玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

2015年12月

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
   玉臺新詠 概要 目録・目次 http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/list1.html

12孫光憲《巻八22更漏子二首其一》『花間集』374全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7142

孫光憲  更漏子二首其一

聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。扃繡,下珠簾,滿庭噴玉蟾。

人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。雲雨態,蕙蘭心,此情江海深。

(富貴の家の歌妓が今夜は歌っていない。漏刻の音がしっかり聞えるし、雁の啼くのも聞こえた。奥座敷で二人が交わっているからだと詠う。)

真夜中を過ぎて時を知らせる漏刻の音が聴こえてくると寒さが増してくる、遠くの方で雁が鳴いていくのが聞える。歌妓のあの娘も真夜中過ぎれば奥の閨にいる。中庭のあるその家の飾られた扉には閂で戸締まりをしている。庭には珠簾の草花を植えてあり、月の光があふれる様に照らしている。誰もいなくて人声などなく、唐なども焚かれず閨は冷え切ったままだ。蝋燭の火が赤く半ば垂らした戸帳を照らし、あの子が待っていたそこに清々しい影が映っている。二人は「高唐賦」の雨と雲とに化身し交わった。最高の蕙蘭のような心情であろうと思うし、この気持ちは長江を流れ、滄海のうみのふかさというべきかもしれない。

12孫光憲《巻八22更漏子二首其一》『花間集』374全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7142

 

 
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花間集 教坊曲『更漏子』十六首

溫庭筠

巻一15更漏子六首其一柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。驚塞鴈,起城烏,畫屏金鷓鴣。香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。

溫庭筠

巻一16更漏子六首其二星斗稀,鐘鼓歇,簾外曉鶯殘月。蘭露重,柳風斜,滿庭堆落花。虛閣上,倚蘭望,還似去年惆悵。春欲暮,思無窮,舊歡如夢中。

溫庭筠

巻一17更漏子六首其三金雀釵,紅粉面,花裡暫如相見。知我意,感君憐,此情須問天。香作穗,成淚,還似兩人心意。山枕膩,錦衾寒,覺來更漏殘。

溫庭筠

巻一18更漏子六首其四相見稀,相憶久,眉淺淡烟如柳。垂翠幕,結同心,待郎燻繡衾。城上月,白如雪,蟬髩美人愁。宮樹暗,鵲橋橫,玉籤初報明。

溫庭筠

巻一19更漏子六首其五背江樓,臨海月,城上角聲嗚咽。堤柳動,島煙昬,兩行征鴈分。西陵路,歸帆渡,正是芳菲欲度。銀燭盡,玉繩低,一聲村落雞。

溫庭筠

巻一20更漏子六首其六玉鑪香,紅蠟淚,偏照畫堂秋思。眉黛薄,髩雲殘,夜長衾枕寒。梧桐樹,三更雨,不道離情正苦。一葉葉,一聲聲,空階滴到明。

韋莊

巻三23更漏子鐘皷寒,樓閣暝,月照古桐金井。深院閉,小庭空,落花香露紅。煙柳重,春霧薄,燈背水高閣。閑倚,暗沾衣,待郎郎不歸。

牛嶠

巻四11更漏子三首其一 星漸稀,漏頻轉,何處輪臺聲怨。香閣掩,杏花紅,月明楊柳風。挑錦字,記情事,惟願兩心相似。收淚語,背燈眠,玉釵橫枕邊。

牛嶠

巻四12更漏子三首其二 春夜闌,更漏促,金燼暗挑殘燭。驚夢斷,錦屏深,兩明月心。閨艸碧,望歸客,還是不知消息。辜負我,悔憐君,告天天不聞。

牛嶠

巻四13更漏子三首其三南浦情,紅粉淚,爭柰兩人深意。低翠黛,卷征衣,馬嘶霜葉飛。招手別,寸腸結,還是去年時節。書托鴈,夢歸家,覺來江月斜。

毛文錫

巻五12 更漏子一首 春夜闌,春恨切,花外子規啼月。人不見,夢難憑,紅紗一點燈。偏怨別,是芳節,庭中丁香千結。宵霧散,曉霞輝,梁間雙鷰飛。

顧夐

巻七37 更漏子一首  舊歡,新悵望,擁鼻含嚬樓上。濃柳翠,晚霞微,江鷗接翼飛。簾半捲,屏斜掩,遠岫參差迷眼。歌滿耳,酒盈罇,前非不要論。

孫光憲

巻八22更漏子二首其一 聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。扃繡,下珠簾,滿庭噴玉蟾。人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。雲雨態,蕙蘭心,此情江海深。

孫光憲

巻八23更漏子二首其二 今夜期,來日別,相對秖堪愁。隈粉面,撚瑤簪,無言淚滿襟。銀箭落,霜華薄,牆外曉雞咿喔。聽付囑,惡情悰,斷腸西復東。

毛熙震

巻九43更漏子二首其一  秋色清,河影澹,深燭寒光暗。幌碧,錦衾紅,博山香融。更漏咽,蛩鳴切,滿院霜華如雪。新月上,薄雲收,映簾懸玉鉤

毛熙震

巻九44更漏子二首其二  煙月寒,秋夜靜,漏轉金壺初永。羅幕下,屏空,燈花結碎紅。人悄悄,愁無了,思夢不成難曉。長憶得,與郎期,竊香私語時

 

 

更漏子二首其一

(富貴の家の歌妓が今夜は歌っていない。漏刻の音がしっかり聞えるし、雁の啼くのも聞こえた。奥座敷で二人が交わっているからだと詠う。)

聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。

真夜中を過ぎて時を知らせる漏刻の音が聴こえてくると寒さが増してくる、遠くの方で雁が鳴いていくのが聞える。歌妓のあの娘も真夜中過ぎれば奥の閨にいる。

扃繡,下珠簾,滿庭噴玉蟾。

中庭のあるその家の飾られた扉には閂で戸締まりをしている。庭には珠簾の草花を植えてあり、月の光があふれる様に照らしている。

人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。

誰もいなくて人声などなく、唐なども焚かれず閨は冷え切ったままだ。蝋燭の火が赤く半ば垂らした戸帳を照らし、あの子が待っていたそこに清々しい影が映っている。

雲雨態,蕙蘭心,此情江海深。

二人は「高唐賦」の雨と雲とに化身し交わった。最高の蕙蘭のような心情であろうと思うし、この気持ちは長江を流れ、滄海のうみのふかさというべきかもしれない。

 

(更漏子二首 其の一)

寒更を聽けば,遠く鴈を聞く,半夜 蕭娘 深き院。

扃し,珠簾を下る,滿庭 玉蟾噴く。

人語 靜かにして,香閨 冷く,紅幕 半ば垂れて清影あり。

雲雨 態し,蕙蘭の心,此情 江海 深くす。

 

更漏子二首其二

今夜期,來日別,相對秖堪愁

隈粉面,撚瑤簪,無言淚滿襟。

銀箭落,霜華薄,牆外曉雞咿喔。

聽付囑,惡情悰,斷腸西復東。

pla029
 

 

『更漏子二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

更漏子二首其一

聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。

扃繡,下珠簾,滿庭噴玉蟾。

人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。

雲雨態,蕙蘭心,此情江海深。

 

(下し文)

(更漏子二首 其の一)

寒更を聽けば,遠く鴈を聞く,半夜 蕭娘 深き院。

扃し,珠簾を下る,滿庭 玉蟾噴く。

人語 靜かにして,香閨 冷く,紅幕 半ば垂れて清影あり。

雲雨 態し,蕙蘭の心,此情 江海 深くす。

 

(現代語訳)

(富貴の家の歌妓が今夜は歌っていない。漏刻の音がしっかり聞えるし、雁の啼くのも聞こえた。奥座敷で二人が交わっているからだと詠う。)

真夜中を過ぎて時を知らせる漏刻の音が聴こえてくると寒さが増してくる、遠くの方で雁が鳴いていくのが聞える。歌妓のあの娘も真夜中過ぎれば奥の閨にいる。

中庭のあるその家の飾られた扉には閂で戸締まりをしている。庭には珠簾の草花を植えてあり、月の光があふれる様に照らしている。

誰もいなくて人声などなく、唐なども焚かれず閨は冷え切ったままだ。蝋燭の火が赤く半ば垂らした戸帳を照らし、あの子が待っていたそこに清々しい影が映っている。

二人は「高唐賦」の雨と雲とに化身し交わった。最高の蕙蘭のような心情であろうと思うし、この気持ちは長江を流れ、滄海のうみのふかさというべきかもしれない。

朱槿花・佛桑華00
 

(訳注)

更漏子二首其一

(富貴の家の歌妓が今夜は歌っていない。漏刻の音がしっかり聞えるし、雁の啼くのも聞こえた。奥座敷で二人が交わっているからだと詠う。)

 

1.    更漏 漏壺であり、計時器をいう。 古代、滴漏計時に用いたもの, 夜間、漏刻に憑り更を傳える, 故に稱す。 唐の李肇が《唐國史補》卷中に漏刻を説明している。「 惠遠以山中不知更漏,乃取銅葉製器,狀如蓮花,置盆水之上,底孔漏水,半之則沈,每晝夜十二沈, 為行道之節, 雖冬夏短長, 雲陰月黑, 亦無差也。」

 

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十三字六句二仄韻二平韻、後段二十三字六句三仄韻二平韻で、336335/336335の詞形をとる。

更漏子二首其一

聽寒更,聞遠,半夜蕭娘深。扃繡,下珠,滿庭噴玉

人語靜,香閨,紅幕半垂清。雲雨態,蕙蘭,此情江海

△○△  △●● ●●○○△△ ○●● ●○○  ●○△●○

○●●  ○○△ ○●●○○●  ○●● ●○○  ●○○●△

 

聽寒更,聞遠鴈,半夜蕭娘深院。

真夜中を過ぎて時を知らせる漏刻の音が聴こえてくると寒さが増してくる、遠くの方で雁が鳴いていくのが聞える。歌妓のあの娘も真夜中過ぎれば奥の閨にいる。

2. 寒更 夜更けの薄ら寒い様を言いう。五更: 1 一夜を初更(甲夜)・二更(乙夜(いつや))・三更(丙夜)・四更(丁夜)・五更(戊夜(ぼや))に五等分した称。2 五更の第五。およそ現在の午前3時から午前5時、または午前4時から午前6時ころにあたる。寅(とら)の刻。戊夜。

3. 蕭娘 歌妓の名前。「唐娘」「謝娘」など六朝時代の女妓の一般呼称。民妓、家妓、美女や妓女、あるいは愛妾をいう。

沈満願『戯蕭娘』

明珠翠羽帳、金薄綠綃帷。

因風時蹔擧、想像見芳姿

凊晨插歩揺、向晩解羅衣。

託意風流子、佳情詎肯私。

(蕭娘を戯むる)

明珠【めいしゅ】翠羽【すいう】の帳【とばり】、金薄【きんぱく】綠綃【りょくしょう】の帷【い】。

風に因りて時に暫く擧がる、想像して芳姿を見る。

凊晨【せいしん】に歩揺を插【さしはさ】み、晩に向いて羅衣【らい】を解く。

意を託すは風流の子、佳情 詎【なん】ぞ肯えて私にせん。

戯蕭娘 范靖婦沈満願 宋詩<120>玉台新詠集巻四 女性詩 557 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1488

・謝家 民妓、家妓、美女や妓女、あるいは愛妾の棲む家。唐の李徳祐が豪邸を築いて謝秋娘を池のほとりの楼閣に住まわせたことによる。比喩する相手が特定される場合は、晋の謝安であったり、謝靈運、謝朓を示す場合もある。

 

扃繡,下珠簾,滿庭噴玉蟾。

中庭のあるその家の飾られた扉には閂で戸締まりをしている。庭には珠簾の草花を植えてあり、月の光があふれる様に照らしている。

4. 扃 (1) (外からの)かんぬき.(2) (を閉ざす)1 草が生い茂って道や入り口を閉ざすこと。「立ちとまり霧のまがきの過ぎうくは―にさはりしもせじ」〈源・若紫〉2 簡素な住まい。わび住まい。

5. 珠簾 1 玉で飾ったすだれ。また、すだれの美称。たまだれ。2 ヒガンバナ科の多年草。地下の鱗茎(りんけい)から細長い葉が群がって出る。夏、高さ約30センチの茎を出し、クロッカスに似た白い花をつける。

6.  激しくふく。

7. 玉蟾 【ぎょくせん】《月の中に三つ足の蟾(ヒキガエル)がいるという伝説から》月の異称。

 

人語靜,香閨冷,紅幕半垂清影。

誰もいなくて人声などなく、唐なども焚かれず閨は冷え切ったままだ。蝋燭の火が赤く半ば垂らした戸帳を照らし、あの子が待っていたそこに清々しい影が映っている。

 

雲雨態,蕙蘭心,此情江海深。

二人は「高唐賦」の雨と雲とに化身し交わった。最高の蕙蘭のような心情であろうと思うし、この気持ちは長江を流れ、滄海のうみのふかさというべきかもしれない。

8. 雲雨 男女の交情をいう。楚の襄王が巫山で夢に神女と契ったことをいう。神女は朝は巫山の雲となり夕べには雨になるという故事からきている。漂いやがて消えてゆくガスのような雲なので、探しようがない。

宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

杜甫『水檻遣心二首』其の2 「蜀天常夜雨,江檻已朝晴。葉潤林塘密,衣幹枕席清。不堪支老病,何得尚浮名?淺把涓涓酒,深憑送此生。」楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させるが蜀では夜雨が降る。

李商隠『細 雨』「帷飄白玉堂、簟巻碧牙牀。楚女昔時意、蕭蕭髪彩涼。」(やわらかに風に翻るとばりは、白い玉の輝く堂を包んでいる。あるいは竹の敷物は、冷やかに碧く光る象牙の牀に拡げられている。巫山の神女はその身をささげたあの時の気持ちを秘めて今もいる、粛々と黒髪を一層色濃くし涼やかにしている。

淸平樂(一) 韋荘  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-260-5-#14  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2682

9. 蕙蘭 広東省を主な原産地とするシンビジウム属の一部で、 わが国にやってきて100年以上になるため帰化植物と同じく作りやすい蘭である。 花は品種によって2月から4月ごろ開花して、中国蘭特有のよい香りが漂う。

12孫光憲《巻八21清平樂二首其二》『花間集』373全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7137

孫光憲  清平樂二首其二

等閑無語,春恨如何去?終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。

盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

(あの春の日に寵愛を受けていたのが終わって詩なった、花が咲き、柳の緑が濃くなっても、もう何もありはしない。朝、馬だけの輦が行き、馬だけの輦が帰ってきたというと詠う。)

今日もやることもやりたくなくて押し黙ったまま時を過ごす、待ち望んだ春なのに、春も盛りというのに、この春の恨みをどうすれば消せるのか。あのとき、春だからと引き留めてもやっぱりそそくさと強引に出て行かれ、ちょうあいをうしなった、花が咲けど暗い気持ち、柳が色を濃くしても、何処に行かれるのか、判りはしない。一日中、眺め尽くして見るのも嫌になり、やるせない思いもどこかにやるよりないのだ、窓を斜めにくぎってさしこむ夕日は今夜の「明」と「暗」を示唆するものである。眠れず一人過ごす長い夜が恨めしい、黄昏時のこの屋の朱塗りの門に日は落ちる、見慣れた刺繍の飾った鞍を置く驄馬だけが空しく帰ってくる。

12孫光憲《巻八21清平樂二首其二》『花間集』373全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7137

 

 

