玉臺新詠 全十巻 訳注解説

漢文委員会kanbuniinkai紀頌之   唐五代詞詩・花間集・玉臺新詠 中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。 5年以上のブログ連載。(魚玄機・薛濤・花間集)完掲載 現在《玉臺新詠》完全版連載中 予定(文選【詩篇】文選【賦篇 楚辞 詩經 ・・・・)

中国の韻文学には、古くは周代の詩があり、漢魏六朝には古詩と楽府かあり、唐代になって古詩に対して新しい近体の律詩、絶句がおこった。楽府がおとろえ新しく勃興したのが詞である。詞ははじめ、学詞ともよばれ、楽曲の歌詞をさしていうものであるが、それが流行するとともに、唐詩などと相ならんで、一つの韻文学として成立したのである。
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温庭筠の詞詩を約60首程度掲載の後、魚玄機50首程度連載し,薛濤約百首、韋莊五十首
森鴎外小説 『魚玄機』 彼女の詩を冷静に、客観的に分析 過去の女性蔑視の見方を排除して解釈 訳註解説
現在、『花間集』全詩500首、全首連載が終了した。いま、500首全首、見直し、改訂版Ver.2.1として、根本的に語訳、注釈をやり直して掲載しています。出来るだけ(改訂版Ver.2.1)と記している詩を読まれることを薦めます。
現在 玉臺新詠 訳注解説連載中
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2020年02月

玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-1-4雜詩十二首其三夜聽妓二首之一 瓊閨釧響聞 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11099

 

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玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 4•9-1-4雜詩十二首其三夜聽妓二首之一 瓊閨釧響聞 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11099

 

 

 9.謝朓

 

49-1-4雜詩十二首其三夜聽妓二首之一 瓊閨釧響聞

 

玉臺新詠集  謝朓詩 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11101

 

 

 

謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。

蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思”、  願わくば連翩たる翼に寄せん。

 

 

(二)

(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)

清吹要碧玉  調弦命綠珠

清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。

 

(二)

清吹 碧玉を要へ、調弦 綠珠に命ず。

輕歌 綺帶をに急し、含笑 羅襦を解く。

餘曲 詎んぞ幾許【いくばく】、高駕 且つ踟躕す。

徘徊 韶景の暮れるは、惟だ 洛城の隅に有り。

 

3.   同王主簿怨情

(男の愛を失った婦人の悲しい運命を詠う)

掖庭聘國  長門失懽

漢延の大奥、掖庭宮から遠く離れた砂漠の向こうの匈奴に迎えられたのは王昭君である、衛子夫が後宮に入ると、子もなく武帝の寵を失って長門宮は冷宮となり、楽しい宴会に侍ることもなかったのは陳皇后である。

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

また、離縁されて、もとの夫に逢いたくて詠ったのは“靡蕪の詩”であり、班倢妤が天子の愛を奪われ、斥けられたときのいいぐさは、秋の「うちわ」である。これらは皆男の愛を失った婦人の悲しい運命である。

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

花さくくさむらに喋が二つ三つ乱れとび、風にゆられる簾の中には一対の燕が舞いこんでくる。

徒使春帶  坐惜紅顏變

それを眺めやるわたしは、棄てられた身の悲しさに痩せ細って、春の帯もいたずらに長すぎるありさま、そぞろに紅の顕もふけてゆくのが惜しまれる。

平生一顧重  夙昔千金賤

日ごろはわたしの一顧を重んじて、昔黄金千金のねうちも賎しめたほどであった。

故人心尚永  故心人不見

わが夫の心は今もなお昔にかわらぬ とは思うのだが、しかし昔ながらの心の人は見るよしもないのが今の世の常、それを思うて限りなくうらめしい。

 

3.           (王主簿の怨情に同じゅうす。)

披庭 絶国に幣され、長門 懽讌を失ふ。

相い蓬いては 蘼蕪を詠じ、寵を辭して 団扇を悲しむ。

花叢には 数蝶乱れ、風簾に 雙燕 入る。

徒らに春帯をしてからしめ、坐ろに紅粧の変ずるを惜しむ。

生平 一顧に 重く、宿昔に 千金 賎し。

故人の心は 尚お爾り、 故心の人は 見ず。

 

雜詩十二詩 其三 夜聴妓二首

4〔一〕

(洛陽の美妓たちの歌舞矯態を描いたものである。今夜の宴席の様子が、妓女の腕輪の触れ合う音と、その席に立ちこめている艶やかな雰囲気によって、詠われている。)

瓊閨釧響聞、瑤席芳塵滿。

うるわしい閏から 腕輪の触れあう響きが聞こえ にぎやかな座席には 芳わしい塵が満ちている。

要取洛陽人、共命江南管。

いまや洛陽の美妓を呼び寄せて、みんなで江南の笛を吹かせ合奏している。

情多舞態遲、意傾歌弄緩。

情が溢れて、なまめかしく舞の動きはゆったりと、客を意識してそちらにきもちを傾けていて、それに合わせて歌の調べも緩やかになる。

知君密相親、寸心傳玉椀。

それは あなたが密かに親しみを感じているのを 知って一寸の心のたけを一寸の玉椀で運んで伝えようとしている。

(一) 
(其の一 夜 妓を聴く)

瓊閏に 釧響を聞く 堵席に 芳塵 満つ。

洛陽の人を要へ取りて、共に 江南の管を命ず。

情多くして 舞態 遅く、意傾きて 歌弄 緩やかなり。

君の密かに相い親しむを知りて、寸心 玉椀に伝う。

 

5〔二〕

上客光四座、佳麗直千金。挂釵報纓絶、珥荅琴心。

娥眉已共笑、清香復入衿。歓樂夜方靜、翠帳垂沉沉。

相和歌002
 

 

 

現代譯 訳注解説

(本文)

雜詩十二首 其二

雜詩十二詩 其三 夜聴妓二首

4〔一〕

瓊閨釧響聞、瑤席芳塵滿。

要取洛陽人、共命江南管。

情多舞態遲、意傾歌弄緩。

知君密相親、寸心傳玉椀。

 

(下し文)

(一) 

(其の一 夜 妓を聴く)

瓊閏に 釧響を聞く 堵席に 芳塵 満つ。

洛陽の人を要へ取りて、共に 江南の管を命ず。

情多くして 舞態 遅く、意傾きて 歌弄 緩やかなり。

君の密かに相い親しむを知りて、寸心 玉椀に伝う。

 

(現代語訳)

(洛陽の美妓たちの歌舞矯態を描いたものである。今夜の宴席の様子が、妓女の腕輪の触れ合う音と、その席に立ちこめている艶やかな雰囲気によって、詠われている。)

うるわしい閏から 腕輪の触れあう響きが聞こえ にぎやかな座席には 芳わしい塵が満ちている。

いまや洛陽の美妓を呼び寄せて、みんなで江南の笛を吹かせ合奏している。

情が溢れて、なまめかしく舞の動きはゆったりと、客を意識してそちらにきもちを傾けていて、それに合わせて歌の調べも緩やかになる。

それは あなたが密かに親しみを感じているのを 知って一寸の心のたけを一寸の玉椀で運んで伝えようとしている。

 

 

(訳注解説・字解)

雜詩十二首

現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。

とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。

 

雜詩十二詩 其三 夜聴妓二首

(洛陽の美妓たちの歌舞矯態を描いたものである。今夜の宴席の様子が、妓女の腕輪の触れ合う音と、その席に立ちこめている艶やかな雰囲気によって、詠われている。)

4〔一〕

瓊閨釧響聞、瑤席芳塵滿。

うるわしい閏から 腕輪の触れあう響きが聞こえ にぎやかな座席には 芳わしい塵が満ちている。

瑤席 塔のような、または、瑞で 飾られた座席。《楚辭 九歌 東皇太一》  「瑶席兮玉瑱,盍将把兮芳」(瑶席に玉項、 何ぞ瓊芳を把らざる」 (神座の様子) とある。

芳塵 については、宋・謝荘「月の賦」に「陳王初喪應劉,端憂多暇。緑苔生閣,芳塵凝榭。」(緑苔は閣に生じ、 芳塵は樹に凝る)とある。「芳塵」と瑶席」を併せ用 いている例としては、《石門新營所住四面高山回溪石瀨修竹茂林》石門在永嘉 謝霊運「石門は永嘉にあり」詩に「芳塵凝瑤席、清醑満金樽。」(芳塵【ほうじん】瑤席【ようせき】に凝【こ】もり、清醑【うまざけ】は金の樽に満つ。) という例がある。

 

 

要取洛陽人、共命江南管。

いまや洛陽の美妓を呼び寄せて、みんなで江南の笛を吹かせ合奏している。

洛陽人 宋・飽照「学古詩」 に「會得兩少妾、同是洛陽人。調絃倶起舞、為我唱梁塵」(会ま得たり 両 少妾、同に是れ洛陽の人。絃を調へ倶に起ちて舞ひ、 我の為に梁塵を唱ふ) とある。洛陽の女性は昔から歌や舞が上手で、そのうえ美人が多かったようである。洛陽の歓楽街に全国から集められた。

晋・陸機「擬古詩」にも「京洛多妖麗。玉顏侔瓊蕤。」(京洛に妖麗多く、玉顔は瓊蕤に侔し) のように詠われて いる。

江南管 江南地方の笛・笙の楽。「管」は笠や笛の如き竹製の管楽器。宋・劉轢「擬行行重行行」詩に「悲發江南調,憂委子衿詩。」(悲しみては 江南の調べを発し、憂ひては子襟の詩に委ぬ)とある。 この江南曲は悲しい調べのようであるが、要するに江南の曲は当時のはやりであったらしい。

 

情多舞態遲、意傾歌弄緩。

情が溢れて、なまめかしく舞の動きはゆったりと、客を意識してそちらにきもちを傾けていて、それに合わせて歌の調べも緩やかになる。

〔この二句は舞い、歌う妓の様子を詠うもの。〕

情多舞態遅 感情を豊かに込めているために、その舞の動きは緩やかである。「情多」は、舞を見ている或る客に対してのものであろう。

意傾歌弄緩 思いがそちらに傾いているために、その歌の調子はゆっくりしている。ゆっくりした踊りは、薄絹で体の撰がはっきりするので艶めかしくなる。「意傾」の対象は、上旬の場合と同じで、妓女が体をゆがめて流し目を送るというようなことが想定される。

 

 

