっても、浮気心が多いのもいやですね。」と。

江城子二首 其一

恩重嬌多情易傷,漏更長,解鴛鴦。

朱唇未動,先覺口脂香。

緩揭繡衾抽皓腕,移鳳枕,枕潘郎。

103 江城子 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-295-5-#49  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3022

 

『天仙子 其一』 

惆望前回夢裏期、看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢。

眉眼細、鬢雲垂。

唯有多情宋玉知。

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897
美女004
 

江城子 二首 其一 張泌ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332

張泌《江城子 二首 其一》眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

 

2013年11月22日  の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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江城子 二首 其一 張泌Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332 

 

江城子 二首 其一

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

飛絮落花,時節近清明。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

(江城子 二首 其の一)

碧の欄干の外 中庭小さくし,雨初めて晴れ,曉の鶯は聲す。

絮を飛し 花を落す,時節は清明に近ずく。

睡りから起きて簾を捲く 一の事も無し,面を勻え了り,心も情も沒【な】くす。

 

其二

浣花溪上見卿卿,臉波秋水明,黛眉輕。

綠雲高綰,金族小蜻蜓。

好是問他來得磨?和笑道:莫多情。

 美女画557

 

『江城子 二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

江城子 二首 其一

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

飛絮落花,時節近清明。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

 

 

(下し文)

(江城子 二首 其の一)

碧の欄干の外 中庭小さくし,雨初めて晴れ,曉の鶯は聲す。

絮を飛し 花を落す,時節は清明に近ずく。

睡りから起きて簾を捲く 一の事も無し,面を勻え了り,心も情も沒くす。

 

 

(現代語訳)

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

 

(訳注)

江城子 二首 其一

(清明節の行楽の時節に、だれともよていはないのに、化粧も済ませてはいるが、何事もおこらない。心に、何もなくなった女を詠う。)

『花間集』には張泌の■作が二百収められている。単調三十五字、八句五平韻で、⑦③③4⑤73③の詞形をとる。

一夫多妻制の時代には、男は女の家に行く通い婚もあり、自宅に家妓として囲う場合も考えられる。清明節を過ぎると春も終わりごろになる。中庭を小さくするのは、野に出たり、庭において行楽(靑姦)が全く期待が持てないことを意味している。つまり、年増になって男が寄り付かなくなったということである。その女の春の朝の物憂い心情を詠う。清明節は春の行楽の時節であり、化粧も済ませてはるが、何事もない。思ってくれることも、愛してくれることも全くなくなってしまった。蛇足ではあるがこうして女は、道教の寺観に入るのである。蓄えのあった女は、個室であり、ない女は、道妓として糧を得ることになる。

韋荘、牛嶠の『江城子』参照。欧陽烱については後日掲載する。

103 江城子 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-295-5-#49  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3022

104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192

 

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

碧の手すりその先には行楽の幔幕中庭がの小さくしきられている、夜の雨は明け方には晴れ上がっていて、暁の鶯の声が聞こえてくる。

・碧欄 東側の欄干。東にいるであろう男を連想させる。

・小中庭 春は野に出たり幔幕を張り、筵を引く、庭において行楽(靑姦)が全く期待が持てないことを意味している。つまり、年増になって男が寄り付かなくなったということである。

・曉鶯聲 鶯は早春の暁に春を告げるために啼くものであり、ここでは晩春になっているので、他の部屋、或は別の中にはで、他の女妓のエクスタシーの声が聞こえてくるというもの。

 

飛絮落花,時節近清明。

柳絮は風に舞い飛び散り、春の花は皆落ちてしまう、清明節が間近にくる。

・清明 春分から数えて十五日目。二十四節気の一つ。現在の四月四、五日頃。韋荘の詞と極似あひている。

韋荘『河傳其三』

錦浦,春女,繡衣金縷,霧薄雲輕。

花深柳暗,時節正是清明雨初晴

玉鞭魂斷煙霞路,鶯鶯語,一望巫山雨。

香塵隱映,遙見翠檻紅摟,黛眉愁。

 

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

眠れない夜を過ごし、うとうととした眠りより起き、簾を巻き上げてもする何事もかわるものは何もない。だけど、若しかと思い朝化粧に変えてはみる。もうあの人には、私を築かい心は全くなくなってしまったのだろう。

●この聯は経過時間が結構ある。そうしたことで、やるせない女の心情を強調している。

しかし、表面的には閨怨詩としての語句を並べ替えたような詩ではある。したがって、女の内面を表現するのに物憂げな時間経過を利用していることに着目することが重要と考える作品である。杏の花01

南歌子 三首之三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-356-7-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3327

張泌南歌子 三首 其三行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。


2013年11月21日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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南歌子 三首之三 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-356-7-#18   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3327

 

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

(南歌子三首 其の一)

柳色 樓を遮りて暗く,桐花 落砌【みぎり】香し。

畫堂 開く處 遠風 涼しく,高く水精の簾額を卷けば,斜陽を襯【つ】く。
hayashi880

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南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧の殘夢,畫屏空しうす。

hayashi880
 

南歌子三首 其三

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

 

(南歌子三首 其の三)

錦薦 紅の鸂鶒,羅衣 繡の鳳凰。

綺疎 飄雪 北風の狂,簾幕 盡く垂れ 事無し,金香鬱にす。

 

杏の花01
 

『南歌子三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

南歌子三首 其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

 

 

(下し文)

(南歌子三首 其の三)

錦薦 紅の鸂鶒,羅衣 繡の鳳凰。

綺疎 飄雪 北風の狂,簾幕 盡く垂れ 事無し,金香鬱にす。

 

 

(現代語訳)

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

 

 

(訳注)

南歌子三首 其三

(秋も過ぎ、ふゆがきても、閨の準備は満ち足りた時と何も変わらない、気持ちはふさぎ込むだけである。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。単調二十六字、五句三平韻で、5⑤⑦6③の詞形をとる。

春が来ても来てくれない、晩春の日傾く頃になってこない。夏になってもこない、作中の主人公の思いは、遙か彼方へと向かい、もうあきらめてしまうしかない。

温庭筠『南歌子』は下記に示す。

『南歌子七首』(一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-30-5-#8 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1736

『南歌子七首』(二)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-31-5-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1740

『南歌子七首』(三)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-32-5-#10 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1744

『南歌子七首(四)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748

『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752

『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756

『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760

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錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

行楽に行っても錦の筵を敷きこめていたし、頬を赤くした女は鴛鴦のように寄り添っていた。閨では薄絹の着物を着ていてそれには寶應の刺繍で飾ってあり、満ち足りた日々であった。

・薦1 マコモを粗く編んだむしろ。現在は多く、わらを用いる。こもむしろ。「荷車に―を掛ける」2 「薦被(こもかぶ)2」の略。おこも。3 (「虚無」とも書く)「薦僧(こもそう)」の略。4 マコモの古名。

・鸂鶒 おしどり。

 

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

閨にはうつくしい模様をきざみこんだ彫刻があるが女の心には北風が吹き荒れ雪が舞い飛んでしまっている。簾ととばりもすべておろして何事無かったようにあの人を待ち受けている、黄金に耀いた飾にお香をたいているけれど気持ちは晴れ晴れとすることはなくふさぎ込む。

・綺疎 うつくしい模様をきざみこんだ彫刻、綺疏)、綺窓(キソウ=模様で飾った窓)

・飄雪 雪が風に吹かれ舞い飛ぶ、雪の花をいう。

・鬱 はればれしない気分のこと。


南歌子 三首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-355-7-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3322

張泌南歌子 三首 其二あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

2013年11月20日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固) 《兩都賦序》(8) 文選 賦<111―8>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩954 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3318
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(20)-#18韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <867>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3319韓愈詩-220-#18
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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南歌子 三首 其二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-355-7-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3322

 

 

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧の殘夢,畫屏空しうす。

 

其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

隋堤01
 

 

『南歌子三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

南歌子三首 其二

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

 

(下し文)

(南歌子三首 其の二)

岸の柳は煙綠に拖【ひ】きて,庭花は日に照えて紅なり。

數聲 蜀の魄 簾櫳に入り,驚斷す 碧殘夢,畫屏空しうす。

 

(現代語訳)

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

 

(訳注)

南歌子三首 其二

(諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、そこには寂蓼だけがのこるを詠う。)

晩春、窓辺近く屏風に囲まれて午醇をとっていた女性は、ホトトギスの鳴き声に、夢から覚めて、身.人の現実に返り、つくづくと空しさを覚える。彼女が見ていたのは、旅に出て帰らぬ男が帰ってきた夢か、あるいは男を尋ね求めて行った夢に違いない。それは、夢を破ったのがホトトギスの声であることから知れる。「畫屏空」は、諦めてはいたが杜鵑、夢、人の動きによって心が動かされるものの、二人だけの世界を作る屏風も、空しく広げられたままになっていることを言う。

 

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

岸の柳は今年も芽を吹き、もう縁の靄のようになっている、中庭の花には、日に映えて紅が一層美しい。

・煙綠 春に柳の若葉がいっぱいに広がった様子を云う。夏の表現では緑が濃い、鬱蒼、暗いという語を使う。土手の補強に官が植えることが多く、花街は水郷と柳は一体のものである。春、岸、柳、煙、これは前の春にここで別れたことを意味する。

・照日紅 花に日が射してその赤い色が生えることを云うが、これは男との佳き日を意味する。

 

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

あちこちでホトトギス鳴く声が聞こえ、簾かかる連子窓越しに誰かが入って來る、窓近き名残りの夢は破られたがもしかあの人かと思うが、絵屏風の虚しく寂しい。

・蜀魄 杜鵑。ホトトギス。蜀魂ともいう。杜鵑  ほととぎす。蜀の望帝の春を思う心は、血を吐いて悲しげになく杜鵑(ホトトギス)に魂を托(たく)した。(そのように、血を吐きながらなく思いである)。詳しくは杜甫杜鵑参照されたい。

不如帰、杜宇、杜鵑、蜀魂、蜀鳥、杜魄、蜀魄、子規、躑躅。李白宣城見杜鵑花蜀國曾聞子規鳥,宣城還見杜鵑

杜甫『杜鵑行』

君不見昔日蜀天子,化作杜鵑似老烏。

寄巢生子不自啄,群鳥至今與哺雛。

雖同君臣有舊禮,骨肉滿眼身羈孤。

業工竄伏深樹裡,四月五月偏號呼。

其聲哀痛口流血,所訴何事常區區。

爾豈摧殘始發憤,羞帶羽翮傷形愚。

蒼天變化誰料得,萬事反覆何所無。

萬事反覆何所無,豈憶當殿群臣趨?

