玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

2013年12月

9 19 醉公子一首 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-396-9-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3527

薛昭蘊≪醉公子一首≫ 寝台の上に小型の香炉が置かれ、香の煙が香炉の網の所でくゆっている。韶州には軽らかな白い葛の新しかったかたびらが赤の染付も色あせる。何処に行くこともできずにいるこんな生活は我慢できない。こんなに心が捻じ曲がって来たけれど、何もはじめっから心が汚れようとしたわけではない。

2013年12月31日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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9 19
醉公子一首 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-396-9-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3527


花間集には同じ題の詩は以下のようにある

薛侍郎昭蘊

醉公子一首

(顧太尉

醉公子二首

閻處士選

醉公子一首



醉公子一首

(貴公子に棄てられ、心が捻じ曲がり、汚れていく女を詠う。)

慢綰青絲髮,光砑綾襪。

かき上げて束ねている髪がゆるくなっている、若い黒髪が春の日にひかる。布につや出しをする,滑らかにした綾織物が鮮やかに光る。
床上小燻籠,韶州新退紅。

寝台の上に小型の香炉が置かれ、香の煙が香炉の網の所でくゆっている。韶州には軽らかな白い葛の新しかったかたびらが赤の染付も色あせる。
叵耐無端處,捻得從頭汚。

何処に行くこともできずにいるこんな生活は我慢できない。こんなに心が捻じ曲がって来たけれど、何もはじめっから心が汚れようとしたわけではない。
惱得眼慵開,問人閑事來。

もう悩んでしまって何もしたくなくなって目もトロンとした開け方になってしまう。世の人に問いかけてみてもこの後静かな何にもないことしか来はしない。


醉公子

綰も慢んだ青絲の髮,砑も光る 綾の襪【しとうず】。

床上 小さく籠に燻じて,韶州 新らたな紅も退す。

叵耐すは端無き處,捻くれて從頭の汚れを得ん。

惱んで眼慵き開くを得ん,人に問う閑事來るらん。

波眼蝶0055


醉公子一首』 現代語訳と訳註

(本文)

醉公子一首

慢綰青絲髮,光砑綾襪。

床上小燻籠,韶州新退紅。

叵耐無端處,捻得從頭汚。

惱得眼慵開,問人閑事來。

(下し文)

醉公子

綰も慢んだ青絲の髮,砑も光る 綾の襪【しとうず】。

床上 小さく籠に燻じて,韶州 新らたな紅も退す。

叵耐すは端無き處,捻くれて從頭の汚れを得ん。

惱んで眼慵き開くを得ん,人に問う閑事來るらん。

(現代語訳)

(貴公子に棄てられ、心が捻じ曲がり、汚れていく女を詠う。)

かき上げて束ねている髪がゆるくなっている、若い黒髪が春の日にひかる。布につや出しをする,滑らかにした綾織物が鮮やかに光る。

寝台の上に小型の香炉が置かれ、香の煙が香炉の網の所でくゆっている。韶州には軽らかな白い葛の新しかったかたびらが赤の染付も色あせる。何処に行くこともできずにいるこんな生活は我慢できない。こんなに心が捻じ曲がって来たけれど、何もはじめっから心が汚れようとしたわけではない。

もう悩んでしまって何もしたくなくなって目もトロンとした開け方になってしまう。世の人に問いかけてみてもこの後静かな何にもないことしか来はしない。


(訳注)

醉公子一首

唐の教坊の曲名。『花間集』には薛昭蘊の一首他三首の所収。双調四十字、前後段二十字四句二仄韻、韻二平韻で、❺❺⑤⑤/❺❺⑤⑤の詞形をとる。

(貴公子に棄てられ、心が捻じ曲がり、汚れていく女を詠う。)

前段、好きな貴公子と過ごした楽しい日々をあらわし、後段、プレゼントされた良いものも色あせていき、何時しか一人きりの生活が続くと心も捻じ曲がった人間に変わっていくという女のようすを詠う。


慢綰青絲髮,光砑
綾襪。

かき上げて束ねている髪がゆるくなっている、若い黒髪が春の日にひかる。布につや出しをする,滑らかにした綾織物が鮮やかに光る。

髪をかき上げて束ねる。「人皆は今は長しと―・けと言へど」〈万・一二四〉2 舟をあやつる。「大舟を荒海(あるみ)に漕ぎ出で八()舟―・け我が見し児らがまみは著(しる)しも」〈万・一二六六〉3 《「だく」とも》手綱をあやつる。

光砑 (皮や布に)つや出しをする,滑らかにする砑光つや出ししてひかっている。

綾 綾(あや)はななめに交差する織物のあり方の総称(これに関しては綾織りを参照)。いろいろな模様を浮き出すように織った織物の紋織物をさす(呉の国の綾織物)。

襪/下沓【しとうず】《「したぐつ」の音変化》古代以来、沓(くつ)をはくときに用いる布帛(ふはく)製の履物。礼服(らいふく)には錦(にしき)、朝服には平絹を用いた。


床上小燻籠,韶州新退紅。

寝台の上に小型の香炉が置かれ、香の煙が香炉の網の所でくゆっている。韶州には軽らかな白い葛の新しかったかたびらが赤の染付も色あせる。。

韶州(しょうしゅう)は中華人民共和国広東省にかつて設置された州。現在の韶関市一帯に相当する。 南北朝時代、梁により設置された東衡州を前身とする。589年(開皇9年)、隋朝により韶州と改称された。翌年には廃止され管轄区域は広州に統合された。

・広州へいったなら交址には貴重すべき丹砂があるし、韶州には軽らかな白い葛のかたびらがある。

杜甫『送段功曹歸廣州』 

南海春天外,功曹幾月程。

峽雲籠樹小,湖日落船明。

交趾丹砂重,韶州白葛輕。

幸君因旅客,時寄錦官城。

送段功曹歸廣州 蜀中転々 杜甫 <509  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2740 杜甫詩1000-509-742/1500


叵耐無端處,捻得從頭汚。

何処に行くこともできずにいるこんな生活は我慢できない。こんなに心が捻じ曲がって来たけれど、何もはじめっから心が汚れようとしたわけではない。

叵耐 …し難い,…できない叵耐我慢ならない.叵 pǒcè[]《貶》はかり難い,(うかが)い知れない居心叵腹の中で何を企んでいるのかわからぬ

捻得 人の心が素直でなく曲がった状態になること根性がねじ曲がる 心が捻くれる 悪堕ちする ダークサイドに堕ちる 捻くれる ねじける いじける 根性が捻じ曲がる

從頭 はじめから。


惱得眼慵開,問人閑事來。

もう悩んでしまって何もしたくなくなって目もトロンとした開け方になってしまう。世の人に問いかけてみてもこの後静かな何にもないことしか来はしない。

眼慵開 眼をものうげにひらく。


曉鶯001


 花間集の 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)の十九首
1小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3432
2小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437
3浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3442
49 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447
59 5 浣溪紗八首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-381-9-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3452
69 6 浣溪紗八首 其四 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-382-9-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3457
79 7 浣溪紗八首 其五 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-383-9-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3462
89 8 浣溪紗八首 其六 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-384-9-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3467
99 9 浣溪紗八首 其七 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-385-9-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3472
109 10 浣溪紗八首 其八 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-386-9-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3477
119 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482
129 12 女冠子二首其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-388-9-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3487
139 13 女冠子二首其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-389-9-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3492
149 14 謁金門 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-390-9-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3497
15-#19 15-#1 離別難一首-#1(薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-391-9-15-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3502
15-#29 15-#2 離別難一首 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-392-9-15-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3507
169 16 喜遷鶯三首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-393-9-#16  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3512
179 17 喜遷鶯三首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-394-9-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3517
189 18 喜遷鶯三首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-395-9-#18   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3522
199 19 醉公子一首 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-396-9-#19   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3527


杏の白花012


9 18 喜遷鶯三首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-395-9-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3522

(薛昭蘊)≪喜遷鶯三首 其三≫ 清明節が来る、雨が上がって晴れている。まさに昨年から思っていたことが叶ったということ。馬も喜び跳ね回り、歩く道を軟弱にしていたがそれも乾いて、みちには、錦の飾りを列ねている。女たちも袖口にしっかりと香りをしみこませて、半分のブランコで遊ぶ。
 

2013年12月30日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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班孟堅(班固)《西都賦》(40)#15-3 文選 賦<112―40>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩994 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3518
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《瀧吏》嶺南行(4)-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <907>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3519韓愈詩-232
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735 《隨章留後新亭會送諸君〔草堂逸詩拾遺〕》 蜀中転々 杜甫 <642  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3520 杜甫詩1000-642-898/1500〔草堂逸詩拾遺-(11)

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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性LiveDoor9 18 喜遷鶯三首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-395-9-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3522
 
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
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9 18 喜遷鶯三首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-395-9-#18   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3522

 

 

花間集に『喜遷鶯』は韋荘二首、毛文錫一首、薛昭蘊三首みえる。

●韋相莊              喜遷鶯二首

113 喜遷鴬 其一 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-293-5-#47  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3012

114 喜遷鴬 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-294-5-#48  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3017

●毛文錫(毛司徒文錫)    喜遷鶯一首

●薛侍郎昭蘊       喜遷鶯三首

 

 

喜遷鶯三首 其一

(女、女妓の一生を詠う。)

殘蟾落,曉鐘鳴,羽化覺身輕。

名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。

乍無春睡有餘酲,杏苑雪初晴。

たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。

紫陌長,襟袖冷,不是人間風景。

都大路は花が咲き長く続く、おんなの襟や袖は涙にぬれて冷たい、これは女の本筋ではなかったのだがこれが人の世の風景というものなのだ。

迴看塵土似前生,休羨谷中鶯。

この人の世の塵の様なものまで見まわしてみると結局、前の年も、その前も、そして、自分たちの前世も似たようなものなのである。春を告げる鶯の声を羨むことをやめたのだろう谷の奥の方に行ってしまった。

 

当時、長安は人口120万にを超す世界最大級の都市であった。
7
世紀に建立された大雁塔は古き良き長安の姿を今も残す。
この詩の杏園は大雁塔の皆々あった庭園である。
春、都では官僚になるための試験、科挙に合格した者たちの祝宴が開かれる。

貴族たちの家々は合格者に解放され、無礼講。

庭の花を競い、酒を競い、華やかな歌舞に宮廷料理、宴は賑やかに行われる。

科挙に合格した者だけがわが世の春を謳歌するのだ。
この日だけは、華やかな高殿の若き乙女たちも主役の座を譲ってくれる。

この試験のために全国から若者が集まってくる。

何年もかかってやっと合格するもの、どうしても及第しないもの悲喜こもごもの日なのだが、この詩は長安のにぎわいを詠った有名な詩である。

 

 

喜遷鶯三首 其二

(科挙に及第した両家の子息の合格前夜と合格の祝宴などを詠う)

金門曉,玉京春,駿馬驟輕塵。

昨日、科挙に受かったので、いま、金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている。それは科挙合格の耀く長安の春のことである。だから、駿馬にまたがって喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走っていく。

樺煙深處白衫新,認得化龍身。

昨日の夜、樺の灯火の煙は奥まったところにまで漂っていったのだ。そこには白く新しい上着をまとった女がいて、そこで龍身に化身(男になった)したのだ。

九陌喧,千啓,滿袖桂香風細。

長安城の「九通」どの通りも喧しくなり、千個どの家も家の門を開いた。人々は手を振って喜んでくれ、桂のよい香りは春のおだやかな微風に乗って届いた。

杏園歡宴曲江濱,自此占芳辰。

杏園で、歓喜の祝宴を賜り、曲江のほとりの砂浜でも祝い、長安の街を園遊する。このようにいま自分はよい日、よい時を一人でかみしめているのだ。

 

喜遷鶯三首 其三

(前の年から願っていた春の盛り、清明節もはれわたり、野山に行楽に出かけ、楽しみ、帰り道まで、草むらで楽しんだ。春を謳歌する詩。)

清明節,雨晴天,得意正當年。

清明節が来る、雨が上がって晴れている。まさに昨年から思っていたことが叶ったということ。

馬驕泥軟錦連乾,香袖半籠鞭。

馬も喜び跳ね回り、歩く道を軟弱にしていたがそれも乾いて、みちには、錦の飾りを列ねている。女たちも袖口にしっかりと香りをしみこませて、半分のブランコで遊ぶ。

花色融,人競賞,盡是繡鞍朱鞅。

花が咲き乱れるとこの街にも華やかな色に和らいでいるし、人々も、競うように着飾っている、こんなはるはだれもことごとく刺繍で飾った馬の鞍をつけ、赤の馬のむながいをあたらしくしてやる。

日斜無計更留連,歸路艸和煙。

しかし、今日も日が傾いて来ても、何の計画もない、さらにここに留守居のように又過ごしているけれど、帰り道には草も成長していて、夕靄に覆われ馴染んできているところで楽しむのだ。 

喜遷鶯三首 其の三

清明節,晴天に雨ふり,意を得る 正に年りに當るを。

馬驕 泥軟 錦連として乾,香袖 半ば籠鞭す。

花色 融け,人は賞を競う,是を盡せば 繡鞍 朱鞅。

日斜となり計無く 更に留り連る,路に歸り艸煙に和む。 

曉鶯001
 

喜遷鶯三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

其三

清明節,雨晴天,得意正當年。

馬驕泥軟錦連乾,香袖半籠鞭。

花色融,人競賞,盡是繡鞍朱鞅。

日斜無計更留連,歸路艸和煙。

 

(下し文)

(喜遷鶯三首 其の三)

清明節,晴天に雨ふり,意を得る 正に年りに當るを。

馬驕 泥軟 錦連として乾,香袖 半ば籠鞭す。

花色 融け,人は賞を競う,是を盡せば 繡鞍 朱鞅。

日斜となり計無く 更に留り連る,路に歸り艸煙に和む。

 

(現代語訳)

(前の年から願っていた春の盛り、清明節もはれわたり、野山に行楽に出かけ、楽しみ、帰り道まで、草むらで楽しんだ。春を謳歌する詩。)

清明節が来る、雨が上がって晴れている。まさに昨年から思っていたことが叶ったということ。

馬も喜び跳ね回り、歩く道を軟弱にしていたがそれも乾いて、みちには、錦の飾りを列ねている。女たちも袖口にしっかりと香りをしみこませて、半分のブランコで遊ぶ。

花が咲き乱れるとこの街にも華やかな色に和らいでいるし、人々も、競うように着飾っている、こんなはるはだれもことごとく刺繍で飾った馬の鞍をつけ、赤の馬のむながいをあたらしくしてやる。

しかし、今日も日が傾いて来ても、何の計画もない、さらにここに留守居のように又過ごしているけれど、帰り道には草も成長していて、夕靄に覆われ馴染んできているところで楽しむのだ。
 

(訳注)

喜遷鶯三首 其三

またの名を喜選鶯令、鶴冲天、鶴冲霽、燕帰来、燕帰梁、早梅芳、春光好などという。“花間集」には薛昭蘊の詩一首収められている。双調四十七字、前段二十三字五句五平韻、後段二十四字五句二仄韻二平韻で、③③⑤⑦⑤/3❸❻⑦⑤の詞形をとっている。

其三

(前の年から願っていた春の盛り、清明節もはれわたり、野山に行楽に出かけ、楽しみ、帰り道まで、草むらで楽しんだ。春を謳歌する詩。)

杏の白花012
 

清明節,雨晴天,得意正當年。

清明節が来る、雨が上がって晴れている。まさに昨年から思っていたことが叶ったということ。

・清明節 「清明節」は地球から見た太陽の位置で算出する暦上の二十四節気のひとつ。清明節の前日は「寒食節」と呼ばれる。二十四節気の第5三月節(旧暦2月後半 - 3月前半)。現在広まっている定気法では太陽黄経が15度のときで45日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から7/24年(約106.53日)後で47日ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の穀雨前日までである。

謝靈運『入東道路詩』

整駕辭金門.命旅惟詰朝.

懷居顧歸雲.指塗泝行飆.

清明節.榮華感和韶.

陵隰繁綠杞.墟囿粲紅桃.

入東道路詩 謝霊運(康楽) 詩<44#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩430 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1107

『月蝕詩 其二』

東海出明月,清明照毫髮。朱弦初罷彈,金兔正奇

三五與二八,此時光滿時。頗奈蝦蟆兒,吞我芳桂枝。

我愛明鏡潔,爾乃痕翳之。

月蝕詩 盧仝 詩7>Ⅱ中唐詩512 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1615

張泌『江城子 二首 其一』

碧欄干外小中庭,雨初晴,曉鶯聲。

飛絮落花,時節近清明。

睡起捲簾無一事,勻面了,沒心情。

江城子 二首 其一 張泌ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332

 

馬驕泥軟錦連乾,香袖半籠鞭。

馬も喜び跳ね回り、歩く道を軟弱にしていたがそれも乾いて、みちには、錦の飾りを列ねている。女たちも袖口にしっかりと香りをしみこませて、半分のブランコで遊ぶ。

・半籠鞭 1.寒い時に鞭を持つ手が寒いので手袋のように袖口に加工をしたもの。半によって、暖かくなったのでそれが半ばいらなくなったというほどの意味。2.娼屋の女たちが游ブランコ。3.籠で作られた帽子のひもが緩んでいる。

 

花色融,人競賞,盡是繡鞍朱鞅。

花が咲き乱れるとこの街にも華やかな色に和らいでいるし、人々も、競うように着飾っている、こんなはるはだれもことごとく刺繍で飾った馬の鞍をつけ、赤の馬のむながいをあたらしくしてやる。

・融 景色に溶け和む。

・競賞 鑑賞を競う。馬飾、自宅の庭、着ている服などをじまんしあう。

・繡鞍 刺繍で飾った馬の鞍。

・朱鞅 赤の馬のむながい。赤い馬の腹帯。男を恨む。

 

日斜無計更留連,歸路艸和煙。

しかし、今日も日が傾いて来ても、何の計画もない、さらにここに留守居のように又過ごしているけれど、帰り道には草も成長していて、夕靄に覆われ馴染んできているところで楽しむのだ。

・艸和煙 うっそうと生えてきた草が夕靄になじんでくる、と抒情的な表現になるが、ここでは草は行楽に来ている不特定のおんなであり、煙は作者自身であり、草むらで一緒に過ごしたという意味になる。
朱槿花・佛桑華00
 

9 17 喜遷鶯三首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-394-9-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3517

(薛昭蘊)≪喜遷鶯三首其二≫ (科挙に及第した両家の子息の合格前夜と合格の祝宴などを詠う)昨日、科挙に受かったので、いま、金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている。それは科挙合格の耀く長安の春のことである。だから、駿馬にまたがって喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走っていく。
 

2013年12月29日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(39)#15-2 文選 賦<112―39>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩993 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3513
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《瀧吏-9分割1回目〔元和十四年出為潮州作。〕》嶺南行(4)韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <906>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3514韓愈詩-231
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 734 《題郪縣郭三十二明府茅屋壁〔草堂逸詩拾遺〕》 蜀中転々 杜甫 <641>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3515 杜甫詩1000-641-897/1500〔草堂逸詩拾遺-(10)〕
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 238  《九辯 第六段》 宋玉 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3516 (12/29)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 17 喜遷鶯三首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-394-9-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3517
 
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9 17 喜遷鶯三首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-394-9-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3517

 

 

花間集に『喜遷鶯』は韋荘二首、毛文錫一首、薛昭蘊三首みえる。

●韋相莊              喜遷鶯二首

113 喜遷鴬 其一 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-293-5-#47  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3012

114 喜遷鴬 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-294-5-#48  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3017

●毛文錫(毛司徒文錫)    喜遷鶯一首

●薛侍郎昭蘊       喜遷鶯三首

 

 

喜遷鶯三首 其一

(女、女妓の一生を詠う。)

殘蟾落,曉鐘鳴,羽化覺身輕。

名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。

乍無春睡有餘酲,杏苑雪初晴。

たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。

紫陌長,襟袖冷,不是人間風景。

都大路は花が咲き長く続く、おんなの襟や袖は涙にぬれて冷たい、これは女の本筋ではなかったのだがこれが人の世の風景というものなのだ。

迴看塵土似前生,休羨谷中鶯。

この人の世の塵の様なものまで見まわしてみると結局、前の年も、その前も、そして、自分たちの前世も似たようなものなのである。春を告げる鶯の声を羨むことをやめたのだろう谷の奥の方に行ってしまった。


 

当時、長安は人口120万にを超す世界最大級の都市であった。
7
世紀に建立された大雁塔は古き良き長安の姿を今も残す。
この詩の杏園は大雁塔の皆々あった庭園である。
春、都では官僚になるための試験、科挙に合格した者たちの祝宴が開かれる。

貴族たちの家々は合格者に解放され、無礼講。

庭の花を競い、酒を競い、華やかな歌舞に宮廷料理、宴は賑やかに行われる。

科挙に合格した者だけがわが世の春を謳歌するのだ。
この日だけは、華やかな高殿の若き乙女たちも主役の座を譲ってくれる。

この試験のために全国から若者が集まってくる。

何年もかかってやっと合格するもの、どうしても及第しないもの悲喜こもごもの日なのだが、この詩は長安のにぎわいを詠った有名な詩である。

 

 

喜遷鶯三首 其二

(科挙に及第した両家の子息の合格前夜と合格の祝宴などを詠う)

金門曉,玉京春,駿馬驟輕塵。

昨日、科挙に受かったので、いま、金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている。それは科挙合格の耀く長安の春のことである。だから、駿馬にまたがって喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走っていく。

樺煙深處白衫新,認得化龍身。

昨日の夜、樺の灯火の煙は奥まったところにまで漂っていったのだ。そこには白く新しい上着をまとった女がいて、そこで龍身に化身(男になった)したのだ。

九陌喧,千啓,滿袖桂香風細。

長安城の「九通」どの通りも喧しくなり、千個どの家も家の門を開いた。人々は手を振って喜んでくれ、桂のよい香りは春のおだやかな微風に乗って届いた。

杏園歡宴曲江濱,自此占芳辰。

杏園で、歓喜の祝宴を賜り、曲江のほとりの砂浜でも祝い、長安の街を園遊する。このようにいま自分はよい日、よい時を一人でかみしめているのだ。

(喜遷鶯三首 其の二)

金門の曉,玉京の春,駿馬 驟【にわか】に塵輕【じんけい】。

樺煙 深處 白衫新たなり,龍身に化するを認得す。

九陌の喧,千啓,滿袖 桂香 風細やかに。

杏園の歡宴 曲江の濱,自ら此に 芳辰を占む。

 

喜遷鶯三首 其三

清明節,雨晴天,得意正當年。

馬驕泥軟錦連乾,香袖半籠鞭。

花色融,人競賞,盡是繡鞍朱鞅。

日斜無計更留連,歸路艸和煙。

 

 

喜遷鶯三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

喜遷鶯三首 其二

金門曉,玉京春,駿馬驟輕塵。

樺煙深處白衫新,認得化龍身。

九陌喧,千啓,滿袖桂香風細。

杏園歡宴曲江濱,自此占芳辰。

 

 

(下し文)

(喜遷鶯三首 其の二)

金門の曉,玉京の春,駿馬 驟【にわか】に塵輕【じんけい】。

樺煙 深處 白衫新たなり,龍身に化するを認得す。

九陌の喧,千啓,滿袖 桂香 風細やかに。

杏園の歡宴 曲江の濱,自ら此に 芳辰を占む。

 

(現代語訳)

(科挙に及第した両家の子息の合格前夜と合格の祝宴などを詠う)

昨日、科挙に受かったので、いま、金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている。それは科挙合格の耀く長安の春のことである。だから、駿馬にまたがって喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走っていく。

昨日の夜、樺の灯火の煙は奥まったところにまで漂っていったのだ。そこには白く新しい上着をまとった女がいて、そこで龍身に化身(男になった)したのだ。

長安城の「九通」どの通りも喧しくなり、千個どの家も家の門を開いた。人々は手を振って喜んでくれ、桂のよい香りは春のおだやかな微風に乗って届いた。

杏園で、歓喜の祝宴を賜り、曲江のほとりの砂浜でも祝い、長安の街を園遊する。このようにいま自分はよい日、よい時を一人でかみしめているのだ。

長安城図 座標
 

 

(訳注)

喜遷鶯三首 其二

またの名を喜選鶯令、鶴冲天、鶴冲霽、燕帰来、燕帰梁、早梅芳、春光好などという。“花間集」には薛昭蘊の詩一首収められている。双調四十七字、前段二十三字五句五平韻、後段二十四字五句二仄韻二平韻で、③③⑤⑦⑤/3❸❻⑦⑤の詞形をとっている。

其二

(科挙に及第した両家の子息の合格前夜と合格の祝宴などを詠う)

* 前段は発表前夜に内示を受けたのだろう汴虚ばかりの毎日から解放され、女儀のもとに行って初めての経験を詩男になる。後段、晴れて合格の日、合格者には無礼講、馬を走らせ、家々のボタンを見て回ると、人々が小口に出て手を振っていわってくれ、やがて皇帝主催の祝宴が、曲江の杏園で行われる。

*ただ、薛昭蘊という人物は『花間集』で高く取り上げられているものの誰だかわかっていない。この詩からも高級官僚になった家柄であろうということは推察できる。おそらく899年兵部侍郎になった紹緯に間違いないと考える。(9-1小重山二首其一に示した略歴とは異なる。)

長安城の位置関係
 

 

金門曉,玉京春,駿馬驟輕塵。

昨日、科挙に受かったので、いま、金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている。それは科挙合格の耀く長安の春のことである。だから、駿馬にまたがって喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走っていく。

・金門 城郭の西側壁面の中央にある門、長安では金光門(6)、大明宮では金馬門である。ここでは遊郭の中央にある門遊郭の中心部といった意味である。貴公子の実家はこの門から北の方五陵の高級邸宅地にある。「金門暁」はこの街で夜明けを迎えたということは、夜明け前に出発する当時の習慣から、(いま、あの人は金門を出て行こうとすると暁の空に変わろうとしている)というほどの意味になる。

・驟輕塵 喜び勇んで砂塵を巻いて突っ走る。・驟 馬が速く走る。にわか。しばしば。喜ぶ。歓喜する。

韋荘『河傳其二』

春晚,風暖,錦城花滿,狂殺遊人。

玉鞭金勒,尋勝馳驟輕塵,惜良晨。

翠娥爭勸邛酒,纖纖手,拂面垂絲柳。

歸時煙裏,鐘鼓正是黃昏,暗銷魂。

(春の行楽に景勝地に馬を駆って早馬で蒙塵を発てて行くものがいるという内容。)

106 河傳三首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-287-5-#41  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2982

 

