玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

2014年01月

11 -17 鳳樓春一首 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-427-11-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3682

歐陽炯《鳳樓春》 宮女は豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろに鳳の髪に結い降ろしていて、宮殿の深くの房閏の帳におおわれ、向こうに連子窓がある。恋しい思いを何度も練り絹にしたため届けます。夢ではたがいに会ったとしても覚めてしまえばけだるさだけが残ってしまう、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。


2014年1月31日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ廣徳2年764-8-2 《贈別賀蘭銛》 蜀中転々 杜甫 <658-2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3680 杜甫詩1000-658-2-930/1500752-2
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor11 -17 鳳樓春一首 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-427-11-#17  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3682
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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11 -17 鳳樓春一首 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-427-11-#17   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3682

      
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 ■ 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首 
 1五巻浣渓沙 三首 其一欧陽烱 
2五巻浣渓沙 三首 其二欧陽烱 
3五巻浣渓沙 三首 其三欧陽烱 
4六巻三字令欧陽烱 
5六巻子八首 其一欧陽烱 
6六巻子八首 其二欧陽烱 
7六巻子八首 其三欧陽烱 
8六巻子八首 其四欧陽烱
9六巻子八首 其五欧陽烱
10六巻子八首 其六欧陽烱
 11六巻子八首 其七欧陽烱
 12六巻子八首 其八欧陽烱
 13六巻獻衷心一首欧陽烱
 14六巻賀明朝二首 其一欧陽烱
 15六巻賀明朝二首 其二欧陽烱
 16六巻江城子一首欧陽烱
 17六巻鳳樓春一首欧陽烱
      


鳳樓春

(春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたる閨怨を詠う。)

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

宮女は豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろに鳳の髪に結い降ろしていて、宮殿の深くの房閏の帳におおわれ、向こうに連子窓がある。

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

恋しい思いを何度も練り絹にしたため届けます。夢ではたがいに会ったとしても覚めてしまえばけだるさだけが残ってしまう、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、若くて輝いているあの人は何処に行ったのでしょう、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのでしょうか。

小樓中,春思無窮。

小樓に登って眺めるけれど、春にあの人と過ごすという思いは果てしなくくりかえす。

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

そのまま手すりにもたれて臨むのですが、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれてしまいます。柳絮は春風がおこるたびに舞い散っています。

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

日が傾けば簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えのこり、ただ空しく鳳凰の屏風が立つだけです。

海棠零落,鶯語殘紅。

やがて海菜の花も凋んで落ちてしまい、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消えていく。

美女画557
 

『鳳樓春』 現代語訳と訳註

(本文)

鳳樓春

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

小樓中,春思無窮。

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

海棠零落,鶯語殘紅。

 

(下し文)

(鳳樓春【ほうろうしゅん】

鳳髻【ほうけい】綠雲 叢【そう】とし,深く房攏を掩う。

錦書 通し,夢中 相い見 覺め來りて慵【ものう】き,面を勻い 臉に淚し 珠融く。

因りて想う 玉郎 何處にか去らん,淑景に對し誰か同じうすと。

小樓に中【あた】って,春思 窮り無し。

欄に倚り顒望【ぎょうぼう】し,闇牽するは愁緒【しゅうちょ】を,柳花 東風に飛び起つ。

日斜むけば簾を照し,羅の幌には香 冷めて 粉しても屏は空し。

海棠も零落し,鶯語も殘紅す。

 

(現代語訳)

(春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたる閨怨を詠う。)

宮女は豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろに鳳の髪に結い降ろしていて、宮殿の深くの房閏の帳におおわれ、向こうに連子窓がある。

恋しい思いを何度も練り絹にしたため届けます。夢ではたがいに会ったとしても覚めてしまえばけだるさだけが残ってしまう、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、若くて輝いているあの人は何処に行ったのでしょう、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのでしょうか。

小樓に登って眺めるけれど、春にあの人と過ごすという思いは果てしなくくりかえす。

そのまま手すりにもたれて臨むのですが、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれてしまいます。柳絮は春風がおこるたびに舞い散っています。

日が傾けば簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えのこり、ただ空しく鳳凰の屏風が立つだけです。

やがて海菜の花も凋んで落ちてしまい、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消えていく。

 

(訳注)

鳳樓春

(春から初夏になっても連絡がない、次から次へと咲く海棠の花散る時節にいたる閨怨を詠う。)

唐の教坊の曲名。『花間集』には欧陽欄の一首のみ所収。双調七十七字、前段三十七字七句六平韻、後段四十字九句五平韻で、

⑤④③⑦⑥7⑤/③④44⑥4⑦4④の詞形をとる。

 雲髻001

鳳髻綠雲叢,深掩房攏。

宮女は豊かな黒髪を両鬢の雲型に後ろに鳳の髪に結い降ろしていて、宮殿の深くの房閏の帳におおわれ、向こうに連子窓がある。

鳳髻綠雲叢 全体は雲型で後ろに背に向けて鳳の羽の形に結い上げた豊かな黒髪。宮妓の髪。

房攏 房は宮女の部屋の前のたたき廊下の連子窓。攏は、獣を入れておく「おり、」。連子窓。

 

錦書通,夢中相見覺來慵,勻面淚臉珠融。

恋しい思いを何度も練り絹にしたため届けます。夢ではたがいに会ったとしても覚めてしまえばけだるさだけが残ってしまう、涙の後を化粧で整えても、珠の涙は頬紅を溶かしてしまう。

錦書通 練り絹に書いてかれた宮女への手紙。前秦の竇滔の妻蘇氏が錦を織って廻文の詩二百余首を題して任地に行ったままで消息の分からない夫の滔におくって愛情を取り戻したという故事にならっている。手紙の美称。(夫は趙明誠) 

 けだるさだけが残ってしまう。虚無感。

 均等に整える。ここでは拭い払うこと。

腺珠融 頬の涙の滴が (紅白粉を) くずす。涙で紅白粉が溶けることを言う。

 

因想玉郎何處去,對淑景誰同。

手紙は届いているはずなのに合いには来てくれない、若くて輝いているあの人は何処に行ったのでしょう、春の美しい景色を誰とともに過ごしているのでしょうか。

玉郎 玉のように輝かしい男。ここでは若くて輝いている、誰からも愛される高貴な男の意。

淑景 春の美しい景色。

 

小樓中,春思無窮。

小樓に登って眺めるけれど、春にあの人と過ごすという思いは果てしなくくりかえす。

春思 万物が子作りを始め、成長するのが春。冬の間にたくわえられて春に開花する、人の思いも思い続けていたものが春には遂げられるという五行思想をいう。

柳絮01
 

倚欄顒望,闇牽愁緒,柳花飛起東風。

そのまま手すりにもたれて臨むのですが、知らぬ間にまた愁いのなかにひきこまれてしまいます。柳絮は春風がおこるたびに舞い散っています。

顒望 じっと動かず遠くを眺める

闇牽 闇に牽く。知らぬ間に誘い込まれる、あるいは一つの考えに引き込まれることを云う。

 

斜日照簾,羅幌香冷粉屏空。

日が傾けば簾越に牀を照らし、寝牀を覆う薄絹の帳にはお香の火も消えのこり、ただ空しく鳳凰の屏風が立つだけです。

羅幌香冷粉麻空 寝台を覆う薄絹の帳は香炉の火も消え、白く塗り飾った屏風の中には人影(夫の姿) のないことを言う。女性の悲しみを言ったもの。

 

海棠零落,鶯語殘紅。

やがて海菜の花も凋んで落ちてしまい、春を告げていた鶯の啼き声も残った紅の花の中に消えていく。

海棠 紫色の枝から数㎝の花柄を伸ばし、淡いピンク色の花を次つぎと咲かせ、花の美しさから美女を形容するときにも登場する、晩春から初夏にかけて咲く。女盛りをいう。

零落 1 落ちぶれること。2 草木の枯れ落ちること。

鶯語殘紅 ここは、海棠の花が咲き誇っている時に鶯が啼いていたのが記憶として残っていること、海棠花が零落しているのであるから夏が来ているのであるから、鶯は啼いてはいない。
 海棠花022

11 -16 江城子一首 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-426-11-#16  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3677

歐陽炯《江城子一首》 太陽が傾き、日は斜めに射す「傾国」の歴史を見てきた金陵の岸べ草原広がり、水は無情にながれる。呉から続いた六代・六朝の繁華がのこり、空は赤く燃え、その街は波音を追うて去ってゆく。


 

2014年1月30日の紀頌之5つのブログ
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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11 -16
江城子一首 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-426-11-#16   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3677

      
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 1五巻浣渓沙 三首 其一欧陽烱 
2五巻浣渓沙 三首 其二欧陽烱 
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 14六巻賀明朝二首 其一欧陽烱
 15六巻賀明朝二首 其二欧陽烱
 16六巻江城子一首欧陽烱
 17六巻鳳樓春一首欧陽烱
      


『花間集』の江城子



韋相莊

江城子二首①


牛嶠(牛給事嶠)

江城子二首①


張舍人泌

江城子二首①


歐陽舍人炯

江城子一首

 

 

 

 

 

 

 
 

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104 江城子 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-296-5-#50  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3027

江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192

江城子 二首 其一 張泌ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-357-7-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3332

江城子 二首其二 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-358-7-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3337

 

 

江城

晚日金陵岸艸平,落霞明,水無情,六代繁華,暗逐逝波聲。

空有姑蘇臺上月,如西子鏡照江城。

(かつて六朝の都として栄えた金陵(南京・建康)を懐古し、世の変遷を詠う。)

太陽が傾き、日は斜めに射す「傾国」の歴史を見てきた金陵の岸べ草原広がり、水は無情にながれる。呉から続いた六代・六朝の繁華がのこり、空は赤く燃え、その街は波音を追うて去ってゆく。

今はただ荒れ果てた姑蘇台のうえに月がのぼる、それはまるで西施のようであり、鏡湖にも月影をおとす、そして長江のほとりの金城を照らしている。

 

(江城子)

晚日 金陵 岸の艸 平らかに,落霞 明るく,水 無情なり,六代 繁華とし,暗に波聲を逐逝【ついせき】す。

空しく姑蘇臺上の月有り,西子の鏡の如く江城を照す。

杏の花01
 

 

『江城子』 現代語訳と訳註

(本文)

江城

晚日金陵岸艸平,落霞明,水無情,六代繁華,暗逐逝波聲。

空有姑蘇臺上月,如西子鏡照江城。

 

(下し文)

(江城子)

晚日 金陵 岸の艸 平らかに,落霞 明るく,水 無情なり,六代 繁華とし,暗に波聲を逐逝【ついせき】す。

空しく姑蘇臺上の月有り,西子の鏡の如く江城を照す。

 

(現代語訳)

(かつて六朝の都として栄えた金陵(南京・建康)を懐古し、世の変遷を詠う。)

太陽が傾き、日は斜めに射す「傾国」の歴史を見てきた金陵の岸べ草原広がり、水は無情にながれる。呉から続いた六代・六朝の繁華がのこり、空は赤く燃え、その街は波音を追うて去ってゆく。

今はただ荒れ果てた姑蘇台のうえに月がのぼる、それはまるで西施のようであり、鏡湖にも月影をおとす、そして長江のほとりの金城を照らしている。

DCF00207
 

 

(訳注)

江城

『花間集』には欧陽烱の作が一首収められている。単調三十」は六字、八句五平韻で、⑦③③4⑤74③の詞形をとる。韋荘、牛嶠、張泌の『江城子』の参照。

韋相莊

江城子二首①


牛嶠(牛給事嶠)

江城子二首①


張舍人泌

江城子二首①


歐陽舍人炯

江城子一首

 

 

 

 

 

 

 

(かつて六朝の都として栄えた金陵(南京・建康)を懐古し、世の変遷を詠う。)

【解説】 栄華を極めた六朝の都の女の街も繁華も、長江の流れは西から東へ無情であり、消え去る世の無常を述べる。最後の二句は、今はただ姑蘇台の上に輝く西施(西子)の鏡のような月が、都跡を照らすばかりであることをいい、時代はさらに戦国時代の呉まで遡り、世の変遷に対する無常の観をより深めている。

 

 

晚日金陵岸艸平,落霞明,水無情,六代繁華,暗逐逝波聲。

太陽が傾き、日は斜めに射す「傾国」の歴史を見てきた金陵の岸べ草原広がり、水は無情にながれる。呉から続いた六代・六朝の繁華がのこり、空は赤く燃え、その街は波音を追うて去ってゆく。

金陵 、江蘇省の省都。古くから長江流域・華南の中心地で、かつては三国・呉、東晋、南朝の宋・斉・梁・陳(以上の6朝を総称して六朝)、十国の南唐や明といった王朝や南京国民政府の首都であった。中国四大古都の一つ。南京の歴史は春秋時代に呉がこの地に城を築いたことに始まる。戦国時代に呉を征服した楚は金陵邑を設置。その後秦朝による統一事業が達成され、始皇帝がこの地に巡幸してきた際に、「この地に王者の気がある」と言われ、それに怒って地形を無理やり変えてこの地の気を絶とうとした。また名前も金から秣(まぐさ)の秣陵県と改称している。三国時代になると呉の孫権が229年に石頭城という要塞を築いて建業と称してこの地に都を置いた。西晋にて一旦、建業とされた後に司馬鄴(愍帝)を避諱して建康と改められ、東晋及びその後の四王朝(宋、斉、梁、陳)の都となった。呉を含めた六国が全て同じ地に都を置いたことから六朝時代の名がある。隋代には江寧県、唐代には金陵県、白下県、上元県と改称されている。隋唐代には新たに開削された大運河により、長江対岸の揚州が物資の集積地となり、この地域の中心地としての地位を奪われた恰好となり、往時の都としての繁栄は見られなくなった。唐崩壊後の五代十国時代には、南唐の都城である金陵府が置かれ、後に改名されて西都と称する。

落霞 夕焼け。霞は朝焼け雲または夕焼け雲。

水無情 長江の流れは人の世にはお構いなく日夜流れ続けること。また川の流れは時の流れを象徴し、時の推移の無常を言う。金陵が長江の南岸に位置するのでこのように表現した。

六代 いわゆる六朝のこと。金陵に都を置いた呉、東晋、宋、斉、梁、陳の六つの王朝を指す。

 

空有姑蘇臺上月,如西子鏡照江城。

今はただ荒れ果てた姑蘇台のうえに月がのぼる、それはまるで西施のようであり、鏡湖にも月影をおとす、そして長江のほとりの金城を照らしている。

姑蘇台 戦国時代、呉王の大差が西施のために築いた台館。姑蘇は蘇州の西方にある山。・姑蘇:姑蘇台。蘇州にある。また蘇州の街のこと。呉の首都。呉王・夫差が姑蘇城にいたが、越王・勾践に攻められ、降ろされたところ。

『浣溪沙八首其七』 薛昭蘊

傾國傾城恨有餘,幾多紅涙泣姑蘇,倚風凝睇雪肌膚。

呉主山河空落日,越王宮殿半平蕪,藕花菱蔓滿重湖。

9 9 浣溪紗八首 其七 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-385-9-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3472

四子 西施:本名は施夷光。中国では西子ともいう。紀元前5世紀、春秋時代末期の浙江省紹興市諸曁県(現在の諸曁市)生まれだと言われている。
 現代に広く伝わる西施と言う名前は、出身地である苧蘿村に施と言う姓の家族が東西二つの村に住んでいて、彼女は西側の村に住んでいたため、西村の施>>>西施と呼ばれるようになった。
 紀元前5世紀、越王勾践(こうせん)が、呉王夫差(ふさ)に、復讐のための策謀として献上した美女たちの中に、西施や鄭旦などがいた。貧しい薪売りの娘として産まれた施夷光は谷川で洗濯をしている姿を見出されてたといわれている。越の策略は見事にはまり、夫差は彼女らに夢中になり、呉国は弱体化し、ついに越に滅ぼされることになる。
呉が滅びた後の生涯は不明だが、勾践夫人が彼女の美貌を恐れ、夫も二の舞にならぬよう、また呉国の人民も彼女のことを妖術で国王をたぶらかし、国を滅亡に追い込んだ妖怪と思っていたことから、西施も生きたまま皮袋に入れられ長江に投げられた。また、美女献上の策案者であり世話役でもあった范蠡に付き従って越を出奔し、余生を暮らしたという説もある。
 (2)西施ものがたり  李白がよく取り上げた題材

・『古風五十九首 第十八 李白ではべつの視点から興味あるとらえ方をしている。李白は西施にかかわる多く詩を残している。

 

魚玄機『光・威・裒、姉妹三人』「文有貌終堪比,西子無言我更慚。」光威裒姉妹三人、小孤而始姸乃有是作。精醉儔難。謝家聯雪何以加之。有客自京師来者示予。因次其韻。-#7 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-125--#7  kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2172

江城 川沿いの街。長江南岸沿いの金陵を言う。城は街。
姑蘇台02rihaku200
 

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歐陽炯《賀明朝二首 其二》 昔の良い思い出があります、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったその後のです。ただ、この若くてか細いこの手にたよることで、ただ、押し黙ってその人に気付いてもらうために紅小豆をなげました。


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賀明朝二首 

(高貴な人の女である女妓と愛し合ったが、公な付き合いはできない男の思いを詠う。)

憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。

昔のよいことを思いだす、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったのです。きちんと化粧をした顔を恥かしそうに紅い袖で半ば隠していました。

輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,撚雙鳳金線。

石榴色のスカートを軽く揺らせ、帯を緩やかにしめていたのです。ことさらに白いほっそりとした指を示し、つぎに、密かにスカートの鳳風の金糸をよじっていました。

碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。

仲睦まじい鳳凰の住まいであるみどりの梧桐の葉の茂った奥の奥、深く閉ざされた楼閣の奥庭のことを、いったい誰に推し量ることができよう、二人の恋が実っていたはずなのに結ばれるのはいつの日になるのでしょうか。

羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。

羨ましいとおもうのは、春がくれば番の燕が子作りをします。私が燕なら、あの輝くような高楼館にすんでいるところへ飛んでゆくなら、朝に、夕べにたがいに会うことができるというものです。

 

其二

(高貴な男は若い細身の音楽の上手い女を好むもので、その春の行楽の有様を詠う)

憶昔花間相見後,只憑纖手,暗紅豆。

昔の良い思い出があります、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったその後のです。ただ、この若くてか細いこの手にたよることで、ただ、押し黙ってその人に気付いてもらうために紅小豆をなげました。

人前不解,巧傳心事。

いろんな人たちの前では知らないそぶりをしましたが、心の中で一緒になりたいと思う気持ちをうまく伝える一番良い方法なのです。

別來依舊,辜負春晝。

そうして愛し合い、そうして別れましたが能くその時の事を思い出します。春の行楽で明るい日差しの中で恥ずかしさも忘れて愛し合ったことです。

碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。

緑色の薄絹の着物の金の刺繍の裾が知事真里、体を開いたのです。そしてツガイになり、鴛鴦のように一体となったのです。そんな思いを胸に包むほどに空しくなり、涙が流れてかわくことがないのです。

想韶顏非久,終是為伊,只恁瘦。

どんなに音楽の優れていて若く美しい妓女であってもいつまでも保てることはない。結局このことなのです、男は若い美しい女に限るのです。ただ、男がこんな調子なものだから、こっそり恋をしたり、細身の女になろうとするのです。

木蘭00

『賀明朝二首其一』現代語訳と訳註

(本文)

賀明朝二首 

憶昔花間相見後,只憑纖手,暗紅豆。

人前不解,巧傳心事。

別來依舊,辜負春晝。

碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。

想韶顏非久,終是為伊,只恁瘦。

 

(下し文)

憶う昔 花の間 たがいに見そめし後に,只だ 纖手に憑かれ,暗【だま】って紅豆を【なげう】つ

人前に解【と】かず,心事を巧傳するを。

別れ來り 舊に依り,春晝に辜負【こふ】す。

碧の羅衣の上 金繡を蹙【しゅく】し,對【つい】するを睹て 鴛鴦對【つい】し,空しく裛【たぎし】め 淚痕 透す。

韶顏を想えば 久しく非らず,終【つい】に是れ 伊れを為す,只だ恁瘦。

 

 

(現代語訳)

(高貴な男は若い細身の音楽の上手い女を好むもので、その春の行楽の有様を詠う)

昔の良い思い出があります、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったその後のです。ただ、この若くてか細いこの手にたよることで、ただ、押し黙ってその人に気付いてもらうために紅小豆をなげました。

いろんな人たちの前では知らないそぶりをしましたが、心の中で一緒になりたいと思う気持ちをうまく伝える一番良い方法なのです。

そうして愛し合い、そうして別れましたが能くその時の事を思い出します。春の行楽で明るい日差しの中で恥ずかしさも忘れて愛し合ったことです。

緑色の薄絹の着物の金の刺繍の裾が知事真里、体を開いたのです。そしてツガイになり、鴛鴦のように一体となったのです。そんな思いを胸に包むほどに空しくなり、涙が流れてかわくことがないのです。

どんなに音楽の優れていて若く美しい妓女であってもいつまでも保てることはない。結局このことなのです、男は若い美しい女に限るのです。ただ、男がこんな調子なものだから、こっそり恋をしたり、細身の女になろうとするのです。

 

豆蔻 なつめぐ01

(訳注)

賀明朝二首 其一

唐の教坊の曲名。またの名を賀熙朝、双調朝聖朝、賀聖朝と言う。『花間集』には欧陽烱の二首のみ所収。双調六十一字、前段三十一字七句五仄韻、後段三十字六句四仄韻で❼❹❹44❹❹/❼5❺❺4❹の詞形をとる。

檀の実00
 


(高貴な男は若い細身の音楽の上手い女を好むもので、その春の行楽の有様を詠う)

 

憶昔花間相見後,只憑纖手,暗紅豆。

昔の良い思い出があります、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったその後のです。ただ、この若くてか細いこの手にたよることで、ただ、押し黙ってその人に気付いてもらうために紅小豆をなげました。

憑纖手 憑はたのむこと。纖手は若い妓女のやさしくか細い手。 

暗 おしだまって。

紅豆 紅豆は女性自身を示し、小豆を投げて気を引くことを表現する。

 

人前不解,巧傳心事。

いろんな人たちの前では知らないそぶりをしましたが、心の中で一緒になりたいと思う気持ちをうまく伝える一番良い方法なのです。

○巧傳心事 あなたと一緒に過ごしたいということを一番うまく表現するということ。

 

別來依舊,辜負春晝。

そうして愛し合い、そうして別れましたが能くその時の事を思い出します。春の行楽で明るい日差しの中で恥ずかしさも忘れて愛し合ったことです。

依舊 どうしてもその時の事を思い出します

辜負春晝 「依舊」に対する意味で、“春の行楽で明るい日差しの中で恥ずかしさも忘れて愛し合ったことです”ということ。この句と次の三句もこれにあたる

 

碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。

緑色の薄絹の着物の金の刺繍の裾が知事真里、体を開いたのです。そしてツガイになり、鴛鴦のように一体となったのです。そんな思いを胸に包むほどに空しくなり、涙が流れてかわくことがないのです。

蹙金繡 蹙は金の刺繍がちじまることで、セックスの描写で、思い浮かべていること。

○睹對對鴛鴦 こちらでツガイの鴛鴦を見ると、また傍につがいをみる。*思い浮かべる性交を表現している。

○裛 ふくろにする。たきしめる。心の片隅に思いを留める。

淚痕透 涙が乾かず流れつづくことをいう。

 

想韶顏非久,終是為伊,只恁瘦。

どんなに音楽の優れていて若く美しい妓女であってもいつまでも保てることはない。結局このことなのです、男は若い美しい女に限るのです。ただ、男がこんな調子なものだから、こっそり恋をしたり、細身の女になろうとするのです。

.・韶顏 音楽の優れた美しい妓女。韶:舜の楽。楽を奏でる宮女は若い子に限られる。宋時代以降、音楽の優れた美しい妓女をいう。

○恁 おもう。このように

 (1) 盗む人家自行人の自転車を盗む.(2) (暇を)見つける空儿 kòngr 時間をつくる.━ []こっそり听盗み聞きする.跑了ずらかった.いい加減にする(とも書く) tōu'ān[]《書》目先の安逸。*「不倫する。よばい。」と
蓼花00
 

     
 1浣渓沙 三首 其一欧陽烱 
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱 
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱 
4三字令欧陽烱 
5子八首 其一欧陽烱 
6子八首 其二欧陽烱 
7子八首 其三欧陽烱 
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
 11子八首 其七欧陽烱
 12子八首 其八欧陽烱
 13獻衷心一首欧陽烱
 14賀明朝二首 其一欧陽烱
 15賀明朝二首 其二欧陽烱
 16江城子一首欧陽烱
 17鳳樓春一首欧陽烱
     
 

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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

11 -14 賀明朝二首 其一 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-424-11-#14   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3667

      
 ID作品名作者 
 ■ 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首 
 1五巻浣渓沙 三首 其一欧陽烱 
2五巻浣渓沙 三首 其二欧陽烱 
3五巻浣渓沙 三首 其三欧陽烱 
4六巻三字令欧陽烱 
5六巻子八首 其一欧陽烱 
6六巻子八首 其二欧陽烱 
7六巻子八首 其三欧陽烱 
8六巻子八首 其四欧陽烱
9六巻子八首 其五欧陽烱
10六巻子八首 其六欧陽烱
 11六巻子八首 其七欧陽烱
 12六巻子八首 其八欧陽烱
 13六巻獻衷心一首欧陽烱
 14六巻賀明朝二首 其一欧陽烱
 15六巻賀明朝二首 其二欧陽烱
 16六巻江城子一首欧陽烱
 17六巻鳳樓春一首欧陽烱
      