杜鵑行 杜甫 成都(2)浣花渓の草堂(2 -16-1)  <379 1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1831 杜甫詩1000-379-557/1500

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

酒泉子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-275-5-#29  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2922

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

楊蘊中 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-245-111-#101  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2607

蜀中三首 其三 鄭谷  唐五代詞・宋詩 薛濤-135-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2222

菩薩蠻 七』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-7-1-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1644

○簾櫳 カーテンのかかった連丁窓。
ホトトギス
 槐002

南歌子三首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-354-7-#16  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3317

張泌南歌子三首 其一柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

2013年11月19日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固) 《兩都賦序》(7) 文選 賦<111―7>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩953 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3313
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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南歌子三首 其一 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-354-7-#16   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3317

 

 

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

其二

岸柳拖煙綠,庭花照日紅。

數聲蜀魄入簾櫳,驚斷碧殘夢,畫屏空。

 

其三

錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。

綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。

隋堤01
 

 

『南歌子三首 其一』 現代語訳と訳註

百舌鳥02
(
本文)

南歌子三首 其一

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽。

 

 

(下し文)

南歌子三首 其一

柳色 樓を遮りて暗く,桐花 落砌【みぎり】香し。

畫堂 開く處 遠風 涼しく,高く水精の簾額を卷けば,斜陽を襯【つ】く。

 

 

(現代語訳)

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

 

(訳注)

南歌子三首 其一

(春も過ぎ、夏も過ぎようと、気持ちは遙か彼方へと向かい、女はもうあきらめてしまうしかない。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。単調二十六字、五句三平韻で、5⑤⑦6③の詞形をとる。

春が来ても来てくれない、晩春の日傾く頃になってこない。夏になってもこない、作中の主人公の思いは、遙か彼方へと向かい、もうあきらめてしまうしかない。

温庭筠『南歌子』は下記に示す。

『南歌子七首』(一) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-30-5-#8 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1736

『南歌子七首』(二)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-31-5-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1740

『南歌子七首』(三)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-32-5-#10 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1744

『南歌子七首(四)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-33-5-#11 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1748

『南歌子七首(五)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-34-6-#12 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1752

『南歌子七首』(六)温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-35-7-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1756

『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760

 

柳色遮樓暗,桐花落砌香。

柳はすっかりみどりの色を茂らせては高殿を遮って影暗くしている、桐の花はこの世界のみぎりの石に散り落ちていく。

・砌 香は修飾的な詩的冠語。みぎり【砌】とは。意味や解説。《「水限(みぎり)」の意で、雨滴の落ちるきわ、また、そこを 限るところからという》1 時節。おり。ころ。石または煉瓦のきざはし(階段)。室内から庭へおりるところにある段。砌は石または煉瓦のきざはしの段をいうが、部屋から庭に出るポーチの角。薛濤、魚玄機も多く使う。女性らしい、細かい景色の描写の一つになる。『女妓を詠う詩によく登場する。世界間の区切りを示すものである。

薛濤『金燈花』

闌邊不見蘘蘘葉,下惟翻艷艷叢。

細視欲將何物比,曉霞初疊赤城宮。

金燈花 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-154-26-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2317

薛濤 『鴛鴦草』

綠英滿香砌,兩兩鴛鴦小。

春日長,不管秋風早。

鴛鴦草 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-137-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2232

魚玄機 『遣懷』

閑散身無事,風光獨自遊。

斷雲江上月,解纜海中舟。

琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。

叢篁堪作伴,片石好為儔。

燕雀徒為貴,金銀誌不求。

滿杯春酒綠,對月夜窗幽。

澄清沼,抽簪映細流。

臥牀書冊遍,半醉起梳頭。

遣懷 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-103-38-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2062

魚玄機『期友人阻雨不至』

雁魚空有信,雞黍恨無期。

方籠月,褰簾已散絲。

近泉鳴畔,遠浪漲江湄。

思悲秋客,愁吟五字詩。

期友人阻雨不至 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-100-36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2047

魚玄機『寄飛卿』

階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。

月中鄰樂響,樓上遠山明。

珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。

嵇君懶書劄,底物慰秋情。

寄飛卿 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋Gs-104-39-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2067

 

畫堂開處遠風涼,高卷水精簾額,襯斜陽

夏が来て女妓の閨の窓を開ければ遠くより吹き寄せる風涼しい、水晶の簾を巻き掲げてば、夕日の光射し入り来る。

・開処 開け放った時、開け放つと。

・簾額 簾の上端の部分。ここでは簾の意。

・襯斜陽 夕日の光が体に貼り付くように射し込んで来る。

海棠花05
 

酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-353-7-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3312

張泌酒泉子 二首之二都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。
 

 

2013年11月18日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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班孟堅(班固) 《兩都賦序》(6) 文選 賦<111―6>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩952 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3308
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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酒泉子 二首之二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-353-7-#15   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3312

 

 

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 長安城の位置関係

 

『酒泉子二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

(下し文)

酒泉子二首 其の二

紫陌【しはく】青門,三十六宮 春色。

御溝 輦路 暗く相い通ず,杏園の風。

咸陽 沽酒 寶釵の空,笑指 未央 歸り去る。

插花をし 走馬 殘紅を落す,月明の中【うち】。

 

(現代語訳)

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。

 

 

(訳注)

酒泉子二首 其二

(見向きもされない女性の悲しみを詠う。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。双調四十三字、前段二十字四句二平韻二仄韻、後段二十三字四句二平韻で、4❻⑦③/7⑥⑦③の詞形をとる。

女性の孤閏の悲しみを詠う。前段、長安近郊の秦の都、漢の未央宮を詠い、女の身にも昔華やかな時代があったことを連想させ、春景色を詠い、北の五陵の高級居住地域の貴公子を詠い、女性の孤独を際立たせている。

 

紫陌青門,三十六宮春色。

都の街路の東には靑門の春明門があり、漢の武帝の作った三十六か所の宮殿にある景色に染められている。

・紫陌【しはく】都の街路。都の市街。

・三十六宮 漢の武帝がつくった三十六か所の宮殿。李賀『金銅仙人辭漢歌』

杏の花01
 

御溝輦路暗相通,杏園風。

宮中の庭を流れる溝水路、天子の車の通路のどちらも人知れず通ってゆける道である。曲江の杏園に春風は吹く。

・御溝 御溝水の用語解説 - 宮中の庭を流れる溝の水。曲江の芙蓉苑に向かう運河。

・輦路 輦道(れんどう)」に同じ天子の車の通路。興慶宮から曲江の杏園に向かう専用道路。

・杏園 長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 

・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

 

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

御陵を背にして秦の咸陽の街があり、酒屋で酒を手にし、宝玉の簪には空しい春である。そんなことをわらいとばして、漢で栄えた未央宮を去りかえっていく。

・咸陽 秦朝の首都として大いに栄えた。風水においては山・丘・阜などの南側、河・江・川・湖などの水辺の北側を陽と言う。この都市は九嵕山の南、渭水の北に当たり「咸陽」なためにこの名前がついた。

・沽酒 酒を売買すること。また、その酒。

・未央 前漢の都である長安の南西部にあった宮殿であり、前漢の皇帝の居場所であった。 『三輔黄図』によると漢の高祖7年に、少府陽城延の指揮のもと、丞相蕭何が主導して造営を開始した。

 

插花走馬落殘紅,月明中。

貴公子たちは花を挿し、馬を我が物顔で走らせ、春も終わりころの残った赤い花も落ち始めている。私の所には今日も来てくれないのか、月はまだ真上にあるというのに。
 Ta唐 長安近郊圖  新02

酒泉子 二首之一 張泌【ちょうひつ】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-352-7-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3307

張泌《酒泉子 二首之一》 壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。
 

2013年11月17日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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酒泉子 二首之一 張泌【ちょうひつ】 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-352-7-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3307

 

 

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

野鴨0111

 

『酒泉子二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子二首 其一

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

 

(下し文)

春雨 窓を打ち、夢を驚かせ覚め来たれは 天気 暁なり。

画堂 深く、紅焔 小さく、蘭鉦【らんこう】を背く。

酒の香り 鼻を噴ち 懶【ものう】く缸【かめ】を開き、惆悵す 更に人の酔いを共にする 無きに。

舊巢の中,新しき鷰子,雙雙と 語る。

 

(現代語訳)

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しいのは酌み交わす人がいないことなのだ。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

宮島(10)
(訳注)

酒泉子二首 其一

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

『花間集』には張泌の作が二首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻二仄韻、後段二十三字五句二平韻で、④❼3❸③/⑦733③の詞形をとる。

女性の孤閏の悲しみを詠う。末尾の、去年の古巣に新しい番の燕がやって来て仲良く鳴き交わしているとは、女性の孤独を際立たせている。

 

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

春雨は窓を打つ、うとうとして夢におどろいて、目が覚めてみれば、もう夜が明けはじめたはれた空にかわる。

天気暁 空の気配は明け方。時は既に暁であることを言う。

 

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

壁に絵がかかれた奥まった閨には、火影小さく、燭台に背を向け横になっている。

背蘭鉦 灯火の光が日に入らぬよう背ける。

 

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

酒に頼るしかなく物憂げに酒の甕を取れば酒の香りは鼻打つ、やるせなく悲しきのは酌み交わす人がいないことなのだ。

酒香唱鼻 酒の香りが鼻を打つ。

 

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

二人の愛の古巣には、新しき番いの燕だけが、仲睦まじく語らい、鳴き交わす

燕子 燕。子は接尾字。
ホトトギス
 

河傳 二首之二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-351-7-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3302

張泌《河傳 二首之二》太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。


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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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河傳 二首之二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-351-7-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3302

 

 

河傳 二首 其二

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

 河傳 二首 其の二

紅の杏,枝を交え 相いに映え,密密として濛濛たり。

一庭 豔を濃くし 東風に倚り,香融け,簾櫳を透る。

陽に斜して 共に春光語るに似て,蝶 舞を爭い,更に引く 鶯妬に流るを。

魂銷え 千片 玉樽の前にし,神仙なり,瑤池 醉うて天暮る。

杏の花01
 

『河傳 二首之二』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳 二首 其二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

 

 

(下し文)

河傳 二首 其の二

紅の杏,枝を交え 相いに映え,密密として濛濛たり。

一庭 豔を濃くし 東風に倚り,香融け,簾櫳を透る。

陽に斜して 共に春光語るに似て,蝶 舞を爭い,更に引く 鶯妬に流るを。

魂銷え 千片 玉樽の前にし,神仙なり,瑤池 醉うて天暮る。

 

 

(現代語訳)

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

カンナ113
 

 (訳注)

河傳 二首 其二

(年を重ねて見向きも去れない女妓をうたう)その二

「花間集』には張泌の作が二首収められている。変調五十一字、前段二十二字六句五仄韻、後段二十九字六句六仄韻で、❷4❹❼❷❸/❼❸❺/❼❷❺の詞形をとる。

前段は、女としてこんなにも愛されていたということを云い、中段で、他の女に向かい、男の足が遠のくのを必死で取り返そうとする。後段ではもはや仙人のように毎日飲んだくれて過ごす女を詠う。

 

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

紅いあんずの花のような女、あのころは枝を混交差させ、互いに華やいでいたもの。親密に細やかに愛され、心はあの人のことだけで他の者はまるでみえなかった。

・杏 ・杏花 ピンク色の花。 桜とよく似ている。 開花は桜より少しだけ早いようだ。 幹の部分は桜と同じく 横向きの線が入る。閨怨詩では女性自身に喩えられる。

張泌『浣渓沙 十首 其八』

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

 

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

この庭にもあるの風が吹いてくると艶やかな色に染まって行き、芳しい香りに溶け込んでゆき、簾のかこいも透けていったものだ。

 

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

太陽が西に傾くように女の身にも春のひかりも、語らいも陰り始め、蝶は舞うのを争い、さらに、それが続くと鶯の妬みのように年増の女妓の妬みとなってゆく。

・鶯妬 鶯が啼きあうこと、うまく鳴けなくて卑屈になっている鶯、ここでは年増の女妓のことをいう。

 

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

男の女に対する思いが消えうせてからは飾りの着いた盃を何度も何度も傾けている。もう仙人のようなもので、もはや西王母と化して、仙郷の瑤池でよいつびれてきょうも暮れてゆく。

・千片 盃を繰り返すこと。

・玉樽前 飾りのついた盃を前にする。

・神仙 不老不死で、神通力をもつ人。仙人。

瑤池 崑崙山にあり、周の穆王が西王母と会ったという伝説の仙境。西王母は仙女王。魚玄機『光・威・裒、姉妹三人、小孤、而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。』 「恐向瑤池曾作女,謫來塵世未為男。」三人の姉妹はその西王母に仕えていた天上仙宮の仙女であったろうという心。