知君密相親、寸心傳玉椀。

それは あなたが密かに親しみを感じているのを 知って一寸の心のたけを一寸の玉椀で運んで伝えようとしている。

知君密相親 「君」は客のなかの一人を指す。「相」 字、『詩紀』は「見」に作る。「君の密かに親しみを見すを知る」。

寸心伝玉椀 「寸心」は妓女のもの。それを「君」の手にしている「玉椀」に伝えんとしている。「椀」字、『詩紀』は「盈」に作る。意味は同じ。しかし『玉台新詠』巻四では「腕」になっており、これであれば「舞妓の玉のような腕」であり、妓人は其の玉腕の動きによって「寸心」を伝えようとしていることになる。ここでは「」に心を載せて伝えるほうが、情景がはっきりして面白い。

玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-1-3雜詩十二首其二同王主簿怨情 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11091

 

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玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 4•9-1-3雜詩十二首其二同王主簿怨情 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11091

 

 

 

 9.謝朓

 

49-1-3雜詩十二首其二同王主簿怨情

 

玉臺新詠集  謝朓詩 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11093

 

 

 

 

謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。

蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思”、  願わくば連翩たる翼に寄せん。

 

 

(二)

(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)

清吹要碧玉  調弦命綠珠

清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。

 

(二)

清吹 碧玉を要へ、調弦 綠珠に命ず。

輕歌 綺帶をに急し、含笑 羅襦を解く。

餘曲 詎んぞ幾許【いくばく】、高駕 且つ踟躕す。

徘徊 韶景の暮れるは、惟だ 洛城の隅に有り。

 

3.   同王主簿怨情

(男の愛を失った婦人の悲しい運命を詠う)

掖庭聘國  長門失懽

漢延の大奥、掖庭宮から遠く離れた砂漠の向こうの匈奴に迎えられたのは王昭君である、衛子夫が後宮に入ると、子もなく武帝の寵を失って長門宮は冷宮となり、楽しい宴会に侍ることもなかったのは陳皇后である。

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

また、離縁されて、もとの夫に逢いたくて詠ったのは“靡蕪の詩”であり、班倢妤が天子の愛を奪われ、斥けられたときのいいぐさは、秋の「うちわ」である。これらは皆男の愛を失った婦人の悲しい運命である。

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

花さくくさむらに喋が二つ三つ乱れとび、風にゆられる簾の中には一対の燕が舞いこんでくる。

徒使春帶  坐惜紅顏變

それを眺めやるわたしは、棄てられた身の悲しさに痩せ細って、春の帯もいたずらに長すぎるありさま、そぞろに紅の顕もふけてゆくのが惜しまれる。

平生一顧重  夙昔千金賤

日ごろはわたしの一顧を重んじて、昔黄金千金のねうちも賎しめたほどであった。

故人心尚永  故心人不見

わが夫の心は今もなお昔にかわらぬ とは思うのだが、しかし昔ながらの心の人は見るよしもないのが今の世の常、それを思うて限りなくうらめしい。

 

3.         (王主簿の怨情に同じゅうす。)

披庭 絶国に幣され、長門 懽讌を失ふ。

相い蓬いては 蘼蕪を詠じ、寵を辭して 団扇を悲しむ。

花叢には 数蝶乱れ、風簾に 雙燕 入る。

徒らに春帯をしてからしめ、坐ろに紅粧の変ずるを惜しむ。

生平 一顧に 重く、宿昔に 千金 賎し。

故人の心は 尚お爾り、 故心の人は 見ず。

王昭君01
 

現代譯 訳注解説

(本文)

雜詩十二首 其二

同王主簿怨情

掖庭聘國  長門失懽讌

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

徒使春帶  坐惜紅顏變

平生一顧重  夙昔千金賤

故人心尚永  故心人不見

 

(下し文)

(王主簿の怨情に同じゅうす。)

披庭 絶国に幣され、長門 懽讌を失ふ。

相い蓬いては 蘼蕪を詠じ、寵を辭して 団扇を悲しむ。

花叢には 数蝶乱れ、風簾に 雙燕 入る。

徒らに春帯をしてからしめ、坐ろに紅粧の変ずるを惜しむ。

生平 一顧に 重く、宿昔に 千金 賎し。

故人の心は 尚お爾り、 故心の人は 見ず。

 

(現代語訳)

(男の愛を失った婦人の悲しい運命を詠う)

漢延の大奥、掖庭宮から遠く離れた砂漠の向こうの匈奴に迎えられたのは王昭君である、衛子夫が後宮に入ると、子もなく武帝の寵を失って長門宮は冷宮となり、楽しい宴会に侍ることもなかったのは陳皇后である。

また、離縁されて、もとの夫に逢いたくて詠ったのは“靡蕪の詩”であり、班倢妤が天子の愛を奪われ、斥けられたときのいいぐさは、秋の「うちわ」である。これらは皆男の愛を失った婦人の悲しい運命である。

花さくくさむらに喋が二つ三つ乱れとび、風にゆられる簾の中には一対の燕が舞いこんでくる。

それを眺めやるわたしは、棄てられた身の悲しさに痩せ細って、春の帯もいたずらに長すぎるありさま、そぞろに紅の顕もふけてゆくのが惜しまれる。

日ごろはわたしの一顧を重んじて、昔黄金千金のねうちも賎しめたほどであった。

わが夫の心は今もなお昔にかわらぬ とは思うのだが、しかし昔ながらの心の人は見るよしもないのが今の世の常、それを思うて限りなくうらめしい。

 

(訳注解説・字解)

雜詩十二首

現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。

とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。

 

同王主簿怨情

(男の愛を失った婦人の悲しい運命を詠う)

掖庭聘國  長門失懽

漢延の大奥、掖庭宮から遠く離れた砂漠の向こうの匈奴に迎えられたのは王昭君である、衛子夫が後宮に入ると、子もなく武帝の寵を失って長門宮は冷宮となり、楽しい宴会に侍ることもなかったのは陳皇后である。

掖庭 宮殿のわきの殿舎。皇妃・宮女のいる所。後宮

絶国 かけはなれた国、しゅんやつ匈奴を指す。匈奴は、紀元前4世紀頃から5世紀にかけて中央ユーラシアに存在した遊牧民族および、それが中核になって興した遊牧国家であるが、漢の支配力が拡大し、匈奴の西域に対する支配力は低下していくことになる。 その後も匈奴と漢は戦闘を交え、匈奴は漢の李陵と李広利を捕らえるも、国力で勝る漢との差は次第に開いていった。

長門 漢の宮殿の名、漢の武帝の陳 皇后が退けられた宮殿の名。、皇后は帝の寵をほしいままにすること十余年なりしも、子無きため退けられて長門官にいた。司馬相如の『長門賦』では武帝の愛を失った陳皇后の女性心理を巧みに表現している。

 

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

また、離縁されて、もとの夫に逢いたくて詠ったのは“靡蕪の詩”であり、班倢妤が天子の愛を奪われ、斥けられたときのいいぐさは、秋の「うちわ」である。これらは皆男の愛を失った婦人の悲しい運命である。

蘼蕪 薬草の一種、おん な草、また、かおり草。本書巻一巻頭の古詩に棄てられた妻が山に上って蘼蕪をとり、山から下りて敏夫に逢うと歌った詩がある。玉臺新詠巻一古詩八首其一 (上山採二靡蕪) 無名氏上山採蘼蕪、下山逢故夫。山に上りて靡蕪を採る、山より下れば故夫に逢ふ。私は山に香織くさなどの薬草採りに上ったが、山から下ると別れた元の夫に出逢うたのです。

悲団扇 漢成帝の妃班倢妤の故事。怨歌行 班婕妤(倢伃)

怨歌行

 

新裂齊紈素,皎潔如霜雪。

裁爲合歡扇,團團似明月。

出入君懷袖,動搖微風發。

常恐秋節至,涼風奪炎熱。

棄捐篋笥中,恩情中道絶。

新たに 齊の 紈素を 裂けば,皎潔にして  霜雪の 如し。

裁ちて 合歡の扇と 爲せば,團團として  明月に 似たり。

君が懷袖に  出入し,動搖すれば  微風 發す。

常に恐らくは  秋節の至りて,涼風  炎熱を 奪ひ。

篋笥の中に  棄捐せられ,恩情  中道に 絶えんことを。

 15満月、望月、十五夜

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

花さくくさむらに喋が二つ三つ乱れとび、風にゆられる簾の中には一対の燕が舞いこんでくる。

 

 

徒使春帶  坐惜紅顏變

それを眺めやるわたしは、棄てられた身の悲しさに痩せ細って、春の帯もいたずらに長すぎるありさま、そぞろに紅の顕もふけてゆくのが惜しまれる。

春帯 美しい春衣の帯。それが悩み 思うために緩くなってしまった。「古詩十九首」の「相去日己遠、衣帯日己緩」(相去ること日に己に遠く、衣帯は日に己に緩し) に基づく。

 「ながし」、又「とおし」の義。やせて緩やかになること。

 むやみにそのように思われてくること。

 

平生一顧重  夙昔千金賤

日ごろはわたしの一顧を重んじて、昔黄金千金のねうちも賎しめたほどであった。

生平 二字は、『文選』の一本は互倒して「平生」とする。この二句は『列女伝』の「楚の鄭子督」の話による。「楚の鄭子菅は、楚の成王の夫人なり。初め成王、台に登る。子菅は顧りみず。王日く、吾を顧りみれば汝に千金を与へんと。子菅は遂に行きて顧りみず」。

宿昔 李善は「昔、以前は」と解し「昔はあの人も、それに千金をかけるのを惜しまなかった」とするが、五臣(李周翰)注では上旬の「平生」(少年の日)と対して「衰老の日」と解する。「若い頃にはあれほど大切にしていたのに、容貌が衰えてくると、千金のごとくであった此の身も忽ち棄てられてしまう」。そうして更に此の二句には、主君から疎遠にされていることを怨む謝眺の思いが込められているであろうと言う。

 

故人心尚永  故心人不見

わが夫の心は今もなお昔にかわらぬ とは思うのだが、しかし昔ながらの心の人は見るよしもないのが今の世の常、それを思うて限りなくうらめしい。

故心人 三字、『文選』の一本は「故人心」に作るが、伝写の詭り。此の二句の意味は、新人に対する意ととって棄婦のこととする。李善は「古詩十九首」(第十八首)の「相去万除里、故人心尚爾」を引いているから、「あの人の心は今でも故のままであろうが、私の故のままの心をあの人は見てくれない」と解釈するのであろうか。しかし「故人」は己に心変わりしているのであるから、この解釈は正しくない。或いは李善は「故人心尚爾」という全く同じ表現の出典を指摘しただけかもしれない。「文選紗」は「故人」を棄婦ととり、「私の心はもとのままだけど、その心をあの人は見てくれない」と解釈する。

玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-1-2雜詩十二首其一贈王主簿二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11083

 

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玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-1-2雜詩十二首其一贈王主簿二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11083

 

 

 9.謝朓

 

49-1-2雜詩十二首其一贈王主簿二首之一(二)

 

玉臺新詠集  謝朓詩 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11085

 

 

 

             雜詩十二首

1.            贈王主簿二首

其一   (一)

日落窗中坐  紅妝好顏色

舞衣襞未縫  流黃覆不織

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

一遇長相思  願寄連翩翼

 

 

謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。

蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思”、  願わくば連翩たる翼に寄せん。

 

 

(二)

(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)

清吹要碧玉  調弦命綠珠

清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。

 

(二)

清吹 碧玉を要へ、調弦 綠珠に命ず。

輕歌 綺帶をに急し、含笑 羅襦を解く。

餘曲 詎んぞ幾許【いくばく】、高駕 且つ踟躕す。

徘徊 韶景の暮れるは、惟だ 洛城の隅に有り。

 

姮娥 0031

 

 

現代譯 訳注解説

(本文)

雜詩十二首

贈王主簿二首其一(二)

清吹要碧玉  調弦命綠珠

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

 

 

(下し文)

(王主簿に贈る。二首其の一)

(二)

清吹 碧玉を要へ、調弦 綠珠に命ず。

輕歌 綺帶をに急し、含笑 羅襦を解く。

餘曲 詎んぞ幾許【いくばく】、高駕 且つ踟躕す。

徘徊 韶景の暮れるは、惟だ 洛城の隅に有り。

 

(現代語訳)

(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)

清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。

女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。

最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。

そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。

 

(訳注解説・字解)

雜詩十二首

現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。

とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。

 

贈王主簿二首其一(二)

(洛陽城の片隅に、二人の美女の歌姫がいて、町のものも遠くからもその歌声を聞こうとあつまる。そうした春の日の情景を詠う)

王主簿、名は季哲、「主簿」は、文書帳簿をつかさどる、漢代以後の官名。王の愛人が王を思う意を叙べている。愛人の代作であろうか。

 

(二)

清吹要碧玉  調弦命綠珠

清らかな吹奏のためにはあの美女の碧玉をむかえて命じるし、絃の調べには石崇の寵妾の縁珠がにあうので侍らせていいつけるのが一番いい。

碧王・緑珠 「碧玉」は中国古代の著名な美女であり, “小家碧玉”とよばれた,晋の汝南王司馬羲の妾。緑珠(?―300),今廣西博白縣双風頴绿羅村の人,西晋の石崇の寵妾。中国古代著名美女の一人。ここでは両者の名を借りて歌技に用いたのである。

 

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

女の軽やかに歌う姿に心を動かして、その美しい帯にせまり、女が笑を含んでうすぎぬの袖なしをもぬぐ。

羅襦 うすぎぬの短い着物、下着。

 

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

最後の曲まで歌い残しの曲がどれほどあるのだろうか。それを最後まで聴こうとしているのだろう、車を止めぐずぐずとためらっている。

踟躕 別本に「峙躕」と作るも、同義。

 

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

そのように楽しみ過ごせば、時の過ぎるのも忘れているあなたを見て、わたしの方はやるせなさにその場を行ったり来たりしているうちに春の日も暮れてゆく。ただ、それはのどかなこの洛陽城の片隅の景色の中におこっただけのことなのである。

韶景 春ののどかな景色。春景色。

玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 巻4•9-1-1雜詩十二首其一贈王主簿二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11115

 

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 別李義 - #7

 

謝朓雜詩十二〔3

 

 

 

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6詠邯鄲故才人嫁為厮養

 

 

 

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 可歎 #1

 

7秋夜

 

 

 

玉臺新詠集 巻四 9.謝朓 4•9-1-1雜詩十二首其一贈王主簿二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11115

 

 

 9.謝朓

 

49-1-1雜詩十二首其一贈王主簿二首之一

 

玉臺新詠集  謝朓詩 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11077

 

 

 

·         雜詩十二首

1.   贈王主簿二首

其一

日落窗中坐  紅妝好顏色

舞衣襞未縫  流黃覆不織

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

一遇長相思  願寄連翩翼

2.    其二

清吹要碧玉  調弦命綠珠

輕歌急綺帶  含笑解羅襦

餘曲詎幾許  高駕且踟躕

徘徊韶景暮  惟有洛城隅

 

3.   同王主簿怨情

掖庭聘國  長門失懽

相逢詠蘼蕪  辭寵悲團扇

花叢亂數蝶  風簾入雙燕

徒使春帶  坐惜紅顏變

平生一顧重  夙昔千金賤

故人心尚永  故心人不見

 

4.   聽妓二首

其一

瓊閨釧響聞  瑤席芳塵滿

要取洛陽人  共命江南管

情多舞態遲  意傾歌弄緩

知君密見親  寸心傳玉腕

5.    其二

上客光四座  佳麗直千金

掛釵報纓  墮珥答琴心

蛾眉已共笑  清香復入襟

歡樂夜方靜  翠帳垂沈沈

 

6.   詠邯鄲故才人嫁為廝養卒婦

生平宮閤裏  出入侍丹墀

開笥方羅縠  窺鏡比蛾眉

初別意未解  去久日生悲

顦顇不自識  嬌羞餘故姿

夢中忽髣髴  猶言承讌私

 

7.   秋夜

秋夜促織鳴  南鄰擣衣急

思君隔九重  夜夜空佇立

北窗輕幔垂  西月光入

何知白露下  坐視前堦濕

誰能長分居  秋盡冬復及

 

8.   雜詠五首

1.   

發翠斜漢裏  蓄寳宕山峯

抽莖類仙掌  銜光似燭龍

飛蛾再三繞  輕花四五重

孤對相思夕  空照舞衣縫

 

2.   

杏梁賓未散  桂明欲

曖色輕幃裏  低光照寳琴

徘徊雲髻影  灼爍綺疏金

恨君秋夜月  遺我洞房陰

 

3.   

本生朝夕池  落景照參差

汀洲蔽杜若  幽渚奪江蘺

遇君時採擷  玉座奉金巵

但願羅衣拂  無使素塵彌

4.    鏡臺

 

玲瓏類丹檻  苕亭似玄闕

對鳳懸清冰  垂龍掛明月

照粉拂紅妝  插花埋雲髮

玉顏徒自見  常畏君情歇

5.    落梅

新葉初冉冉  初蘂新霏霏

逢君後園讌  相隨巧笑歸

親勞君玉指  摘以贈南威

用持插雲髻  翡翠比光輝

日暮長零落  君恩不可追

 

 

朓(464 - 499年)は、南北朝時代、南斉の詩人。字は玄暉。本貫は陳郡陽夏県。同族の謝霊運・謝恵連とともに、六朝時代の山水詩人として名高く、あわせて「三謝」と称される。また謝霊運と併称して「二謝」と呼ぶこともあり、その場合は、謝霊運を「大謝」と呼ぶのに対し、謝朓を「小謝」と呼ぶ(ただし「小謝」の呼称は謝恵連を指すこともある)。宣城郡太守に任じられ、この地で多くの山水詩を残したことから、「謝宣城」とも呼ばれる。竟陵王・蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の一人であり、同じく八友の仲間である沈約・王融らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

 

 

謝朓詩 雜詩十二詩 贈王主簿二首

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である。

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中に坐し、紅妝 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃 覆うても織らず。

蜻蛉 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思”、  願わくば連翩たる翼に寄せん。

 

現代譯 訳注解説

(本文)

雜詩十二首

贈王主簿二首其一

日落窗中坐  紅妝好顏色

舞衣襞未縫  流黃覆不織

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

一遇長相思  願寄連翩翼

 

(下し文)

(王主簿に贈る。二首其の一)

日落ち 窗中【そうちゅう】に坐し、紅妝【こうしょう】 顏色を好くす。

舞衣 襞【ひだ】たつも 未だ縫せず、流黃【りゅうおう】 覆うても織らず。

蜻蛉【せいれい】 草むらの際に飛び、蜂は遊び 花上に食す。

一たび遇わんこと “長相思【ちょうそうし】”、  願わくば連翩【れんぺん】たる翼に寄せん。

 

(現代語訳)

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている。

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

 

 

(訳注解説・字解)

雜詩十二首

現存する詩は200首余り、その内容は代表作とされる山水詩のほか、花鳥風月や器物を詠じた詠物詩、友人・同僚との唱和・離別の詩、楽府詩などが大半を占める。

とりわけ叙景に優れ、謝霊運の山水詩を引き継ぎつつ、美を洞察する感受性は、他の六朝(りくちょう)詩人に類をみない。友人の沈約(しんやく)は謝の五言詩を「二百年来この詩なし」とたたえた。謝も沈約も竟陵王蕭子良(きょうりょうおうしょうしりょう)の文学サロンに出入りした八友の一人であるが、謝の詩は、唐詩の風を先駆けて切り開いており、唐の詩人李白(りはく)や杜甫(とほ)の評価も高い。尚書吏部郎に抜擢(ばってき)されてまもなく、王朝末期にありがちな皇帝廃立の陰謀に巻き込まれ、36歳で獄死した。『謝宣城集』5巻がある。

 

贈王主簿二首其一

(以前寵愛を一手に受けていた女が、寵愛を失った今の思いを詠う)

王主簿、名は季哲、「主簿」は、文書帳簿をつかさどる、漢代以後の官名。王の愛人が王を思う意を叙べている。愛人の代作であろうか。

 

日落窗中坐  紅妝好顏色

日の落ちかかる夕暮れ時、窗部屋の中に物憂げに坐っている。紅い装束をした美しい顔色の女である

窗中 南、西日の入る部屋、屋敷の西側にあることは、側室であろうか、哀れを感じる語である。ここでは、窗部屋と解しておく。

 

舞衣襞未縫  流黃覆不織

舞い衣はひだができて古めかしいが、新しいのはまだ縫えないでいる。機の上の生絹も織り半ばで上を覆いかぶせたままにしてある。

流黄 あやぎぬ、黄繭の糸をもって織るからいったのであろう。ここではまだ練らぬ生絹、機上に織りかけているものを指す。この二句も、主が旅に出たものか、他の女性を寵愛して女のもとを訪れないのいずれかを表現している。