賀明朝二首 

(高貴な人の女である女妓と愛し合ったが、公な付き合いはできない男の思いを詠う。)

憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。

昔のよいことを思いだす、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったのです。きちんと化粧をした顔を恥かしそうに紅い袖で半ば隠していました。

輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,撚雙鳳金線。

石榴色のスカートを軽く揺らせ、帯を緩やかにしめていたのです。ことさらに白いほっそりとした指を示し、つぎに、密かにスカートの鳳風の金糸をよじっていました。

碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。

仲睦まじい鳳凰の住まいであるみどりの梧桐の葉の茂った奥の奥、深く閉ざされた楼閣の奥庭のことを、いったい誰に推し量ることができよう、二人の恋が実っていたはずなのに結ばれるのはいつの日になるのでしょうか。

羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。

羨ましいとおもうのは、春がくれば番の燕が子作りをします。私が燕なら、あの輝くような高楼館にすんでいるところへ飛んでゆくなら、朝に、夕べにたがいに会うことができるというものです。 

其二

憶昔花間相見後,只憑纖手,暗紅豆。

人前不解,巧傳心事。

別來依舊,辜負春晝。

碧羅衣上蹙金繡,睹對對鴛鴦,空裛淚痕透。

想韶顏非久,終是為伊,只恁瘦。

檀の実00
 

 

『賀明朝二首其一』現代語訳と訳註

(本文)

賀明朝二首 

憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。

輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,撚雙鳳金線。

碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。

羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。

 

(下し文)

賀明朝二首 

憶う昔 花間 初め面を識りしおり,紅袖 半ば粧臉【しょうけん】遮【さえぎ】る。

輕やかに石榴の裙帶を轉【めぐら】し,故に纖纖【せんせん】たる玉指を將て,【ひそ】かに雙鳳の金線を撚【よ】りしを

碧の梧桐 深深たる院を鏁【とざ】し,誰か料【はか】り得ん,兩情 何れの日にか繾綣【けんけん】たら教【しめ】ん。

春 雙鷰來たるを羨【うらや】む,玉樓に飛び到り,朝に暮に 相い見る。

 

(現代語訳)

(高貴な人の女である女妓と愛し合ったが、公な付き合いはできない男の思いを詠う。)

昔のよいことを思いだす、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったのです。きちんと化粧をした顔を恥かしそうに紅い袖で半ば隠していました。

石榴色のスカートを軽く揺らせ、帯を緩やかにしめていたのです。ことさらに白いほっそりとした指を示し、つぎに、密かにスカートの鳳風の金糸をよじっていました。

仲睦まじい鳳凰の住まいであるみどりの梧桐の葉の茂った奥の奥、深く閉ざされた楼閣の奥庭のことを、いったい誰に推し量ることができよう、二人の恋が実っていたはずなのに結ばれるのはいつの日になるのでしょうか。

羨ましいとおもうのは、春がくれば番の燕が子作りをします。私が燕なら、あの輝くような高楼館にすんでいるところへ飛んでゆくなら、朝に、夕べにたがいに会うことができるというものです。

蓼花00
 

 

(訳注)

賀明朝二首 其一

唐の教坊の曲名。またの名を賀熙朝、双調朝聖朝、賀聖朝と言う。『花間集』には欧陽烱の二首のみ所収。双調六十一字、前段三十一字五句三仄韻、後段三十字六句三仄韻で❼❻66❻/❼5❺54❹の詞形をとる。

 

其一

(高貴な人の女である女妓と愛し合ったが、公な付き合いはできない男の思いを詠う。)

【解説】 前段は、女性を見初めた時のことを回想し、後段は、回想から現実に戻り、彼女に会うすべのない苦衷を訴える。なお別の解釈として、前段は男の表白、後段は女件の表白と解する説もあるが、無理があるので採らない。作中の番の燕が男の孤独感を際立たせていることは言を供つまでもない。

 

憶昔花間初識面,紅袖半遮粧臉。

昔のよいことを思いだす、満開の花に囲まれた中で初めて知り合ったのです。きちんと化粧をした顔を恥かしそうに紅い袖で半ば隠していました。

紅袖 紅い袖、若い女妓をいう。

半遮粧臉 きちんと化粧をした顔を恥かしそうに紅い袖で半ば隠すこと。

 

輕轉石榴裙帶,故將纖纖玉指,撚雙鳳金線。

石榴色のスカートを軽く揺らせ、帯を緩やかにしめていたのです。ことさらに白いほっそりとした指を示し、つぎに、密かにスカートの鳳風の金糸をよじっていました。

石榴裙帶 石榴色のスカートの帯。

故將纖纖玉指 わざと細く白い指で。故は故意に、わざと。将は〜で、〜でもって。

双鳳金線 スカートに刺繍された番の鳳凰の金の糸。

 

碧梧桐鏁深深院,誰料得,兩情何日教繾綣。

仲睦まじい鳳凰の住まいであるみどりの梧桐の葉の茂った奥の奥、深く閉ざされた楼閣の奥庭のことを、いったい誰に推し量ることができよう、二人の恋が実っていたはずなのに結ばれるのはいつの日になるのでしょうか。

梧桐 鳳凰は、霊泉(醴泉〈れいせん〉、甘い泉の水)だけを飲み、60-120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないという。『詩経』には「鳳凰鳴けり、彼の高き岡に。梧桐生ず、彼の朝陽に」とある。

誰料得 誰も推し量ることはできない。反語。

教繾綣 離れがたくさせる。二人が一つに結ばれるようになることを言う。教は使役を表す。

 

羨春來雙鷰,飛到玉樓,朝暮相見。

羨ましいとおもうのは、春がくれば番の燕が子作りをします。私が燕なら、あの輝くような高楼館にすんでいるところへ飛んでゆくなら、朝に、夕べにたがいに会うことができるというものです。
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11 -13 獻衷心一首 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-423-11-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3662

歐陽炯≪獻衷心一首≫ あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。


2014年1月27日 の紀頌之5つのブログ
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 花間集 古詩源 玉台新詠

 

11 -13 獻衷心一首 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-423-11-#13   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3662

 

 

1 浣渓沙 三首 其一 欧陽烱
2 浣渓沙 三首 其二 欧陽烱
3 浣渓沙 三首 其三 欧陽烱
4 三字令 欧陽烱
5 子八首 其一 欧陽烱
6 子八首 其二 欧陽烱
7 子八首 其三 欧陽烱
8 子八首 其四 欧陽烱
9 子八首 其五 欧陽烱
10 子八首 其六 欧陽烱
11 子八首 其七 欧陽烱
12 子八首 其八 欧陽烱
13 獻衷心一首 欧陽烱
14 賀明朝二首 其一 欧陽烱
15 賀明朝二首 其二 欧陽烱
16 江城子一首 欧陽烱
17 鳳樓春一首 欧陽烱

獻衷心

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

見好花顏色,爭笑東風。

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

雙臉上,晚粧同。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです
閑小樓深閣,春景重重。

奥まったところの高閣には、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。
三五夜,偏有恨,月明中。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。
情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。
恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。


献衷心【けんそうしん】

見好し 花顏の色を,東風に笑うを爭う。

雙臉の上に,晚粧 同じゅうす。

小樓を閑かにし閣を深くす,春景 重重たり。

三五の夜,偏えに恨有り,月は明るく中なり。

情 未だ已まず,信 曾通し,滿衣 猶お自ら檀紅に染る。

雙鷰の如からずを恨み,飛舞すは簾櫳のみ。

春も暮んと欲せば,殘絮 盡くし,柳條 空し。
 
≪参考≫ 

獻衷心  顧夐

繡鴛鴦帳暖,畫孔雀屏欹。

人悄悄,月明時,想昔年懽笑,恨今日分離。

銀釭背,銅漏永,阻佳期。

小樓煙細,虛閣簾垂。

幾多心事,暗地思惟。

被嬌娥牽役,魂夢如癡。

金閨裡,山枕上,始應知。


木蓮001
 

『獻衷心』 現代語訳と訳註

(本文)

獻衷心

見好花顏色,爭笑東風。

雙臉上,晚粧同。

閑小樓深閣,春景重重。

三五夜,偏有恨,月明中。

情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

 

(下し文)

献衷心【けんそうしん】

見好し 花顏の色を,東風に笑うを爭う。

雙臉の上に,晚粧 同じゅうす。

小樓を閑かにし閣を深くす,春景 重重たり。

三五の夜,偏えに恨有り,月は明るく中なり。

情 未だ已まず,信 曾通し,滿衣 猶お自ら檀紅に染る。

雙鷰の如からずを恨み,飛舞すは簾櫳のみ。

春も暮んと欲せば,殘絮 盡くし,柳條 空し。

 

(現代語訳)

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです

 

奥まったところの高閣が、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。
 

(訳注)

獻衷心

唐の教坊の曲名。『花間集』には二首所収。欧陽烱の作が一首、古径の作が収められている。六十四字、単調九平韻である。

前半三十三字、後半三十一字、三字句が多く可愛らしさを陰僧都蹴るものである。(5④ ③③ ④ 33③ / 3③⑦ 5④ 33③)33 31

 

獻衷心一首

(春が来て楽しい日々を暮らしそれが秋まで続いた、仲秋の日に棄てられそれっきりになってしまった女を詠う。)

詩は物語のようで、若いころには、女のもとに足しげく来て一緒に過ごしていたものが、女が年を取ると〔この頃は二十代中盤を過ぎること〕見限られてしまったことを云う。おんなを檀の実に喩えて詠っている。

 

見好花顏色,爭笑東風。

若い花のようなはちきれんばかりの赤く染まった顔を見るのがとても好きで、春風の吹くころには笑い声が絶えなかったのです。

李白『宮中行樂詞八首 其五』「繡香風暖。 紗窗曙色新。 宮花爭笑日。 池草暗生春。 綠樹聞歌鳥。 青樓見舞人。 昭陽桃李月。 羅綺自相親。」

宮中行樂詞八首其五 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白146

 

雙臉上,晚粧同。

両のまぶたの上には夜の化粧をいつもと同じようにするのです

 

閑小樓深閣,春景重重。

奥まったところの高閣には、春の景色がいっぱいであり、その上に春の様相、行事と重なって華やかな暮らしのなかにも静かな離れの小さな楼閣のくらしがあるのです。

 

三五夜,偏有恨,月明中。

それは仲秋まで続き、十五夜の夜のこと、十五夜の夜のこと、ひたすらに恨みに思うことがありました。それは月が明るく真上の上がった真夜中のことです。

 

情未已,信曾通,滿衣猶自染檀紅。

あの人との情事が未だ終わっていないときでしたが心は通い合っておりました。脱ぎ捨てた衣でいっぱいの閨にはそれでもなお、自分自身で檀の葉が紅く色づいていたのです。

○檀 ニシキギ科の落葉低木。山野に生え、葉は楕円形で、対生。雌雄異株。晩春に黄緑色の小さな4弁花が咲いて、枝にびっしり実をつけ、秋になると淡紅色に熟して四つに割れた実から真っ赤な皮におおわれた種子がぶらさがり、葉が散ったあとも枝に残る。初夏、緑白色の小花が集まって咲き、果実はほぼ四角形で、熟すと四つに裂けて赤い種子が現れる。古くは材で弓を作った。やまにしきぎ。かわくまつづら。《季 花=夏 実=秋》ここは、女性の性器を表現しているということは、満足できず、中途半端で帰っていったことを示す。十分な満足というのは、夜を共にして夜明け前に帰ることを言う。

檀の実00
 

恨不如雙鷰,飛舞簾櫳。

恨んでいるのは、ツガイの燕のようにしてくれなくなったことで、飛び交い、舞いを舞うのもこの閨の簾にかこまれたところだけに限られていることなのです。

○簾櫳 この頃の女性は自分だけで、どこかに出ることはできなかったのである。通い婚が基本であり、男が通ってくれなければ籠の鳥なのである。ここは、閨の四方にに架けられた、簾によってそこから出ることも、楽しいこともなくなったことを示す。

 

春欲暮,殘絮盡,柳條空。

やがて春も過ぎようとする頃には、残った柳絮もことごとく飛んで行ってしまい、柳の枝でまた会う約束をしていてもそれは空しい思いに変わってしまったのです。

○殘絮 春の盛りに柳絮が飛び交うころになると、いつも柳絮が飛ぶ春には女のもとに来てくれていた。その柳絮もあとわずかしか残っていない春も終わろうとしている。そういった思いを残●●という。

○柳條 柳は男性を意味し、枝が揺れるのをセックスに喩える。柳は柳枝詩にいう別れる時のおまじないを象徴するもので、柳の枝を見て男を思い浮かべ、別れる時の約束を思い浮かべるという意味になる。
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11 -12 南鄉子八首 其八 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-422-11-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3657

≪南子八首 其八≫ 春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。


2014年1月26日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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11 -12 子八首 其八 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-422-11-#12   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3657

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

其七

(南国田舎のがさつな感じの女が南国特有の花に囲まれた中での宴席を詠う)

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

南国田舎の女はざらついた肌と薄絹を袖でかくしている。お香をたいてその部屋に漂わせて、微笑を浮べてお相手を迎い入れる。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

藤の編み込みの敷物をひろげ、枝が頭上に屋根のように広げられているその下で、蘆酒の安い酒を酌み交わす。葵の花で区分けされた宴席があり、ナツメグの花のような女妓はその花の間にいて、夕方から翌日まで一緒に食をとっていた。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)

春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。

それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。

白蘋005
 

 

『南』 現代語訳と訳註

(本文) 其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

(下し文)

其の八

翡翠のごとく、鵁鶄【こうせい】のごとく,白蘋【はくひん】の香の裏【うち】に小さき沙汀す。

島上 陰陰として秋雨の色になり,蘆花 撲し,數隻 漁の舡何處に宿せんか。

 

(現代語訳)

(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。)

春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。

それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。

 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其八は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

haqro04
 

其八

(きまぐれな男に春から夏に架けてはあいされていたが、秋には棄てられ、今は何処の宿で男を相手にするのか、女妓を詠う。) 

 

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

春のころ、翡翠のように飾られ、ごいさぎのように仲睦ましく暮らし、夏のころ、水草の白蘋のように可憐で、かおりにかこまれた中のよい鷺のような渚の波打ち際のような小さな住まいで幸せに暮らしていたのです。

○鵁鶄 【コウセイ】水鳥、ごいさぎ。ごいさぎ. 水鳥の一種。即ち「池鷺」。頭は細く身は長い,身には花紋を披い,頸は白毛で有り,頭には紅冠が有り,能く水に入って魚を捕り,分佈は中國南方である。鳬に似て脚高く毛冠あり、高木に巣くひ、子を穴中に生む。子其の母の翅を銜へ飛びて上下す。

*この二句は、鷺のように仲睦まじく過ごしたのに、鷺のように南に飛んで行ってしまった。船で降ったあの人の旅路は航路困難な場所があってとても心配だということをいう。

牛嶠『江城子二首 其一』

鵁鶄飛起郡城東,碧江空,半灘風。

越王宮殿,蘋葉藕花中。

簾捲水樓魚浪起,千片雪,雨濛濛。

(鵁鶄【こうせい】 起きて郡て城東に飛び,江空を碧とし,半灘の風。越王の宮殿,蘋葉 藕花 中【あつま】る。簾捲 水樓 魚浪 起き,千片の雪,雨 濛濛たり。)

○白蘋 夏から秋にかけて白い花をつける浮草。

○沙汀 砂浜と海・湖などの、波が打ち寄せる所。波うちぎわ。みぎわ。

 

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

それが秋になると、その島の上にも雲がかかり暗き影を落とし、秋の長雨が降り暗い景色になったのです。そしてアシの花穂は、打ちひしがれたのです。今は、数々の漁師の船が浮かぶところで生きていて、何処の宿に泊まる事やら。

○蘆花 アシの花穂。

○撲 うつ なぐる打ちたたく。なぐる。「撲殺・撲滅

○隻【せき】1 比較的大きい船を数えるのに用いる。「駆逐艦二・」2 屏風など対(つい)になっているものの片方を数えるのに用いる。「六曲一・」3 魚・鳥・矢などを数えるのに用いる。
采蓮004
 

11 -11 南鄉子八首 其七 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-421-11-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3652

欧陽烱の詞は花間派の艶美さのなかにも江南の楽府に見られるような情緒がたたえられ、清らかで可憐な作が多い。漁父歌がとりわけ詞家によろこばれ唱和されたといぅが、これ以外の三字令、南郷子、賀明朝などにもこのような詞風を十分うかがうことができる。


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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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11 -11 子八首 其七 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-421-11-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3652

 

 

11 欧陽胴(896971)益州華陽(四川)の人。前軾の後主玉柏に仕えて中書舎人となった。前蜀が後唐に亡ぼされたので、王衍に従って洛陽に入ったが、孟知祥が後蜀を建てたので、ふたたび蜀に入って仕官した。蜀主孟証の広政三年(940)花間集の序文を書いた。花間集の南宋晁謙之跋本には、序文の前に武徳軍節度判官撰すとあり、この官にあったものだ。ただし集中に欧陽舎人とあるから、この時同じく中書舎人でを兼務したのかとおもわれるが確実なことはわからない。広政十二年(949) に翰林学士となり、同二十四年(961) に門下侍郎兼戸部尚書同平章事(宰相) となっている。広政二十八年(965)後裾が亡び、宋に降服した。そののち宋に仕えて右散騎常侍から翰林学士をへて左散騎常侍となり、開宝四年(971)七十六歳で卒した。のち工都尚書を贈られた。かれは率直で放縦な性質の人であり、長笛を吹くのが上手であったといぅ。その詞は花間集に十七首を収めている。

その詞は花間派の艶美さのなかにも江南の楽府に見られるような情緒がたたえられ、清らかで可憐な作が多い。漁父歌がとりわけ詞家によろこばれ唱和されたといぅが、これ以外の三字令、南郷子、賀明朝などにもこのような詞風を十分うかがうことができる。

 

豆蔻 なつめぐ01
 

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

其七

(南国田舎のがさつな感じの女が南国特有の花に囲まれた中での宴席を詠う)

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

南国田舎の女はざらついた肌と薄絹を袖でかくしている。お香をたいてその部屋に漂わせて、微笑を浮べてお相手を迎い入れる。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

藤の編み込みの敷物をひろげ、枝が頭上に屋根のように広げられているその下で、蘆酒の安い酒を酌み交わす。葵の花で区分けされた宴席があり、ナツメグの花のような女妓はその花の間にいて、夕方から翌日まで一緒に食をとっていた。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

木蓮001
 

『南子八首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

(下し文)

其七

鮫綃を袖で斂【かく】くし,香を採めて洞に深く笑いて相い邀【むかえ】り。

藤杖枝頭して蘆酒滴り,鋪葵席,豆花間晚日。

 

 

(現代語訳)

(南国田舎のがさつな感じの女が南国特有の花に囲まれた中での宴席を詠う)

南国田舎の女はざらついた肌と薄絹を袖でかくしている。お香をたいてその部屋に漂わせて、微笑を浮べてお相手を迎い入れる。

藤の編み込みの敷物をひろげ、枝が頭上に屋根のように広げられているその下で、蘆酒の安い酒を酌み交わす。葵の花で区分けされた宴席があり、ナツメグの花のような女妓はその花の間にいて、夕方から翌日まで一緒に食をとっていた。

 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其六は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其七

(南国田舎のがさつな感じの女が南国特有の花に囲まれた中での宴席を詠う)

 

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

南国田舎の女はざらついた肌と薄絹を袖でかくしている。お香をたいてその部屋に漂わせて、微笑を浮べてお相手を迎い入れる。

斂 レン1 引きしめ集める。取り入れる。「苛斂(かれん)・聚斂(しゅうれん)2 引きしまる。「収斂」3 死体を棺に収める。「斂葬」

鮫 荒れてザラザラしたヒトの皮膚を指す。鮫の皮は滑り止めとして日本刀の柄に巻いたりワサビおろしに用いる。

綃 綃:生糸。あやぎぬ。うすぎぬ。

/迎【むかえる】1 人の来るのを待ち受ける。「旧友を駅に―・える」「拍手で―・える」2 呼んで、来てもらう。呼びよせる。

 

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

藤の編み込みの敷物をひろげ、枝が頭上に屋根のように広げられているその下で、蘆酒の安い酒を酌み交わす。葵の花で区分けされた宴席があり、ナツメグの花のような女妓はその花の間にいて、夕方から翌日まで一緒に食をとっていた。

藤杖 籐のつえ。ここでは籐の編み込みの敷物。

蘆酒 あしのくだで吸ってのむ酒。あまり濃くないが、しかし多くのめば酔うという。蘆酒特曲という酒があるらしい。送從杜甫『弟亞赴河西判官』「黃羊飫不羶,蘆酒多還醉。」(黄羊飫けども羶ならず、蘆酒多ければ還た酔う)田舎の安い酒という意味であろう。

鋪葵席 葵の花で区分けされた宴席。

鋪 鉱山で、坑道のひと区切りのこと。

葵 アオイ科の総称. トロロアオイ、タチアオイなど. ウマノスズクサ科カンアオイ属の総称. カンアオイ・フタバアオイ・ヒナカンアオイなど.初夏から真夏に咲く。南国の花。

 なつめぐ。ニクズク科の常緑高木の一種である。またはその種子中の仁から作 ... 種子全体または種子の仁を取り出し、石灰液に浸してから乾燥させ、粉砕したものを香辛料のナツメグとする。

 「」は、米を原料とする粉食の一種である。
広東曾城
 

11 -10 南鄉子八首 其六 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-420-11-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3647

子八首 其六(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。
 

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11 -10 子八首 其六 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-420-11-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3647

 

 

 

11 欧陽胴(896971)益州華陽(四川)の人。前軾の後主玉柏に仕えて中書舎人となった。前蜀が後唐に亡ぼされたので、王衍に従って洛陽に入ったが、孟知祥が後蜀を建てたので、ふたたび蜀に入って仕官した。蜀主孟証の広政三年(940)花間集の序文を書いた。花間集の南宋晁謙之跋本には、序文の前に武徳軍節度判官撰すとあり、この官にあったものだ。ただし集中に欧陽舎人とあるから、この時同じく中書舎人でを兼務したのかとおもわれるが確実なことはわからない。広政十二年(949) に翰林学士となり、同二十四年(961) に門下侍郎兼戸部尚書同平章事(宰相) となっている。広政二十八年(965)後裾が亡び、宋に降服した。そののち宋に仕えて右散騎常侍から翰林学士をへて左散騎常侍となり、開宝四年(971)七十六歳で卒した。のち工都尚書を贈られた。かれは率直で放縦な性質の人であり、長笛を吹くのが上手であったといぅ。その詞は花間集に十七首を収めている。

その詞は花間派の艶美さのなかにも江南の楽府に見られるような情緒がたたえられ、清らかで可憐な作が多い。漁父歌がとりわけ詞家によろこばれ唱和されたといぅが、これ以外の三字令、南郷子、賀明朝などにもこのような詞風を十分うかがうことができる。

 

 

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

 

『南子八首其六』 現代語訳と訳註

(本文)

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

(下し文)

其六

路 南中に入り,桄榔 葉暗くして蓼の花 紅なり。

兩岸 人家は微【かすか】な雨の後,紅豆を收め,樹の底【もと】には纖纖として素手を擡【もたげ】る。

 

 

(現代語訳)

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

 

 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其六は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其六

(嶺南山脈を越え、南国の街にはいると異なる樹木の景色のなか、女妓との行楽のようすを詠う。)

桄榔00
 

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

嶺南山脈を越え、街道を通って南国地方の街に入った。黒つげの木樹は大きく育ち、葉影が十分にある、こちらには赤い花を咲かせた蓼の花が眩しい。

南中 中国の南方の地をさすことば。ここは『其一首』の「海南」と同じく広東地方をさす。

桄榔 桄榔・桄榔子【くろつぐ】. ヤシ科の常緑低木。九州南部の林内に自生。葉は羽状で硬く,長さ2メートルほどで,短い幹に多数束生する。葉柄の下部は黒色の繊維に包まれる。液果は球形で赤熟。

蓼花 たでの花。タデ科 一年草または多年草。草丈20cm2m前後(種類によって異なる)。花期610月。花色 赤紫、ピンクなど。

蓼花00
 

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

河川の両岸には人家があり、小雨が少し降ったのちにはもう晴れあがり、唐アズキを収穫している、「くろつぐ」の大樹のもとで若い女の華奢な白い手がもたげて体に回してくる。

紅豆 唐小豆・相思子【とうあずき】. マメ科のつる性常緑木本。アフリカ原産。茎は長さ3メートル 内外となり,羽状複葉を互生。花は赤・紫など。扁平な豆果を結ぶ。種子は赤色で一端が黒い。美しいのでビーズなど装飾用とされる。また,毒性があり毒矢に用いる。

纖纖擡素手 纖纖は女の子を形容することば。この句は大樹の下で、二人が横になりやさしい白い手をもたげて男の体に回してきたことを云う。
蓼花01
 

11 -9 南鄉子八首 其五 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-419-11-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3642

歐陽炯≪南子八首 其五≫ 十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。


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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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『花間集』継続中 
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11 -9 子八首 其五 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-419-11-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3642

 

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

sas0020900
 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

石榴の花01
 

 

『南子八首其五』 現代語訳と訳註

(本文)

其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

 

 

(下し文)

(其の五)

二八 花鈿し,胸前には雪のく如くし 臉 蓮の如し。

金鐶を耳から墜し 瑟瑟と穿つ,霞衣 窄【つぼ】み,笑み倚りて 江頭 遠客を招く。

 

 

(現代語訳)

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其五は、二十八字単調、五句二平韻二仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其五

(十六になった女妓が初めてのお化粧したが、何時しか恋しい男を待つ身になったことを詠う。その五)

 

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

十六歳になって初めて花鈿の化粧をしました。着物の胸のあたりにはゆきのもようでかざってもらい蓮の花のようなお顔にしてもらいました。

二八 十六歳。三の前の二、九の前の八、うら若き細身の女を云う。

花鈿 【かでん】仏粧は唐代に入ってからさらに中国の特徴的な化粧として完成した。〈的〉は紅で眉間にさまざまな紋様を描く〈花鈿(かでん)・花子(かし)〉に発達し,また唇の両側に黒点や緑点を描く〈靨鈿(ようでん)・粧靨(しようよう)〉がうまれた。さらに女子俑(よう)に見られるように両ほおに紅で華やかな草花模様を描くようになった。

臉(話し言葉に用い;頭の前面,額からあごまでの部分を指し)顔.