樺煙深處白衫新,認得化龍身。

昨日の夜、樺の灯火の煙は奥まったところにまで漂っていったのだ。そこには白く新しい上着をまとった女がいて、そこで龍身に化身(男になった)したのだ。

・樺煙 蝋を樺の木の皮で巻いた灯火の煙。

浣溪沙十首 其一

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

・認得化龍身 初めて男になり、女となったころ。前夜、「樺煙」を持った男が新しい肌着を付けた女のところで「龍身」に変わったということで、翌朝、喜んで出発するということになる。

 

九陌喧,千啓,滿袖桂香風細。

長安城の「九通」どの通りも喧しくなり、千個どの家も家の門を開いた。人々は手を振って喜んでくれ、桂のよい香りは春のおだやかな微風に乗って届いた。

・九陌 長安皇城の南に南北に九の通りがあり、東西にも同じ九通りで区画された。五行思想と宇宙観である。一区画を「坊」と呼んだ。

 

杏園歡宴曲江濱,自此占芳辰。

杏園で、歓喜の祝宴を賜り、曲江のほとりの砂浜でも祝い、長安の街を園遊する。このようにいま自分はよい日、よい時を一人でかみしめているのだ。

・杏園 長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・芳辰  1 よい日。よい時。吉日。2 かぐわしい春の時節。

 

韋荘『長安の春』

長安の春

長安二月多香塵、六街車馬聲鈴凛。

家家楼上如花人、千枝萬枝紅艶新。

簾間笑語自相問、何人占得長安春。

長安春色本無主、古来盡屬紅樓女。

如今無奈杏園人、駿馬輕車擁将去。
長安春 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-269-5-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2892
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(薛昭蘊)≪喜遷鶯三首 其一≫ 名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。
 

 

2013年12月28日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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花間集に『喜遷鶯』は韋荘二首、毛文錫一首、薛昭蘊三首みえる。

●韋相莊              喜遷鶯二首

113 喜遷鴬 其一 ⅩⅫ五代詞・宋詩Gs-293-5-#47  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3012

114 喜遷鴬 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-294-5-#48  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3017

●毛文錫(毛司徒文錫)    喜遷鶯一首

●薛侍郎昭蘊       喜遷鶯三首

 

 

喜遷鶯三首 其一

(女、女妓の一生を詠う。)

殘蟾落,曉鐘鳴,羽化覺身輕。

名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。

乍無春睡有餘酲,杏苑雪初晴。

たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。

紫陌長,襟袖冷,不是人間風景。

都大路は花が咲き長く続く、おんなの襟や袖は涙にぬれて冷たい、これは女の本筋ではなかったのだがこれが人の世の風景というものなのだ。

迴看塵土似前生,休羨谷中鶯。

この人の世の塵の様なものまで見まわしてみると結局、前の年も、その前も、そして、自分たちの前世も似たようなものなのである。春を告げる鶯の声を羨むことをやめたのだろう谷の奥の方に行ってしまった。

 

其二

金門曉,玉京春,駿馬驟輕塵。

樺煙深處白衫新,認得化龍身。

九陌喧,千啓,滿袖桂香風細。

杏園歡宴曲江濱,自此占芳辰。

 

其三

清明節,雨晴天,得意正當年。

馬驕泥軟錦連乾,香袖半籠鞭。

花色融,人競賞,盡是繡鞍朱鞅。

日斜無計更留連,歸路艸和煙。

 

曉鶯001

 

喜遷鶯三首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

喜遷鶯三首 其一

殘蟾落,曉鐘鳴,羽化覺身輕。

乍無春睡有餘酲,杏苑雪初晴。

紫陌長,襟袖冷,不是人間風景。

迴看塵土似前生,休羨谷中鶯。

 

 

(下し文)

喜遷鶯三首 其一

殘蟾【ざんせん】落ち,曉鐘【ぎょうしょう】鳴る,羽化 身輕を覺ゆ。

乍ち春睡無く餘酲有り,杏苑 初めて晴れ雪のごとし。

紫陌 長く,襟袖 冷か,是れなく人間風景を。

迴看し塵土 前生に似たり,羨むを休む 谷中の鶯。

 

 

(現代語訳)

(女、女妓の一生を詠う。)

名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。

たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。

都大路は花が咲き長く続く、おんなの襟や袖は涙にぬれて冷たい、これは女の本筋ではなかったのだがこれが人の世の風景というものなのだ。

この人の世の塵の様なものまで見まわしてみると結局、前の年も、その前も、そして、自分たちの前世も似たようなものなのである。春を告げる鶯の声を羨むことをやめたのだろう谷の奥の方に行ってしまった。

 

杏の白花012
 

(訳注)

喜遷鶯三首 其一

(女、女妓の一生を詠う。)

前段は女として華やかなころ、毎日毎晩酔い、づつ通いが残るほどもてはやされたが、後段、何時しか庭にあんずの花が咲き乱れてもただ涕する日を過すようになり、それがずっと続く、考えてみれば、世代が変わってもそうした女の一生は似たようなものなのだ。

またの名を喜選鶯令、鶴冲天、鶴冲霽、燕帰来、燕帰梁、早梅芳、春光好などという。“花間集」には薛昭蘊の詩一首収められている。双調四十七字、前段二十三字五句五平韻、後段二十四字五句二仄韻二平韻で、③③⑤⑦⑤/3❸❻⑦⑤の詞形をとっている。

殘蟾落,曉鐘鳴,羽化覺身輕。

名残の月も沈んで、暁の仕事始めの鐘が打ち鳴らされ、酔いはのこったまま、その身はまだ夢見心地なのだ。

・殘蟾 二十日過ぎの名残月。つまり夜明けの後に沈んでゆく月のこと。

・曉鐘 暁の仕事始めの鐘。当時は夜明け前に仕事場に入らなければいけなかった。

・羽化 1.昆虫が、蛹(さなぎ)や幼虫から、成虫になること。→蛹化(ようか)。2 羽化登仙 《蘇軾「前赤壁賦」から》中国古代の信仰で、からだに羽が生え仙人となって天へのぼること。また、酒に酔ってよい気持ちになったときのたとえにいう。羽化。

 

乍無春睡有餘酲,杏苑雪初晴。

たちまちのうちにうとうとともできない二日酔いのようである。杏の中庭の庭園には雪のように花が咲いてお天気も晴れてきた。

・餘酲 ふつかよい。酲:酒に酔ってもうろうとなる.ふつかよい。宿酔。

 

紫陌長,襟袖冷,不是人間風景。

都大路は花が咲き長く続く、おんなの襟や袖は涙にぬれて冷たい、これは女の本筋ではなかったのだがこれが人の世の風景というものなのだ。

 

迴看塵土似前生,休羨谷中鶯。

この人の世の塵の様なものまで見まわしてみると結局、前の年も、その前も、そして、自分たちの前世も似たようなものなのである。春を告げる鶯の声を羨むことをやめたのだろう谷の奥の方に行ってしまった。
 杏の花001

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(薛昭蘊)離別難≫#2 こんな素敵な春の夜を二人で過ごせたいい夜だったが、春の夜は短く二人で過ごす良い夜の時はあっという間に過ぎてしまったし、蝋燭の火も燃え尽きそうで、香炉のお香もいつしか消えていたのも気が付かず過したのです。別れるのがつらく眉が檀になり、眉間にしわを寄せてしままったままで、愁いの気持ちでただそこへ蹲ってしまうのです。


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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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離別難

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)
寶馬曉鞲彫鞍,羅幃乍別情難。

夜明け前に出発する男の宝飾で盛装した馬を整え、車には暁の斜め横からの日差しを防ぐためのとばりがかけられ、彫刻に飾られた車前の横木のおおいや鞍も準備されている。閨の薄絹のとばりの中で二人は離れがたい気持ちでいたのだ。

那堪春景媚,送君千萬里。

どうしてまだ春の最中で、この景色を楽しみたいのに、それを堪えねばならないのでしょうか。あのお方を千里も万里もはるかなところへ送らないといけないのでしょうか。

半粧珠翠落,露華寒。

玉と翡翠の簪を落したまま兮そそくさと薄化粧を整えて外に出たのですが、朝露がきれいに降りて光っていてとても寒いのです。

燭,青絲曲,偏能鉤引淚闌干。

昨日の夜の赤い蝋燭と瑟で「靑絲の曲」を奏でたことで一つになった、そんなことを思い出すとひたすら涙を誘い、涙にぬれて渡り廊下の欄干にすがっているのです。

 杏の白花012

良夜促,香塵綠,魂欲迷,檀眉半斂愁低。

こんな素敵な春の夜を二人で過ごせたいい夜だったが、春の夜は短く二人で過ごす良い夜の時はあっという間に過ぎてしまったし、蝋燭の火も燃え尽きそうで、香炉のお香もいつしか消えていたのも気が付かず過したのです。別れるのがつらく眉が檀になり、眉間にしわを寄せてしままったままで、愁いの気持ちでただそこへ蹲ってしまうのです。

未別心先咽,欲語情難

本当に別れたわけではないのに一緒に居たい気持ちはどうにもならずむせび泣いています。声を掛けようと思うのですが別れがつらすぎて声にならないのです。

出芳艸,路東西。

あの人は良い香りの街道の草花の中へ旅立って、東西に長い街道を隔てて別れるのです

搖袖立,春風急,櫻花楊柳雨淒淒。

私はこの袖を揺らして別れを惜しんで立ち尽くし、一人で春の突風に晒されるのです。ああこんなに桜が咲いても、こんなにも、楊も柳も葉をつけて繁っても、私が巫山の巫女となって雨に化身しても、それはただ寂しくさらさらと降るだけなのです。

 

(離別【わかれ】難し)

馬を寶【かざ】り曉の鞲【ふく】彫の鞍【くら】,羅幃【らい】は乍【たちま】ちの別 情【なさけ】難し。

那んぞ春景の媚に堪えん,君を千萬里に送るを。

珠翠の落るに半粧して,露華の寒。

燭【かつしょく】紅にし,絲曲に青しものを,偏えに能く鉤引【こういん】し 闌干に淚す。

 

良夜は促し,香塵は綠す,魂は迷わんと欲し,檀眉 半ば斂して愁いて低す。

未だ心は咽を先んじて別れず,語らんと欲れど 情 難し。

芳艸に出で,東西に路す。

袖を搖して立し,春風急す,櫻花 楊柳 雨 淒淒【せいせい】。

 

春爛漫の美女007
 

『離別難』 現代語訳と訳註

(本文)

良夜促,香塵綠,魂欲迷,檀眉半斂愁低。

未別心先咽,欲語情難

出芳艸,路東西。

搖袖立,春風急,櫻花楊柳雨淒淒。

 

 

(下し文)

良夜は促し,香塵は綠す,魂は迷わんと欲し,檀眉 半ば斂して愁いて低す。

未だ心は咽を先んじて別れず,語らんと欲れど 情 難し

芳艸に出で,東西に路す。

袖を搖して立し,春風急す,櫻花 楊柳 雨 淒淒【せいせい】。

 

(現代語訳)

こんな素敵な春の夜を二人で過ごせたいい夜だったが、春の夜は短く二人で過ごす良い夜の時はあっという間に過ぎてしまったし、蝋燭の火も燃え尽きそうで、香炉のお香もいつしか消えていたのも気が付かず過したのです。別れるのがつらく眉が檀になり、眉間にしわを寄せてしままったままで、愁いの気持ちでただそこへ蹲ってしまうのです。

本当に別れたわけではないのに一緒に居たい気持ちはどうにもならずむせび泣いています。声を掛けようと思うのですが別れがつらすぎて声にならないのです。

あの人は良い香りの街道の草花の中へ旅立って、東西に長い街道を隔てて別れるのです

私はこの袖を揺らして別れを惜しんで立ち尽くし、一人で春の突風に晒されるのです。ああこんなに桜が咲いても、こんなにも、楊も柳も葉をつけて繁っても、私が巫山の巫女となって雨に化身しても、それはただ寂しくさらさらと降るだけなのです。

カンナ223
 

(訳注)

離別難 #2

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)

唐の教坊の曲名。『花間集』には薛昭蘊の一首のみ所収。双調八十七字、前段四十三字九句四平韻四仄韻、後段四十四字十句四平韻六仄韻で、❻⑥❺❺5❸❸❸7/❸❸③⑥❺3❸⑤❸❸❼の詞形をとる。

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)

 

良夜促,香塵綠,魂欲迷,檀眉半斂愁低。

こんな素敵な春の夜を二人で過ごせたいい夜だったが、春の夜は短く二人で過ごす良い夜の時はあっという間に過ぎてしまったし、蝋燭の火も燃え尽きそうで、香炉のお香もいつしか消えていたのも気が付かず過したのです。別れるのがつらく眉が檀になり、眉間にしわを寄せてしままったままで、愁いの気持ちでただそこへ蹲ってしまうのです。

・良夜促 こんな素敵な春の夜を二人で過ごせたいい夜だったが、春の夜は短く二人で過ごす良い夜の時はあっという間に過ぎてしまった。

・香塵綠 蝋燭の火も燃え尽きそうで、香炉のお香もいつしか消えていたのも気が付かず過した。

・檀眉半斂 別れるのがつらく眉が檀になり、眉間にしわを寄せてしまう事。

・愁低 愁いの気持ちでただそこへ蹲ってしまう。

 

未別心先咽,欲語情難

本当に別れたわけではないのに一緒に居たい気持ちはどうにもならずむせび泣いています。声を掛けようと思うのですが別れがつらすぎて声にならないのです。

 

出芳艸,路東西。

あの人は良い香りの街道の草花の中へ旅立って、東西に長い街道を隔てて別れるのです

・芳艸 春になって成長する草花を云うが、東の都にいる女妓を指す。

・路東西 東西に別れる、ここでは、男が、洛陽にいき女は長安に留まることでその間の道。

韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

 

搖袖立,春風急,櫻花楊柳雨淒淒。

私はこの袖を揺らして別れを惜しんで立ち尽くし、一人で春の突風に晒されるのです。ああこんなに桜が咲いても、こんなにも、楊も柳も葉をつけて繁っても、私が巫山の巫女となって雨に化身しても、それはただ寂しくさらさらと降るだけなのです。

・雨淒淒 この聯、特にこの語に強いエロチズムを込めている。「搖袖」とは、「春風急」とは、「櫻花」「楊柳」とは、これについては誤訳しないで直訳するので読み取ってもらいたい。詩詞で「雨」という語を使う場合、宋玉の「神女賦」に、「且に朝雲となり、碁に行雨となる」「朝雲暮雨。」の句に基づいているということである。結句の「雲雨」に応じている。神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させる

「搖袖」袖を振って別れうぃあらわすであるが、自慰行為を示す。

「春風急」春の突風、であるがここでは他の男性が言い寄ってくること。

「櫻花」中國のさくらは美しくないが見よよく付けるので女性自身を指す。

「楊柳」やなぎ。楊は男、柳はおんなをいう。

9 15-#1 離別難一首-#1(薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-391-9-15-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3502

(薛昭蘊)離別難 夜明け前に出発するあのお方の乗る宝飾で盛装した馬を整え、車には暁の斜め横からの日差しを防ぐためのとばりがかけられ、彫刻に飾られた車前の横木のおおいや鞍も準備されている。閨の薄絹のとばりの中で二人は離れがたい気持ちでいたのです。

2013年12月26日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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9 15-#1 離別難二首其二(薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-391-9-15-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3502

 

 

離別難

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)
寶馬曉鞲彫鞍,羅幃乍別情難。

夜明け前に出発するあのお方の乗る宝飾で盛装した馬を整え、車には暁の斜め横からの日差しを防ぐためのとばりがかけられ、彫刻に飾られた車前の横木のおおいや鞍も準備されている。閨の薄絹のとばりの中で二人は離れがたい気持ちでいたのです。

那堪春景媚,送君千萬里。

どうしてまだ春の最中で、この景色を楽しみたいのに、それを堪えねばならないのでしょうか。あのお方を千里も万里もはるかなところへ送らないといけないのでしょうか。

半粧珠翠落,露華寒。

玉と翡翠の簪を落したまま兮そそくさと薄化粧を整えて外に出たのですが、朝露がきれいに降りて光っていてとても寒いのです。

燭,青絲曲,偏能鉤引淚闌干

昨日の夜の赤い蝋燭と瑟で「靑絲の曲」を奏でたこと、そんなことを思い出すとひたすら涙を誘い、涙にぬれて渡り廊下の欄干にすがっているのです。

 

良夜促,香塵綠,魂欲迷,檀眉半斂愁低。

未別心先咽,欲語情難

出芳艸,路東西。

搖袖立,春風急,櫻花楊柳雨淒淒。

 

(離別【わかれ】難し)

馬を寶【かざ】り曉の鞲【ふく】彫の鞍【くら】,羅幃【らい】は乍【たちま】ちの別 情【なさけ】難し。

那んぞ春景の媚に堪えん,君を千萬里に送るを。

珠翠の落るに半粧して,露華の寒。

燭【かつしょく】紅にし,絲曲に青しものを,偏えに能く鉤引【こういん】し 闌干に淚す。

 

良夜は促し,香塵は綠す,魂は迷わんと欲し,檀眉 半ば斂して愁いて低す。

未だ心は咽を先んじて別れず,語らんと欲れど 情 難し。

芳艸に出で,東西に路す。

袖を搖して立し,春風急す,櫻花 楊柳 雨 淒淒【せいせい】。

oushokun01
 

『離別難』 現代語訳と訳註

(本文)

離別難

寶馬曉鞲彫鞍,羅幃乍別情難。

那堪春景媚,送君千萬里。

半粧珠翠落,露華寒。

燭,青絲曲,偏能鉤引淚闌干。

 

 

(下し文)

離別【わかれ】し)

馬を寶【かざ】り曉の鞲【ふく】彫の鞍【くら】,羅幃【らい】は乍【たちま】ちの別 情【なさけ】難し。

那んぞ春景の媚に堪えん,君を千萬里に送るを。

珠翠の落るに半粧して,露華の寒。

【かつしょく】紅にし,絲曲に青しものを,偏えに能く鉤引【こういん】し 闌干に淚す。

 

 

(現代語訳)

夜明け前に出発するあのお方の乗る宝飾で盛装した馬を整え、車には暁の斜め横からの日差しを防ぐためのとばりがかけられ、彫刻に飾られた車前の横木のおおいや鞍も準備されている。閨の薄絹のとばりの中で二人は離れがたい気持ちでいたのです。

どうしてまだ春の最中で、この景色を楽しみたいのに、それを堪えねばならないのでしょうか。あのお方を千里も万里もはるかなところへ送らないといけないのでしょうか。

玉と翡翠の簪を落したまま兮そそくさと薄化粧を整えて外に出たのですが、朝露がきれいに降りて光っていてとても寒いのです。

昨日の夜の赤い蝋燭と瑟で「靑絲の曲」を奏でたことで一つになった、そんなことを思い出すとひたすら涙を誘い、涙にぬれて渡り廊下の欄干にすがっているのです。

 

波眼蝶0055
 

(訳注)

離別難

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)

唐の教坊の曲名。『花間集』には薛昭蘊の一首のみ所収。双調八十七字、前段四十三字九句四平韻四仄韻、後段四十四字十句四平韻六仄韻で、❻⑥❺❺5❸❸❸7/❸❸③⑥❺3❸⑤❸❸❼の詞形をとる。

(男性から見た、宮女・官妓が情のかよった男を送り出し、これから先どうして貞操を守ってゆくのかその心持を詠う。)

 

寶馬曉鞲彫鞍,羅幃乍別情難。

夜明け前に出発するあのお方の乗る宝飾で盛装した馬を整え、車には暁の斜め横からの日差しを防ぐためのとばりがかけられ、彫刻に飾られた車前の横木のおおいや鞍も準備されている。閨の薄絹のとばりの中で二人は離れがたい気持ちでいたのです。

・寶馬 宝飾で盛装した馬。四頭立ての馬車ではなかろうか。

・鞲 皮袋。矢入れ。ふいご。ここでは車前の横木のおおい。

・羅幃 寝床の薄絹のとばり。車の入り口の薄絹のとばり。

李白『春思』

燕草如碧絲,秦桑低綠枝。

當君懷歸日,是妾斷腸時。

春風不相識,何事入羅幃

李白20 辺塞詩 (春思、秋思)

魚玄機『閨怨』

蘼蕪盈手泣斜暉,聞道鄰家夫婿歸。

別日南鴻才北去,今朝北雁又南飛。

春來秋去相思在,秋去春來信息稀。

扃閉朱門人不到,砧聲何事透羅幃

閨怨 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-78-14-# 804_10 【閨怨】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1937

 

那堪春景媚,送君千萬里。

どうしてまだ春の最中で、この景色を楽しみたいのに、それを堪えねばならないのでしょうか。あのお方を千里も万里もはるかなところへ送らないといけないのでしょうか。

 

半粧珠翠落,露華寒。

玉と翡翠の簪を落したまま兮そそくさと薄化粧を整えて外に出たのですが、朝露がきれいに降りて光っていてとても寒いのです。

・半粧 夜のくずれた化粧を落とし、見送るための朝の薄化粧をそそくさとしたことを云う。蛇足であるが、『南史后妃伝』梁元帝の徐妃は元帝が独眼であったため必ず顔の半分だけ化粧して迎い入れた。元帝は起こって、それ以来后妃の後宮へより附かなかったとういう故事がある。

・露華 朝露がきれいに降りて光っていること。

 

燭,青絲曲,偏能鉤引淚闌干。

昨日の夜の赤い蝋燭と瑟で「靑絲の曲」を奏でたことで一つになった、そんなことを思い出すとひたすら涙を誘い、涙にぬれて渡り廊下の欄干にすがっているのです。

 蝋燭のことであるが、蝋燭の炎の中心の明るい部分を云う。女性性器を意味する語である。

皇甫松『摘得新二首 其一』

酌一巵,須教玉笛吹。

錦筵紅燭,莫來遲。

繁紅一夜經風雨,是空枝。

摘得新 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-311-5-#65  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3102

・青絲曲 瑟、琴の曲。青絲は若い女の黒髪を云い、燭と対句としている。どちらも若い女体の描写で、昨日の夜を連想させるものである。

魚玄機『光威裒姉妹三人、・・・・因次其韻。』「當臺競鬥青絲發,對月爭誇白玉簪。」光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。-#7 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-125--#7  kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2172

・鉤引 それが引き金となって~する。

・闌干 涙が流れるさまと渡り廊下、高楼の欄干に臨んでという意味を持つ。
agehacho01
 

9 14 謁金門 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-390-9-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3497

謁金門(薛昭蘊)散り落ちた花弁が庭一面に敷く花の数は何千の数があるだろう。あのおとこを思いだすたびに下腹の疼きは腸がはち切れんばかりが続いて忘れられない。逢瀬の夢を繰り返し見るという自慰のこの身は辛いだけなのだ。


2013年12月25日  の紀頌之5つのブログ
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 14 謁金門 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-390-9-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3497
 
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
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9 14 謁金門 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-390-9-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3497

 

 

謁金門

棄てられた女妓の恋慕・悶絶の苦しみを詠う。

春滿院,疊損羅衣金線。

今年も春の景色は豊かに中の庭園に満ちあふれてきた、薄絹の衣裳は長く畳まれたままで金糸の縫い刺繍は損なわれている。

睡覺水精簾未捲,簷前雙語鷰。

もう目覚めても水晶の簾をまだ巻き上げることもしない、それなのにつがいの燕が、軒先に囁き交わしている。
斜掩金鋪一扇,滿地落花千片。

敲き金具が施された門は半ば閉ざされているけれど、散り落ちた花弁が庭一面に敷く花の数は何千の数があるだろう。

早是相思腸欲斷,忍教頻夢見。

あのおとこを思いだすたびに下腹の疼きは腸がはち切れんばかりが続いて忘れられない。逢瀬の夢を繰り返し見るという自慰のこの身は辛いだけなのだ。 

(謁金門【えつきんもん】)

春は院に満ち、畳みて羅衣の金線を損なう。

睡り覚むれど 水精の簾 未だ捲かず、簷前 双び語る燕。

斜めに掩う 金鋪 一扇、満地の落花 千片。

早に是れ相い思うて 腸 断えんと欲し、忍びて頻に夢に見せしむ。

 

朱槿花・佛桑華00
 

『謁金門』 現代語訳と訳註

(本文)

謁金門

春滿院,疊損羅衣金線。

睡覺水精簾未捲,簷前雙語鷰。

斜掩金鋪一扇,滿地落花千片。

早是相思腸欲斷,忍教頻夢見。

 

 

(下し文)

(謁金門【えつきんもん】)

春は院に満ち、畳みて羅衣の金線を損なう。

睡り覚むれど 水精の簾 未だ捲かず、簷前 双び語る燕。

斜めに掩う 金鋪 一扇、満地の落花 千片。

早に是れ相い思うて 腸 断えんと欲し、忍びて頻に夢に見せしむ。

 

(現代語訳)

棄てられた女妓の恋慕・悶絶の苦しみを詠う。

今年も春の景色は豊かに中の庭園に満ちあふれてきた、薄絹の衣裳は長く畳まれたままで金糸の縫い刺繍は損なわれている。

もう目覚めても水晶の簾をまだ巻き上げることもしない、それなのにつがいの燕が、軒先に囁き交わしている。

敲き金具が施された門は半ば閉ざされているけれど、散り落ちた花弁が庭一面に敷く花の数は何千の数があるだろう。

あのおとこを思いだすたびに下腹の疼きは腸がはち切れんばかりが続いて忘れられない。逢瀬の夢を繰り返し見るという自慰のこの身は辛いだけなのだ。

漢詩ブログ001
 

(訳注)

謁金門

棄てられた女妓・宮女の恋慕・悶絶の苦しみを詠う。

『花間集』には薛昭蘊の作が一首収められている。双調四十五字、前段二十一字四句四仄韻、後段二十四字四句四仄韻で、❸❻❼❺/❻❻❼❺の詞形をとる。韋荘の謁金門の解説参照。

韋相莊

謁金門二首

 

薛侍郎昭蘊

謁金門一首

 

牛學士希濟

謁金門一首

 

孫少監光憲

謁金門一首

 

 

謁金門 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-259-5-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2677

101 謁金門 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-280-5-#34  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2947

棄てられた女妓の恋慕・悶絶の苦しみを詠う。前段未句の番の燕は女性の孤独感を際立たせる。後段は、他の男と断絶された中にいてもてあます体の疼きが、ますます辛くなることを綴る。 

 

春滿院,疊損羅衣金線。

今年も春の景色は豊かに中の庭園に満ちあふれてきた、薄絹の衣裳は長く畳まれたままで金糸の縫い刺繍は損なわれている。

疊損羅衣金線 薄絹の衣裳が長い間畳んだヰ毒になっていたために、刺繍の金糸が折り目から切れてしまったことをいう。

 