 
  2015年12月28日 の紀頌之5つのBlog  
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李白372 巻五 24-《秋思》(春陽如昨日) 372728年開元十六年28歲 <李白372> Ⅰ李白詩1717 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7133  
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  Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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花間集 教坊曲『清平樂』九首

 

溫庭筠

巻二01清平樂二首其一上陽春晚,宮女愁蛾淺。新清平思同輦,爭那長安路遠。鳳帳鴛被徒燻,寂寞花鏁千門。競把黃金買賦,為妾將上明君。

溫庭筠

巻二02清平樂二首其二洛陽愁,楊柳花飄雪。終日行人爭攀折,橋下流水嗚咽。上馬爭勸離觴,南浦鶯聲斷腸。愁殺平原年少,迴首揮淚千行。

韋莊

巻二46清平樂四首其一春愁南陌,故國音書隔。細雨霏霏棃花白,鷰拂畫簾金額。盡日相望王孫,塵滿衣上淚痕。誰向橋邊吹笛,駐馬西望銷魂。

韋莊

巻二47清平樂四首其二野花芳草,寂寞關山道。柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。羅帶悔結同心,獨凭朱欄思深。夢覺半床斜月,小風觸鳴琴。

韋莊

巻二48清平樂四首其三何處游女,蜀國多雲雨。雲解有情花解語,窣地繡羅金縷。粧成不整金鈿,含羞待月鞦韆。住在綠槐陰裡,門臨春水橋邊。

韋莊

巻二49清平樂四首其四鶯啼殘月,繡閣香燈滅。門外馬嘶郎欲別,正是落花時節。粧成不畫蛾眉,含愁獨倚金扉。雲路香塵莫掃,掃即郎去歸遲。

孫光憲

巻八20清平樂二首其一愁腸欲斷,正是青春半。連理分枝鸞失伴,又是一場離散。掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。憑使東風吹夢,與郎終日東西。

孫光憲

巻八21清平樂二首其二等閑無語,春恨如何去?終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

毛熙震

《巻九47清平樂》  春光欲暮,寂寞閑庭。粉蝶雙雙穿檻舞,簾捲天疎雨。含愁獨倚閨幃,玉鑪煙斷香微。正是銷魂時節,東風滿樹花飛

 

 

清平樂二首其一

(初めて寵愛を受けた、牡丹の花が咲いた春がまた来たが、愁いの思いは晴れることがない。それでも、妃嬪として寵愛を受ける準備だけをすることだけはしないといけない。だから、春の風に乗って、あのお方のもとに飛んで一緒にいたいと詠う。)

愁腸欲斷,正是青春半。

愁いに思う気持ちが続いて、どうしてもこれを断ち切りたいと思っていたが、沈香亭に牡丹の咲く春が訪れ、今春の盛り妃嬪もその若さを誇っている。

連理分枝鸞失伴,又是一場離散。

連理の梧桐が茂り、おおきな幹のえだに、鸞鳥が伴侶を失って止まっている。後宮では、寵愛を失えば、これらのことは普通にある一場面のことで、妃嬪にとっては常に別れを覚悟しなければいけないのである。

掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。

寵愛を失えば化粧を直す気にもなれず、鏡を覆いかくすことが増え、言葉を交わすこともなくなり、心は暗く眉も下がってしかめ顔になるものだ、それでも、芳しい春の草がシュッシュッと伸びるようなうら若き女であるから、何時も準備をしておくことが矜持であると生きてゆく。

憑使東風吹夢,與郎終日東西。

この春の風に吹けば、この気持ちをあのおかたのもとに夢のように飛んでゆくことができれば、あのおかたと一緒になって一日中、東へ西へ、春から秋へと一年中、過ごすことが出来るとおもうのである。

(清平樂二首其の一)

愁腸 斷たんと欲す,正に是れ青春 半ばなり。

連理は枝を分ち 鸞は伴を失う,又た是れ 一場の離散なり。

鏡を掩い 語ること無く 眉は低る,思は芳艸に隨い凄凄たり。

東風は夢を吹くに憑使【つかし】めば,郎と終日 東西せん。

 

清平樂二首其二

(あの春の日に寵愛を受けていたのが終わって詩なった、花が咲き、柳の緑が濃くなっても、もう何もありはしない。朝、馬だけの輦が行き、馬だけの輦が帰ってきたというと詠う。)
等閑無語,春恨如何去?

今日もやることもやりたくなくて押し黙ったまま時を過ごす、待ち望んだ春なのに、春も盛りというのに、この春の恨みをどうすれば消せるのか。
終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。

あのとき、春だからと引き留めてもやっぱりそそくさと強引に出て行かれ、ちょうあいをうしなった、花が咲けど暗い気持ち、柳が色を濃くしても、何処に行かれるのか、判りはしない。
盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。

一日中、眺め尽くして見るのも嫌になり、やるせない思いもどこかにやるよりないのだ、窓を斜めにくぎってさしこむ夕日は今夜の「明」と「暗」を示唆するものである。
長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

眠れず一人過ごす長い夜が恨めしい、黄昏時のこの屋の朱塗りの門に日は落ちる、見慣れた刺繍の飾った鞍を置く驄馬だけが空しく帰ってくる。

 

(清平樂二首其の二)

等閑に語ること 無く、春恨 如何にして去らん?

終に是れ 疎狂し 留【と】めて 住【とど】まらず、花は暗く 柳は濃く 何処ぞ。

尽日 目は断じ 魂は飛びて、晩窓 斜めに残を界【くぎ】る。

長く恨むは 朱門の薄暮に、繍鞍 驄馬 空しく帰るを。

Flower1-008
 

 

『清平樂二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

清平樂二首其二

等閑無語,春恨如何去?

終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。

盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。

長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

 

(下し文)

(清平樂二首其の二)

等閑に語ること 無く、春恨 如何にして去らん?

終に是れ 疎狂し 留【と】めて 住【とど】まらず、花は暗く 柳は濃く 何処ぞ。

尽日 目は断じ 魂は飛びて、晩窓 斜めに残暉を界【くぎ】る。

長く恨むは 朱門の薄暮に、繍鞍 驄馬 空しく帰るを。

 

(現代語訳)

(あの春の日に寵愛を受けていたのが終わって詩なった、花が咲き、柳の緑が濃くなっても、もう何もありはしない。朝、馬だけの輦が行き、馬だけの輦が帰ってきたというと詠う。)

今日もやることもやりたくなくて押し黙ったまま時を過ごす、待ち望んだ春なのに、春も盛りというのに、この春の恨みをどうすれば消せるのか。

あのとき、春だからと引き留めてもやっぱりそそくさと強引に出て行かれ、ちょうあいをうしなった、花が咲けど暗い気持ち、柳が色を濃くしても、何処に行かれるのか、判りはしない。

一日中、眺め尽くして見るのも嫌になり、やるせない思いもどこかにやるよりないのだ、窓を斜めにくぎってさしこむ夕日は今夜の「明」と「暗」を示唆するものである。

眠れず一人過ごす長い夜が恨めしい、黄昏時のこの屋の朱塗りの門に日は落ちる、見慣れた刺繍の飾った鞍を置く驄馬だけが空しく帰ってくる。

 

(訳注)

清平樂二首其二

(あの春の日に寵愛を受けていたのが終わって詩なった、花が咲き、柳の緑が濃くなっても、もう何もありはしない。朝、馬だけの輦が行き、馬だけの輦が帰ってきたというと詠う。)

 

1 清平調について

楽府の一つ。唐の玄宗が楊貴妃と沈香亭で牡丹をながめて楽しんだとき、李白が勅を受けて作ったもの。楽府には、清調・平調・瑟調があったが、李白が、清調と平調を合わせて清平調三章を作った。

清平調とは、欒律の名で、

通典に「『清商三調』,而其初,則是僅有『清商』曲之稱.我們如今就來談漢朝起初的『清商』曲的古琴的訂弦法.而唐朝杜佑《通典》:『平調、清調、瑟調,皆周房中曲之遺聲,漢世謂之三調。』則似漢代己有清商三調的稱呼了.」

(『清商三調』,而其初,則是僅有『清商』曲之稱.我們如今就來談漢朝起初的『清商』曲的古琴的訂弦法.而唐朝杜佑《通典》:平調、清調、瑟調は皆周の房中曲の遺聲、漢世、これを三調といい、すべて相和調という。則似漢代己有清商三調的稱呼了.」とある。

 

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十二字四句四仄韻、後段二十四字四句三平韻で、❹❺❼❻/⑦⑥7⑥の詞形をとる。

清平樂二首其一

愁腸欲,正是青春

連理分枝鸞失,又是一場離

掩鏡無語眉,思隨芳艸凄

憑使東風吹夢,與郎終日東西

○○●●  △●○○●

○●△○○●●  ●●●○△●

●●○●○○  △○○●○○

○●○△△△  △○○●○○

双調四十六字、前段二十二字四句四仄韻、後段二十四字四句三平韻で、❹❺7❻/⑦⑥7⑥の詞形をとる。清平樂二首其二

等閑無,春恨如何

終是疎狂留不住,花暗柳濃何

盡日目斷魂,晚斜界殘

長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空

●○○●  ○●△△●

○●△△△△●  ○●●○△●

●●●●○○  ●?○●○○

△●○○●●  ●○○●△○

 

等閑無語,春恨如何去?

今日もやることもやりたくなくて押し黙ったまま時を過ごす、待ち望んだ春なのに、春も盛りというのに、この春の恨みをどうすれば消せるのか。

12. 等閑 なすべきことをないがしろにする。

 

終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。

あのとき、春だからと引き留めてもやっぱりそそくさと強引に出て行かれ、ちょうあいをうしなった、花が咲けど暗い気持ち、柳が色を濃くしても、何処に行かれるのか、判りはしない。

13. 終是 結局のところ。

14. 疎狂 そそっかしく、ひどく常識にはずれていること。 ここは朝廷の高官であるから夕刻までに帰って来るけれどそそくさと家を又出てゆくこと。

15. 花暗柳濃 後宮には何人かの妃嬪がいることを示す。・花暗:花が咲いている庭の奥まったところ。・柳濃:柳並木の鬱蒼と茂ったあたり。

16. 留不住 引き留めることができない。

 

盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。

一日中、眺め尽くして見るのも嫌になり、やるせない思いもどこかにやるよりないのだ、窓を斜めにくぎってさしこむ夕日は今夜の「明」と「暗」を示唆するものである。

17 斜界殘暉 夕日の光が明暗を分ける様子をいう。ここではいったん帰ってきてからのそのまま家にいて夜を一緒に過ごす「明」なのか、すぐに他の女のもとに行ってしまう「暗」なのか、ということをイメージさせる。

 

長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

眠れず一人過ごす長い夜が恨めしい、黄昏時のこの屋の朱塗りの門に日は落ちる、見慣れた刺繍の飾った鞍を置く驄馬だけが空しく帰ってくる。

18. 長恨 夕方出て行った男に秋の夜長を一晩中どうして過したらよいのかという恨み心を抱く。この時代の女性に嫉妬心を現代の女性と比較すると極めて薄いものである。一夫多妻制であることが現代の倫理観とまったく異なるのであって、女性は性の道具、女卑、の前提のもとに恨むことさえしてはいけないのである。男性の方も罪の意識はないというのが基本である。したがってここでは男目線の詩であるから、どういう状態であっても女性が自分のことだけを愛してくれているという前提のもとに、この夜ひとりで過ごす女性の心情を「長恨」という語で表現するのである。この「長」を“つねに”と読ませるのは間違い。

19.. 朱門 朱雀門。南の門。身分の高い顕官の邸の正門を通るのはこの屋の主人。① 朱塗りの門。 ②《門を朱塗りにしたところから》富貴の人の家。家屋は南を正門とし、高貴の人はその邸の門を朱色に塗った。杜甫『自京赴奉先縣詠懷五百字』「朱門酒肉臭、路有凍死骨。」このように赤い御門の富貴の者には酒や肉が贅を尽くしてあまったものが腐敗臭をだしているが、そのそばの路傍には凍えて死んでいる人の骨が横たわっているのである。

薛濤『燕離巢』「出入朱門未忍,主人常愛語交交。銜泥穢珊瑚枕,不得梁間更壘巢。」(朱門に出入して 未だ【なげう】つに忍びず、主人 常に愛す 語 交交なるを。泥を銜んで 珊瑚の枕を 穢汚す、梁間 更に巣を壘するを 得ず。)

十離詩十首 燕離巢 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-184-56-#44  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2467

20. 繡鞍驄馬空歸 立派な鞍を置いた青白毛の馬だけが空しく帰って来る。ここでは主人のお供として出かけた馬番だけが馬を連れて帰って来たことを意味する。

21. 驄馬 青白色の馬。「時俗造次那得致,雲霧晦冥方降精。」此の種類の馬は世俗の人がほしいからとしてあわただしく得ようとしてできるものか、このような馬は、雲や霧がとざして真っ暗という様な時はじめて天が精気を降してこの馬を下界へ送りくださるものである。

驄馬行  杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 102

12孫光憲《巻八20清平樂二首其一》『花間集』372全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7132

孫光憲  清平樂二首其一

愁腸欲斷,正是青春半。連理分枝鸞失伴,又是一場離散。

掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。憑使東風吹夢,與郎終日東西。

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12孫光憲《巻八20清平樂二首其一》『花間集』372全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7132

 

 

 
  2015年12月27日 の紀頌之5つのBlog  
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743年(53)李白371 巻五 26-《秋思》(燕支黃葉落,) 371Index-23Ⅲ― 2-743年天寶二年43歳 94首-(53) <李白371> Ⅰ李白詩1716 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7128  
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  杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首 杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首 杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首 杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首 杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首 杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首  
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  ●花間集全詩●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩。唐から五代詩詞。花間集  
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  魏承班15首 花間集8・9巻 鹿虔扆6首 花間集9巻 閻選8首 花間集9巻 尹鶚6首 花間集9巻 毛熙震29首 花間集9・10巻 李珣39首 花間集10巻  
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花間集 教坊曲『清平樂』九首

 

溫庭筠

巻二01清平樂二首其一上陽春晚,宮女愁蛾淺。新清平思同輦,爭那長安路遠。鳳帳鴛被徒燻,寂寞花鏁千門。競把黃金買賦,為妾將上明君。

溫庭筠

巻二02清平樂二首其二洛陽愁,楊柳花飄雪。終日行人爭攀折,橋下流水嗚咽。上馬爭勸離觴,南浦鶯聲斷腸。愁殺平原年少,迴首揮淚千行。

韋莊

巻二46清平樂四首其一春愁南陌,故國音書隔。細雨霏霏棃花白,鷰拂畫簾金額。盡日相望王孫,塵滿衣上淚痕。誰向橋邊吹笛,駐馬西望銷魂。

韋莊

巻二47清平樂四首其二野花芳草,寂寞關山道。柳吐金絲鶯語早,惆悵香閨暗老。羅帶悔結同心,獨凭朱欄思深。夢覺半床斜月,小風觸鳴琴。

韋莊

巻二48清平樂四首其三何處游女,蜀國多雲雨。雲解有情花解語,窣地繡羅金縷。粧成不整金鈿,含羞待月鞦韆。住在綠槐陰裡,門臨春水橋邊。

韋莊

巻二49清平樂四首其四鶯啼殘月,繡閣香燈滅。門外馬嘶郎欲別,正是落花時節。粧成不畫蛾眉,含愁獨倚金扉。雲路香塵莫掃,掃即郎去歸遲。

孫光憲

巻八20清平樂二首其一愁腸欲斷,正是青春半。連理分枝鸞失伴,又是一場離散。掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。憑使東風吹夢,與郎終日東西。

孫光憲

巻八21清平樂二首其二等閑無語,春恨如何去?終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

毛熙震

《巻九47清平樂》  春光欲暮,寂寞閑庭。粉蝶雙雙穿檻舞,簾捲天疎雨。含愁獨倚閨幃,玉鑪煙斷香微。正是銷魂時節,東風滿樹花飛

 

 

清平樂二首其一

(初めて寵愛を受けた、牡丹の花が咲いた春がまた来たが、愁いの思いは晴れることがない。それでも、妃嬪として寵愛を受ける準備だけをすることだけはしないといけない。だから、春の風に乗って、あのお方のもとに飛んで一緒にいたいと詠う。)

愁腸欲斷,正是青春半。

愁いに思う気持ちが続いて、どうしてもこれを断ち切りたいと思っていたが、沈香亭に牡丹の咲く春が訪れ、今春の盛り妃嬪もその若さを誇っている。

連理分枝鸞失伴,又是一場離散。

連理の梧桐が茂り、おおきな幹のえだに、鸞鳥が伴侶を失って止まっている。後宮では、寵愛を失えば、これらのことは普通にある一場面のことで、妃嬪にとっては常に別れを覚悟しなければいけないのである。

掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。

寵愛を失えば化粧を直す気にもなれず、鏡を覆いかくすことが増え、言葉を交わすこともなくなり、心は暗く眉も下がってしかめ顔になるものだ、それでも、芳しい春の草がシュッシュッと伸びるようなうら若き女であるから、何時も準備をしておくことが矜持であると生きてゆく。

憑使東風吹夢,與郎終日東西。

この春の風に吹けば、この気持ちをあのおかたのもとに夢のように飛んでゆくことができれば、あのおかたと一緒になって一日中、東へ西へ、春から秋へと一年中、過ごすことが出来るとおもうのである。

(清平樂二首其の一)

愁腸 斷たんと欲す,正に是れ青春 半ばなり。

連理は枝を分ち 鸞は伴を失う,又た是れ 一場の離散なり。

鏡を掩い 語ること無く 眉は低る,思は芳艸に隨い凄凄たり。

東風は夢を吹くに憑使【つかし】めば,郎と終日 東西せん。

 

清平樂二首其二

等閑無語,春恨如何去?