瑤池 李商隱 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 52

瑤池阿母綺窗開、黄竹歌聲動地哀。
八駿日行三萬里、穆王何事不重來。
崑崙山の瑶池に住む不老不死の薬を持つ女の仙人の西王母(せいおうぼ)は、綾絹(あやぎぬ)を張った美しい窓を開けると。穆王が作った民の苦しみを歌った『黄竹詩(こうちくし)』の歌声が地を揺るがせて響いてきて哀(あわれ)なものだ。
西王母とは、西方の崑崙山上に住する女性の尊称である。すべての女仙たちを統率する聖母。東王父に対応する。
周の穆王が西に巡符して崑崙に遊び、彼女に会い、帰るのを忘れたという。また前漢の武帝が長生を願っていた際、西王母は天上から降り、三千年に一度咲くという仙桃七顆を与えたという。
周の穆王は八頭だての馬車に乗って、一日に三万里の道のりを行ける、穆王は、どうしてなのだろうか、西王母の許へ再び来ることはなかった。
杏の白花012
 

河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297

張泌河傳 二首之一きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297
 
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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河傳 二首之一 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-350-7-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3297

 

 

河傳二首 其一

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

夕陽芳艸千里萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

其二

紅杏,交枝相映,密密濛濛。

一庭濃豔倚東風,香融,透簾櫳。

斜陽似共春光語,蝶爭舞,更引流鶯妬。

魂銷千片玉樽前,神仙,瑤池醉暮天。

banri01 1
 

『河傳二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

河傳二首 其一

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

夕陽芳艸,千里萬里,鴈聲無限起。

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

 

(下し文)

河傳二首 其の一

渺莽【びょうぼう】たる雲水,惆悵【ちょうちょう】たる暮帆,去程 迢遞【ちょうてい】として。

夕陽【せきよう】芳艸【ほうそう】,千里萬里,鴈聲 無限に起る。

夢魂 悄【ひそ】かに斷ゆ 煙波の裡,心 醉うが如し。

相い見るは 何處か是れなる,錦屏【きんぺい】香 冷ややかに睡ること無く,被頭 多少の淚。

 

(現代語訳)

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

 

水鳥ケリ002
 

(訳注)

河傳二首 其一

(男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。)

「花間集』には張泌の作が二首収められている。双調五十一字、前段二十五字六句五仄韻、後段二十六字六句五仄韻で、❹4❹❻❷❺/❼❸❺4❷❺の詞形をとる。

男の旅立ちを見送った後の女性の悲しみを詠う。前段は、果てしない水平線の彼方に去ってゆく男の船を描写し、その行先にはたくさんの雁が居るのに、その雁に「雁書」をたくしてくれない。後段は、今では私のことを夢見ることもないのか、おんなは夢でどこまで行けばあの人に会えるのかと問いかける。そして、床は冷たくて再び寝付けず、涙で布団の襟を濡らすことを詠む。「夕陽芳草千里、万里」の語は、実景であると同時に、男が帰って来ないのではないかという女の不安を示す。

このブログでも温庭筠、韋莊の「河傳」をとりあげた。

『河傳』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-49-2-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1812

105 河傳 三首 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-286-5-#40  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2977

106 河傳 三首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-287-5-#41  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2982

107 河傳 三首 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-288-5-#42  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2987

 

渺莽雲水,惆悵暮帆,去程迢遞。

霞がかかってはいるが果てしない雲と水がひろがる。怨めしく悲しい思いの船が帆を挙げて舟が帰って來る。しかしあの人は行く手遙かなところにいるまま。

渺莽 霞がかかって、河水が浩大なさま、はてしなく広いさま;

惆悵 恨めしく思うこと。恨み嘆くこと。うらめしい。うらみがましい。温庭筠『更漏子 一』「惆悵謝家池閣」  謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」送姪良携二妓赴会稽戯有此贈  李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -287
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」
謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。

暮帆 夕ぐれに帰る舟。魚玄機『江陵愁望寄子安』「楓葉千枝復萬枝,江橋掩映暮帆遲。憶君心似西江水,日夜東流無歇時。」

迢遞 遙遠的樣子。指路途遙遠。遙かに遠い。遠くに隔たる。遙か高く遠くに。

 

夕陽芳艸千里萬里,鴈聲無限起。

きっとあの人は夕日照る草原にいて、千里万里の地、旅の空のもとを行く、手紙を託せる雁の声は数知れず沸き起こっている。  

韋荘 『上行杯二首 其二

白馬玉鞭金轡。少年郎,離別容易。

迢遞去程千萬裏。

惆悵異雲水,滿酌一杯勸和淚。

須愧,珍重意,莫辭醉。

120上行杯 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-298-5-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3037

鴈聲無限起 「雁声無限に起こる」の語は、雁書を託せる雁は沢山いるはずなのになぜ音信がないのかという意味。

 

夢魂悄斷煙波裡,心如醉。

わたしのことを夢見たり、思い続ける魂は煙りただよう波間にきえてゆく、心は酒に酔ってしまうよう。

夢魂情断煙波裏 女性は、船に乗り旅立っていった男を夢で追いかけて行くが、追い付く前に、途中の波間で目が覚めてしまったということ。夢魂は夢。

心如酔 失意の余り、酔ったように虚ろになること。

 

相見何處是,錦屏香冷無睡,被頭多少淚。

あの人に会えるのは何処の地なのか。錦の屏風、お香もすでに消えてさめてしまう、どんなにしても眠られず、掛け布団の襟は涙に濡れている。

被頭 布団の襟。
カンナ113

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

張泌臨江仙 一首湘水の渚をおおっていた霧は消え、静かに秋の大江は流れ、カンナの花は露に泣き愁いに紅く色を濃くしている。五色の雲の彼方へ二羽の鶴が飛び去り、水に沈んだがその跡は今は何も残さない、幾たびかそこを訪ね回り、そこでその燃える思いを断ったという、遠くはるかな空の果てにその思いを望んだことだろう。

2013年11月14日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固) 《兩都賦序》(2) 文選 賦<111―2>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩948 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3288
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(14)-#12韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <861>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3289韓愈詩-220-#12
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李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

 

臨江仙

(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

湘水の渚をおおっていた霧は消え、静かに秋の大江は流れ、カンナの花は露に泣き愁いに紅く色を濃くしている。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

五色の雲の彼方へ二羽の鶴が飛び去り、水に沈んだがその跡は今は何も残さない、幾たびかそこを訪ね回り、そこでその燃える思いを断ったという、遠くはるかな空の果てにその思いを望んだことだろう。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

翠の斑竹は密かに留めている怨み込めたる涙跡である、波の間に静かに瑟琴の奏では水の音にきえてゆく。花のような鬟髷、月のような両鬢、美しき黒髪は雲のように重なっている。

古祠深殿,香冷雨和風。

古き道教聖女祠の奥深い宮殿は、聖女祠の香りは吹きつける冷い雨と風になごんでいく。

臨江仙【りんこうせん】

煙【もや】收まり 湘渚【しょうちょ】秋江 靜まり,蕉花 露に泣き 紅に愁う。

五雲 雙鶴 去りて蹤【あと】無く,幾迴 魂斷え,望を凝らして 長空に向える。

翠竹 暗きに留み 珠の淚の怨み,閑かに寶瑟 波中に調ぶ,花鬟 月鬢 綠雲 重る。

古祠【こし】の深殿,香は冷雨となりて風に和す。
カンナ223

春爛漫の美女007
 

 

『臨江仙』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙 一首

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

 

 

(下し文)

臨江仙【りんこうせん】

煙【もや】收まり 湘渚【しょうちょ】秋江 靜まり,蕉花 露に泣き 紅に愁う。

五雲 雙鶴 去りて蹤【あと】無く,幾迴 魂斷え,望を凝らして 長空に向える。

翠竹 暗きに留み 珠の淚の怨み,閑かに寶瑟 波中に調ぶ,花鬟 月鬢 綠雲 重る。

古祠【こし】の深殿,香は冷雨となりて風に和す。

 

 

(現代語訳)

(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

湘水の渚をおおっていた霧は消え、静かに秋の大江は流れ、カンナの花は露に泣き愁いに紅く色を濃くしている。

五色の雲の彼方へ二羽の鶴が飛び去り、水に沈んだがその跡は今は何も残さない、幾たびかそこを訪ね回り、そこでその燃える思いを断ったという、遠くはるかな空の果てにその思いを望んだことだろう。

翠の斑竹は密かに留めている怨み込めたる涙跡である、波の間に静かに瑟琴の奏では水の音にきえてゆく。花のような鬟髷、月のような両鬢、美しき黒髪は雲のように重なっている。

古き道教聖女祠の奥深い宮殿は、聖女祠の香りは吹きつける冷い雨と風になごんでいく。

 

 

(訳注)

臨江仙 一首

(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

唐の教坊の曲名。『花間集』には二十六首所収。張泌の作は一首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

前段二段は、湘江の女神、娥皇と女英を祭った社を訪れた時の感懐を詠う。鶴に乗って去ったきり行方知れずの堯の娘蛾皇、女英を追慕する思いを吐露する。後段二段は、辺りに繁る青竹の娥皇、女英の怨みの涙の跡を今もなお留め、今の道女の美しさを詠い、波音は二人が奏でる琴のようであることを述べる。そして末三句で、古びた祠殿には、花のように髪を結いしげ、三日月のような賓を垂れた、黒髪豊かな道女がいる。香炉に薫かれる香の香りは吹きつける雨風に溶け入り、物寂しさが漂うことを言う。なお前段の泣き濡れたように露が降りた紆蕉(カンナ)の花は、娥皇、女英を連想させる働きをしているし、そこに今は美しい道女が居るのか、あるいはいてほしいということである。あるいは女性の精気を連想させるのである。。

 

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

湘水の渚をおおっていた霧は消え、静かに秋の大江は流れ、カンナの花は露に泣き愁いに紅く色を濃くしている。

湘 湘江は、広西チワン族自治区北部臨桂県の海陽山に発する。海洋圩から流れる海洋河を源流とし、北東方向へ広西チワン族自治区を流れる。湖南省永州市東安県の瀑埠頭で湖南省に入る。永州市では紫水、石期河、瀟水、応水、白水などの支流が、衡陽市では蒸水と耒水が、衡山県では水が、株洲県淥口鎮で淥水が、湘潭市で漣水が流入する。長沙市の中心で瀏陽河と撈刀河が、望城県新康で水が流入し、湘陰県の濠河口で左右に分かれて洞庭湖に注ぐ。湘江には2,157の支流があるとされ、主要な支流のうち、瀟水、耒水、水、淥水、瀏陽河は東岸の支流で、祁水、蒸水、涓水、漣水、水は西岸の支流である。

焦花 美人蕉の花。カンナの花。
カンナ113
美女004
五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

五色の雲の彼方へ二羽の鶴が飛び去り、水に沈んだがその跡は今は何も残さない、幾たびかそこを訪ね回り、そこでその燃える思いを断ったという、遠くはるかな空の果てにその思いを望んだことだろう。

五雲 五色の瑞雲。

双鶴去無躍 堯の二人の娘である娥皇と女英は、舜の后妃となったが、舜が崩御すると湘江に身を投じて、湘江の神、湘霊になったと伝えられる。本句は、湘江の神霊となった娥皇と女英が、舜を探し求めるために、鶴に跨って飛び去ったきり、行方の知れぬことを言う。

 

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

翠の斑竹は密かに留めている怨み込めたる涙跡である、波の間に静かに瑟琴の奏では水の音にきえてゆく。花のような鬟髷、月のような両鬢、美しき黒髪は雲のように重なっている。