睡覺水精簾未捲,簷前雙語鷰。

もう目覚めても水晶の簾をまだ巻き上げることもしない、それなのにつがいの燕が、軒先に囁き交わしている。

簾未捲 悲しみに心が晴れず簾を巻き上げる気持ちになれぬことを言う。

双語燕 番の燕が仲睦まじく語らう。ここでは同時に女の孤独を際立たせる。

 

斜掩金鋪一扇,滿地落花千片。

敲き金具が施された門は半ば閉ざされているけれど、散り落ちた花弁が庭一面に敷く花の数は何千の数があるだろう。

金鋪 門扉に付けて金輪を含ませた金具。敲き金。ノッカー。ここではそれが付いた門扉。

滿地落花千片 花弁は女性の局部を意味しており、次の聯で性的な世邱不満をより強調するためにこの句がある。

 

早是相思腸欲斷,忍教頻夢見。

あのおとこを思いだすたびに下腹の疼きは腸がはち切れんばかりが続いて忘れられない。逢瀬の夢を繰り返し見るという自慰のこの身は辛いだけなのだ。

欲断 切れそうだ。欲は今にも〜しそうだ、の意。

忍交頻夢見 むごくも、しきりに逢瀬の夢を見させる。

交ほ使役を表す。使役の主体は女を独りにしておいて帰らぬ男。帰らぬ意中の男を待つ女性は、せめて夢で会いたいと願うのが一般であるが、ここでは、それを逆手に取って、男の夢を見ることが女を一層悲しませることを言ったもの。

野鴨0111
 

9 13 女冠子二首其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-389-9-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3492

薛昭蘊≪女冠子二首其二≫ その日、ここ仙郷に雲の薄絹に覆われ、霧は谷を被う、新たに晴れやかに道女としての法籙を授かった。そうして、真の女道士の教授として里に下りてゆく。髪を書き上げ髻をしっかりし、若さある髪を整え、そして冠を選んで、碧玉の簪を付けた。


2013年12月24日  の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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9 13 女冠子二首其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-389-9-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3492

 

花間集に収める『女冠子』

-ID

詩人

首数

掲載

1

溫助教庭筠

女冠子二首

5

韋相莊

女冠子二首

9

薛侍郎昭蘊

女冠子二首

6

牛嶠(牛給事嶠)

女冠子四首

7

張舍人泌

女冠子一首

12

孫少監光憲

女冠子二首

15

魏太尉承班

女冠子二首

18

毛秘書熙震

女冠子二首

22

李秀才珣

女冠子二首

 

女冠子二首其一

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

求仙去也,翠鈿金篦盡捨,入嵒巒。

女道士になるために家を出るにつけて、翡翠の飾り、黄金の櫛、簪、なにもかもみな投げ捨てて、自然に同化できる岩山の洞窟に入ったのだ。

霧捲黃羅帔,雲彫白玉冠。

霧は巻かれることもあり、きれいな薄絹の肩掛けをつけるようになり、『高唐の賦』にいう雲は祠にかざられた彫刻に白い玉の冠をつけるようになった。

野煙溪洞冷,林月石橋寒。

野に靄がひろがり、渓谷の洞窟が冷ややかにして靄は生まれ、この祠の近くに散歩する木々のあいだから月あかりに映えていたが、いまは石橋をわたるのもひとりで寒い。

靜夜松風下,禮天壇。

あの人が来てくれなくなった静かな夜、小高い丘の松をぬけて風が吹いてくる、こうして恵まれてきたことを天壇に祈りを捧ぐ。

女冠子 二首其の一

仙を求めて去る也,翠鈿【すいでん】金篦【きんべい】盡く捨て,嵒巒【がんらん】に入る。

霧捲く 黃羅の帔【かたかけ】,雲彫る 白玉の冠。

野煙 溪洞 冷やかに,林月 石橋 寒し。

靜夜 松風の下,天壇に禮す。

 

女冠子二首其二

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

雲羅霧縠,新授明威法籙,降真函。

その日、ここ仙郷に雲の薄絹に覆われ、霧は谷を被う、新たに晴れやかに道女としての法籙を授かった。そうして、真の女道士の教授として里に下りてゆく。

髻綰青絲髮,冠抽碧玉篸。

髪を書き上げ髻をしっかりし、若さある髪を整え、そして冠を選んで、碧玉の簪を付けた。

往來雲過五,去往島經三。

行き過ぎるの雲が過ぎる様に今宵を過した、行きつ戻りつして中州、島々、一年を過していった。

正遇劉郎使,瑤緘。

まさに、遊び人のあの劉郎の使いのものと出会った、そしてもう、道教の経典の「啓瑤壇」を封印してしまった。

女冠子二首其の二

雲は羅に 霧は縠に,新らたに明威なる法籙を授り,真函に降ろ。

髻綰 青絲の髮,冠抽 碧玉の篸。

往來して雲 五を過り,去往して島 三を經る。

正に劉郎の使に遇い,瑤 緘ず。

 

 

bijo02

『女冠子二首其二』現代語訳と訳註

(本文)

女冠子二首其二

雲羅霧縠,新授明威法籙,降真函。

髻綰青絲髮,冠抽碧玉篸。

往來雲過五,去往島經三。

正遇劉郎使,瑤緘。

 

(下し文)

女冠子二首其の二

雲は羅に 霧は縠に,新らたに明威なる法籙を授り,真函に降ろ。

髻綰 青絲の髮,冠抽 碧玉の篸。

往來して雲 五を過り,去往して島 三を經る。

正に劉郎の使に遇い,瑤 緘ず。
(現代語訳)

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

その日、ここ仙郷に雲の薄絹に覆われ、霧は谷を被う、新たに晴れやかに道女としての法籙を授かった。そうして、真の女道士の教授として里に下りてゆく。

髪を書き上げ髻をしっかりし、若さある髪を整え、そして冠を選んで、碧玉の簪を付けた。

行き過ぎるの雲が過ぎる様に今宵を過した、行きつ戻りつして中州、島々、一年を過していった。

まさに、遊び人のあの劉郎の使いのものと出会った、そしてもう、道教の経典の「啓瑤壇」を封印してしまった。

 

 

(訳注)

女冠子二首其二

『花間集』には薛昭蘊の作が二首収められている。双調四十一字、前段二十三字五句、二仄韻二平韻、後段十八字四句二平韻で、❹❻③5⑤/5⑤5③の詞形をとる。

 

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

前段は、女道士となるために、山に入り、しゅぎょうをしていることをれんそうさせる。おとこをしり、白玉の冠を彫り刻むかのようであると、道妓のいでたちについて述べる。後段は、月時は流れ、出会い別れあったものの、好きだった男から使いをよこされ棄てられてしまった。

女冠子二首 其一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

女冠子二首 其二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-313-5-#57-(4)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3112

女冠子 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-254-5-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2652

女冠子 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-255-5-#9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2657

女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

女冠子四首 其二 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-315-5-#57-(6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3122

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-(7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

女冠子四首 其四 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-317-5-#57-(8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3132

女道士の風俗を描く。前段は女道士の姿を詠い、後段は伴の女にあなたも早く道士になりなさいと勧めるさまを描く。脱俗の女道士にしては、あまりにも艶めかしい姿態で措かれているが、この期の女道士や尼僧の住む祠、通観や寺院は、風俗を乱す場として、しばしば取りつぶしにあっている。一歳とると囲われていても捨てられたり、親、兄弟と死別すると多くの女性が駆け込んだのである。(後段に「妓女」について述べる。)

 泰山の道観02

雲羅霧縠,新授明威法籙,降真函。

その日、ここ仙郷に雲の薄絹に覆われ、霧は谷を被う、新たに晴れやかに道女としての法籙を授かった。そうして、真の女道士の教授として里に下りてゆく。

法籙 道教の経典、戒律、法籙、符契、科儀とあり、道士の位階が確立してくると、法籙〔道籙〕の伝授が行われるようになった。玄宗 は 、自ら 司馬 承 禎 から 法籙 を 受け 道士 皇帝 と な り 、  『 道徳 経 』 の 注釈 書 を つく り 、 崇玄 学 ( 道教 の 学校 ) を 設置 した。

真函 「函」とは、女を正良にするために作る器のことで、真は道士として認められたことで、真函というものになったら寺観を降りて隠遁したり、民間に戻ることもできる。ここでは妾として身請けされることと思われる。

 

髻綰青絲髮,冠抽碧玉篸。

髪を書き上げ髻をしっかりし、若さある髪を整え、そして冠を選んで、碧玉の簪を付けた。

【もとどり】とは。《「本取り」の意》髪を頭の上に集めて束ねた所。また、その髪。たぶさ。髻放つ冠や烏帽子(えぼし)をかぶらず、髻をあらわにする。礼儀に反する行為とされる。

髪をかき上げて束ねる。「人皆は今は長しと―・けと言へど」〈万・一二四〉2 舟をあやつる。「大舟を荒海(あるみ)に漕ぎ出で八()舟―・け我が見し児らがまみは著(しる)しも」〈万・一二六六〉3 《「だく」とも》手綱をあやつる。

 ぬきんでる ぬく引き出す。抜き出す。

玉篸 宝玉の簪。本体部分は竹で作られているもの。

 

往來雲過五,去往島經三。

行き過ぎるの雲が過ぎる様に今宵を過した、行きつ戻りつして中州、島々、一年を過していった。

過五・經三 五更、一晩が過ぎること。一年の上元、中元、下元をけいかすること。この両句は、時の経過を云うものである。ただ、道教上の用語を使って時の経過とその身の変化を云う。

儒教では、五常(仁、義、礼、智、信)の徳性を拡充することにより、父子、君臣、夫婦、長幼、朋友の五倫の道をまっとうすることを説いている。五行思想(ごぎょうしそう)または五行説(ごぎょうせつ)とは、古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説である。また、5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在する。

道教の「三元神」は次のとおり。上元115賜福大帝・天官大帝 上元一品天官 堯 賜福(福を与える)中元715赦罪大帝・地官大帝 中元二品地官  舜 赦罪(罪を赦す)

下元1015日 解厄大帝・水官大帝           下元三品水官 禹解厄(厄を祓う)

三元を司る3神を三官大帝(zh:三官大帝)という。三官大帝は龍王の3人の娘と人間の陳子椿とのあいだに生まれた、龍王の孫である。彼らの誕生日が、三元として祝われるようになった。

三元は1年を3等分ではなく、2:1:16ヶ月・3ヶ月・3ヶ月)に分けている。いずれの日も15日、つまりほぼ満月である。

 

正遇劉郎使,瑤緘。

まさに、遊び人のあの劉郎の使いのものと出会った、そしてもう、道教の経典の「啓瑤壇」を封印してしまった。

劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

瑤 道教経典:瑤壇讚本、

「啓瑤壇(けいようだん) 礼誦経(らいしょうきょう) 天地日月三光(てんちじつげつさんこう) 大衆神明(たいしゅうしんめい) 一斎降鑑(いっさいこうかん)

緘 1 封をする。封じ目。「封緘」2 口を閉じる。
王屋山00
 

9 12 女冠子二首其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-388-9-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3487

薛昭蘊≪女冠子二首其一≫ 女道士になるために家を出るにつけて、翡翠の飾り、黄金の櫛、簪、なにもかもみな投げ捨てて、自然に同化できる岩山の洞窟に入ったのだ。霧は巻かれることもあり、きれいな薄絹の肩掛けをつけるようになり、『高唐の賦』にいう雲は祠にかざられた彫刻に白い玉の冠をつけるようになった。


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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 12 女冠子二首其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-388-9-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3487
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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花間集に収める『女冠子』

Ⅴ-ID

詩人

首数

掲載

1

溫助教庭筠

女冠子二首

5

韋相莊

女冠子二首

9

薛侍郎昭蘊

女冠子二首

6

牛嶠(牛給事嶠)

女冠子四首

7

張舍人泌

女冠子一首

12

孫少監光憲

女冠子二首

15

魏太尉承班

女冠子二首

18

毛秘書熙震

女冠子二首

22

李秀才珣

女冠子二首

 

女冠子二首其一

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

求仙去也,翠鈿金篦盡捨,入嵒巒。

女道士になるために家を出るにつけて、翡翠の飾り、黄金の櫛、簪、なにもかもみな投げ捨てて、自然に同化できる岩山の洞窟に入ったのだ。

霧捲黃羅帔,雲彫白玉冠。

霧は巻かれることもあり、きれいな薄絹の肩掛けをつけるようになり、『高唐の賦』にいう雲は祠にかざられた彫刻に白い玉の冠をつけるようになった。

野煙溪洞冷,林月石橋寒。

野に靄がひろがり、渓谷の洞窟が冷ややかにして靄は生まれ、この祠の近くに散歩する木々のあいだから月あかりに映えていたが、いまは石橋をわたるのもひとりで寒い。

靜夜松風下,禮天壇。

あの人が来てくれなくなった静かな夜、小高い丘の松をぬけて風が吹いてくる、こうして恵まれてきたことを天壇に祈りを捧ぐ。

女冠子 二首其の一

仙を求めて去る也,翠鈿【すいでん】金篦【きんべい】盡く捨て,嵒巒【がんらん】に入る。

霧捲く 黃羅の帔【かたかけ】,雲彫る 白玉の冠。

野煙 溪洞 冷やかに,林月 石橋 寒し。

靜夜 松風の下,天壇に禮す。

tsuki04
 女冠子二首其二

雲羅霧縠,新授明威法籙,降真函。

髻綰青絲髮,冠抽碧玉篸。

往來雲過五,去往島經三。

正遇劉郎使,瑤緘。



『女冠子二首其一』現代語訳と訳註

(本文)

女冠子二首其一

求仙去也,翠鈿金篦盡捨,入嵒巒。

霧捲黃羅帔,雲彫白玉冠。

野煙溪洞冷,林月石橋寒。

靜夜松風下,禮天壇。

 

(下し文)

女冠子 二首其の一

仙を求めて去る也,翠鈿【すいでん】金篦【きんべい】盡く捨て,嵒巒【がんらん】に入る。

霧捲く 黃羅の帔【かたかけ】,雲彫る 白玉の冠。

野煙 溪洞 冷やかに,林月 石橋 寒し。

靜夜 松風の下,天壇に禮す。

 

(現代語訳)

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

女道士になるために家を出るにつけて、翡翠の飾り、黄金の櫛、簪、なにもかもみな投げ捨てて、自然に同化できる岩山の洞窟に入ったのだ。

霧は巻かれることもあり、きれいな薄絹の肩掛けをつけるようになり、『高唐の賦』にいう雲は祠にかざられた彫刻に白い玉の冠をつけるようになった。

野に靄がひろがり、渓谷の洞窟が冷ややかにして靄は生まれ、この祠の近くに散歩する木々のあいだから月あかりに映えていたが、いまは石橋をわたるのもひとりで寒い。

あの人が来てくれなくなった静かな夜、小高い丘の松をぬけて風が吹いてくる、こうして恵まれてきたことを天壇に祈りを捧ぐ。

あさがお002
 

(訳注)

女冠子二首其一

『花間集』には薛昭蘊の作が二首収められている。双調四十一字、前段二十三字五句、二仄韻二平韻、後段十八字四句二平韻で、❹❻③5⑤/5⑤5③の詞形をとる。

 

(家を出て山間に入り道士となった女を詠う。)

前段は、女道士となるために、家も身を創る品々もすべてを捨て去って、山に入ると、いつしかもやのようにつつまれ、おとこをしり、雲のようにまかれ、白玉の冠を彫り刻むかのようであると、道妓のいでたちについて述べる。後段は、月の照る静かな夜、風渡る松の木の下で、天壇に祈りを捧げるさまを描く。

 

女冠子二首 其一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

女冠子二首 其二 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-313-5-#57-(4)  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3112

女冠子 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-254-5-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2652

女冠子 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-255-5-#9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2657

女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

女冠子四首 其二 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-315-5-#57-(6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3122

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-(7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

女冠子四首 其四 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-317-5-#57-(8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3132

女道士の風俗を描く。前段は女道士の姿を詠い、後段は伴の女にあなたも早く道士になりなさいと勧めるさまを描く。脱俗の女道士にしては、あまりにも艶めかしい姿態で措かれているが、この期の女道士や尼僧の住む祠、通観や寺院は、風俗を乱す場として、しばしば取りつぶしにあっている。一歳とると囲われていても捨てられたり、親、兄弟と死別すると多くの女性が駆け込んだのである。(後段に「妓女」について述べる。)

 

 

求仙去也,翠鈿金篦盡捨,入嵒巒。

女道士になるために家を出るにつけて、翡翠の飾り、黄金の櫛、簪、なにもかもみな投げ捨てて、自然に同化できる岩山の洞窟に入ったのだ。

求仙 仙人になることを求める。ここでは女道士になることをいう。

翠細金箆 翡翠や金で飾った櫛や簪。

嵒巒 自然に同化するため岩山に入る。道教は、南北朝の時代に成熟し、唐代には国教となり、宗教としての質をどんどん向上させた。宗教人類学・宗教歴史学・宗教心理学・宗教社会学の観点から分析すると、道教は宗教の基本要素を全て備えている。キリスト教・イスラム教・仏教の三大世界宗教と比べると、道教は一般の宗教としての特徴だけでなく独特の民族文化の特色も備えている。道教の一般的な宗教としての特徴を次に示す。道教は自然発生した自然宗教と人為的な倫理宗教の結合体である。人格化した主神(元始天尊・太上老君など)に対する信仰だけだけでなく、自然界の本質である汎神論の「道」の信仰(ヒンズー教の「ブラーフマン」、大乗仏教の「仏性」と類似している)もある。祠に女妓ともなった。

 

霧捲黃羅帔,雲彫白玉冠。

霧は巻かれることもあり、きれいな薄絹の肩掛けをつけるようになり、『高唐の賦』にいう雲は祠にかざられた彫刻に白い玉の冠をつけるようになった。

霧括黄羅披、雲彫白玉冠 霧と雲は男性を意味する語である。宋玉の『高唐の賦』で明確にくも、きり、に対する月、雨、松、鏡が女性という前提を踏まえなければ、解釈がまちまちになってしまう。男女のこと、妓女のことを詠う詩に抒情の詩のような解釈をする解説書があるがナンセンスである。花間集はエロチズムであり、権力に抵抗できる唯一の武器であった。

この二句については、注釈書によって解釈がまちまちである。ここでは、流れる霧は黄色い垂れ縞を巻き上げ、雲は刻むかのように白玉を飾った冠にかかる、次第に女を売ることに変化していくことの意に解する。

 

野煙溪洞冷,林月石橋寒。

野にもやがひろがり、渓谷の洞窟が冷ややかにして靄は生まれ、この祠の近くに散歩する木々のあいだから月あかりに映えていたが、いまは石橋をわたるのもひとりで寒い。

野煙溪洞冷 渓谷の洞窟から靄が発生し、雲に成長するというのが古代中国の考えであった。この二句は男にちやほやされていたことを云う。霞がつつんでくれたものが寒気によって消され、石の端を一緒に歩いたことも今や寒さに震えてひとり歩く、というほどの意味。

魚玄機0005
 

靜夜松風下,禮天壇。

あの人が来てくれなくなった静かな夜、小高い丘の松をぬけて風が吹いてくる、こうして恵まれてきたことを天壇に祈りを捧ぐ。

天壇 天の神を祭るための祭壇。

 

1 宮妓

皇帝の後宮に所属。籍没された女性や外国や諸侯、民間から献上された女性。后妃とは別に、後宮に置かれ、後宮での業務をし、技芸を学び、皇帝を楽しませた。道教坊で技芸を習得した女性もこれに含まれる。班婕妤・趙飛燕や上官婉児などのように后妃に取り立てられるものもいた。

 

2 家妓

高官や貴族、商人の家に置かれ、家長の妾姫となった。主人だけではなく、客を歓待する席でも技芸により、これをもてなす役目があった。官妓から、臣下に下賜されて家妓になるものもいた。始皇帝の母にあたる呂不韋の愛人や、西晋の石崇の愛妾である緑珠が有名

 

3営妓

軍隊の管轄に置かれ、軍営に所属する官人や将兵をその技芸で楽しませた。蘇小小。唐代女流詩人の薛濤が有名。

 

4官妓

中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里、明代・南京の旧院は、その代表的な色町である。唐代の天宝年間以降に彼女らを題材にして、多くの士大夫が詩文にうたい、妓女となじんだという記録が盛んになる。唐代はその活動は最大なものであった。

唐代女流詩人の魚玄機、明代の陳円円、李香君、柳如是が有名。

 

5民妓

民営の妓楼に所属した。売春だけを目的とした女性も含まれる。明代以降、官妓が衰退した後、大きな役割を果たすようになった。清代は上海に多くの民妓がいた。宋代の李師師が有名。

 

6.道妓

道教の祠に学問等していない娼婦に近いものが多かった。

 

妓館には、花や植物が植えられ、狆や鸚鵡が飼われ、香炉が置かれ、また、雲母屏風、山水画や骨董が飾られているところが多く、庭園風になっているものもあった。妓館は、互いに奇をてらい合い、提供される様々な香りが数里先まで漂ったと伝えられる。さらに、厨女(女料理人)が働いており、彼女らが料理する山海の珍味がすぐに作れるように準備されていた。旧院には商店もあり、客が妓女に贈るための高級品が置かれていた。また、茶を専門とする茶坊もあった。夜には、妓女による音楽が奏でられ、芝居が上演された。妓館の額もまた、名人の手になるものがいくつもあった。妓館には、他に下働きの下女と男衆が別にいた。
魚玄機550034
 

9 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482

相見歡(薛昭蘊)女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。


2013年12月22日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(32)#12-2 文選 賦<112―32>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩986 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3478
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《論佛骨表》(16)#10-2韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <899>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3479韓愈詩-227-16
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 727 《早花〔草堂逸詩拾遺〕》 蜀中転々 杜甫 <634>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3480 杜甫詩1000-634-890/1500〔草堂逸詩拾遺-(3)〕
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 231 《桃源行》 王維 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3481 (12/22)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

9 11 相見歡 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-387-9-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3482

 

 木蓮001

相見歡一首

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

細艸平沙蕃馬,小屏風。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。 

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。 

(相見歡【そうけんかん】)

羅襦【らじゅ】繡袂【しゅうべい】紅に香り,畫堂の中。

細艸 平沙の蕃馬【ばんば】,小屏風にあり。

羅幕を卷き,粧閣に凭【よ】れば,思 窮り無し。

暮の雨 輕き煙 魂は斷たれ,簾櫳を隔つるに。

 

美女004
 

『相見歡一首』 現代語訳と訳註

(本文)

相見歡

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

細艸平沙蕃馬,小屏風。

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

 

(下し文)

相見歡

羅襦【らじゅ】繡袂【しゅうべい】紅に香り,畫堂の中。

細艸 平沙の蕃馬【ばんば】,小屏風にあり。

羅幕を卷き,粧閣に凭【よ】れば,思 窮り無し。

暮の雨 輕き煙 魂は斷たれ,簾櫳を隔つるに。

 

(現代語訳)

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。 

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。

 花と張0104

(訳注)

相見歡

唐の教坊の曲名。『花間集』には薛昭蘊の一首のみ所収。双調三十六字、前段十八字四句二平韻、後段十八字五句二仄韻二平韻で、⑥③6③/❸❸③6③の詞形をとる。

(浮気男に棄てられた女の愁いの情を詠う。)

この種の愁いが詞で詠われる時、季節は多く晩春である。「暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳」妾として囲われているが「暮の雨」晩春の花が落ちることを云い、女として年増になってきたこと、勝手に外に出ることが出来ないこと、などを詠うものである。

 

羅襦繡袂香紅,畫堂中。

今日も夜化粧に紅をさし、薄絹の上着の刺繍の袂に香しきのかおりをつけ、あの人を待つ鳳凰の画かれた奥まった閨の中にいる。

香紅 もみの上着に薫きしめた香が香ること。

 

細艸平沙蕃馬,小屏風。

そこには、あの人が好きな小草生う広がる砂地に戒の駿馬の小さな屏風をかざった。

蕃馬 戎の馬、小ぶりの足の速い遊牧民族の馬。相手の男が騎馬兵士で西域に出征していることを連想させる。あるいは、高貴な男は駿馬が好きで、屏風を飾っていた、今はこの部屋に寄り附きもしない浮気男。詩の内容から後者と考えるのが妥当。

 

卷羅幕,凭粧閣,思無窮。

待っても来ないから、薄絹の幃帳を巻きあげ、少し高い化粧の部屋の窓辺に寄りながめるけれど、いくら思っても果てがない。

粧閣 化粧の部屋。明かりがよく張るために他の部屋より独立し、階高が高かった。物見もできるもの。

班婕妤 王維

怪來妝閣閉,朝下不相迎。

總向春園裏,花間笑語聲。

怪しむらくは妝閣【さうかく】の 閉づることを,朝より下りて  相ひ迎へず。

總て春園の裏に 向いて,花間 笑語の聲。

この三句でわかることは、西域のどこか、砂漠に出征したのでなくて、何時でも女のもとに来られることをあらわす句である。

 

暮雨輕煙魂斷,隔簾櫳。

女として若くないことを実感させる暮れ方の雨のあとの靄、これで完全に女のもとに訪れるという思いは断たれてしまった、ここから出ることもかなわない身の上の者には窓にかかる簾は檻であり、あの人の居る世界と隔離されてしまっている。

暮雨軽煙 夕暮れの雨と簿霞。晩春に降る雨はここで必ず春の花は落花する。女の希望、期待を完全に断たれたことを意味する。

簾櫳 簾のかかる連子窓。1窓.2(動物を入れる)おり.