終是疎狂留不住,花暗柳濃何處。

盡日目斷魂飛,晚斜界殘暉。

長恨朱門薄暮,繡鞍驄馬空歸。

 

miyajima594
 

『清平樂二首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

清平樂二首其一

愁腸欲斷,正是青春半。

連理分枝鸞失伴,又是一場離散。

掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。

憑使東風吹夢,與郎終日東西。

 

(下し文)

(清平樂二首其の一)

愁腸 斷たんと欲す,正に是れ青春 半ばなり。

連理は枝を分ち 鸞は伴を失う,又た是れ 一場の離散なり。

鏡を掩い 語ること無く 眉は低る,思は芳艸に隨い凄凄たり。

東風は夢を吹くに憑使【つかし】めば,郎と終日 東西せん。

 

(現代語訳)

(初めて寵愛を受けた、牡丹の花が咲いた春がまた来たが、愁いの思いは晴れることがない。それでも、妃嬪として寵愛を受ける準備だけをすることだけはしないといけない。だから、春の風に乗って、あのお方のもとに飛んで一緒にいたいと詠う。)

愁いに思う気持ちが続いて、どうしてもこれを断ち切りたいと思っていたが、沈香亭に牡丹の咲く春が訪れ、今春の盛り妃嬪もその若さを誇っている。

連理の梧桐が茂り、おおきな幹のえだに、鸞鳥が伴侶を失って止まっている。後宮では、寵愛を失えば、これらのことは普通にある一場面のことで、妃嬪にとっては常に別れを覚悟しなければいけないのである。

寵愛を失えば化粧を直す気にもなれず、鏡を覆いかくすことが増え、言葉を交わすこともなくなり、心は暗く眉も下がってしかめ顔になるものだ、それでも、芳しい春の草がシュッシュッと伸びるようなうら若き女であるから、何時も準備をしておくことが矜持であると生きてゆく。

この春の風に吹けば、この気持ちをあのおかたのもとに夢のように飛んでゆくことができれば、あのおかたと一緒になって一日中、東へ西へ、春から秋へと一年中、過ごすことが出来るとおもうのである。

 

 芍薬001

(訳注)

清平樂二首其一

(初めて寵愛を受けた、牡丹の花が咲いた春がまた来たが、愁いの思いは晴れることがない。それでも、妃嬪として寵愛を受ける準備だけをすることだけはしないといけない。だから、春の風に乗って、あのお方のもとに飛んで一緒にいたいと詠う。)

 

1.    清平調について

楽府の一つ。唐の玄宗が楊貴妃と沈香亭で牡丹をながめて楽しんだとき、李白が勅を受けて作ったもの。楽府には、清調・平調・瑟調があったが、李白が、清調と平調を合わせて清平調三章を作った。

清平調とは、欒律の名で、

通典に「『清商三調』,而其初,則是僅有『清商』曲之稱.我們如今就來談漢朝起初的『清商』曲的古琴的訂弦法.而唐朝杜佑《通典》:『平調、清調、瑟調,皆周房中曲之遺聲,漢世謂之三調。』則似漢代己有清商三調的稱呼了.」

(『清商三調』,而其初,則是僅有『清商』曲之稱.我們如今就來談漢朝起初的『清商』曲的古琴的訂弦法.而唐朝杜佑《通典》:平調、清調、瑟調は皆周の房中曲の遺聲、漢世、これを三調といい、すべて相和調という。則似漢代己有清商三調的稱呼了.」とある。

 

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調四十六字、前段二十二字四句四仄韻、後段二十四字四句三平韻で、❹❺❼❻/⑦⑥7⑥の詞形をとる。

清平樂二首其一

愁腸欲,正是青春

連理分枝鸞失,又是一場離

掩鏡無語眉,思隨芳艸凄

憑使東風吹夢,與郎終日東西

○○●●  △●○○●

○●△○○●●  ●●●○△●

●●○●○○  △○○●○○

○●○△△△  △○○●○○

 

愁腸欲斷,正是青春半。

愁いに思う気持ちが続いて、どうしてもこれを断ち切りたいと思っていたが、沈香亭に牡丹の咲く春が訪れ、今春の盛り妃嬪もその若さを誇っている。

2. 愁腸 愁え悲しむ心。哀愁に満ちた心。傅玄 《雲歌》「白雲翩翩翔天庭,流景彷彿非君形。 白雲飄飄捨我高翔, 青雲徘徊為我愁腸。」(白雲 翩翩として天庭に翔ける,流景 彷彿として君の形に非らず。)

3. 欲断 今にも〜心が折れそうだ。~のことを断絶したい。女は閨にこもっているものというのがこの時代の当たり前のこと。男がここでは詩題からも高貴な男が春を迎えたのに帰ってこない。毎日思い続けていることで、これをやめなければいけないと思っていることをいう。顧夐『臨江仙三首 其二』「幽閨小檻春光晚,柳濃花淡鶯稀。舊歡思想尚依依,翠嚬紅斂,終日損芳菲。何事狂夫音信斷,不如梁鷰猶歸。畫意深處麝煙微,屏虛枕冷,風細雨霏霏。」13-336《臨江仙三首 其二》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-519-13-(336) 花間集 巻第七漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4142 

4. 青春半 旧暦二月を指、春の半ば、と女自身はまだ若いことをいう。五行思想で春の色は青に配当されるので春を青春と言う。また旧暦では一月、二月、三月が春で、春の半ばは二月に当たる。

 

連理分枝鸞失伴,又是一場離散。

連理の梧桐が茂り、おおきな幹のえだに、鸞鳥が伴侶を失って止まっている。後宮では、寵愛を失えば、これらのことは普通にある一場面のことで、妃嬪にとっては常に別れを覚悟しなければいけないのである。

5. 連理 株を異にする樹の枝幹がつながって一体化したもの。もともと吉祥の兆しであったが、後には睦まじい男女、夫妻の比喩として用いられるようになった。

6. 鸞失伴 鸞鳥が伴侶を失うこと、寵愛を失う。後宮にはいわゆる「内職」という制度があり、『礼記』「昏義」 に、「古、天子は、后に六宮、三夫人、九嬪、二十七世婦、八十一御妻を立て、以て天下の内治を聴く」とある。

 

掩鏡無語眉低,思隨芳艸凄凄。

寵愛を失えば化粧を直す気にもなれず、鏡を覆いかくすことが増え、言葉を交わすこともなくなり、心は暗く眉も下がってしかめ顔になるものだ、それでも、芳しい春の草がシュッシュッと伸びるようなうら若き女であるから、何時も準備をしておくことが矜持であると生きてゆく。

7. 芳艸凄凄 かんばしい香りの草が茂っているさま。 旅立った男が旅先で春草(女)に心奪われて帰って来ないことをいう。花間集では「芳草」を美人に喩えるのは常套手段。溫庭筠『菩薩蛮 其七』の「玉樓明月長相憶,柳絲裊娜春無力。門外草萋萋,送君聞馬嘶。畫羅金翡翠,香燭銷成淚。花落子規啼,綠窗殘夢迷。」

『菩薩蠻 七』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-7-1-#7 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1644

『酒泉子』四首(一)温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-21-3-#1 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1700

孫光憲『後庭花二首其二』 「石城依舊空江國,故宮春色。七尺青絲芳草綠,世難得。玉英凋落盡,更何人識,野棠如織。只是教人添怨憶,悵望無極。」

14-364《後庭花二首其二》孫光憲(24)Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-547-14-(364) 花間集 巻第八 (四十八首)漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ4282

凄凄】とは。意味や解説。[形動タリ]1 寒く冷たいさま。寒々とものさびしいさま。また、涼しいさま。「―たる微陽のまへ、遠路に臨んで眼(まなこ)をきはむ」〈平家・五〉2 雨雲のわくさま。蕭の用語解説 - [音]ショウ(セウ)(呉)(漢)1 草の名。ヨモギの一種。「蕭艾(しょうがい)2 ものさびしい。「蕭蕭・蕭条・蕭然」蕭条】とは。意味や解説。[ト・タル][文][形動タリ]ひっそりともの寂しいさま。

 

憑使東風吹夢,與郎終日東西。

この春の風に吹けば、この気持ちをあのおかたのもとに夢のように飛んでゆくことができれば、あのおかたと一緒になって一日中、東へ西へ、春から秋へと一年中、過ごすことが出来るとおもうのである。

8. 憑使 頼る、よすがにすることができれば。憑 【ヒョウ・つく】1 よりかかる。頼みにする。よりどころ。2 霊がのり移る。つく。

9. 東風吹夢 【胡蝶の夢】(こちょうのゆめ) [荘子斉物論](荘子が夢で胡蝶になって楽しみ、自分と蝶との区別を忘れ たという故事から)現実と夢の区別がつかないこと。

10. 與郎終日東西 一日中、あなたが東に行けば一緒に東に行き、西に行けば一緒に西に行き、東は春、西は秋、すなわち、一年中。

11. 郎  劉郎、阮郎  別れ去る愛しい男。仙桃を味わった浦島太郎のような人物である劉晨=劉郎である夢心地の状態にある男、何年も訪れてくれなくなっているのでこのようにいう。12年もたっていることと、全く景色が変わって、ここにいる女を含めみんなが全く変わっていたというものだ。 劉禹錫『再遊玄都觀』「百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。」○阮郎 別れ去って久しく帰らぬ愛しい男。後漢の劉展、阮肇は天台山に薬草を採りに入り、道に迷って仙女に出合い、しばらくともに暮らした。しかし家のことが思い起こされ、帰ってみると、既に数世が過ぎ、見知った人は誰もいなかった。そこで再び山に尋ね入ったが、仙女を探し当てられなかったと言う。以来、阮郎、劉部は、別れ去る男や別れ去って久しく帰らぬ愛しい男を指すようになった。・檀郎/安仁/潘郎 晋の潘岳のあざな。彼は美男子であり、詩人であったが、妻の死にあい「悼亡」の詩三首を作った。後世、妻の死をなげいた模擬作が多く作られた。潘岳の幼名が檀奴だったので、「檀郎」は夫や恋い慕う男を意味する。・潘岳:安仁。滎陽(けいよう)中牟(河南省)の人。陸機と並ぶ美文の文学の大家で,錦を敷きのべたような絢爛(けんらん)たる趣をたたえられた。ことに人の死を悼む哀傷の詩文を得意とし,亡妻への尽きぬ思いをうたった〈悼亡詩(とうぼうし)〉3首はよく知られる。絶世の美男として,また権門の間を巧みに泳ぎまわる軽薄才子として,とかく話題にこと欠かなかった。八王の乱の渦中で悲劇的な刑死を遂げた。

 

『甘州子五首其三』 「曾如劉阮訪仙蹤,深洞客,此時逢。綺筵散後繡衾同,款曲見韶容。山枕上,長是怯晨鐘。」

13-12《甘州子五首其三》顧太尉(顧夐【こけい】)55首 Ⅻ唐五代詞・『花間集』全詩訳注解説Gs-465-13-(12) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3872

和凝『天仙子二首』其二「洞口春紅飛蔌蔌,仙子含愁眉黛綠。阮郎何事不歸來,懶燒金,慵篆玉。流水桃花空斷續。天仙子二首 其二  和學士凝(和凝【わぎょう】)二十首ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」情けの強い男を「潘郎」といい、劉郞、阮郎、檀郎、安仁など色町の女が男をそう呼んだ。

劉禹錫『再遊玄都觀』

百畝庭中半是苔,桃花淨盡菜花開。

種桃道士今何歸,前度劉郞今又來。

再遊玄都觀 本文 劉禹錫 薛濤関連 唐五代詞・宋詩 薛濤-239--#95 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2742

白居易『贈薛濤』

蛾眉山勢接雲霓,欲逐劉郎北路迷。

若似剡中容易到,春風猶隔武陵溪。

贈薛濤 白居易 全唐詩 巻462  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-131--#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2202

牛嶠『女冠子 其三』

星冠霞帔,住在蘂珠宮裏。佩叮

明翠搖蟬翼,纖珪理宿粧。

醮壇春艸綠,藥院杏花香。

青鳥傳心事,寄劉郎

女冠子四首 其三 牛嶠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-316-5-#57-7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3127

牛嶠『夢江南二首 其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

夢江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142 

温庭筠 『思帝郷』

花花、満枝紅似霞。

羅袖画簾腸断、阜香車。

廻面共入閑語、戦箆金鳳斜。

唯有阮郎春尽、不帰家。

思帝郷 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-303-5-#57  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3062

牛嶠『夢江南二首其二』

紅繡被,兩兩間鴛鴦。

不是鳥中偏愛爾,為緣交頸睡南塘,全勝薄情郎

江南二首 其一 牛嶠【ぎゅうきょう】 ⅩⅫ唐五代詞、「花間集」 Gs-319-6-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3142

12孫光憲《巻八19酒泉子三首其三》『花間集』371全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7127

酒泉子三首其三

斂態前,裊裊雀釵頸。鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。翠連娟,紅縹渺,早粧時。

(若くて美しい女を愛おしくかわいがる姿を詠う。)

服の乱れをまとめて窓際に近寄っていく、首を投げ出すように振り返ると、孔雀の簪がゆらゆら揺れる。それからは燕が二人並ぶように、鸞とりが二つの影をかさねるように、二人が結合してあたらしい愛を知るのである。繊細で奇麗な白い肌は輝いて幾度となく波のように揺れ払うように動く、この時にはきれいだった眉も色薄く小さくなっている。それに気がついて鏡を取り出し、見ようとするとあの人が顔を乗り出して鏡の中に伴に移されてしまい見えないから怒ったりする。眉を緑にうつくしく連なって書き直し、頬紅は微かではっきりしないほどに着けてみる。どちらにしても化粧直しは早くしないといけないと思う。