翠竹暗留珠淚怨 娥皇と女英は湘夫人と呼ばれ、舜が崩御すると泣き崩れて涙を竹に払った。すると竹は残らず斑模様になったと言う。今の斑竹がそれである。本句はこの伝説を踏まえる。

閑調寶瑟波中 逐語訳すれば、静かに波間で琴を奏でる。ここでは波音を湘夫人が奏でる琴の音に喩える。

花鬟月鬢綠雲重 社に祀られた湘大人の像の髪の毛を形容した言葉。

 

古祠深殿,香冷雨和風。

古き道教聖女祠の奥深い宮殿は、聖女祠の香りは吹きつける冷い雨と風になごんでいく。

古祠深殿 道教聖女祠の奥深い宮殿。

 

 

湘江の川の神は「湘妃」「湘君」といい、娥皇と女英の二人の女神からなる。娥皇と女英は舜帝の妃であったが、舜が没すると悲しんで川に身を投じ、以後川の神となった。斑竹の表面にある斑紋は、娥皇と女英の涙が落ちた跡が残って斑になったという言い伝えがあり、湘江竹、湘竹、涙竹などの別名がある。

春秋時代から戦国時代にかけてこの地にあった楚の人々は、湘水神を崇めた。楚の人であった屈原にも『湘夫人』という漢詩がある。

楚の地に伝わる湘妃などの神話、桃源郷をはじめとする伝説、およびこの地を流浪した屈原の詩により、風光明媚な湘江流域は神話的想像力や詩的想像力をかきたてる土地とみなされるようになっていった。これを背景に、洞庭湖から湘江、瀟水にかけての地域には瀟湘八景という名所が設定され、中国をはじめ東アジアで書画の題材となってきた。

浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

張泌浣渓沙 十首 其十庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである


2013年11月13日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

 

 

浣渓沙 十首其十

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

(浣渓沙 十首 其の十)

小市 東門 雪天に欲し,眾中 依約 神仙を見,蘂黃 香畫 金蟬を貼る。

飲散 黃昏 人草草たり,醉容して語る無し 門前に立ち,馬嘶き 塵烘【じんこう】一街の煙。

pla024
 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首其十

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

 

(下し文)

(浣渓沙 十首 其の十)

小市 東門 雪天に欲し,眾中 依約 神仙を見,蘂黃 香畫 金蟬を貼る。

飲散 黃昏 人草草たり,醉容して語る無し 門前に立ち,馬嘶き 塵烘【じんこう】一街の煙。

 

(現代語訳)

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

 

(訳注)

浣渓沙 十首其十

(離宮の前の妓女が宮殿に上がったりもした女が酒の席にでたりしていたことは聞こえてきたが、いつとはなく世の中から忘れられて消えていってしまう)

 

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

庶民の市場の東には春明門があり、そこに春の雪が降り積もっている。人々が街に行き交う中で、女は召されるとの約束で離宮を訪れ、見るのである。額には蕊黄の飾りをし、香しく化粧をほどこし、金の蝉を張り付けて宮殿に上がるのである。

・小市東門 長安では東市の東に、春明門がある。そこには興慶宮がある。

・依約 約束に頼ること。

 

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

酒の席に上がり花が散るように黄昏るままにあわただしく過ごしていくと、歳も重ね酔ってしまって御門の前に立って無言のままで待っている。馬が嘶き、閨の梁の上の塵もただ温めているだけ、この街にも一筋の煙となって消えていくのである。

・草草 (1)忙しいこと。あわただしいこと。また、そのさま。(2)簡略にすること。粗末であること。また、そのさま。 

・塵烘 烘とは。 [](火で)暖める,乾かす。
DCF00104
 

浣渓沙 十首 其九 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

張泌浣渓沙 十首 其九晩方の景色の後を追うように美人を乗せた車が鳳凰の飾りの御門の宮城の中に入ってゆく。春風に車のとばりが少しめくれ、刺繍の簾が緩やかに揺れる。ゆっくりと回ると愛嬌のある流し目があり微笑を満面に泛べている。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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浣渓沙 十首 其九 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

 

 

浣渓沙 十首 其九

(酔った勢いで宮殿に召されたけれどもしばらくたつと音信不通になっているという、気まぐれな施政者の女に対すること、気の毒な女について詠う。)

晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。

晩方の景色の後を追うように美人を乗せた車が鳳凰の飾りの御門の宮城の中に入ってゆく。春風に車のとばりが少しめくれ、刺繍の簾が緩やかに揺れる。ゆっくりと回ると愛嬌のある流し目があり微笑を満面に泛べている。

消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

それなのに今は消息さえ分からず手紙も来ない、何がここにあったのだろう、それはすべてのことが酔った時の勢いで始まりそして成り行きでそうなったのだ。こんなことは稀なことかもしれない狂った者の仕業ということだろう。

 

浣渓沙 十首 其九

晚 香車を逐い 鳳城に入る,東風 斜に揭げ 繡簾輕し,慢く迴り 嬌眼 笑み盈盈【えんえん】たり。

消息 未だ通わず 何ぞ是を計る,便ち須らく佯醉し 且く隨行し,依稀に聞道【きくなら】く大狂生なり と。

春爛漫の美女007
 杏の白花012

 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其九

晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。

消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

 

 

(下し文)

浣渓沙 十首 其九

晚 香車を逐い 鳳城に入る,東風 斜に揭げ 繡簾輕し,慢く迴り 嬌眼 笑み盈盈【えんえん】たり。

消息 未だ通わず 何ぞ是を計る,便ち須らく佯醉し 且く隨行し,依稀に聞道【きくなら】く大狂生なり と。

 

 

(現代語訳)

(酔った勢いで宮殿に召されたけれどもしばらくたつと音信不通になっているという、気まぐれな施政者の女に対すること、気の毒な女について詠う。)

晩方の景色の後を追うように美人を乗せた車が鳳凰の飾りの御門の宮城の中に入ってゆく。春風に車のとばりが少しめくれ、刺繍の簾が緩やかに揺れる。ゆっくりと回ると愛嬌のある流し目があり微笑を満面に泛べている。

それなのに今は消息さえ分からず手紙も来ない、何がここにあったのだろう、それはすべてのことが酔った時の勢いで始まりそして成り行きでそうなったのだ。こんなことは稀なことかもしれない狂った者の仕業ということだろう。

 

 

(訳注)

浣渓沙 十首 其九

(酔った勢いで宮殿に召されたけれどもしばらくたつと音信不通になっているという、気まぐれな施政者の女に対すること、気の毒な女について詠う。)

 

晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。

晩方の景色の後を追うように美人を乗せた車が鳳凰の飾りの御門の宮城の中に入ってゆく。春風に車のとばりが少しめくれ、刺繍の簾が緩やかに揺れる。ゆっくりと回ると愛嬌のある流し目があり微笑を満面に泛べている。

・晚逐 逐:1 後を追う。追い払う。「逐鹿(ちくろく)/角逐・駆逐・放逐」2 順を追って進む。「逐一・逐次・逐条・逐年・逐語。不吉な予感を示す言葉。

・鳳城 1 《中国の漢代、門に銅製の鳳凰(ほうおう)を飾ったところから》宮城。皇居。禁裡。2 都。都城。帝京。

・斜揭 車の覆いを少しかかげて外を見るしぐさ。

 

消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

それなのに今は消息さえ分からず手紙も来ない、何がここにあったのだろう、それはすべてのことが酔った時の勢いで始まりそして成り行きでそうなったのだ。こんなことは稀なことかもしれない狂った者の仕業ということだろう。

・佯醉 佯:振りをする,見せ掛ける佯死死んだ振りをする.佯装…の振りをする.佯攻 []《書》陽動作戦をとる,偽装攻撃をする.佯狂(阳狂) yángkuáng[]《書》狂人を装う,気のふれた振りをする.
 杏の白花012

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

張泌浣渓沙 十首 其八小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。


2013年11月11日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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司馬相如 《上林賦 》(40)―#13-4  文選 賦<110-#13-4>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩945 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3273
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(11)-#9韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <858>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3274韓愈詩-220-#9
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ70  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首  平原侯值(曹植)》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3276 (11/11)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠




浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277





浣渓沙 十首 其八

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

浣渓沙 十首 其の八

偏戴 花冠 白玉の簪,睡容 新起 意沉吟,翠鈿 金縷 鎮眉心。

小檻 日斜 風悄悄たり,簾を隔てて零落 杏花の陰,斷香 輕碧 鏁愁深し。

杏の花01

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其八

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。


(下し文)

浣渓沙 十首 其の八

偏戴 花冠 白玉の簪,睡容 新起 意沉吟,翠鈿 金縷 鎮眉心。

小檻 日斜 風悄悄たり,簾を隔てて零落 杏花の陰,斷香 輕碧 鏁愁深し。


(現代語訳)

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

 


(訳注)

浣渓沙 十首 其八

(年を取ってきて女は奥まった部屋に入れられたままで誰も訪れない。簾越しにあんずの花も枯れているのが見え侘しい思いの女妓の気持ちを詠う。)

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れ,よこになってねむり、そして、新たに起きあがり、思いをそっとつぶやいている。翡翠や鈿飾、金の細い絲のかざり、それなのに眉をひそめ、沈んだ心のままである。

・偏戴花冠白玉簪 女の閨での現在のようすをいう。髷は傾き、花の冠をつけ、輝く宝飾の簪が揺れる。

・睡容新起意沉吟 この句はいまの女の心の動きを詠う。・沉吟 思い迷う,決めかねてぶつぶつ呟(つぶ/や)く.・睡容 ねすがた。

・翠鈿金縷鎮眉心 ・翠:翡翠のかざり。・鈿:古代婦女の顔面の上に飾物をつけること。

温庭筠『菩薩蠻 九』

牡丹花謝聲歇,綠楊滿院中庭月。

相憶夢難成,背窗燈半明。

翠鈿金壓臉,寂寞香閨掩。

人遠淚闌幹,燕飛春又殘。

『菩薩蠻 九』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-9-9-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1652

・縷 金の糸。また、金色の糸。


小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

小さな檻のようなこの閨に、斜になった日のひかりがさし、風はショウショウと静かでもの寂しくふいている。簾腰に庭の杏もここの女も春を過して枯れ落ちている。花の香り、お香もすでに斷垂れ薄く明るい緑色に染まり、部屋の鍵は締まっていて、愁いは深くなるだけなのだ。

・檻 猛獣や罪人が逃げないように入れておく、鉄格子などを使った頑丈な囲い、または室。

・悄悄 1 元気がなく、うちしおれているさま。悄然。「―として引き返す」 2 静かでもの寂しいさま。 すご‐すご【悄悄】: [副]気落ちして元気がないさま。また、元気なくその場をたち去るさま

・杏花 ピンク色の花。 桜とよく似ている。 開花は桜より少しだけ早いようだ。 幹の部分は桜と同じく 横向きの線が入る。閨怨詩では女性自身に喩えられる。

・鏁 ①. 0 戸・箱の蓋(ふた)などにつけて,自由に開閉できないようにする金具。 -をさす」 -をおろす」. . 1 錠剤。

カンナ223

浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

張泌《浣渓沙 十首 其七》咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。


2013年11月10日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如 《上林賦 》(39)―#13-3  文選 賦<110-#13-3>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩944 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3268
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 686 《數陪李梓州泛江,有女樂在諸舫,戲為豔曲二首贈李,二首之二》 蜀中転々 杜甫 <592>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3270 杜甫詩1000-592-848/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 69  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 阮瑀》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3271 (11/10)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠


浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

 


 


其七

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。
人不見時還暫語,令纔
後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

 


鴛鴦おしどり0022
 


 


『浣渓沙 十首 其七』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其七

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

 


 


(下し文)

(浣渓沙 十首 其の七)