 

蜻蛉草際飛  遊蜂花上食

庭の草ぎわに衣装を鮮明にして整えている羽を持つカゲロウが飛び舞わり、蜂もあちこち飛び回ってから、花の上に蜜をあさっている

蜻蛉 カゲロウ。とんぼに似ているが羽や体が弱々しく、ひらひら飛ぶ昆虫。長い二、三本の尾毛がある。成虫は、夏、水辺をよく飛び、産卵を終えると数時間で死ぬ。衣装を鮮明にして整えている羽をもっているから、寵愛を受けている女性に例えられる。衣冠楚楚《詩經.曹風.蜉蝣》に「蜉蝣之翼,采采衣服。心之憂矣,於我歸息」

 

一遇長相思  願寄連翩翼

それを見て女は、あなたをおもい、寵愛はいつまでもと誓った、だからもう一ど遇いたいと願っています、どうにかして、すぐにでもあの雌雄うち連れて飛ぶ鳥の翼にこの身を託したいものだと。

長相思 「長」は 綿の縁語。綿綿と長く続く意をとる。二人過ごした時の糸をかがってほどけぬようにした「結同心」のことを意味する語である。大事な人を思いしのぶ。「相」は、相互にの意味は、この場合は弱い。相思相愛の相思とは違う。現代語に単相思(片思い)がある。但し、想君思我錦衾寒のとり方によっては、「相互に」の意味になる。ここは、ある時期、ある期間、相互相思であったこと、寵愛を受けていた期間があったことをいう。

古詩十九首之十八首

 

客從遠方來,遺我一端綺。

相去萬餘里,故人心尚爾。

文彩雙鴛鴦,裁為合歡被。

著以長相思,緣以結不解。

以膠投漆中,誰能別離此?

客遠方より乗り、我に一端の綺を遣る。

相去ること萬餘里なるも、故人の心 尚ほ爾り。

文彩は雙鴛鴦、裁ちて合歓の被と為す。

著するに長相思を以てし、縁とるに結不解を以てす。

膠を以て漆中に投ぜば、誰か能く此を別離せん。

李白 長相思【寄遠】,二首之一

 長相思【寄遠】,二首之二 


玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-5雜詩五首其五巫山高 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11091

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玉臺新詠集 巻四
8.王融_ 48-1-5雜詩五首其五巫山高 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11091

 

 

 8.王融_

 

48-1-5雜詩五首其五巫山高

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11069

 

 

 

 

作者:王融

 

 

雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

雜詩五首 其一 古意二首 其一

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

坐銷芳草氣、空度明月輝

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

巫山彩雲沒、淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

其二

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

霜氣下孟津、秋風度函谷。

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

念君淒已寒、當軒卷羅縠。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

千里不相聞、寸心氛氳。

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)

(二)(霜気孟津に下る)

霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)

抱月如可明、懷風殊復清。

月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。

絲中傳意緒、花裏寄春情。

絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。

また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。

芳袖幸時拂、龍門空自生。

この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。

 

(雜詩五首其の二 琵琶を詠む)

月を抱けば 明らかにすべきが如く、風を懷けば 殊に復た清し。

絲中に意緒を傳へ、花裏に春情を寄す。

掩抑すれば 奇態有り、悽愴として 好聲多し。

芳袖 幸に 時に拂えよ、龍門 空しく自ら生ぜん。

雜詩五首其三 詠幔

(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)

幸得與珠綴、羃歷君之楹。

仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家のをおおい、あたりに張りめぐらされている。

月映不辭卷、風來輒自輕。

その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。

この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。

俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。

(雜詩五首三首 幔を詠む)

幸 に珠と綴らるるを得て 君の楹に羃歷たり。

月映じて巻くを辭せず、風来れば輒ち自ら軽し。

毎に金鑪の気を究め、時に玉琴の聾を駐む。

但だ願う 樽酒を置き、蘭紅の夜に当たって明かならんことを。

 

雜詩五首其四 巫山高

(重畳して天日を隠蔽する巫山についてそう玉の賦に基づいて詠う)

想象巫山高、薄暮陽臺曲。

ここには男女の情行に想像に思いを走らせる。見ると巫山は重畳して天日を隠蔽するという巫山十二峰は高くそびえ、陽台のくまには、日が暮れかかれば暗い。

煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

そこには煙や霞がたちまちひろがって雲になり、巻き収まったり、谷底に吹く風で香草の香りが時に断えたり続いたりする。

彼美如可期、寤言紛在属。

この地は神秘的で目ざめると神女の姿が眼の中にちらつきまさしく美人と会えるような思いになる。

撫然坐相思、秋風下庭綠。

やがて茫然としてわれを忘れ、わけもなく彼女のことを思いつづける。しか しすべては想像にすぎない。現実に返れば庭にはすでに秋風が緑の草の上に吹き下っている。

 

(雜詩五首其四 巫山高し)

想象 巫山高く、薄暮 陽臺の曲。

煙霞 乍まち 舒卷し、蘅芳 時に斷續す。

彼の美 期す可きが如し、寤めて 言に紛として 属に在る。

撫然として 坐ろに 相思、秋風 庭綠に下る。

 巫山十二峰002

 

《雜詩五首其四 巫山高》現代語訳と訳注解説

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。

煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。

撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

〔下し文〕

(雜詩五首其四 巫山高し)

想象 巫山高く、薄暮 陽臺の曲。

煙霞 乍まち 舒卷し、蘅芳 時に斷續す。

彼の美 期す可きが如し、寤めて 言に紛として 属に在る。

撫然として 坐ろに 相思、秋風 庭綠に下る。

 

〔現代語訳〕

(重畳して天日を隠蔽する巫山についてそう玉の賦に基づいて詠う)

ここには男女の情行に想像に思いを走らせる。見ると巫山は重畳して天日を隠蔽するという巫山十二峰は高くそびえ、陽台のくまには、日が暮れかかれば暗い。

そこには煙や霞がたちまちひろがって雲になり、巻き収まったり、谷底に吹く風で香草の香りが時に断えたり続いたりする。

この地は神秘的で目ざめると神女の姿が眼の中にちらつきまさしく美人と会えるような思いになる。

やがて茫然としてわれを忘れ、わけもなく彼女のことを思いつづける。しか しすべては想像にすぎない。現実に返れば庭にはすでに秋風が緑の草の上に吹き下っている。

 

 

〔訳注解説〕

作者 王融(おうゆう、467 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

 

雜詩五首其四 巫山高

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漢代の「鼓吹曲辞」で鐃歌(ドウ)に「巫山高」があり、これに擬した作である。巫山は四川省にある山、巫山の神女に関する説話は 前出王元長の雑詩第一首の注(二七八貫) に記した。この詩はその巫山の神女を慕うことを述べたのである。

巫山 重慶市巫山県と湖北省の境にある名山。長江が山中を貫流して、巫峡を形成する。山は重畳して天日を隠蔽するという。巫山十二峰と言われ、その中で代表的なものに神女峰がある。

巫山は四川盆地の東半部に多数平行して走る褶曲山脈の中でも最も大きく最も東にある山脈で、四川盆地の北東の境界に北西から南東へ走る褶曲山脈の大巴山脈へと合わさってゆく。長さは40km余り、主峰の烏雲頂は海抜2,400mに達する。

楚の宋玉の「高唐賦」(『文選』所収)序に、楚の懐王が高唐(楚の雲夢沢(中国語版)にあった台館)に遊んだ際、疲れて昼寝していると、夢の中に「巫山の女(むすめ)」と名乗る女が現れて王の寵愛を受けた、という記述がある。彼女は立ち去る際、王に「私は巫山の南の、険しい峰の頂に住んでおります。朝は雲となり、夕べは雨となり(旦為朝雲、暮為行雨)、朝な夕な、この楼台のもとに参るでしょう」[2]と告げた。

 

想象巫山高、薄暮陽臺曲。

ここには男女の情行に想像に思いを走らせる。見ると巫山は重畳して天日を隠蔽するという巫山十二峰は高くそびえ、陽台のくまには、日が暮れかかれば暗い。

想像 この二字諸本異同多い。『宋刻』本では「響像」、『古楽府』では「髣髴」、『芸文類聚』では「髣象」に作る。ここは『楽府詩集』に従った。

陽台 「高唐賦」に見える台、神女と楚襄王と会し夢を結んだところ。

 

煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

そこには煙や霞がたちまちひろがって雲になり、巻き収まったり、谷底に吹く風で香草の香りが時に断えたり続いたりする。

蘅芳時断続 一本「蘅芳」を「猿島」に作る。 「蘅」は「かおりぐさ」。

 

彼美如可期、寤言紛在属。

この地は神秘的で目ざめると神女の姿が眼の中にちらつきまさしく美人と会えるような思いになる。

この二句 高唐賦で、“疲れて昼寝していると、夢の中に「巫山の女」と名乗る女が現れて王の寵愛を受けた”に基づく。

 

撫然坐相思、秋風下庭綠。

やがて茫然としてわれを忘れ、わけもなく彼女のことを思いつづける。しか しすべては想像にすぎない。現実に返れば庭にはすでに秋風が緑の草の上に吹き下っている。

撫然坐相思 『芸文類衆』には「無応坐相望」に作る。今『楽府詩集』に従う。「憮然」は失意のさま、ぼんやりすること。「相思」
長相思 久遠の辞、行人久寿戍、書を寄せて思うところをおくる。夜着の中には「長相思」の綿をつめて、縁のかざりは「結不解」のかがり糸にして、固く結んで解けぬ意をもたせるという女の気持ちを詠う。

李白 長相思【寄遠】,二首之一

日色已盡花含煙,月明欲素愁不眠。

趙瑟初停鳳凰柱,蜀琴欲奏鴛鴦弦。

此曲有意無人傳,願隨春風寄燕然。

憶君迢迢隔青天,昔日橫波目。【昔時橫波目】。

今成流淚泉。

不信妾腸斷,歸來看取明鏡前。

 (長相思,二首之一)

日色 已に盡きて 花は煙を含む,月明 素ならんと欲して愁て眠らず。

趙瑟 初めて停む鳳凰の柱,蜀琴 奏せんと欲す 鴛鴦の弦。

此曲 意有れども人の傳うる無し,願くば 春風に隨って燕然に寄せん。

君を憶えば迢迢として青天を隔ち,昔日 橫波の目。

今は流淚の泉と成る。

妾の腸斷つを信ぜざれば,歸り來って明鏡の前へ看取せよ。

巫山十二峰003

玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-4雜詩五首其四詠幔 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11083

玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 48-1-4雜詩五首其四詠幔 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11083

 

 

 8.王融_

 

48-1-4雜詩五首其四詠幔

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11061

 

 

 

作者:王融

 

 

雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

雜詩五首 其一 古意二首 其一

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

坐銷芳草氣、空度明月輝

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

巫山彩雲沒、淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

其二

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

霜氣下孟津、秋風度函谷。

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

念君淒已寒、當軒卷羅縠。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

千里不相聞、寸心氛氳。

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)

(二)(霜気孟津に下る)

霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)

抱月如可明、懷風殊復清。

月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。

絲中傳意緒、花裏寄春情。

絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。

また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。

芳袖幸時拂、龍門空自生。

この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。

 

(雜詩五首其の二 琵琶を詠む)

月を抱けば 明らかにすべきが如く、風を懷けば 殊に復た清し。

絲中に意緒を傳へ、花裏に春情を寄す。

掩抑すれば 奇態有り、悽愴として 好聲多し。

芳袖 幸に 時に拂えよ、龍門 空しく自ら生ぜん。

雜詩五首其三 詠幔

(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)

幸得與珠綴、羃歷君之楹。

仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家のをおおい、あたりに張りめぐらされている。

月映不辭卷、風來輒自輕。

その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。

この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。

俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。

(雜詩五首三首 幔を詠む)

幸 に珠と綴らるるを得て 君の楹に羃歷たり。

月映じて巻くを辭せず、風来れば輒ち自ら軽し。

毎に金鑪の気を究め、時に玉琴の聾を駐む。

但だ願う 樽酒を置き、蘭紅の夜に当たって明かならんことを。

 

 

《雜詩五首其二 詠琵琶》現代語訳と訳注解説

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。

月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。

俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

〔下し文〕

(雜詩五首三首 幔を詠む)

幸 に珠と綴らるるを得て 君の楹に羃歷たり。

月映じて巻くを辭せず、風来れば輒ち自ら軽し。

毎に金鑪の気を究め、時に玉琴の聾を駐む。

但だ願う 樽酒を置き、蘭紅の夜に当たって明かならんことを。

〔現代語訳〕

(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)

仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家のをおおい、あたりに張りめぐらされている。

その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。

この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。

ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。

〔訳注解説〕

雜詩五首其三 詠幔  作者:王融(王 元長)

(楹の場所を飾ることを説明し、そこで月をめでて酒を酌み交わしたいものと詠う)

「幔」は「まんまく」の意。この詩を『古文苑』では謝朓の作としているが、誤りであろう。

作者 王融(おうゆう、467 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

 

幸得與珠綴、羃歷君之楹。

仕合わせなことにこの 「まんまく」は珠と綴られて君の家のをおおい、あたりに張りめぐらされている。

羃歷 分布覆被の貌、楹柱に赤い布などきれいなぬのでおおい包んでしき連ねるさま。

 楹の柱や梁にはいろんな飾りをする。入り口前の左右の柱には、対句の詩を書くので、対聯という。

 楹、楹柱・楹梁

月映不辭卷、風來輒自輕。

その楹は、月の光が映ずるときほ巻きつけることが意味のないどころか際立ってきれいであるし、風が吹いてくるといつも軽やかにゆらめいている。

 

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。

この楹の場所は、つねに黄金で作った香炉の気をあつめ、時には玉琴の声をとどめて共鳴するのである。

金鑪 ① 黄金で作った香炉。また、香炉の美称。② 金、または金属をとかす炉。

玉琴 玉で飾った琴。また、琴の美称。前詩では月琴を詠ったが、玉金は総称である。

 

俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

ここで、ただ願わしいのは樽酒を用意し、蘭香をたき、そして夜を照らす燈し皿のもとで華やかな宴を催すならば望ましいことである。
蘭紅 蘭香をもやすあぶら皿。

玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-3雜詩五首其三詠琵琶 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11075

 

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玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 48-1-3雜詩五首其三詠琵琶 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11075

 

 

 8.王融_

 

48-1-3雜詩五首其三詠琵琶

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11053

 

 

 

作者:王融

 

 

雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

雜詩五首 其一 古意二首 其一

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

坐銷芳草氣、空度明月輝

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

巫山彩雲沒、淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

其二

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

霜氣下孟津、秋風度函谷。

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

念君淒已寒、當軒卷羅縠。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

千里不相聞、寸心氛氳。

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)

(二)(霜気孟津に下る)

霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)

抱月如可明、懷風殊復清。

月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。

絲中傳意緒、花裏寄春情。

絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。

また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。

芳袖幸時拂、龍門空自生。

この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。

 

(雜詩五首其の二 琵琶を詠む)

月を抱けば 明らかにすべきが如く、風を懷けば 殊に復た清し。

絲中に意緒を傳へ、花裏に春情を寄す。

掩抑すれば 奇態有り、悽愴として 好聲多し。

芳袖 幸に 時に拂えよ、龍門 空しく自ら生ぜん。

 龍門石窟003

 

《雜詩五首其二 詠琵琶》現代語訳と訳注解説

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。

絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。

芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

〔下し文〕

(雜詩五首其の二 琵琶を詠む)

月を抱けば 明らかにすべきが如く、風を懷けば 殊に復た清し。

絲中に意緒を傳へ、花裏に春情を寄す。

掩抑すれば 奇態有り、悽愴として 好聲多し。

芳袖 幸に 時に拂えよ、龍門 空しく自ら生ぜん。

 

〔現代語訳〕

(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)

月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。

絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。

また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。

この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。

 

〔訳注解説〕

雜詩五首 其二 詠琵琶  作者:王融(王 元長)

(月琴・琵琶の形状・音声さまざまのおもむきを写した詠物詩を詠う)

作者 王融(おうゆう、467 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

琵琶 唐代の琵琶については、正倉院に保存されている五つの楽器が資料として重要である。これらのうち四つが四弦曲頸洋ナシ形胴の楽器で、残りの一つが五弦直頸洋ナシ形胴の螺鈿紫檀五絃(らでんしたんごげん)琵琶である。前者がイラン起源、後者がインド起源と考えられる。またこのほかに四弦直頸円形胴の阮咸(げんかん)(唐代以前は秦(しん)琵琶とよばれた)が二面保存されている。いずれも美しい装飾が施され、撥(ばち)面にはラクダやゾウの図もみえる。宋(そう)代には独奏および伴奏楽器として広く愛好され、とくに南部では叙事物語の朗唱(弾詞(だんし))の伴奏に用いられた。明(みん)代にはさらに室内音楽および劇場音楽としても使われたが、清(しん)代に入って三弦の胡弓(こきゅう)に似た楽器によってとってかわられた。

 

抱月如可明、懷風殊復清。

月琴琵琶の月のような円い胴をいだくと、あたりを明るくすることができそうだし、器から起こる風を懐にすると、ことさら にすがすがしい気持ちになります。

抱月 琵琶の起源である月琴のことであろう、月琴は阮咸琵琶や阮と呼ばれるものであるとされている。琴の胴の形が円形にちかいもので、月を思わせる形態を言ったものである。

 

絲中傳意緒、花裏寄春情。

絃絲の中にわが想いを寄せるお方に心持ちを伝え、琵琶胴体の花模様のうちにあのお方と情を交わす春の思いを寄せるのです。

花裏 「花」は琵琶に画かれた花模様のまき絵などか。

 

掩抑有奇態、悽愴多好聲。

また、絃絲をおさえると音には不思議な抑揚と変化がおこり、見ていられないほど悲しむような響きの中に気持ちを和らげるよい音色がこもって聞こえてくるのです。

悽愴 いたみ悲しむこと。一本に「凄鏘」とある。金玉の音のものすごく高い意。悽愴流涕という意味とおもう, 痛々しいほどに悲しみ、涙を流す様子。 「悽愴」は見ていられないほど悲しむこと。 「流涕」は涙を流すこと。 「凄愴流涕」とも、「淒愴流涕」とも書く。

 

芳袖幸時拂、龍門空自生。

この器は願わくば美人のかぐわしい袖で時々払ってもらいたい、そうしてもらうと天への門である龍門山の桐もいたずらに生えてくるというのが、生き甲斐を持って生えてくるということになるのです。

龍門 天門という意味を持つ。陝西省韓城県東北、桐の産地。枚乘の「七發」に 「龍門之桐,高百尺而無枝。」(龍門の桐、高さ百尺にして枝なし)とある。
秦州成都襄陽洛陽 黄河中流域 漢水流域

玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-2雜詩五首其二古意二首之二 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11067

 

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寫懷二首其一 -2

 

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代葛沙門妻郭小玉詩二首

 

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玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 48-1-2雜詩五首其二古意二首之二 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11067

 

 

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雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

雜詩五首 其一 古意二首 其一

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

坐銷芳草氣、空度明月輝

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

巫山彩雲沒、淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

其二

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

霜氣下孟津、秋風度函谷。

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

念君淒已寒、當軒卷羅縠。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

千里不相聞、寸心氛氳。

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)

(二)(霜気孟津に下る)

霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

秦州成都襄陽洛陽 黄河中流域 漢水流域
 

 

《雜詩五首其一 古意二首其一》現代語訳と訳注解説

雜詩五首 其一 古意二首 

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

〔下し文〕

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の二)

(二)(霜気孟津に下る)

霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

 

〔現代語訳〕

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

 

〔訳注解説〕

雜詩五首 其一 古意二首其二  作者:王融(王 元長)

(故郷を思い出すはずの秋風が吹いてきても、極寒の寒さの中でも、私のもとに帰ってこない、もう何も贈る気はしないし、私自身のことも何もする気にはなれないと詠う)

作者 王融(おうゆう、467 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

 

霜氣下孟津、秋風度函谷。

孟津のほとりは霜の気が下り、函谷関には故郷を思い出させる秋風が吹きわたっていることでしょう。

孟津「盟津」とも書く。洛陽の東北に在る渡し場。0函谷洛陽の西にあたる関所、駅西省墓る。共に夫の現在の地方を指す。
秋風 蓴羹鱸膾:故郷を思う気持ちが強いこと。または、ふるさとの味という意味。秋風が吹いてきたことで、晉の張翰は、故郷の蓴菜の羹と鱸の膾のおいしい味を思い出し、なんで恋々と虚業にしがみついていることがあろうかと、辞職して故郷に帰ったという故事から。