12孫光憲《巻八19酒泉子三首其三》『花間集』371全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7127

 

 
  2015年12月26日 の紀頌之5つのBlog  
  ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場  
  Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
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743年(52)李白 巻五 25-《春思》(燕草如碧絲,) Index-23Ⅲ― 2-743年天寶二年43歳 94首-(51) <李白> Ⅰ李白詩1710 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7098  
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  index-11 819年 52歳 ・『論佛骨表』左遷 38首 index-12 820年 53歳 ・9月國子祭酒に。18首 index-13 821年~822年 55歳 22首 index-14 823年~824年 57歳・病気のため退職。没す。 14首 韓愈 哲学・儒学「五原」 賦・散文・上奏文・碑文など  
  孟郊 張籍          
  ●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"  
  Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorBlog 767年-10-#2杜甫 《19-15 行官張望補稻畦水歸》#2 杜甫詩index-15-767年大暦2年56歲-10-#2 <1089> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7125   
  杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首 杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩)  杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首 杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首 杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首 杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首  
  杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首 杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首 杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首 杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首 杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首 杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首  
  ●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている  
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韋莊

巻三24酒泉子月落星沉,樓上美人春睡。綠雲傾,金枕膩,畫屏深。子規啼破相思夢,曙色東方纔動。柳煙輕,花露重,思難任。

牛嶠

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

張泌

巻四42酒泉子二首其一春雨打,驚夢覺來天氣曉。畫堂深,紅焰小,背蘭缸。酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。舊巢中,新鷰子,語雙雙

張泌

巻四43酒泉子二首其二紫陌青門,三十六宮春色。御溝輦路暗相通,杏園風。咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。插花走馬落殘紅,月明中。

毛文錫

巻五07酒泉子綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。海棠花下思朦朧,醉香風。

牛希濟

巻五43酒泉子枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。月光斜、簾影動,舊鑪香。夢中盡相思事,纖手勻雙淚。去年書,今日意,斷離腸。

顧夐

巻七09酒泉子七首其一楊柳舞風,輕惹春煙殘雨。杏花愁,鶯正語,畫樓東。錦屏寂寞思無窮,還是不知消息。鏡塵生,珠淚滴,損儀容。

顧夐

巻七10酒泉子七首其二羅帶縷金,蘭麝煙凝魂斷。畫屏欹,雲鬢亂,恨難任。幾迴垂淚滴鴛衾,薄情何處去。登臨,花滿樹,信沉沉

顧夐

巻七11酒泉子七首其三小檻日斜,風度綠人悄悄。翠幃閑掩舞雙鸞,舊香寒。別來情緒轉難判,韶顏看卻老。依稀粉上有啼痕,暗銷魂。

顧夐

巻七12酒泉子七首其四黛薄紅深,約掠綠鬟雲膩。小鴛鴦,金翡翠,稱人心。錦鱗無處傳幽意,海鷰蘭堂春又去。隔年書,千點淚,恨難任。

顧夐

巻七13酒泉子七首其五掩卻菱花,收拾翠鈿休上面。金蟲玉鷰鏁香奩,恨猒猒。雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。恨燈背帳夢方酣,鴈飛南。

顧夐

巻七14酒泉子七首其六水碧風清,入檻細香紅藕膩。謝娘斂翠恨無涯,小屏斜。堪憎蕩子不還家,謾留羅帶結。帳深枕膩炷沉煙,負當年。

顧夐

巻七15酒泉子七首其七黛怨紅羞,掩映畫堂春欲暮。殘花微雨隔青樓,思悠悠。芳菲時節看將度,寂寞無人還獨語。畫羅襦,香粉,不勝愁。

孫光憲

巻八17酒泉子三首其一空磧無邊,萬里陽關道路。馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。綺羅心,魂夢隔,上高樓。

孫光憲

巻八18酒泉子三首其二曲檻小樓,正是鶯花二月。思無憀,愁欲,鬱離襟。展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

孫光憲

巻八19酒泉子三首其三斂態前,裊裊雀釵頸。鷰成雙,鸞對影,耦新知。玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。翠連娟,紅縹渺,早粧時。

毛熙震

《巻十09巻十酒泉子二首其一》  閑臥繡幃,慵想萬般情寵。錦檀偏,翹股重,翠雲欹。暮天屏上春山碧,映香煙霧隔。蕙蘭心,魂夢役,斂蛾眉。

毛熙震

《巻十10酒泉子二首其二》  鈿匣舞鸞,隱映豔紅脩碧。月梳斜,雲鬢膩,粉香寒。曉花微斂輕呵展,裊釵金鷰軟。日初昇,簾半掩,對殘粧。

李珣

《巻十38酒泉子四首其一》  寂寞青樓,風觸繡簾珠翠撼。月朦朧,花暗澹,鏁春愁。尋思往事依稀夢,淚臉露桃紅色重。鬢欹蟬。釵墜鳳,思悠悠。

李珣

《巻十39酒泉子四首其二》  雨清花零,紅散香凋池兩岸。別情遙,春歌斷,掩銀屏。孤帆早晚離三楚,閑理鈿箏愁幾許?曲中情,絃上語,不堪聽。

李珣

《巻十40酒泉子四首其三》  秋雨聯綿,聲散敗荷叢裏。那堪深夜枕前聽,酒初醒。牽愁惹思更無停,燭暗香凝天欲曉。細和煙,冷和雨,透簾中。

李珣

《巻十41酒泉子四首其四》  秋月嬋娟,皎潔碧紗外。照花穿竹冷沉沉,印池心。凝露滴,砌蛩吟,驚覺謝娘殘夢。夜深斜傍枕前來,影徘徊。

 

 

酒泉子三首其一

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

空磧無邊,萬里陽關道路。

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

(酒泉子三首 其の一)

空磧 辺 無く、万里のさき陽関の道路あり。

馬は蕭蕭とし、人は去り去りて、隴雲は愁う。

香貂【こうちょう】 旧製にして戎衣窄【きつ】し、胡霜 千里さきに白し。

綺羅 心し、魂夢は隔つ、高楼に上らん。

 

酒泉子三首其二

(又春になり、久方ぶりに高楼にあがって眺めると春の盛りであった。気分がよくなり閨に戻って屏風を広げると古代の舜帝を追って旅をした瀟水と湘水の、二神の絵が出てくると前にもまして心がふさがれる)

曲檻小樓,正是鶯花二月。

閨から出て渡り廊下の欄干に沿って小さめの楼閣に来て見ると、まさに盛春真っただ中の鶯は囀り花は満開の二月の景色に変わっている。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

晴れやかに気持ちになって何にもおもいでボーとしている。これで愁いに思ったりすることから立ち直ることが出来るだろう。憂欝の底とは縁が切れる。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

閨に帰って、雰囲気を変えようと屏風を広げて見ると瀟水と湘水の、水の神の絵に空しく対峙することになる。絵ははるか千里万里を越えて行くものである。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

女はこの部屋から出ることはないが絵のように千里万里行くことが出来たらと思うと涙はあふれ、紅色の頬をおおいつくし、緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せている、また怨みに思う気持ちは深く沈んでゆく。

(酒泉子三首 其の二)

曲檻 小樓,正に是れ鶯花二月なり。

思うは無憀にして,愁いんと欲す,鬱 襟を離る。

展屏 空しく對す 瀟湘の水に,眼前に 千萬里。

淚 紅に掩い,眉 翠に斂まり,恨 沉沉たり。

 

酒泉子三首其三

(若くて美しい女を愛おしくかわいがる姿を詠う。)

斂態前,裊裊雀釵頸。

服の乱れをまとめて窓際に近寄っていく、首を投げ出すように振り返ると、孔雀の簪がゆらゆら揺れる。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

それからは燕が二人並ぶように、鸞とりが二つの影をかさねるように、二人が結合してあたらしい愛を知るのである。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

繊細で奇麗な白い肌は輝いて幾度となく波のように揺れ払うように動く、この時にはきれいだった眉も色薄く小さくなっている。それに気がついて鏡を取り出し、見ようとするとあの人が顔を乗り出して鏡の中に伴に移されてしまい見えないから怒ったりする。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

眉を緑にうつくしく連なって書き直し、頬紅は微かではっきりしないほどに着けてみる。どちらにしても化粧直しは早くしないといけないと思う。

(酒泉子三首其の三)

態を斂めて前にあり,裊裊として雀釵 頸をす。

鷰 雙を成し,鸞 影に對し,耦 新たに知る。

玉纖 澹拂し眉山 小さくし,鏡中 嗔 共に照す。

翠 娟に連り,紅 渺に縹す,早に粧 時にす。

 

凌波曲舞002
 

『酒泉子三首其三』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子三首其三

斂態前,裊裊雀釵頸。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

 

(下し文)

(酒泉子三首其の三)

態を斂めて前にあり,裊裊として雀釵 頸をす。

鷰 雙を成し,鸞 影に對し,耦 新たに知る。

玉纖 澹拂し眉山 小さくし,鏡中 嗔 共に照す。

翠 娟に連り,紅 渺に縹す,早に粧 時にす。

 

(現代語訳)

(若くて美しい女を愛おしくかわいがる姿を詠う。)

服の乱れをまとめて窓際に近寄っていく、首を投げ出すように振り返ると、孔雀の簪がゆらゆら揺れる。

それからは燕が二人並ぶように、鸞とりが二つの影をかさねるように、二人が結合してあたらしい愛を知るのである。

繊細で奇麗な白い肌は輝いて幾度となく波のように揺れ払うように動く、この時にはきれいだった眉も色薄く小さくなっている。それに気がついて鏡を取り出し、見ようとするとあの人が顔を乗り出して鏡の中に伴に移されてしまい見えないから怒ったりする。

眉を緑にうつくしく連なって書き直し、頬紅は微かではっきりしないほどに着けてみる。どちらにしても化粧直しは早くしないといけないと思う。

DCF00209
 

(訳注)

酒泉子三首其三

(若くて美しい女を愛おしくかわいがる姿を詠う。)

 

『花間集』には孫光憲の作が三首収められている。双調四十字、前段十九字五句一仄韻二平韻、後段二十一字五句三仄韻一平韻で、③/❼❺3❸③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦733③の詞形をとる。

酒泉子三首其一

空磧無邊,萬里陽關道。馬蕭,人去去,隴雲

香貂舊制戎衣,胡霜千里。綺羅心,魂夢,上高

△●○○  ●●○○●● ●○○  ○●● ●○○

○○●●○△● ○○○●●  ●○○ ○△●  ●○○

『花間集』には孫光憲の作が三首収められている。双調四十字、前段十九字五句二仄韻二平韻、後段二十一字五句三仄韻二平韻で、③/❼❺③❸③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦733③の詞形をとる。

酒泉子三首其二

曲檻小,正是鶯花二

思無憀,愁欲,鬱離

展屏空對瀟湘,眼前千萬

淚掩,眉斂,恨沉

●●●○  △●○○●●

△○○  ○●● ●△○

●△△●○○● ●○○●●

●●○ ○●●  ●○○

双調四十字、前段十九字五句二仄韻一平韻、後段二十一字五句三仄韻一平韻で、③/❼533③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦7③❸③の詞形をとる。

酒泉子三首其三

斂態,裊裊雀釵

鷰成雙,鸞對,耦新

玉纖澹拂眉山,鏡中嗔共

翠連,紅縹,早粧

●●?○  ??●○○△

●○○  ○●● ●○○

●○△●○○● ●△○△●

●○○ ○●●  ●?○

 

斂態前,裊裊雀釵頸。

服の乱れをまとめて窓際に近寄っていく、首を投げ出すように振り返ると、孔雀の簪がゆらゆら揺れる。

18 裊裊【嫋嫋じょうじょう】①. なよなよとして風情のあるさま。しなやかなさま。たおやかなさま。②. 音や声が細く長く続くさま。

19  (1) 投げる,ほうる抛球球を投げる.(2) 捨て去る,置き去りにする抛下妻子儿女妻子を捨て去る.投げ売りする.抛光 つや出しをする,研磨する.

 

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

それからは燕が二人並ぶように、鸞とりが二つの影をかさねるように、二人が結合してあたらしい愛を知るのである。

20 纖 1 ほそい。こまかい。「繊維・繊細・繊繊・繊毛」2 繊維。

21 耦 二人が並んで耕す.耦合:カップリング,結合.

 

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

繊細で奇麗な白い肌は輝いて幾度となく波のように揺れ払うように動く、この時にはきれいだった眉も色薄く小さくなっている。それに気がついて鏡を取り出し、見ようとするとあの人が顔を乗り出して鏡の中に伴に移されてしまい見えないから怒ったりする。

22 澹拂 風や波によってゆったりと動き、払うように動く。

23 嗔 怒る 嗔怪 怒って責める.

 

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

眉を緑にうつくしく連なって書き直し、頬紅は微かではっきりしないほどに着けてみる。どちらにしても化粧直しは早くしないといけないと思う。

24 娟 美しい,麗しい娟秀麗しい.娟媚姿が素晴らしい.

25 縹渺 1 広くはてしないさま。「―たる雪の広野を隔てて」〈鏡花・註文帳〉2 かすかではっきりとしないさま。

 

 

 

 

 

 

孫光憲 《酒泉子三首》 【字解】

 

 

 

1. 空磧 空漠とした石ころ砂漠。

2. 陽關 関門の名。今の甘粛省敦燈の西南。玉関の南にあったので陽閑と言った。陽関(ようかん):盛唐の詩人・王 維の詩で知られる陽関。

王維『送元二使安西』

 渭城朝雨潤輕塵、 客舎青青柳色新。

 勧君更盡一杯酒、 西出陽關無故人。

(元二の安西に使するを送る)

渭城の朝雨 軽塵を潤し、客舎青青柳色新たなり。

君に勧む更に盡くせ一杯の酒、西のかた陽關を出ずれば故人無からん。

 陽関の烽火台

 陽関は甘粛省敦煌市の西南70キロにあり、古代シルクロードの関所である。前漢に関所がおかれ玉門関の南(陽)にあったこと からこの名がある。玉門関と並んで西域交通の門戸であった。前漢時代は陽関都尉の治所であり、魏晋時代は陽関県が置かれた。

唐代には寿昌県がおかれた。宋・元代以後は西方との陸路交通がだんだんと衰退し、関所も廃棄された。

3. 粛粛 馬の斯き声の形容。

4. 隴雲愁 西への道は天に続く、天日への道であること。そこに続く道は杜甫の「兵車行」に述べられており、隴西から過酷な峠を抜ける様子も「前出塞九首」「後出塞五首」に述べられており、隴山に懸かる雲はそのすべてを見ている。

兵車行  杜甫

5. 香貂舊制戎衣窄 貂の革製の昔誰かが作ったもので出征する際に持たされた軍服は体に少々きつくても必要なものだ。香貂は貂が極寒の冬には形が古かろうが、大きさがあって居なくても寒さをしのぐうえで威力を発揮して素晴らしいというほどの意味、美称。

6. 綺羅心 美しい綺羅の衣を着た女の心。

7. 魂夢隔 ここは夢魂が空磧、萬里、陽關、道路、隴雲に隔てられてとても届くはずがないというものである。

○この三句を故郷にいる妻の言葉としている解釈もあるが、間違い。この三句は男目線の言葉であり、孫光憲のものの見方である。

前出塞九首 其一 杜甫

前出塞九首 其二 杜甫

前出塞九首 其三 杜甫

前出塞九首 其四 杜甫

前出塞九首 其五 杜甫 44

前出塞九首 其六 杜甫 :紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 45

出塞九首 其七 杜甫 :紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 46

前出塞九首 其八 杜甫 :紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 47

前出塞九首 其九 杜甫 :紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 48

後出塞五首 其一 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 95

後出塞五首 其二 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 96

後出塞五首 其三 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 97

後出塞五首 其四 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 98

後出塞五首 其五 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 99

 

8. 曲檻 閨は奥まったところにあるのでそこから樓閣までにある欄干のある廊下。

9. 小樓 多くくない楼閣。

10. 鶯花 鶯は囀り花は満開である。

11. 二月 盛春真っただ中の二月の景色に変わっている。閨にいると暦は二月であっても季節感がないので、この言い方になる。

12. 無憀 ・何もしないでボーっとする。顧夐『河傳三首 其三』「棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦。」13-9 河傳三首 其三 》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-461-13-(9) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3852

・心が晴れやかにならない。悲しんだり、恨んだりすることはない。牛希濟『臨江仙七首 其三』「渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。何事乘龍入忽降,似知深意相招。三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。」10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567

13. 瀟湘水 娥皇と女英の二人の女神からなる洞庭湖から湘江、瀟水にかけての地域の絵が描かれている。

14. 眼前千萬里 当時の女性は基本的に閨から出ることはないので、絵を見て千里万里を行くことが出来たら、あの人を探して歩けるだろうというほどの意味になる。

15. 紅 頬の琴、転じて化粧をした顔。

16. 眉斂翠 緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せることをいう。

17. 沉沉 ](1) (水中に)沈む,水没する.【反】浮(2) (抽象的事物について)抑える,鎮める.沉不住气怒りを抑えられない.(3) 《方》休む,休息する.━ [](1) (重量が)重い,目方のある.(2) 程度が大きい,甚だしい.