花月 香り 寒く 夜塵 悄まり、綺筵の幽会 傷神を暗にし、嬋娟 依約として画屏の人。

人 見ざる時 還た暫く語り、纔かにたしむるの後 愛みて微かに嚬み、越羅、巴錦も春に勝えず。

 


 


(現代語訳)

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

  

 


 


(訳注)

浣渓沙 十首 其七

(好色な男の見る宴に侍る細身の妓女を詠う)

本詞は解釈の上で異説が多い。ここでは、花の下の誰もいない宴席で人目を避けながら逢瀬を愉しむ男女の恋を詠う。もう一つには、顔を合わせることのできた男女が人目を盗んでしばし語らうさまと解した。前段は、春の夜の宴席、絵辟風の中の美人のような女性は心傷めずにはいられぬことを言う。後段は、人が見ていない時はしばらく語り合うが、男は人目につくと、女をそっと追いやると、彼女はしきりに悲しみの表情を浮かべるさまを詠う。そして最後は、美しい衣裳を纏った女性はこの春の時節に堪えかねるかのようだと結ぶ。なおこの女性は、宴に侍る妓女である。しかしこの詩の前段に、「綺筵幽會」とあることから、宴会の人がいない状態を云うので矛盾する。

 


 


花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

咲き誇る花の上に月は照る、香も花冷えの夜は清くふけてゆき、二人のほか誰もいない宴席に神でさえも心を傷めることなので暗くなっていく、そこの艶やかさといえばさながら屏風絵の美人のようにきれいだ。

○花月 花の下の情事で花の向こうの空の上に月がある。

○悄夜塵 夜の塵が静まる。ここでは夜が清らかにふけゆくことを言う。

○幽会 男女が人目を忍んでこっそり会うこと。

○傷神 人に知られては困る後ろめたい気持ちを云う。神でさえも心を傷めること。

○姉娼 女性の美しきを言う。

○依約 さながら、まるで。

 


人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目につかぬその時はまたしばし耳元でささやく、人目をさけての恋は悦楽と苦悶の顔をする。美しき越産の薄絹と蜀産の錦の衣裳も春の思いにまさるものではないのだ。

○令纔後愛微嚬 性にたいしての喜びの表情と悦楽と苦悶の顔をすることをいう。令は強制する。纔は〜するとすぐに。はここでは追いやること。愛はしきりに〜する。は眉をひそめる。

○越羅巴錦 越産の薄絹と蜀産の錦。ともに名品として有名。ここでは女の美しい着物を言う。

 


 

 


花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

月照る花は香も冷ややかに夜は清くふけわたり、宴での忍ぶ逢瀬に人知れず心を傷む。その艶やかさ実に屏風絵の美人のよう。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

人目届かぬその時はなおしばし語らうも、人目さけて追いやればしきりに眉を曇らせる。美しき衣裳も春の思いに堪えかねて。

蓮00



浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267

張泌《浣渓沙 十首 其六》あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。



2013年11月9日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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司馬相如 《上林賦 》(38)―#13-2  文選 賦<110-#13-2>13分割41回 Ⅱ李白に影響を与えた詩943 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3263
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(9)-#7韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <856>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3264韓愈詩-220-#7
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ685 《數陪李梓州泛江,有女樂在諸舫,戲為豔曲二首贈李,二首之一》 蜀中転々 杜甫 <591>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3265 杜甫詩1000-591-847/1500
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性LiveDoor浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267


木蓮001

浣渓沙 十首其六

(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。


浣渓沙 十首 其の六

枕障 燻鑪 繡幃を隔つ,二年 終日 兩つながら相い思い,杏花 明月 始めて應に知る。

天上 人間 何處に去り,舊歡 新夢 時に來るを覺ゆ,黃昏 微雨 畫簾垂る。


春爛漫の美女007

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其六

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。


(下し文)
浣渓沙 十首 其の六
枕障 燻鑪 繡幃を隔つ,二年 終日 兩つながら相い思い,杏花 明月 始めて應に知る。
天上 人間 何處に去り,舊歡 新夢 時に來るを覺ゆ,黃昏 微雨 畫簾垂る。

(
現代語訳)

(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。

満月00

(訳注)
浣渓沙 十首 其六
(男に棄てられて2年目の春を過す女を詠う)

枕障 燻鑪 隔繡幃,二年 終日 兩相思,杏花 明月 始應知。

あの人が来なくなって使わない枕があり、香炉もたたらのようになっている、そして、刺繍に飾られた垂れ幕に隔てられてしまっている、もう二年にもなる、一日中、あの人のことを思い続けている。又春が来て杏の花、あきの明月は女の身として、つらい思いを初めて知る。

・枕障 1 じゃまをする。じゃま。さしさわり。「障害/故障・罪障・支障・万障・魔障」2 隔てさえぎるもの。「障子・障壁」3 防ぐ。「保障」[難読]

・燻鑪 1 物がよく燃えないで、煙ばかりを出す。「生木が―・る」「焼け跡が―・る」2 煙のすすで黒くなる。すすける。「天井が―・る」3 争い事などが表に現れずに、また、完全に解決しないままで続いている。鑪:粘土でつくられた高さの低い角形の炉。

・繡幃 刺繍に飾られた垂れ幕

天上 人間 何處去,舊歡 新夢 覺來時,黃昏 微雨 畫簾垂。

来ないというのは、天上に召されたということなのか、あるいは、この世の中のどこかの女の所に行ってしまったのか、あの時はすごく喜んだし、いつも来たときには新しい夢を見たものだった、この黄昏に、春の細雨が降っているから来てくれることはない、だから、奇麗な簾はおろしてしまう。

・天上人間何處去 この句は男がもう別の女性の所に行ってしまっていることを云う。

・舊歡新夢覺來時 この句は、昔はいい思いをさせてくれたという。

・黃昏微雨畫簾垂 春の夕暮になって雨が降り始めた、今日は誰も来ることはないというもの。


浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262

張泌《浣渓沙 十首 其五》春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

2013年11月8日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠


浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262


春爛漫の美女007

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。
 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其五

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。
 

(下し文)

浣渓沙 十首 其の五

翡翠 屏開き 繡幄【しゅうあく】の紅,謝娥 力無く 曉粧の慵,錦帷 鴛被 宿香濃く。

微雨 小庭 春 寂寞たり,鷰飛 鶯語 簾櫳を隔ち,杏花 凝恨 東風に倚る。


(現代語訳)

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

 


(訳注)

浣渓沙 十首 其五

(春には帰って來ると約束して旅に出たまま帰ってこない男を待つ女を詠う)

世の中はすべて春を示しているのに、いつまで待っても帰ってこない。前段は男を待つ閨のようすを詠い、後段は、外部の景色様子を詠う。

agehacho01

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

閉ざされていた翡翠の屏風を開いたら、刺繍のあげばりの中に頬を赤くした人がいる。おしどりが画かれたにしきのとばりの内にも絲番重焚かれたお香が強くかおる。

・幄 幄舎のこと。四隅に柱を立て、棟・檐(のき)を渡して布帛(ふはく)で覆った仮小屋。祭儀などのときに、臨時に庭に設けるもの。幄。幄の屋()。あげばり。


微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

春の細雨は中庭には春なのに寂しさと空しさが広がり、ツバメが飛び交い、鶯が春を告げているのにすだれの檻のながで隔離されているようなものだ。杏の花は恨みを凝り固まるものであり、東の風に向かって門に倚りかかるだけなのだ。

・寂寞 1 ひっそりとして寂しいさま。じゃくまく。2 心が満たされずにもの寂しいさま。

・鷰飛鶯語 ツバメと鶯、どちらも春の男女生活を意味する言葉。

・隔簾櫳 簾を四方にねやでただすごしているので、すだれのおりとした。

・倚東風 春になって春風が吹けば、東に旅立っていった男を東の門に倚りかかって待つことを云う。

 杏の花001

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

張泌《浣渓沙 十首 其四》又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。


2013年11月7日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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司馬相如《上林賦 》(36)―#12-2  文選 賦<110-#12-2>13分割40回 Ⅱ李白に影響を与えた詩941 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3253
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《晚秋郾城夜會聯句〔韓愈、李正封〕》(7)-#5韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <854>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3254韓愈詩-220-#5
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ683 《望兜率寺》 蜀中転々 杜甫 <589>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3255 杜甫詩1000-589-845/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ66  謝靈運(謝康楽) 《擬魏太子鄴中集詩八首 徐幹》 魏詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3256 (11/07)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

 

 

浣溪沙十首 其四

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

 

 雲髻001

 

『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首其四

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

 

 

(下し文)

(浣溪沙十首 其の四)

約に依り眉を殘し舊黃を理し,翠鬟【すいかん】擲【ほうてき】一簪【いちしん】長じ,暖風 晴日 朝粧を罷む。

閑にして海棠を折り 看 又た撚じ,玉纖 力無く 餘香に惹かる,此の情 誰れに會うのか 斜陽に倚る。

 

 

(現代語訳)

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

 

 

(訳注)

浣溪沙十首 其四

(年を取ってきて男は寄り付かなくなってしまった。思い直して強い匂い袋を付けて気分を変えてみる。又夜を迎えて侘しい思いの女儀の気持ちを詠う。)

 

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

又来ると約束したから流行の眉を書いたままにして、あの人が喜んでくれた黄蕊を額に収めて化粧しているのです。緑の丸髷の黒髪は簪を抜いて擲って長いままおろしています。春の日は暖かに吹いて、晴れやかに日は射しているけれど、もう朝の化粧直しはしないのです。

・翠鬟 1)輪にまいた黒毛のまげ。美人の髪をいう。(2)青々とした山のさま。

 (1) 投げる,ほうる。(2) 捨て去る,置き去りにする。女妻子を捨て去る.投げ売りする.(3)つや出しをする,研磨する.

・擲 なげうつ〈テキ〉なげつける。なげうつ。「一擲」はひとたび投げること。

 

 

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

春の終わり、海棠の花を静かに摘み取って、じっと見つめ、それから、花をよじって、からませてみます。玉のような肌には漲る力がなくなった入るけれど、香りのものをたくさんつけて惹かれるようにするのです。この思いは誰に逢うためなのでしょう、相手もいないのに傾いた日差しの中に窓辺に倚りかかっているのです。

・海棠 樹高:58m; 開花期:45; 花径:3.55cm; 花弁数:510; 花柄長:36cm; 果実径:2cm; 実色:赤。 花言葉は「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。

薛濤『海棠溪』

春教風景駐仙霞,水面魚身總帶花。

人世不思靈卉異,競將紅纈染輕沙。

蜀全体の海棠花が咲き乱れる渓谷とする。地図上で確認されるところとしては第一は四川省の重慶から長江を渡った対岸にある名所。おそらく薛濤は巫山へ行ったときでも上流運河を利用すると重慶を通過したかどうか、ここに立ち寄るには回り道である。第二は、四川省越雋県の北百二十五里に海棠関というのがあり、その南十五里を清水堡という。その附近にもあるが、營妓である薛濤が行くには遠すぎる。いずれにしても「百花譜」 に「海棠は蜀に盛んにして、秦中これに次ぐ」というから、あちこちに名所があるのであろう。

・撚 よじる。1 糸など、何本かをねじり合わせて1本にする。「縄を―・る」2 ねじる。ねじるように曲げる。また、ねじって螺旋(らせん)状にする。

・繊 1 ほそい。こまかい。2 繊維。

・惹 (1) (よくない事を)引き起こす

惹来不少麻 いろいろ面倒を引き起こした.

災いを起こす.

(2) 感情を害する,気に障ることを言う

不要惹他 彼を怒らせるようなことを言うな.

(3) 注意を引く,ある反応を引き起こす

惹人 人に嫌われる.