この頃の女性は一人で出かけることはできないので、この語を使用する。なかにわに出るくらいの生活を意味するもの。

pla024
 

9 10 浣溪紗八首 其八 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-386-9-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3477

浣溪紗八首其八(薛昭蘊) 越地方にくるとの美女がす足で金を水に選りわけ作業をしているがそれは春の雪解け水の水嵩が増えているあたりだ。歌に合わせて揺れ動き雲型の髪を高く結い、動きに合わせて帯玉や耳飾りが鳴っている。中州の渚に風が吹き、大江の土手の草が揺れると、また、風に乗って、乙女らの清々しい香りが漂ってくる。


2013年12月21日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

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 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

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浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。
 

浣溪沙八首其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

浣溪沙八首其七

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)
傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

国を亡ぼすほどの美貌には、恨みごとが、余りあるほどである。幾多の女性が姑蘇城に涙を流して泣いたことだろう。どれほど多くの女性がここ、姑蘇城に涙を流したことだろう。 風に乗って瞳をこらせば、雪のように真っ白な美しい肌の女性だ。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

呉王夫差の領地である呉の国は、むなしく落日に晒されている。 越王の勾践の宮殿は、半ば、草に埋もれている。ハスに花が咲き、ヒシが繁って、太湖に、いっぱいになっている。 

浣溪沙八首其八

(浣溪の沙 八首其の八 妓女の一生を詠う)

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

越地方にくるとの美女がす足で金を水に選りわけ作業をしているがそれは春の雪解け水の水嵩が増えているあたりだ。歌に合わせて揺れ動き雲型の髪を高く結い、動きに合わせて帯玉や耳飾りが鳴っている。中州の渚に風が吹き、大江の土手の草が揺れると、また、風に乗って、乙女らの清々しい香りが漂ってくる。不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

春の山は遠きに霞みにうつる体ではないし、翡翠のような眉に似せてはもう画けない。ただ、年増になった女妓にとってまさにこの山に日がかたむいて來るとどうしても怨みの思いを含んだ景色ということなるのだ。青い桃の花がやがてパッと咲くが、それもつかの間、花は落ちてしまい、まるで浦島太郎の様な一時のことだと思うのである。

 

(浣溪の沙八首其の八)

越女が春水の上で金を淘【よな】げ,雲鬢を步み搖らし 珮 璫を鳴らせる,渚風【ちょふう】 江草 又た清香なり。

遠山 翠黛を凝すを為さず,只だ應に恨みを含むは 斜陽に向い,碧桃も花謝【お】ち 劉郎を憶うを。

 

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『浣溪沙八首其八』現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

 

 (下し文)

(浣溪の沙八首其の八)

越女が春水の上で金を淘【よな】げ,雲鬢を步み搖らし 珮 璫を鳴らせる,渚風【ちょふう】 江草 又た清香なり。

遠山 翠黛を凝すを為さず,只だ應に恨みを含むは 斜陽に向い,碧桃も花謝【お】ち 劉郎を憶うを。

 

(現代語訳)

(浣溪の沙 八首其の八 妓女の一生を詠う)

越地方にくるとの美女がす足で金を水に選りわけ作業をしているがそれは春の雪解け水の水嵩が増えているあたりだ。歌に合わせて揺れ動き雲型の髪を高く結い、動きに合わせて帯玉や耳飾りが鳴っている。中州の渚に風が吹き、大江の土手の草が揺れると、また、風に乗って、乙女らの清々しい香りが漂ってくる。

春の山は遠きに霞みにうつる体ではないし、翡翠のような眉に似せてはもう画けない。ただ、年増になった女妓にとってまさにこの山に日がかたむいて來るとどうしても怨みの思いを含んだ景色ということなるのだ。青い桃の花がやがてパッと咲くが、それもつかの間、花は落ちてしまい、まるで浦島太郎の様な一時のことだと思うのである。

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(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

浣溪沙八首其八

(浣溪の沙 八首其の八 妓女の一生を詠う)

 

越女 淘金 春水上,步搖 雲鬢 珮鳴璫,渚風 江草 又清香。

越地方にくるとの美女がす足で金を水に選りわけ作業をしているがそれは春の雪解け水の水嵩が増えているあたりだ。歌に合わせて揺れ動き雲型の髪を高く結い、動きに合わせて帯玉や耳飾りが鳴っている。中州の渚に風が吹き、大江の土手の草が揺れると、また、風に乗って、乙女らの清々しい香りが漂ってくる。

・越女 現在の浙江省、呉の国、ここの女性は美しいということを云う場合に「越女」と用いる。当然、絶世の美女「西施」の素足で採蓮して認められた故事からくるものである。

李白の若いころの詩に、『越女詞 五首』があり、晩唐、五代の詩人に影響を与えた。

越女詞 五首其一

長干呉兒女,眉目麗新月。屐上足如霜,不着鴉頭襪。

長干の街に住む呉の娘らは、眉と目が星や月よりもなまめかしい。木靴のうえの足は霜のように白く、足袋をはかなくてもうす絹をつけように素足が美しい。

越女詞 五首 其一 李白12

越女詞 五首其二

呉兒多白皙,好爲蕩舟劇。賣眼擲春心,折花調行客。

呉の女どもは色白が多く、好んで舟をゆさぶるあそびをする。色目をつかって、もえたつ春の心をなげつけ、花を折りとって旅人をからかう。

越女詞 五首 其二 李白13

越女詞 五首其三

耶溪採蓮女,見客棹歌囘。笑入荷花去,佯羞不出來。

若耶渓でハスの実をつむむすめたちは、旅人を見ると舟歌を唄いながらあちらへこいで遠ざかる。にっこり笑ってハスの花の影にかくれ、はずかしそうなふりをして出て来ない。

越女詞 五首 其三 李白14-3

越女詞 五首 其四

東陽素足女,會稽素舸郎。相看月未墮,白地斷肝腸。

東陽生まれの素足の女と、会稽の白木の舟の船頭とが顔を見あわせている。月が沈まないので、わけもなくせつない思いにくれている。

越女詞 五首 其四

越女詞 五首其五

鏡湖水如月,耶溪女似雪。新妝蕩新波,光景兩奇絶。

鏡湖は水が月光のようにすみ,耶溪は女むすめが雪のように色白。初々しい化粧姿はすがすがしい波間にうつる,その光景はどちらも比べがたく素晴らしい。

越女詞五首其五

・淘金 砂金を水でえり分ける。金の良し悪しを選び、淘汰する。淘げる【よなげる】とは。[動ガ下一][文]よな・ぐ[ガ下二]1 米を水に入れてゆすってとぐ。「ざるで米を―・げる」2 水に入れてかきまぜ、細かいものなどをゆらしてより分ける。「錫礦にて錫(すず)を淘(たう)する。少女の死後とか、客が取れなくなった女がするが、ここでは、無垢の乙女を指す。

・珮はい【佩・珮】. . 古代の装身具の一。腰帯とそれにつりさげた玉(ぎよく)・金属器などの総称。中国の殷(いん)・周代に盛行し,古墳時代の日本に伝播した。 接尾 . 助数詞。刀剣の類を数えるのに用いる。ふり。

・璫耳朶(じだ)に孔(あな)をあけてつける鼓状・漏斗状の耳飾り。中国漢代に盛行。

 

不為 遠山 凝翠黛,只應 含恨 向斜陽,碧桃 花謝 憶劉郎。

春の山は遠きに霞みにうつる体ではないし、翡翠のような眉に似せてはもう画けない。ただ、年増になった女妓にとってまさにこの山に日がかたむいて來るとどうしても怨みの思いを含んだ景色ということなるのだ。青い桃の花がやがてパッと咲くが、それもつかの間、花は落ちてしまい、まるで浦島太郎の様な一時のことだと思うのである。

・遠山 春の霞のかかった山を遠くに見ると、女性が横たわったように見あることを言うが、ここでは年を取った女妓では体系も崩れてしまったことを云う。このころは細身の女が好まれ、薄絹を羽織って横たわることを「春山:遠山」という表現をした。

・花謝 花が首を垂れ、落ちること。

温庭筠『菩薩蠻 九』

牡丹花謝聲歇,綠楊滿院中庭月。

相憶夢難成,背窗燈半明。

翠鈿金壓臉,寂寞香閨掩。

人遠淚闌幹,燕飛春又殘。

牡丹 花謝【お】ち 鶯聲歇【や】む,綠楊【りょくよう】院に滿ち 中庭の月。

相憶【そうおく】の夢 成し難く,窗を背に燈び明りを半ばにする。

翠鈿【すいてん】の金 臉【ほほ】に壓【くず】す,寂寞【せきばく】として香 閨に掩う。

人遠く淚 闌幹【らんかん】し,燕飛 春 又殘る。

『菩薩蠻 九』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-9-9-#9 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1652

劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142
波眼蝶0055
 

9 9 浣溪紗八首 其七 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-385-9-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3472

浣溪紗八首 其七(薛昭蘊) 国を亡ぼすほどの美貌には、恨みごとが、余りあるほどである。幾多の女性が姑蘇城に涙を流して泣いたことだろう。どれほど多くの女性がここ、姑蘇城に涙を流したことだろう。 風に乗って瞳をこらせば、雪のように真っ白な美しい肌の女性だ。


2013年12月20日  の紀頌之5つのブログ
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9 9 浣溪紗八首 其七 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-385-9-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3472

 

薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

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 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

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浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。
 

浣溪沙八首其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

浣溪沙八首其七

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)
傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

国を亡ぼすほどの美貌には、恨みごとが、余りあるほどである。幾多の女性が姑蘇城に涙を流して泣いたことだろう。どれほど多くの女性がここ、姑蘇城に涙を流したことだろう。 風に乗って瞳をこらせば、雪のように真っ白な美しい肌の女性だ。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

呉王夫差の領地である呉の国は、むなしく落日に晒されている。 越王の勾践の宮殿は、半ば、草に埋もれている。ハスに花が咲き、ヒシが繁って、太湖に、いっぱいになっている。

 

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。
tsuki04
 

美女004

杏の白花012
 

『浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅涙泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

呉主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

(下し文)

(浣溪の沙)

傾國 傾城恨み 餘り 有り,幾多の紅涙 姑蘇に泣く,

風に倚り 睇【ひとみ】を凝【こ】らせば 雪の 肌膚。

呉主の山河 空しく落日,越王の宮殿 半ば平蕪,藕【はす】 花さき菱【ひし】蔓【の】びて 重湖に滿つ。

 

(現代語訳)

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

国を亡ぼすほどの美貌には、恨みごとが、余りあるほどである。幾多の女性が姑蘇城に涙を流して泣いたことだろう。どれほど多くの女性がここ、姑蘇城に涙を流したことだろう。 風に乗って瞳をこらせば、雪のように真っ白な美しい肌の女性だ。

呉王夫差の領地である呉の国は、むなしく落日に晒されている。 越王の勾践の宮殿は、半ば、草に埋もれている。ハスに花が咲き、ヒシが繁って、太湖に、いっぱいになっている。

  

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

浣溪沙八首其七

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

 

傾國傾城恨有餘、幾多紅涙泣姑蘇、倚風凝睇雪肌膚。

国を亡ぼすほどの美貌には、恨みごとが、余りあるほどである。幾多の女性が姑蘇城に涙を流して泣いたことだろう。どれほど多くの女性がここ、姑蘇城に涙を流したことだろう。 風に乗って瞳をこらせば、雪のように真っ白な美しい肌の女性だ。  

・傾國傾城:国を傾け、国を亡ぼすほどの美人。越王・勾踐から献上され、呉王夫差の愛妃となった西施の美貌をいう。ここでは、西施自身のこと。或いは、広く美貌の意。  ・傾國傾城 国を傾け、城を傾けさせるほどの絶世の美女。○傾国 李延年『絶世傾国の歌』「北方有佳人、絶世而獨立。一顧傾人城、再顧傾人國。寧不知傾城與傾國、佳人難再得。」(北方に佳人有り、絶世にして獨立す。一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の國を傾く。寧んぞ傾城と傾國とを知らざらんや、佳人は再びは得がたし。)連城の璧とは? 〔史記(藺相如伝)〕中国の戦国時代、秦の昭王が一五の城と交換しようといった、趙(ちよう)の恵文王所有の有名な宝玉のこと。転じて、無上の宝の意。・傾國 国を傾けさせるほどの絶世の美女。 ・傾城 城を傾けさせるほどの絶世の美女。 ・漢武帝 漢の武帝。(前156年~前87年)前漢第七代皇帝。劉徹のこと。漢帝国の基礎を確立させ、匈奴勢力を漠北から駆逐した。 

韓愈『縣齋有懐

「・・・誰爲傾国媒、自許連城價。・・・」

中唐詩-268 縣齋有懐 韓愈 Ⅱ韓退之(韓愈) 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-29 #2

初唐詩人 劉希夷(劉廷芝)『公子行』
天津橋下陽春水,天津橋上繁華子。
馬聲廻合青雲外,人影搖動綠波裏。
綠波蕩漾玉爲砂,青雲離披錦作霞。
可憐楊柳傷心樹,可憐桃李斷腸花。
此日遨遊邀美女,此時歌舞入娼家。
娼家美女鬱金香,飛去飛來公子傍。
的的珠簾白日映,娥娥玉顏紅粉妝。
花際裴回雙蛺蝶,池邊顧歩兩鴛鴦。
傾國傾城漢武帝,爲雲爲雨楚襄王
古來容光人所羨,況復今日遙相見。
願作輕羅著細腰,願爲明鏡分嬌面。
與君相向轉相親,與君雙棲共一身。
願作貞松千歳古,誰論芳槿一朝新。
百年同謝西山日,千秋萬古北邙塵。

公子行  劉希夷(劉廷芝) (1) 初唐

代白頭吟 劉希夷(劉廷芝)(2) 初唐

李商隠『北斉二首其一』 

一笑相傾國便亡、何勞荊棘始堪傷。

小憐玉體横陳夜、己報周師人晋陽。

北斉二首其一 李商隠 :kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 44

・恨:うらみ。情愛。深く複雑な感情。ここでは、西施ら女性の辿った運命ともとれる。 

・有餘:余りある。

・幾多:いくたの。多くの。 

・紅涙:女性の涙。 

・泣:声を出さないで涙を流して泣くこと。 

・姑蘇:姑蘇台。蘇州にある。また蘇州の街のこと。呉の首都。呉王・夫差が姑蘇城にいたが、越王・勾践に攻められ、降ろされたところ。

・倚:よる。たのむ。すがる。あわせる。 

・風:かぜ。 

・凝睇:瞳をこらす。注視する。この語の主語は何になるかによって、意味が微妙に動く。「倚風」の意味も分かりにくい。 

・雪:雪のように真っ白な。女性の美しい肌の形容。 

・肌膚:はだ。

 

呉主山河空落日、越王宮殿半平蕪、藕花菱蔓滿重湖。

呉王夫差の領地である呉の国は、むなしく落日に晒されている。 越王の勾践の宮殿は、半ば、草に埋もれている。ハスに花が咲き、ヒシが繁って、太湖に、いっぱいになっている。

・呉主山河:呉王夫差の領地である呉の国は。・呉主:呉王・夫差のこと。・空:むなしく。 

・落日:夕日。ここでは、国の滅亡をいう。呉の国が、越の勾踐に滅ぼされたことを指す。

・越王宮殿:越王の勾践は呉を滅ぼした後、やがては、自分も滅んでいき、その宮殿は半分草に埋もれているということ。 ・越王:越王・勾践のこと。 

・半:なかばは。 

・平蕪:雑草の生い茂った平野。

・藕花:ハスに花が咲く。 

・菱蔓:ヒシが繁る。 

・滿:いっぱいになる。 

・重湖:太湖のこと。
roudai112
 

9 8 浣溪紗八首 其六 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-384-9-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3467

薛昭蘊≪浣溪紗八首 其六≫ 錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。


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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 8 浣溪紗八首 其六 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-384-9-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3467
 
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9 8 浣溪紗八首 其六 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-384-9-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3467

 

薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

 綬帶鳥00

 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

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浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

浣溪沙八首其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

浣溪沙八首其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

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『浣溪沙八首』現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

(下し文)

浣溪の沙 八首其の六

江館 清秋 客舡を纜ぎ,故人 相いに夜に筵を開き,麝煙 蘭焰 花鈿【かでん】に簇がるを送る。

正是 斷魂 迷楚雨,不堪 離恨 咽湘絃,月高 霜白 水連天。

 

(現代語訳)

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

 

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其六

(錦江のほとりの官妓の館の棄てられた女を詠う)

 

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

錦江のほとりの官妓の館には清々しい秋の景色が広がり他のお客は綺麗な船でやってきて舟の艫綱を繋いでいる。なじみの人は互いに夜の行楽の宴会を開いて送別の会をしている。麝香の煙が広がり、鸞の花の香りの燈火の中に広がって花の飾り細工の女たちが集められる。

・江館 錦江のほとりの官妓の館。

・纜 ともづなを結んで一夜を共にする。ここでは思う男が他の女たちをはべらせて行楽の宴を開いている。秋と艫綱は別離を意味する。

魚玄機『遣懷』

閑散身無事,風光獨自遊。

斷雲江上月,解纜海中舟。

琴弄蕭梁寺,詩吟庾亮樓。

叢篁堪作伴,片石好為儔。

・解纜 ともづなをといて舟を出発する。

(懐を遣る)

閑散 身に事無く、風光濁り自ら遊ぶ。

雲を断つ 江上の月、纜を解く 海中の舟。

琴は蕭梁の寺に弄し、詩は庚亮の樓に吟ず。

叢篁 伴を作すに堪え、片石 儔を為すに好し。

・簇 むらがる。あつまる。笹竹。小さい竹。

 

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

この有様はまさに、この女に対する思いというのは断ち切れてしまい、いかに、巫女と皇帝の化身である楚の雨でさえもその降るところを迷ってしまうことになるのだ。離別であり、怨みを持つことに堪えることが出来ずに、舜の娥皇と女英の湘江のほとりで瑟を奏でたように思い続け、月となり、秋も深まって空高くなれば霜としておりて、白く染める。霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。

・断魂迷楚雨 楚の宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう。ここは男が他の女のもとに向かって(断絶)いるため、雨もどこで降ったらよいのか迷ってしまうというもの。。

・湘絃 月夜に舜を惜しんで瑟を爪弾いた。舜の妃となった夷の二人の娘、娥皇と女英を祀った廟。湘水の神とされ,また洞庭湖の水神でもあって,湖中の君山にその祠廟がある。

劉禹錫『瀟湘神』

斑竹枝,斑竹枝,涙痕點點寄相思。

楚客欲聽瑤瑟怨,瀟湘深夜月明時。

『瀟湘神  劉禹錫』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-54-7-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1832

韋荘『臨江仙一首』

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

毛文錫『臨江仙』

暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。

黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。

岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。

靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

臨江仙一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-373-8-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3412

・水連天 霜で白く染まった景色は天の水平線の彼方で月が照らす錦江(長江)の水に連なっている。 

「渭上題三首之二」溫庭筠

目極雲霄思浩然,風帆一片水連天。

輕橈便是東歸路,不肯忘機作釣船。

『渭上題三首 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-42-11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1784

 

魚玄機が宮島に

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浣溪紗八首 其五 (薛昭蘊)ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった

2013年12月18日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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 浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

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渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

美女004

浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


浣溪沙八首其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

 

浣溪沙八首其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

浣溪沙八首其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

浣溪沙八首其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

漢詩ブログ001
 

 

『浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

(下し文)

1781180
其五

簾下 三間 寺牆を出づ,街に滿る楊を垂れ綠陰長くす,嫩紅【どんこう】輕翠【けいすい】 濃粧を間にす。

瞥地 見時 猶お可可とし,卻って來る 閑處 思量を暗くす,如今 情事 仙

 

 

(現代語訳)

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其五

(郊外の乙女の時に好きになって、何年かたって春別れて秋になっても合いには来てくれない道女の心を詠う)

 

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

簾を下している三つ季節をすごしていって寺の土塀の牆を出でいく,街には楊柳が垂れ綠を濃くして、もう夏も過ぎ、陰を長くしている,まだお紗奈を遺して頬を赤く染めている翡翠の飾りも軽く揺れている、その娘も、今やその間に小池省に変わっている。

・三間 ①柱の三区間。②昼間の午前、正午、午後。③季節の三季。春、夏、秋。

・嫩 1 発芽して最初に出る葉。双子葉植物で2枚出る。《季 春》2 人間の幼少のころ。また、物事の初め。「栴檀(せんだん)は―より芳(かんば)し」3 名香の一。伽羅(きゃら)で香味は苦甘。羅国。ふたばあおい双葉葵。

 

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

ちらっと初めて会ったその地を見て、また後逢瀬を重ねたところに来て見る、そしてその後もかわいそうであり、あわれでもあることが続く。今は却って来て見るとそこは寂しい所でしかなく思いをどんなに思ってみてもそれは暗くなってしまうものでしかない。今になってみればあの人との情事は仙郷での出来事のように遠いものになってしまった。

・猶可可 その後もかわいそうであり、あわれでもあることが続いている。
botan00
 

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薛昭蘊浣溪紗八首 其四 手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

2013年12月17日  の紀頌之5つのブログ
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薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 其一、其二

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浣溪紗八首 

浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3442

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喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

 

綬帶鳥00
 
浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

美女004

浣溪紗八首 其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。


『浣溪紗八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪紗八首 其四

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

 

 

(下し文)

(浣溪紗八首 其の四)

握手 河橋 柳金に似たり,蜂鬚 輕く惹れる 百花の心,蕙風 蘭思 清琴に寄る。

意 滿つは 便ち同うし 春水滿ち,情 深くは 還た酒盃深くすに似たり,楚煙 湘月 兩沉沉。

 

 

(現代語訳)

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

 

 oushokun01

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

 

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

・鬚 (あごひげ)、髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のこと。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。

 

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

・春水滿 春の雪解け水はきれいな水が増水していることで、皮の中ほどが盛り上がって流れる様子を云う。そしてそれは、男女が布団の中での情事の様子を連想させるのである。

・情深:盃深 ここは男性の心持を表現するもので、思いが深ければ、盃に酒をいっぱいに注ぐこと。この句も男が女に状を示し、連想させる。
DCF00104
 

9 5 浣溪紗八首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-381-9-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3452

薛昭蘊浣溪紗八首 其三≫ 逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。


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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
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『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

9 5 浣溪紗八首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-381-9-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3452

 

 

 

浣溪沙八首其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

其の三(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

美女004

 

其四

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

 

其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

大雁寺02
 

浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其三

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

  

(下し文)

(浣溪の沙 八首 其の三)

粉上 依稀【いき】として淚痕有り,郡庭 花 落ち 黃昏【こうこん】せんと欲す,遠情 深恨 誰とか論ぜん。

記【おぼ】え得ぬ 去年 寒食の日,延秋門の外 金輪を卓【と】め,日 斜めに 人 散り 暗に消魂す。

 

(現代語訳)

(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

長安城の位置関係
 

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

浣渓沙 其二 (欲上鞦韆四體傭) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-265-5-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2872

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887

  張舍人泌      浣溪紗十首

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247

浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262

浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267

浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

浣渓沙 十首 其九 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

浣溪沙八首其三

(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

この詩は①見初めた男を思い慕う娘、②囲われて寒食の時行楽に行って棄てられた官妓の心を詠う。当時の娘にしても、官妓には、深窓の中に暮らし、外出する自由はなかった。外出が許されるのは、月十五日の元宵節や、寒食清明、あるいは寺社参りなど、特別な日に限られていた。しかも一人での外出など許されなかった。本詞の女主人公は、一夫多妻制の時代、「郡庭」の語から郡の長官の娘、郡長官の娼女であったと思われる。寒食の日に延秋門外に行楽に出かけた時の車も、その身分に相応しい立派なものであったことが金輪の語から窺える。娘は、大勢の行楽客の中の人の男を見初めたが、もちろん男に二正業をかけることなどできるはずもない。やがて日も西に傾き、人々はみな帰り去ってしまい、女は独り男への深い思いを懐きながら家に帰らざるをえなかった。以来、官妓として男を思わぬ口とてなく、花の散る寒食の時節になると、特に強く男のことが思い起こされ、密かに涙を流さずにはいられなかったのである。

 

 

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

○粉上 白粉を塗った頬。

○依稀 かすかなさま。

○郡庭 郡役所の庭。ここでは郡の長官の官舎の庭を指す。郡は中国では県の上の行政単位。

 

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

○寒食 冬至から数えて百五日目。・寒食:清明節の3日前夜。現在の暦で言うと、四月四日前後か。“掃墓”(先祖のお墓参りをして、お墓の掃除をする日)の日でもある。春の盛りから晩春にさしかかる頃。この日は火を焚くことを禁じ、あらかじめ調理しておいた冷えた料理を食べたので寒食と言った。

の「寒食天」:戦国の時、晋国は内乱が発生し、介之推は苦難を恐れなくてに重耳を追随して、困難の時、自分足の肉を切ってスープを作って重耳に飲まされたことがある。重耳が晋文公をした後、介之推は母と隠遁して山奥に行った。重耳は介之推の行ったことが分からない。重耳は行って、あちこちを探しても出せなかった。仕方がなくて彼は、そこで火を放して人を探しす。三日の火が続き、強火が消した後、介之推と母と互いに抱いていっしょに深山の中で焼き殺された。

介之推と母の焼き殺される時間をちょうど清明前の日であり、こちらの忠義の臣を記念するため、清明の時に人々はすべて介之を焼き殺す火を拒絶し、冷たい食品だけを食べて、だからこの日は「寒食節」を叫ぶ。

○延秋門 唐の禁苑の宮門の名。

○卓金輪 立派な車を止める。卓は停める。
美女画557
 

9 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447

薛昭蘊浣溪紗八首 其二 顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

2013年12月15日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固) 《西都賦》(25)#9―4 文選 賦<112―25>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩979 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3443
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
 LiveDoorブログ
《論佛骨表》(9) #7元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <892>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3444韓愈詩-227-9
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 720 《陪王漢州留杜綿州泛房公西湖【案:房琯刺漢州時所鑿。】》 蜀中転々 杜甫 <627>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3445 杜甫詩1000-627-883/1500五言律詩
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 224  《燭蛾》 孟郊  唐宋詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3446 (12/15)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 9 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447
 
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

9 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447

 

 

薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 其一、其二

小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3432

小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437 

浣溪紗八首 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

 

浣溪沙八首

其一

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

其三

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

 

其四

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

 

其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

杏の花01

『浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首其二

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

 

 

(下し文)

(浣溪の沙 八首 其の二)

鈿匣【でんこう】菱花【りょうか】錦帶垂れ,靜かに臨む蘭の檻 卸頭【しゃとう】の時,約鬟【やくかん】低珥【ていじ】歸期に等【なお】す。

茂茂として艸青 湘渚【しょうちょ】闊がる,夢餘り 漏は依依とするも空しく有り,二た年 日終り 芳菲も損う。

 

 

(現代語訳)

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

隋堤01
 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

浣渓沙 其二 (欲上鞦韆四體傭) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-265-5-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2872

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887

  張舍人泌      浣溪紗十首

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247

浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262

浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267

浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

浣渓沙 十首 其九 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

浣溪沙八首其二

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

 

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

・鈿匣 ・鈿:古代婦女の顔面の上に飾物をつけること。匣:はこ。

・菱花 1 ヒシの花。2 《裏面に多くヒシの花を鋳るところから》金属製の鏡。菱花鏡。

・蘭檻 蘭のかおる女の閨。

・卸頭 女妓の頭に飾っているものを取り去ること。

・鬟 鬟:頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方。びずら。びんずら。髻【もとどり】:《「本取り」の意》髪を頭の上に集めて束ねた所。また、その髪。たぶさ。

珥 耳の飾り珠。珥とは、耳飾りという意味の漢字である。

・等 等しい。整える。階級。階段。順位をあらわす。はかる。まつ。

・歸期 帰って來るという約束の日のこと。

 

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

・茂茂 1茂る,繁茂する.≡懋.⇒繁茂 fánmào .用例根深叶茂=根は深く葉が茂っている.2豊富ですばらしい.