薛昭蘊『浣溪紗八首 其四』

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

9 6 浣溪紗八首 其四 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-382-9-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3457

18 裊裊【嫋嫋じょうじょう】①. なよなよとして風情のあるさま。しなやかなさま。たおやかなさま。②. 音や声が細く長く続くさま。

19  (1) 投げる,ほうる抛球球を投げる.(2) 捨て去る,置き去りにする抛下妻子儿女妻子を捨て去る.投げ売りする.抛光 つや出しをする,研磨する.

20 纖 1 ほそい。こまかい。「繊維・繊細・繊繊・繊毛」2 繊維。

21 耦 二人が並んで耕す.耦合:カップリング,結合.

22 澹拂 風や波によってゆったりと動き、払うように動く。

23 嗔 怒る 嗔怪 怒って責める.

24 娟 美しい,麗しい娟秀麗しい.娟媚姿が素晴らしい.

25 縹渺 1 広くはてしないさま。「―たる雪の広野を隔てて」〈鏡花・註文帳〉2 かすかではっきりとしないさま。

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孫光憲  酒泉子三首其二

曲檻小樓,正是鶯花二月。思無憀,愁欲,鬱離襟。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

(又春になり、久方ぶりに高楼にあがって眺めると春の盛りであった。気分がよくなり閨に戻って屏風を広げると古代の舜帝を追って旅をした瀟水と湘水の、二神の絵が出てくると前にもまして心がふさがれる)

閨から出て渡り廊下の欄干に沿って小さめの楼閣に来て見ると、まさに盛春真っただ中の鶯は囀り花は満開の二月の景色に変わっている。晴れやかに気持ちになって何にもおもいでボーとしている。これで愁いに思ったりすることから立ち直ることが出来るだろう。憂欝の底とは縁が切れる。閨に帰って、雰囲気を変えようと屏風を広げて見ると瀟水と湘水の、水の神の絵に空しく対峙することになる。絵ははるか千里万里を越えて行くものである。女はこの部屋から出ることはないが絵のように千里万里行くことが出来たらと思うと涙はあふれ、紅色の頬をおおいつくし、緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せている、また怨みに思う気持ちは深く沈んでゆく。

12孫光憲《巻八18酒泉子三首其二》『花間集』370全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7122

 

 
  2015年12月25日 の紀頌之5つのBlog  
  ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場  
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  Ⅱ中唐詩・晩唐詩
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  孟郊 張籍          
  ●杜甫の全作品1500首を訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"  
  Ⅲ杜甫詩全1500首   LiveDoorBlog 767年-10-#1杜甫 《19-15 行官張望補稻畦水歸》#1 杜甫詩index-15-767年大暦2年56歲-10-#1 <1088> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7120  
  杜甫詩(1)736~751年 青年期・李白と交遊期・就活の詩 53首 杜甫詩(2)752年~754年、43歳 73首(青年期・就活の詩)  杜甫詩(3)755年~756年、45歳 安史の乱に彷徨う 26首 杜甫詩(4)作時757年、46歳 安史軍捕縛、脱出、左拾遺 43首 杜甫詩(5)758年;乾元元年、47歳 左拾遺、朝廷疎外、左遷 53首 杜甫詩 (6)759年;乾元二年、48歳 三吏三別 官を辞す 44首  
  杜甫詩(7)759年;乾元二年、48歳 秦州抒情詩 66首 杜甫詩(8)作時759年、48歳 秦州発、同谷紀行、成都紀行 36首 杜甫詩(9)760年;上元元年、49歳 成都浣花渓草堂 45首 杜甫詩(10)761年;上元二年、50歳 成都浣花渓草堂 82首 杜甫詩(11)762年寶應元年 杜甫51歳  浣花渓草堂~蜀中転々 43首 杜甫詩(12)762年寶應元年 杜甫51歳 蜀中転々 49首  
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韋莊

巻三24酒泉子月落星沉,樓上美人春睡。綠雲傾,金枕膩,畫屏深。子規啼破相思夢,曙色東方纔動。柳煙輕,花露重,思難任。

牛嶠

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

張泌

巻四42酒泉子二首其一春雨打,驚夢覺來天氣曉。畫堂深,紅焰小,背蘭缸。酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。舊巢中,新鷰子,語雙雙

張泌

巻四43酒泉子二首其二紫陌青門,三十六宮春色。御溝輦路暗相通,杏園風。咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。插花走馬落殘紅,月明中。

毛文錫

巻五07酒泉子綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。海棠花下思朦朧,醉香風。

牛希濟

巻五43酒泉子枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。月光斜、簾影動,舊鑪香。夢中盡相思事,纖手勻雙淚。去年書,今日意,斷離腸。

顧夐

巻七09酒泉子七首其一楊柳舞風,輕惹春煙殘雨。杏花愁,鶯正語,畫樓東。錦屏寂寞思無窮,還是不知消息。鏡塵生,珠淚滴,損儀容。

顧夐

巻七10酒泉子七首其二羅帶縷金,蘭麝煙凝魂斷。畫屏欹,雲鬢亂,恨難任。幾迴垂淚滴鴛衾,薄情何處去。登臨,花滿樹,信沉沉

顧夐

巻七11酒泉子七首其三小檻日斜,風度綠人悄悄。翠幃閑掩舞雙鸞,舊香寒。別來情緒轉難判,韶顏看卻老。依稀粉上有啼痕,暗銷魂。

顧夐

巻七12酒泉子七首其四黛薄紅深,約掠綠鬟雲膩。小鴛鴦,金翡翠,稱人心。錦鱗無處傳幽意,海鷰蘭堂春又去。隔年書,千點淚,恨難任。

顧夐

巻七13酒泉子七首其五掩卻菱花,收拾翠鈿休上面。金蟲玉鷰鏁香奩,恨猒猒。雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。恨燈背帳夢方酣,鴈飛南。

顧夐

巻七14酒泉子七首其六水碧風清,入檻細香紅藕膩。謝娘斂翠恨無涯,小屏斜。堪憎蕩子不還家,謾留羅帶結。帳深枕膩炷沉煙,負當年。

顧夐

巻七15酒泉子七首其七黛怨紅羞,掩映畫堂春欲暮。殘花微雨隔青樓,思悠悠。芳菲時節看將度,寂寞無人還獨語。畫羅襦,香粉,不勝愁。

孫光憲

巻八17酒泉子三首其一空磧無邊,萬里陽關道路。馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。綺羅心,魂夢隔,上高樓。

孫光憲

巻八18酒泉子三首其二曲檻小樓,正是鶯花二月。思無憀,愁欲,鬱離襟。展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

孫光憲

巻八19酒泉子三首其三斂態前,裊裊雀釵頸。鷰成雙,鸞對影,耦新知。玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。翠連娟,紅縹渺,早粧時。

毛熙震

《巻十09巻十酒泉子二首其一》  閑臥繡幃,慵想萬般情寵。錦檀偏,翹股重,翠雲欹。暮天屏上春山碧,映香煙霧隔。蕙蘭心,魂夢役,斂蛾眉。

毛熙震

《巻十10酒泉子二首其二》  鈿匣舞鸞,隱映豔紅脩碧。月梳斜,雲鬢膩,粉香寒。曉花微斂輕呵展,裊釵金鷰軟。日初昇,簾半掩,對殘粧。

李珣

《巻十38酒泉子四首其一》  寂寞青樓,風觸繡簾珠翠撼。月朦朧,花暗澹,鏁春愁。尋思往事依稀夢,淚臉露桃紅色重。鬢欹蟬。釵墜鳳,思悠悠。

李珣

《巻十39酒泉子四首其二》  雨清花零,紅散香凋池兩岸。別情遙,春歌斷,掩銀屏。孤帆早晚離三楚,閑理鈿箏愁幾許?曲中情,絃上語,不堪聽。

李珣

《巻十40酒泉子四首其三》  秋雨聯綿,聲散敗荷叢裏。那堪深夜枕前聽,酒初醒。牽愁惹思更無停,燭暗香凝天欲曉。細和煙,冷和雨,透簾中。

李珣

《巻十41酒泉子四首其四》  秋月嬋娟,皎潔碧紗外。照花穿竹冷沉沉,印池心。凝露滴,砌蛩吟,驚覺謝娘殘夢。夜深斜傍枕前來,影徘徊。

 

 

酒泉子三首其一

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

空磧無邊,萬里陽關道路。

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

(酒泉子三首 其の一)

空磧 辺 無く、万里のさき陽関の道路あり。

馬は蕭蕭とし、人は去り去りて、隴雲は愁う。

香貂【こうちょう】 旧製にして戎衣窄【きつ】し、胡霜 千里さきに白し。

綺羅 心し、魂夢は隔つ、高楼に上らん。

 

酒泉子三首其二

(又春になり、久方ぶりに高楼にあがって眺めると春の盛りであった。気分がよくなり閨に戻って屏風を広げると古代の舜帝を追って旅をした瀟水と湘水の、二神の絵が出てくると前にもまして心がふさがれる)

曲檻小樓,正是鶯花二月。

閨から出て渡り廊下の欄干に沿って小さめの楼閣に来て見ると、まさに盛春真っただ中の鶯は囀り花は満開の二月の景色に変わっている。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

晴れやかに気持ちになって何にもおもいでボーとしている。これで愁いに思ったりすることから立ち直ることが出来るだろう。憂欝の底とは縁が切れる。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

閨に帰って、雰囲気を変えようと屏風を広げて見ると瀟水と湘水の、水の神の絵に空しく対峙することになる。絵ははるか千里万里を越えて行くものである。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

女はこの部屋から出ることはないが絵のように千里万里行くことが出来たらと思うと涙はあふれ、紅色の頬をおおいつくし、緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せている、また怨みに思う気持ちは深く沈んでゆく。

(酒泉子三首 其の二)

曲檻 小樓,正に是れ鶯花二月なり。

思うは無憀にして,愁いんと欲す,鬱 襟を離る。

展屏 空しく對す 瀟湘の水に,眼前に 千萬里。

淚 紅に掩い,眉 翠に斂まり,恨 沉沉たり。

 

酒泉子三首其三

斂態前,裊裊雀釵頸。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

DCF00212
 

 

『酒泉子三首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子三首其二

曲檻小樓,正是鶯花二月。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

 

(下し文)

(酒泉子三首 其の二)

曲檻 小樓,正に是れ鶯花二月なり。

思うは無憀にして,愁いんと欲す,鬱 襟を離る。

展屏 空しく對す 瀟湘の水に,眼前に 千萬里。

淚 紅に掩い,眉 翠に斂まり,恨 沉沉たり。

 

(現代語訳)

(又春になり、久方ぶりに高楼にあがって眺めると春の盛りであった。気分がよくなり閨に戻って屏風を広げると古代の舜帝を追って旅をした瀟水と湘水の、二神の絵が出てくると前にもまして心がふさがれる)

閨から出て渡り廊下の欄干に沿って小さめの楼閣に来て見ると、まさに盛春真っただ中の鶯は囀り花は満開の二月の景色に変わっている。

晴れやかに気持ちになって何にもおもいでボーとしている。これで愁いに思ったりすることから立ち直ることが出来るだろう。憂欝の底とは縁が切れる。

閨に帰って、雰囲気を変えようと屏風を広げて見ると瀟水と湘水の、水の神の絵に空しく対峙することになる。絵ははるか千里万里を越えて行くものである。

女はこの部屋から出ることはないが絵のように千里万里行くことが出来たらと思うと涙はあふれ、紅色の頬をおおいつくし、緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せている、また怨みに思う気持ちは深く沈んでゆく。

十三夜月
 

(訳注)

酒泉子三首其二(又春になり、久方ぶりに高楼にあがって眺めると春の盛りであった。気分がよくなり閨に戻って屏風を広げると古代の舜帝を追って旅をした瀟水と湘水の、二神の絵が出てくると前にもまして心がふさがれる)

 

『花間集』には孫光憲の作が三首収められている。双調四十字、前段十九字五句一仄韻二平韻、後段二十一字五句三仄韻一平韻で、③/❼❺3❸③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦733③の詞形をとる。

酒泉子三首其一

空磧無邊,萬里陽關道。馬蕭,人去去,隴雲

香貂舊制戎衣,胡霜千里。綺羅心,魂夢,上高

△●○○  ●●○○●● ●○○  ○●● ●○○

○○●●○△● ○○○●●  ●○○ ○△●  ●○○

『花間集』には孫光憲の作が三首収められている。双調四十字、前段十九字五句二仄韻二平韻、後段二十一字五句三仄韻二平韻で、③/❼❺③❸③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦733③の詞形をとる。

酒泉子三首其二

曲檻小,正是鶯花二

思無憀,愁欲,鬱離

展屏空對瀟湘,眼前千萬

淚掩,眉斂,恨沉

●●●○  △●○○●●

△○○  ○●● ●△○

●△△●○○● ●○○●●

●●○ ○●●  ●○○

 

曲檻小樓,正是鶯花二月。

閨から出て渡り廊下の欄干に沿って小さめの楼閣に来て見ると、まさに盛春真っただ中の鶯は囀り花は満開の二月の景色に変わっている。

8. 曲檻 閨は奥まったところにあるのでそこから樓閣までにある欄干のある廊下。

9. 小樓 多くくない楼閣。

10. 鶯花 鶯は囀り花は満開である。

11. 二月 盛春真っただ中の二月の景色に変わっている。閨にいると暦は二月であっても季節感がないので、この言い方になる。

 

思無憀,愁欲,鬱離襟。

晴れやかに気持ちになって何にもおもいでボーとしている。これで愁いに思ったりすることから立ち直ることが出来るだろう。憂欝の底とは縁が切れる。

12. 無憀 ・何もしないでボーっとする。顧夐『河傳三首 其三』「棹舉,舟去,波光渺渺,不知何處,岸花汀草共依依,雨微,鷓鴣相逐飛。天涯離恨江聲咽,啼猿切,此意向誰倚蘭橈,無憀。魂消,小爐香欲焦。」13-9 河傳三首 其三 》顧太尉(顧夐【こけい】)五十五首Ⅻ唐五代詞・『花間集」Gs-461-13-(9) 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3852

・心が晴れやかにならない。悲しんだり、恨んだりすることはない。牛希濟『臨江仙七首 其三』「渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。何事乘龍入忽降,似知深意相招。三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。」10 -7 臨江仙七首其三 牛學士希濟(牛希濟)ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-404-10-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3567

 

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

閨に帰って、雰囲気を変えようと屏風を広げて見ると瀟水と湘水の水神の絵に空しく対峙することになる。絵ははるか千里万里を越えて行くものである。

13. 瀟湘水 娥皇と女英の二人の女神からなる洞庭湖から湘江、瀟水にかけての地域の絵が描かれている。

14. 眼前千萬里 当時の女性は基本的に閨から出ることはないので、絵を見て千里万里を行くことが出来たら、あの人を探して歩けるだろうというほどの意味になる。

 

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

女はこの部屋から出ることはないが絵のように千里万里行くことが出来たらと思うと涙はあふれ、紅色の頬をおおいつくし、緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せている、また怨みに思う気持ちは深く沈んでゆく。

15. 紅 頬の琴、転じて化粧をした顔。

16. 眉斂翠 緑の蛾眉の間の額にはしわを寄せることをいう。

17. 沉沉 ](1) (水中に)沈む,水没する.【反】浮(2) (抽象的事物について)抑える,鎮める.沉不住气怒りを抑えられない.(3) 《方》休む,休息する.━ [](1) (重量が)重い,目方のある.(2) 程度が大きい,甚だしい.