『晋書―文苑伝・張翰』に、「翰因見秋風起、乃思呉中菰菜蓴羹鱸魚膾、曰、人生貴得適志、何能覊宦数千里以要名爵乎、遂命駕而帰」とある。

 

念君淒已寒、當軒卷羅縠。

あなたは定めしぞっとするような寒さを身にしみ感じて居られると察っし、着物を縫おうと軒ばでうすぎぬの服地を巻き初めました。

羅縠 ① うすものとこめ織。うすものの絹布。転じて、しなやかで立派な衣服。〔晉書‐石崇伝〕「颯纚羅縠、何応愛喜」② 竹の筒の内側についている薄い皮。

 

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。

だけど、気がすすまぬままに、かよわい手での針仕事をやめてしまい、また、ゆがんだ髪を洗うこともせず、髪膏さすことも怠っているのです。

 

 

千里不相聞、寸心氛氳

千里も遠く離れたあなたからは何のお便りも聞かしていただけず、わたしの胸はうつうつとふさがりもつれて何も手につきません。

氛氳 他本に「紛議」「気患」などと作るものもあるが、みな気のふさがりて、もやもやとしているさま。通常、気の盛んなさま。勢いのよいさまをいう。

 

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

ましてこの螢の飛びかう夜、木の葉がはらはらと乱れ散るのを眺めてはわびしきにたえることはできません。

 

banri01 1
 

 

(二)(霜気孟津に下る)
霜気 孟津に下り、秋風函谷をわたる。

念う 君が淒として 已に寒からんことを、軒に當りて 羅縠を卷く。

纎手 裁縫を廢し、曲鬢 膏沐を罷む。

千里 相い聞えず、寸心 として氛氳たり。

况んや 復た 飛螢の夜、木葉 亂れて 紛紛たるや。

玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 巻4•8-1-1雜詩五首其一古意二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11059

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玉臺新詠集 巻四 8.王融_ 48-1-1雜詩五首其一古意二首之一 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11059

 

 

 

 8.王融_

 

 

48-1-1雜詩五首其一古意二首之一

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11035

 

 

 

作者:王融

 

 

雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

其二

霜氣下孟津、秋風度函谷。念君淒已寒、當軒卷羅縠。

纎手廢裁縫、曲鬢罷膏沐。千里不相聞、寸心氛氳。

况復飛螢夜、木葉亂紛紛。

 

雜詩五首其二 詠琵琶

抱月如可明、懷風殊復清。絲中傳意緒、花裏寄春情。

掩抑有奇態、悽愴多好聲。芳袖幸時拂、龍門空自生。

 

雜詩五首其三 詠幔

幸得與珠綴、羃歷君之楹。月映不辭卷、風來輒自輕。

每聚金鑪氣、時駐玉琴聲。俱願致尊酒、蘭釭當夜明。

 

雜詩五首其四 巫山高

想象巫山高、薄暮陽臺曲。煙霞乍舒卷、蘅芳時斷續。

彼美如可期、寤言紛在属。撫然坐相思、秋風下庭綠。

 

雜詩五首 其一 古意二首 其一

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

坐銷芳草氣、空度明月輝

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

巫山彩雲沒、淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

巫山十二峰003
 

 

《雜詩五首其一 古意二首其一》現代語訳と訳注解説

雜詩五首 其一 古意二首 

其一

遊禽暮知反、行人獨不歸。坐銷芳草氣、空度明月輝

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。巫山彩雲沒、淇上綠條稀

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

 

 

〔下し文〕

(雜詩五首 其の一 古意二首の其の一)

遊禽は暮に反るを知るも、行人は獨り歸らず。

坐ろに 芳草の氣を銷し、空しく明月の輝を度る

嚬容は朝鏡に入り、思淚は春衣に點ず。

巫山に彩雲沒し、淇上に綠條稀なり。

君を待つ竟に至らず、秋雁 雙雙として飛ぶ。

 

〔現代語訳〕

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての意を述べたもの)

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

 

〔訳注解説〕

雜詩五首 其一 古意二首其一  作者:王融(王 元長)

(つがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての韋を述べたもの)

作者 王融(おうゆう、467 - 493年)は、中国南北朝時代、南斉の政治家・文学者。字は元長。本貫は琅邪郡臨沂県(現在の山東省臨沂市蘭山区)。六朝時代を代表する名門貴族出身。名門の出身に加えて文才にも優れ、南斉の皇族、竟陵王蕭子良の西邸に集った文人「竟陵八友」の1人に数えられ、同じく八友の仲間である沈約・謝朓らとともに「永明体」と呼ばれる詩風を生み出した。

王融は六朝時代の名門・琅邪王氏の出身で、6世前の祖先に東晋の丞相王導、高祖父に東晋の司徒王珣、曾祖父に宋の司空王弘、祖父に宋の中書令王僧達を持つなど、その中でも目覚ましい家系の生まれであった。父の王道琰は廬陵内史となり、若くして死去したが、母は琅邪王氏と並び称される陳郡謝氏の一族、謝恵宣の娘で、息子の王融に書や学問を教えた。王融は幼い頃から聡明で、博識で文才があった。おじの王倹は王融を評して「この子が40になれば、名声と地位は祖父に並ぶことだろう」と人に語っていたという。

秀才に挙げられ、南斉の晋安王蕭子懋の行参軍・竟陵王蕭子良の法曹行参軍・太子舎人を歴任した。王融は父親の官位が低かったことから、家の再興を図って、武帝に自分を試しに用いるよう上表し、秘書丞に遷った。王倹が儀同三司を授けられると、王融は詩と書を彼に贈った。王倹はその出来映えに感心し、「(こんなに褒められては)穣侯の印綬をすぐ解くわけにはいかないようだ」と人に語ったという。その後、丹陽丞・中書郎を歴任した。

491年(永明9年)33日、武帝が芳林園に行幸して曲水の宴を催し、王融にその序文を書かせたところ、その文章は当時大いに評判となり、北魏にまでも「顔延之の序を上回る名作」という評価が伝わった。493年、北魏の房亮と宋弁が使者として南斉にやって来た時、武帝は王融にその接待を命じたが、2人は王融から評判の「曲水詩の序」を見せてもらい、司馬相如の「封禅文」に並ぶ作品と評価した。

王融は自分の家柄と才能と常々たのみにし、30歳になる前に宰相の地位に就くことを望んでいた。蕭子良の法曹となったばかりの頃、王僧祐を訪ねたところ、人が王僧祐に「これはどこの若造だ」と聞いたのを耳にして、「私の名声は太陽の如く天下に輝きわたっていて、知らない人間などいないのに、お前はそんなことを聞くのか」と憤然と答えたという。中書郎となった時には「鄧禹は私のことを笑うだろう」と言っていた。功名を求め、しばしば武帝に上書しては、軍事や政治の重大事について意見を述べた。竟陵王の蕭子良は配下の文人で王融を特に寵愛し、北魏が軍を動かした時には、彼を寧朔将軍・軍主に任じた。

4937月、武帝が危篤状態に陥った時、たまたま子良は宮殿内にいて、皇太孫の蕭昭業(後の鬱林王)はまだ参上していなかった。王融は中書省の入口で東宮の儀仗を妨げ、詔勅を偽造して子良を皇帝に擁立しようと図った。しかし武帝が意識を取り戻し、また子良には政務を執る意思はなく、このため朝廷の一切は西昌侯蕭鸞(後の明帝)に委ねられることになった。間もなく武帝は死去したが、王融はなおも子良の兵を率いて宮中の門を塞ぎ、蕭鸞の参内を阻もうとした。蕭鸞はこれを排して宮中に入り、皇太孫を殿内に奉じる一方、配下に命じて子良を助け出させた。王融は自らの計画が失敗したことを知り、歎息して「公が私を誤らせたのだ」と言った。昭業はこのことで王融を深く怨み、即位して10日余りで王融を獄に下した。王融が逮捕されると多くの友人や部下たちが獄に面会に行き、行列ができるほどであった。王融は子良に救いを求めたが、子良は恐れて救い出せなかった。詔勅によって王融は自殺を命じられた。享年27。死に臨んで王融は「もし老母のためを思わなかったら、きっと一言(帝が東宮だった頃の過失を)指摘してやったものを」と言ったという。

王融は竟陵王蕭子良配下を代表する文人「竟陵八友」の一人であり、前述の「三月三日曲水詩序」など、散文に優れた作品を残し、当時の名声は非常に高かった。

詩の分野では、沈約・謝朓らとともに詩の韻律・形式面を重視した「永明体」の提唱者である。梁の鍾嶸の『詩品』序によると、王融はかつて鍾嶸に声律の理論の重要性を語ったことがあり、彼の主張に共鳴した沈約・謝朓の2人がそれを継承したとする。ただし、王融の実際の詩に対する評価は同時代から必ずしも高くない。鍾嶸は王融を沈約・謝朓らの1ランク下の下品に評し、「詞は美しく英浄なるも、五言の作に至りては、尺にも短き所有るに幾し。譬えば応変の将略は、武侯の長ずる所に非ざるも、未だ以て臥龍を貶するに足らざるがごとし」と文章は美しいが五言詩には巧みでなかったと断じていほか、序文では「近ごろ任昉・王元長等は詞に奇を貴ばず、競いて新事を須(もち)う」と、その典故を多用する姿勢を批判している。また昭明太子の編纂した『文選』でも、沈約・謝朓らの詩が比較的多数採録されているのに対し(沈約は13首、謝朓は21首)、王融の詩は1首も採録されていない。

【題意】

雜詩五首其一古意二首 『古文苑』には「和王友徳元」の五字を上に加えてある。すなわち王徳元の擬古詩に和した詩であろう。徳元は三貴の子で、車騎 長史となった人、「友」はその名、徳元は字である。

「古意」の意義については鮑令暉の雑詩(四)にも見た。擬古、倣古などと同じ意であるが、昔の思い人のことを意味するものである。このころの詩の多くは、男女の情を内容とするものが多く、南北朝から、唐にかけて多く詠われた。この詩もつがいの雁、をみて旅に出て戻らない夫についての韋を述べたものである。

 

遊禽暮知反、行人獨不歸。

明るいとき、飛び、遊ぶ禽でも日暮れには、塒に帰るということを知っているのに、旅に出た夫は、いろんなことがあるだろうが、その身はいまだに帰ってこない。

行人 古代中国、前漢や後漢における爵位の一つ。 元は徹侯と言った。武帝の名が「徹」である ... また家丞、庶子、門大夫、洗馬、行人といった属官が置かれた。以降、朝廷から名を受けて旅立つ旅人を行人と呼んだ。南北朝以降、民間の旅人に対しても、特に行ったきりでいつ帰るかわからない旅人を示す、詩上の五として使われている。