惹眼   人目をひく.
pla030
 

浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

張泌《浣渓沙 十首 其三》 巫山神女の故事のように彼の女とは雲と変わり、雨となって別れ、別れて後は、人間ではその仙界の館に訪ねるすべはこの世にないのである、ということで、できるのはただ夢の場合のみ、しかも天の果てを訪ねるということでしかないのだ。


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浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

 

 

浣渓沙 十首 其三

(浣渓沙 十首 その三 女性に寄せる男性の思いを詠う。)

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

寒々とした階に独り佇み、仲秋の月を眺めれば、露に濡れた中庭の花は香しき香を放つ。屏風背にする灯火一つ愁わしく火影を揺らすだけ。

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

巫山神女の故事のように彼の女とは雲と変わり、雨となって別れ、別れて後は、人間ではその仙界の館に訪ねるすべはこの世にないのである、ということで、できるのはただ夢の場合のみ、しかも天の果てを訪ねるということでしかないのだ。

(浣渓沙 十首 其の三)

独り寒堦【かんかい】に立ちて 月華を望む、露 濃く 香り 泛く 小庭の花、繍屏【しゅうへい】に 愁い背きて 一灯 斜めなり。

雲雨 分散してより後、人間 路の仙家に到る無く、但だ魂夢を憑【たの】みて 天涯を訪ぬ。

pla011
 

 

『浣渓沙 十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣渓沙 十首 其三

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

 

 

(下し文)

(浣渓沙 十首 其の三)

独り寒堦【かんかい】に立ちて 月華を望む、露 濃く 香り 泛く 小庭の花、繍屏【しゅうへい】に 愁い背きて 一灯 斜めなり。

 

雲雨 分散してより後、人間 路の仙家に到る無く、但だ魂夢を憑【たの】みて 天涯を訪ぬ。

 

 

(現代語訳)

(浣渓沙 十首 その三 女性に寄せる男性の思いを詠う。)

寒々とした階に独り佇み、仲秋の月を眺めれば、露に濡れた中庭の花は香しき香を放つ。屏風背にする灯火一つ愁わしく火影を揺らすだけ。

巫山神女の故事のように彼の女とは雲と変わり、雨となって別れ、別れて後は、人間ではその仙界の館に訪ねるすべはこの世にないのである、ということで、できるのはただ夢の場合のみ、しかも天の果てを訪ねるということでしかないのだ。

 

 

(訳注)

浣溪沙十首 其三

女性に寄せる男性の思いを詠う。女性の居場所を仙家と言い、そこまでの距離を天涯と言っていることからすると、彼女は妓女で、今は高級官僚、あるいはそれ以上の地位の者の女になったこと、手の届かぬ人のものとなってしまったのだ。

 

 

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

寒々とした階に独り佇み、仲秋の月を眺めれば、露に濡れた中庭の花は香しき香を放つ。屏風背にする灯火一つ愁わしく火影を揺らすだけ。

○月華 仲秋の名月。

○繍屏 屏風の美称。屏風を状況説明に使う場合は男が来なくて女が一人でベットに横たわること。蝋燭を背にするという表現も同じ。

 

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

巫山神女の故事のように彼の女とは雲と変わり、雨となって別れ、別れて後は、人間ではその仙界の館に訪ねるすべはこの世にないのである、ということで、できるのはただ夢の場合のみ、しかも天の果てを訪ねるというこでしかないのだ。

○雲雨 男女の交情を指す。韋荘「望遠行」の「雲雨別来易東西」の注 宋玉の「神女賦」に、「且に朝雲となり、碁に行雨となる」「朝雲暮雨。」の句がある。結句の「雲雨」に応じている。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう。韋荘『望遠行』「欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。  人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

〇日従 〜より。

〇人間 この世。人間の世。

○憑 頼る。

○魂夢 夢。夢魂に同じ。

 花と張0104

浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247

張泌《浣渓沙 十首 其二》 少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

 

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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  Ⅹ

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浣溪沙十首

其一

(男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。)
鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を進み行きます。樺の灯火の煙は漂い、別れに当たりあの人の馬がしきりに噺くのです。あの人が旅に出ると思うと他の時と違い深酔いするのにどうしても意識は確かなのです。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

 

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 過柳堤をぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

 

浣溪沙十首其二

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

(浣溪沙十首其の二)

馬上 凝情 舊遊を憶い,照花 淹竹 小溪の流れ,鈿箏 羅幕 玉として頭を搔く。

早に是こに出門 月も長帶たり,堪える可し 袂を分ち 又た秋も經るを,晚風 斜日 愁に勝らず。

 moon5411

 

『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首其二

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

 

 

(下し文)

(浣溪沙十首其の二)

馬上 凝情 舊遊を憶い,照花 淹竹 小溪の流れ,鈿箏 羅幕 玉として頭を搔く。

早に是こに出門 月も長帶たり,堪える可し 袂を分ち 又た秋も經るを,晚風 斜日 愁に勝らず。

 

 

(現代語訳)

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

 

 

(訳注)

浣溪沙十首 其二

(楽しかった日々に別れ、その人を夜明け前に帰っていく人の中に見つけた女の思いを詠う。)

 

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

あの人が帰っていく、離れがたい気持ちで離れていく姿を追ったものだ。そして、楽しい日々のことを思い起こしたものです、それは、咲き誇る花に朝日に照らされ、竹林の小路に入っていくと、小川が流れているところで、黄金細工で飾られた琴が奏でられ、薄い幔幕の内に紙をかき乱すほど愛されたのです。

・淹竹 小路竹藪に引き込まれる景色。

・鈿箏 箏では柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱で弦の音程を調節する。立て琴。箏類の一種で撥弦楽器。中国太古からあって,琴とともに奏されたため〈琴瑟相和す〉の語源となった。構造は箏と同様であるが,弦数は多い。25弦が普通の型。

 

 

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

少し早く起き出し、ここを出て門を出ると、涙があふれて有明けの月を見上げると長く帯のようににじんで見えたのです。あの人とは「袂を分かつ」したのですが、また、夜長の秋を過すことを堪えるだけなのです。夕方の風が抜けてゆき、日が傾いて風流な景色なのに、この愁いに勝るものはないのです。

・早是出門 夜も眠れず起き出して門を出る。夜明け前に男はこの門を出るので、もしかしたら、あの人を見つけることが出来るかもしれないと思ったのだ。

・長帶月 涙をためたままで月を見るので帯状の月に見えてしまう。有明けの月は、月の後半下弦の月をすぎた頃の月(名残月)だろう。

・晚風斜日 「照花淹竹小溪流」に風が吹き、斜めに日が射すのは風流の極みのはずである。でもそれは愁いの方が勝っているということ。
60moon
 

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

張泌浣渓沙 十首 其一 駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

 

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浣溪沙十首

其一

(男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。)その一

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を進み行きます。樺の灯火の煙は漂い、別れに当たりあの人の馬がしきりに噺くのです。あの人が旅に出ると思うと他の時と違い深酔いするのにどうしても意識は確かなのです。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

 

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 過柳堤をぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

其二

馬上凝情憶舊遊,照花淹竹小溪流,鈿箏羅幕玉搔頭。

早是出門長帶月,可堪分袂又經秋,晚風斜日不勝愁。

 

其三

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

 

其四

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

 

其五

翡翠屏開繡幄紅,謝娥無力曉粧慵,錦帷鴛被宿香濃。

微雨小庭春寂寞,鷰飛鶯語隔簾櫳,杏花凝恨倚東風。

 

其六

枕障燻鑪隔繡幃,二年終日兩相思,杏花明月始應知。

天上人間何處去,舊歡新夢覺來時,黃昏微雨畫簾垂。

 

其七

花月香寒悄夜塵,綺筵幽會暗傷神,嬋娟依約畫屏人。

人不見時還暫語,令纔後愛微嚬,越羅巴錦不勝春。

 

其八

偏戴花冠白玉簪,睡容新起意沉吟,翠鈿金縷鎮眉心。

小檻日斜風悄悄,隔簾零落杏花陰,斷香輕碧鏁愁深。

 

其九

晚逐香車入鳳城,東風斜揭繡簾輕,慢迴嬌眼笑盈盈。

消息未通何計是,便須佯醉且隨行,依稀聞道大狂生。

 

其十

小市東門欲雪天,眾中依約見神仙,蘂黃香畫貼金蟬。

飲散黃昏人草草,醉容無語立門前,馬嘶塵烘一街煙。

 

 李清照0055

  

『浣溪沙十首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙十首 其一

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

 

 

(下し文)

(浣溪沙十首 其の一)

鈿轂【でんこく】香車 過柳堤をぐ,樺煙【かえん】分かるる處 馬 頻りに嘶く,他が為に沉醉するも泥を成さず。

花は驛亭に滿ち 香露 細やかなり,杜鵑 聲 斷え 玉蟾【ぎょくぜん】低し,情を含んで語ること無く 樓西に倚る。

 

 

(現代語訳)

(男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。)

螺鈿の車は柳の堤の道を進み行きます。樺の灯火の煙は漂い、別れに当たりあの人の馬がしきりに噺くのです。あの人が旅に出ると思うと他の時と違い深酔いするのにどうしても意識は確かなのです。

駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

 

 

(訳注)

『花間集』と張泌、浣溪沙十首

張泌(生平年未詳)は、五代、前蜀の人。字、出身地ともに未詳。『花間集』では牛嶠と毛文錫の間に置かれていることから、前蜀に仕えて舎人になったことが知れるだけである。晩唐から五代にかけて、張泌という名の人物が三人いたことが分かっており、このため同名異人のこの三者がしばしば混同されてきた。『花間集』 には二十七首の詞が収められている。『花間集』には張泌の「浣溪沙」作が十首収められている。舟を出して花いっぱいの渓谷に入って遊んだものが、今では砂ばかりの渓谷しか見られない、ということを象徴にして女、女妓の侘しさ、寂しさを詠うものである。

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

浣渓沙 其二 (欲上鞦韆四體傭) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-265-5-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2872

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887

 

浣溪沙十首 其一

(男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。)

唐の教坊の曲名。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦.の詞形をとる。韋荘は同名の詩五首載せている。

男の旅立ちを見送る女性の情を詠う。前段は、彼女が車に乗り男を見送って柳の堤を進み、別れを交わす時、男の乗る附も別れを惜しむかのように斯くことを描く。そして、彼女は別離の悲しみを忘れようと、つい深酒をしてしまうが、愛する人との大事な別れ、正体を失うことはないと述べる。後段は、女が男を見送った後、駅事の高殿に身を寄せて密かに男に思いを馳せるが、杜鵑(ホトトギス)の声も途絶え、月は早くも西に低く傾いてしまったと言う。『花間集』に描かれる男女の別れは、残月(二十日頃の夜明けの月)が空に懸かる、当時の生活習慣で仕事に出る、旅に出るのは夜の明けきらぬ時であること、男が女のもとを去るという形が多い。この詞は女性が夜、男性を駅亭まで見送る。長安の場合、東に向かう場合、滻水を渡り、㶚水の駅亭で最後の一夜を過ごす。西に向かう場合渭水を渡ったところの咸陽の駅亭で最後の夜を共に過ごすのである。後段第一句の「玉蟾低し」からすれば、二人は駅亭で一夜をともにし、男性は翌日の明け方に旅立ったのである。こうした送別は、王維の「元二が安西に使いするを送る」詩に「渭城の朝雨 軽塵を泥す、客舎 青青 柳色 新たなり」とあるように、送別は送る側が一駅出たところまで送るのが通常の事であった。今連載中の「杜甫1000詩」では、杜甫は、成都から数百キロも離れたとこまで数か月過ごしている場合もある。男女間にあっても詩の上では多くある。後段末句の「楼西に倚る」から男は西に向かって旅立ったことが分かる。