湘渚しょうちょ】秋江 靜まり,蕉花 露に泣き 紅に愁う。  湘江は、広西チワン族自治区北部臨桂県の海陽山に発する。海洋圩から流れる海洋河を源流とし、北東方向へ広西チワン族自治区を流れる。湖南省永州市東安県の瀑埠頭で湖南省に入る。永州市では紫水、石期河、瀟水、応水、白水などの支流が、衡陽市では蒸水と耒水が、衡山県では水が、株洲県淥口鎮で淥水が、湘潭市で漣水が流入する。長沙市の中心で瀏陽河と撈刀河が、望城県新康で水が流入し、湘陰県の濠河口で左右に分かれて洞庭湖に注ぐ。湘江には2,157の支流があるとされ、主要な支流のうち、瀟水、耒水、水、淥水、瀏陽河は東岸の支流で、祁水、蒸水、涓水、漣水、水は西岸の支流である

『臨江仙 一首』

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3442

薛昭蘊《浣溪紗八首 其一》 渡し場のあたりに紅蓼が秋になってまさに秋が深まる雨が降ってくる、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

2013年12月14日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3442

 

 

薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 其一、其二

浣溪紗八首 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

 

浣溪沙八首

其一

(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼が秋になってまさに秋が深まる雨が降ってくる、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語ることもないし、苦々しさを含んだ顔つきで、船津の裏の奥の方に消えていく、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

其二

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

 

其三

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

 

其四

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

 

其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

 

春爛漫の美女007
 

 

 

『浣溪沙八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪沙八首

其一

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

 

 

(下し文)

浣溪沙八首 其一

紅蓼【こうじん】渡頭秋正雨,印沙鷗跡【おうせき】自成行,整鬟【せいかん】飄袖【ひょうしゅう】野風香。

語らず嚬【ひそみ】を含め深浦裏,幾迴愁煞【】棹舡郎【】,鷰歸帆盡水茫茫。

 

 

(現代語訳)

(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

渡し場のあたりに紅蓼が秋になってまさに秋が深まる雨が降ってくる、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

語ることもないし、苦々しさを含んだ顔つきで、船津の裏の奥の方に消えていく、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

 

(訳注)

浣溪沙八首

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

浣溪沙 其一(淸曉妝成寒食天)韋莊 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-264-5-#18 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2867

浣渓沙 其二 (欲上鞦韆四體傭) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-265-5-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2872

浣渓沙 其三 (惆悵夢餘山月斜) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-266-5-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2877

浣渓沙 其四 (緑樹藏鶯鴬正啼) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-267-5-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2882

浣渓沙 其五 (夜夜相思更漏殘) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-268-5-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2887

  張舍人泌      浣溪紗十首

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

浣渓沙 十首 其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-340-7-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3247

浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257

浣渓沙 十首 其五 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-343-7-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3262

浣渓沙 十首 其六 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-344-7-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3267

浣渓沙 十首 其七 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-345-7-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3272

浣渓沙 十首 其八 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-346-7-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3277

浣渓沙 十首 其九 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

浣渓沙 十首 其十 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-347-7-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3282

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其一

(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

 

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

渡し場のあたりに紅蓼が秋になってまさに秋が深まる雨が降ってくる、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

・紅蓼 紅蓼はやなぎたでの変種で本葉が出る前の幼芽を収穫したもの。蓼は葉や茎に特有の香りと辛味を持っている。収獲時期は秋。ここは渡し場付近の娼屋の女性を云う。

・渡頭 渡し場のあたり。また、渡し場。

・飄袖 袖が風に揺れる。風の中で野原の宴で舞いを舞うこと。

 

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

語ることもないし、苦々しさを含んだ顔つきで、船津の裏の奥の方に消えていく、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

・嚬 苦々しげに口をゆがめる。

・煞  (1) 終わる,とめる煞脚足をとめる.(2) 締める煞腰ベルトを締める

・棹舡郎 舟歌を詠って行く遊び人の男。
杏00紅白花00
 

小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437

薛昭蘊《小重山二首 其二》きれいに飾られた簫は再び吹かれることはなく「霓裳羽衣の曲」の楊貴妃の運命が筋書きとなる。頭に着けた金の蝉飾りは地に落ち、鳳鸞鳥の鏡も化粧をすることがなくなって蔽い隠されたままだ。

2013年12月13日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437

 

 

薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首
小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3432
小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437 

浣溪紗八首 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首



薛昭蘊:五代、後蜀の官司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭第に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。
 

醇紹撃(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

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小重山二首

其一

(宮女の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

それが愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

 

其二

(栄誉栄華を誇った楊貴妃の楽曲と同じように愁い、悲しむ宮女たちを詠う。)

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

秋が来てしまうと長門宮にも青々と茂った草も秋の黄色い花も枯れていく、絵模様の梁の上の番のツバメたちも去って行き、後宮の土塀の外に出て行った。

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

きれいに飾られた簫は再び吹かれることはなく「霓裳羽衣の曲」の楊貴妃の運命が筋書きとなる。頭に着けた金の蝉飾りは地に落ち、鳳鸞鳥の鏡も化粧をすることがなくなって蔽い隠されたままだ。

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

昔の昭陽の殿にいた昭儀ことを思い出す、舞着物には紅の綬帶鳥の帯を、鴛鴦鳥の刺繍がいっぱい。

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

しかし、今に至っても、なお、香炉でしっかり焚かれることに惹かれ、女たちの魂、夢を抱きくことは断絶され、愁いを聞くのは、秋の夜長の時を刻む漏更の音ばかり。

 

 

『小重山二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

 

(下し文)

其二

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

 

(現代語訳)

(栄誉栄華を誇った楊貴妃の楽曲と同じように愁い、悲しむ宮女たちを詠う。)

秋が来てしまうと長門宮にも青々と茂った草も秋の黄色い花も枯れていく、絵模様の梁の上の番のツバメたちも去って行き、後宮の土塀の外に出て行った。

きれいに飾られた簫は再び吹かれることはなく「霓裳羽衣の曲」の楊貴妃の運命が筋書きとなる。頭に着けた金の蝉飾りは地に落ち、鳳鸞鳥の鏡も化粧をすることがなくなって蔽い隠されたままだ。

昔の昭陽の殿にいた昭儀ことを思い出す、舞着物には紅の綬帶鳥の帯を、鴛鴦鳥の刺繍がいっぱい。

しかし、今に至っても、なお、香炉でしっかり焚かれることに惹かれ、女たちの魂、夢を抱きくことは断絶され、愁いを聞くのは、秋の夜長の時を刻む漏更の音ばかり。

 

 

(訳注)

小重山二首

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『花間集』 には薛昭蘊の作が2首収められている。双調五十八字、前段三十宇六句四平韻、後段二十八字六句四平韻で、⑦5③⑦3⑤/⑤5③⑦3⑤の詞形をとる。

花間集では

韋相莊              小重山一首

薛侍郎昭蘊       小重山二首

歐陽舍人炯       小重山二首

毛秘書熙震       小重山一首

 

其二

(栄誉栄華を誇った楊貴妃の楽曲と同じように愁い、悲しむ宮女たちを詠う。)

 

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

秋が来てしまうと長門宮にも青々と茂った草も秋の黄色い花も枯れていく、絵模様の梁の上の番のツバメたちも去って行き、後宮の土塀の外に出て行った。

 

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

きれいに飾られた簫は再び吹かれることはなく「霓裳羽衣の曲」の楊貴妃の運命が筋書きとなる。頭に着けた金の蝉飾りは地に落ち、鳳鸞鳥の鏡も化粧をすることがなくなって蔽い隠されたままだ。

・霓裳 霓裳羽衣の曲【げいしょう ういのきょく】とは唐の玄宗が楊玉環のために作ったとされる曲。霓裳羽衣の曲は玄宗が婆羅門系の音楽をアレンジした曲と言われる。玄宗は愛妾である楊玉環のお披露目の際、この曲を群臣に披露し、群臣に楊玉環が特別な存在であると意識させた。楽史「楊太真外伝」によると、玄宗が三郷駅に登り、女几山を望んだ時に作曲したものである説と、玄宗が、仙人の羅公遠に連れられ、月宮に行き、仙女が舞っていた曲の調べをおぼえて作らせた説双方が記されている。楊貴妃もこれに合わせて、舞うのを得意としたという。

しかし、玄宗期に起こった安史の乱以降、この曲は国を傾けた不祥の曲であると忌まれ、楽譜も散逸してしまった。

白居易『長恨歌』

「漁陽鼙鼓動地來、驚破霓裳羽衣曲。」(漁陽の鼙鼓地を動もして来たり、驚破す 霓裳羽衣の曲。)

 

 

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

昔の昭陽の殿にいた昭儀ことを思い出す、舞着物には紅の綬帶鳥の帯を、鴛鴦鳥の刺繍がいっぱい。

・昭陽 殿の名。成帝の趙(飛燕)皇后の妹が、昭儀(女官の最高位。位は丞相に比し、爵は諸侯王に比す)となり、昭陽の殿舎にすむ。姉は飛燕といわれたが後に寵愛されなくなり、妹が愛された。趙飛燕(?‐前1)中国,前漢末の女性で,成帝の皇后。もと踊り子の出で,軽快な身のこなしが燕を思わせるところから飛燕と称された。成帝に見そめられて,妹とともに後宮に入り,帝の寵愛を一身に集めて栄華を誇った。哀帝が立つと皇太后となったが,帝の死とともに権勢を失墜して自殺した。彼女の故事を物語化した《飛燕外伝》1巻があり,漢の伶元(れいげん)の撰と称されるが,おそらく六朝人の創作であろう。

・紅綬帶 綬帶鳥。

綬帶鳥00
 

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

しかし、今に至っても、なお、香炉でしっかり焚かれることに惹かれ、女たちの魂、夢を抱きくことは断絶され、愁いを聞くのは、秋の夜長の時を刻む漏更の音ばかり。

・御爐香 女を愛する男を待つのはお香をたいた部屋であること。ここでは男が通わなくなっても依然として男を待ってお香を炉に燻らせている。

・漏更 漏は水時計。更は夜を5分割した時間。

・長 秋の夜長、待ち続ける時間が長いこと。
寒梅002
 

9 1小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3432

《小重山二首 其一》(薛昭蘊) 宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

2013年12月12日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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『花間集』にある薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 

浣溪紗八首 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

薛昭蘊:五代、後蜀の宮司至侍郎。(生卒年未詳)、字、出身地ともに未詳。詞風は温庭筠に近い。『花間集』には十九首の詞が収められている。『花間集』には、薛侍郎昭蘊と記されている。

醇紹緯(生没年未詳)花間集に載せられている詞人。花聞集では薛侍即とあり、侍郎の官についた人であることがわかるだけで、詳しい伝記はわからない。唐書の薛廷老伝によると、廷老の子に保遜があり、保遜の子に紹緯がある。乾寧中に礼部侍郎となった。性質は軽率であり、車に坐して夔州刺史に貶せられたという。ところでその経歴をさらにくわしく見ると、紹緯ほ乾寧3年(896)九月に中書舎人から礼部侍郎にたり、ついで戸部侍郎となり、光化2年(899)六月戸部侍郎から兵郡侍郎に選っている(唐僕尚丞郎表に依る)。これによって唐末に侍郎の官にあった人であることは明らかである。紹緯のことはまた北夢瑣言にも見えている。紹緯は才を侍み物に倣り、亦父(保遜)の風があった、朝省に入る毎に、笏を弄んで歩行し、旁若無人であった。好んで浣渓沙詞を唱したという。

 

今、花間集に侍郎とあり、また、その中に収められた十八首の詞の中、八首の浣渓沙があることから推量して薛昭蘊は紹緯と同じ人物であろうといぅ説が考えられるといわれている。晩年に磎州(渓州に同じであろう、広西に属する)に配せられているが、全唐詩の薛紹緯の条には天復中(唐末の年号、901903)に渓州司馬に貶せられたといぅひおそらくこの頃に貶せられたであろう。なお、北夢瑣言では薛澄州と呼んでいる。澄州もまた広西に属する。また、全唐詩に河東の人とあるのは、おそらく薛氏の出身地を言うのであろう。

 

歴代詩余の詞人姓氏では前局に編入して蜀に仕えて侍郎となったごとく記している。この説に従ってかれが韋荘と同じく蜀に仕えて侍郎となったとしている伝記も見受けられるが、紹澄が紹緯と同一人であるとすると上記の経歴と矛盾を生ずる。王国維は紹緯と薛昭蘊とを兄弟と見て、一門に浣溪沙詞を好んだものがあったと解しているが、この説よりも上にのべた同一人と見る説の方がよいようだ。花間集において温庭筠、皇甫松、韋荘についで薛昭蘊を並べているのも、唐王朝に仕えた人物を先に置いたためであろう。両者を同一人としておいた。

 

小重山二首

其一

(女妓の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

それが愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

 

其二

秋到長門秋草黃,畫梁雙鷰去,出宮牆。

玉簫無復理霓裳,金蟬墜,鸞鏡掩休粧。

憶昔在昭陽,舞衣紅綬帶,繡鴛鴦。

至今猶惹御爐香,魂夢斷,愁聽漏更長。

 

 

小重山二首』 現代語訳と訳註

(本文)

其一

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

 

 

(下し文)

春は長門に到り 春草 青く、玉堦 華露 滴り、月は朧に明らかに。

東風 玉簫聲の声を吹断す、宮漏 促【せきた】て、簾外 鶯 暁に啼く。

愁い極まり 夢 成り難く、紅粧 宿涙 流る、情に勝えず。

手もて裙帶を挼りつつ階を遶りて行く、君を思うこと切に、羅幌 暗に塵 生ず。

 

 

(現代語訳)

(宮女の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段され、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

それが愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

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(訳注)

小重山二首

『花間集』 には薛昭蘊の作が2首収められている。双調五十八字、前段三十宇六句四平韻、後段二十八字六句四平韻で、⑦5③⑦3⑤/⑤5③⑦3⑤の詞形をとる。

花間集では

韋相莊               小重山一首

薛侍郎昭蘊       小重山二首

歐陽舍人炯       小重山二首

毛秘書熙震       小重山一首

 

一首

(女妓の寵愛された日々とその後の閏怨を詠う。)

前段は、楽しい春の夜、簫の吹奏も早々にして、愛されて気が付けば朝になっていた。宮女の眠れぬ夜の悲しみを述べ、後段は、悲しみの日々を送るうちに、いつしか寝台を覆う薄絹の帳には塵が置くようになってしまったと、帝の訪れのない恨みを訴える。

 

春到長門春草青,玉堦華露滴,月朧明。

春が訪れて長門宮にも若草芽吹き青くしげる、美しい階に甘露が滴り、月はおぼろに照っている。

・長門 漢代の宮殿の名。漢武帝の陳皇后がはじめ天子の寵愛を得ていたが、人の妬みを受けて長門官に別居し、憂悶の日を送っていた。時に司馬相如の文名を聞き、黄金百斤を奉じて長門既を作らせ天子に献上し、再び寵幸を得たという故事に本づく。寵愛を受けていた女性が棄てられることを比喩するもの。

韋荘『小重山』

一閉昭陽春又春,夜寒宮漏永,夢君恩。

臥思陳事暗消魂,羅衣濕,紅袂有啼痕。

歌吹隔重閽,繞庭芳草綠,倚長門

萬般惆悵向誰論?凝情立,宮殿欲黃昏。

126 小重山 韋荘 ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-290-5-#44  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2997

・玉堦 玉のきざはし、階段。

・華露 露草に同じ。ここは月の光をうけてきらきらひかるつゆ。階の露は甘露、男女の混じり合いを云う。

・朧月の用語解説 - 霧や靄(もや)などに包まれて、柔らかくほのかにかすんで見える春の夜の月。《季 春》朧月は月が女性を意味し男女の混じり合いを連想させる。

 

東風吹斷玉簫聲,宮漏促,簾外曉啼鶯。

宮殿の中ではきれいに飾られた簫の吹奏の音は春一番の風に吹きだすと中段される、春の夜は短く時せわしなくすすむ、気が付くと窓の外にもう明けの鶯が啼いて春を喜んでいる。

・宮漏 宮中の漏刻。水時計。

・促 水時計の音がほやくせわしくきこえること。

 

愁起夢難成,紅粧流宿淚,不勝情。

愁いがはじまりつづいて極まってしまい、夢に見たことはかなわないことになってしまう、頬を紅く染めた化粧は夜具まで涙でぬらすほどになり、耐えることができないほどの思いでいる。

・夢難成 夢が完成しにくいこと。たのしい夢が愁いに断たれて十分見つくすことが困難になること。

・紅粧 紅をほどこしたうつくしい化粧。ここは陳皇后をさす。

・流宿涙 循涙を流す。宿涙は昨夜から泣きつづけて、枕も布団もぬれてしまうほど涙を流すこと。

 

手挼裙帶遶宮行,思君切,羅幌暗塵生。

それで、裙のひもを手にまさぐりつつ階をめぐってもとおり行くのである、いよいよ貴君を慕うこのせつなさはどれほどのものであろうか。随分おみかぎりであるために絹のとばりに塵が積もってしまっている。

・手挼裙帶 裾(もすそ) のひもを手にとって揉むこと。

・思君切 陳皇后が天子を思うことがはなはだしいこと。

・羅幌 うすぎぬのとばり。

・暗塵生 産暗生といういい方もあり、ひそかに塵がつもっていること。寵愛を失っている状態をあらわすことは。
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天仙子二首其二 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-376-6-#68  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3427

皇甫松天仙子二首其二(人里離れた道教の聖女祠の女、年増になって好きな人は去って行った。それでも天仙子として生きていくしかない。)ためらいがちにツツジの花が開き始め、大江の水面を赤く染めている。つがいでいた鷓鴣鳥も飛び立ち暫くグルッと回っていたが遠くの山の端の方に飛んで行って、未練だけが残る。

2013年12月11日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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天仙子二首其二 皇甫松  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-376-6-#68   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3427

 

 

皇甫先輩松       天仙子二首

天仙子二首

其一

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

其二

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

行人經始歸來,千萬里,錯相倚,懊惱天仙應有以。

 

 

韋相莊              天仙子五首

天仙子五首

其一

悵望前回夢裏期,看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢,眉眼細,鬢雲垂,唯有多情宋玉知。

天仙子 其一 ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

 

其二

深夜歸來長酩酊,扶入流蘇猶未醒。

醺醺酒氣麝蘭和,驚睡覺,笑呵呵,長道人生能幾何。

天仙子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-271-5-#25  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2902

 

其三

蟾彩霜華夜不分,天外鴻聲枕上聞,繡衾香冷嬾重熏。

人寂寂,葉紛紛,才睡依前夢見君。

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

 

其四

夢覺雲屏依舊空,杜鵑聲咽隔簾櫳,玉郎薄倖去無蹤。

一日日,恨重重,淚界蓮腮兩線紅。

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

 

其五

金似衣裳玉似身,眼如秋水鬢如雲,霞裙月帔一羣羣。

來洞口,望煙分,劉阮不歸春日曛。

天仙子 其五 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917

 

歐陽舍人炯       天仙子二首

天仙子二首

其一

柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。

桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

 

其二

洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。

阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。

流水桃花空斷續。

 

皇甫松(生卒年不詳)、復姓で皇甫が姓、松が名。一名、嵩とも言う。字を子奇と言い、自ら檀欒子と号した。睦安(今の浙江省淳安)の人。工部侍郎皇甫湜の子、宰相牛僧濡の外甥で、晩唐の詞人。『酔郷日月』 『大隠賦』などの著書のあったことが知られており、これらの書名からすると、隠逸的傾向の強かった人物であったことが分かる。『花間集』 には十二首の詞が収められている。

 

 

天仙子二首

其一

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,

淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

(仙女といわれる道教の寺の尼と男の別れを詠う。)

晴れわたる野辺にはツガイの白鷺一羽飛んでゆく、蓼の花が咲き開いていたのに、もう秋になっての大江の水は青々と広がる。

ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

はらはらと涙の玉が滴る。十二の峰々は晴れあがった夕空にくっきりとしたシルエットをのこして聳えている。

 

晴野 鷺鷥【ろし】一隻【いっせき】飛び,水【すいこう】花 發して 秋江碧なり。

劉郎 此の日天仙に別る,綺席【きせき】に登り,淚珠 滴【したた】り,十二晚峯【ばんぽう】高く歷歷たり。

其二

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

行人經始歸來,千萬里,

錯相倚,懊惱天仙應有以。

(人里離れた道教の聖女祠の女、年増になって好きな人は去って行った。それでも天仙子として生きていくしかない。)

ためらいがちにツツジの花が開き始め、大江の水面を赤く染めている。つがいでいた鷓鴣鳥も飛び立ち暫くグルッと回っていたが遠くの山の端の方に飛んで行って、未練だけが残る。

女も年を重ねて行く様に、行き過ぎていく人も年を経た人に変わっていく、若い初めのころに帰って來るならば、千も、万里もいとうことはない。

交じり合い、互いに寄り添う。悩んで苦しむことばかり、「天仙」と呼ばれて、まさにこれからも依然としてここにあるだけ。

(天仙子二首其の二)

躑躅の花 開き 紅い水に照し,鷓鴣 飛びて遶ぐり 青山の觜。

行人【こうじん】を經て 始めて歸り來れば,千、萬里も,

錯り相い倚る,懊惱するも天仙 應に以ってする有り。

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『天仙子二首其二』現代語訳と訳註

(本文)

天仙子二首其二

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

行人經始歸來,千萬里,

錯相倚,懊惱天仙應有以。

 

 

(下し文)

(天仙子二首其の二)

躑躅の花 開き 紅い水に照し,鷓鴣 飛びて遶ぐり 青山の觜。

行人【こうじん】經て 始めて歸り來れば,千、萬里も,

錯り相い倚る,懊惱するも天仙 應に以ってする有り。

 

 

(現代語訳)

(人里離れた道教の聖女祠の女、年増になって好きな人は去って行った。それでも天仙子として生きていくしかない。)

ためらいがちにツツジの花が開き始め、大江の水面を赤く染めている。つがいでいた鷓鴣鳥も飛び立ち暫くグルッと回っていたが遠くの山の端の方に飛んで行って、未練だけが残る。

女も年を重ねて行く様に、行き過ぎていく人も年を経た人に変わっていく、若い初めのころに帰って來るならば、千も、万里もいとうことはない。

交じり合い、互いに寄り添う。悩んで苦しむことばかり、「天仙」と呼ばれて、まさにこれからも依然としてここにあるだけ。

 

(訳注)

天仙子二首

唐の教坊の曲名。単調と双調とがある。『花間集』 にははじめに示したように九首所収。皇甫松の作は二首収められている。単調三十四字、六句五仄韻で、❼❼7❸❸❼の形をとる。

其二

(人里離れた道教の聖女祠の女、年増になって好きな人は去って行った。それでも天仙子として生きていくしかない。)

 

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

ためらいがちにツツジの花が開き始め、大江の水面を赤く染めている。つがいでいた鷓鴣鳥も飛び立ち暫くグルッと回っていたが遠くの山の端の方に飛んで行って、未練だけが残る。

躑躅 1 【てきちょく】足踏みすること。ためらうこと。2 つつじ。女性自身が熟れ時であることを意味する。

ツツジ科ツツジ属の植物の総称。常緑または落葉性の低木、まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の5裂した花が咲く。園芸種も多く、ヤマツツジ・サツキ・レンゲツツジ・ミツバツツジなどがある。ツツジ科の双子葉植物は約1400種あり、温帯・寒帯地域および熱帯の高山に分布し、シャクナゲ・アセビ・コケモモ・エリカなども含まれる。《季 春》

躊躇するという意味がある。

春光潭沱秦東亭,渚蒲牙白水荇青。

風吹客衣日杲杲,樹攪離思花冥冥。

酒盡沙頭雙玉瓶,眾賓皆醉我獨醒。

乃知貧賤別更苦,吞聲躑躅涕淚零。』

醉歌行 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 94

紅照水 女の居る場所が大江のほとりの娼屋、あるいは、道教の祠、そこに女たちがたくさんいること。女と遊ぶ男たちは船でそこに向かうのである。船着き場に女たちが待っている様子ということである。

鷓鴣 キジ目キジ科の鳥類。「鷓鴣」と呼ばれ、別名に「越雉」、「懐南」がある。茶褐色の羽毛をもつものが多く、コジュケイに似る。

李白 『越中覧古』
越王勾践破呉帰、義士還家尽錦衣。
宮女如花満春殿、只今惟有鷓鴣飛。

李白9  越中覧古

温庭筠『菩薩蠻』 (一)

小山重疊金明滅,鬢雲欲度香顋雪。

懶起畫蛾眉。弄妝梳洗遲。

照花前後鏡。花面交相映。

新帖繡羅襦。雙雙金鷓鴣。・鷓鴣 鳥の名。しゃこ。キジ科の鳥。ここでは、雙雙鷓鴣で、男女一緒になることを暗示しており、詞ぜんたいでは、懶起畫蛾眉でも暗示されるように、そのことが、叶わなくて、一人でいる女性の艶めいた寂しさを詠っている。『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620

青山 遠近法的描写で遠い部分の山を云うが、五行思想で青は春であり、春には行楽で野外で宴をするその背景の山を連想させ、楽しかったことに繋げて連想させるもの。

觜 1.嘴【はし】。意味や解説。《「端(はし)」と同語源》くちばし。二十八宿の一。2.西方の星宿。觜宿。とろきぼし。未練をあらわすもの。

 

行人經始歸來,千萬里,

女も年を重ねて行く様に、行き過ぎていく人も年を経た人に変わっていく、若い初めのころに帰って來るならば、千も、万里もいとうことはない。

 

錯相倚,懊惱天仙應有以。

交じり合い、互いに寄り添う。悩んで苦しむことばかり、「天仙」と呼ばれて、まさにこれからも依然としてここにあるだけ。

錯 1 乱れて入りくむ。 まじる。「錯雑・錯綜(さくそう)/交錯」2 まちがえる。あやまる。「

懊惱 悔恨 懊悔。懊:深く思い悩む。憂え もだえる。「懊悩」
朱槿花・佛桑華00
 

9 6 浣溪紗八首 其四 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-382-9-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3457

薛昭蘊浣溪紗八首 其四 手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

 

9 6 浣溪紗八首 其四 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-382-9-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3457

 

 

薛侍郎昭蘊十九首:

小重山二首 其一、其二

小重山二首 其一 薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-377-9-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3432

小重山二首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-378-9-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3437

浣溪紗八首 

浣溪紗八首 其一 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-379-9-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3442

9 4 浣溪紗八首 其二 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-380-9-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3447

9 5 浣溪紗八首 其三 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-381-9-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3452

 

喜遷鶯三首 

離別難一首 

相見歡一首 

醉公子一首 

女冠子二首

謁金門一首

 