 

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

抱かれると、細黄金の耳飾りは耳から落ちて床に落ちてシャリン、シャリンとなり、ふたりは霞のような薄いころもの中に蕾のようになりました。微笑み合い、寄り添い合う、大江のほとり立って、待ちに待った人をお迎えした時の事でした。

金鐶 細黄金の耳飾り

瑟瑟【しつしつ】1 風が寂しく吹くさま。2 波の立つさま。〔瑟瑟座〕仏像の台座の一。角形の材

穿 【せん】[うがつ、ほじくる、はく]穴をあけて通す。うがつ。「穿孔・穿鑿(せんさく)

霞衣 1 たちこめた霞を、衣に見立てていう語。「山桜―厚く着てこの春だにも風つつまなむ」〈山家集・上〉2 《「かすみ」に「墨」を掛けて》墨染めの衣。ねずみ色の衣。

窄【つぼむ】1 細長いものの先などが、狭く小さくなる。また、開いていたものが閉じる。つぼまる。すぼむ。「口の―・んだガラス瓶」「花が―・む」2 狭い所に引きこもって小さくなる。
木蘭00
 

11 -8 南鄉子八首 其四 歐陽舍人炯(欧陽烱【おうようけい】)十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-418-11-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3637

歐陽炯≪南子八首 其四≫ 聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。


2014年1月22日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《東都賦》(15)#8(行列の威容)―2 文選 賦<113―13>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1017 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3633
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 


(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

 

其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

 

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

木蘭01
 

 

『南』 現代語訳と訳註

(本文)

其四

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。[

 

 

(下し文)

(南其の四)

洞口あり 誰が家ぞ,木蘭あり 舡繫して木蘭の花。

紅袖の女郎 相い引き去る,南浦に游び,笑み倚り 春風 相い對して語らう。

 

(現代語訳)

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。

木蘭00
 

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其四は、二十八字単調、五句二平韻二仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其四

(つぼみの先が必ず北を向く木蘭のように思い続けてくれる女妓と花さく中、睦まじく過すさまを詠う)

木蘭02
 

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

聖女祠の所に来たけれどこの洞口は誰が住んでいる家なのか、ここまでの水路の岸辺に木蘭がつづき、舟を繋いで進むと木蘭の花のように私だけを見てくれているように迎い入れてくれる。

洞口 日本では、床の間の脇壁に設けた開口部。床脇を広くみせるためのもの。縁(ふち)を壁土で塗りめぐらし、上部は半円形とする。中国の華北,中原,西北地方などに見られる,切り立った壁面に掘って作る横穴式住居。中国音の〈ヤオトン〉でも知られる。黄土層の崩れにくい土質を巧みに利用し,夏涼しく冬暖かい利点がある。

舡 船の異体字とされる。

木蘭 つぼみの先が必ず北を向くので、方向を指示する植物「コンパス・フラワー」とも呼ばれている。モクレンの仲間(マグノリア属)は、原始時代から形状を変えていないことも特徴で、恐竜時代の地層から化石が発掘されることがある。モクレン科 落葉低木(紫モクレン)、落葉高木(白モクレン)原産地 中国、高さ4メートル前後(紫モクレン)、15メートル前後(白モクレン)花期 晩春3~4月、花色 紅紫、白

 

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。

紅い木蘭の花の中に紅い袖の女祠を携えて此処を去る。ここ南の港町で遊んだ時の事。微笑み合い、倚りそいあう、情を交わす時節になる春かぜが抜け、互いに見交わして語り合う。
木蘭03
 

11 -7 南鄉子八首 其三 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-417-11-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3632

歐陽炯≪南子八首 其三≫ 故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。


2014年1月21日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《東都賦》(14)#8(行列の威容)―1 文選 賦<113―12>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1016 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3628
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《答柳柳州食蝦蟆》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <929>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3629韓愈詩-241-#1
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 261《秋懐詩十一首之十一(11)》韓愈kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞fc2ブログ3631 (01/21)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 11 -7 南鄉子八首 其三 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-417-11-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3632
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
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為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
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『花間集』継続中 
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11 -7 子八首 其三 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-417-11-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3632

 

 

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 

(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 

(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

其四

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。[

 

其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

 

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

 

『南』 現代語訳と訳註

(本文)

其三

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

 

(下し文)

(其の三)

岸 遠くして 沙平らなり,日 斜めにして歸路の晚霞は明かなり。

孔雀 自ら金翠の尾を憐れみ,水に臨む,認めて行人を得しも驚き起たず。

 

(現代語訳)

(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

 

doteiko012
 

(訳注)

唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其三は、二十八字単調、五句二平韻二仄韻で④⑦❼2❼の詞形である。

 

其三

(南国の夕暮れ時に水辺近くの女館についたものの、なじみのおんながいなくてなんにもできないと詠う。)

 

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

故郷に帰る船は港を目指すが、岸は遠く砂濱は平らかに広がる。やがて、日は傾きて舟を降りて、帰り路を行けば、空は夕焼けに染まり、夕霞が漂う。

○晩霞 夕焼け。霞は朝焼け雲または夕焼け雲。ここは、黄昏て夕靄が漂ってきたことを云う。

○この二句はそれ洛の中で時間経過と場所が変化している、動的な詩であることに注目する。

 

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにない、それは帰る路に孔雀は自分の羽を広げて美しさを示すことしかできず、その美しさゆえに、その尾をあわれにおもうしかないのだ、そしてただどうしようもなく江水を臨むだけ、だから、ここの女たちが旅人のわたしを見てもなにもできなくて飛び立つこともしない。

○孔雀自憐金翠尾 孔雀鳥をいうが、ここでは待っているはずの昔馴染みの女妓がいなくて男らしさを示すものの、どうしようもないことで自らを憐れむいがいにないということ。

○行人 旅人。其二作の遊人同様、作者を指す。
05saiko02
 

11 -6 南鄉子八首 其二 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-416-11-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3627

通常の竹の橋は歩く部分が、編みこんであったり、細く割いたものを並べてつくるが、おそらく数本の竹を横に並べて作ったものであろう。船旅の疲れをいやす娼婦を詠ったもので、古代の歐陽炯の「港町ブルース」といったものであろう。
 

2014年1月20日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固) 《東都賦》(13)#7(狩の準備) 文選 賦<113―11>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1015 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3623
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《宿曾江口示姪孫湘,二首之二〔湘,字北渚,老成之子,愈兄弇之孫。此赴潮州作也。〕》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <928>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3624韓愈詩-240
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ746廣徳2年764年―4-2 《南池》 蜀中転々 杜甫 <654-2>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3625 杜甫詩1000-654-2-919/1500748-2
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●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor11 -6 南鄉子八首 其二 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-416-11-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3627
 
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『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
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杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

11 -6 子八首 其二 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-416-11-#6   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3627

 

 

 

1浣渓沙 三首 其一欧陽烱
2浣渓沙 三首 其二欧陽烱
3浣渓沙 三首 其三欧陽烱
4三字令欧陽烱
5子八首 其一欧陽烱
6子八首 其二欧陽烱
7子八首 其三欧陽烱
8子八首 其四欧陽烱
9子八首 其五欧陽烱
10子八首 其六欧陽烱
11子八首 其七欧陽烱
12子八首 其八欧陽烱
13獻衷心一首欧陽烱
14賀明朝二首 其一欧陽烱
15賀明朝二首 其二欧陽烱
16江城子一首欧陽烱
17鳳樓春一首欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

子 其一

嫩草【わかくさ】煙の如く,石榴の花發く海南の天【そら】。

日暮れて江亭は淥に春影し,鴛鴦 浴す。

水 遠く 山 長【はる】かにして 看れど足るなし。

 

 


(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 畫舸 橈を停め,槿花 籬の外 竹 橋を橫たう。

水上の遊人 沙上の女,迴顧して,笑み指し「芭蕉林の裏 住む」と。


岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

 

其四

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。[

 

其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

 

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 むくげの花01

 

『南』 現代語訳と訳註

(本文)


畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

 

(下し文)


畫舸 橈を停め,槿花 籬の外 竹 橋を橫たう。

水上の遊人 沙上の女,迴顧して,笑み指し「芭蕉林の裏 住む」と。

 

(現代語訳)

(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目をやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

 

(訳注)


唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調二平韻三仄韻である。

其二は、二十八字単調、五句二平韻二仄韻で④⑦❼2❼の詞形である。

 

其二

旅の大方は船旅であった時代、一定の場所に要衝の地には必ず歓楽街がある。小さな町、村においても小規模であってもあった。この詩は南国の農村の情景の一こまを詠う。旅人(遊人・風流人)の問いに、女は振り向いて微笑みながら指さして「芭蕉の林の奥に住んでいます」と答える。「槿花籬外竹橫橋」「沙上女」「笑指」「芭蕉林裏住」この語のどこをとってもここに登場する女は乙女とか、娘ではない、年増の女である。

むくげの籬の先に先の澗水に架けられた竹の橋。その向こうに粗末な家にむくげの花、人の世の栄華のはかないことのたとえであることから、(昔は、蝶よ、花よと下にも置かない生活をしていたが、今では芭蕉の林の中で粗末な生活をしている女の悲哀を詠うものである。)

むくげの花02
 

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

すこし長い旅をしてきたきれいな塗り舟のさおをとめておりてみる。儚い思いを見てきたむくげの花が籬の外に顏を出していて、少し進むと、その横には、竹の橋が架かっている。

画舸 大江に行き交う彩色を施した舟。舸は本来、大型の船を指す。舟旅のための舟であるから少し大きいものである。画は美しく絵どられた飾られた意であるが、詩語として冠したもの。

魚玄機『江行 二首』 其一

大江橫抱武昌斜,鸚鵡洲前萬家。

畫舸春眠朝未足,夢為蝴蝶也尋花。

江行 二首 其一 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-92-28-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2007

 其二

煙花已入鸕鶿港,畫舸猶沿鸚鵡洲。

醉臥醒吟都不覺,今朝驚在漢江頭。

江行 二首 其二 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-93-29-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2012

李商隠『燕臺詩四首 其四』冬

天東日出天西下,雌鳳孤飛女龍寡。

青溪白石不相望,堂上遠甚蒼梧野。

凍壁霜華交隱起,芳根中斷香心死。

浪乘畫舸憶蟾蜍,月娥未必嬋娟子。』

燕臺詩四首 其四 冬#1 李商隠134 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集150- 134-1

槿花 1 ムクゲの花。朝に開いて夕方にはしぼむところから、はかない栄華のたとえにされる。2 アサガオの花。人の世の栄華のはかないことのたとえ。つかのまの盛り。むくげの花が朝咲いて、夕暮れには散ることからいう。 ・「槿花」はむくげの花。はかないたとえ。

竹横橋 ここでは女が粗末な竹の橋が懸かっている、の意。通常の竹の橋は歩く部分が、編みこんであったり、細く割いたものを並べてつくるが、おそらく数本の竹を横に並べて作ったものであろう。船旅の疲れをいやす娼婦を詠ったもので、古代の「港町ブルース」といったものであろう。 

 

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

船旅で港ごとに遊んできた男は、渚に佇む女に目がをやる。そして尋ねる。女は振り向き、微笑んで芭蕉の林を指さして、「あそに住んでいます。」と答えを返してくれる。

水上遊人 舟七の旅人。遊人は旅人。作中の主人公(作者)を指す。

沙上女 渚の女。

芭蕉林裏住 芭蕉の林であるから、粗末な家であろう。

11 -5 南鄉子八首 其一 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-415-11-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3622

歐陽炯≪南子八首 其一≫ (長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。


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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
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11 -5 子八首 其一 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-415-11-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3622

 

 

1 浣渓沙 三首 其一 欧陽烱
2 浣渓沙 三首 其二 欧陽烱
3 浣渓沙 三首 其三 欧陽烱
4 三字令 欧陽烱
5 子八首 其一 欧陽烱
6 子八首 其二 欧陽烱
7 子八首 其三 欧陽烱
8 子八首 其四 欧陽烱
9 子八首 其五 欧陽烱
10 子八首 其六 欧陽烱
11 子八首 其七 欧陽烱
12 子八首 其八 欧陽烱
13 獻衷心一首 欧陽烱
14 賀明朝二首 其一 欧陽烱
15 賀明朝二首 其二 欧陽烱
16 江城子一首 欧陽烱
17 鳳樓春一首 欧陽烱

歐陽舍人炯

子八首

李秀才珣

子十首

 

 

子 

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。そばには鴛鴦が水浴びをしている。

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

子 其一

嫩草【わかくさ】煙の如く,石榴の花發く海南の天【そら】。

日暮れて江亭は淥に春影し,鴛鴦 浴す。

水 遠く 山 長【はる】かにして 看れど足るなし。

 

畫舸停橈,槿花籬外竹橫橋。

水上遊人沙上女,迴顧,笑指芭蕉林裏住。

 

岸遠沙平,日斜歸路晚霞明。

孔雀自憐金翠尾,臨水,認得行人驚不起。

 

其四

洞口誰家,木蘭舡繫木蘭花。

紅袖女郎相引去,游南浦,笑倚春風相對語。[

 

其五

二八花鈿,胸前如雪臉如蓮。

耳墜金鐶穿瑟瑟,霞衣窄,笑倚江頭招遠客。

 

其六

路入南中,桄榔葉暗蓼花紅。

兩岸人家微雨後,收紅豆,樹底纖纖擡素手。

 

其七

袖斂鮫綃,採香深洞笑相邀。

藤杖枝頭蘆酒滴,鋪葵席,豆花間晚日。

 

其八

翡翠鵁鶄,白蘋香裏小沙汀。

島上陰陰秋雨色,蘆花撲,數隻漁舡何處宿。

 

 

『南』 現代語訳と訳註

(本文)

嫩草如煙,石榴花發海南天。

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

水遠山長看不足。

 

 

(下し文)

子 其一

嫩草【わかくさ】煙の如く,石榴の花發く海南の天【そら】。

日暮れて江亭は淥に春影し,鴛鴦 浴す。

水 遠く 山 長【はる】かにして 看れど足るなし。

 

 

(現代語訳)

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。

そばには鴛鴦が水浴びをしている。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

 

石榴の花02
 

(訳注)

唐の教坊の曲名。『花間集』には十八首所収。欧陽烱の作は八首収められている。二十八字、二十七字で、単調に平韻三仄韻である。

其一は、二十八字単調、五句二平韻三仄韻で④⑦❼❸❼の詞形である。

 

其一

(長江下流域のあたりか、浙江省会稽・紹興辺りを連想させ、大江に面した樓亭に若い芸妓を侍らせた状況を詠う。)

 

嫩草如煙,石榴花發海南天。

若々しく柔らかい草原に陽炎が経つ頃も過ぎ、石榴の花は開き始める南国の海辺の郷に居る。

嫩草【どんそう】【わかくさ.】新緑。生じたばかりで柔らかい。新しく柔らかい。若々しく柔らかい草。【わかい】嫩い. 「若草」とも書く。 【嫩葉】わかば. 芽生えたばかりに柔らかい葉。 嫩葉 ( どんよう ) 」に同じ。 「若葉」とも書く。

石榴 前漢の武帝の命を受けた張騫が西域から帰国した際に、パルティアからザクロ(安石榴あるいは塗林)を持ち帰ったとする記述が『証類本草』(1091-1093年)以降の書物に見られるため、紀元前2世紀の伝来であるとの説があるが、今日では3世紀頃の伝来であると考えられている[。  ザクロの実は、銅鏡の曇りを防止するために磨く材料として用いられた。子孫繁栄、豊穣。

海南天 南国の目の前が海のように広がったほとんどが空が占めるような景色をいう。

石榴の花01
 

日暮江亭春影淥,鴛鴦浴。

日暮れ近くの水辺の樓亭は春景色の中きれいな水に影を落とす。

そばには鴛鴦が水浴びをしている。

春影淥 春の雪解け水の澄みきったところに樓亭の影が映っている景色。

 

水遠山長看不足。

江水のはるか遠くに山並みが長く連なり、ここの春景色は飽きることがない。

水遠山長 江水のはるか遠くに山並みが長く連なっている景色。

看不足 いくら見ていても飽きることがない。
sas0020900
 

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歐陽炯≪三字令≫ 閨に入り横になっても眠れず、ボーット見ている灯芯が燃え落ちても眠れず、枕立てかけ身寄せたりしている。夜も更けて月は明々として、牡丹の花を淡くてらしている。彼の人への思いに心が乱れてしまう。


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11 -4 三字令 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-414-11-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3617

 

1 浣渓沙 三首 其一 欧陽烱
2 浣渓沙 三首 其二 欧陽烱
3 浣渓沙 三首 其三 欧陽烱
4 三字令 欧陽烱
5 子八首 其一 欧陽烱
6 子八首 其二 欧陽烱
7 子八首 其三 欧陽烱
8 子八首 其四 欧陽烱
9 子八首 其五 欧陽烱
10 子八首 其六 欧陽烱
11 子八首 其七 欧陽烱
12 子八首 其八 欧陽烱
13 獻衷心一首 欧陽烱
14 賀明朝二首 其一 欧陽烱
15 賀明朝二首 其二 欧陽烱
16 江城子一首 欧陽烱
17 鳳樓春一首 欧陽烱

 

(春には戻るとの約束を違えて帰らないのが男、男を思いつづけるのが女、女性の情を詠う。)

春欲盡,日遲遲,牡丹時。

あれほど待ち遠しかった春が終わろうとしている。日は一日ごとに長くなり、牡丹の花が咲くころになる。

羅幌卷,翠簾垂。

女の閨の薄絹の帳を巻き上げたりおろしたり、翡翠の簾を垂らしたり、こころはおちつかない。

彩牋書,紅粉淚,兩心知。

別れの前に書いた薛濤䇳に書かれた男の詩歌をまた読み、涙が紅白粉を溶かして流れている。今でもお互いに心の中はよく分かっているつもりだ。

人不在,鷰空歸,負佳期。

春は人通りが多いのに、その行き交う人のなかにはいやしない。帰って来るのは燕だけで、それがとても空しく感じられる。彼の人は約束をはたしてくれない。

香燼落,枕函欹。

閨に入り横になっても眠れず、ボーット見ている灯芯が燃え落ちても眠れず、枕立てかけ身寄せたりしている。

月分明,花澹薄,惹相思。

夜も更けて月は明々として、牡丹の花を淡くてらしている。彼の人への思いに心が乱れてしまう。

 botan00

 

『三字令』 現代語訳と訳註

(本文)

三字令

春欲盡,日遲遲,牡丹時。

羅幌卷,翠簾垂。

彩牋書,紅粉淚,兩心知。

人不在,鷰空歸,負佳期。

香燼落,枕函欹。

月分明,花澹薄,惹相思。

 

(下し文)

三字令

春も盡んと欲し,日は遲遲たり,牡丹の時とす。

羅幌 卷き,翠簾 垂る。

彩牋の書は,紅粉 淚し,兩つながらの心 知れり。

人 在ざるも,鷰は空しく歸り,佳期に負きたり。

香燼は落ち,枕函 欹【そばだ】てり。

月は明を分ち,花は澹薄にして,相いに思うを惹【みだれ】る。

曉鶯001
 

(現代語訳)

(春には戻るとの約束を違えて帰らないのが男、男を思いつづけるのが女、女性の情を詠う。)

あれほど待ち遠しかった春が終わろうとしている。日は一日ごとに長くなり、牡丹の花が咲くころになる。

女の閨の薄絹の帳を巻き上げたりおろしたり、翡翠の簾を垂らしたり、こころはおちつかない。

別れの前に書いた薛濤䇳に書かれた男の詩歌をまた読み、涙が紅白粉を溶かして流れている。今でもお互いに心の中はよく分かっているつもりだ。

春は人通りが多いのに、その行き交う人のなかにはいやしない。帰って来るのは燕だけで、それがとても空しく感じられる。彼の人は約束をはたしてくれない。

閨に入り横になっても眠れず、ボーット見ている灯芯が燃え落ちても眠れず、枕立てかけ身寄せたりしている。

夜も更けて月は明々として、牡丹の花を淡くてらしている。彼の人への思いに心が乱れてしまう。

 

 

(訳注)

三字令

(春には戻るとの約束を違えて帰らないのが男、男を思いつづけるのが女、女性の情を詠う。)

【詞形】『花間集』には欧陽烱の一首のみ所収。毎句が三字からなるのでこの名が付けられた。双調四十八字、前後段二十四字八句四平韻で、3③③3③33③/3③③3③33③の詞形をとる。

 

【解説】前段は、寝台の周囲の帳を巻き上げ、窓の簾を垂らし、以前に男からの詩歌を読み返して涙を流し、「お互いに胸の内はよく分かり合っていたはずなのに」と呟く。後段は、せっかくの春を空しく過ごさなければいけない、いつまでも寝付くことができず、男への思いが募る苦しみを説く。前段の「彩牋の書」は、薛濤䇳のようなものに書かれた男の詩歌ということの方が風流。三字で句を構成し、韻の配置から可愛らしい、甘えた感じを演出している。

 

春欲盡,日遲遲,牡丹時。

あれほど待ち遠しかった春が終わろうとしている。日は一日ごと長くなってきたと思えば、牡丹の花が咲くころになる。

春欲尽 春が終わろうとしている。欲は“毎日過ぎてゆくことが辛い”今にも〜しそうだ、の意。

 

羅幌卷,翠簾垂。

女の閨の薄絹の帳を巻き上げたりおろしたり、翡翠の簾を垂らしたり、こころはおちつかない。

羅幌 寝台の回りに垂らす薄絹の帳。

 

彩牋書,紅粉淚,兩心知。

別れの前に書いた薛濤䇳に書かれた男の詩歌をまた読み、涙が紅白粉を溶かして流れている。今でもお互いに心の中はよく分かっているつもりだ。

彩牋書 色巻紙に書かれた手紙。薛濤䇳に書かれた詩歌。

紅粉涙 顔の紅白粉を溶かして流れる涙。女性の涙。

両心知 お互いに心の中はよく分かっている。別れ送り出す時に確認したことを云う。

 

人不在,鷰空歸,負佳期。

春は人通りが多いのに、その行き交う人のなかにはいやしない。帰って来るのは燕だけで、それがとても空しく感じられる。彼の人は約束をはたしてくれない。

負任期会う約束を破る。ここでは男が春には帰るという約束を破ったことを言う。負はそむく。佳期は男女が会う約束。

 

香燼落,枕函欹。

閨に入り横になっても眠れず、ボーット見ている灯芯が燃え落ちても眠れず、枕立てかけ身寄せたりしている。

香燼落 灯芯が燃え落ちる。灯火の燃え尽きたことを言う。

枕函欹 ここでは枕を斜めに立てかけて身を寄せる意。眠れぬ状態を表す。枕画は箱枕。

 

月分明,花澹薄,惹相思。

夜も更けて月は明々として、牡丹の花を淡くてらしている。彼の人への思いに心が乱れてしまう。

澹薄 淡白に同じ。ここでは月の光に牡丹の花が色淡く見えること。
杏の白花012
 

11 -3 浣渓沙 三首 其三 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-413-11-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3612

歐陽炯≪浣渓沙 三首 其三≫ 蘭麝の香りがほのかに届いて、かすかに喘ぎ声を聞き、せんさいな薄物の衣をはほっているが肌が透けている、艶姚な寝姿を見る。この時、また怨みの思いが湧いてくる、それでも女は薄情者の男の情愛に頼るしかすべがないのである。


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11 -3
浣渓沙 三首 其三 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-413-11-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3612

 

 

欧陽炯 【おうようけい】(896971)            中国,五代の詞人。初め前蜀に仕えたが,滅亡後,洛陽に出る。後蜀が建って蜀に帰り,滅亡後は宋に仕えた。詞は《花間集》《尊前集》に収める。        