 

 

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

螺鈿の車は柳の堤の道を進み行きます。樺の灯火の煙は漂い、別れに当たりあの人の馬がしきりに噺くのです。あの人が旅に出ると思うと他の時と違い深酔いするのにどうしても意識は確かなのです。

○鈿轂香車 螺釦や香木をあしらった婦人用の車。

○樺煙 蝋を樺の木の皮で巻いた灯火の煙。

○沉醉 深酔い。

○不成泥 泥酔しない、正体を失わない。

 

 

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

駅亭に花は咲き満ちていて、香しき夜の露は細やかなものです。月は傾きて杜鵑の声途絶え、思いを秘めて言葉なく西にむかったあのひとを高殿に身を寄せておもうのです。

○玉蟾 月の別称。月は蟾が中に住むことで、性描写の一つである。「天仙子」の「蟾彩」の注参照。

○楼西 西楼を押韻のために倒置したもの。

○この三句、「香露細」「杜鵑聲斷」「玉蟾」「含情」は、性交を詠うものである。
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《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

牛嶠《西溪子》壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 



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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

 

 

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

花蕊夫人006
 

 

『西溪子』 現代語訳と訳註

(本文)

西溪子

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

畫堂前,人不語,弦解語。

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

 

 

(下し文)

(西溪子【せいけいし】)

捍撥【かんぱち】雙盤 金鳳あり,蟬鬢 玉釵 搖れ動く。

畫堂の前,人語らず,弦するは語を解す。

彈くは「昭君怨」の處に到り,翠・蛾も愁うなり,頭を迴わせざるなり。

 

 

(現代語訳)

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

 

 

(訳注)

西溪子

(政略やさだめとして一人になった宮女の思いを詠う)

『花間集』には三首所収され、牛嶠の作が一首収められている。双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二灰韻二平韻で、❻❻/3③③6❸❸の詞形をとる。

 

 

捍撥雙盤金鳳,蟬鬢玉釵搖動。

綺麗に画かれた琵琶・阮咸の捍撥、二人で遊んだ盤双六、金鳳の簪があり、蝉の髪飾り、輝く宝飾の簪、風に揺れる。

・捍撥【かんぱち】 琵琶や阮咸(げんかん)などの楽器を捍撥という。すなわち撥のあたる皮張りの表面に濃彩画があるもの。

・雙盤 盤双六(ばんすごろく)と後世に発生して単に「双六」と称した絵双六(えすごろく)の2種類があった。

 

畫堂前,人不語,弦解語。

壁に描かれた高堂の前に立ち、それでも話す人はなく語ることもない。琵琶の弦だけは独り言を理解してくれる。

 

彈到昭君怨處,翠蛾愁,不迴頭。

爪弾いた「昭君怨」の調べは閨の奥まで弾いてくるし、翡翠も、嫦娥も一人で暮らす愁いを持っている。これではあちこち男を探して頭を回らすこともできないのです。

・昭君怨 王昭君の詠った詩題、ここでは筝曲であり、王昭君:前漢の元帝の宮女。竟寧元年(紀元前33年)、匈奴との和親のため、呼韓邪単于に嫁し、「寧胡閼氏」としてその地で没した。名は檣。ともするが、『漢書・元帝紀』では前者「檣」。昭君は字。明君、明妃は、「昭」字をさけたための晋以降の称。

・翠蛾 翡翠は鳥の雄の「赤」を表わし”翠”は雌の「緑」を表わしているが、ここに言う翠はメス、女、蛾は嫦娥も一人で過ごす女。嫦娥 神話中の女性。神話の英雄、羿(がい)が西方極遠の地に存在する理想国西王母の国の仙女にお願いしてもらった不死の霊薬を、その妻の嫦娥がぬすみ飲み、急に身軽くなって月世界まで飛びあがり月姫となった。漢の劉安の「淮南子」覧冥訓に登場する。なお、魯迅(1881l936)にこの神話を小説化した「羿月」がいげつと題する小説がある。

李白 把酒問月

把酒問月、故人賈淳令余問之。

靑天有月來幾時,我今停杯一問之。

人攀明月不可得,月行卻與人相隨。

皎如飛鏡臨丹闕,綠煙滅盡淸輝發。

但見宵從海上來,寧知曉向雲閒沒。

白兔搗藥秋復春,嫦娥孤棲與誰鄰。

今人不見古時月,今月曾經照古人。

古人今人若流水,共看明月皆如此。

唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。

月下獨酌四首 其四

 

李商隠『嫦娥』 

雲母屏風燭影深、長河漸落暁星沈。

嫦娥應悔倫塞薬、碧海青天夜夜心。

李商隠 『嫦娥』 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集約130首 詩の背景1.道教 2.芸妓 3.嫦娥と李商隠

 

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定西番 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-337-6-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3232

定西番 牛嶠 紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。


定西番 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ
唐五代詞・ 「花間集」 Gs-337-6-#24   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3232


2013年11月2日

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定西番

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

鄉思望中天闊,漏殘星亦殘。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

 

(定西番)

紫塞 月 千里に明らかに,金甲 冷え,戍樓 寒く,長安を夢む。

思 望中 天 闊【はる】かに,漏 殘し 星も亦た殘す。

畫角 數聲 嗚咽【おえつ】し,雪 漫漫たり。

banri01 1
 

 

『定西番』 現代語訳と訳註

(本文)

定西番

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

思望中天闊,漏殘星亦殘。

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

 

 

(下し文)

(定西番)

紫塞 月 千里に明らかに,金甲 冷え,戍樓 寒く,長安を夢む。

思 望中 天 闊【はる】かに,漏 殘し 星も亦た殘す。

畫角 數聲 嗚咽【おえつ】し,雪 漫漫たり。

 

 

(現代語訳)

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

 

 

(訳注)

定西番

(西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。)

『花間集』 には牛嶠の作が一首収められている。双調三十五字、前段十五字四句二平韻、後段二十字四句二灰韻二平韻で、63③③/❻⑤❻③の詞形をとる。

国境の守備の実体験のないものが想像して詠う辺塞詩の内容である。西域辺境守備・万里長城の兵士の望郷の念を詠う。後段は、夢の覚めた後、空の果てなる故郷の方を望めば、既に夜明け間近で、星影も薄れて、角笛の音が咽び泣くように響き、大地は一面の雪に覆われていると、辺境の明け方の荒涼とした景色を描写する。唐教坊曲名。唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。

『定西番』は宮廷で歌われたこの教坊曲である。

温庭筠『定西番』参照。

『定西番三首(一)』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-27-4-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1724

『定西番三首』(二) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-28-4-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1728

『定西番三首』(三) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-29-4-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1732

 

 

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

紫色の辺地の土塁、万里長城、千里にわたって月が明かるくてらす、鎧は凍りつき、物見櫓は寒くこごえる、見る夢だけは蓬か都の長安のことばかり。

○紫塞 紫色の土で築いた砦。詩詞では万里の長城をさす。

○金甲 金属製の鎧。

○戊楼 物見櫓。

 

思望中天闊,漏殘星亦殘。

故郷偲び望む空は果てしなくひろがっている、長い夜、見張りを続けていると、満天の星空も尽きかけて星もまばらになっている。

○郷思望中天闊 故郷を偲んで望むと空は果てしなく広がる。

○漏残 ここでは夜が尽きかけることを言う。漏は水時計。残は損なわれる、さびれることであるが、満天の星空に対して空がしらじらしてきた様子を云う。物見やぐらでの見張りで夜通し起きている様子を云う。

 

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

万里の長城国境守備隊の角笛は咽び泣き兵士も泣く。もう一面の雪の原に変わっていく。

○画角 陣営などで合図のために吹き鳴らす胡笳の角笛の類。羌笛 青海地方にいた西方異民族(チベツト系)の吹く笛。ここでは万里の長城の国境守備隊の角笛を聞くこと。
『清溪半夜聞笛』李白
羌笛梅花引、溪隴水情。
寒山秋浦月、腸斷玉關聲。

李白70清溪半夜聞笛 71秋浦歌十七首 其二 72清溪行 73 宿清溪主人

韋荘「江城子二首 其二」「更漏子」の「角聲」「角笛」 の注参照。

温庭筠『定西番 一』

漢使昔年離別,攀弱柳,折寒梅,上高台。

千裏玉關春雪,雁來人不來。

羌笛一聲愁,月徘徊。

『定西番三首()』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-27-4-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1724

韋荘『江城子二首』其二

髻鬟狼藉黛眉長,出蘭房,別檀郎。

角聲嗚咽,星斗漸微茫。

露冷月殘人未起,留不住,淚千行。

104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

上川主武元衡相國 其二

東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。

軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。

上川主武元衡相國二首 其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-203-69-#63  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2562

○雪漫漫 見わたす限り一面の雪。

 banri03

菩薩蠻七首 其七 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-336-6-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3227

牛嶠《菩薩蠻七首 其七寝台の様子と、愛に燃える女性の姿態、そして、彼女が水を汲む釣瓶の概観の音で目を覚まし、朝の訪れを悲しみながらも、傍らに男のいることを確かめ、男に向かって微笑むさまを描く。最後の女の言葉は、かなり直接的であり官能的である。



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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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菩薩蠻七首 其七 牛嶠【ぎゅうきょう】  Ⅹ 唐五代詞・ 「花間集」 Gs-336-6-#23   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3227



牛嶠其一:(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女を詠う。)

其二:(すぐ帰るといって春旅に出かけというのに帰ってこない男を思う女を詠う。)

其三:(春には帰ると旅だったがもう秋になる。何処にいるかわからない人のことは忘れて気持ちをかえようとする女を詠う。)

其四:(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)

其五:(早春にであい、盛春にはわかれ、まだこうらくのきせつというのにだれにもさそわれない女を詠う。)

其六:(官妓はもてはやされた生活をした。秋には帰ると男が旅立ってからかえってこない女を詠う。)

其七:(男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。)


 

菩薩蠻七首 其一

(辺境に出かけて帰らぬ男を思う女の情を詠う。)

舞裙香暖金泥鳳,畫梁語鷰驚殘夢。

舞いに着るのスカートは香しく金泥の鳳模様がきれい、塗りの梁の上の燕が鳴き交わすと名残りの夢は破られる思いになってしまう。

門外柳花飛,玉郎猶未歸。

門の外は春もさかり、柳の架は舞い飛ぶのに、あのひとは未だに帰って来ることはないのです。

愁勻紅粉淚,眉剪春山翠。

待つ身の侘しさで愁いは涙をさそい、くずれた化粧を直します。眉は春山の翠のように整えるのです。

何處是遼陽,錦屏春晝長。

あの人がいるという遼陽は何処なのでしょう、ここの錦屏風の閨の内には春の昼はただ長くなってゆくのです。

(菩薩蠻七首 其の一)

舞裙 香 暖かく 金泥の鳳,畫梁【がりょう】語る鷰 殘夢を驚く。

門外 柳花 飛,玉郎 猶お未だ歸らず。

愁いて紅粉の淚を勻え,眉は春山の翠を剪る。

何處か 是れ遼陽なる,錦屏 春晝 長し。

 

其二

(すぐ帰るといって春旅に出かけというのに帰ってこない男を思う女を詠う。)その二

柳花飛處鶯聲急,暗街春色香車立。

柳絮が飛びが飛び交うところには春を告げる鶯も行く春を惜しんで急いでいる。夕方の薄暗さが暗くなっていく春の景色もすっかり進んだ日に香をたきこめた御車が旅立っていく。