薛昭蘊『浣溪紗八首 其四』

握手河橋柳似金,蜂鬚輕惹百花心,蕙風蘭思寄清琴。

意滿便同春水滿,情深還似酒盃深,楚煙湘月兩沉沉。

手を握りあったのは河橋のたもとの柳が金のように芽吹き繁る下でした。蜂はその鬚でもって、輕やかに百花の芯に惹かれ、飛び回るのです。花のかおりが風に乗って吹いて来て、そのなかの蘭のはなに思いよせると、いつのまにか清がしい琴の音に寄ってしまうのです。

あの人への思いは胸いっぱいであり、ちょうど今、川いっぱいの春の増水とおなじのようなのです,あのひとのおもい、やさしさはとても深く、だから、また、酒盃をいっぱいに何度も注いでくれることのようでした,楚の巫女と皇帝の化身である靄、カスミが漂い、舜の後を追って湘水に身を投げた娥皇と女英が月に化身している,そのふたつの思いは、やがて沉沉とおさまっていくものです。

9 6 浣溪紗八首 其四 (薛昭蘊)薛侍郎昭蘊ⅩⅫ唐五代詞・「花間集」 Gs-382-9-#6  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ3457

12孫光憲《巻八17酒泉子三首其一》『花間集』369全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7117

孫光憲  酒泉子三首其一

空磧無邊,萬里陽關道路。馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。綺羅心,魂夢隔,上高樓。

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

12孫光憲《巻八17酒泉子三首其一》『花間集』369全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7117

 

 

 
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韋莊

巻三24酒泉子月落星沉,樓上美人春睡。綠雲傾,金枕膩,畫屏深。子規啼破相思夢,曙色東方纔動。柳煙輕,花露重,思難任。

牛嶠

巻四22酒泉子記得去年,煙暖杏園。花正發,雪飄香,江艸綠,柳絲長。鈿車纖手捲簾望,眉學春山樣。鳳釵低裊翠鬟,落梅粧。

張泌

巻四42酒泉子二首其一春雨打,驚夢覺來天氣曉。畫堂深,紅焰小,背蘭缸。酒香噴鼻懶開缸,惆悵更無人共醉。舊巢中,新鷰子,語雙雙

張泌

巻四43酒泉子二首其二紫陌青門,三十六宮春色。御溝輦路暗相通,杏園風。咸陽沽酒寶釵空,笑指未央歸去。插花走馬落殘紅,月明中。

毛文錫

巻五07酒泉子綠樹春深,鷰語鶯啼聲斷續。蕙風飄蕩入芳叢,惹殘紅。柳絲無力裊煙空,金盞不辭須滿酌。海棠花下思朦朧,醉香風。

牛希濟

巻五43酒泉子枕轉簟涼,清曉遠鐘殘夢。月光斜、簾影動,舊鑪香。夢中盡相思事,纖手勻雙淚。去年書,今日意,斷離腸。

顧夐

巻七09酒泉子七首其一楊柳舞風,輕惹春煙殘雨。杏花愁,鶯正語,畫樓東。錦屏寂寞思無窮,還是不知消息。鏡塵生,珠淚滴,損儀容。

顧夐

巻七10酒泉子七首其二羅帶縷金,蘭麝煙凝魂斷。畫屏欹,雲鬢亂,恨難任。幾迴垂淚滴鴛衾,薄情何處去。登臨,花滿樹,信沉沉

顧夐

巻七11酒泉子七首其三小檻日斜,風度綠人悄悄。翠幃閑掩舞雙鸞,舊香寒。別來情緒轉難判,韶顏看卻老。依稀粉上有啼痕,暗銷魂。

顧夐

巻七12酒泉子七首其四黛薄紅深,約掠綠鬟雲膩。小鴛鴦,金翡翠,稱人心。錦鱗無處傳幽意,海鷰蘭堂春又去。隔年書,千點淚,恨難任。

顧夐

巻七13酒泉子七首其五掩卻菱花,收拾翠鈿休上面。金蟲玉鷰鏁香奩,恨猒猒。雲鬟半墜懶重篸,淚侵山枕濕。恨燈背帳夢方酣,鴈飛南。

顧夐

巻七14酒泉子七首其六水碧風清,入檻細香紅藕膩。謝娘斂翠恨無涯,小屏斜。堪憎蕩子不還家,謾留羅帶結。帳深枕膩炷沉煙,負當年。

顧夐

巻七15酒泉子七首其七黛怨紅羞,掩映畫堂春欲暮。殘花微雨隔青樓,思悠悠。芳菲時節看將度,寂寞無人還獨語。畫羅襦,香粉,不勝愁。

孫光憲

巻八17酒泉子三首其一空磧無邊,萬里陽關道路。馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。綺羅心,魂夢隔,上高樓。

孫光憲

巻八18酒泉子三首其二曲檻小樓,正是鶯花二月。思無憀,愁欲,鬱離襟。展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

孫光憲

巻八19酒泉子三首其三斂態前,裊裊雀釵頸。鷰成雙,鸞對影,耦新知。玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。翠連娟,紅縹渺,早粧時。

毛熙震

《巻十09巻十酒泉子二首其一》  閑臥繡幃,慵想萬般情寵。錦檀偏,翹股重,翠雲欹。暮天屏上春山碧,映香煙霧隔。蕙蘭心,魂夢役,斂蛾眉。

毛熙震

《巻十10酒泉子二首其二》  鈿匣舞鸞,隱映豔紅脩碧。月梳斜,雲鬢膩,粉香寒。曉花微斂輕呵展,裊釵金鷰軟。日初昇,簾半掩,對殘粧。

李珣

《巻十38酒泉子四首其一》  寂寞青樓,風觸繡簾珠翠撼。月朦朧,花暗澹,鏁春愁。尋思往事依稀夢,淚臉露桃紅色重。鬢欹蟬。釵墜鳳,思悠悠。

李珣

《巻十39酒泉子四首其二》  雨清花零,紅散香凋池兩岸。別情遙,春歌斷,掩銀屏。孤帆早晚離三楚,閑理鈿箏愁幾許?曲中情,絃上語,不堪聽。

李珣

《巻十40酒泉子四首其三》  秋雨聯綿,聲散敗荷叢裏。那堪深夜枕前聽,酒初醒。牽愁惹思更無停,燭暗香凝天欲曉。細和煙,冷和雨,透簾中。

李珣

《巻十41酒泉子四首其四》  秋月嬋娟,皎潔碧紗外。照花穿竹冷沉沉,印池心。凝露滴,砌蛩吟,驚覺謝娘殘夢。夜深斜傍枕前來,影徘徊。

 

 

酒泉子三首其一

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

空磧無邊,萬里陽關道路。

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

(酒泉子三首 其の一)

空磧 辺 無く、万里のさき陽関の道路あり。

馬は蕭蕭とし、人は去り去りて、隴雲は愁う。

香貂【こうちょう】 旧製にして戎衣窄【きつ】し、胡霜 千里さきに白し。

綺羅 心し、魂夢は隔つ、高楼に上らん。

 

酒泉子三首其二

曲檻小樓,正是鶯花二月。

思無憀,愁欲,鬱離襟。

展屏空對瀟湘水,眼前千萬里。

淚掩紅,眉斂翠,恨沉沉。

 

酒泉子三首其三

斂態前,裊裊雀釵頸。

鷰成雙,鸞對影,耦新知。

玉纖澹拂眉山小,鏡中嗔共照。

翠連娟,紅縹渺,早粧時。

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『酒泉子三首其一』 現代語訳と訳註

(本文)

酒泉子三首其一

空磧無邊,萬里陽關道路。

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

 

(下し文)

(酒泉子三首 其の一)

空磧 辺 無く、万里のさき陽関の道路あり。

馬は蕭蕭とし、人は去り去りて、隴雲は愁う。

香貂【こうちょう】 旧製にして戎衣窄【きつ】し、胡霜 千里さきに白し。

綺羅 心し、魂夢は隔つ、高楼に上らん。

 

(現代語訳)

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

 

(訳注)

酒泉子三首其一

(西域を守る兵士たちは行ったら行ったきり帰って来ることは難しい、残された者たちがどんな思いをしていても間には高い山があり、砂漠があり、万里の長城が隔てている。)

【解説】孫光憲の詩は客観視して詠じられたものが多い。ここでも宴席から、行ったことのない西域、玉門関の更に西の陽関を想像し従軍兵士の思いを詠う。妻が出征した夫を思う雰囲気を感じさせて事態感を出している。教坊曲は吟じたり、それを聞いているものは全く実感のない人たちを前提にして作られるものであるから、いかに万人受けするかということが重要である。そうした意味でも孫光憲は客観的な目線を送っている。

 

『花間集』には孫光憲の作が三首収められている。双調四十字、前段十九字五句一仄韻二平韻、後段二十一字五句三仄韻一平韻で、③/❼❺3❸③の詞形をとる。ちなみに溫庭筠、韋荘は孫光憲と同じ詞形で、張泌、牛嶠は③/⑦733③の詞形をとる。

酒泉子三首其一

空磧無邊,萬里陽關道。馬蕭,人去去,隴雲

香貂舊制戎衣,胡霜千里。綺羅心,魂夢,上高

△●○○  ●●○○●● ●○○  ○●● ●○○

○○●●○△● ○○○●●  ●○○ ○△●  ●○○

 

空磧無邊,萬里陽關道路。

砂漠に空しく石ころを防塁として果てしなく続いている、万里の先にある西域の陽関への道路はつづく先に兵士はいる。

1. 空磧 空漠とした石ころ砂漠。

2. 陽關 関門の名。今の甘粛省敦燈の西南。玉関の南にあったので陽閑と言った。陽関(ようかん):盛唐の詩人・王 維の詩で知られる陽関。

王維『送元二使安西』

 渭城朝雨潤輕塵、 客舎青青柳色新。

 勧君更盡一杯酒、 西出陽關無故人。

(元二の安西に使するを送る)

渭城の朝雨 軽塵を潤し、客舎青青柳色新たなり。

君に勧む更に盡くせ一杯の酒、西のかた陽關を出ずれば故人無からん。

 陽関の烽火台

 陽関は甘粛省敦煌市の西南70キロにあり、古代シルクロードの関所である。前漢に関所がおかれ玉門関の南(陽)にあったこと からこの名がある。玉門関と並んで西域交通の門戸であった。前漢時代は陽関都尉の治所であり、魏晋時代は陽関県が置かれた。

唐代には寿昌県がおかれた。宋・元代以後は西方との陸路交通がだんだんと衰退し、関所も廃棄された。

 

馬蕭蕭,人去去,隴雲愁。

そこに至る天に続く道は馬でさえヒューヒューとくるしくて嘶き、人は行き去り、帰ることなく行き去る、隴山にかかる雲はこんな悲しい出来事を見ている。

3. 粛粛 馬の斯き声の形容。

4. 隴雲愁 西への道は天に続く、天日への道であること。そこに続く道は杜甫の「兵車行」に述べられており、隴西から過酷な峠を抜ける様子も「前出塞九首」「後出塞五首」に述べられており、隴山に懸かる雲はそのすべてを見ている。

兵車行  杜甫

 

香貂舊制戎衣窄,胡霜千里白。

西域を守る兵士は貂【てん】の防寒軍服が誰かの御下がりであろうが、古着の継ぎはぎだらけであろうと、この地は千里にわたり異民族の攻め寄るところであり極寒の霜は白く凍りつくので必要不可欠の服なのだ。

5. 香貂舊制戎衣窄 貂の革製の昔誰かが作ったもので出征する際に持たされた軍服は体に少々きつくても必要なものだ。香貂は貂が極寒の冬には形が古かろうが、大きさがあって居なくても寒さをしのぐうえで威力を発揮して素晴らしいというほどの意味、美称。

 

綺羅心,魂夢隔,上高樓。

美しい綺羅の衣を着た女がどんなに兵士のことを思っていても、どんなに夢に見て思おうと、それは隴山と砂漠の防塁に隔てられて届きはしない。高楼に上って西の空を臨んでいることだろう。

6. 綺羅心 美しい綺羅の衣を着た女の心。

7. 魂夢隔 ここは夢魂が空磧、萬里、陽關、道路、隴雲に隔てられてとても届くはずがないというものである。

○この三句を故郷にいる妻の言葉としている解釈もあるが、間違い。この三句は男目線の言葉であり、孫光憲のものの見方である。

前出塞九首 其一 杜甫

前出塞九首 其二 杜甫

前出塞九首 其三 杜甫

前出塞九首 其四 杜甫

前出塞九首 其五 杜甫 44

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後出塞五首 其一 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 95

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後出塞五首 其四 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 98

後出塞五首 其五 杜甫 : kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 99

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12孫光憲《巻八16臨江仙二首其二》『花間集』368全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7112

孫光憲     巻八16臨江仙二首其二 暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

(妃嬪になり寵愛を受けていても、何時かは失うものである。高唐賦にいう楚雲もやがて分かれるものと詠う)

夕暮の降る雨はさびしそうにさらさらと降って気持ちがなえる、寝殿の門をあけることはない、閨の燭台に火をともして、その前に静かに座って動かず、「初更」の鐘が鳴る。耀く簪を付けたままで高く結った髪型が低くつぶれていて、両鬢の雲型も横方向に崩れかけていてもなおそうとはしない。とばり、幔幕も、垂らしかけのままでととのえず、屏風と戸張には燭光の影を映して明るい。寵愛を受けず、そのための準備もしないのでは、妃嬪の座を棄てることになる、思い直して、頭を低くして古い秦の瑟琴を一心に奏でる。燕が二羽並んでいて、こころのかよわない鸞が並んで足跡をのこしていく、男女の情というものには勝てないのだろう。そんな愁いも夜が明けると旅立って行くこことで消える。まさに、あんなに愛し合っていても「高唐賦」にいう雲に化身して川を下ってゆき別れるのである。

12孫光憲《巻八16臨江仙二首其二》『花間集』368全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7112

 

 
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張泌

巻四38臨江仙煙收湘渚秋江靜,蕉花露泣愁紅。五雲雙鶴去無蹤,幾迴魂斷,凝望向長空。翠竹暗留珠淚怨,閑調寶瑟波中,花鬟月鬢綠雲重。古祠深殿,香冷雨和風。

毛文錫

巻五35臨江仙暮蟬聲盡落斜陽,銀蟾影掛瀟湘。黃陵廟側水茫茫。楚山紅樹,煙雨隔高唐。岸泊漁燈風颭碎,白蘋遠散濃香。靈娥皷琴韻清商,朱絃淒切,雲散碧天長。

牛希濟

巻五36臨江仙七首其一峭碧參差十二峯,冷煙寒樹重重。瑤宮殿是仙蹤,金鑪珠帳,香靄晝偏濃。一自楚王驚夢斷,人間無路相逢。至今雲雨帶愁容,月斜江上,征棹動晨鐘。

牛希濟

巻五37臨江仙七首其二謝家仙觀寄雲岑,岩蘿拂地成陰。洞房不閉白雲深,當時丹竈,一粒化黃金。石壁霞衣猶半挂,松風長似鳴琴。時間唳鶴起前林,十洲高會,何處許相尋?