益州の華陽、今の四川省成郡の人。若くして前蜀の王衍に仕えて中書舎人となり、後唐に前蜀が滅ぼされると、王衍に従って洛陽に行った。その後、孟知祥が後蜀を建てたので、欧陽烱は蜀に移り、中書舎人、翰林学士、礼部侍郎、陵州の刺史、吏部侍郎等に任じられた。後蜀が宋によって亡ぼされると、宋朝に帰した。欧陽烱は笛に長じていたので、末の太祖超匡胤は常に彼を召し出し笛を演奏させたと伝えられる。欧陽烱は音楽に明るかったということで、『花間集』の編者、後蜀の趙崇祚に請われて『花間集』の序文を書いた。序文の日付は、後蜀の広政三年(940年)夏四月になっている。欧陽烱の詞は、『花間集』には十七首が収められている。

 

歐陽舍人炯十七首

浣溪沙三首・三字令一首 ・南子八首 ・獻衷心一首

賀明朝二首・江城子一首 ・鳳樓春一首

 

 

浣溪沙三首

其一

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

 

其二

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

 

其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

韋荘(韋相莊)

浣溪紗五首

薛侍郎昭蘊

浣溪紗八首

張舍人泌

浣溪紗十首

歐陽舍人烱

浣溪紗三首

(顧太尉

浣溪紗八首

孫少監光憲

浣溪紗九首

閻處士選

浣溪紗一首

毛秘書熙震

浣溪紗七首

李秀才珣

浣溪紗四首

隋堤01
 

浣溪沙三首

其一

(春が来ても女のもとに訪れることもなく、春も過ぎようとしている、女の侘しさを詠う。)

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

今は一人この部屋にいて絵の屏風のかこまれ、愁い心のままで語ることもしない。片手をつき、壁に寄り添い枕すると簪が揺れる、誰に見せるわけでもなく結った髪も髻も偏ってしまうけれど横になる。女はこんな時を過ごしているが心に思うことは、あの人はどこの誰の所に行っているのだろうかということばかり思う。

其二

(誰も来ない寂しい女を故事を引用して詠う)

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

初めてかわしたのは空色の薄物の衣をさらりと地に垂らして佇むきちんとした化粧をした妓女であり、その衣はその時の景色にふさわしいもののように見えていた。宛転して通り抜ける風は薄絹を翻し、芳しい香りに目をやれば、透き通るような肌の白さが美しい。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

一人座って眉をひそめて心配そうな顔をしている女がいる、そこに穆公の時の簫史が吹いた笙のような音が聞こえ、笙の音に惹かれた弄玉は庭園の中を静かにゆっくりと歩いて、簫史に逢えれば渡そうと花の咲く枝を折る。あの人を思い我に返るともう気力も失せて來る。そうなると酔った人となることしかないというものだろう。

 

其三

(浮気者の男が久方ぶりに訪れた、その時の女の心情を男目線で詠う。)

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

久方ぶりに逢うとはじめは語ることもなく、ただ涙を目に浮かべるだけであった。酒宴も半ばを過ぎた頃になると、会えた喜び、うれしさをようやく寄り添って語ることができるようになる。鳳凰の屏風の陰に鴛鴦の模様の枕を置く彼の女の館に宿ってのことである。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

蘭麝の香りがほのかに届いて、かすかに喘ぎ声を聞き、せんさいな薄物の衣をはほっているが肌が透けている、艶姚な寝姿を見る。この時、また怨みの思いが湧いてくる、それでも女は薄情者の男の情愛に頼るしかすべがないのである。

杏の花001
 

 

『浣渓沙三首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

 

(下し文)

其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

(現代語訳)

(浮気者の男が久方ぶりに訪れた、その時の女の心情を男目線で詠う。)

久方ぶりに逢うとはじめは語ることもなく、ただ涙を目に浮かべるだけであった。酒宴も半ばを過ぎた頃になると、会えた喜び、うれしさをようやく寄り添って語ることができるようになる。鳳凰の屏風の陰に鴛鴦の模様の枕を置く彼の女の館に宿ってのことである。

蘭麝の香りがほのかに届いて、かすかに喘ぎ声を聞き、せんさいな薄物の衣をはほっているが肌が透けている、艶姚な寝姿を見る。この時、また怨みの思いが湧いてくる、それでも女は薄情者の男の情愛に頼るしかすべがないのである。

 

浣溪沙三首

『花間集』には欧楊烱の作が三首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。

 

其三

(浮気者の男が久方ぶりに訪れた、その時の女の心情を男目線で詠う。)

【解説】 前段、男が久々に女性のもとを訪ねたところ、彼女は積もる恨みに黙って涙を浮かべるだけであったが、酒盛りも半ばを過ぎて、やっと再会の喜びを語ることができたことを描く。そして、男は彼女に導かれ、鳳凰の屏風、鴛駕(オシドリ)模様の枕のある部屋に泊まったことを述べる。後段は、女の喘ぐ息づかい、薄物の衣に透けて見える肌について書き、「こうした時にも、お前はまだ私を薄情男だと恨んでいるだろうか」と男の一こと、二の言葉で結ぶ。

 

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

久方ぶりに逢うとはじめは語ることもなく、ただ涙を目に浮かべるだけであった。酒宴も半ばを過ぎた頃になると、会えた喜び、うれしさをようやく寄り添って語ることができるようになる。鳳凰の屏風の陰に鴛鴦の模様の枕を置く彼の女の館に宿ってのことである。

敘歡 話し、よろこび楽しむこと。娼婦的な喜びの意味を含むもの。

鳳屏鴛枕 鳳凰が措かれた屏風とオシドリ模様のある枕。

金鋪 門扉に設けられたノッカー用の金属製の飾り。ここでは女の家の意で、長らく来ていなかったことを印象付ける。

 

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

蘭麝の香りがほのかに届いて、かすかに喘ぎ声を聞き、せんさいな薄物の衣をはほっているが肌が透けている、艶姚な寝姿を見る。この時、また怨みの思いが湧いてくる、それでも女は薄情者の男の情愛に頼るしかすべがないのである。

蘭麝 蘭の花と麝香(じゃこう)の香り。また、よい香り。

綺羅 「綺」は綾織りの絹布、「羅」は薄い絹布の意》1 美しい衣服。羅綺。2 外見が華やかなこと。また、うわべを装い飾ること。3 栄華をきわめること。権勢の盛んなこと。

纖縷 纖:1 ほそい。こまかい。 縷:1 細々と連なる糸筋。「一縷」2 細く、途切れずに続くさま。こまごまとしたさま。「縷言・縷述・縷説・縷陳・縷縷」3 ぼろ。「襤縷(らんる)
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11 -2 浣渓沙 三首 其二 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-412-11-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3607

 

 

欧陽炯 【おうようけい】(896-971)              中国,五代の詞人。初め前蜀に仕えたが,滅亡後,洛陽に出る。後蜀が建って蜀に帰り,滅亡後は宋に仕えた。詞は《花間集》《尊前集》に収める。        

益州の華陽、今の四川省成郡の人。若くして前蜀の王衍に仕えて中書舎人となり、後唐に前蜀が滅ぼされると、王衍に従って洛陽に行った。その後、孟知祥が後蜀を建てたので、欧陽烱は蜀に移り、中書舎人、翰林学士、礼部侍郎、陵州の刺史、吏部侍郎等に任じられた。後蜀が宋によって亡ぼされると、宋朝に帰した。欧陽烱は笛に長じていたので、末の太祖超匡胤は常に彼を召し出し笛を演奏させたと伝えられる。欧陽烱は音楽に明るかったということで、『花間集』の編者、後蜀の趙崇祚に請われて『花間集』の序文を書いた。序文の日付は、後蜀の広政三年(940年)夏四月になっている。欧陽烱の詞は、『花間集』には十七首が収められている。

 

歐陽舍人炯十七首

浣溪沙三首・三字令一首 ・南子八首 ・獻衷心一首

賀明朝二首・江城子一首 ・鳳樓春一首

 

 

浣溪沙三首

其一

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

 

其二

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

 

其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

韋荘(韋相莊)

浣溪紗五首

薛侍郎昭蘊

浣溪紗八首

張舍人泌

浣溪紗十首

歐陽舍人烱

浣溪紗三首

(顧太尉

浣溪紗八首

孫少監光憲

浣溪紗九首

閻處士選

浣溪紗一首

毛秘書熙震

浣溪紗七首

李秀才珣

浣溪紗四首

 

浣溪沙三首

其一

(春が来ても女のもとに訪れることもなく、春も過ぎようとしている、女の侘しさを詠う。)

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

今は一人この部屋にいて絵の屏風のかこまれ、愁い心のままで語ることもしない。片手をつき、壁に寄り添い枕すると簪が揺れる、誰に見せるわけでもなく結った髪も髻も偏ってしまうけれど横になる。女はこんな時を過ごしているが心に思うことは、あの人はどこの誰の所に行っているのだろうかということばかり思う。

其二

(誰も来ない寂しい女を故事を引用して詠う)

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

初めてかわしたのは空色の薄物の衣をさらりと地に垂らして佇むきちんとした化粧をした妓女であり、その衣はその時の景色にふさわしいもののように見えていた。宛転して通り抜ける風は薄絹を翻し、芳しい香りに目をやれば、透き通るような肌の白さが美しい。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

一人座って眉をひそめて心配そうな顔をしている女がいる、そこに穆公の時の簫史が吹いた笙のような音が聞こえ、笙の音に惹かれた弄玉は庭園の中を静かにゆっくりと歩いて、簫史に逢えれば渡そうと花の咲く枝を折る。あの人を思い我に返るともう気力も失せて來る。そうなると酔った人となることしかないというものだろう。

篠竹000
 

『浣渓沙 三首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

 

 

(下し文)

(其の二)

天の碧の羅衣 地を拂い垂れ,美人 初めて更に相い宜しくし著わし,宛風 舞うが如く香肌に透く。

獨り坐して嚬を含み 鳳竹を吹き,園中 緩步して 花枝を折る,情有れど人を泥す時に 力無し。

 

 

(現代語訳)

(誰も来ない寂しい女を故事を引用して詠う)

初めてかわしたのは空色の薄物の衣をさらりと地に垂らして佇むきちんとした化粧をした妓女であり、その衣はその時の景色にふさわしいもののように見えていた。宛転して通り抜ける風は薄絹を翻し、芳しい香りに目をやれば、透き通るような肌の白さが美しい。

一人座って眉をひそめて心配そうな顔をしている女がいる、そこに穆公の時の簫史が吹いた笙のような音が聞こえ、笙の音に惹かれた弄玉は庭園の中を静かにゆっくりと歩いて、簫史に逢えれば渡そうと花の咲く枝を折る。あの人を思い我に返るともう気力も失せて來る。そうなると酔った人となることしかないというものだろう。

春爛漫の美女007
杏の白花012
 

(訳注)

浣溪沙三首

『花間集』には欧楊烱の作が三首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。

 

其二

(誰も来ない寂しい女を故事を引用して詠う)

 

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

初めてかわしたのは空色の薄物の衣をさらりと地に垂らして佇むきちんとした化粧をした妓女であり、その衣はその時の景色にふさわしいもののように見える。宛転して通り抜ける風は薄絹を翻し、芳しい香りに目をやれば、透き通るような肌の白さが美しい。

天碧羅衣 空色の薄物の衣。

美人 きちんとした化粧をした妓女。

宛風 宛転して吹く風。

 

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

一人座って眉をひそめて心配そうな顔をしている女がいる、そこに穆公の時の簫史が吹いた笙のような音が聞こえ、笙の音に惹かれた弄玉は庭園の中を静かにゆっくりと歩いて、簫史に逢えれば渡そうと花の咲く枝を折る。あの人を思い我に返るともう気力も失せて來る。そうなると酔った人となることしかないというものだろう。

含嚬 眉をひそめて心配そうな顔をする。愁いの表情。 

吹鳳竹 笙、簫。竹製の楽器。簫史と弄玉との故事。 『列仙伝』に「簫史者、秦穆公時人也。善吹簫、穆公有女號弄玉、好之、遂以妻焉。遂教弄玉作鳳鳴。居數十年、吹似鳳凰、鳳凰來止其屋、為作鳳臺、夫婦止其下。不數年、一旦隨鳳凰飛去。」(秦の穆公の時、蕭史あり、善く簫を吹く。公の女弄玉これを好む。公もって奏す。遂に弄玉に教へて鳳鴫をなす。居ること数年、吹くに鳳凰の声あり。鳳来ってその星に止まる。公、為に鳳台を作る。夫妻その上に止りしが、一旦、みな鳳凰に随って飛去す)とみえる。・霊妃 秦の穆公の女の弄玉。

春秋時代、秦の穆公に弄玉というむすめがあった。帯の名手の道士の簫史を愛したので穆公は二人を夫婦にした。弄玉は夫から笙の吹き方を教わり、鳳の鳴き声が吹けるようになり、その音につられて鳳がやってくるようになった。後に簫史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、二人とも天上にのぼったという伝説がある。簫・笙に鳳の詩を当てること何処の故事に基づくことを示唆する。

緩步 ゆっくりあるく。

泥人時 人を酔うたようにさせる時。泥は酔いつぶれること。

杏の花01

11 -1 浣渓沙 三首 其一 歐陽舍人炯十七首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-411-11-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3602

欧陽炯≪浣渓沙 三首 其一≫ 春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。


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11 -1 浣渓沙 三首 其一 歐陽舍人炯十七首Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-411-11-#1   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3602

 

 

欧陽炯 【おうようけい】(896-971)              中国,五代の詞人。初め前蜀に仕えたが,滅亡後,洛陽に出る。後蜀が建って蜀に帰り,滅亡後は宋に仕えた。詞は《花間集》《尊前集》に収める。        

益州の華陽、今の四川省成郡の人。若くして前蜀の王衍に仕えて中書舎人となり、後唐に前蜀が滅ぼされると、王衍に従って洛陽に行った。その後、孟知祥が後蜀を建てたので、欧陽烱は蜀に移り、中書舎人、翰林学士、礼部侍郎、陵州の刺史、吏部侍郎等に任じられた。後蜀が宋によって亡ぼされると、宋朝に帰した。欧陽烱は笛に長じていたので、末の太祖超匡胤は常に彼を召し出し笛を演奏させたと伝えられる。欧陽烱は音楽に明るかったということで、『花間集』の編者、後蜀の趙崇祚に請われて『花間集』の序文を書いた。序文の日付は、後蜀の広政三年(940年)夏四月になっている。欧陽烱の詞は、『花間集』には十七首が収められている。

 

歐陽舍人炯十七首

浣溪沙三首・三字令一首 ・南子八首 ・獻衷心一首

賀明朝二首・江城子一首 ・鳳樓春一首

1 浣渓沙 三首 其一 欧陽烱
2 浣渓沙 三首 其二 欧陽烱
3 浣渓沙 三首 其三 欧陽烱
4 三字令 欧陽烱
5 子八首 其一 欧陽烱
6 子八首 其二 欧陽烱
7 子八首 其三 欧陽烱
8 子八首 其四 欧陽烱
9 子八首 其五 欧陽烱
10 子八首 其六 欧陽烱
11 子八首 其七 欧陽烱
12 子八首 其八 欧陽烱
13 獻衷心一首 欧陽烱
14 賀明朝二首 其一 欧陽烱
15 賀明朝二首 其二 欧陽烱
16 江城子一首 欧陽烱
17 鳳樓春一首 欧陽烱

 

 

浣溪沙三首

其一

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

 

其二

天碧羅衣拂地垂,美人初著更相宜,宛風如舞透香肌。

獨坐含嚬吹鳳竹,園中緩步折花枝,有情無力泥人時。

 

其三

相見休言有淚珠,酒闌重得敘歡,鳳屏鴛枕宿金鋪。

蘭麝細香聞喘息,綺羅纖縷見肌膚,此時還恨薄情無。

 

韋荘(韋相莊)

浣溪紗五首

薛侍郎昭蘊

浣溪紗八首

張舍人泌

浣溪紗十首

歐陽舍人烱

浣溪紗三首

(顧太尉

浣溪紗八首

孫少監光憲

浣溪紗九首

閻處士選

浣溪紗一首

毛秘書熙震

浣溪紗七首

李秀才珣

浣溪紗四首

 

浣溪紗三首 其一

(春が来ても女のもとに訪れることもなく、春も過ぎようとしている、女の侘しさを詠う。)

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

今は一人この部屋にいて絵の屏風のかこまれ、愁い心のままで語ることもしない。片手をつき、壁に寄り添い枕すると簪が揺れる、誰に見せるわけでもなく結った髪も髻も偏ってしまうけれど横になる。女はこんな時を過ごしているが心に思うことは、あの人はどこの誰の所に行っているのだろうかということばかり思う。

篠竹000
 

 

『浣溪沙三首』 現代語訳と訳註

(本文)

其一

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

 

(下し文)

(其の一)

絮を落し 鶯を殘す 日 天に半ばす,玉は柔し 花は醉う 只だ思い眠るのみ,惹かれ 竹を映し 爐煙滿つ。

獨り畫屏を掩い愁 語らず,斜欹 瑤枕 髻鬟偏り,此の時 心には阿 誰れか邊に在らん。

 

(現代語訳)

(春が来ても女のもとに訪れることもなく、春も過ぎようとしている、女の侘しさを詠う。)

春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。

今は一人この部屋にいて絵の屏風のかこまれ、愁い心のままで語ることもしない。片手をつき、壁に寄り添い枕すると簪が揺れる、誰に見せるわけでもなく結った髪も髻も偏ってしまうけれど横になる。女はこんな時を過ごしているが心に思うことは、あの人はどこの誰の所に行っているのだろうかということばかり思う。

杏の白花012
 

(訳注)

浣溪沙三首

『花間集』には欧楊烱の作が三首収められている。双調四十二字、前段二十一字三句三平韻、後段二十一字三句二平韻で、⑦⑦⑦/7⑦⑦の詞形をとる。

 

其一

(春が来ても女のもとに訪れることもなく、春も過ぎようとしている、女の侘しさを詠う。)

 

落絮殘鶯半日天,玉柔花醉只思眠,惹映竹滿爐煙。

春も盛り柳絮も飛び交う、春を告げる鶯も残り少ない春に啼いている私にとってこの日も半ば晴れているようなものだ。輝く様なか細いしなやかな指で盃を持ち、花に酔いしれて、ただこのまま眠りたいと思っている。窓に惹かれてみると、そこには竹の影が映り、香炉からの紫煙で座敷いっぱいに広がる。

玉柔 女妓のか細いしなやかな指を云う。

 窗、窓。薄絹を張った窓。

映竹滿爐煙 この語句は、一人になって侘しいさまを強調するもの。

 

獨掩畫屏愁不語,斜欹瑤枕髻鬟偏,此時心在阿誰邊。

今は一人この部屋にいて絵の屏風のかこまれ、愁い心のままで語ることもしない。片手をつき、壁に寄り添い枕すると簪が揺れる、誰に見せるわけでもなく結った髪も髻も偏ってしまうけれど横になる。女はこんな時を過ごしているが心に思うことは、あの人はどこの誰の所に行っているのだろうかということばかり思う。

掩【えん】おおうおおい隠す。かばう。「掩護・掩蔽(えんぺい)

斜欹 欹はそばだつ意。斜と欹も斜めに寄りかかる状態をいう。

阿 くま おもねる 1 山や川の曲がって入りくんだ所。「山阿」2 自分の意志を曲げて人に従う。「阿世・阿諛(あゆ)3 人を呼ぶ語に冠して親しみを表す語。「阿兄・阿父・阿母・阿蒙(あもう)
DCF00048
 

8 -11 酒泉子一首 毛文錫【もうぶんせき】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-410-8-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3597

毛文錫≪酒泉子一首≫ 柳の枝には力もなくなって、しなやかに燻揺る煙もただ空しいものとなっていく、そこにあるのは金の盃で酔いつぶれているのに注がれる酒を全て受けて飲み続ける人がいるだけだ。女を誇るような海棠花が咲くその下で、あの人のことなんか思うことをもうとただ朦朧とするだけで、この香りのよい風にあたって酔うことにする。


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●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《東都賦》(7)#4(知徳兼備の光武帝)-1 文選 賦<113―5>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1009 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3593
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《贈別元十八協律,六首之六》115韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <922>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3594韓愈詩-237
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ 746廣徳2年764年―3-2 《丹青引,贈曹將軍霸》 蜀中転々 杜甫 <653>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3595 杜甫詩1000-653-913/1500746-2
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 254 《秋懐詩十一首之四(4)》 韓愈  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3596 (01/14)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor 8 -11 酒泉子一首 毛文錫【もうぶんせき】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-410-8-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3597
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
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於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 花間集 古詩源 玉台新詠

 

8 -11 酒泉子一首 毛文錫【もうぶんせき】Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-410-8-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3597

 

 

酒泉子

(あれほど愛してくれた人が春になってもほかの女のもとに行き、春の行楽で行く人もなくただ酒を呑むだけ。)

綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。

柳の木樹は緑に繁り、春の景色は盛りになってきた。ツバメは梁の上で雛たちが囀り、しきりに春を告げていた鶯の啼き声も、次第に聞こえたり聞えなくなってきた。

蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。

花のかおりは風に乗ってあちらこちらとただようし、芳しい香りがうっそうと茂る中に入っていく。花が落ち始めたころの残って咲いている花にまでとりこになって行ってしまう。

柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。

柳の枝には力もなくなって、しなやかに燻揺る煙もただ空しいものとなっていく、そこにあるのは金の盃で酔いつぶれているのに注がれる酒を全て受けて飲み続ける人がいるだけだ。

海棠花下思朦朧,醉香風。

女を誇るような海棠花が咲くその下で、あの人のことなんか思うことをもうとただ朦朧とするだけで、この香りのよい風にあたって酔うことにする。

 

(酒泉子)

綠樹 春深く,鷰語り鶯啼いて 聲 斷續す。

蕙風 飄蕩,芳叢に入り,殘紅に惹かる。

柳絲力無く裊煙【じょうえん】空し,金盞【きんせん】辭さず 須く滿酌するを。

海棠の花の下に朦朧とするを思い,香風に醉う。

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毛文錫『酒泉子一首』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子

綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。

蕙風飄蕩,入芳叢,惹殘紅。

柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。

海棠花下思朦朧,醉香風。

 

(下し文)

酒泉子

綠樹 春深く,鷰語り鶯啼いて 聲 斷續す。

蕙風 飄蕩,芳叢に入り,殘紅に惹かる。

柳絲力無く裊煙【じょうえん】空し,金盞【きんせん】辭さず 須く滿酌するを。

海棠の花の下に朦朧とするを思い,香風に醉う。

 

(現代語訳)

(あれほど愛してくれた人が春になってもほかの女のもとに行き、春の行楽で行く人もなくただ酒を呑むだけ。)

柳の木樹は緑に繁り、春の景色は盛りになってきた。ツバメは梁の上で雛たちが囀り、しきりに春を告げていた鶯の啼き声も、次第に聞こえたり聞えなくなってきた。

花のかおりは風に乗ってあちらこちらとただようし、芳しい香りがうっそうと茂る中に入っていく。花が落ち始めたころの残って咲いている花にまでとりこになって行ってしまう。

柳の枝には力もなくなって、しなやかに燻揺る煙もただ空しいものとなっていく、そこにあるのは金の盃で酔いつぶれているのに注がれる酒を全て受けて飲み続ける人がいるだけだ。

女を誇るような海棠花が咲くその下で、あの人のことなんか思うことをもうとただ朦朧とするだけで、この香りのよい風にあたって酔うことにする。

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 (訳注)

酒泉子一首

(あれほど愛してくれた人が春になってもほかの女のもとに行き、春の行楽で行く人もなくただ酒を呑むだけ。)

『花間集』には毛文錫の作は一首収められている。双調四十五字、前段二十一字五句二平韻二仄韻、後段二十四字五句三平韻一仄韻で、4❼④❸③/⑦❼⑦③の詞形をとる。この詩は温庭筠張泌など他の詩人の作と若干詞形に変化がある。

花間集 『酒泉子一首』

溫助教庭筠

酒泉子四

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

 

綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。

柳の木樹は緑に繁り、春の景色は盛りになってきた。ツバメは梁の上で雛たちが囀り、しきりに春を告げていた鶯の啼き声も、次第に聞こえたり聞えなくなってきた。

○綠樹 詞に言う緑樹は柳を意味し、楊柳は男女を意味する。枝垂れて揺れるのは性交を意味している。緑樹の持つ大きな意味は、春一気に緑の葉をつけるけれども、柳は男女の別れを連想、示唆するものであり、折柳枝は別れたことになる。つまり柳が登場すればどんなに愛し合っていてもいつかは必ず別れというものがあると示唆しているのだ。

『虞美人二首 其二』

寶檀金縷鴛鴦枕,綬帶盤宮錦。

夕陽低映小明,南園綠樹語鶯鶯,夢難成。

玉鑪香暖頻添炷,滿地飄輕絮。

珠簾不卷度沉煙,庭前閑立畫鞦韆,豔陽天。

中国唐代中期の短編伝奇恋愛小説。元稹(げんじん)(779~831)作。『大平広記』488に収録されている。愛し合いながらも別れることになる青春の悲恋を描いた情趣ある作品である。 貞元年間(785~804)のこと。張某という23歳のまじめな書生が蒲州へ旅した折、ある寺に滞在していた崔氏の未亡人と知り合った。崔氏は財産はあったが没落貴族で力はなく、そのころ勃発した蒲州の兵乱で困っていた。