 

坐銷芳草氣、空度明月輝。

留守居のわたしは春の若草の香りは夫婦の約束のことであり、それもいつとはなしに消え失わせ、また、早くも秋になり、明月の光も空しく見すごしている。

坐銷芳草氣 春の芳草が生えても夫は帰らず、わが身の夫を待つ意欲もいつとはなしに消え去る意。芳草が生えることは、春になると男女の情も芽生え結ばれることを意味する。

 

嚬容入朝鏡、思淚點春衣。

朝、鏡に映るのは愁いのためのしかめ顔と姿がうつっているのを見ると、悲しみの涙が春衣に点々としたたりおちるのです。

嚬容 ひそめる姿。顔をしかめた姿。

 

巫山彩雲沒淇上綠條稀

男女の情をいう巫山を彩る雲も今は消えて、楚王と神女との契りを偲ぶよすがもなく、淇水のほとりには緑の条もまばらとなって、そこに愛する人を見送ったという歌も遠い昔のこととなってしまう。
巫山彩雲沒 巫山は四川省に在る。宋玉 の「高唐賦」に楚の聖が高唐(楼観の名)に遊んで夢蒜すを見、之を愛した。神女は去る時に「妾は巫山の陽(みなみ)高丘の岨(そ)に在り、旦(あした)には朝雲となり暮には行雨となる」とある故事を借りて用いたもの。

淇上綠條稀 『詩経』榔凰乗車篇に「我王宮(地 名)にむかへ、我を浜のほとりまで送りぬ」とあり、男女桑中にあいびきする歌。「洪」は川の名、昔衛の国の川、今河南省を流れる。 「線条」は完に「緑楊」とあるを参照して、楊(誓)の枝との解もあるが、「桑中篇」に本づけば桑樹の枝と見るのがよいと思う。

 

待君竟不至、秋雁雙雙飛。

それも、これも、君を待つことしかなにもできないわが身の上に起こることであり、また、秋空につがいの雁が二羽揃うて飛んでゆくのを見つめているのです

巫山十二峰002

玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 巻4•7-1-2雜詩二首其二聽隣妓 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11035

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王融_ 雜詩五首其一古意

 

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玉臺新詠集 巻四
7.邱巨源_ 47-1-2雜詩二首其二聽隣妓 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11035

 

 

 

 7.邱巨源_

 

 

47-1-2雜詩二首其二 聽隣妓  #2

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog8

 

 

 

聽隣妓  作者:邱巨源

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

1

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

自分は官衣を身につけてまわり歩く口八丁の遊説術などできない、車の横木によりかかったままで相手を説きふせるなどという文才も乏しくてできない。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

それで我が家の蓬生の門は訪ねる人もなくいつもひっそりとして居り、誰も坐らぬ席には埃が生ずるありさまである。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

屋敷のそばには貴族地域があり、そこのお化粧館がこちらを見おろすように立って居り、東隣には音楽堂の高台がある。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

雲間を通していろんななまめかしい響きが聞こえくるし、艶っぽい声が風のさきに乗って伝わってくる。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

美女たちの華やかな色は玉や翠羽で飾った垂れ幕の間から光を飛ばし、また、えならぬ香りが彼女らの取り交わす黄金や碧玉の杯につれて立ちのぼってくる。

中州美、從念尸灰。

私の目から久しい間、中原地方の美色はとざされ、かつて戸郷のあたりで過ごした豪華さは今は灰のように消え失せた。

遺情悲近世、中山安在哉。

それを今だに未練がましく思い、近頃のさまを悲しむのだ。しかし中山の楽声の面白さは今どこにあるというのか。
(隣妓を聽く)

披袵には 遊術に乏しく、憑軾には 文才 寡し。

蓬門 長く自ら寂く、虛席は 埃の生ずるを視る。

貴里に妝館を臨めり、東鄰は 鼓吹の臺。

#2

雲間に 嬌響徹し、風末に 豔聲來る。

華を飛ばす 瑤翠の幄、芬を揚ぐ 金碧の杯。

久しく中州の美を、從って尸灰を念う。

遺情 近世を悲み、中山 安くに在る哉。

 

 

《聽隣妓》現代語訳と訳注解説

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

中州美、從念尸灰。

遺情悲近世、中山安在哉。

 

〔下し文〕

(隣妓を聽く)

#2

雲間に 嬌響徹し、風末に 豔聲來る。

華を飛ばす 瑤翠の幄、芬を揚ぐ 金碧の杯。

久しく中州の美を、從って尸の灰を念う。

遺情 近世を悲み、中山 安くに在る哉。

〔現代語訳〕

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

2

雲間を通していろんななまめかしい響きが聞こえくるし、艶っぽい声が風のさきに乗って伝わってくる。

美女たちの華やかな色は玉や翠羽で飾った垂れ幕の間から光を飛ばし、また、えならぬ香りが彼女らの取り交わす黄金や碧玉の杯につれて立ちのぼってくる。

私の目から久しい間、中原地方の美色はとざされ、かつて戸郷のあたりで過ごした豪華さは今は灰のように消え失せた。

それを今だに未練がましく思い、近頃のさまを悲しむのだ。しかし中山の楽声の面白さは今どこにあるというのか。

〔訳注解説〕

聽隣妓  作者:邱巨源

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

水陸駅以上の大きな町には官制の歓楽街があり、その周りに民間の娼屋があり歓楽街を作っていた。この詩はsクシャの止まった宿の近所の家の歌妓の歌う美しい声を聴いてのことであろう。芸妓には、娼屋の芸妓、娼妓、家妓、官妓などがいるが、詩の雰囲気から、高級な芸妓であり、歌がうまいとなればさらに高等な官妓であろう。

その官妓が、「身請け」、「買斷」してもらったものの、男は他の女のもとに行って寄り付かない。その侘しさを詠うものである。官妓の「身請け」、「買斷」は必ずしも金によるものではない場合もある、吏官からの申し出を許可するという場合もあり、女妓にとっては、それも名誉ではあるが、その権利を持った男が、女妓を尋ねなくなれば、女として憐れな、侘しい日を過ごすことになる。実際には、古代は、かなり自由恋愛の時代ではあったので、何処まで、侘しい生活であったかは想像して考えるしかない。明、清の時代以降は娼屋も、纏足などかなり厳しいものへと変わっていく

 

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

雲間を通していろんななまめかしい響きが聞こえくるし、艶っぽい声が風のさきに乗って伝わってくる。

嬌響徹 娼館からのさまざまのおとがかぜにのってとどいてくること。

豔聲 歌声とともに、喘ぎ声などの声が届く。

 

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

美女たちの華やかな色は玉や翠羽で飾った垂れ幕の間から光を飛ばし、また、えならぬ香りが彼女らの取り交わす黄金や碧玉の杯につれて立ちのぼってくる。

瑤翠幄 翠色的

揚芬 えならぬ香りが立ちのぼってくる。

 

中州美、從念尸灰。

私の目から久しい間、中原地方の美色はとざされ、かつて戸郷のあたりで過ごした豪華さは今は灰のように消え失せた。

中州美 河南省黄河流域の中原、文華の中心地。

戸郷 河南偃師縣の西にあり、洛陽の近傍。作者の旧遊地。偃師尸郷溝商城遺跡がある。

 

遺情悲近世、中山安在哉。

それを今だに未練がましく思い、近頃のさまを悲しむのだ。しかし中山の楽声の面白さは今どこにあるというのか。
中山 漢武帝の時、中山の靖王勝は宴を賜わって音楽を聴き、天子と皇族とが、中間の諸 臣に隔てられる悲しみを訴えたという故事がある。ここにこれをいう作者の本意は許かでない。「中山」は漢代の郡名、河北省定縣。

玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 巻4•7-1-2雜詩二首其二聽隣妓 -#1 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11019

玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 47-1-2雜詩二首其二聽隣妓 -#1 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11019

 

 

 

 7.邱巨源_

 

 

47-1-2雜詩二首其二 聽隣妓  #1

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog8

 

 

 

 

詠七寶扇

(七寶扇を詠む)

玅縞貴東夏、巧媛出闉。

裁狀白玉璧、縫似明月輪。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。

畫作景山樹、圖為河洛神。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

#2

生風長袖際、晞華紅粉津。

拂眄迎嬌意、隱映含歌人。

時移務忘故、節改競存新。

卷情隨象簟、舒心謝錦茵。

厭歇何足道、敬哉先後晨。

玅縞は東夏を貴び、巧媛は闉より出づ

裁して白玉の璧に狀じ、縫うて明月の輪に似たり。

表裏 七寳を鏤め、中には駭雞の珍を銜ましむ。

畫きて景山の樹を作し、圖して河洛の神を為す。

來りて延く 揮握の翫、入りて 鐶釧と親む。

 

風を生ず 長袖の際、華を晞かす 紅粉の津。

拂眄 嬌を迎うる意あり、隱映す 含歌の人。

時 移れば 務めて故を忘れ、節 改まれば競うて新を存す。

卷情 象簟に隨い、舒心 錦茵を謝す。

厭歇 何ぞ道うに足らんや、敬めよや 先後の晨。

聽隣妓

(隣妓を聽く)

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

中州美、從念尸灰。

遺情悲近世、中山安在哉。

披袵には 遊術に乏しく、憑軾には 文才 寡し。

蓬門 長く自ら寂く、虛席は 埃の生ずるを視る。

貴里に妝館を臨めり、東鄰は 鼓吹の臺。

#2

雲間に 嬌響徹し、風末に 豔聲來る。

華を飛ばす 瑤翠の幄、芬を揚ぐ 金碧の杯。

久しく中州の美を、從って尸灰を念う。

遺情 近世を悲み、中山 安くに在る哉。

 

 

宮島0007
 

聽隣妓  作者:邱巨源

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

1

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

自分は官衣を身につけてまわり歩く口八丁の遊説術などできない、車の横木によりかかったままで相手を説きふせるなどという文才も乏しくてできない。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

それで我が家の蓬生の門は訪ねる人もなくいつもひっそりとして居り、誰も坐らぬ席には埃が生ずるありさまである。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

屋敷のそばには貴族地域があり、そこのお化粧館がこちらを見おろすように立って居り、東隣には音楽堂の高台がある。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

中州美、從念尸灰。

遺情悲近世、中山安在哉。

(隣妓を聽く)