牛希濟

巻五38臨江仙七首其三渭闕宮城秦樹凋,玉樓獨上無憀。含情不語自吹簫,調情和恨,天路逐風飄。何事乘龍入忽降,似知深意相招。三清攜手路非遙,世間屏障,彩筆劃嬌饒。

牛希濟

巻五39臨江仙七首其四江繞黃陵春廟閑,嬌鶯獨語關關。滿庭重疊綠苔斑,陰雲無事,四散自歸山。簫鼓聲稀香燼冷,月娥斂盡彎環。風流皆道勝人間,須知狂客,判死為紅顏。

牛希濟

巻五40臨江仙七首其五素洛春光瀲灩平,千重媚臉初生。淩波羅襪勢輕輕,煙籠日照,珠翠半分明。風引寶衣疑欲舞,鸞迴鳳翥堪驚。也知心許無恐成,陳王辭賦,千載有聲名。

牛希濟

巻五41臨江仙七首其六柳帶搖風漢水濱,平蕪兩岸爭勻。鴛鴦對浴浪痕新。弄珠遊女,微笑自含春。輕步暗移蟬鬢動,羅裙風惹輕塵。水精宮殿豈無因?空勞纖手,解珮贈情人。

牛希濟

巻五42臨江仙七首其七洞庭波浪颭晴天,君山一點凝煙。此中真境屬神仙,玉樓珠殿,相映月輪邊。萬里平湖秋色冷,星辰垂影參然。橘林霜重更紅鮮,羅浮山下,有路暗相連。

和凝

巻六16臨江仙二首其一海棠香老春江晚,小樓霧縠濛。翠鬟初出繡簾中,麝煙鸞珮蘋風。碾玉釵搖鸂鶒戰,雪肌雲鬢將融。含情遙指碧波東,越王臺殿蓼花紅

和凝

巻六17臨江仙二首其二披袍窣地紅宮錦,鶯語時囀輕音。碧羅冠子穩犀簪,鳳皇雙颭步搖金。肌骨細勻紅玉軟,臉波微送春心。嬌羞不肯入鴛衾,蘭膏光裏兩情深。

顧夐

巻七32臨江仙三首其一碧染長空池似鏡,倚樓閑望凝情,滿衣紅藕細香清。象床珍簟,山障掩,玉琴橫。暗想昔時懽笑事,如今贏得愁生。博山鑪暖澹煙輕。蟬吟人靜,殘日傍,小明。

顧夐

巻七33臨江仙三首其二幽閨小檻春光晚,柳濃花淡鶯稀。舊歡思想尚依依,翠嚬紅斂,終日損芳菲。何事狂夫音信斷,不如梁鷰猶歸。畫意深處麝煙微,屏虛枕冷,風細雨霏霏。

顧夐

巻七34臨江仙三首其三月色穿簾風入竹,倚屏雙黛愁時。砌花含露兩三枝,如啼恨臉,魂斷損容儀。香燼暗銷金鴨冷,可堪辜負前期。繡襦不整鬢鬟欹,幾多惆悵,情緒在天涯。

孫光憲

巻八15臨江仙二首其一霜拍井梧幹葉墮,翠幃雕檻初寒。薄鈆殘黛稱花冠,含情無語,延佇倚欄干。杳杳征輪何處去,離愁別恨千般。不堪心緒正多端,鏡奩長掩,無意對孤鸞。

孫光憲

巻八16臨江仙二首其二暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

鹿虔扆

《巻九14臨江仙二首 其一》  重門荒苑靜,綺愁對秋空。翠華一去寂無蹤,玉樓歌吹,聲斷已隨風。煙月不知人事改,夜闌還照深宮。藕花相向野塘中,暗傷亡國,清露泣香紅

鹿虔扆

《巻九15臨江仙二首 其二》  無賴曉鶯驚夢斷,起來殘醉初醒。映絲柳煙青,翠簾慵卷,約砌杏花零。一自玉郎遊冶去,蓮凋月慘儀形。暮天微雨灑閑庭,手裙帶,無語倚雲屏

閻選

《巻九22臨江仙二首其一》  雨停荷逗濃香,岸邊噪垂楊。物華空有舊池塘,不逢仙子,何處夢襄王。珍簟對欹鴛枕冷,此來塵暗淒涼。欲憑危檻恨偏長,藕花珠綴,猶似汗凝粧

閻選

《巻九23臨江仙二首其二》  十二高峯天外寒,竹梢輕拂仙壇。寶衣行雨在雲端,畫簾深殿,香霧冷風殘。欲問楚王何處去?翠屏猶掩金鸞。猿啼明月照空灘,孤舟行客,驚夢亦艱難。

尹鶚

《巻九28臨江仙二首其一》  一番荷生池沼,檻前風送馨香。昔年於此伴蕭娘,相佇立,牽惹敘衷腸。時逞笑容無限態,還如菡萏爭芳。別來遣思悠,慵窺往事,金小蘭房

尹鶚

《巻九29臨江仙二首其二》  深秋寒夜銀河靜,月明深院中庭。西幽夢等閑成,逡巡覺後,特地恨難平。紅燭半條殘短,依稀暗背銀屏。枕前何事最傷情,梧桐葉上,點點露珠零

毛熙震

《巻九41臨江仙二首其一》  南齊天子寵嬋娟,六宮羅綺三千。潘妃嬌獨芳妍,椒房蘭洞,雲雨降神仙。縱態迷歡心不足,風流可惜當年。纖腰婉約金蓮,妖君傾國,猶自至今傳

毛熙震

《巻九42臨江仙二首其二》  幽閨欲曙聞鶯囀,紅月影微明。好風頻謝落花聲,隔幃殘燭,猶照綺屏箏。被錦茵眠玉暖,香斜煙輕。澹蛾羞斂不勝情,暗思閑夢,何處逐雲行

李珣

《巻十24臨江仙二首其一》  簾卷池心小閣虛,暫涼閑步徐徐。芰荷經雨半凋疎,拂堤垂柳,蟬噪夕陽餘。不語低鬟幽思遠,玉釵斜墜雙魚。幾迴看寄來書,離情別恨,相隔欲何如。

李珣

《巻十25臨江仙二首其二》  鶯報簾前暖日紅,玉鑪殘麝猶濃。起來閨思尚疎慵,別愁春夢,誰解此情悰。強整嬌姿臨寶鏡,小池一芙蓉。舊歡無處再尋蹤,更堪迴顧,屏畫九疑峯。

 

 

臨江仙二首其一

(選抜されて後宮に入り、選抜されて妃賓に、そして鳳凰のようにむつまじく過ごしたが、寵愛は長くは続かない、何時しか少し年を重ねると見捨てられてしまう妃嬪を詠う。)

霜拍井梧幹葉墮,翠幃雕檻初寒。

醴泉である井戸、鳳凰は梧桐にだけとまる愛の巣であったものを、秋が来て霜に打たれて葉が枯れ落ち幹だけになっている、それと同じように、閨には翡翠の帳や彫りの手すりにもこの秋、初めて寒さを感じさせるものである。

薄鈆殘黛稱花冠,含情無語,延佇倚欄干。

少し年を重ねたとはいえ、薄化粧や眉は花の冠によく似あってとても美しい。誰も来ない閨では思いを内に含んで言葉など発することなく、物憂げにいつまでも手すりにもたれて倚りかかっておこしをまつ。

杳杳征輪何處去,離愁別恨千般。

あのお方は輦車で今どこかにはるかなところに行かれてしまった、別れは悲しみであったが、思い出も、思いでの物、様々なものが恨みにかわってしまう。

不堪心緒正多端,鏡奩長掩,無意對孤鸞。

心は揺れ動き、思いは募るばかりで、堪えることが出来ない。鏡の箱を開けることもなく長く覆いをかけたままにしている。他のことへの意欲などないし、番で初めて鳳凰なのに独りで居る鸞はいったいなにを思えばよいのだろうか。

 

臨江仙二首其二

暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。

玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。

終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。

鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

 

 

(臨江仙二首其の一)

霜 井梧を拍ち 幹葉 堕ち、翠幃 雕檻 初めて寒し。

薄鈆 残黛 花冠に称う、情を含みて 語ること 無く、延佇して 欄干に倚る。

杳杳として 征輪 何処にか去れる、離愁 別恨 千般なり。

堪えず 心緒の正に多端なるに、鏡奩 長に掩い、孤鸞に対する意無し。

 

臨江仙二首其二

暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。

玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。

終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。

鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

(妃嬪になり寵愛を受けていても、何時かは失うものである。高唐賦にいう楚雲もやがて分かれるものと詠う)

夕暮の降る雨はさびしそうにさらさらと降って気持ちがなえる、寝殿の門をあけることはない、閨の燭台に火をともして、その前に静かに座って動かず、「初更」の鐘が鳴る。

耀く簪を付けたままで高く結った髪型が低くつぶれていて、両鬢の雲型も横方向に崩れかけていてもなおそうとはしない。とばり、幔幕も、垂らしかけのままでととのえず、屏風と戸張には燭光の影を映して明るい。

寵愛を受けず、そのための準備もしないのでは、妃嬪の座を棄てることになる、思い直して、頭を低くして古い秦の瑟琴を一心に奏でる。

燕が二羽並んでいて、こころのかよわない鸞が並んで足跡をのこしていく、男女の情というものには勝てないのだろう。そんな愁いも夜が明けると旅立って行くこことで消える。まさに、あんなに愛し合っていても「高唐賦」にいう雲に化身して川を下ってゆき別れるのである。

(臨江仙二首 其の二)

暮雨 淒淒として 深く院閉し,燈前 初更に凝坐す。

玉釵 低く壓し 鬢雲橫にし,羅幕を半ば垂らし,燭光明らかに相いに映す。

終に是れに 心有り 漢の珮を投じ,頭を低くして 但し 秦箏を理す。

鷰雙び 鸞耦して 情勝てず,只だ愁い 明けて發し,將に 楚雲行くを逐う。

 

 

『臨江仙二首其二』 現代語訳と訳註

(本文)

臨江仙二首其二

暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。

玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。

終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。

鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

 

(下し文)

(臨江仙二首 其の二)

暮雨 淒淒として 深く院閉し,燈前 初更に凝坐す。

玉釵 低く壓し 鬢雲橫にし,羅幕を半ば垂らし,燭光明らかに相いに映す。

終に是れに 心有り 漢の珮を投じ,頭を低くして 但し 秦箏を理す。

鷰雙び 鸞耦して 情勝てず,只だ愁い 明けて發し,將に 楚雲行くを逐う。

 

(現代語訳)

(妃嬪になり寵愛を受けていても、何時かは失うものである。高唐賦にいう楚雲もやがて分かれるものと詠う)

夕暮の降る雨はさびしそうにさらさらと降って気持ちがなえる、寝殿の門をあけることはない、閨の燭台に火をともして、その前に静かに座って動かず、「初更」の鐘が鳴る。

耀く簪を付けたままで高く結った髪型が低くつぶれていて、両鬢の雲型も横方向に崩れかけていてもなおそうとはしない。とばり、幔幕も、垂らしかけのままでととのえず、屏風と戸張には燭光の影を映して明るい。

寵愛を受けず、そのための準備もしないのでは、妃嬪の座を棄てることになる、思い直して、頭を低くして古い秦の瑟琴を一心に奏でる。

燕が二羽並んでいて、こころのかよわない鸞が並んで足跡をのこしていく、男女の情というものには勝てないのだろう。そんな愁いも夜が明けると旅立って行くこことで消える。まさに、あんなに愛し合っていても「高唐賦」にいう雲に化身して川を下ってゆき別れるのである。

 

(訳注)

臨江仙二首其二

(妃嬪になり寵愛を受けていても、何時かは失うものである。高唐賦にいう楚雲もやがて分かれるものと詠う)

 

『花間集』には孫光憲の作が二首収められている。双調五十八字、前後段同形、各五句二十九字三平韻二仄韻で、❼⑥⑦❹⑤/❼⑥⑦❹⑤の詞形をとる。張泌、毛文錫、牛希濟、和凝、顧孫光憲、鹿虔扆、閻選、毛熙震、李珣の臨江仙の解説参照。

臨江仙二首其一

霜拍井梧幹葉,翠幃雕檻初

薄鈆殘黛稱花,含情無,延佇倚欄

杳杳征輪何處,離愁別恨千

不堪心緒正多,鏡奩長,無意對孤

○●●○●●△  ●○○●○○

●○○●△○△  ○○○● △●△○○

●●○○△●● △○●●○○

△○○●△○○ ●○△●  ○●●○○

其二 双調五十八字、前後段同形、各五句二十九字三平韻二仄韻で、❼⑥⑦❹⑤/❼⑥⑦❹⑤の詞形をとる。張泌、毛文錫、牛希濟、和凝、顧孫光憲、鹿虔扆、閻選、毛熙震、李珣の臨江仙の解説参照。

臨江仙二首其二

暮雨淒淒深院,燈前凝坐初

玉釵低壓鬢雲,半垂羅,相映燭光

終是有心投漢,低頭但理秦

鷰雙鸞耦不勝,只愁明,將逐楚雲

●●○○△△●  ○○△●○△

●○○●●○△  ●○○● △●●△○

○●●○○●● ○○△●○○

●○○●△△○ △○○●  △●●○△

 

暮雨淒淒深院閉,燈前凝坐初更。

夕暮の降る雨はさびしそうにさらさらと降って気持ちがなえる、寝殿の門をあけることはない、閨の燭台に火をともして、その前に静かに座って動かず、「初更」の鐘が鳴る。

12 暮雨 朝雲暮雨。男女の契り・情交のこと。「朝雲」は朝の雲、「暮雨」は夕暮れに降る雨の意。「暮雨朝雲 ぼうちょううん 」ともいう。

13 淒淒 (1) 寒い,冷え冷えする.(2) もの寂しい,うらさびれた.《―()悲しい,胸ふさがる.凄惨。痛ましい,悲惨な.凄楚

14 深院閉 高い塀で囲まれた大きな屋敷、寝殿のとびらをしめたままにする。.