 たまたま未亡人が遠い親戚の鄭氏の出であることを知った張は蒲州軍の旧知を通じてその財産を守らせたので崔家は危難を逃れた。

 未亡人はこれに感謝し、宴の席を設けた。この席でその娘鶯鶯に出会った張はその美しさに一目で恋に落ちた。張は崔家の女中紅娘を通じて歌を贈った。そして、二人は夜の間だけ西の間で人目を忍んで密会を繰り返した。

 だが、しばらくして張は科挙の試験のために長安に行き、試験に失敗すると翌年も長安に留まることにした。張は鶯鶯に慰めの手紙を送り、彼女からは心のこもった返事が来た。しかしこのことがあって後、二人の関係は終わったようだった。やがて、鶯鶯は別の人の所へ嫁に行き、張も別の人を嫁にもらい、互いの消息も分からなくなってしまうのである。

ここは、男が高貴なもので女妓は愛されて好きになってまもなく、おとこは別れていった。

 

蕙風飄蕩,入芳叢,惹殘紅。

花のかおりは風に乗ってあちらこちらとただようし、芳しい香りがうっそうと茂る中に入っていく。花が落ち始めたころの残って咲いている花にまでとりこになって行ってしまう。

○蕙風 蕙風は通常、男女の仲が最高に良い時をあらわす。薛昭蘊『浣溪紗八首 其四』( 春になると春水に、柳に、蜂に、琴に、雲霧に、月にあの人のことを思い出してしまう。)「握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。」手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。ここでは。花のかおりが風に乗って吹いて来てあちらこちらとただよわされること。あちこちの女のもとに行ってしまうこと。・飄蕩 あちらこちらとただよわされる、漂泊の生活をいう。

○殘紅 ①花が落ち始めたころの残って咲いている花。②女妓の夜化粧が朝方になって少し薄れたようす(夜を一緒に過ごした女)。③女の盛りを超えそうな女妓。

カンナ113
 

柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。

柳の枝には力もなくなって、しなやかに燻揺る煙もただ空しいものとなっていく、そこにあるのは金の盃で酔いつぶれているのに注がれる酒を全て受けて飲み続ける人がいるだけだ。

 

海棠花下思朦朧,醉香風。

女を誇るような海棠花が咲くその下で、あの人のことなんか思うことをもうとただ朦朧とするだけで、この香りのよい風にあたって酔うことにする。

○海棠花 春、桃紅色の美しい花を房状に咲かせる林檎の仲間でバラ目バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木で、枝から花柄が出て先端に1個の花を咲かせる。花後に成る林檎に似た小さな赤い果実は食べられる。

樹高:58m; 開花期:45; 花径:3.55cm; 花弁数:510; 花柄長:36cm; 果実径:2cm; 実色:赤。 花言葉は「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。

薛濤『海棠溪』

春教風景駐仙霞,水面魚身總帶花。

人世不思靈卉異,競將紅纈染輕沙。

蜀全体の海棠花が咲き乱れる渓谷とする。地図上で確認されるところとしては第一は四川省の重慶から長江を渡った対岸にある名所。おそらく薛濤は巫山へ行ったときでも上流運河を利用すると重慶を通過したかどうか、ここに立ち寄るには回り道である。第二は、四川省越雋県の北百二十五里に海棠関というのがあり、その南十五里を清水堡という。その附近にもあるが、營妓である薛濤が行くには遠すぎる。いずれにしても「百花譜」 に「海棠は蜀に盛んにして、秦中これに次ぐ」というから、あちこちに名所があるのであろう。

 

張泌『浣溪沙十首其四』

依約殘眉理舊黃,翠鬟擲一簪長,暖風晴日罷朝粧。

閑折海棠看又撚,玉纖無力惹餘香,此情誰會倚斜陽。

浣渓沙 十首 其四 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-342-7-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3257
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6 -26 酒泉子一首 牛嶠ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-409-6-#26  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3592

牛嶠≪酒泉子一首≫ その若い宮妓のみどりの黒髪のもとどりの上には、簪が低くしなやかに揺らめいていた。宋武帝の壽陽公主が梅花の散る時 五出の花となった事のように、行楽で梅の下の筵の上で情を交わした時に宮女は梅の花で化粧をし、飾っていたことを思い出した。


2014年1月13日  の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ 253 《秋懐詩十一首之三(3)》 韓愈  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3591 (01/13)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
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登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩 韓愈全詩 李白全集 文選 花間集 古詩源 玉台新詠

 

6 -26 酒泉子一首 牛嶠Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-409-6-#26   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3592

 

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女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107

2

女冠子四首 其二 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-315-5-#57-(6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3122

3

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-(7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

4

女冠子四首 其四 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-317-5-#57-(8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3132

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夢江南二首其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-318-5-#57-(9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3137

6

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

7

感恩多 一 牛嶠【ぎゅうきょう】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-320-6-#7 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3147

8

感恩多二首 二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-321-6-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3152

9

應天長二首 其一 牛嶠 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-322-6-#9 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3157

10

應天長二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-323-6-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3162

11

望江怨 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-324-6-#11 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3167

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更漏子三首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-325-6-#12  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3172

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更漏子三首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-326-6-#13  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3177

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更漏子三首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-327-6-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3182

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江城子二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-328-6-#15  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3187

16

江城子二首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-329-6-#57-(20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3192

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菩薩蠻七首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-330-6-#57-(21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3197

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菩薩蠻七首 其二 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-331-6-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3202

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菩薩蠻七首 其三 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-332-6-#19  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3207

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菩薩蠻七首 其四 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-333-6-#20  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3212

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菩薩蠻七首 其五 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-334-6-#21  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3217

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菩薩蠻七首 其六 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-335-6-#22  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3222

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菩薩蠻七首 其七 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-336-6-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3227

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定西番 牛嶠【ぎゅうきょう】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-337-6-#24  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3232

25

《西溪子》牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-338-6-#25 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3237

26

6 -26 酒泉子一首 牛嶠ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-409-6-#26   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3592

 

 

酒泉子

(若い宮女と春の行楽で過ごしたことの思い出を詠う。)

記得去年,煙暖杏園花發。

忘れることのできない記憶として残っている、春霞に暖かな日、曲江の杏園には花が咲き誇っていた。

雪飄香,江艸綠,柳絲長。

雪のような白い杏の花が、風に漂わせて散ってゆく。曲江のほとり杏園に花々草木が繁り緑に萌えている。土手の柳はみどりのかたまりをつらね、長く枝垂れは風に揺れ靡いている。

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

青貝細工を施した美しい輦車に乗って、羅帷の間からは優しい宮妓の手がのぞき、そして簾を巻き上げて杏園の春景色を眺めた。その宮妓の眉は春の山の姿に倣って書かれていた。

鳳釵低裊翠鬟上,落梅粧。

その若い宮妓のみどりの黒髪のもとどりの上には、簪が低くしなやかに揺らめいていた。宋武帝の壽陽公主が梅花の散る時 五出の花となった事のように、行楽で梅の下の筵の上で情を交わした時に宮女は梅の花で化粧をし、飾っていたことを思い出した。

 杏00紅白花00

 

『酒泉子一首』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子一首

記得去年,煙暖杏園花發。

雪飄香,江艸綠,柳絲長。

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

鳳釵低裊翠鬟上,落梅粧。

 

(下し文)

酒泉子一首

記 去年に得,煙 暖に杏園の花發く。

雪 飄いて香り,江 綠に艸し,柳 長く絲す。

鈿車 纖手 簾を捲げて望み,眉は春山の樣を學ぶ。

鳳釵 裊を低く 翠鬟の上,落梅の粧。

 

(現代語訳)

(若い宮女と春の行楽で過ごしたことの思い出を詠う。)

忘れることのできない記憶として残っている、春霞に暖かな日、曲江の杏園には花が咲き誇っていた。

雪のような白い杏の花が、風に漂わせて散ってゆく。曲江のほとり杏園に花々草木が繁り緑に萌えている。土手の柳はみどりのかたまりをつらね、長く枝垂れは風に揺れ靡いている。

青貝細工を施した美しい輦車に乗って、羅帷の間からは優しい宮妓の手がのぞき、そして簾を巻き上げて杏園の春景色を眺めた。その宮妓の眉は春の山の姿に倣って書かれていた。

その若い宮妓のみどりの黒髪のもとどりの上には、簪が低くしなやかに揺らめいていた。宋武帝の壽陽公主が梅花の散る時 五出の花となった事のように、行楽で梅の下の筵の上で情を交わした時に宮女は梅の花で化粧をし、飾っていたことを思い出した。

春爛漫の美女007

(訳注)

酒泉子一首

『花間集』には牛嶠の作は一首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻二仄韻、後段二十三字五句二平韻で、④❼3❸③/⑦733③の詞形をとる。

花間集 『酒泉子一首』

溫助教庭筠

酒泉子四首

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子二首

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

牛嶠 酒泉子一首

(若い宮女と春の行楽で過ごしたことの思い出を詠う。)

牛嶠は、878年進士に及第している。合格発表の日は、長安の街全体でいわってくれ、無礼講であった。その時の経験を思い出してこの詩を作ったものだ。

 

記得去年,煙暖杏園花發。

忘れることのできない記憶として残っている、春霞に暖かな日、曲江の杏園には花が咲き誇っていた。

・杏園 長安の曲江の池の畔(ほとり)にあった杏園で、祝宴を賜り、長安の街を園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。また、貴族は自邸自慢のボタンを庭を開放して鑑賞させ、合格者の無礼を許した。

・杏園:官吏登用試験(科挙)に合格した進士たちの祝宴会場。科挙に合格した進士には、曲江の池の畔(ほとり)の杏園で、祝宴を賜り、長安の街で園遊し、咲き誇る牡丹などの花を観賞する慣わしがあった。 

・杏園人:科挙に合格し、新たに進士となった人たちを指す。

杏の白花012

 

雪飄香,江艸綠,柳絲長。

雪のような白い杏の花が、風に漂わせて散ってゆき、曲江のほとり杏園に花々草木が繁り緑に萌えていた。土手の柳はみどりのかたまりをつらね、長く枝垂れは風に揺れ靡いてた。

・雪飄香 雪のような白い杏の花が、風に漂わせて散ってゆくこと。

・江艸綠 春になって曲江のほとり杏園に花々草木が繁り咲き誇ることを言う。

 

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

青貝細工を施した美しい輦車に乗って、羅帷の間からは優しい宮妓の手がのぞき、そして簾を巻き上げて杏園の春景色を眺めた。その宮妓の眉は春の山の姿に倣って書かれていた。

・鈿車 青貝細工を施した美しい乗り物、輦車。

・纖手 優しい女官、宮妓の手。

・眉學春山樣 その女の眉は春の山の姿に倣って書かれている。

 

鳳釵低裊翠鬟上,落梅粧。

その若い宮妓のみどりの黒髪のもとどりの上には、簪が低くしなやかに揺らめいていた。宋武帝の壽陽公主が梅花の散る時 五出の花となった事のように、行楽で梅の下の筵の上で情を交わした時に宮女は梅の花で化粧をし、飾っていたことを思い出した。

・鳳釵 鳳凰のかんざし。

・低裊 簪が低くしなやかに揺らめいている。

・翠鬟上 若いみどりの黒髪のもとどりの上。

・落梅粧 梅花妝 蕊粉新妝 額點梅花

宋武帝 壽陽公主宋武帝 壽陽公主 梅花 五出の花

武帝女壽陽公主人日臥于含章簷下,梅花落公主額上,成五出之花,拂之不去。皇后留之,自後有梅花粧。(據《事類賦》卷二十六「壽陽之妝更新」注引)

 

韋莊『春愁』

其一:

  寓思本多傷,逢春恨更長。

  露沾湘竹淚,花堕越梅妝。

  睡怯交加夢,閑傾瀲灩觴。

  後庭人不到,斜月上松篁。

 

其二:

  自有春愁正斷魂,不堪芳草思王孫。

  落花寂寂黄昏雨,深院無人獨倚門。

 

当時、長安は人口120万にを超す世界最大級の都市であった。

7世紀に建立された大雁塔は古き良き長安の姿を今も残す。

この詩の杏園は曲江の西にあった庭園である。

春、都では官僚になるための試験、科挙に合格した者たちの祝宴が開かれる。

 

貴族たちの家々は合格者に解放され、無礼講。

 

庭の花を競い、酒を競い、華やかな歌舞に宮廷料理、宴は賑やかに行われる。

 

科挙に合格した者だけがわが世の春を謳歌するのだ。

この日だけは、華やかな高殿の若き乙女たちも主役の座を譲ってくれる。

 

この試験のために全国から若者が集まってくる。

 

何年もかかってやっと合格するもの、どうしても及第しないもの悲喜こもごもの日なのだ。

 

 

 

 

牛嶠(生卒年不詳),字を松卿といい,また延峰ともいった。隴西(今の甘肅省西部)の人,唐の宰相、牛僧孺の孫である。唐の僖宗、878年乾符元年の進士,拾遺,補尚書郎を歷任した。王建が蜀の鎮守になると,牛嶠は判官に任じられ、王建が建国して帝を称えると給事中等職に任じられ,故に後の人は “牛給事”と稱した。牛嶠博學、文才有り,詩は李賀に學んだ,尤も其の詞を以って世に聞く,現在《歌詩集》三捲あったことは知られているが今日うしなわれていて傳わらない。花間集に三十二首収められている。

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牛希濟≪臨江仙七首其七≫ 洞庭湖は波立っている、晴天の日でも風がそよぐ程度でも吹かれて波立つのである。洞庭湖の中には、君山島がポツンと浮んでそこから煙か霞が立ち上る。洞庭湖の真ん中にあるこの島は神仙の郷に属しているということだ。そこには、輝くような高楼があり真珠の宮殿があるのである。そして月が昇れば湖面に映す月と互いにその輪辺を接するのである。


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10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587

      
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 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

花蕊夫人006
 

其四

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

05saiko02

 

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

(洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

昔の洛陽の都に春のひかりがふりそそぎ、万遍なくさざ波が光きらめいていた。その後には女官、宮妓の媚艶のものたちの初夜を過したことがたくさん積み重なっている。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

世は入り混じった波の間のできごとであり、うす絹の靴を履いた女たちは軽やかに跳ね回っているし、香炉の煙が上ぶたの所で燻り、日に照らされた日々に、珠玉、ひすいのかざりにそれぞれに光を分けている。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

かぜにふかれてその宝玉に包まれた着物はうたがいをもっておどろうとおもう、鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている事に驚くのをこらえ堪えている。

これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。


其六

(襄陽の大堤の花街に行くのに理由などあろうかということを詠う)

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

土手の柳がみどりの帯で連なって、そこに風が吹いて揺れ動く、ここは漢水の砂浜である。土手には蕪が一面に育っていて、、それが両眼で争って同じようにそだっている。

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

鴛鴦は水浴びを水の中でしており、そこに鴛鴦のかぶさるような波が新たに起こる。真珠の珠を握りもじもじしているのはここの遊女だが、どの顔にも微笑んでいて、通りがかりの人を誘い込む。

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

軽やかに歩いていくおんなが、木陰の暗い所に入ってゆくと蝉の簪の髪飾りがそこで倚れている。うすぎぬのスカートが風にあおられていて舞い上がった砂塵が引き寄せられてゆく。

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

女たちの居る、きらびやかな竜宮城の宮殿にはどうしてそこに行くのかというわけなどないのである。優しいかぼそい手で苦労しているのをむなしいままにしておれるのか。佩び玉を説いてくれて情愛の気持ちを捧げてくれる人をそのままにして良いのか。

  

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 君山銀針

 『臨江仙七首其七』

(洞庭湖に面した渡し場に、君山島に、羅浮山にそれぞれ仙郷として女妓たちがいる。)

洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。

洞庭湖は波立っている、晴天の日でも風がそよぐ程度でも吹かれて波立つのである。洞庭湖の中には、君山島がポツンと浮んでそこから煙か霞が立ち上る。

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

洞庭湖の真ん中にあるこの島は神仙の郷に属しているということだ。そこには、輝くような高楼があり真珠の宮殿があるのである。そして月が昇れば湖面に映す月と互いにその輪辺を接するのである。

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

万里四方にひろがり、遠く平湖原まで冷気によって秋の色に染まる。星たちが瞬けば星も湖面に垂れ移し、千差万別、境目もわからに程影を落とす。

橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

この湖畔には柑橘樹の名産地でこの季節霜が重ねて降りるようになると更に木々の紅葉が進んで鮮やかな色に変わる。東にいけば羅浮山のふもとには神仙の郷があり、そこに向かう道には奥深い所まで連なっている。

 

 

『臨江仙七首其七』 現代語訳と訳註

(本文)

其七

洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

 

 

(下し文)

其七

洞庭 波浪 颭晴天,君山一點凝煙。

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

 

 

(現代語訳)

(洞庭湖に面した渡し場に、君山島に、羅浮山にそれぞれ仙郷として女妓たちがいる。)

洞庭湖は波立っている、晴天の日でも風がそよぐ程度でも吹かれて波立つのである。洞庭湖の中には、君山島がポツンと浮んでそこから煙か霞が立ち上る。

洞庭湖の真ん中にあるこの島は神仙の郷に属しているということだ。そこには、輝くような高楼があり真珠の宮殿があるのである。そして月が昇れば湖面に映す月と互いにその輪辺を接するのである。

万里四方にひろがり、遠く平湖原まで冷気によって秋の色に染まる。星たちが瞬けば星も湖面に垂れ移し、千差万別、境目もわからに程影を落とす。

この湖畔には柑橘樹の名産地でこの季節霜が重ねて降りるようになると更に木々の紅葉が進んで鮮やかな色に変わる。東にいけば羅浮山のふもとには神仙の郷があり、そこに向かう道には奥深い所まで連なっている。

 

doteiko012
 

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其七

(洞庭湖に面した渡し場に、君山島に、羅浮山にそれぞれ仙郷として女妓たちがいる。)

 

洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。

洞庭湖は波立っている、晴天の日でも風がそよぐ程度でも吹かれて波立つのである。洞庭湖の中には、君山島がポツンと浮んでそこから煙か霞が立ち上る。

○洞庭湖 湖南省北東部にある中国最大の淡水湖。湘水(湘江)、沅水(沅江)などが流れ込んで長江に注ぐ。湖畔や湖中には岳陽楼や君山などがあり、瀟湘八景などの名勝に富む。

孟浩然『望洞庭湖贈張丞相』
八月湖水平,涵虚混太淸。
氣蒸雲夢澤,波撼岳陽城。
欲濟無舟楫,端居恥聖明。
坐觀垂釣者,徒有羨魚情。

杜甫『登岳陽樓』

昔聞洞庭水,今上岳陽樓。呉楚東南坼,乾坤日夜浮。

親朋無一字,老病有孤舟。戎馬關山北,憑軒涕泗流。

颭 風が(ものを)ふるわせる.風に吹かれて波立つ。そよぎ動く。

君山島 中国湖南省北部にある洞庭湖の中にある。君山島は観光地としても知られており、岳陽楼の付近から船で渡ることができる。島内の茶園は無農薬栽培だが、観光地化した環境故、有機認証の取得は出来ないのが実情で、君山島内で栽培された「本物の君山銀針」は有機認証を有していない。

 

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

洞庭湖の真ん中にあるこの島は神仙の郷に属しているということだ。そこには、輝くような高楼があり真珠の宮殿があるのである。そして月が昇れば湖面に映す月と互いにその輪辺を接するのである。

 

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

万里四方にひろがり、遠く平湖原まで冷気によって秋の色に染まる。星たちが瞬けば星も湖面に垂れ移し、千差万別、境目もわからに程影を落とす。

平湖 平湖は中国揚子江デルタの杭嘉湖平原(杭州·嘉興·湖州)に位置し、北は上海に隣接し、南は杭州湾に臨む。気候は、温暖な亜熱帯モンスーン気候で、四季の移り変わりがはっきりしている。

參然 千差萬別の景色

 

橘林 霜重 更紅鮮,羅浮 山下,有路 暗相連。

この湖畔には柑橘樹の名産地でこの季節霜が重ねて降りるようになると更に木々の紅葉が進んで鮮やかな色に変わる。東にいけば羅浮山のふもとには神仙の郷があり、そこに向かう道には奥深い所まで連なっている。

○羅浮 羅浮山のこと。広東省恵州市博楽県長寧鎮にある。 広州の東90キロに位置する羅浮山は古くは東樵山といわれ南海の西樵山と姉妹関係にある。広東四大名山の一つで、道教の聖地として中国十大名山の一つにも数えられている。主峰飛雲頂は海抜1296m、は香港の北、広州市の東、東莞市の北東に所在する山である。広東省の道教の聖地「羅浮山」羅浮仙ラフセン:隋の趙師雄が梅の名所の羅浮山で羅をまとった美女と出会い酒を酌み交わす酒に酔い伏し梅の樹の下で気が付いた美女は梅の精で羅浮仙ラフセンと呼ばれた故事もある。初発石首城 謝霊運(康楽) 詩<56-#3>Ⅱ李白に影響を与えた詩446 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1155

李白『江西送友人之羅浮』

爾去之羅浮、我還憩峨眉。

中閥道萬里、霞月逼相思。

如尋楚狂子、瓊樹有芳枝。

江西送友人之羅浮 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -280

李白『金陵江上遇蓬池隱者』

心愛名山游、身隨名山遠。

羅浮麻姑台、此去或未返。

金陵江上遇蓬池隱者 #1 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集350 -285

『安陸白兆山桃花岩寄劉侍御綰』

云臥三十年、好閑復愛仙。 蓬壺雖冥、鸞鶴心悠然。

歸來桃花岩、得憩云窗眠。對嶺人共語、飲潭猿相連。

時升翠微上、邈若羅浮 兩岑抱東壑、一嶂橫西天。

樹雜日易隱、崖傾月難圓。芳草換野色、飛蘿搖春煙。

入遠構石室、選幽開上田。 獨此林下意、杳無區中緣。

李白85 安陸白兆山桃花岩寄劉侍御綰

10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582

(牛希濟)≪臨江仙七首其六≫ 女たちの居る、きらびやかな竜宮城の宮殿にはどうしてそこに行くのかというわけなどないのである。優しいかぼそい手で苦労しているのをむなしいままにしておれるのか。佩び玉を説いてくれて情愛の気持ちを捧げてくれる人をそのままにして良いのか。


2014年1月11日 の紀頌之5つのブログ
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10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582

 

      
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 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

花蕊夫人006
 

其四

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

05saiko02

 

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

(洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

昔の洛陽の都に春のひかりがふりそそぎ、万遍なくさざ波が光きらめいていた。その後には女官、宮妓の媚艶のものたちの初夜を過したことがたくさん積み重なっている。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

世は入り混じった波の間のできごとであり、うす絹の靴を履いた女たちは軽やかに跳ね回っているし、香炉の煙が上ぶたの所で燻り、日に照らされた日々に、珠玉、ひすいのかざりにそれぞれに光を分けている。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

かぜにふかれてその宝玉に包まれた着物はうたがいをもっておどろうとおもう、鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている事に驚くのをこらえ堪えている。

これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。


其六

(襄陽の大堤の花街に行くのに理由などあろうかということを詠う)

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

土手の柳がみどりの帯で連なって、そこに風が吹いて揺れ動く、ここは漢水の砂浜である。土手には蕪が一面に育っていて、、それが両眼で争って同じようにそだっている。

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

鴛鴦は水浴びを水の中でしており、そこに鴛鴦のかぶさるような波が新たに起こる。真珠の珠を握りもじもじしているのはここの遊女だが、どの顔にも微笑んでいて、通りがかりの人を誘い込む。

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

軽やかに歩いていくおんなが、木陰の暗い所に入ってゆくと蝉の簪の髪飾りがそこで倚れている。うすぎぬのスカートが風にあおられていて舞い上がった砂塵が引き寄せられてゆく。

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

女たちの居る、きらびやかな竜宮城の宮殿にはどうしてそこに行くのかというわけなどないのである。優しいかぼそい手で苦労しているのをむなしいままにしておれるのか。佩び玉を説いてくれて情愛の気持ちを捧げてくれる人をそのままにして良いのか。

 

 

『臨江仙七首其六』 現代語訳と訳註

(本文)

 其六

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

 

(下し文)

(其の六)

柳の帶 風は搖めく漢水の濱,蕪を平かにし兩岸勻しく爭う。

鴛鴦 浴に對して浪痕新たなり。珠を弄ぶ遊女あり,微笑 自ら春を含む。

輕やかに步き暗きに移る 蟬鬢の動き,羅裙 風は輕塵を惹く。

水精の宮殿 豈に因無らんや?空しく纖手を勞し,珮を解きて情人ぶ贈らん。

 

(現代語訳)

(襄陽の大堤の花街に行くのに理由などあろうかということを詠う)

土手の柳がみどりの帯で連なって、そこに風が吹いて揺れ動く、ここは漢水の砂浜である。土手には蕪が一面に育っていて、、それが両眼で争って同じようにそだっている。

鴛鴦は水浴びを水の中でしており、そこに鴛鴦のかぶさるような波が新たに起こる。真珠の珠を握りもじもじしているのはここの遊女だが、どの顔にも微笑んでいて、通りがかりの人を誘い込む。

軽やかに歩いていくおんなが、木陰の暗い所に入ってゆくと蝉の簪の髪飾りがそこで倚れている。うすぎぬのスカートが風にあおられていて舞い上がった砂塵が引き寄せられてゆく。