 浣溪沙八首

其一

紅蓼渡頭秋正雨,印沙鷗跡自成行,整鬟飄袖野風香。

不語含嚬深浦裏,幾迴愁煞棹舡郎,鷰歸帆盡水茫茫。

浣溪の沙八首 其の一(渡し場付近の娼屋の女性のかなしみを詠う)

渡し場のあたりに紅蓼があきのまさ雨が降っている、砂浜にカモメの足跡が残り、女は後を追うように行く方向にあるいている。髷の髻からかみが垂れ、袖が揺れ、野の風が香りをのせて吹き寄せてくる。

語りもしないし、苦々しさを含んで、船津の裏の奥の方に消え、幾度も廻って憂い顔の船頭が舟歌を詠って行く遊び人の男をのせていく。

 

浣溪沙八首其二

鈿匣菱花錦帶垂,靜臨蘭檻卸頭時,約鬟低珥等歸期。

茂茂艸青湘渚闊,夢餘空有漏依依,二年終日損芳菲。

其の二(湘水の港町の妓女が、旅から戻ってくる男を待つ、そして次の年も同じように待つ、全く音信もなくなって空しく春過す。)

顔面の上に飾物や、菱花の鏡を用意して、宝飾箱があり、横には西の帯が垂れたままにある。この静けさは、蘭のかおる女の閨に広がり、今、頭飾りを取り去ろうとしている髪の毛の頭頂で左右に分け,それぞれ耳のわきで輪をつくって束ねた結い方を整えようとしているのは、旅から戻ってくる約束の日が来たからなのだ。

春も盛んになり野山に草木が繁茂して、ここ湘水には緑がいっぱいに広がっている。夢をしっかり見るころに、ひたひたと水時計の音がむなしく響いてくる。もう二回目の春は終わろうとしている春の花が咲きみだれて、やがてその香はなくなって來るのだ。

 

浣溪沙八首其三

粉上依稀有淚痕,郡庭花落欲黃昏,遠情深恨與誰論。

記得去年寒食日,延秋門外卓金輪,日斜人散暗消魂。

(官妓から妾妻に迎えられたものの寒食の時から見むきもされない女を詠う)

逢いたいのに逢えなかった娘はお白粉塗をぬった頬に徴かに残った涙跡があり、郡役所の官舎の庭に咲く花は散り夕闇となる。思いは遠くにいるあの人のこと、深き恨みを誰に話したらいいのだろうか。

忘れもしない去年の寒食の日の行楽での事、延秋の門の外れに車止め、日は傾きてあの人は花が散るように魂消え失せてしまった時でもあるのだ。

 

浣溪沙八首其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)
握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

 手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

 

其五

簾下三間出寺牆,滿街垂楊綠陰長,嫩紅輕翠間濃粧。

瞥地見時猶可可,卻來閑處暗思量,如今情事隔仙

 

其六

江館清秋纜客舡,故人相送夜開筵,麝煙蘭焰簇花鈿。

正是斷魂迷楚雨,不堪離恨咽湘絃,月高霜白水連天。

 

其七

傾國傾城恨有餘,幾多紅淚泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

 

其八

越女淘金春水上,步搖雲鬢珮鳴璫,渚風江草又清香。

不為遠山凝翠黛,只應含恨向斜陽,碧桃花謝憶劉郎。

李清照0055
 

『浣溪紗八首』 現代語訳と訳註

(本文)

浣溪紗八首 其四

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

 

 

(下し文)

(浣溪紗八首 其の四)

握手 河橋 柳金に似たり,蜂鬚 輕く惹れる 百花の心,蕙風 蘭思 清琴に寄る。

意 滿つは 便ち同うし 春水滿ち,情 深くは 還た酒盃深くすに似たり,楚煙 湘月 兩沉沉。

 

 

(現代語訳)

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

 手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

 

(訳注)

『花間集』には薛昭蘊の作が八首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。韋荘の浣渓抄の解説参照。

  韋荘(韋相莊)        浣溪紗五首

  薛侍郎昭蘊   浣溪紗八首

  牛學士希濟   浣溪紗四首

  (顧太尉     浣溪紗八首

  孫少監光憲   浣溪紗九首

  閻處士選      浣溪紗一首

  毛秘書熙震   浣溪紗七首

  李秀才珣      浣溪紗四首

 

其四

(浣溪紗八首 其の四 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)

 

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

・鬚 (あごひげ)、髭(ひげ)とは、人間の顔から顎の下にかけて生える毛のこと。髯、鬚とも書き、くちひげ(髭)、ほおひげ(髯)で漢字を使い分ける。

 

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

・春水滿 春の雪解け水はきれいな水が増水していることで、皮の中ほどが盛り上がって流れる様子を云う。そしてそれは、男女が布団の中での情事の様子を連想させるのである。

・情深:盃深 ここは男性の心持を表現するもので、思いが深ければ、盃に酒をいっぱいに注ぐこと。この句も男が女に状を示し、連想させる。
美女画557
 

天仙子二首其一 皇甫松 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-375-6-#67  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3422

皇甫松天仙子二首其一 晴れわたる野辺にはツガイの白鷺一羽飛んでゆく、蓼の花が咲き開いていたのに、もう秋になっての大江の水は青々と広がる。ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

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天仙子二首其一 皇甫松 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-375-6-#67  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3422

 

 

皇甫先輩松       天仙子二首

天仙子二首

其一

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

其二

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

行人經始歸來,千萬里,錯相倚,懊惱天仙應有以。

 

 

韋相莊              天仙子五首

天仙子五首

其一

悵望前回夢裏期,看花不語苦尋思。

露桃花裏小腰肢,眉眼細,鬢雲垂,唯有多情宋玉知。

天仙子  ~ 其五 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-270-5-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2897

 

其二

深夜歸來長酩酊,扶入流蘇猶未醒。

醺醺酒氣麝蘭和,驚睡覺,笑呵呵,長道人生能幾何。

天仙子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-271-5-#25  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2902

 

其三

蟾彩霜華夜不分,天外鴻聲枕上聞,繡衾香冷嬾重熏。

人寂寂,葉紛紛,才睡依前夢見君。

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

 

其四

夢覺雲屏依舊空,杜鵑聲咽隔簾櫳,玉郎薄倖去無蹤。

一日日,恨重重,淚界蓮腮兩線紅。

天仙子 其四 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-273-5-#27  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2912

 

其五

金似衣裳玉似身,眼如秋水鬢如雲,霞裙月帔一羣羣。

來洞口,望煙分,劉阮不歸春日曛。

天仙子 其五 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-274-5-#28  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2917

 

歐陽舍人炯       天仙子二首

天仙子二首

其一

柳色披衫金縷鳳,纖手輕拈紅豆弄,翠蛾雙斂正含情。

桃花洞,瑤臺夢,一片春愁誰與共。

 

其二

洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。

阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。

流水桃花空斷續。

 

皇甫松(生卒年不詳)、復姓で皇甫が姓、松が名。一名、嵩とも言う。字を子奇と言い、自ら檀欒子と号した。睦安(今の浙江省淳安)の人。工部侍郎皇甫湜の子、宰相牛僧濡の外甥で、晩唐の詞人。『酔郷日月』 『大隠賦』などの著書のあったことが知られており、これらの書名からすると、隠逸的傾向の強かった人物であったことが分かる。『花間集』 には十二首の詞が収められている。

 

 

天仙子二首

其一

(仙女といわれる道教の寺の尼と男の別れを詠う。)

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

晴れわたる野辺にはツガイの白鷺一羽飛んでゆく、蓼の花が咲き開いていたのに、もう秋になっての大江の水は青々と広がる。

劉郎此日別天仙,登綺席,

ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

はらはらと涙の玉が滴る。十二の峰々は晴れあがった夕空にくっきりとしたシルエットをのこして聳えている。

 

晴野 鷺鷥【ろし】一隻【いっせき】飛び,水【すいこう】花 發して 秋江碧なり。

劉郎 此の日天仙に別る,綺席【きせき】に登り,淚珠 滴【したた】り,十二晚峯【ばんぽう】高く歷歷たり。

其二

躑躅花開紅照水,鷓鴣飛遶青山觜。

行人經始歸來,千萬里,

錯相倚,懊惱天仙應有以。

 

美女画55101道観
 

『天仙子二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

天仙子二首

其一

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,

淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

 

 

(下し文)

晴野 鷺鷥【ろし】一隻【いっせき】飛び,水【すいこう】花 發して 秋江碧なり。

劉郎 此の日天仙に別る,綺席【きせき】に登り,淚珠 滴【したた】り,十二晚峯【ばんぽう】高く歷歷たり。

 

 

(現代語訳)

(仙女といわれる道教の寺の尼と男の別れを詠う。)

晴れわたる野辺にはツガイの白鷺一羽飛んでゆく、蓼の花が咲き開いていたのに、もう秋になっての大江の水は青々と広がる。

ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

はらはらと涙の玉が滴る。十二の峰々は晴れあがった夕空にくっきりとしたシルエットをのこして聳えている。

 

(訳注)

天仙子二首

唐の教坊の曲名。単調と双調とがある。『花間集』 にははじめに示したように九首所収。皇甫松の作は二首収められている。単調三十四字、六句五仄韻で、❼❼7❸❸❼の形をとる。

 

其一

(仙女といわれる道教の寺の尼と男の別れを詠う。)

当時、道教や仏教の尼寺は男に春を鴛ぐ所と化していた。末旬の十二峯は、.坐山の著名な十二の峯のことで、坐山の神女が楚の懐王と夢の中で契りを交わして別れ去った故事に関わる山。ここでは、男女の別離を連想させる働きをしている。

 

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

晴れわたる野辺にはツガイの白鷺一羽飛んでゆく、蓼の花が咲き開いていたのに、もう秋になっての大江の水は青々と広がる。

鷺鷥 白鷺。

 水辺に生える蓼の仲間のオオケタデ。

 

劉郎此日別天仙,登綺席,

ここに來ると皆、劉郎となってこの日、仙女と別れるのだ。それは送別の宴に着くところからだ。

劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-(7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

天仙 天台山の仙女。ここでは道教の寺の尼を指す。

登綺席 素晴らしい酒席に着く。ここでは別離の宴の席に着くこと。

 

淚珠滴,十二晚峯高歷歷。

はらはらと涙の玉が滴る。十二の峰々は晴れあがった夕空にくっきりとしたシルエットをのこして聳えている。

〇十二晩峯 夕暮れ時の巫山の十二の峯々。夕暮れ時の巫山の十二の峯峯。独秀、筆峰、集仙、起雲、登龍、望霞、聚鶴、棲鳳、翠屏、盤龍、松巒、仙人を指す。

毛文錫『巫山一段雲一首』

雨霽巫山上,雲輕映碧天。

遠峯吹散又相連,十二晚峯前。

暗濕啼猿樹,高籠過客舡。

朝朝暮暮楚江邊,幾度降神仙。

巫山一段雲一首 毛文錫【もうぶんせき】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-372-8-#8 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3407

歷歷 一つ一つがはっきりとしているきまり

 蜀の山50055

應天長一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-374-8-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3417

毛文錫《應天長一首》 今宵は、遠くの渚に漁火が明々と燃えているのが見え、それをみていると、あの人は今宵は何処のおんなのもとにいるのでしょう。私も年増女ということでしょうか、風に薄絹の袖だけは軽やかに舞い上がるのです。渓谷に向かう採蓮の船があり、菱の実や蓮採り娘も愁いに沈んでいるのです。

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朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

應天長一首 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-374-8-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3417

 

 

應天長

(愛し合った男をわかれ、見送り、季節が変わり愁いはつのるが、若い娘たちでさえも愁いに沈んでいる。年増になった女妓の情を詠う。)

平江波暖鴛鴦語,兩兩釣舡歸極浦。

波平らかに水暖かい日には鴛鴦たちは囁いたものです。釣り船も2艘、2艇と遙かなる奥まった入り江の岸を指して帰ってくるのです。

蘆州一夜風和雨,飛起淺沙翹雪鷺。

(あし)の生える中州は風吹き、雨荒れある一夜があったのです。小鳥や水鳥は驚いてさわぐと、水辺の浅瀬にいた雪のような白鷺は翅を高く掲げて飛び立たんと背を伸ばす。

漁燈明遠渚,蘭棹今宵何處。

今宵は、遠くの渚に漁火が明々と燃えているのが見え、それをみていると、あの人は今宵は何処のおんなのもとにいるのでしょう。

羅袂從風輕舉,愁殺採蓮女。

私も年増女ということでしょうか、風に薄絹の袖だけは軽やかに舞い上がるのです。渓谷に向かう採蓮の船があり、菱の実や蓮採り娘も愁いに沈んでいるのです。

 

應天長一首

平江 波暖かく 鴛鴦語り,兩兩らる釣舡【ちょうせん】 極浦【きょくほ】に歸る。

蘆州【ろしゅう】一夜 風 雨に和し,淺沙を起き飛びて 雪鷺【せつろ】翹。

漁燈 遠渚【えんちょ】明く,蘭棹【らんとう】今宵【こんしょう】何處なるか。

羅袂【らべい】風に從いて輕やかに舉がり,愁殺【しゅうさい】あり 採蓮の女にも。

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『應天長 一首』 現代語訳と訳註

(本文)

應天長一首

平江波暖鴛鴦語,兩兩釣舡歸極浦。

蘆州一夜風和雨,飛起淺沙翹雪鷺。

漁燈明遠渚,蘭棹今宵何處。

羅袂從風輕舉,愁殺採蓮女。

 

 

(下し文)

應天長一首

平江 波暖かく 鴛鴦語り,兩兩らる釣舡【ちょうせん】 極浦【きょくほ】に歸る。

蘆州【ろしゅう】一夜 風 雨に和し,淺沙を起き飛びて 雪鷺【せつろ】翹。

漁燈 遠渚【えんちょ】明く,蘭棹【らんとう】今宵【こんしょう】何處なるか。

羅袂【らべい】風に從いて輕やかに舉がり,愁殺【しゅうさい】あり 採蓮の女にも。

 

 

(現代語訳)

(愛し合った男をわかれ、見送り、季節が変わり愁いはつのるが、若い娘たちでさえも愁いに沈んでいる。年増になった女妓の情を詠う。)

波平らかに水暖かい日には鴛鴦たちは囁いたものです。釣り船も2艘、2艇と遙かなる奥まった入り江の岸を指して帰ってくるのです。

(あし)の生える中州は風吹き、雨荒れある一夜があったのです。小鳥や水鳥は驚いてさわぐと、水辺の浅瀬にいた雪のような白鷺は翅を高く掲げて飛び立たんと背を伸ばす。

今宵は、遠くの渚に漁火が明々と燃えているのが見え、それをみていると、あの人は今宵は何処のおんなのもとにいるのでしょう。

私も年増女ということでしょうか、風に薄絹の袖だけは軽やかに舞い上がるのです。渓谷に向かう採蓮の船があり、菱の実や蓮採り娘も愁いに沈んでいるのです。

 

 

(訳注)

應天長

『花間集』には毛文錫の作が一首収められている。双調五十字、前段二十八字四句四仄韻、後段二十二字四句四仄韻で、❼❼❼❼/❺❻❻❺の詞形をとる韋荘、牛嶠の応天長の解説参照。

韋荘(韋相莊)          應天長二首

應天長 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-256-5-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2662

應天長 二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-257-5-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2667

牛嶠(牛給事嶠)       應天長二首

應天長二首 其一 牛嶠 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-322-6-#9 漢文委員会kanbuniinkai頌之の漢詩ブログ3157

應天長二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-323-6-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3162

毛文錫(毛司徒文錫) 應天長一首

(顧太尉       應天長一首

 

應天長 一首

(愛し合った男をわかれ、見送り、季節が変わり愁いはつのるが、若い娘たちでさえも愁いに沈んでいる。年増になった女妓の情を詠う。)

前段、平らで暖かな水に浮かぶ鴛鴦(オシドリ)が囁き交わすさまは、仲睦まじく語り合っていたことをいう男女を象徴している。その夜の吹き降りは、男が別れていくのを見送った後の女性の静まらぬ心を示し、首を高くもたげて飛び立とうとしている白鷺は、すぐにも男のもとに飛んで行きたいという女の思いを象徴している。後段は、遠くの岸辺にあって漁をする舟の漁火を見て、あの人の乗る舟ほどのあたりかしらと男を思いやる女性の情について述べ、薄絹を風になびかせ、採蓮する娘たちにも愁いはある。愁いに沈む女の姿を描く。

 

平江波暖鴛鴦語,兩兩釣舡歸極浦。

波平らかに水暖かい日には鴛鴦たちは囁いたものです。釣り船も2艘、2艇と遙かなる奥まった入り江の岸を指して帰ってくるのです。

○平江 平らに広がる川。増水、洪水の状況ではないこと。

○極浦 遠い果ての岸。ここではい遙かな対岸を指す。

 

蘆州一夜風和雨,飛起淺沙翹雪鷺。

(あし)の生える中州は風吹き、雨荒れある一夜があったのです。小鳥や水鳥は驚いてさわぐと、水辺の浅瀬にいた雪のような白鷺は翅を高く掲げて飛び立たんと背を伸ばします。

○蘆州 蘆(あし)の生える州()

風和雨 吹き降りを言う。

○翹 あげる。鳥の尾羽のように、高くかかげる。つまだてる。つま先だって背を高くする。 特に秀でた人。また、特にすぐれているさま。ぬきんでる。ここでは背を伸ばして高く首を挙げること。

 

漁燈明遠渚,蘭棹今宵何處。

今宵は、遠くの渚に漁火が明々と燃えているのが見え、それをみていると、あの人は今宵は何処のおんなのもとにいるのでしょう。

○蘭棹 蘭で作った船の棹。ここでは意中の男の乗る船を指す。

 

羅袂從風輕舉,愁殺採蓮女。

私も年増女ということでしょうか、風に薄絹の袖だけは軽やかに舞い上がるのです。渓谷に向かう採蓮の船があり、菱の実や蓮採り娘も愁いに沈んでいるのです。

○愁殺 この上ない愁いに誘う。穀は強調を表す。

○採蓮女 年若い女が素足を出して採蓮する。それを春の行楽として色町の女とお客の者たちが見学するという、年齢差を感じさせる語のひとつである。
roudai112
 
(2)西施ものがたり  李白がよく取り上げた題材



長干
兒女,眉目豔新月。
屐上足如霜,不着鴉頭襪。

長干の呉の娘は
眉目麗しく星や月にも勝る
木靴の足は霜の如く
真白き素足の美しさ

韻 月、襪。

長干の呉児のむすめ
眉目星月より艶やかなり
屐上の足霜の如
ア頭の襪を著けず


兒多白皙,好爲蕩舟劇。
賣眼擲春心,折花調行客。


耶溪採蓮女,見客櫂歌迴。
笑入荷花去,佯羞不出來。

耶渓の蓮採るむすめ
旅人を見て舟歌を歌い次第に遠ざかる
笑いながら蓮の花蔭に隠れてしまった
恥ずかしそうな格好をしてこちらに来ないぞ

韻 迴、來。

耶渓の蓮採るむすめ
旅人を見棹歌し巡る
笑いて蓮の花の蔭に隠る
いつわり羞じて敢えて来たらず

越女詞 五首 其三 李白14-3

東陽素足女,會稽素舸郎。
相看月未墮,白地斷肝腸。


鏡湖水如月,耶溪女似雪。
新妝蕩新波,光景兩奇

鏡湖は水が月光のようにすみ,耶溪は女むすめが雪のように色白。
初々しい化粧姿はすがすがしい波間にうつる,その光景はどちらも比べがたく素晴らしい。

韻は、月、雪、絶。

鏡湖 水 如月のごとく,耶溪 女 雪のごとし。
新妝 新波に蕩ゆらめき,光景 兩つながら奇

 

 

李白10  採蓮曲      
若耶渓傍採蓮女、笑隔荷花共人語。
日照新粧水底明、風飄香袖空中挙。
岸上誰家遊冶郎、三三五五映垂楊。
紫騮嘶入落花去、見此踟蹰空断腸。

若耶渓のあたりで蓮の花摘む女たち
笑いさざめきハスの花を隔てて語り合う
陽照は化粧したての顔を明るく水面に映しだし、
吹いている風は香しい袖を軽やかに舞い上げている
岸辺にはどこの浮かれた若者だろうか
三々五々としだれ柳の葉影に見え隠れ。
栗毛の駒は嘶いて柳絮のなかに消え去ろうと
この女たちを見ては行きつ戻りつむなしく心を揺さぶられる。

李白10  採蓮曲

臨江仙一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-373-8-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3412

毛文錫《臨江仙一首》川の流れは湘水の女神の弾く琴の音のように、音律五音のうちの商の音を清らな音を立て、瑟の朱絃はいくら弾いてもひどく傷ましさだけのこり、夜が明けると雨も、雲も散りさって、紺青の空は果てしなしく広がって來るのである。


2013年12月8日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固) 《西都賦》(18)#7(宮室の美)-1 文選 賦<112―18>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩972 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3408
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《論佛骨表》(2)元和十四年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <885>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3409韓愈詩-227-2
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

臨江仙一首 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-373-8-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3412

 

 

毛文錫(生卒年未詳)、字を平珪と言い、南陽(今の河南省南陽)の人。十四歳で進士に及第し、前蜀の王建に仕え、司徒に任じられ、毛司徒と呼ばれた。その後、前覇が亡びると、後主の王衍に従って後唐に降り、さらに後蜀に仕え、欧陽烱、閻選、鹿虔扆、韓琮らと詞をもって後蜀の孟昶に奉仕し「五鬼」と称された。著書に『前局紀事』二巻、『茶譜』一巻がある。毛文錫の詞は大多数が男女の離別の情や傷惜春の情を詠ったものであるが、中には功名富貴を主張したものや、辺境の戦を詠ったものもある。『花間集』には三十一首の詞が収められている。

 

 

臨江仙

暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。

黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。

岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。

靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

(娥皇、女英の瀟水、湘水の夜景を詠い、宋玉の「高唐の賦」に詠われたように夜が明ければ化身の雨も雲も消えていくという詩)

夕暮れてくると蟬の声は、夕日が沈みかかると鳴き尽してしまう。月がのぼると瀟水、湘水の川面に影をおとす。

娥皇と女英を祀った黄陵廟の傍ら水は洞庭湖にひろく果てしない。楚の山々は紅葉にそまるし、煙る雨は、宋玉の「高唐の賦」にもうたわれた台をとおく隔っている。

岸辺には港の火が、湖には舟の漁火があり、風が吹くと波に揺れ砕ける。水草の白き花は月影と共にひろがり、濃き香りは辺りに放っている。

川の流れは湘水の女神の弾く琴の音のように、音律五音のうちの商の音を清らな音を立て、瑟の朱絃はいくら弾いてもひどく傷ましさだけのこり、夜が明けると雨も、雲も散りさって、紺青の空は果てしなしく広がって來るのである。

(江の仙【かみ】を臨む)

暮蟬【ぼぜん】聲 盡き 斜陽落つ,銀蟾【ぎんせん】影 瀟湘に掛る。

黃陵廟の側 水 茫茫たり。

楚山の紅樹,煙雨 高唐を隔つ。

岸泊す漁燈は風颭碎【てんさい】し,白蘋【はくひん】遠く濃香を散らす。

靈娥【れいが】琴を皷し 清商を韻して,朱絃 淒切【せいせつ】たり,雲散して 碧天長【ちょう】ずる。

oushokun01
 

『臨江仙』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙

暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。

黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。

岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。

靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

 

 

(下し文)

(江の仙【かみ】を臨む)

暮蟬【ぼぜん】聲 盡き 斜陽落つ,銀蟾【ぎんせん】影 瀟湘に掛る。

黃陵廟の側 水 茫茫たり。

楚山の紅樹,煙雨 高唐を隔つ。

岸泊す漁燈は風颭碎【てんさい】し,白蘋【はくひん】遠く濃香を散らす。

靈娥【れいが】琴を皷し 清商を韻して,朱絃 淒切【せいせつ】たり,雲散して 碧天長【ちょう】ずる。

 

(現代語訳)

(娥皇、女英の瀟水、湘水の夜景を詠い、宋玉の「高唐の賦」に詠われたように夜が明ければ化身の雨も雲も消えていくという詩)

夕暮れてくると蟬の声は、夕日が沈みかかると鳴き尽してしまう。月がのぼると瀟水、湘水の川面に影をおとす。

娥皇と女英を祀った黄陵廟の傍ら水は洞庭湖にひろく果てしない。楚の山々は紅葉にそまるし、煙る雨は、宋玉の「高唐の賦」にもうたわれた台をとおく隔っている。

岸辺には港の火が、湖には舟の漁火があり、風が吹くと波に揺れ砕ける。水草の白き花は月影と共にひろがり、濃き香りは辺りに放っている。

川の流れは湘水の女神の弾く琴の音のように、音律五音のうちの商の音を清らな音を立て、瑟の朱絃はいくら弾いてもひどく傷ましさだけのこり、夜が明けると雨も、雲も散りさって、紺青の空は果てしなしく広がって來るのである。

 

 

(訳注)

臨江仙 一首

(娥皇、女英の瀟水、湘水の夜景を詠い、宋玉の「高唐の賦」に詠われたように夜が明ければ化身の雨も雲も消えていくという詩)

心情を直接表現した語は、わずかに「失絃凄切に」の」句のみである。「朱絃」は川音を蛾卓の弾く琴の弦に喩えている。その響きが「凄切」とは、美の舜を失って湘の川に身を投げた娥・英の悲しみを表すとともに、巫女が雨に化身し、雲に化身するが朝になればすっかり晴れ渡って來るという故事にもとずき、湊港の女性、女妓との交わりと別れを詠うものである。

 

漢詩ブログ001
 

臨江仙

『花間集』 には毛文錫の作が一首収められている。双調五十八字、前段二十九字五句四半韻、後段二十九字五句三平韻で、双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。張泌『臨江仙 一首』と同じ形をとっている。

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

花間集の臨江仙

張泌    臨江仙一首

・毛文錫              臨江仙一首

・牛希濟              臨江仙七首

・歐陽炯              臨江仙二首

・顧    臨江仙三首

・孫光憲              臨江仙二首

・魏承班              臨江仙二首

・閻選    臨江仙二首

・毛熙震              臨江仙二首

・李珣    臨江仙二首

 

暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。

夕暮れてくると蟬の声は、夕日が沈みかかると鳴き尽してしまう。月がのぼると瀟水、湘水の川面に影をおとす。

○銀蟾 月の別称。中国の古代伝説に拠れば、月には兎や蛤(ヒキガエル)が住むとされた。張泌『浣溪沙十首 其一』

鈿轂香車過柳堤,樺煙分處馬頻嘶,為他沉醉不成泥。

花滿驛亭香露細,杜鵑聲斷玉蟾低,含情無語倚樓西。

浣渓沙 十首 其一 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-339-7-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3242