金鳳小簾開,臉波和恨來。

金の鳳凰の刺繍の小窓のカーテンを開いて見送る。まぶたに溢れる涙の後には少しづつ怨みの気持ちがやってくる。

今宵求夢想,難到青樓上。

今宵からは夢の中であの人のことを思い浮かべる。もうあの人を見送った東の楼閣に昇って過ごすことなどできないのだ、

贏得一場愁,鴛衾誰並頭。

ここの場所では愁いが追加されてくるばかり、鴛鴦の布団に誰が並んで頭を並べてくれるのでしょう。

(其の二)

柳花 飛ぶ處 鶯聲急なり,暗き街 春色 香車立つ。

金鳳 小簾開き,臉波 和みて恨み來る。

今宵 夢想を求め,青樓の上に到れ難し。

贏得【えいとく】 一場愁い,鴛衾【おうきん】 誰ぞ頭を並べん。

 

其三

(春には帰ると旅だったがもう秋になる。何処にいるかわからない人のことは忘れて気持ちをかえようとする女を詠う。)その三

玉釵風動春幡急,交枝紅杏籠煙泣。

奇麗に輝く簪が蚊座に揺れていて、春の季節の旗が大きくなびく。杏の花がいっぱいの木の枝が交差していて、これからもっと草木が生繁し、匂いがひろがり、春の緑の煙霞に包まれた風景の中で涙するのです。

樓上望卿卿,寒新雨晴。

高樓の上に上がって「卿卿(キョウキョウ)」としたあの人のいる方を望んでみるのです。でも実際には、この窓辺にはもう秋も深まり、雨から晴れに変わり気持ちも新たになるのです。

薰爐蒙翠被,繡帳鴛鴦睡。

夕刻から香炉で薫じて閨に広がり、翡翠の扇がかぶさるようにあり、刺繍のとばりには、鴛鴦が眠っている。

何處有相知,羨他初畫眉。

女は青の人がどこに行っているのかはわからないのです。ほかの女の人には彼氏が来ているのがとてもうらやましいと思っているばかりではどうしようもないので、初めての形の眉を書いてみるのです。

 

(其の三)

玉釵 風動き春幡急なり,交枝 紅杏 籠煙り泣く。

樓上 望み卿卿,寒 新らたに雨晴る。

薰爐 蒙翠被り,繡帳 鴛鴦の睡。

何處にか 相い知る有る,他を羨む初めて眉を畫く。

 

 

其四

(雲が流れると「巫山の雲雨」を思われ、さびしくなる女の情を詠う。)その四

畫屏重疊巫陽翠,楚神尚有行雲意。

奇麗に書かれた屏風が幾重に重ねられた向こうには巫陽の翡翠の扇がある。巫陽を愛した楚王は雲が流れていくと巫女が雨となって來るというのが思い出される。

朝暮幾般心,向他情漫深。

特にそれが「朝雲暮雨」ということで朝が来て、夕方になるとどれだけ女の思いをかき立てるのかどうかなのです。ほかの人と接するたびにあの人のことがさらに深く思われるのです。

風流今古隔,虛作瞿塘客。

月日が過ぎ、風が流れ、此のことも昔のこととなってしまったのです。だから、いまは空しくこの詩を作るのです瞿塘峡を下って云ったあの人の事を思って。

山月照山花,夢迴燈影斜。

山影より月がのぼって、山も花も照らしている。女の夢はいろいろと廻り回り、燈火も付けたままで影を斜めにしている。

(其の四)

畫屏 重疊 巫陽の翠,楚神 尚お行雲の意有り。

朝暮 幾か般心す,他に向う 情 漫深す。

風流 今古と隔り,虛作すは瞿塘の客を。

山月 山花を照し,夢は迴る 燈影斜なり。

 

其五

(早春にであい、盛春にはわかれ、まだこうらくのきせつというのにだれにもさそわれない女を詠う。)その五

風簾鷰舞鶯啼柳,粧臺約鬢低纖手。

風が簾を通り抜け、つばめが舞い飛び交い、鶯が柳いて春を告げると、もうやなぎの別れをしている。化粧台に向かい、髪を整えかぼそい手を低くする。

釵重髻盤珊,一枝紅牡丹。

簪が重く下がり、髷を丸くし珊瑚も飾りをつける。庭に一枝、紅い牡丹が咲いている。

門前行樂客,白馬嘶春色。

この屋の門前には春の野へ行楽に向かう男女がいるでも私には及びの声はかからない。でも高官のあの人の騎る白馬がこの男女の春景色を前にして高く嘶いて、行こうとしている。

故故墜金鞭,迴頭應眼穿。

それなのに、これなのか、金で飾られた鞭が堕ちている。頭を廻してみるとそこには目を丸くすることばかりなのです。

 

菩薩蠻七首其五

風簾 鷰舞い鶯柳に啼く,粧臺 鬢を約し纖手を低くす。

釵重く髻の盤珊,一枝 紅牡丹。

門前 行樂の客,白馬 春色に嘶く。

故故にして 金鞭墜ち,頭を迴して應に眼穿つ。

 

其六

(官妓はもてはやされた生活をした。秋には帰ると男が旅立ってからかえってこない女を詠う。)その六

綠雲鬢上飛金雀,愁眉斂翠春煙薄。

雲型の黒髪の上に金雀が飛んでるように飾られている。愁いおびた眉に、翡翠の羽があつまって、春霞は薄く漂う。

香閣掩芙蓉,畫屏山幾重。

香が焚かれたままの高閣は芙蓉の美女たちがあふれている。そこにはきれいな絵が画かれっている屏風のうちに美女がよこたわり、それが幾重にも重なっている。

寒天欲曙,猶結同心苣。

秋も深まり窓に寒くなると空に日が早く昇ってほしいと思うのです。そして、今もなお、心を一つにして固く結ばれたいのです。

啼粉羅衣,問郎何日歸。

でもあの人は来ない今日も涙で化粧は落ち閨に着る上着も涙で化粧が落ちて汚してしまったのです。どうしてもあの人に聞いてみたい「いつ帰って來るのですか」と。

(其六)

綠雲 鬢上 金雀飛び,愁眉 斂翠 春煙薄し。

香閣 芙蓉に掩れ,畫屏 山幾重なり。

寒 天欲曙,猶お心苣を同じうするを結ぶ。

啼き粉れ 羅衣を,郎に問う 何れの日にか歸らん。

花と張0104
 

其七

(男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。)その七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

玉楼の竹筵ひんやりと錦には駕駕の烏、白粉は香しき汗に溶けて枕に流る。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

窓の外では早くも水を汲む暁櫨の響き、眉顰め驚きつ笑み浮かぶ。  

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

柳の木かげ霞深く、鬢低く垂れ蝉飾りの簪抜け落ちる。

須作一生拚,盡君今日歡。

「どうなろうともう構わない、あなた、今Rは思いの限り私を愛して」。

 

(其の七)

玉樓の冰簟【ひょうてん】鴛鴦の錦,粉は香しき汗に融け 山枕に流る。

簾外 轆轤【ろくろ】の聲,眉を斂め 笑いを含みて驚く。

柳陰 煙【もや】漠漠たり,低き鬢 蟬釵【ぜんさ】落つ。

須【すべから】く一生 拚【す】つるを作すべし,君の今日の歡びを盡くせ。

 

美女004
 

『菩薩蠻七首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

其七

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

須作一生拚,盡君今日歡。

 

 

(下し文)

(其の七)

玉樓の冰簟【ひょうてん】鴛鴦の錦,粉は香しき汗に融け 山枕に流る。

簾外 轆轤【ろくろ】の聲,眉を斂め 笑いを含みて驚く。

柳陰 煙【もや】漠漠たり,低き鬢 蟬釵【ぜんさ】落つ。

須【すべから】く一生 拚【す】つるを作すべし,君の今日の歡びを盡くせ。

 

 

(現代語訳)

(男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。)その七

玉楼の竹筵ひんやりと錦には駕駕の烏、白粉は香しき汗に溶けて枕に流る。

窓の外では早くも水を汲む暁櫨の響き、眉顰め驚きつ笑み浮かぶ。  

柳の木かげ霞深く、鬢低く垂れ蝉飾りの簪抜け落ちる。

「どうなろうともう構わない、あなた、今Rは思いの限り私を愛して」。

 

 

(訳注)

菩薩蠻七首其七

(男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。)その七

唐教坊の曲名。『花間集』41首、温庭筠14首、韋荘5首、牛嶠7首収められている。双調四十四字、前段二十四字四句二仄韻二平韻、後段二十字四句二仄韻二平韻で、❼❼⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

男と一夜をともにした女の姿態と歓情とを詠う。前段は、寝台の様子と、愛に燃える女性の姿態、そして、彼女が水を汲む釣瓶の概観の音で目を覚まし、朝の訪れを悲しみながらも、傍らに男のいることを確かめ、男に向かって微笑むさまを描く。最後の女の言葉は、かなり直接的であり官能的である。

 

 

玉樓冰簟鴛鴦錦,粉融香汗流山枕。

玉楼の竹筵ひんやりと錦には駕駕の烏、白粉は香しき汗に溶けて枕に流る。

○氷簟 ひんやりとした竹筵。簟は竹の皮を蒔くはいで編んだ夏用の敷物。氷の上で寝るほどの涼しい簟で編んだしきもの。

鄭羣贈簟 #1 Ⅱ韓退之(韓愈)詩307 紀頌之の漢詩ブログ998

李商隠『可歎』
幸會東城宴末廻、年華憂共水相催。
梁家宅裏秦宮入、趙后樓中赤鳳來。
冰簟且眠金鏤枕、瓊筵不酔玉交杯。
宓妃愁坐芝田館、用盡陳王八斗才。
可歎 李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-96

温庭筠『瑤瑟怨』 

冰簟銀床夢不成,碧天如水夜雲輕。

雁聲遠過瀟湘去,十二樓中月自明。

○駕駕錦 オシドリ模様の錦の掛布。

山枕 枕のこと。温庭筠の更漏子詞に「山枕蹴、錦余寒」、顧鼻の甘州子詞に山枕上、長是怯農鐘」とある。閨情詩の場合の山は女性が別途で横たわることをいう。枕に横たわる裸体の女性を思い浮かべて読んでみると状況がよくわかる。

温庭筠『菩薩蠻十三』 

竹風輕動庭除冷,珠簾月上玲瓏影。

山枕隱濃妝,綠檀金鳳凰。

兩蛾愁黛淺,故國宮遠。

春恨正關情,畫樓殘點聲。

『菩薩蠻十三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-13-13-#13 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1668


簾外轆轤聲,斂眉含笑驚。

窓の外では早くも水を汲む暁櫨の響き、眉顰め驚きつ笑み浮かぶ。  

○轆轤 釣瓶井戸の壇櫨。滑車。情事の際の声を云う。「斂眉含笑驚」もエクスタシーを表現するもの。

 

柳陰煙漠漠,低鬢蟬釵落。

柳の木かげ霞深く、鬢低く垂れ蝉飾りの簪抜け落ちる。

○蟬釵 蝉の飾りの付いた簪。

温庭筠『菩薩蠻 五』

杏花含露團香雪,綠楊陌上多離別。

燈在月朧明,覺來聞曉鶯。

玉鈎褰翠幕,妝淺舊眉薄。

春夢正關情,鏡中蟬輕。

『菩薩蠻 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-5-5-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1636

 

須作一生拚,盡君今日歡。

「どうなろうともう構わない、あなた、今Rは思いの限り私を愛して」。

〇一生拚 一生を捨てる。情事のエクスタシーでいう言葉として理解する。ここでは我が身がどうなっても構わないことを言う。

○盡君今日歡 逐語訳すれば、あなたの今日の歓びを尽くしなさい。エクスタシーのことば。今日は私を思う存分に愛して下さいということ。
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