女たちの居る、きらびやかな竜宮城の宮殿にはどうしてそこに行くのかというわけなどないのである。優しいかぼそい手で苦労しているのをむなしいままにしておれるのか。佩び玉を説いてくれて情愛の気持ちを捧げてくれる人をそのままにして良いのか。

 

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其六

(襄陽の大堤の花街に行くのに理由などあろうかということを詠う)

 

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

土手の柳がみどりの帯で連なって、そこに風が吹いて揺れ動く、ここは漢水の砂浜である。土手には蕪が一面に育っていて、、それが両眼で争って同じようにそだっている。

○漢水濱 漢水は陝西省漢中市寧強県の蟠冢山を水源とする。東に流れ湖北省に入り武漢市で長江に合流する。支流として胥水河(中文)、旬河(中文)、堵河(中文)(最大)、丹江(中文)、唐白河(中文)等を併せる。流域の主要な都市として漢中市、安康市、十堰市、襄陽市、武漢市などがある。詩の雰囲気から、襄陽の大堤の砂浜、武漢の長江五龍地点の中洲、両岸の砂浜と考えられるが、下の句「」ということであれば川幅が狭い感じである。襄陽であっても漢水本流ではなく、大堤の中に入っていく運河の様な水路であろう。

 

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

鴛鴦は水浴びを水の中でしており、そこに鴛鴦のかぶさるような波が新たに起こる。真珠の珠を握りもじもじしているのはここの遊女だが、どの顔にも微笑んでいて、通りがかりの人を誘い込む。

 

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

軽やかに歩いていくおんなが、木陰の暗い所に入ってゆくと蝉の簪の髪飾りがそこで倚れている。うすぎぬのスカートが風にあおられていて舞い上がった砂塵が引き寄せられてゆく。

 

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

女たちの居る、きらびやかな竜宮城の宮殿にはどうしてそこに行くのかというわけなどないのである。優しいかぼそい手で苦労しているのをむなしいままにしておれるのか。佩び玉を説いてくれて情愛の気持ちを捧げてくれる人をそのままにして良いのか。

杜甫『曲江對酒』

苑外江頭坐不歸,水精宮殿轉霏微。

桃花細逐楊花落,鳥時兼白鳥飛。

縱飲久判人共棄,懶朝真與世相違。

吏情更覺滄洲遠,老大悲傷未拂衣。

春景色に誘われ、わたしはこの芙蓉苑の外、曲江の池畔で官舎に帰らないままにすわりこんであたりをながめる、水の妖精が生まれ出て水の宮殿がその光を輝かせ、霧のように飛散する水珠も輝く。

○苑 芙蓉苑。○江 曲江。○水精、宮殿 水に映り輝く宮殿。水精は水の精。水星、辰星。水の中から産する珠。水の妖精。「珠水精、故以禦火灾」(珠は水精、故に以て火灾を禦【ふせ】ぐ)とある。また、水精宮とすれば、水晶で飾られた宮殿と見る場合も考えられるが、詩の雰囲気と杜甫のその時の心情を合わせて水晶の宮殿ではない。○転 いよいよ、看るみるうちにいよいよ。○霏微 春光掩映のさまと、水気のこまかに飛散とぶさまのふたつの意味をいう。

 

10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577

(牛希濟)≪臨江仙七首其五≫ これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。


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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
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 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

花蕊夫人006
 

其四

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

05saiko02

 

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

(洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

昔の洛陽の都に春のひかりがふりそそぎ、万遍なくさざ波が光きらめいていた。その後には女官、宮妓の媚艶のものたちの初夜を過したことがたくさん積み重なっている。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

世は入り混じった波の間のできごとであり、うす絹の靴を履いた女たちは軽やかに跳ね回っているし、香炉の煙が上ぶたの所で燻り、日に照らされた日々に、珠玉、ひすいのかざりにそれぞれに光を分けている。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

かぜにふかれてその宝玉に包まれた着物はうたがいをもっておどろうとおもう、鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている事に驚くのをこらえ堪えている。

これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。

女性詩人0053
 

 

『臨江仙七首其五』 現代語訳と訳註

(本文)

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

 

 

(下し文)

其五

素洛 春光 瀲灩【けんえん】平らにし,千重して 臉を媚び 初生す。

淩波 羅襪【らべつ】 勢い輕輕とする,煙籠 日照し,珠翠 半ば明を分【わか】つ。

風引 寶衣 疑って舞わんと欲す,鸞迴り 鳳翥して 驚きを堪ゆ。

也【また】知る 心許し 成らんとするを恐れる無し,陳王の辭賦,千載 聲名有り。

 

 

(現代語訳)

(洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

昔の洛陽の都に春のひかりがふりそそぎ、万遍なくさざ波が光きらめいていた。その後には女官、宮妓の媚艶のものたちの初夜を過したことがたくさん積み重なっている。

世は入り混じった波の間のできごとであり、うす絹の靴を履いた女たちは軽やかに跳ね回っているし、香炉の煙が上ぶたの所で燻り、日に照らされた日々に、珠玉、ひすいのかざりにそれぞれに光を分けている。

かぜにふかれてその宝玉に包まれた着物はうたがいをもっておどろうとおもう、鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている事に驚くのをこらえ堪えている。

これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。

 

 魚玄機2長安洛陽中原地図

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其五

(洛陽の宮城には女の悲しいこと、果たせぬ恋もあったということを詠う)

 

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

昔の洛陽の都に春のひかりがふりそそぎ、万遍なくさざ波が光きらめいていた。その後には女官、宮妓の媚艶のものたちの初夜を過したことがたくさん積み重なっている。

素洛 白い牡丹の花。昼間の洛水。昔の洛陽。

瀲灩 水の満ちあふれるさま。また、さざなみが光りきらめくさま。

千重 たくさん重なること。

媚臉 1 なまめかしくする。色っぽい。「媚態・媚薬」2 こびへつらう。「佞媚(ねいび)3 あでやかで美しい。臉:頭の前面,額からあごまでの部分を指し)顔.

 

 

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

世は入り混じった波の間のできごとであり、うす絹の靴を履いた女たちは軽やかに跳ね回っているし、香炉の煙が上ぶたの所で燻り、日に照らされた日々に、珠玉、ひすいのかざりにそれぞれに光を分けている。

淩波 入り混じる波。乱れた波。

襪 袜()()。靴下袜パンティ‐ストッキング.线袜木綿の靴下.袜套 wàtào[](~儿)靴下カバー,くるぶしから下の靴下.袜筒 wàtǒng[](~儿)靴下の足首から上の部分.

珠翠 真珠とひすい(翡翠)の装飾品

 

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

かぜにふかれてその宝玉に包まれた着物はうたがいをもっておどろうとおもう、鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている事に驚くのをこらえ堪えている。

鳳翥 ・鸞翔鳳翥 鸞が飛んで、鳳凰がはばたいている。

韓愈『石鼓歌』

公從何處得紙本,毫髮盡備無差訛。

辭嚴義密讀難曉,字體不類隸與科。

年深豈免有缺畫,快劍斫斷生蛟鼉。

鸞翔鳳翥眾仙下,珊瑚碧樹交枝柯。

石鼓歌 韓愈 韓退之(韓愈)詩<97-#3>Ⅱ中唐詩524 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1662

 

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

これらのことは心を許せる人であっても体を一つにすることなど恐れることはないということは分かっている。それを魏の曹植が「神洛賦」にあらわした、千年たってもそのことは有名なことだ。

心許 心許せる全幅の信頼を持つ人、家臣。謝靈運『廬陵王墓下作』「延州協心許,楚老惜蘭芳。」寿夢の末子、季札は心を許す家臣徐君のように多くのすぐれた家臣をもっていた、楚の老人、龔勝の忠君は蘭芳の美徳としておしまれた。(ここでいう家臣は謝霊運、自らや顔延之を指している。)

孟浩然・王維・李白に影響を与えた山水詩人、謝霊運<5> 廬陵王墓下作 #2 詩集 360

陳王 陳留王の曹植。領土をもらい、王に封ぜられる八王と連なり並ぶ王たちのことを言う。(汝南王、楚王、趙王、斉王、長沙王、河間王、成都王、東海王)

辭賦 「楚辞」の形に基づく、やや散文に近い韻文。戦国時代の楚に興り、漢代に発展し、宮殿の壮観、都城の繁華、狩猟の豪遊などを描いた。ここは、魏の曹植のことで曹丕の甄后に対しての恋心を云うものである。洛神賦 - 兄嫁を愛した詩人・曹植、魏晋南北朝。
 漢魏隋唐の洛陽城

10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572

(牛希濟)≪臨江仙七首其四≫ 長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。



2014年1月9日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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班孟堅(班固)《東都賦》(2)#1-2 文選 賦<112―50>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩1004 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3568
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
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《贈別元十八協律,六首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <917>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3569韓愈詩-232-3
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Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ743廣徳2年764-1 《韋諷錄事宅觀曹將軍畫馬圖-#3》 蜀中転々 杜甫 <652>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3570 杜甫詩1000-652-908/1500
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Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572
 
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『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572

 

      
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 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      
 

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

花蕊夫人006
 

其四

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

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『臨江仙七首 其四』 現代語訳と訳註

(本文)

其四

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

 

 

(下し文)

其四

江は黃陵を繞き 春廟 閑かなり,嬌鶯は獨り語る 關關と。

庭に滿ち 綠苔の斑を重疊す,雲は陰をなし事無く,四散して 自ら山に歸る。

簫鼓の聲稀れにして 香燼冷む,月娥 盡く彎環するを斂む。

風流 皆道う 人間にる勝を,須く 狂客を知る,判死 紅顏を為す。

 

曉鶯001
 

(現代語訳)

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

 

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其四

(霊廟近くの聖女祠、女妓のところに通う男を詠う。)

 

江繞 黃陵 春廟閑,嬌鶯 獨語 關關。

長江によって取り巻かれた黄陵にも春けしになり、黄帝の霊廟は静まり返っている。近くには艶めかしく春を告げる鶯の声だけが、男女の和する際の鳴き声だけが、聞こえてくる。

黃陵 黄帝陵:陝西省延安市黄陵県に位置する陵墓遺跡である。中華民族の始祖とされる黄帝は、伝説によれば薨去の際に衣服と冠だけを残して昇天したといわれ、「衣冠塚」と呼ばれる。三皇五帝の伝説に基づく中国古代の理想の皇帝。三皇と、黄帝・顓頊(せんぎよく)・帝嚳(ていこく)・唐尭(とうぎよう)・虞舜(ぐしゆん)の五帝。諸説がある。陵に通じる石道の右側には「下馬石」があり、上には「文武官員至此下馬」と書かれている。陵の近くには「漢武仙台」がある。伝説によれば漢の武帝が匈奴への北伐から帰還したとき、黄帝陵に立ち寄り、祭祀を主宰して築造したものだという。

嬌鶯 艶めかしい声の鶯。聖女祠、芸妓のこと。

關關 オスとメスの和する際の鳴き声の形容。『詩経、国風、周南、關』「關關雎鳩, 在河之洲。 窈窕淑女, 君子好逑。」 

 

滿庭 重疊 綠苔斑,陰雲 無事,四散 自歸山。

黄帝陵の庭園には緑の苔の斑点が幾重にも重なり合っていっぱいに広がっている。そこには男たちが雲のようにあつまって影を暗くしているが何事も問題にはならない。やがて、雲散霧消して、自ずから帰っていき山の中に消えていく。

四散 四方に散ってちりぢりになること。別々に分かれること。[] dispersion[使い方]〔雲散〕スル▽それぞれの不安が雲散する▽雲散霧消(=散らばって消えてしまうこと)

 

簫鼓 聲稀 香燼冷,月娥 斂盡 彎環。

しだいに、笛と太鼓の音も稀になり聞えなくなったし、香炉に焚かれていたのに消えてしまった。月の嫦娥は彎環の吟として繰り返すだけの生活に眉間にしわをあつめるだけなのだ。

簫鼓 簫とつづみ。笛と太鼓。簫史と弄玉との故事。

《「十八史略」五帝の「鼓腹撃壌(こふくげきじょう)」の故事から》天下太平で衣食が足り万民が生活を楽しむことをいう。鼓腹。

簫鼓聲稀香燼冷 白居易の著した『李夫人詩』に記された「反魂香」の故事に基づいたもの。前漢の武帝は亡くした李夫人を偲ぶことしきりだったので、あるとき道士に霊薬をつくらせてその香を焚いてみると、はたして彼女の魂が反ってきたかのように李夫人の姿が煙の内に見えたという。

月娥 月そのものを美女と呼んだことから来る月の別名。嫦娥伝説からくるものである。嫦娥(じょうが、こうが)は、中国神話に登場する人物。后羿の妻。姮娥とも表記する。『淮南子』覧冥訓によれば、もとは仙女だったが地上に下りた際に不死でなくなったため、夫の后羿が西王母からもらい受けた不死の薬を盗んで飲み、月に逃げ、蝦蟇になったと伝えられる。別の話では、后羿が離れ離れになった嫦娥をより近くで見るために月に向かって供え物をしたのが、月見の由来だとも伝えている。道教では、嫦娥を月神とみなし、「太陰星君」さらに「月宮黄華素曜元精聖後太陰元君」「月宮太陰皇君孝道明王」と呼び、中秋節に祀っている。「嫦」は「姮」の異体字で同じ意味である。前漢の文帝の名が「恒」であるため、字形のよく似た「姮」を避諱して「嫦」を用いるようになった。日本では百姓読みにより旁の「常」から「じょう」と読まれるようになったが、本来の読み通りに「こう」と読む場合もある。

彎環 彎環の吟(わんかんのこえ)」 まわり まわる環状線くるり くるり輪を廻る果てない願いを吟(うた)うことをいう。

 

風流 皆道 勝人間,須知 狂客,判死 為紅顏。

このような風流な場所に来ればみんながこの世のものとして一番良いものであるというだろう。ここに來る病み付きになった旅客者は誰もっが知っていることだ。こんなことがよくわかればたとえ死んだとしても、きっと青年のような顔をしているだろう。

風流 今使われている中世以降の人目を驚かすために華美な趣向を凝らした意匠を指し、婆娑羅や数寄とともに侘び・寂びと対峙する存在として認識された用語とは若干異なる。以下の詩が参考になろう。

范靖婦沈満願『戯蕭娘』

明珠翠羽帳、金薄綠綃帷。

因風時蹔擧、想像見芳姿

凊晨插歩揺、向晩解羅衣。

託意風流子、佳情詎肯私。

戯蕭娘 范靖婦沈満願 宋詩<120>玉台新詠集巻四 女性詩 557 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1488

moon5411
 

10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567

(牛希濟)≪臨江仙七首其三≫(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。



2014年1月8日 の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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《贈別元十八協律,六首之一》韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <916>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3564韓愈詩-232-2
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ743廣徳2年764-1 《韋諷錄事宅觀曹將軍畫馬圖-#2》 蜀中転々 杜甫 <651>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3565 杜甫詩1000-651-907/1500743
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ248 《直鉤吟》盧仝 中唐詩  kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3566 (01/08)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
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孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
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10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567 

 

 

      
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 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
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 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
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 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
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 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

花蕊夫人006
 

 

『臨江仙七首 其三』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙七首 其三

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

 

(下し文)

(臨江仙七首 其の三)

渭闕 宮城 秦樹凋ち,玉樓 獨り上りて無憀す。

情を含みて自ら吹簫を語らず,調情して恨を和み,天路 風飄を逐う。

何事ぞ龍に乘り入り忽ち降り,知るに似たり 深意 相い招くを。

三清 手を攜えて路 遙ならざる,世間 屏障,彩筆 嬌饒の劃【かく】す。

 

(現代語訳)

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

だけど、心に情愛の気持ちを持てば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてくれてその道を行くから、はるか遠いとおもうことはないのである。この世の中にはいろんな障壁があるものであり、しかしここでは、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく区切られた世界があることである。

鳳翔から華山長安付近
 

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其三

(手を携えてゆけば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだと詠う。)

花間集においては花街を仙郷と呼び、そこの女たちを巫女であったり、女神と表現される。この詩ではそうした語句を使わないで、故事や伝説を使って妓女を詠っている。前段は、秦の咸陽を取り上げ、秦の穆公の時代、長安の西、鳳翔に都をおいていたころの故事を詠い、言葉よりもその情愛、思い続けることで互いに愛し合えるものと云い、後段、愛し合えばどこへでも飛んで行けるものだし、女祠、巫女、道教の神と手を携えれば人間社会の障壁なんか何もなくなる世界に行けるのだ、と詠っている。

 

渭闕 宮城 秦樹 凋,玉樓 獨 上 無憀。

渭水の傍にさかえた秦の都、その宮城とそれらを見守ってきた大木の秦樹も時が去れば凋落するものだ。きらびやかに輝いている高楼に一人登ってみるとそこからははっきりと見えて來るものはない。

渭闕 秦の咸陽の宮殿。

秦樹 秦から始まり漢、隋、唐とその都の姿をずっと見守ってきた京兆の木樹をいう。

無憀 心が晴れやかにならない。悲しんだり、恨んだりすることはない。

 

含情 不語 自 吹簫,調情 和恨,天路 逐 風飄。

心に情愛を持っていれば、秦の穆公の時、「蕭史あり、善く簫を吹く。」とあり、簫を吹くだけで語り合うことはなかったが、情愛を共調することになり、怨みを和ませることになる。そして二人は天への道を登っていきついには風に乗りひらひらと行ってしまう。

吹簫  簫史と弄玉との故事。 『列仙伝』に「簫史者、秦穆公時人也。善吹簫、穆公有女號弄玉、好之、遂以妻焉。遂教弄玉作鳳鳴。居數十年、吹似鳳凰、鳳凰來止其屋、為作鳳臺、夫婦止其下。不數年、一旦隨鳳凰飛去。」(秦の穆公の時、蕭史あり、善く簫を吹く。公の女弄玉これを好む。公もって奏す。遂に弄玉に教へて鳳鴫をなす。居ること数年、吹くに鳳凰の声あり。鳳来ってその星に止まる。公、為に鳳台を作る。夫妻その上に止りしが、一旦、みな鳳凰に随って飛去す)とみえる。・霊妃 秦の穆公の女の弄玉。
春秋時代、秦の穆公に弄玉というむすめがあった。帯の名手の蒲史を愛したので穆公は二人を夫婦にした。弄玉は夫から蒲の吹き方を教わり、鳳の鳴き声が吹けるようになり、その音につられて鳳がやってくるようになった。後に斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、二人とも天上にのぼったという伝説がある。

風飄 風によってひらひらと飛び散るさま。

 

何事 乘龍 入忽降,似知 深意 相招。

何事があったのかと云えば、斎史は竜に乗り、弄玉は鳳に乗って、入っていき、そして降りて行ったのだ。これらの話で類似していることは、意志を深く持つことであり、たがいにまねきいれることなのである。

 

三清 攜手 路非遙,世間 屏障,彩筆 劃 嬌饒。

道教の最高神格の「三清」は手を携えてその道を行くならばはるか遠いということはないのである。この世の中はいろんな障壁があるものであり、彩り豊かな筆でもって美しく艶めかしく描くことである。

三清(さんせい)は、道教の最高神格のこと。「太元」を神格化 ... 老君)の三柱。 それぞれ道教における天上界の最高天「玉清境」「上清境」「太清境」に住し、この三天のことも「三清」と呼ぶ。道観(道教寺院)にはしばしば「三清殿」と称する三清を祀る建物がある。

屏障 屏障の意味や日本語訳。ピンインpíngzhàng1名詞 (場所・国家の守りとなる山脈・島・河川を指し)防壁,障壁.用例燕 yān 山是北京的天然屏障。=燕山は北京の自然の障壁である.

嬌饒 うつくしくなまめかしいさま。・董嬌饒 美人名。指美人。後漢の宋子侯の「董嬌饒」詩(『玉臺新詠』巻1)この詩中では桑摘女の名前とされ、花の命よりも人の情けは、儚いものであることを言う。

10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562

臨江仙七首其二(牛希濟) 芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。



2014年1月7日 の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
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 ID作品名作者 
 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

張舍人泌

臨江仙一首

毛文錫(毛司徒文錫)

臨江仙一首

牛學士希濟

臨江仙七首

歐陽舍人炯

臨江仙二首

(顧太尉

臨江仙三首

孫少監光憲

臨江仙二首

魏太尉承班

臨江仙二首

閻處士選

臨江仙二首

毛秘書熙震

臨江仙二首

李秀才珣

臨江仙二首

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】  ⅩⅫ唐五代詞・ 「花間集」 Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

臨江仙一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-373-8-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3412

 

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

其三

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

 

其四

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

 

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

 

其六

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

 

其七

洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

haqro04
 

 

『臨江仙七首 其二』 現代語訳と訳註

(本文)

其二

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

 

(下し文)

(臨江仙七首 其二)

謝家 仙觀 雲岑に寄り,岩蘿 地を拂い陰を成す。

洞房 白雲深くするも閉らず,時に當って丹竈なり,一粒 黃金に化す。

石壁 霞衣 猶お半ば挂り,松風 長じて鳴琴に似たり。

鶴に唳す時間なりて 前林に起き,十洲 高會,何處にか相い尋ねんことを許すや?

 

(現代語訳)

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

 

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其二

(女のもとを訪ねる男の気持ちを詠う。)

古代は河を船で旅するもので、宿場、寺観には女妓がいた。臨江仙はそこにいる女性について、男目線で詠ったものである。初めの二句は景色を幻影的表現しながら、上句は男性について、下句は女性の描写である。「仙觀」「雲岑」「岩蘿」「成陰」「洞房」「白雲深」「丹竈」「一粒」「黃金」「松風」「鳴琴」「唳鶴」など、すべて性に関する陰語である。四聯の下句だけは性描写ではなくて故事などを引用して締めくくるものである。

 

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

芸妓を携えるべく色男は女妓のいる仙郷寺観にむかうが、そこは雲がかかり厳しく聳えているところである。岩場に垂れる蘿は岩場や地面に箒で掃いたような跡を残し、木々に絡んで日を遮り陰を暗くしている。

謝家 恋人の女性側の家。謝は、東晋の才媛・謝道韞のことで彼女の姓。こよなく可愛い女性の意で使われている。謝道韞とは、魏晋時代随一の才女といわれた東晋・謝安の姪の謝道韞のこと。謝安は姪の謝道韞をこよなく可愛がったというが、謝安や謝靈運を云う場合もある。この頃は男が女の所へ通うか、女を囲うものであるから、女の家であろう。

温庭筠『更漏子』

柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。

驚寒雁,起城烏,畫屏金遮

香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。

紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。

『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-15-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676

薛濤『酬郭簡州寄柑子』「霜規不讓黃金色,圓質仍含御史香。何處同聲情最異,臨川太守謝家郎。」

酬郭簡州寄柑子 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-192-58-#52  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2507

韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

『寄人』 現代語訳と訳註

寄人

別夢依依到謝家 小廊迴合曲闌斜。

多情只有春庭月, 猶爲離人照落花。

寄人 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞 Gs-361-7-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3352

仙觀 仙郷・寺観には女妓がいた。駆け込み寺という概念は棄てられた女、喰うに困った場合、寺観に併設された娼屋で働く、若ければ巫女アイドルのような存在にもなった。韓愈『華山女』『石鼓詩』に詠われている。

蘿 ヒカゲノカズラは、ヒカゲノカズラ植物門に属する代表的な植物である。蘿という別称もある。広義のシダ植物ではあるが、その姿はむしろ巨大なコケを思わせる。閨怨詩ではうす絹をまとった女性をあらわす語である。。

 

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

女仙人の居る、洞房は白雲が深く垂れこめているが閉まってはいない。丁度いま、不老不死の薬、丹薬を釜戸で練っており、その一粒は黄金に変わっていくのだろう。

丹竈 道士卽ち方術の士の靈藥を煉る竈 カマド

 

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

石の壁にはうす絹の着物がかけられたようにもやがかかり、岩場に立つ松を風が抜けると琴が爪弾かれたような音が長くひびいてくる。

半挂 うすきぬがとばりとしてたれかけられている様子。

 

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

時が来ると鶴が起きてきて林の前で鳴くだけでおどろくような生活をし、東方朔『海内十洲記』の中で高尚な出会いがあったようなことやなにかを、何処にあるのか尋ねたいけどだれに聞けばよいのだろうか。

唳鶴 鶴が鳴くこと。また、その声。「風声鶴唳」。《戦いに敗れた前秦の苻堅(ふけん)の軍が風の音や鶴の鳴き声などにも驚き騒いで敗走したという「晋書」謝玄伝の故事から》おじけづいた人が、少々のことに驚くことのたとえ。

十洲 東方朔『海内十洲記』の中で十州の旅行記でたとえば海内十洲記』の中の「鳳麟洲」の記載に以下のようにある。

「周穆王の時、西胡が、昆吾割玉刀と夜光常満杯を献上してきた。刀の長さは一尺であり、杯は、三升が入る大きさであった。刀が玉を切るときには、泥を切るようであり、杯は伯玉の精であり、光は明るく夜を照らすようであった。」夜光杯(やこうはい)は玉で作られた杯であり、中国甘粛省酒泉の特産の一つである。東方朔は下界に住む仙人のように描かれることとなった。唐代の詩人李白は彼のことを「世人不識東方朔、大金門是謫仙」と褒め称えている。
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10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557