銀は、ここでは月の輝きを形容する。韋荘『天仙子 其三』の「蟾彩」

蟾彩霜華夜不分。天外鴻聾枕上聞。

綉衾香冷懶重燻。

入寂寂、葉紛紛。

纔睡依前夢見君。

天仙子 其三 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-272-5-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2907

○瀟湘 湖南省洞庭湖にを流れこむ蒲水、湘水の二つの川の名。ここでは洞庭湖南岸一帯の地を指す。湘江は、広西チワン族自治区北部臨桂県の海陽山に発する。海洋圩から流れる海洋河を源流とし、北東方向へ広西チワン族自治区を流れる。湖南省永州市東安県の瀑埠頭で湖南省に入る。永州市では紫水、石期河、瀟水、応水、白水などの支流が、衡陽市では蒸水と耒水が、衡山県では水が、株洲県淥口鎮で淥水が、湘潭市で漣水が流入する。長沙市の中心で瀏陽河と撈刀河が、望城県新康で水が流入し、湘陰県の濠河口で左右に分かれて洞庭湖に注ぐ。湘江には2,157の支流があるとされ、主要な支流のうち、瀟水、耒水、水、淥水、瀏陽河は東岸の支流で、祁水、蒸水、涓水、漣水、水は西岸の支流である

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黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。

娥皇と女英を祀った黄陵廟の傍ら水は洞庭湖にひろく果てしない。楚の山々は紅葉にそまるし、煙る雨は、宋玉の「高唐の賦」にもうたわれた台をとおく隔っている。

○黄陵廟 舜の妃となった夷の二人の娘、娥皇と女英を祀った廟。湘水の神とされ,また洞庭湖の水神でもあって,湖中の君山にその祠廟がある。その地は今の湖南省湘陰の北、湘水のほとりに当たる。『臨江仙 一首』

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

○高唐 楚の宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう。雲夢(湿地の名)にあった高台の名。

 

岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。

岸辺には港の火が、湖には舟の漁火があり、風が吹くと波に揺れ砕ける。水草の白き花は月影と共にひろがり、濃き香りは辺りに放っている。

○風颭碎 風に揺れ砕けること。

○白蘋 夏から秋にかけて白い花をつける浮草。

 

靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

川の流れは湘水の女神の弾く琴の音のように、音律五音のうちの商の音を清らな音を立て、瑟の朱絃はいくら弾いてもひどく傷ましさだけのこり、夜が明けると雨も、雲も散りさって、紺青の空は果てしなしく広がって來るのである。

〇霊娥 舜の亡き後、湘水に身を投じて湘水の女神となった蛾皇、女英を指す。

○韻清商 湘水の流れの音を湘神となった蛾皇が水中で奏でる琴の音に喩えたもの。商は音律五音のうちの商の音。ここでは、清らかな音の意。

秋笛
清商欲盡奏,奏苦血沾衣。
他日傷心極,徵人白骨歸。
相逢恐恨過,故作發聲微。
不見秋雲動,悲風稍稍飛。

清苦にして哀愁のある音調。 ・商 秋、秋風。西の方角。星座のこと。五音階。「宮・商・角・徴・羽」隋・唐は中国史上で最も強大・安定し、音楽・絵画・書・舞踊・建築などが発展した。 音楽は「宮廷音楽(七部伎=清商伎・国伎・亀慈伎・安国伎・天竺伎・高麗伎・文康伎)」と 「民間音楽(山歌・小曲、器楽=琵琶・笙・笛などの演奏)」に二分される。
曹丕(曹子桓/魏文帝)詩 『燕歌行』 
燕歌行
秋風蕭瑟天気涼、草木搖落露為霜、
羣燕辭帰雁南翔。
念君客遊思断腸、慊慊思帰戀故郷、
何為淹留寄他方。』
賤妾煢煢守空房、憂来思君不敢忘。
不覚涙下霑衣裳。
援琴鳴絃發清商、短歌微吟不能長。』
明月皎皎照我牀、星漢西流夜未央。
牽牛織女遥相望、爾獨何辜限河梁。』

燕歌行二首 其一 曹丕(魏文帝) 魏詩<4-#1>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻三 622 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1705

燕歌行二首 其一 曹丕(魏文帝) 魏詩<4-#2>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻三 623 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1709

燕歌行二首 其二 曹丕(魏文帝) 魏詩<5>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻三 女性詩624 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1713

巫山一段雲一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-372-8-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3407

巫山一段雲一首神女の生まれ変わりの雨が朝には別れたために晴れ、巫山のあたりはすっかり澄み渡る。その空に神女と夜を過ごした雲が軽やかにすみきった青空に映えている。遠くの峰々をこえて吹く風に雲は散らされ、そしてまた集まり、そして連なる、巫峡は暮れかかって、二人のわかれた十二峰には猿の鳴き声がこだまする。


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巫山一段雲一首 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-372-8-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3407

 

 

毛文錫(生卒年未詳)、字を平珪と言い、南陽(今の河南省南陽)の人。十四歳で進士に及第し、前蜀の王建に仕え、司徒に任じられ、毛司徒と呼ばれた。その後、前覇が亡びると、後主の王衍に従って後唐に降り、さらに後蜀に仕え、欧陽烱、閻選、鹿虔扆、韓琮らと詞をもって後蜀の孟昶に奉仕し「五鬼」と称された。著書に『前局紀事』二巻、『茶譜』一巻がある。毛文錫の詞は大多数が男女の離別の情や傷惜春の情を詠ったものであるが、中には功名富貴を主張したものや、辺境の戦を詠ったものもある。『花間集』には三十一首の詞が収められている。

 

 

巫山一段雲

(巫山十二峯は交わり、別れの場所であり、また、雨が降り交わり、朝が来て別れる。そんな巫山を詠う。)
雨霽巫山上,雲輕映碧天。

神女の生まれ変わりの雨が朝には別れたために晴れ、巫山のあたりはすっかり澄み渡る。その空に神女と夜を過ごした雲が軽やかにすみきった青空に映えている。

遠峯吹散又相連,十二晚峯前。

遠くの峰々をこえて吹く風に雲は散らされ、そしてまた集まり、そして連なる、巫峡は暮れかかって、二人のわかれた十二峰には猿の鳴き声がこだまする。

暗濕啼猿樹,高籠過客舡。

暗くたれこめた雲があたりをくらくし、暗くなった樹を密かに濡らしたなかに猿がないているのだ。高い籠に揺られ見下ろすようにの巫峡のうえから旅人の乗る船を下に見ている。

朝朝暮暮楚江邊,幾度降神仙。

朝が来て別れ、また朝になり、夕ぐれて交わり、また夕暮れていく、舟は下って楚の国、長江下流域ののほとり、ここにはここの神仙が幾たびも降りて交わるということだ。

 

(巫山の一段雲一首)

雨が霽【は】れる巫山の上り,雲は輕く碧天に映ゆ。

遠峯より吹散し又た相い連なる,十二晚峯の前なり。

暗に濕し 猿 樹に啼く,高籠は客舡を過る。

朝朝して暮暮し 楚江の邊,幾度 神仙の降れる。

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『巫山一段雲一首』 現代語訳と訳註

(本文)

巫山一段雲一首

雨霽巫山上,雲輕映碧天。

遠峯吹散又相連,十二晚峯前。

暗濕啼猿樹,高籠過客舡。

朝朝暮暮楚江邊,幾度降神仙。

 

 

(下し文)

(巫山の一段雲一首)

雨が霽【は】れる巫山の上り,雲は輕く碧天に映ゆ。

遠峯より吹散し又た相い連なる,十二晚峯の前なり。

暗に濕し 猿 樹に啼く,高籠は客舡を過る。

朝朝して暮暮し 楚江の邊,幾度 神仙の降れる。

 

 

(現代語訳)

(巫山十二峯は交わり、別れの場所であり、また、雨が降り交わり、朝が来て別れる。そんな巫山を詠う。)

神女の生まれ変わりの雨が朝には別れたために晴れ、巫山のあたりはすっかり澄み渡る。その空に神女と夜を過ごした雲が軽やかにすみきった青空に映えている。

遠くの峰々をこえて吹く風に雲は散らされ、そしてまた集まり、そして連なる、巫峡は暮れかかって、二人のわかれた十二峰には猿の鳴き声がこだまする。

暗くたれこめた雲があたりをくらくし、暗くなった樹を密かに濡らしたなかに猿がないているのだ。高い籠に揺られ見下ろすようにの巫峡のうえから旅人の乗る船を下に見ている。

朝が来て別れ、また朝になり、夕ぐれて交わり、また夕暮れていく、舟は下って楚の国、長江下流域ののほとり、ここにはここの神仙が幾たびも降りて交わるということだ。

 

 (訳注)

巫山一段雲一首

(巫山十二峯は交わり、別れの場所であり、また、雨が降り交わり、朝が来て別れる。そんな巫山を詠う。)

唐の教坊の曲名。『花問集』には三首所収。毛文錫の作は.首収められている。双調四十四字、前後段二十二字四句三平韻で、5⑤⑦⑤/5⑤⑦⑤の詞形をとる。

巫峡は古くから航行危険の難所であったことで、さしかかる前は娼屋を利用して勇気を奮い立たせて難所に向かった。民妓、道妓の施設があったもので,もしかすると死ぬかもしれないという中での女性が神女という呼び方をされてもおかしくない。こうしたことの前提で巫山の神女の故事ができあがっている。後段、巫山の雲は、長江を行き交う旅の船を下に見ながら、これまで、朝な夕なに、どれほど巫山の峰に降ったことであろうと、坐山の神女の故事に思いを馳せる。

 

雨霽巫山上,雲輕映碧天。

神女の生まれ変わりの雨が朝には別れたために晴れ、巫山のあたりはすっかり澄み渡る。その空に神女と夜を過ごした雲が軽やかにすみきった青空に映えている。

○巫山 今の四川省巫山県の東にある山。その辺りは三峡の一つの巫峡。

温庭筠『河瀆神三首(其一)』

河上望叢祠,廟前春雨來時。

楚山無限鳥飛遲,蘭棹空傷別離。

何處杜鵑啼不歇,豔紅開盡如血。

蟬鬢美人愁,百花芳草佳節。

河瀆神 三首其一 温庭筠 ⅩⅫ唐五代詞Gs-362-1-#68 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3357

張泌『浣渓沙十首(其三)』 

獨立寒堦望月華,露濃香泛小庭花,繡屏愁背一燈斜。

雲雨自從分散後,人間無路到仙家,但憑魂夢訪天涯。

浣渓沙 十首 其三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-341-7-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3252

神女と雲雨は、雨が宋玉「高唐の賦」にある巫山神女の故事によるもので、懷王と交わった後、神女が「暮には行雨とならん」とどんな時でも一緒にいるといった意味を持つ雨である。楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事をいう。

韋荘『望遠行』「欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。  人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。不忍別君後、却入旧香閏。

100 遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

 

遠峯吹散又相連,十二晚峯前。

遠くの峰々をこえて吹く風に雲は散らされ、そしてまた集まり、そして連なる、巫峡は暮れかかって、二人のわかれた十二峰には猿の鳴き声がこだまする。

〇十二晩峯 夕暮れ時の巫山の十二の峯々。夕暮れ時の巫山の十二の峯峯。独秀、筆峰、集仙、起雲、登龍、望霞、聚鶴、棲鳳、翠屏、盤龍、松巒、仙人を指す。

皇甫松『天仙子二首(其一)

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,

十二晚峯高歷歷。

末句の十二峯は、.坐山の著名な十二の峯のことで、坐山の神女が楚の懐王と夢の中で契りを交わして別れ去った故事に関わる山。ここでは、男女の別離を連想させる働きをしている。

天仙子 皇甫松 Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-375-6-#67漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3422

 

暗濕啼猿樹,高籠過客舡。

暗くたれこめた雲があたりをくらくし、暗くなった樹を密かに濡らしたなかに猿がないているのだ。高い籠に揺られ見下ろすようにの巫峡のうえから旅人の乗る船を下に見ている。

○囁猿 古くから三峡の問は、両岸の山々に高木が茂り、船で通過する問、手長猿の鳴き声の絶えることがなく、旅人はそれを聞くと誰もが望郷の念を抱いたと言う。

 

朝朝暮暮楚江邊,幾度降神仙。

朝が来て別れ、また朝になり、夕ぐれて交わり、また夕暮れていく、舟は下って楚の国、長江下流域ののほとり、ここにはここの神仙が幾たびも降りて交わるということだ。

〇朝朝暮暮 朝な夕なに。楚の懐土が高唐に遊び夢の中で巫山の神女と情を交わした故事を踏まえる前述 韋荘『望遠行』「雲雨別来易東西」の注参照。

○楚江 ここでは長江下流域のこと。

○神仙 ここでは楚の懐王の夢に現れて懐王と情を交わした巫山の神女を指す。もう一つは、湊港に女有り、ということを詠うもの。前述 韋荘『望遠行』参照。
蜀中転々圖
 

《酔花間 其二》毛文錫【もうぶんせき】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-371-8-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3402

毛文錫酔花間》其の二 あの人のことを深く思う、でももう思ってはいけないのです。思うことはつらいことで、こんなこころもちになること、切なさは極限がないのです。天の川は年に一度は渡れるのに、わたしのいるのはこの赤い土塀にかこまれているのです。この一帯にいる間は何処にも行けないし遥かに二人を隔っているのです。
 

2013年12月6日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

《酔花間 其二》毛文錫【もうぶんせき】Ⅹ唐五代詞・「花間集」Gs-371-8-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3402

 

 

醉花間二首 其一

(教坊の曲、男の目線で女性が出征している男を思った歌で、下ネタの歌というもの。)

休相問,怕相問,相問還添恨。

尋ねないでください、尋ねられれば怖くななってしまうの、尋ねられればまた恨みが増してくるのです。

春水滿塘生,還相趁。

ゆきどけの春の增水、堤の春草が生えているうえに満ちて、見れば鸂鶒のオスがなおもメスを追いかけているのです。

 

昨夜雨霏霏,臨明寒一陣。

昨夜はしとどに雨が降る音に眠れず、明け方になると急に冷え込んできて、一人寝は寒さひときわ身に染みてくるのです。

偏憶戍樓人,久絶邊庭信。

夜通し、要塞の望楼にいる人と一緒にいたころをひたすら思い出し、随分ながいこと情事というものから断絶していて、その上に、辺境の地からの便りの暖かさも全くなくなったのです。

(花間に醉う)【すいかかん】

相い問うを 休【や】めよ,相ひ問うを怕【おそ】る,相い問わば 還【ま】た恨みを添えん。

春水 滿塘に生じ,還た相い趁【お】う。

 

昨夜 雨 霏霏として,明けに 臨みて  寒さ一陣。

偏に 憶う 戍樓【じゅうろう】の人,久しく 邊庭の信【たより】を 絶つ。

 

醉花間二首 其二

(教坊の曲、男の目線で、七夕の日というのに愛する男が来てくれない、囲われている女性が、土塀、身分違いという壁一つ隔て会うすべのないことを詠う。下ネタの歌というもの。)

深相憶,莫相憶,相憶情難極。

あの人のことを深く思う、でももう思ってはいけないのです。思うことはつらいことで、こんなこころもちになること、切なさは極限がないのです。

銀漢是紅牆,一帶遙相隔。

天の川は年に一度は渡れるのに、わたしのいるのはこの赤い土塀にかこまれているのです。この一帯にいる間は何処にも行けないし遥かに二人を隔っているのです。


金盤珠露滴,兩岸花白。

あの「承露盤」の露のように黄金の盛皿鉢に珠の露もそのまま落ちて流れ去り、天の川の両岸に白く咲く楡の花は別れるための花なのです。

風搖玉珮清,今夕為何夕。

他の女のもとへ来ている人の佩び玉が、秋の風に揺れて、清かな音が響きわたているというのに、この閨には誰もいない静かな夜なのです。今夕だけは逢えるということなのに、私にはなんという宵なのでしょう。

 

(花間に醉う)【すいかかん】 其の二

深く相い憶い,相い憶うこと莫れ,相い憶わば 情 極まり難し。

銀漢 是れ紅牆【こうしょう】,一帶 遙かに相い隔【へだ】つ。

 

金盤 珠露 滴【したた】り,兩岸 花【ゆか】白し。

風 玉珮【ぎょくはい】を搖らして 清し,今夕 何の夕べ為る。

 

 

『醉花間』 現代語訳と訳註

(本文)

醉花間二首 其二

深相憶,莫相憶,相憶情難極。

銀漢是紅牆,一帶遙相隔。

金盤珠露滴,兩岸花白。

風搖玉珮清,今夕為何夕。

roudai112
 

 

(下し文)

(花間に醉う)【すいかかん】 其の二

深く相い憶い,相い憶うこと莫れ,相い憶わば 情 極まり難し。

銀漢 是れ紅牆【こうしょう】,一帶 遙かに相い隔【へだ】つ。

 

金盤 珠露 滴【したた】り,兩岸 【ゆか】白し。

風 玉珮【ぎょくはい】を搖らして 清し,今夕 何の夕べ為る。

 

 

(現代語訳)

(教坊の曲、男の目線で、七夕の日というのに愛する男が来てくれない、囲われている女性が、土塀、身分違いという壁一つ隔て会うすべのないことを詠う。下ネタの歌というもの。)

あの人のことを深く思う、でももう思ってはいけないのです。思うことはつらいことで、こんなこころもちになること、切なさは極限がないのです。

天の川は年に一度は渡れるのに、わたしのいるのはこの赤い土塀にかこまれているのです。この一帯にいる間は何処にも行けないし遥かに二人を隔っているのです。

あの「承露盤」の露のように黄金の盛皿鉢に珠の露もそのまま落ちて流れ去り、天の川の両岸に白く咲く楡の花は別れるための花なのです。

他の女のもとへ来ている人の佩び玉が、秋の風に揺れて、清かな音が響きわたているというのに、この閨には誰もいない静かな夜なのです。今夕だけは逢えるということなのに、私にはなんという宵なのでしょう。

 

(訳注)

醉花間二首 其二

(教坊の曲、男の目線で、七夕の日というのに愛する男が来てくれない、囲われている女性が、土塀、身分違いという壁一つ隔て会うすべのないことを詠う。下ネタの歌というもの。)

この時代、男から逢うことが出来ても、女からは逢うことが出来ない。しかもそこに、身分という大きな川と、壁があるというもの。冒頭は前作同様「相…」 の語を三度重ね、女性に対する思いの深さを示す。後段の前二句は隣家の庭の内外の様√を描き、後二句は、土塀の向こうから聞こえて来る女性の腰に下げた帝王の響きに触発され、今宵は七夕で彦星と織姫星とが年に一度出会う夜だというのに、私にとっていったい何の夜なのだと、近くにいながら女性に会えぬ悲嘆を訴える。

 

深相憶,莫相憶,相憶情難極。

あの人のことを深く思う、でももう思ってはいけないのです。思うことはつらいことで、こんなこころもちになること、切なさは極限がないのです。

 

銀漢是紅牆,一帶遙相隔。

天の川は年に一度は渡れるのに、わたしのいるのはこの赤い土塀にかこまれているのです。この一帯にいる間は何処にも行けないし遥かに二人を隔っているのです。

○銀漢是紅牆 赤い土塀が天の川のように男と女を隔てていることを言う。李商隠『代應』(代わりて応う)詩の「本來銀漢是紅墻,隔得盧家白玉堂。誰與王昌報消息,盡知三十六鴛鴦。」(本来 銀漢は是れ紅牆、隔て得たり 盧家の白玉の堂。誰か與う 王昌 消息を報じるを,盡く知る 三十六 鴛鴦を。)の句を跨まえる。

 

金盤珠露滴,兩岸花白。

あの「承露盤」の露のように黄金の盛皿鉢に珠の露もそのまま落ちて流れ去り、天の川の両岸に白く咲く楡の花は別れるための花なのです。。

○金盤殊露滴 承露盤は漢の武帝が建章宮に建てた銅盤。その上の霧を飲めば不死を求め得ると道教では説く。前漢の武帝が建章官に高さ二十丈の銅柱を建て、上に露を受ける銅盤を捧げ持つ仙人の像をしつらえ、受けた甘露に玉の粉末を混ぜて飲み不老長生を図ったという故事を踏まえる。

李商隠『漢宮詞』「青雀西飛竟未回、君王長在集霊臺。侍臣最有相如渇、不賜金茎露一杯。

仙女西王母の使者である青い鳥は、崑崙山のある西の彼方へ飛び去って、約束の訓戒を守らず奢侈にあけくれ、ついに二度とかえって来なかった。漢の武帝は西王母を迎え長命の術をさずかるべく、集霊宮、通天台などの高閣を建てて、長くそこで西王母をまっていた。

その侍臣に文才秀れた司馬相如がいたが糖尿病を病んで苦しんでいた。帝は、それを知らぬはずのないのに、豪華に設えた承露盤の露、それは不老長寿の薬であり、盃に一杯だけでも賜ろうとしなかった。漢宮詞 李商隠 :紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 63

ここは女性性器の喩えということもできる。

花白 楡の花が咲いて七夕の時節になったことを言う。本来楡の木は西に上、白い花は秋の別れを意味する。ニレ科ニレ属は北半球の温帯と暖帯に約20種を産し,すべて落葉ないし半常緑の高木で葉の基部が左右不整である。日本でニレというとふつうハルニレ(イラスト)をさすが,ほかにアキニレ(イラスト)とオヒョウ(イラスト)がある。英語のエルムelmはヨーロッパニレU.minor Mill.(U.campestris L.)やセイヨウニレU.glabra Hudsonをさし,街路樹として植えられる。

 

風搖玉珮清,今夕為何夕。

他の女のもとへ来ている人の佩び玉が、秋の風に揺れて、清かな音が響きわたているというのに、この閨には誰もいない静かな夜なのです。今夕だけは逢えるということなのに、私にはなんという宵なのでしょう。

○今夕為何夕 今宵は七夕で彦星と織姫星とが年に一度出会う夜だというのに、私にとっていったい何の夜なのだと悲嘆を訴える。
kairo10682
 

酔花間 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-370-8-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3397

毛文錫酔花間夜通し、要塞の望楼にいる人と一緒にいたころをひたすら思い出し、随分ながいこと情事というものから断絶していて、その上に、辺境の地からの便りの暖かさも全くなくなったのです。

2013年12月5日  の紀頌之5つのブログ
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

酔花間 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-370-8-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3397

 

 

醉花間二首 其一

休相問,怕相問,相問還添恨。

春水滿塘生,鸂鶒還相趁。

咋夜雨霏霏,臨明寒一陣。

偏憶戍樓人,久邊庭信。

 

醉花間二首 其二

深相憶,莫相憶,相憶情難極。

銀漢是紅牆,一帶遙相隔。

金盤珠露滴,兩岸花白。

風搖玉珮清,今夕為何夕。

 

醉花間二首 其一

(教坊の曲、男の目線で女性が出征している男を思った歌で、下ネタの歌というもの。)

休相問,怕相問,相問還添恨。

尋ねないでください、尋ねられれば怖くななってしまうの、尋ねられればまた恨みが増してくるのです。

春水滿塘生,還相趁。

ゆきどけの春の增水、堤の春草が生えているうえに満ちて、見れば鸂鶒のオスがなおもメスを追いかけているのです。

 

昨夜雨霏霏,臨明寒一陣。

昨夜はしとどに雨が降る音に眠れず、明け方になると急に冷え込んできて、一人寝は寒さひときわ身に染みてくるのです。

偏憶戍樓人,久絶邊庭信。

夜通し、要塞の望楼にいる人と一緒にいたころをひたすら思い出し、随分ながいこと情事というものから断絶していて、その上に、辺境の地からの便りの暖かさも全くなくなったのです。

(花間に醉う)【すいかかん】

相い問うを 休【や】めよ,相ひ問うを怕【おそ】る,相い問わば 還【ま】た恨みを添えん。

春水 滿塘に生じ,還た相い趁【お】う。

 

昨夜 雨 霏霏として,明けに 臨みて  寒さ一陣。

偏に 憶う 戍樓【じゅうろう】の人,久しく 邊庭の信【たより】を 絶つ。

banri08

『醉花間』 現代語訳と訳註

(本文)

醉花間二首 其一

休相問,怕相問,相問還添恨。

春水滿塘生,還相趁。

 

昨夜雨霏霏,臨明寒一陣。

偏憶戍樓人,久絶邊庭信。

 

(下し文)

(花間に醉う)【すいかかん】

相い問うを 休【や】めよ,相ひ問うを怕【おそ】る,相い問わば 還【ま】た恨みを添えん。

春水 滿塘に生じ,還た相い趁【お】う。

 

昨夜 雨 霏霏として,明けに 臨みて  寒さ一陣。

偏に 憶う 戍樓【じゅうろう】の人,久しく 邊庭の信【たより】を 絶つ。

 

(現代語訳)

(教坊の曲、男の目線で女性が出征している男を思った歌で、下ネタの歌というもの。)

尋ねないでください、尋ねられれば怖くななってしまうの、尋ねられればまた恨みが増してくるのです。

ゆきどけの春の增水、堤の春草が生えているうえに満ちて、見れば鸂鶒のオスがなおもメスを追いかけているのです。

昨夜はしとどに雨が降る音に眠れず、明け方になると急に冷え込んできて、一人寝は寒さひときわ身に染みてくるのです。

夜通し、要塞の望楼にいる人と一緒にいたころをひたすら思い出し、随分ながいこと情事というものから断絶していて、その上に、辺境の地からの便りの暖かさも全くなくなったのです。

 

 (訳注)

醉花間二首 其一

(教坊の曲、男の目線で女性が出征している男を思った歌で、下ネタの歌というもの。)

唐の教坊の曲名。『花間集』 には毛文錫の二首のみ巻五に所収。双調四十一字、前段二十一字五句四仄韻、後段二十字四句二仄韻で、❸❸❺5❺/5❺5❺の詞形をとる。

唐教坊曲名。唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。

毛文錫(生卒年未詳)、字を平珪と言い、南陽(今の河南省南陽)の人。十四歳で進士に及第し、前萄の王建に仕え、司徒に任じられ、毛司徒と呼ばれた。その後、前覇が亡びると、後主の王術に従って後唐に降り、さらに後局に仕え、欧陽胴、闇選、鹿虔辰、韓暮らと詞をもって後局の孟池に奉仕し「五鬼」と称された。著書に『前局紀事』二巻、『茶譜』一巻がある。毛文錫の詞は大多数が男女の離別の情や傷惜春の情を詠ったものであるが、中には功名富貴を主張したものや、辺境の戦を詠ったものもある。『花間集』には二十一首の詞が収められている。

 

休相問,怕相問,相問還添恨。

尋ねないでください、尋ねられれば怖くななってしまうの、尋ねられればまた恨みが増してくるのです。

・添恨:恨みがましい思いが加わる。 添:加わる。足す。

 