15 凝坐 1.静坐。 2.引申静止,固定不

16 初更 日が暮れて、翌朝夜が明けるまでを五回の時を告げる、その初回をいう。この時はまだ来てくれるかもしれないという意味に使う語である。

 

玉釵低壓鬢雲橫,半垂羅幕,相映燭光明。

耀く簪を付けたままで高く結った髪型が低くつぶれていて、両鬢の雲型も横方向に崩れかけていてもなおそうとはしない。とばり、幔幕も、垂らしかけのままでととのえず、屏風と戸張には燭光の影を映して明るい。

17 玉釵・低壓鬢雲橫 この二句は妃嬪自身の様子で、特に髪型が崩れても直そうとする気持ちにもならない。

18 半垂羅幕,相映燭光明 この二句は妃嬪の部屋の様子。

 

終是有心投漢珮,低頭但理秦箏。

寵愛を受けず、そのための準備もしないのでは、妃嬪の座を棄てることになる、思い直して、頭を低くして古い秦の瑟琴を一心に奏でる。

8 投漢珮 相傳周代鄭交甫於漢皋臺下遇見兩位女子,女子身上均佩帶二珠。回頭看時,二位女子也不見蹤影。妃嬪の位を示す帯玉。あの漢の佩び玉を投げ捨ててしまって忘れようとする心になろうとしていることをいう。

10 理秦箏 寺院歌謡として行われた楽箏伴奏の歌曲が多く、ここでは三峡、巫山の巫女が奏るものである。秦箏- 箏は,戦国時代(403‐前221)に秦の将軍蒙恬(もうてん)が作ったという説があるが信ずるに足りない。しかし,秦で広く行われていたことから秦箏とも呼ばれ,中国大陸西部に興った秦と箏との関係は密接である。

 

鷰雙鸞耦不勝情,只愁明發,將逐楚雲行。

燕が二羽並んでいて、こころのかよわない鸞が並んで足跡をのこしていく、男女の情というものには勝てないのだろう。そんな愁いも夜が明けると旅立って行くこことで消える。まさに、あんなに愛し合っていても「高唐賦」にいう雲に化身して川を下ってゆき別れるのである。

11 鷰雙 ツバメが二つ並ぶ。ツバメは子作りのために巣を作り、やってくる。

12 鸞耦 鳳凰はつがいで居るもの。・耦 二人が並んで耕す.ここは、三峡を越えて行く前に留まる夔州・歸州・宜昌などの港の街の妓娼について詠ったもの。

13 明發 夜が明けたら出発すること。・明発 早朝、夜が明けて光が発する時。夜は初夜を引きずっているということ。 謝霊運『初發石首城』「游當羅浮行,息必廬霍期。越海淩三山,遊湘曆九嶷。欽聖若旦暮,懷賢亦淒其。皎皎明發心,不為寒欺。」

14 楚雲 雲が男で女が雨で絡み合うというほどの意味だが、宋玉の「高唐の賦」宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

杜甫『水檻遣心二首』其の2 「蜀天常夜雨,江檻已朝晴。葉潤林塘密,衣幹枕席清。不堪支老病,何得尚浮名?淺把涓涓酒,深憑送此生。」楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させるが蜀では夜雨が降る。

水檻遣心二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 13)  杜甫 <418  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2035 杜甫詩1000-418-601/1500

 

李商隠『細 雨』「帷飄白玉堂、簟巻碧牙牀。楚女昔時意、蕭蕭髪彩涼。」(やわらかに風に翻るとばりは、白い玉の輝く堂を包んでいる。あるいは竹の敷物は、冷やかに碧く光る象牙の牀に拡げられている。巫山の神女はその身をささげたあの時の気持ちを秘めて今もいる、粛々と黒髪を一層色濃くし涼やかにしている。

李商隠 7 無題(颯颯東風細雨來)

細雨(帷飄白玉堂)  李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-76

細雨(瀟洒傍廻汀)  李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-78

白貯舞005
 

 

 

 

 

 

 

孫光憲 『臨江仙二首』 【字解】

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1 【臨江仙解説】遠く旅に出て帰らぬ男を思う女の情を詠う。前段は、斎条とした秋の寒さの到来と、美しさの変わらぬ女性の姿、そして、思いに沈むさまを述べる。後段、「離愁別恨千般なり」や「心緒の正に多端」の語は、「男の身に何かあったのではないか」「旅先で新しい女ができたのではないか」「もしこのままあの人が帰らなかったならば私はどうなるのか」と、あれこれ悪い事を想像せずにはいられぬ女心を綴ったものである。一夫多妻制のこの時代、通い婚が基本であり、女のもとに男が通うということぢ、天子から下々まで、女に大小の差こそあっても一つの部屋、閨、家があり気が向けば立ち寄る。女は他に行かせないように頑張る。その一生懸命さを表現する、鏡、霜、井、梧、葉墮、翠、幃、雕檻、初寒、薄鈆、殘黛、花冠,含情、無語,延佇、倚欄干、何處去,離、愁、別、恨、千般、不堪、心緒、正多端,鏡奩、長掩,對孤鸞、と。初めは仲睦まじくしている時の小道具は一転して一人さびしい小道具となるのである。孫光憲の詩はそうした年増女の辛さを表現する語句のみで構成されているのである。

2 梧幹葉 梧桐は仲睦まじく暮らしていたことの象徴。鳳凰は、霊泉(醴泉〈れいせん〉、甘い泉の水だけを飲み、60-120年に一度だけ実を結ぶという竹の実のみを食物とし、梧桐の木にしか止まらないという。『詩経』に「鳳凰鳴けり、彼の高き岡に。梧桐生ず、彼の朝陽に」『詩経』大雅巻阿とあり、「鳳凰は梧桐にあらざれば栖まず、竹実にあらざれば食わず」という。『詩経』『春秋左氏伝』『論語』などでは「聖天子の出現を待ってこの世に現れる」といわれる瑞獣(瑞鳥)のひとつとされる。『礼記』では麒麟・霊亀・応竜とともに「四霊」と総称されている。

3 薄鈆殘黛稱花冠 薄れた白粉や眉は花の冠によく似あう。化粧はくずれてしまっているが、女の美しさは少しも変わっていないことを言う。・薄鈆:薄れた白粉。・残黛:色越せた眉。・称:ぴったりとよく似あう。

4 延佇 いつまでも手すりにもたれて倚りかかっていること。

5 杳杳 ほのかなさま。くらいさま。また,はるかなさま。空間または時間においてとても遠い、遠いこと。

6 離愁 別れの悲しみ。

7 千般 種々。さまざま。いろいろ。

8 心緒 思いのはし。心の動き。

9 多端 1 複雑で多方面にわたっていること。また、そのさま。「多岐―」2 事件や仕事が多くて忙しいこと。また、そのさま。多忙。多事。

10 鏡奩 鏡を収めておく箱。

11 孤鸞 自分の姿しか映っていない鏡。鸞は鸞鏡。鏡のこと。○鏡中鸞 金属製の鏡の背面に彫られた鸞の模様が「双鳳文鏡」であり、離ればなれのつがいの鸞がお互いを求め合う姿を彫刻しているものが多い。「鸞鏡」は、愛し合う(時にはなれねばならない)男女の思いを映し出す鏡をしめす。鸞は理想郷に棲む想像上の鳥。羽の色は赤色に五色を交え声は五音に合うという。白楽天「太行路」に鏡中鸞を引き合いにし男女について詠っている。無題 (含情春晼晩) 李商隠 16 では李商隠が旅先の南京周辺の家妓であろう女性の部屋にひそかに入り交わったということを詠っている。

孫光憲『浣溪沙九首其四』

攬鏡無言淚欲流,凝情半日懶梳頭,一庭疎雨濕春愁。

楊柳秖知傷怨別,杏花應信損嬌羞,淚沾魂斷軫離憂。

溫庭筠『菩薩蠻 六』

寶函雀金鸂鵣,沈香閣上山碧。

楊柳又如絲,驛橋春雨時。

畫樓音信斷,芳草江南岸。

鸞鏡與花枝,此情誰得知。

寶函【ほうかん】鈿雀【てんじゃく】金の鸂鵣【けいちょく】,沈香【ちんこう】の閣上 山の碧【みどり】。

楊柳 又 絲の如し,驛橋 春雨【はるさめ】の時なり。

畫樓から音信 斷つ,芳草 江南の岸のあり。

鸞鏡と花枝とあり,此の情は誰か知るを得る。

あの人をまちわびている女妓が、目をさまし、うつくしい匣枕、鈿雀のかんざしと、金のおしどりにかざられたかんざしがそばにおちている。起き出すのも物憂い女妓は、朝のお化粧をして沈香のただよう樓閣のうえにのぼって、呉山のみどりの彼方をながめやる。
健康と無事を祈って折った青柳は又芽をふいて、糸のようにほそい枝を風になびかせている。驛亭にしっとりと春雨がふって、あの日ここであの人と別れを告げた。あれからどれほど月日がたったのか。
美しい高楼あの人を待ち侘びているけれど音信はとぎれたままなのだ。かんばしい春の草が江南の岸にはまたさきだした。
このさびしいこころは、鸞鳥を背に彫んだ鏡と花が咲き誇る枝だけがいつもみている。この心情はだれが察っしてくれるのだろうか。

『菩薩蠻 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-6-6 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1640

・寶函鈿雀金鸂鵣 宝函はうつくしい匣の意であるが、枕函(まくら)とか、化粧箱をさす。鈿雀は花鈿(かんざし)雀釵のたぐいであろう。金鸂鵣、これも金のおしどりのかんざしである。枕のほとりに叙のおちているけしき。夫が居たら考えられない景色というところであろう。の注参照。ここではさらに鏡に映る己の孤独な影を重ねる。

12 暮雨 朝雲暮雨。男女の契り・情交のこと。「朝雲」は朝の雲、「暮雨」は夕暮れに降る雨の意。「暮雨朝雲 ぼうちょううん 」ともいう。

13 淒淒 (1) 寒い,冷え冷えする.(2) もの寂しい,うらさびれた.《―()悲しい,胸ふさがる.凄惨。痛ましい,悲惨な.凄楚

14 深院閉 高い塀で囲まれた大きな屋敷、寝殿のとびらをしめたままにする。

15 凝坐 1.静坐。 2.引申静止,固定不

16 初更 日が暮れて、翌朝夜が明けるまでを五回の時を告げる、その初回をいう。この時はまだ来てくれるかもしれないという意味に使う語である。

17 玉釵・低壓鬢雲橫 この二句は妃嬪自身の様子で、特に髪型が崩れても直そうとする気持ちにもならない。

18 半垂羅幕,相映燭光明 この二句は妃嬪の部屋の様子。

8 投漢珮 相傳周代鄭交甫於漢皋臺下遇見兩位女子,女子身上均佩帶二珠。回頭看時,二位女子也不見蹤影。妃嬪の位を示す帯玉。あの漢の佩び玉を投げ捨ててしまって忘れようとする心になろうとしていることをいう。

10 理秦箏 寺院歌謡として行われた楽箏伴奏の歌曲が多く、ここでは三峡、巫山の巫女が奏るものである。秦箏- 箏は,戦国時代(403‐前221)に秦の将軍蒙恬(もうてん)が作ったという説があるが信ずるに足りない。しかし,秦で広く行われていたことから秦箏とも呼ばれ,中国大陸西部に興った秦と箏との関係は密接である。

11 鷰雙 ツバメが二つ並ぶ。ツバメは子作りのために巣を作り、やってくる。

12 鸞耦 鳳凰はつがいで居るもの。・耦 二人が並んで耕す.ここは、三峡を越えて行く前に留まる夔州・歸州・宜昌などの港の街の妓娼について詠ったもの。

白鬚草01

13 明發 夜が明けたら出発すること。・明発 早朝、夜が明けて光が発する時。夜は初夜を引きずっているということ。 謝霊運『初發石首城』「游當羅浮行,息必廬霍期。越海淩三山,遊湘曆九嶷。欽聖若旦暮,懷賢亦淒其。皎皎明發心,不為寒欺。」

14 楚雲 雲が男で女が雨で絡み合うというほどの意味だが、宋玉の「高唐の賦」宋玉『高唐賦』によると、楚の襄王と宋玉が雲夢の台に遊び、高唐の観を望んだところ、雲気(雲というよりも濃い水蒸気のガスに近いもの(か))があったので、宋玉は「朝雲」と言った。襄王がそのわけを尋ねると、宋玉は「昔者先王嘗游高唐,怠而晝寢,夢見一婦人…去而辭曰:妾在巫山之陽,高丘之阻,旦爲朝雲,暮爲行雨,朝朝暮暮,陽臺之下。」と答えた。「巫山之夢」。婉約の詩詞によく使われるが、千載不磨の契りといった感じのものではなく、もっと、気楽な契りをいう。

杜甫『水檻遣心二首』其の2 「蜀天常夜雨,江檻已朝晴。葉潤林塘密,衣幹枕席清。不堪支老病,何得尚浮名?淺把涓涓酒,深憑送此生。」楚の懐王が巫山の神女と夢のなかで交わった故事を連想させるが蜀では夜雨が降る。

水檻遣心二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 13)  杜甫 <418  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2035 杜甫詩1000-418-601/1500

 

李商隠『細 雨』「帷飄白玉堂、簟巻碧牙牀。楚女昔時意、蕭蕭髪彩涼。」(やわらかに風に翻るとばりは、白い玉の輝く堂を包んでいる。あるいは竹の敷物は、冷やかに碧く光る象牙の牀に拡げられている。巫山の神女はその身をささげたあの時の気持ちを秘めて今もいる、粛々と黒髪を一層色濃くし涼やかにしている。

李商隠 7 無題(颯颯東風細雨來)

細雨(帷飄白玉堂)  李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-76

細雨(瀟洒傍廻汀)  李商隠 紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集-78

12孫光憲《巻八15臨江仙二首其一》『花間集』367全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1)-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7107

孫光憲  臨江仙二首其一

霜拍井梧幹葉墮,翠幃雕檻初寒。薄鈆殘黛稱花冠,含情無語,延佇倚欄干。

杳杳征輪何處去,離愁別恨千般。不堪心緒正多端,鏡奩長掩,無意對孤鸞。

(選抜されて後宮に入り、選抜されて妃賓に、そして鳳凰のようにむつまじく過ごしたが、寵愛は長くは続かない、何時しか少し年を重ねると見捨てられてしまう妃嬪を詠う。)

醴泉である井戸、鳳凰は梧桐にだけとまる愛の巣であったものを、秋が来て霜に打たれて葉が枯れ落ち幹だけになっている、それと同じように、閨には翡翠の帳や彫りの手すりにもこの秋、初めて寒さを感じさせるものである。

少し年を重ねたとはいえ、薄化粧や眉は花の冠によく似あってとても美しい。誰も来ない閨では思いを内に含んで言葉など発することなく、物憂げにいつまでも手すりにもたれて倚りかかっておこしをまつ。

あのお方は輦車で今どこかにはるかなところに行かれてしまった、別れは悲しみであったが、思い出も、思いでの物、様々なものが恨みにかわってしまう。

心は揺れ動き、思いは募るばかりで、堪えることが出来ない。鏡の箱を開けることもなく長く覆いをかけたままにしている。他のことへの意欲などないし、番で初めて鳳凰なのに独りで居る鸞はいったいなにを思えばよいのだろうか。

12孫光憲《巻八15臨江仙二首其一》『花間集』367全詩訳注解説(改訂版Ver.2.1-漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ-7107

 

 

 
  2015年12月22日 の紀頌之5つのBlog  
  ●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩六朝謝朓・庾信 後世に多大影響を揚雄・司馬相如・潘岳・王粲.鮑照らの「賦」、その後に李白再登場  
  Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
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743年(48)李白366-#4 巻五05-《相逢行》(朝騎五花馬,) 366-#4Index-23Ⅲ― 2-743年天寶二年43歳 94首-(48) <李白366-#4> Ⅰ李白詩1711 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ7103  
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