臨江仙七首其一 (牛希濟)ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

2014年1月6日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
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10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557

 

 

張舍人泌

臨江仙一首

毛文錫(毛司徒文錫)

臨江仙一首

牛學士希濟

臨江仙七首

歐陽舍人炯

臨江仙二首

(顧太尉

臨江仙三首

孫少監光憲

臨江仙二首

魏太尉承班

臨江仙二首

閻處士選

臨江仙二首

毛秘書熙震

臨江仙二首

李秀才珣

臨江仙二首


      
 ID作品名作者 
 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      
 

 

臨江仙七首

其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。


 

其二

謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。

洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。

石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。

時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

 

其三

渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。

含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。

何事乘龍入忽降,似知深意相招。

三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

 

其四

江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。

滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。

簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。

風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

 

其五

素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。

淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。

風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。

也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

 

其六

柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。

鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。

輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。

水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

 

其七

洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。

此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。

萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。

橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

王屋山00
 

 

臨江仙七首』 現代語訳と訳註

(本文) 臨江仙七首

其一

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。 

 

(下し文)

(臨江仙七首 其の一)

峭碧 參差 十二峯,冷煙 寒樹 重重たり。

 宮殿 是れ仙蹤なり,金鑪 珠帳,香靄 晝に偏りて濃く。

一つに自ら楚王 夢斷れて驚く,人間 路無く相い逢う。

今に至るも雲雨 愁容を帶び,月斜きて江の上り,棹を征し晨鐘を動かす。

 

(現代語訳)

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

(訳注)

臨江仙

唐の教坊の曲名。『花間集』には初めに示した表のとおり、二十六首所収。牛希濟の作は七首収められている。双調五十八字、前後段二十九字五句三平韻で、7⑥⑦4⑤/7⑥⑦4⑤の詞形をとる。

張泌『臨江仙一首』

煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。

五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。

翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。

古祠深殿,香冷雨和風。

(湘江の女神、娥皇と女英の所縁の地を巡り、そこにいる道妓を思いを詠う。)

臨江仙 一首 張泌【ちょうひつ】ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」Gs-349-7-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3292

 

臨江仙七首 其一

(三峡の巫峡を下る際に立ち寄った聖女の祠で夢かうつつかの時を過ごして神に見守られて急流を下っていく。)

蜀中転々圖
 

峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。

緑色をして高くけわしい峰が入り乱れて聳える巫山の十二の峯峯をのぞむ。薄雲が冷たくかかり、寒気は木樹に重々しく蔽っている。

○峭碧 緑色をして高くけわしい峰。

李白『尋蕹尊師隠居』「群峭碧摩天、逍遥不記年。」(群がるほどの峰は、緑色をして、天をこするほどの高さだ。法師はここできままな生活をしつつ、何年棲んでいるのか分らない。)

參差・参差 いり乱れている形。

薛濤『江月樓』「秋風仿佛江冷,鷗鷺參差夕陽影。 垂虹納納臥譙門,雉堞耽耽俯漁艇。 陽安小兒拍手笑,使君幻出江南景。」(悲秋を感じさせる風が吹き始め、簡州の江月楼からの眺めは、あたかも江南の江を眺めているようななのだ。川辺にかもめやさぎがいり乱れてあちこちに、この風景でわたしは夕陽の残光の中に、じっと動かないでいるのです。

江月樓 薛濤  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-241-107-#97  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2587

〇十二峯 巫山の十二の峯々。巫山の十二の峯峯。独秀、筆峰、集仙、起雲、登龍、望霞、聚鶴、棲鳳、翠屏、盤龍、松巒、仙人を指す。

皇甫松『天仙子二首(其一)

晴野鷺鷥飛一隻,水花發秋江碧。

劉郎此日別天仙,登綺席,淚珠滴,

十二晚峯高歷歷。

末句の十二峯は、.坐山の著名な十二の峯のことで、坐山の神女が楚の懐王と夢の中で契りを交わして別れ去った故事に関わる山。ここでは、男女の別離を連想させる働きをしている。

天仙子二首其一 皇甫松 ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-375-6-#67  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3422

巫山一段雲一首 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-372-8-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3407

 

宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。

巫山の宮殿には姫巫女が踊り、ここの仙郷といわれる女の館に足を踏み入れる。金の飾りの香炉があり、宝飾のとばりに飾られている。お香が焚かれているここには昼というのに霞が濃く漂っている。

 

一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。

ここに一たび入ってしまうと自然の内に宋玉『高唐の賦』にいう楚王の故事のように夢を見ていて驚いては醒めてしまう。人間の社会というものには決まった道はなくただこの日の今のために逢瀬を楽しむことなのだ。

楚王

 

至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

今になって思うのは楚王と巫女の化身である「雲雨」をおもうと愁いを持った顔つきななっている。月は西に下り始めて長江の水面に遷す。急流になって船の棹を制御して下るといつしか明け方の鐘の音が聞こえてくる。

 

楚王:蜀の国。ここの巫山県の東部に巫山がある。「巫山雲雨」で男女の交情をいう。現・四川省のこと。

・多雲雨:多情である。雲雨:男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。

宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

杜甫『水檻遣心二首』其の2 「蜀天常夜雨,江檻已朝晴。葉潤林塘密,衣幹枕席清。不堪支老病,何得尚浮名?淺把涓涓酒,深憑送此生。」楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させるが蜀では夜雨が降る。

李商隠『細 雨』「帷飄白玉堂、簟巻碧牙牀。楚女昔時意、蕭蕭髪彩涼。」(やわらかに風に翻るとばりは、白い玉の輝く堂を包んでいる。あるいは竹の敷物は、冷やかに碧く光る象牙の牀に拡げられている。巫山の神女はその身をささげたあの時の気持ちを秘めて今もいる、粛々と黒髪を一層色濃くし涼やかにしている。

・無覓處:探しようがない。漂いやがて消えてゆくガスのような雲なので、探しようがない。

『清平楽』

何處遊女,蜀國多雲雨。

雲解有情花解語,窣地綉羅金縷。

妝成不整金鈿。含羞待月鞦韆。

住在綠槐陰裏,門臨春水橋邊。

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 蜀の山001

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牛希濟≪酒泉子≫ 逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。
 

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李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
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10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552


      
 ID作品名作者 
 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      
 

 

酒泉子

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

去年書,今日意,斷離腸。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

 

 

『酒泉子一首』 現代語訳と訳註

(本文) 酒泉子

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

去年書,今日意,斷離腸。

 

(下し文)

(酒泉子)

枕轉し簟涼し,清曉の遠鐘 夢を殘す。

月光 斜にして、簾影 動く,舊鑪の香。

夢中の 盡く相いに事を思い,纖手 雙淚を勻う。

去年の書,今日の意,離れしこと腸を斷つがごとし。

 

(現代語訳)

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

魚玄機0005

 

(訳注)

酒泉子一首

『花間集』には牛希濟の作は一首収められている。双調四十三字、前段二十字五句二平韻二仄韻、後段二十三字五句二平韻で、④❼3❸③/⑦733③の詞形をとる。

花間集 『酒泉子』

溫助教庭筠

酒泉子四首

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子二

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

牛學士希濟           酒泉子一首

(女性の孤閏の悲しみを詠う。)

末尾の、「去年書,今日意,斷離腸」と、女性の孤独を際立たせている。

 

 

 

 

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

閨の寝牀に横になると、プレゼントの高級な簟の敷物の上なのでとても涼やかで快適です。別れの日の朝未だ来の空に遠くで五更の鐘が響いてきます。それでも愛する人と一緒の夢を見ていたいとおもうのです。

簟涼 竹または葦で編んだ敷き物。夏期ベッドの上に敷いて涼をとるシーツに似た寝具で、竹を編んで作る。夏はその上に寝ると、涼しい。立派な高級品である。ここは、春から夏を過ぎようとする頃まで愛し合ったという意味でこの語を使う。

『酬李學士寄簟』「珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。」

酬李學士寄簟 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-76--# 804_8 【酬李學士寄簟】魚玄機  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブロ1921

魚玄機『寄飛卿』 「階砌亂蛩鳴,庭柯煙露清。月中鄰樂響,樓上遠山明。珍簟涼風著,瑤琴寄恨生。嵇君懶書劄,底物慰秋情。」

寄飛卿 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-104-39-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2067

清曉 旅に出る、仕事は夜明け前に出発するので、しらじらし始める時間帯を云う。

遠鐘 間もなく夜明けであるという夜の最後の時、五更を知らせる鐘の音。

殘夢 ここでは、二人で過ごす時間を後わずかでも、もう少しでも一緒に過ごしたいということ。夢の名残という場合もあるが、ここは違う。

 

月光斜、簾影動,舊鑪香。

名残の月は傾いて月影を落とし、眠れぬ夜、うとうとする間に簾の陰もさびしく動くだけ、これまでずっと一緒に楽しんでいた香炉にも香が消えそうでもいいのです。

月光斜、簾影動 月が簾越しに入って來る、月が西に傾いて、簾の陰が動くのがわかる。この語で、眠れずに月影を見ているということ。

舊鑪香 ここでいう舊はこれまで二人で使ったという意味で、思い出に浸っている様子をあらわす。

 

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

逢いに来てくれないので夢のなかで一緒に話し、過ごすだけなのです、それでもあのひとのことをおもいだして過ごすだけの毎日なのです。か細くたおやかな手でふた筋の涕の後を拭い取ってもあとから流れて消えることがないのです。

纖手 かぼそくたおやかな女の手。

勻雙淚 ふた筋の涕を手で拭い乾くかと思えば次に涙が流れてまた吹くというさまをいう。

 

去年書,今日意,斷離腸。

去年の書簡をまた読んで、今日は思うことだけしかできません、別れていったあの日過ごしたことが思い出されて心は苦しく悶えて腸がはち切れそうなのです。

去年書,今日意 

斷離腸 別れる日の情事の官職を思い出すことで悶え苦しむことを云う。閨怨詩での「断腸」は心が痛んではらわたがはち切れそうということではなく、性交渉をある期間経験した者が全くそういった接触がなくなったことを云うものということでなければ、詩全体の意味は薄いものになってしまうのだ。

tsuki04

 

溫助教庭筠

酒泉子四首

韋相莊

酒泉子一首

牛嶠(牛給事嶠)

酒泉子一首

張舍人泌

酒泉子

毛文錫(毛司徒文錫)

酒泉子一首

牛學士希濟

酒泉子一首

(顧太尉

酒泉子七首

孫少監光憲

酒泉子三首

毛秘書熙震

酒泉子二首

李秀才珣

酒泉子四首

 

温庭筠

 

酒泉子四首

其一

花映柳條,吹向綠萍池上。

凭闌干,窺細浪,雨蕭蕭。

近來音信兩疎索,洞房空寂寞。

掩銀屏,垂翠箔,度春宵。

 

其二

日映紗窗,金鴨小屏山碧。

春,煙靄隔,背蘭缸。

宿妝惆悵倚高閣,千里雲影薄。

草初齊,花又落,燕雙雙。

 

其三

楚女不歸,樓枕小河春水。

月孤明,風又起,杏花稀。

玉釵斜篸雲鬟髻,裙上金縷鳳。

八行書,千里夢,鴈南飛。

 

其四

羅帶惹香,猶繫別時紅豆。

淚痕新,金縷舊,斷離腸。

一雙嬌燕語彫梁,還是去年時節。

綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

 

 

韋荘

 

酒泉子

月落星沉,樓上美人春睡。

綠雲傾,金枕膩,畫屏深。

子規啼破相思夢,曙色東方纔動。

柳煙輕,花露重,思難任。

 

 

牛嶠

 

酒泉子

記得去年,煙暖杏園。

花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。

鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。

鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

 

張泌

 

酒泉子二首

其一

春雨打,驚夢覺來天氣曉。

畫堂深,紅焰小,背蘭缸。

酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。

舊巢中,新鷰子,語雙雙。

 

 

其二

紫陌青門,三十六宮春色。

御溝輦路暗相通,杏園風。

咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。

插花走馬落殘紅,月明中。

 

 

 

毛文錫

 

酒泉子

綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。

蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。

柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。

海棠花下思朦朧,醉香風。

 

 

 

牛希濟

 

酒泉子

枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。

月光斜、簾影動,舊鑪香。

夢中盡相思事,纖手勻雙淚。

去年書,今日意,斷離腸。

 

 

 

顧夐

 

酒泉子七首

 

其一

楊柳舞風,輕惹春煙殘雨。

杏花愁,鶯正語,畫樓東。

錦屏寂寞思無窮,還是不知消息。

鏡塵生,珠淚滴,損儀容。

 

其二

羅帶縷金,蘭麝煙凝魂斷。

畫屏欹,雲鬢亂,恨難任。

幾迴垂淚滴鴛衾,薄情何處去。

登臨,花滿樹,信沉沉。

 

其三

小檻日斜,風度綠人悄悄。

翠幃閑掩舞雙鸞,舊香寒。

別來情緒轉難判,韶顏看卻老。

依稀粉上有啼痕,暗銷魂。

 

其四

黛薄紅深,約掠綠鬟雲膩。

小鴛鴦,金翡翠,稱人心。

錦鱗無處傳幽意,海鷰蘭堂春又去。

隔年書,千點淚,恨難任。

 

其五

掩卻菱花,收拾翠鈿休上面。

金蟲玉鷰鏁香奩,恨猒猒。

雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。

恨燈背帳夢方酣,鴈飛南。

 

其六

水碧風清,入檻細香紅藕膩。

謝娘斂翠恨無涯,小屏斜。

堪憎蕩子不還家,謾留羅帶結。

帳深枕膩炷沉煙,負當年。

 

其七

黛怨紅羞,掩映畫堂春欲暮。

殘花微雨隔青樓,思悠悠。

芳菲時節看將度,寂寞無人還獨語。

畫羅襦,香粉,不勝愁。

 

 

孫光憲

 

酒泉子三首

其一

空磧無邊,萬里陽關道路。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

 

其二

曲檻小樓,正是鶯花二月。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

 

其三

斂態前,裊裊雀釵頸。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

 

 

 

 

毛熙震

 

酒泉子二首

其一

閑臥繡幃,慵想萬般情寵。

錦檀偏,翹股重,翠雲欹。

暮天屏上春山碧,映香煙霧隔。

蕙蘭心,魂夢役,斂蛾眉。

 

其二

鈿匣舞鸞,隱映豔紅脩碧。

月梳斜,雲鬢膩,粉香寒。

曉花微斂輕呵展,裊釵金鷰軟。

日初昇,簾半掩,對殘粧。

 

 

李秀才珣

 

酒泉子四首

其一

寂寞青樓,風觸繡簾珠翠撼。

月朦朧,花暗澹,鏁春愁。

尋思往事依稀夢,淚臉露桃紅色重。

鬢欹蟬。釵墜鳳,思悠悠。

 

其二

雨清花零,紅散香凋池兩岸。

別情遙,春歌斷,掩銀屏。

孤帆早晚離三楚,閑理鈿箏愁幾許?

曲中情,絃上語,不堪聽。

 

其三

秋雨聯綿,聲散敗荷叢裏。

那堪深夜枕前聽,酒初醒。

牽愁惹思更無停,燭暗香凝天欲曉。

細和煙,冷和雨,透簾中。

 

其四

秋月嬋娟,皎潔碧紗外。

照花穿竹冷沉沉,印池心。

凝露滴,砌蛩吟,驚覺謝娘殘夢。

夜深斜傍枕前來,影徘徊。

 嘉陵江111111





 

10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547

牛希濟≪謁金門一首≫ 薄霧という、心のかよわない男との接触はあるけれども、私の思いは灯火一つ紅き炎のように揺らぐことはないのです。だけど、翡翠の嫦娥であるこの私も寄る年波に、愁いがますばかり、いまでは眉を曇らせて黙し語り、はなす気力さえなくなっているのです。


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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選雑詩 上 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
主に花間集から
温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
皇甫松 10首 採蓮子二首  其一 皇甫松  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-307-5-#61  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3082
牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3  牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547

 

 

牛希済(牛學士希濟、咸通十三年頃(872年頃~末詳)、隴西(今の甘粛省隴西)の人。牛嶠の兄の子。前蜀に仕えて起居郎、翰林学士、御史中丞等の職を歴任、同光三年(925年)、後唐によって蜀が滅ぼされると、後唐に降り洛陽に入った。後唐の明宗が、蜀の旧臣に「蜀主、巨唐に降る」という詩を作らせると、みな蜀主の荒淫をそしったが、年希済だけは蜀主非難の言葉を吐かなかったので、明宗は彼を蕹州〔今の陝西省西安の西北、鳳翔の西)の節度副使に任じた。『花間集』には十一首の詞が収められている。

 

 

唐五代・詞人-10 牛學士希濟十一首

      
 ID作品名作者 
 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

杏の白花012
 

 

謁金門一首

(歳を重ね、自信喪失し、悲しみにおし黙ったままあきらめの境地になっている女を詠う。)

秋已暮,重疊關山岐路。

秋ももう終わりになろうとしている、私の所へ来てくれるみちは、重なる山々があり、関所がたくさんで、その上岐山という山に遮られて帰ることが難しいのでしょう。

嘶馬搖鞭何處去,曉禽霜滿樹。

鞭を振って嘶く駒に跨がってお行きなられたのは何処の街だったのでしょう。春を告げてくれた曉鶯の鳴いてくれた、あの木々にはいまは冷たい霜が満ちてしまっている。

夢斷禁城神皷,淚滴枕檀無數。

皇城の中で逢瀬を過す夢は、寺観の鐘鼓の音に破られるのです、気付けば枕にはしとどに涙がこぼれて濡れているのです。

一點凝紅和薄霧,翠蛾愁不語。

薄霧という、心のかよわない男との接触はあるけれども、私の思いは灯火一つ紅き炎のように揺らぐことはないのです。だけど、翡翠の嫦娥であるこの私も寄る年波に、愁いがますばかり、いまでは眉を曇らせて黙し語り、はなす気力さえなくなっているのです。

 王屋山00

 

謁金門一首』 現代語訳と訳註

(本文)

秋已暮,重疊關山岐路。

嘶馬搖鞭何處去,曉禽霜滿樹。

夢斷禁城神皷,淚滴枕檀無數。

一點凝紅和薄霧,翠蛾愁不語。

 

 

(下し文)

秋 已に暮れ,重疊【ちょうじょう】たる關山の岐路。

嘶く馬 鞭を搖らし何處にか去る,曉の禽 霜 樹【きぎ】に滿つ。

夢は禁城の神皷【しんこ】に断たれ,淚 枕檀【しんだん】に滴【したた】るは無數なり。

一點の凝紅【ぎょうこう】薄霧に和み,翠蛾 愁いに語れず。

 

(現代語訳)

(歳を重ね、自信喪失し、悲しみにおし黙ったままあきらめの境地になっている女を詠う。)

秋ももう終わりになろうとしている、私の所へ来てくれるみちは、重なる山々があり、関所がたくさんで、その上岐山という山に遮られて帰ることが難しいのでしょう。

鞭を振って嘶く駒に跨がってお行きなられたのは何処の街だったのでしょう。春を告げてくれた曉鶯の鳴いてくれた、あの木々にはいまは冷たい霜が満ちてしまっている。

皇城の中で逢瀬を過す夢は、寺観の鐘鼓の音に破られるのです、気付けば枕にはしとどに涙がこぼれて濡れているのです。

薄霧という、心のかよわない男との接触はあるけれども、私の思いは灯火一つ紅き炎のように揺らぐことはないのです。だけど、翡翠の嫦娥であるこの私も寄る年波に、愁いがますばかり、いまでは眉を曇らせて黙し語り、はなす気力さえなくなっっているのです。

 

 

(訳注)

謁金門一首

『花間集』には牛希濟の作が一首収められている。双調四十五字、前段二十一字四句四仄韻、後段二十四字四句四仄韻で、❸❻❼❺❻❻❼❺の詞形をとる。韋荘・薛昭蘊の謁金門の解説参照。

韋相莊

謁金門二首

薛侍郎昭蘊

謁金門一首

牛學士希濟

謁金門一首

孫少監光憲

謁金門一首

 

韋荘『謁金門二首 其一』 

春漏促,   金燼暗挑殘燭。

一夜簾前風撼竹,夢魂相斷續。

有個嬌嬈如玉,夜夜繡屏孤宿。

閒抱琵琶尋舊曲,遠山眉黛綠。

101 謁金門二首 其一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-280-5-#34  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2947

韋荘『謁金門二首 其一』 

空相憶,  無計得傳消息。

天上嫦娥不識,寄書何處覓。

新睡覺來無力,不忍把伊書跡。

滿院落花春寂寂,斷腸芳草碧。

謁金門二首 其二 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-259-5-#13  漢文員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2677

薛昭蘊『謁金門』

春滿院,疊損羅衣金線。

睡覺水精簾未捲,簷前雙語鷰。

斜掩金鋪一扇,滿地落花千片。

早是相思腸欲斷,忍教頻夢見。

9 14 謁金門 (薛昭)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-390-9-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3497

牛希濟『謁金門一首』

(歳を重ね、自信喪失し、悲しみにおし黙ったままあきらめの境地になっている女を詠う。)

【解説】 ①関所の山を越えて都に行った男を思う仏教、道教寺観の女妓(聖女祠)、妾が、捨てられたような状況にある女の心情を詠う。②辺境にある男を思う女の情を詠うということでは、軽い。牛希摧隴西(今の甘粛省隴西)の人。蕹州〔今の陝西省西安の西北、鳳翔の西)の節度副使であったことで、女の悲哀は、都に出る男に対して物が圧倒的に多かった。前段は、若い時に別れたこと、夢の中で去ってゆく男の後ろ姿を見送る場面をおもいだし、後段は、そのまま歳を重ね、また愛してくれるという夢が破られ、自信も喪失し、悲しみにおし黙ったままあきらめの境地になっている女を詠う。

 

秋已暮,重疊關山岐路。

秋ももう終わりになろうとしている、私の所へ来てくれるみちは、重なる山々があり、関所がたくさんで、その上岐山という山に遮られて帰ることが難しいのでしょう。

〇岐路 岐路ということではなく、岐山を抜け長安に向かう山道。シルクロード、都に向かう最終の交通の要衝。

 

嘶馬搖鞭何處去,曉禽霜滿樹。

鞭を振って嘶く駒に跨がってお行きなられたのは何処の街だったのでしょう。春を告げてくれた曉鶯の鳴いてくれた、あの木々にはいまは冷たい霜が満ちてしまっている。

 

夢斷禁城神皷,淚滴枕檀無數。

皇城の中で逢瀬を過す夢は、寺観の鐘鼓の音に破られるのです、気付けば枕にはしとどに涙がこぼれて濡れているのです。

○神皷 仏教、道教の寺観が多くあり、そこから時を告げる鐘や太鼓。

○枕檀 高級品の檀枕。檀木製の枕。

 

一點凝紅和薄霧,翠蛾愁不語。

薄霧という、心のかよわない男との接触はあるけれども、私の思いは灯火一つ紅き炎のように揺らぐことはないのです。だけど、翡翠の嫦娥であるこの私も寄る年波に、愁いがますばかり、いまでは眉を曇らせて黙し語り、はなす気力さえなくなっっているのです。

〇一点凍紅 じっと静止して揺れ動くことのない灯火の一点の紅い炎。女の男に対する思い。結局、女は何時までも、男のことを思い続けているものだ。女を借りて、男の願いを云うのである。帰っていくのは女の胸であるということを言っている。

○翠蛾 ここでは愁いを帯びた美女の意。嫦娥・姮娥と同じ意味で女儀を云う。地理的に李商隠「聖女祠」「重過聖女祠」など、多くとらえており、とくに古来より鳳翔、岐山、雍州では盛んであった。
agehacho01
 

10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542

牛希濟中興樂池の堤防にびっしり春の草が生えはじめる、水温む碧の池は晴れやかな光をすみずみにひたっている。そこに、ごうごうと辺り一面に軽やかに柳架が吹雪のように舞うきせつがくる。紅の花の蕊はやがてしぼんでしまう頃に変わってしまい、あの人のことを酔うて見る夢がしだいに稀になってきた。
 

2014年1月3日 の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
 
LiveDoorブログ
班孟堅(班固)《西都賦》(44)#17(狩猟後の饗宴と昆明地ⅱ)-1 文選 賦<112―44>18分割55回 Ⅱ李白に影響を与えた詩998 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3538
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
 
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《瀧吏》嶺南行(4)-6韓愈(韓退之) Ⅱ中唐詩 <911>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3539韓愈詩-236
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集  LiveDoorブログ739 《惠義寺送王少尹赴成都〔得峰字。〕〔草堂逸詩拾遺-(15)〕》 蜀中転々 杜甫 <646>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3540 杜甫詩1000-646-902/1500〔草堂逸詩拾遺-(15)〕
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2ブログ243 《石佛谷》 韓愈 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞 fc2ブログ 3541 (01/03)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542
 
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安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html 
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ーhttp://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
魚玄機 詩 全首130回賦得江邊柳 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-65-1-#五言律詩  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1876
薛濤 詩詞全首100 井梧吟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-136-8-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2227
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温庭筠 70首『菩薩蠻 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-1-1-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1620
韋荘 50首 菩薩蠻 一 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩花間集Gs-247-5-#1  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2617
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牛嶠  20首 女冠子四首 其一 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-312-5-#66  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3107
『花間集』継続中 
杜甫全詩韓愈全詩李白全集文選花間集 古詩源 玉台新詠