春水滿塘生,還相趁。

ゆきどけの春の增水、堤の春草が生えているうえに満ちて、見れば鸂鶒のオスがなおもメスを追いかけているのです。

・春水:春の池や川の水に雪解け水で増水すること。春の水の動きは情事を連想させるもの。滿:いっぱいに。塘:池。つつみ。

・還相趁:鸂鶒のオスがなおもメスを追いかけている。 ・鸂鶒:〔けいちょく〕オシドリ(鴛鴦)に似た水鳥。つがいで動く。紫鴛鴦。 ・還:なおもまた。 ・相趁:…を追いかけていく。鳥の仲睦まじいさま。 ・趁:追う。後からついて行く。張泌『南歌子三首其三』「錦薦紅鸂鶒,羅衣繡鳳凰。綺疎飄雪北風狂,簾幕盡垂無事,鬱金香。」

南歌子 三首之三 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-356-7-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3327

魚玄機『隔漢江寄子安』

江南江北愁望,相思相憶空吟。

鴛鴦暖臥沙浦,鸂鶒閑飛橘林。

煙裏歌聲隱隱,渡頭月色沈沈。

含情咫尺千裏,況聽家家遠砧。

隔漢江寄子安 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-110-45-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2097

 

昨夜雨霏霏,臨明寒一陣。

昨夜はしとどに雨が降る音に眠れず、明け方になると急に冷え込んできて、一人寝は寒さひときわ身に染みてくるのです。

・霏霏:雨がしとしとと降るさま。

・臨明寒一陣:明け方が近づいたときは、寒さがひとしきりだった。臨明:明け方が近づいて。寒一陣:寒さがひとしきりだった。

 

偏憶戍樓人,久絶邊庭信。

夜通し、要塞の望楼にいる人と一緒にいたころをひたすら思い出し、随分ながいこと情事というものから断絶していて、その上に、辺境の地からの便りの暖かさも全くなくなったのです。

・戍樓人:要塞の望楼にいる人。出征している男。

牛嶠『定西番』

紫塞月明千里,金甲冷,戍樓寒,夢長安。

思望中天闊,漏殘星亦殘。

畫角數聲嗚咽,雪漫漫。

定西番 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-337-6-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3232

・久絶:長い間絶たれている。性交を長くしていないことと、手紙が長い間来ていないこと、この語を手紙が耐えてこないという意味ではこの詩は成り立たない。「休相」,「怕相」,「相問」「還添恨」「春水」「滿」「塘生」「還相趁」「昨夜雨」「霏霏」「寒一陣」「偏憶」「久絶」この語はすべて、セックスに関する隠語である。

・邊庭:辺疆。国境。 

・信:便り。手紙。
美女画557
 

紗䆫恨二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-369-8-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3392

毛文錫《恨二首 其二 いつもいつも番でいてくれた蝶で、それは鈆粉を翅に塗ってやってきて、花蕊の奥の芯の蜜を吸うのでした。奇麗な閨の窓辺から、刺繍の戸口に飛んで来て、描かれて綺麗な座敷の中に身を落ち着けていたのです。

2013年12月4日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(14)#5-3 文選 賦<112―14>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩968 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3388
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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恨二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-369-8-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3392

 

 

恨二首 其一

(春の孤閏の恨みを詠う。巣作りに励む番の燕は女性の孤独の恨みを際立たせている。)

新春鷰子還來至,一雙飛。

新しい春となり燕たちがまた帰って来てしまっている、そして、番で飛んでいく。

壘巢泥濕時時墜,涴人衣。

巣作りの泥を積み上げ、しばしば泥を落としたりする、衣裳を汚したりもする。

後園裏看百花發,香風拂,繡金扉。

高楼の奥の庭園にも花々が咲き乱れるのを見る、花の間を通り抜けた風は香りを拂う、美しく飾られた戸口の金飾りの付いた女の閨に吹き過ぎてゆく。

月照紗,恨依依。

絹張りの高窓には月が照らされるのを見るだけ、胸に残る恨みは尽きはしない。

 

(紗恨【さそうこん】二首 其の一

新春 鷰子 還た來たり至たり,一ながら雙つながら飛ぶ。

巢に壘ねる泥は濕り 時に時におり墜ち,人の衣を涴【よご】す。

後の園裏に百花の發くを看て,香り風は拂う,繡金扉を。

月 紗照らし,恨み依依たり。

水鳥ケリ002
 

恨二首 其二

(男の心変わりを蝶にたとえて詠む。)

雙雙蝶翅塗鈆粉,花心。

いつもいつも番でいてくれた蝶で、それは鈆粉を翅に塗ってやってきて、花蕊の奥の芯の蜜を吸うのでした。

飛來穩,畫堂陰。

奇麗な閨の窓辺から、刺繍の戸口に飛んで来て、描かれて綺麗な座敷の中に身を落ち着けていたのです。 

二三月愛隨飄絮,伴落花,來拂衣襟。

春二月三月のころは愛し合うためそれは風に舞う柳架の後を追い、散る花とともにやって来て襟のあたりを風のように通り抜けて行ったのです。

更剪輕羅片,傅黃金。

さらには、その翅は一片の薄絹を切り取り、黄金の粉を刷いたかのようとのとどかぬ人になってしまったのです。

(紗恨【さそうこん】二首 其の二)

雙雙たる蝶翅【ちょうし】鈆粉【しょうふん】を塗り,花心を【す】う。

【きそう】繡【しゅうこ】飛びて來りて穩【おちつ】き,畫堂の陰にあり。

二三月【にさんげつ】愛でて飄絮に隨い,落花に伴い,來りて衣襟を拂う。

更に輕羅の片を剪り,黃金を傅う。

カンナ223
 

 

『紗恨二首 』 現代語訳と訳註

(本文)

恨二首 其二

雙雙蝶翅塗鈆粉,花心。

飛來穩,畫堂陰。

二三月愛隨飄絮,伴落花,來拂衣襟。

更剪輕羅片,傅黃金。

 

(下し文)

(紗恨【さそうこん】二首 其の

雙雙たる蝶翅【ちょうし】鈆粉【しょうふん】を塗り,花心を【す】う

【きそう】【しゅうこ】飛びて來りて穩【おちつ】き,畫堂の陰にあり。

二三月【にさんげつ】でて飄絮に隨い,落花に伴い,來りて衣襟を拂う。

更に輕羅の片を剪り,黃金を傅う。

 

(現代語訳)

(男の心変わりを蝶にたとえて詠む。)

いつもいつも番でいてくれた蝶で、それは鈆粉を翅に塗ってやってきて、花蕊の奥の芯の蜜を吸うのでした。

奇麗な閨の窓辺から、刺繍の戸口に飛んで来て、描かれて綺麗な座敷の中に身を落ち着けていたのです。 

春二月三月のころは愛し合うためそれは風に舞う柳架の後を追い、散る花とともにやって来て襟のあたりを風のように通り抜けて行ったのです。

さらには、その翅は一片の薄絹を切り取り、黄金の粉を刷いたかのようとのとどかぬ人になってしまったのです。

 

(訳注)

恨二首

唐の教坊の曲名。『花間集』には毛文錫の二首のみ所収。其一が双調四十一字、前段二十字四句二仄韻、後段二十二字四句二平韻で、❼③❼③/7⑦4③、其二が双調四十二字、前段二十字四句二仄韻二平韻、後段二十二字四句二平韻で、❼③❼③/7⑦5③の詞形をとる。

 

其二

(男の心変わりを蝶にたとえて詠む。)

冒頭では羽の鈆粉を白粉に喩え身分を隠して通ってきた。末句では金粉に喩えているが、手の届かない人になってしまった。前者は羽の白い蝶、後者は本来の黄色い喋を描いたのである。

 

雙雙蝶翅塗鈆粉,花心。

いつもいつも番でいてくれた蝶で、それは鈆粉を翅に塗ってやってきて、花蕊の奥の芯の蜜を吸うのでした。

○蝶翅塗鈆粉 変装する。身分を隠してくる。鈆粉:白粉。

 吸う。

 

飛來穩,畫堂陰。

奇麗な閨の窓辺から、刺繍の戸口に飛んで来て、描かれて綺麗な座敷の中に身を落ち着けていたのです。 

○綺 美しく飾られた囲われた女妓の部屋の窓や戸口。

 

二三月愛隨飄絮,伴落花,來拂衣襟。

春二月三月のころは愛し合うためそれは風に舞う柳架の後を追い、散る花とともにやって来て襟のあたりを風のように通り抜けて行ったのです。

○飄絮 風の吹くままに舞い散る柳の種。架は綿毛の生えた柳の種。春は早春、盛春、晩春であり、それが一月二月三月であり、一月はこの女妓の所だけに来ていたことを示し、春の経過に伴い足が別の女に向いたことを云うものである。

 

更剪輕羅片,傅黃金。

さらには、その翅は一片の薄絹を切り取り、黄金の粉を刷いたかのようとのとどかぬ人になってしまったのです。

○博黄金 黄金をつたえる。男の地位が高まって、鼻にもかけられなくなったことを云う。
杏の花01
 

紗窗恨 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-368-8-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3387

恨二首其一 高楼の奥の庭園にも花々が咲き乱れるのを見る、花の間を通り抜けた風は香りを拂う、美しく飾られた戸口の金飾りの付いた女の閨に吹き過ぎてゆく。絹張りの高窓には月が照らされるのを見るだけ、胸に残る恨みは尽きはしない。


2013年12月3日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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紗窗恨 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-368-8-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3387

 

恨二首 其一

(春の孤閏の恨みを詠う。巣作りに励む番の燕は女性の孤独の恨みを際立たせている。)

新春鷰子還來至,一雙飛。

新しい春となり燕たちがまた帰って来てしまっている、そして、番で飛んでいく。

壘巢泥濕時時墜,涴人衣。

巣作りの泥を積み上げ、しばしば泥を落としたりする、衣裳を汚したりもする。

後園裏看百花發,香風拂,繡金扉。

高楼の奥の庭園にも花々が咲き乱れるのを見る、花の間を通り抜けた風は香りを拂う、美しく飾られた戸口の金飾りの付いた女の閨に吹き過ぎてゆく。

月照紗,恨依依。

絹張りの高窓には月が照らされるのを見るだけ、胸に残る恨みは尽きはしない。

 

(紗恨【さそうこん】二首 其の一

新春 鷰子 還た來たり至たり,一ながら雙つながら飛ぶ。

巢に壘ねる泥は濕り 時に時におり墜ち,人の衣を涴【よご】す。

後の園裏に百花の發くを看て,香り風は拂う,繡金扉を。

月 紗照らし,恨み依依たり。

 

其二

雙雙蝶翅塗鈆粉,花心。

飛來穩,畫堂陰。

二三月愛隨飄絮,伴落花,來拂衣襟。

更剪輕羅片,傅黃金。

agehacho01

 

『紗恨二首 其一』 現代語訳と訳註

(本文)

恨二首 其一

新春鷰子還來至,一雙飛。

壘巢泥濕時時墜,涴人衣。

後園裏看百花發,香風拂,繡金扉。

月照紗,恨依依。

 

(下し文)

(紗恨【さそうこん】二首 其の一

新春 鷰子 還た來たり至たり,一ながら雙つながら飛ぶ。

巢に壘ねる泥は濕り 時に時におり墜ち,人の衣を涴【よご】す。

後の園裏に百花の發くを看て,香り風は拂う,繡金扉を。

月 紗照らし,恨み依依たり。

 

(現代語訳)

(春の孤閏の恨みを詠う。巣作りに励む番の燕は女性の孤独の恨みを際立たせている。)

新しい春となり燕たちがまた帰って来てしまっている、そして、番で飛んでいく。

巣作りの泥を積み上げ、しばしば泥を落としたりする、衣裳を汚したりもする。

高楼の奥の庭園にも花々が咲き乱れるのを見る、花の間を通り抜けた風は香りを拂う、美しく飾られた戸口の金飾りの付いた女の閨に吹き過ぎてゆく。

絹張りの高窓には月が照らされるのを見るだけ、胸に残る恨みは尽きはしない。

杏の白花012
 

(訳注)

恨二首

唐の教坊の曲名。『花間集』には毛文錫の二首のみ所収。其一が双調四十一字、前段二十字四句二仄韻、後段二十二字四句二平韻で、❼③❼③/7⑦4③、其二が双調四十二字、前段二十字四句二仄韻二平韻、後段二十二字四句二平韻で、❼③❼③/7⑦5③の詞形をとる。

 

其一

(巣作りに励む番の燕、満開の花を抜ける風、傾いた月が高窓に映るは女性の孤独の恨みを詠う。)

 

新春鷰子還來至,一雙飛。

新しい春となり燕たちがまた帰って来てしまっている、そして、番で飛んでいく。

 

壘巢泥濕時時墜,涴人衣。

巣作りの泥を積み上げ、しばしば泥を落としたりする、衣裳を汚したりもする。

○涴 汚に同じ。汚す。

 

後園裏看百花發,香風拂,繡金扉。

高楼の奥の庭園にも花々が咲き乱れるのを見る、花の間を通り抜けた風は香りを拂う、美しく飾られた戸口の金飾りの付いた女の閨に吹き過ぎてゆく。

○繡金扉 美しく飾られた戸口の金飾りの付いた扉。婦人の部屋

を指す。

 

月照紗,恨依依。

絹張りの高窓には月が照らされるのを見るだけ、胸に残る恨みは尽きはしない。

○月照紗 月が西に傾くことで高窓に月の明かりが当たることを言う。一晩中、一人で横になって、高窓を見上げていたということ。
DCF00102010
 

更漏子 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-367-8-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3382

毛文錫更漏子ひたすらに別れに胸を痛めるは、美しき春であるがため別れがつらいのだ。庭先の丁字の花は我が胸のごとく千々に結び咲く。今日も宵闇の霧消え、朝焼けの空は輝き始めて、梁のあいだを番の燕がとびかう。
  

2013年12月2日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《西都賦》(12)#5-1 文選 賦<112―12>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩966 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3378
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《送李員外院長分司東都》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <879>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3379韓愈詩-222
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 707 《送陵州路使君赴任〔送陵州路使君之任〕》#1 蜀中転々 杜甫 <614>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3380 杜甫詩1000-614-870/1500
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 211  《春雨後》 孟郊  唐宋詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3381 (12/02)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 更漏子 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-367-8-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3382
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

更漏子 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-367-8-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3382

 

更漏子

(春の夜、遠きにある男を思う女性の情を詠う。

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

春分を過ぎたころ夜半、こんな春の恨みは身に染みるもので、花の彼方には月に囁く子規がなきはじめた。

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

あの人の姿をみることはないし、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

ひたすらに別れに胸を痛めるは、美しき春であるがため別れがつらいのだ。庭先の丁字の花は我が胸のごとく千々に結び咲く。

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

今日も宵闇の霧消え、朝焼けの空は輝き始めて、梁のあいだを番の燕がとびかう。

(更漏子【こうろうし】)

春夜闌【たけなわ】にして,春恨 切に,花外にして 子規 月に啼く。

人見ず,夢 憑【たの】み難く,紅紗 一點の燈。

偏【ひとえ】に別れを怨み,是れ芳節,庭中 丁香 千結す。

宵霧 散り,曉霞 輝き,梁間 雙鷰 飛ぶ。

 

波眼蝶0055
 

『更漏子』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

 

(下し文)

(更漏子【こうろうし】)

春夜闌【たけなわ】にして,春恨 切に,花外にして 子規 月に啼く。

人見ず,夢 憑【たの】み難く,紅紗 一點の燈。

偏【ひとえ】に別れを怨み,是れ芳節,庭中 丁香 千結す。

宵霧 散り,曉霞 輝き,梁間 雙鷰 飛ぶ。

 

(現代語訳)

(春の夜、遠きにある男を思う女性の情を詠う。

春分を過ぎたころ夜半、こんな春の恨みは身に染みるもので、花の彼方には月に囁く子規がなきはじめた。

あの人の姿をみることはないし、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

ひたすらに別れに胸を痛めるは、美しき春であるがため別れがつらいのだ。庭先の丁字の花は我が胸のごとく千々に結び咲く。

今日も宵闇の霧消え、朝焼けの空は輝き始めて、梁のあいだを番の燕がとびかう。

 

(訳注)

更漏子

(春の夜、遠きにある男を思う女性の情を詠う。

前段は、眠れぬ時を送る孤閏の悲しみを述べ、後段、丁字(チョウジ)の花は愁いが心から離れぬことを表し、番の燕は身の孤独を際上江たせる。
『花間集』には毛文錫の作が一首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、3❸❻3③⑤/❸❸❻3③⑤の詞形をとる。更漏子という題で、花間集には温庭筠、韋莊、牛嶠、毛文錫、孫光憲、毛熙震などの作が収録されている。

123 更漏子 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-282-5-#36  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2957

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680

『更漏子 三』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-17-2-#3 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1684

『更漏子 四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-18-2-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1688

『更漏子 五』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-19-2-#5 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1692

『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696

更漏子三首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-325-6-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3172

更漏子三首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-326-6-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3177

更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-327-6-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3182

 

春夜闌,春恨切,花外子規啼月。

春分を過ぎたころ夜半、こんな春の恨みは身に染みるもので、花の彼方には月に囁く子規がなきはじめた。

○春夜闌 :①盛春、②深夜、③宴席がたけなわ、④性交の絶頂期 ・春恨:①盛春を過ぎようとするのに待ち人が来ない、②春わずかな間に別れを告げられる ・子規:晩春から初夏にかけて鳴く。

○子規 ホトトギス。この三句で三春という時間経過を示す。

 

人不見,夢難憑,紅紗一點燈。

あの人の姿をみることはないし、夢のなかで逢追うと思っても、それさえも難しくなる。灯火はただ一つ、紅く戸張に映るだけだ。

○人不見 愛する人の姿のないこと。

 

偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。

ひたすらに別れに胸を痛めるは、美しき春であるがため別れがつらいのだ。庭先の丁字の花は我が胸のごとく千々に結び咲く。

○偏怨別、是芳節 今が美しい春の季節であるがため、別離が一層辛い、の意。

○丁香千結 チョウジの花が千々に結び咲く。本句は実景を描くと同時に女性の愁いが千々に結ばれて解けぬことを言う。チョウジの花は、愁いに心が結ばれて解けぬ比喩。牛嶠「感恩多」其二

自從南浦別,愁見丁香結

近來情轉深,憶鴛衾。

幾度將書托煙鴈,淚盈襟。

淚盈襟,禮月求天,願君知我心。

チョウジの花が開花の崎でも花びらが閉じたようになっていること。愁いに心が結ばれて解けぬ比喩。香の字を用いているのほ、チョウジの花を乾燥させたものが薬剤や香辛料として用いられたことによるもの。

 

宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

今日も宵闇の霧消え、朝焼けの空は輝き始めて、梁のあいだを番の燕がとびかう。
楊貴妃清華池002
 

虞美人二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-366-8-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3377

毛文錫虞美人二首 其二夕日も低く照らし、閨の小窓を明るくする。春も終わるころになり南側の庭園に葉もうっそうと茂るころには、愛し合いながらも別れることになる「鶯鶯伝」を語ることになる。夢は、現実になることは難しいものだ。


2013年12月1日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(11)#4-2 文選 賦<112―11>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩965 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3373
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《讀皇甫湜公安園池詩書其後〔一本為二首。〕》元和十三年韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <878>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3374韓愈詩-221ー#4
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 706 《章梓州橘亭餞成都竇少尹〔章使君橘亭餞成都竇少尹〕〔得涼字。〕》 蜀中転々 杜甫 <613>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3375 杜甫詩1000-613-869/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 虞美人二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-366-8-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3377
 
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 花間集 古詩源 玉台新詠

 

虞美人二首 其二 毛文錫【もうぶんせき】  Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-366-8-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3377

 

 

虞美人二首 其一

(鴛鴦のように過したが、今は高貴な人の妻、二人の間には天の川がある。そこにいるとわかっていても手が届かないもどかしい男の気持ちを詠う。虞美人に男の気持ちは伝わらない。)

鴛鴦對浴銀塘暖,水面蒲梢短。

鴛鴦は銀色に光る池の水に遊び、堤には春の暖かさがひろがり、それでも水面より顏を出す蒲はまだ短い。

垂楊低拂麴塵波,蛟絲結網露珠多,滴圓荷。

柳の枝は水面に届くほどに垂れて掃き拂うよう、池の波は柳の薄黄の色にそまっている。その水面に映る枝は、蛟が蜘蛛の巣に結べる露の玉のように多くある、円い蓮の葉は露がこぼれ落ちるようだ。 

遙思桃葉江碧,便是天河隔。

いまわたしが思いつづけるわたしの東晋の情熱の女妓「桃葉」は遙か碧の呉江のほとりにある。すなわち、ここには二人を引き裂くのは天の川が横たわっている。

錦鱗紅鬣影沉沉,相思空有夢相尋,意難任。

錦の鱗魚は水底深く住んでいて、文を出すすべもなく、これだけ恋い焦がれているのに、ただ夢に尋ねるだけなのだ、この思いはもう堪えがたい。

 美女004

虞美人二首 其二

(愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋をうたう。)

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

そのころは、女の閨には寶檀に金糸飾りがあり鴛鴦の枕、綬帶鳥図に盤宮錦とありとあらゆる夫婦円満の飾りにかこまれている。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

夕日も低く照らし、閨の小窓を明るくする。春も終わるころになり南側の庭園に葉もうっそうと茂るころには、愛し合いながらも別れることになる「鶯鶯伝」を語ることになる。夢は、現実になることは難しいものだ。

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

宝玉でできた立派な香炉には、香が暖められてしきりにくゆらせながら立ち上る。そこの池中に軽やかに柳絮の綿が飛び交っている。

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

玉すだれは巻き上げることはなく、その内には、香は深く垂れこめ部屋中に行き渡る。その庭を前にして、あれほど楽しく遊んだ綺麗に画き飾られたブランコがポツンと建っている。そこには天高く太陽が艶やかに光っているだけなのだ。

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『虞美人二首 其二』 現代語訳と訳註
(
本文)
虞美人二首 其二

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

 

 

(下し文)

(虞美人二首 其の二)

寶檀 金縷 鴛鴦の枕,綬帶 盤宮の錦。

夕陽 低く映え 小の明,南園 綠樹 語るはなり鶯鶯,夢成り難し。

玉鑪 香暖 頻りに添けなくも炷し,滿地 輕絮飄う。

珠簾 不卷 沉煙度り,

庭前 閑立 鞦韆を畫し,陽天を豔す。

(
現代語訳)

(愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋をうたう。)

そのころは、女の閨には寶檀に金糸飾りがあり鴛鴦の枕、綬帶鳥図に盤宮錦とありとあらゆる夫婦円満の飾りにかこまれている。

夕日も低く照らし、閨の小窓を明るくする。春も終わるころになり南側の庭園に葉もうっそうと茂るころには、愛し合いながらも別れることになる「鶯鶯伝」を語ることになる。夢は、現実になることは難しいものだ。

宝玉でできた立派な香炉には、香が暖められてしきりにくゆらせながら立ち上る。そこの池中に軽やかに柳絮の綿が飛び交っている。

玉すだれは巻き上げることはなく、その内には、香は深く垂れこめ部屋中に行き渡る。その庭を前にして、あれほど楽しく遊んだ綺麗に画き飾られたブランコがポツンと建っている。そこには天高く太陽が艶やかに光っているだけなのだ。

 

 

(訳注)

虞美人二首 

唐の教坊の曲名。『花間集』には十四首所収。毛文錫の詩は二首収められている。双調五十八字、前後段五句二十九字二仄韻三平韻で、❼❺⑦⑦③/❼❺⑦⑦③の詞形をとる。

其二

(愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋をうたう。)

 

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

そのころは、女の閨には寶檀に金糸飾りがあり鴛鴦の枕、綬帶鳥図に盤宮錦とありとあらゆる夫婦円満の飾りにかこまれている。

・寶檀 菩薩の台座で通常は蓮華座であることが多い。ここでは大切に可愛がられている女妓の閨の寝台にかざりがあるもの。

・縷 1 細々と連なる糸筋。「一縷」2 細く、途切れずに続くさま。こまごまとしたさま。金の糸で結びあっていたもの。「縷言・縷述・縷説・縷陳・縷縷」3 ぼろ。「襤縷(らんる)

・綬帶 夫婦円満長寿を表す

・盤宮錦 宮中にのみ使用される錦織のもの。

 

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

夕日も低く照らし、閨の小窓を明るくする。春も終わるころになり南側の庭園に葉もうっそうと茂るころには、愛し合いながらも別れることになる「鶯鶯伝」を語ることになる。夢は、現実になることは難しいものだ。

・鶯鶯 「鶯鶯伝」のこと。中国唐代中期の短編伝奇恋愛小説。元稹(げんじん)(779~831)作。『大平広記』488に収録されている。愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋を描いた情趣ある作品である。 貞元年間(785~804)のこと。張某という23歳のまじめな書生が蒲州へ旅した折、ある寺に滞在していた崔氏の未亡人と知り合った。崔氏は財産はあったが没落貴族で力はなく、そのころ勃発した蒲州の兵乱で困っていた。

 たまたま未亡人が遠い親戚の鄭氏の出であることを知った張は蒲州軍の旧知を通じてその財産を守らせたので崔家は危難を逃れた。

 未亡人はこれに感謝し、宴の席を設けた。この席でその娘鶯鶯に出会った張はその美しさに一目で恋に落ちた。張は崔家の女中紅娘を通じて歌を贈った。そして、二人は夜の間だけ西の間で人目を忍んで密会を繰り返した。

 だが、しばらくして張は科挙の試験のために長安に行き、試験に失敗すると翌年も長安に留まることにした。張は鶯鶯に慰めの手紙を送り、彼女からは心のこもった返事が来た。しかしこのことがあって後、二人の関係は終わったようだった。やがて、鶯鶯は別の人の所へ嫁に行き、張も別の人を嫁にもらい、互いの消息も分からなくなってしまうのである。

ここは、男が高貴なもので女妓は愛されて好きになってまもなく、おとこは別れていった。

 

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

宝玉でできた立派な香炉には、香が暖められてしきりにくゆらせながら立ち上る。そこの池中に軽やかに柳絮の綿が飛び交っている。

・玉鑪 宝玉でできた立派な香炉。「鑪」は「爐」に通じる。鑪:たたら。馮延己の「采桑子」「玉堂香煖珠簾卷,雙燕來歸。」

・炷 1 香をひとたきくゆらせること。また、その香。2 1本の灯心。

 

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

玉すだれは巻き上げることはなく、その内には、香は深く垂れこめ部屋中に行き渡る。その庭を前にして、あれほど楽しく遊んだ綺麗に画き飾られたブランコがポツンと建っている。そこには天高く太陽が艶やかに光っているだけなのだ。

・鞦韆 妓女たちが遊んだブランコ。

・豔 艶やかなこと。
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