 

10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542

 

 

牛希済(牛學士希濟、咸通十三年頃(872年頃~末詳)、隴西(今の甘粛省隴西)の人。牛嶠の兄の子。前蜀に仕えて起居郎、翰林学士、御史中丞等の職を歴任、同光三年(925年)、後唐によって蜀が滅ぼされると、後唐に降り洛陽に入った。後唐の明宗が、蜀の旧臣に「蜀主、巨唐に降る」という詩を作らせると、みな蜀主の荒淫をそしったが、年希済だけは蜀主非難の言葉を吐かなかったので、明宗は彼を蕹州〔今の陝西省西安の西北)の節度副使に任じた。『花間集』には十一首の詞が収められている。

 

 

唐五代・詞人-10 牛學士希濟十一首

      
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 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首  
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

 

 

中興樂

池塘暖碧浸晴暉,濛濛柳絮輕飛。

池の堤防にびっしり春の草が生えはじめる、水温む碧の池は晴れやかな光をすみずみにひたっている。そこに、ごうごうと辺り一面に軽やかに柳架が吹雪のように舞うきせつがくる。

紅蘂凋來,醉夢還稀。

紅の花の蕊はやがてしぼんでしまう頃に変わってしまい、あの人のことを酔うて見る夢がしだいに稀になってきた。

春雲空有鴈歸,珠簾垂。

春の空に雲浮かんでいると思っていたら、文を届けることもしないで雁が空しく帰ってしまう。珠簾は垂れたままで開かれることはない。

東風寂寞,恨郎擲,淚羅衣。

また来た春風はさびしく空しく吹いてくる。私を棄てた浮気男の「劉郎」は恨みだけがのこっている、そして涙があふれて薄絹の肌着衣は濡らすだけなのだ。

 

(中興樂)

池塘 暖かく碧にして 晴暉を浸し,濛濛【もうもう】たる柳絮輕やかに飛び。

紅蘂【こうずい】凋【しぼ】み來たりて,醉夢 還た稀なり。

春雲 空しく鴈の歸る有り,珠簾 垂る。

東風 寂寞たり,郎が擲【ほうてき】を恨み,淚 羅衣を【うるお】す。

曉鶯001
 

 

『中興樂』 現代語訳と訳註

(本文)

中興樂

池塘暖碧浸晴暉,濛濛柳絮輕飛。

紅蘂凋來,醉夢還稀。

春雲空有鴈歸,珠簾垂。

東風寂寞,恨郎擲,淚羅衣。

 

(下し文)

(中興樂)

池塘 暖かく碧にして 晴暉を浸し,濛濛【もうもう】たる柳絮輕やかに飛び。

紅蘂【こうずい】凋【しぼ】み來たりて,醉夢 還た稀なり。

春雲 空しく鴈の歸る有り,珠簾 垂る。

東風 寂寞たり,郎が【ほうてき】を恨み,淚 羅衣を【うるお】す

 

(現代語訳)

池の堤防にびっしり春の草が生えはじめる、水温む碧の池は晴れやかな光をすみずみにひたっている。そこに、ごうごうと辺り一面に軽やかに柳架が吹雪のように舞うきせつがくる。

紅の花の蕊はやがてしぼんでしまう頃に変わってしまい、あの人のことを酔うて見る夢がしだいに稀になってきた。

春の空に雲浮かんでいると思っていたら、文を届けることもしないで雁が空しく帰ってしまう。珠簾は垂れたままで開かれることはない。

また来た春風はさびしく空しく吹いてくる。私を棄てた浮気男の「劉郎」は恨みだけがのこっている、そして涙があふれて薄絹の肌着衣は濡らすだけなのだ。

 

(訳注)

中興樂

『花間集』には二首所収。牛希済の作は一首収められている。双調四十二字、前段二十一字四句三平韻、後段二十一字五句三平韻で、⑦⑥4④/⑥③44④の詞形をとるD

毛文錫(毛司徒文錫)

中興樂一首

牛學士希濟

中興樂一首

【解説】 男に打ち捨てられたままの女性の恨みを詠う。前段は、ふけゆく春に、愁い悲しみを忘れるために酒に酔うて眠りに入っても、意中の人の夢すら見ることができなくなってしまったことを言う。後段は、雲浮かぶ空を渡る雁も彼の人からの手紙を届けてくれず、物寂しく春風の吹く中、独り関に籠もって、打ち捨てて顧みぬ男に対する恨みを訴える。女性は好き勝手に外出できない時代であるために、思い浮かべるだけが女性ができることであった。

柳絮01
 

池塘暖碧浸晴暉,濛濛柳絮輕飛。

池の堤防にびっしり春の草が生えはじめる、水温む碧の池は晴れやかな光をすみずみにひたっている。そこに、ごうごうと辺り一面に軽やかに柳架が吹雪のように舞うきせつがくる。

池塘 池。

温庭筠『荷葉杯 其一』

一點露珠凝冷,波影,滿池塘。

綠莖紅艷兩相亂,腸斷,水風涼。

荷葉盃 三首 其一 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-304-5-#58  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3067

謝霊運 『登池上樓』

初景革緒風,新陽改故陰。

池塘生春草,園柳變鳴禽。」

登池上樓 #1 謝靈運<25>#1  詩集 395 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1002

柳架 綿毛の生えた柳の種。

 

紅蘂凋來,醉夢還稀。

紅の花の蕊はやがてしぼんでしまう頃に変わってしまい、あの人のことを酔うて見る夢がしだいに稀になってきた。

酔夢還稀 酒の力を借りて酔って眠り、愛しい人を夢に見ようとしても、愁いや悲しみのために、なかなか寝付けないことを言う。女性は好き勝手に外出できない時代であるために、思い浮かべるだけが女性ができることであった。

 

春雲空有鴈歸,珠簾垂。

春の空に雲浮かんでいると思っていたら、文を届けることもしないで雁が空しく帰ってしまう。珠簾は垂れたままで開かれることはない。

春雲空有雁帰 雁が南に旅立った男の便り(雁書)を届けることなく、春の雲の浮かぶ空を北に向かって帰ってゆくこと。雁書:雁は手紙の使者を意味する。温庭筠『酒泉子』の「雁南飛」

温庭筠『酒泉子 (四)』

楚女不歸,樓枕小河春水。

月孤明,風又起,杏花稀。

斜簪雲鬟重,裙上金縷鳳。

八行書,千裏夢,雁南飛。

『酒泉子』四首() 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-24-3-#4 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1720

 

東風寂寞,恨郎擲,淚羅衣。

また来た春風はさびしく空しく吹いてくる。私を棄てた浮気男の「劉郎」は恨みだけがのこっている、そして涙があふれて薄絹の肌着衣は濡らすだけなのだ。

恨郎拗榔 あなた(男)が私を捨てたのが恨めしい、の意。郎は女性が愛しい男性を呼ぶ時の 「あなた」。拗班は打ち捨てる。

劉郎 別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 


劉禹錫『再遊玄都觀』


百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。


種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。


再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742


白居易『贈薛濤』



蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。


若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。


贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202


牛嶠『女冠子 其三』



星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮


明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。


醮壇春艸綠,藥院杏花香。


青鳥傳心事,寄劉郎


女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127


牛嶠『夢江南二首 其二』


紅繡被,兩兩間鴛鴦。


不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎


夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 


○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。


江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

杏の花001
 

10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537

子一首(牛希濟)別離の場面。別れても、他の女と夜を共にしてもそれは女のことを思いながらであるということを詠う)別れ前に多くの言葉をかわした、だけど思いはどうしても果てはしない。振り向いてまた語ろうとする。


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10 -1 子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1  牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537

 

 

牛希済(牛學士希濟、咸通十三年頃(872年頃~末詳)、隴西(今の甘粛省隴西)の人。牛嶠の兄の子。前蜀に仕えて起居郎、翰林学士、御史中丞等の職を歴任、同光三年(925年)、後唐によって蜀が滅ぼされると、後唐に降り洛陽に入った。後唐の明宗が、蜀の旧臣に「蜀主、巨唐に降る」という詩を作らせると、みな蜀主の荒淫をそしったが、年希済だけは蜀主非難の言葉を吐かなかったので、明宗は彼を蕹州〔今の陝西省西安の西北)の節度副使に任じた。『花間集』には十一首の詞が収められている。

 

 

唐五代・詞人-10 牛學士希濟十一首

      
 ID作品名作者 
 ■ 牛學士希濟(牛希濟【ぎゅうきさい】)十一首 
 1五巻10 -1 生查子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-398-10-#1 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3537牛希濟 
 2五巻10 -2 中興樂一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-399-10-#2  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3542牛希濟 
 3五巻10 -3 謁金門一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-400-10-#3 牛學士希濟十一首 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3547牛希濟 
 4五巻10 -4 酒泉子一首 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-401-10-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3552牛希濟 
 5五巻10 -5 臨江仙七首其一 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-402-10-#5  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3557牛希濟 
 6五巻10 -6 臨江仙七首其二 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-403-10-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3562牛希濟 
 7五巻10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567牛希濟 
 8五巻10 -8 臨江仙七首其四 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-405-10-#8  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3572牛希濟 
 9五巻10 -9 臨江仙七首其五 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-406-10-#9  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3577牛希濟 
 10五巻10 -10 臨江仙七首其六 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-407-10-#10  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3582牛希濟 
 11五巻10 -11 臨江仙七首其七 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-408-10-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3587牛希濟 
      

 

子一首

(別離の場面。別れても、他の女と夜を共にしてもそれは女のことを思いながらであるということを詠う)
春山煙欲收,天澹稀星小。

春の山、朝霞は消えかかろうとしている、空白々と淡くなり、星はちいさくなり数もまばらになってきた。
月臉邊明,別淚臨清曉。

明け方の空に残った未練の月に沈んだ心で鏡に映る頬は白い。そして、眼には涙があふれるので、顔を挙げて朝未だきの空を臨みみる。

語已多,情未了,迴首猶重道:

別れ前に多くの言葉をかわした、だけど思いはどうしても果てはしない。振り向いてまた語ろうとする。

記得綠羅裙,處處憐芳草。

汝が身に着く緑のスカートすがどうしても忘れることはない、だから、行く先々で若草を見たなら、君のことを思いだして憐れに思い夜を過ごすことだろう。 

春爛漫の美女007
 

『生子一首』 現代語訳と訳註

(本文)

子一首

春山煙欲收,天澹稀星小。

殘月臉邊明,別淚臨清曉。

語已多,情未了,迴首猶重道:

記得綠羅裙,處處憐芳草。

 

(下し文)

子一首

春山 煙 收まらんと欲し,天 澹【あわ】く 稀星 小さし。

殘月 臉邊【けんぺん】に明らかに,別淚 清曉に臨む。

 

語ること 已に多きも,情 未だ 了【つ】きず,首を迴らして 猶お 重ねて道【い】う。

記【おぼ】え得【い】ぬ  緑羅の裙を,處處 芳草を憐れまんと。

 

(現代語訳)

(別離の場面。別れても、他の女と夜を共にしてもそれは女のことを思いながらであるということを詠う)

春の山、朝霞は消えかかろうとしている、空白々と淡くなり、星はちいさくなり数もまばらになってきた。

明け方の空に残った未練の月に沈んだ心で鏡に映る頬は白い。そして、眼には涙があふれるので、顔を挙げて朝未だきの空を臨みみる。

別れ前に多くの言葉をかわした、だけど思いはどうしても果てはしない。振り向いてまた語ろうとする。

汝が身に着く緑のスカートすがどうしても忘れることはない、だから、行く先々で若草を見たなら、君のことを思いだして憐れに思い夜を過ごすことだろう。

 

 

(訳注)

子一首

『花間集』 には七首所収。牛希済の作は一首収められている。双調四十一字、前段二十字四句三仄韻、後段二十一字五句三仄韻で、❺❺5❺/3❸❺5❺の詞形をとる。

張舍人泌

子一首

牛學士希濟

子一首

孫少監光憲

子三首

魏太尉承班

子二首

 

(別離の場面。別れても、他の女と夜を共にしてもそれは女のことを思いながらであるということを詠う)

前段は、情景に重きを置いて夜明けの別れの場面を描写、後段は、同じ別れの場面を情を中心に描写する。末尾、男は「御身の緑のスカートは眼の底に焼き付いて離れ

ることなく、これから旅先で録の若草に出会ったならば、御身と思って愛しもう」と女性に対して語る。「芳草を憐れまん」は、普通、男が旅先で他の女性に心を寄せる意で用いられるもので、この時代の男はこんなものであるということ、一夫多妻制で、女は旅のそれで男が寂しく一人で居ることはない、私を思い出して他の女を抱くのは決して悪いことではないということである。

 杏の花01

春山煙欲收,天澹稀星小。

春の山、朝霞は消えかかろうとしている、空白々と淡くなり、星はちいさくなり数もまばらになってきた。

春山:春山煙が消えていく。春山は行楽を連想させるもの、遠くの山に囲まれた遠くの青い山。

煙:かすみ、もや。 

煙欲収:話が今にも消えそうである。欲は今にも〜しそうだ、の意。・欲收:収まろうとしている。宵の春霞が、消えようとしている。雲、煙、靄は男性の意味を持っていて、これが消えるということは、女のもとからいなくなることをイメージする。

天澹:空が白む。空が薄ぼんやりと明るくなってくる。空が暁けてくる。「天淡」ともする。 

稀星:疎らな星影。小:夜明け前の明るくなってきたことで、星影が小さく見えるようになったことをいう。

 

殘月臉邊明,別淚臨清曉。

明け方の空に残った未練の月に沈んだ心で鏡に映る頬は白い。そして、眼には涙があふれるので、顔を挙げて朝未だきの空を臨みみる。

残月 夜明けの空に懸かる月。明け方の空に残った未練の月で、月の半ば過ぎた希望の持てない月を意味する。新月から満月までは恋の希望を持った月である。夜眠れなくて朝を迎えると名残の月を見るというのである。

清曉:あさまだき。夜明け前に別れることが基本であることで、夜明け前に朝廷に入り、夜が明けると仕事が始まる。

 

語已多,情未了,迴首猶重道:

別れ前に多くの言葉をかわした、だけど思いはどうしても果てはしない。振り向いてまた語ろうとする。

情未了:思いは尽きない。情は、まだ終わろうとはしない。 ・情:情愛。想い。 

迴首:ふり返る。かうべをめぐらす。回首ともする。 ・猶:なおも。 

重道:重ねて言う。繰り返して言う。

 

記得綠羅裙,處處憐芳草。

汝が身に着く緑のスカートすがどうしても忘れることはない、だから、行く先々で若草を見たなら、君のことを思いだして憐れに思い夜を過ごすことだろう。

記待緑羅裙、処処憐芳草。 御身の緑のスカートは忘れはしない、行く先々で緑の若草に出会ったならば、御身と思って愛しもう、の意。

この詩とシチュエーションを同じようにする韋荘『望遠行』

欲別無言倚畫屏、含恨暗傷情。

謝家庭樹錦鶏鳴、残月落邊城。

 

人欲別、馬頻噺、綠槐千里長堤。

出門芳草路萋萋、雲雨別來易東西。

不忍別君後、却入旧香閏。

(望遠行)

別れんと欲して 言 無く 画屏に倚る、恨みを含みて 暗に情を傷ましむ。

謝家の庭樹 錦鶏 鳴き、残月 辺城に落つ。

 

人 別れんと欲し、馬 頻に嘶く、緑槐 千里の艮堤。

門を出づれば 芳草 路に妻萎たり、雲雨 別れてより來 東西なり易し。

忍びず 君と別れし後、却って旧の香閨に入るに。

100 望遠行 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-285-5-#39  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2972

 (あの人のことを遠くに望む歌)

別れをしようというころ、言葉なくこの部屋の絵屏風に身を寄せるだけで、恨みを抱き人知れず心悲しむだけなのです。

折しも豪邸の謝家のような庭の樹に錦鶏は時を告げます、名残の月は田舎の町の城壁にまさに落ちています。

あの人は去ってゆこうとしています、馬はしきりに声高く鳴いています。花が咲く前のエンジュの大樹か千里にわたって植わっている堤がながくつづいています。

この門を出てしまえば旅路の道に若草茂るし、女の人もいるというものです。巫山の神女と夢の中で情を交わしたように睦まじくした仲も別れてはたちまち東と西にはなれてしまうのです。

忍ぶことができないことはこのひとが去った後は、このひとと過ごした閏に入るだけなのですが、それがつらいことなのです。

8 -11 喜遷鶯一首 毛文錫(毛司徒文錫)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-397-8-#11  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3532

毛文錫≪喜遷鶯一首≫ 春の行楽に呼ばれなくなったおんなは夜も眠れず、朝方うとうととしていて急に朝日が昇り、高窓の紗を照らしたので急に明るくなった部屋で鳥の鳴き声を聞くのがもう怖くなってしまっている。あれほど鴛鴦の暖かさで愛してくれていたのに捨てられてしまったことがこんなことだったのかと驚かされるのである。
 

2014年1月1日  の紀頌之5つのブログ
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8 -11 喜遷鶯一首 毛文錫(毛司徒文錫)Ⅹ唐五代詞・「花間集」 Gs-397-8-#11   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3532

 

花間集の中で喜遷鶯は六首以下のとおりである。

韋相莊(韋荘)

喜遷鶯二首

薛侍郎昭蘊(薛昭蘊)

喜遷鶯三首

毛文錫(毛司徒文錫)

喜遷鶯一首

 

 波眼蝶0055

 

喜遷鶯一首

(「鶯遷」といわれ、出世する男に棄てられた女を詠う)

芳春景,曖晴煙,喬木見鶯遷。

芳しい香りが風に乗って來る春の景色、晴れあがっているが春霞に覆われてぼんやりしている。どこかから飛んできた鶯が高い木にとまっている。

傳枝偎葉語關關,飛過綺叢間。

林の木々の外れの音が聞こえその音に合わせて寄り添うように鳥たちがなごやかに啼いている。飛び立ったかと思うと奇麗な草むらの間に入っていく。

錦翼鮮,金毳軟,百囀千嬌相喚。

その鳥の翼は錦織のようにあざやかに輝き、金色に輝く柔らかな鳥の腹毛なのである、だから、よってたかってすりよってきて「ももさえずり」するは、千の艶めかしく、愛嬌をふりまかれているし、おおきな声で互いを呼び合ったりしている。

碧紗曉怕聞聲,驚破鴛鴦暖。

春の行楽に呼ばれなくなったおんなは夜も眠れず、朝方うとうととしていて急に朝日が昇り、高窓の紗を照らしたので急に明るくなった部屋で鳥の鳴き声を聞くのがもう怖くなってしまっている。あれほど鴛鴦の暖かさで愛してくれていたのに捨てられてしまったことがこんなことだったのかと驚かされるのである。

 

芳しき春景,曖かな晴煙,喬木 鶯遷を見る。

傳枝 偎葉 關關と語り,飛びて綺叢の間を過る。

錦翼 鮮かに,金毳 軟かにす,百囀 千嬌 相いに喚す。

碧紗の曉 聲を聞くを怕れ,驚き破れるは鴛鴦の暖。

 

 

『喜遷鶯一首』 現代語訳と訳註

(本文)

喜遷鶯一首

芳春景,曖晴煙,喬木見鶯遷。

傳枝偎葉語關關,飛過綺叢間。

錦翼鮮,金毳軟,百囀千嬌相喚。

碧紗曉怕聞聲,驚破鴛鴦暖。

 

(下し文)

芳しき春景,曖かな晴煙,喬木 鶯遷を見る。

傳枝 偎葉 關關と語り,飛びて綺叢の間を過る。

錦翼 鮮かに,金毳 軟かにす,百囀 千嬌 相いに喚す。

碧紗の曉 聲を聞くを怕れ,驚き破れるは鴛鴦の暖。

 

 

(現代語訳)

(「鶯遷」といわれ、出世する男に棄てられた女を詠う)

芳しい香りが風に乗って來る春の景色、晴れあがっているが春霞に覆われてぼんやりしている。どこかから飛んできた鶯が高い木にとまっている。

林の木々の外れの音が聞こえその音に合わせて寄り添うように鳥たちがなごやかに啼いている。飛び立ったかと思うと奇麗な草むらの間に入っていく。

その鳥の翼は錦織のようにあざやかに輝き、金色に輝く柔らかな鳥の腹毛なのである、だから、よってたかってすりよってきて「ももさえずり」するは、千の艶めかしく、愛嬌をふりまかれているし、おおきな声で互いを呼び合ったりしている。

春の行楽に呼ばれなくなったおんなは夜も眠れず、朝方うとうととしていて急に朝日が昇り、高窓の紗を照らしたので急に明るくなった部屋で鳥の鳴き声を聞くのがもう怖くなってしまっている。あれほど鴛鴦の暖かさで愛してくれていたのに捨てられてしまったことがこんなことだったのかと驚かされるのである。

曉鶯001
 

 

(訳注)

喜遷鶯一首

またの名を喜選鶯令、鶴冲天、鶴冲霽、燕帰来、燕帰梁、早梅芳、春光好などという。“花間集」には韋荘の詩二首収められている。双調四十七字、前段二十三字五句五平韻、後段二十四字五句二仄韻二平韻で、③③⑤⑦⑤/3❸❻⑦⑤の詞形をとっている。

(「鶯遷」といわれ、出世する男に棄てられた女を詠う)

前段は春行楽に出世開度に乗った男に愛され、女自身も有頂天、良い暮らしをしていたが、更に出世していくと、後段、モテモテ男となっていき、女は年増になって、行楽に呼ばれなくなってしまう、眠れぬ夜を過ごし、高窓に日が射す夜明けが怖く厭になったという女を詠う。

 

芳春景,曖晴煙,喬木見鶯遷。

芳しい香りが風に乗って來る春の景色、晴れあがっているが春霞に覆われてぼんやりしている。どこかから飛んできた鶯が高い木にとまっている。

芳春景 芳しい香りが風に乗って來る春の景色。

曖晴煙 はっきりせず、ぼんやりしているさま。あやふやなさま。春の朧な様子。

喬木 高木(こうぼく)は、植物学の用語で、木本のうち、樹高が5mを超える植物のことである。10m未満のものを小高木、20mを超えるものを大高木と呼ぶこともある。広義(一般)では、高木(こうぼく、たかぎ)は丈の高い(人の背丈以上の)木をいう。 喬木(きょうぼく) 

鶯遷 鶯が谷から出て大きな木に移ること。転じて、立身出世すること。進士の試験に及第すること。地位の変化により女を棄てることを意味する。

 

傳枝偎葉語關關,飛過綺叢間。

林の木々の外れの音が聞こえその音に合わせて寄り添うように鳥たちがなごやかに啼いている。飛び立ったかと思うと奇麗な草むらの間に入っていく。

傳枝 葉が重なり伝わるように、鬱蒼とした様子ではない。

偎葉 ぴったり寄り添う,寄り掛かる, 偎依寄り掛かる.

關關 一羽でなくいろんな多くの鳥がなごやかに啼くこと。

 

錦翼鮮,金毳軟,百囀千嬌相喚。

その鳥の翼は錦織のようにあざやかに輝き、金色に輝く柔らかな鳥の腹毛なのである、だから、よってたかってすりよってきて「ももさえずり」するは、千の艶めかしく、愛嬌をふりまかれているし、おおきな声で互いを呼び合ったりしている。

錦翼 錦織のように輝くつばさ。立身出世して雲の上の存在になる様子。

李白、樂府『雉子斑』〔設辟邪伎鼓吹雉子斑曲辭〕

辟邪伎作鼓吹驚,雉子班之奏曲成,喔咿振迅欲飛鳴。

扇錦翼,雄風生。

雙雌同飲啄,趫悍誰能爭。

乍向草中耿介死,不求黃金籠下生。

天地至廣大,何惜遂物情。

善卷讓天子,務光亦逃名。

所貴曠士懷,朗然合太清。

金毳 金の細くてやわらかい毛、金色に輝く柔らかな鳥の腹毛。

百囀 ももさえずり。多くの人が一気にしゃべっていること。数多くさえずること。

千嬌 千の艶めかしく、愛嬌をふりまく。あでやか。なまめかしい。この句は出世した男に女たちがすり寄ってくる様子をいう。

相喚1 大声で呼ぶ。わめく。「喚呼・喚声/叫喚」2 呼び出す。

 

碧紗曉怕聞聲,驚破鴛鴦暖。

春の行楽に呼ばれなくなったおんなは夜も眠れず、朝方うとうととしていて急に朝日が昇り、高窓の紗を照らしたので急に明るくなった部屋で鳥の鳴き声を聞くのがもう怖くなってしまっている。あれほど鴛鴦の暖かさで愛してくれていたのに捨てられてしまったことがこんなことだったのかと驚かされるのである。

 うす絹を張った窓。

曉 高窓に夜明けの横に入る日差しが窓を照らす。夜眠れず、朝方うとうととしていて急に朝日が昇り、高窓の紗を照らしたので急に明るくなった様子を云う。

毛文錫『紗窓恨』

恨二首 其一

新春鷰子還來至,一雙飛。

壘巢泥濕時時墜,涴人衣。

後園裏看百花發,香風拂,繡金扉。

月照紗,恨依依。

紗窗恨 毛文錫【もうぶんせき】  ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-368-8-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3387
DCF00104

 

 

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