披袵には 遊術に乏しく、憑軾には 文才 寡し。

蓬門 長く自ら寂く、虛席は 埃の生ずるを視る。

貴里に妝館を臨めり、東鄰は 鼓吹の臺。

#2

雲間に 嬌響徹し、風末に 豔聲來る。

華を飛ばす 瑤翠の幄、芬を揚ぐ 金碧の杯。

久しく中州の美を、從って尸灰を念う。

遺情 近世を悲み、中山 安くに在る哉。

 

 

《聽隣妓》現代語訳と訳注解説

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

中州美、從念尸灰。

遺情悲近世、中山安在哉。

 

〔下し文〕

(隣妓を聽く)

披袵には 遊術に乏しく、憑軾には 文才 寡し。

蓬門 長く自ら寂く、虛席は 埃の生ずるを視る。

貴里に妝館を臨めり、東鄰は 鼓吹の臺。

 

〔現代語訳〕

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

1

自分は官衣を身につけてまわり歩く口八丁の遊説術などできない、車の横木によりかかったままで相手を説きふせるなどという文才も乏しくてできない。

それで我が家の蓬生の門は訪ねる人もなくいつもひっそりとして居り、誰も坐らぬ席には埃が生ずるありさまである。

屋敷のそばには貴族地域があり、そこのお化粧館がこちらを見おろすように立って居り、東隣には音楽堂の高台がある。

 

〔訳注解説〕

聽隣妓  作者:邱巨源

(隣家の歌妓の歌う声を聴いて詠んだ歌)

水陸駅以上の大きな町には官制の歓楽街があり、その周りに民間の娼屋があり歓楽街を作っていた。この詩はsクシャの止まった宿の近所の家の歌妓の歌う美しい声を聴いてのことであろう。芸妓には、娼屋の芸妓、娼妓、家妓、官妓などがいるが、詩の雰囲気から、高級な芸妓であり、歌がうまいとなればさらに高等な官妓であろう。

その官妓が、「身請け」、「買斷」してもらったものの、男は他の女のもとに行って寄り付かない。その侘しさを詠うものである。官妓の「身請け」、「買斷」は必ずしも金によるものではない場合もある、吏官からの申し出を許可するという場合もあり、女妓にとっては、それも名誉ではあるが、その権利を持った男が、女妓を尋ねなくなれば、女として憐れな、侘しい日を過ごすことになる。実際には、古代は、かなり自由恋愛の時代ではあったので、何処まで、侘しい生活であったかは想像して考えるしかない。明、清の時代以降は娼屋も、纏足などかなり厳しいものへと変わっていく。

 

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

自分は官衣を身につけてまわり歩く口八丁の遊説術などできない、車の横木によりかかったままで相手を説きふせるなどという文才も乏しくてできない。

披社 「披」はひらく、「在」は衣のつま。上衣の下部、「技柾」は上衣をばさばさとひらめかす意、仕官して官衣をまとうこと。

憑拭 「憑」は身をもたせること。「」は車前の横木、てすり。漢の酃食其(レキイキ)は軾に憑って説いたままで斉の七十余城を降したという。

 

 

蓬門長自寂、虛席視生埃。

それで我が家の蓬生の門は訪ねる人もなくいつもひっそりとして居り、誰も坐らぬ席には埃が生ずるありさまである。

蓬門 (よもぎ)でふいた門。草ぶきの門。転じて、隠者や貧者の質素な住居。また、自分の家をへりくだっていう語。

虛席 誰も坐らない席。

 

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

屋敷のそばには貴族地域があり、そこのお化粧館がこちらを見おろすように立って居り、東隣には音楽堂の高台がある。

貴里 貴族の住宅地。

歌吹台 一本「鼓吹台」に作る。

玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 巻4•7-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》 -#2 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11011

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玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 47-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》 -#2 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11011

 

 

 

 

 7.邱巨源_

 

 

47-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》 #2

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11011

 

 

 

詠七寶扇

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

玅縞貴東夏、巧媛出闉。

立派な細絹は東国の産が上等である、それは手わざの巧みな女よって呉の城下から出る。

裁狀白玉璧、縫似明月輪。

その絹布で呉の女が作った団扇は その布の裁ち方は白玉の璧のように円く、その縫い方は明月の輪のようである。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。

表と裏には七宝をちりばめてあり、中ほどには駭雞犀の角と いう珍しいものがはめてある。

畫作景山樹、圖為河洛神。

そして大山から見下ろして広がる樹木などの景色であるとか、《洛神の賦》の洛水の女神などの画が描かれてある。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

このうちわはこちらへ来ては、人の手に握られたり揮り動かされたりして玩ばれる、あちらにはいっては女のうで輪と親しんで見栄えが増す。

 

生風長袖際、晞華紅粉津。

長い袖ぎわで風を起こしたり、紅粉のうるおいに風を送っては脂ぎったその色つやをかわかせる。

拂眄迎嬌意、隱映含歌人。

それから、美人のながし目をそっと払ってゆき、なまめかしさを増強して迎え、歌い出そうとする人のすがたを見えかくれさせては情をそえる。

時移務忘故、節改競存新。

さて男は時が移るにつれ、故意にふるいものを忘れようとする、そして、季節がかわるころには、競って新しいものに目をかけるのである。

卷情隨象簟、舒心謝錦茵。

この団扇への愛着も象牙の敷物が持ち出される夏の季節につれて加わり、錦のしとねがやめられる暑い時候にはのびやかな気持ちで使用される。

厭歇何足道、敬哉先後晨。

いやがられたり、やめられたりするのは是非もないこと、ことさらあげつらうほどのことではない。ただ時の前後で愛好に盛衰のあることだけは心すべきことである。

 

(七寶扇を詠む)

縞は東夏を貴び、巧媛はより出づ。

裁して白玉の璧にじ、縫うて明月の輪に似たり。

表裏 七寳を鏤め、中には駭の珍を銜ましむ。

畫きて景山の樹を作し、圖して河洛の神を為す。

來りて延く 揮握の翫、入りて 鐶釧と親む。

#2

風を生ず 長袖の際、華を晞かす 紅粉の津。

拂眄 嬌を迎うる意あり、隱映す 含歌の人。

時 移れば 務めて故を忘れ、節 改まれば競うて新を存す。

卷情 象簟に隨い、舒心 錦茵を謝す。

厭歇 何ぞ道うに足らんや、敬めよや 先後の晨。

 

姮娥 0031
 

《詠七寶扇》現代語訳と訳注解説

詠七寶扇  #1

玅縞貴東夏、巧媛出闉。裁狀白玉璧、縫似明月輪。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。畫作景山樹、圖為河洛神。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

 

〔下し文〕

(七寶扇を詠む)

#2

風を生ず 長袖の際、華を晞かす 紅粉の津。

拂眄 嬌を迎うる意あり、隱映す 含歌の人。

時 移れば 務めて故を忘れ、節 改まれば競うて新を存す。

卷情 象簟に隨い、舒心 錦茵を謝す。

厭歇 何ぞ道うに足らんや、敬めよや 先後の晨。

 

〔現代語訳〕

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

#2

長い袖ぎわで風を起こしたり、紅粉のうるおいに風を送っては脂ぎったその色つやをかわかせる。

それから、美人のながし目をそっと払ってゆき、なまめかしさを増強して迎え、歌い出そうとする人のすがたを見えかくれさせては情をそえる。

さて男は時が移るにつれ、故意にふるいものを忘れようとする、そして、季節がかわるころには、競って新しいものに目をかけるのである。

この団扇への愛着も象牙の敷物が持ち出される夏の季節につれて加わり、錦のしとねがやめられる暑い時候にはのびやかな気持ちで使用される。

いやがられたり、やめられたりするのは是非もないこと、ことさらあげつらうほどのことではない。ただ時の前後で愛好に盛衰のあることだけは心すべきことである。

 

〔訳注解説〕

詠七寶扇

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

題意 詩は七宝扇を詠じたとあるが、『考異』本には七宝画団㍍とあるのが正しいであろうという。いろいろの絵をかいて飾ったうちわ と思われる。扇子、団扇のどちらもきれいな絵を𥙷どすものであるが、洛水の女神などから、団扇と考えるのがよい。

作者丘巨源(未詳-484頃)字は不詳、蘭陵 (山東省峰県東)宋孝武帝に知られて羽林監より武昌太守に除せられたが喜ばず余杭令となった。かつて「秋胡詩」を作り諷刺の語があったので、遂に事を以て殺された。

2

生風長袖際、晞華紅粉津

長い袖ぎわで風を起こしたり、紅粉のうるおいに風を送っては脂ぎったその色つやをかわかせる。

晞華紅粉津 「晞」は団扇の風であおるからいうのであって、「津」はしたたり、化粧のうるおい、或いはあせ、あぶらなどを意味する。

 

拂眄迎意、隱映含歌人。

それから、美人のながし目をそっと払ってゆき、なまめかしさを増強して迎え、歌い出そうとする人のすがたを見えかくれさせては情をそえる。

迎嬌 嬌態をうながす。女性の、こびを含んだなまめかしい振る舞いや態度。女性ばかりでなく、一般に、弱い立場の人が強い立場の人に対して、お世辞を言うなどして機嫌をとろうとすること。

隱映 隠れたり、あらわれたりするさま。

 

時移務忘故、節改競存新。

さて男は時が移るにつれ、故意にふるいものを忘れようとする、そして、季節がかわるころには、競って新しいものに目をかけるのである。

 

卷情象簟、舒心謝錦茵

この団扇への愛着も象牙の敷物が持ち出される夏の季節につれて加わり、錦のしとねがやめられる暑い時候にはのびやかな気持ちで使用される。

卷情 好意をよせること。「卷」一本に「」に作る。『初学記』に従って正した。

象簟 簟象簟は「たかむしろ」であるが、ここは単に席の意、象牙の席は夏薯の侯に用いる。象牙制作の席子。《文選·左思<都賦>》:“桃笙象簟。”劉逵注:“桃笙,桃枝簟也。人謂簟為笙。又折象牙以為簟也。

錦茵 にしきのしとね。寒冷の李に用いる。にしきのしとね。美しいふとん。座ったり寝たりするときの敷物の古風な呼称。寝るときの敷物は「褥」という文字を使い、ベッドパッドなどのことを指す。本項では寝殿造りなどに見られる座具である。

厭歇何足道、敬哉先後晨。

いやがられたり、やめられたりするのは是非もないこと、ことさらあげつらうほどのことではない。ただ時の前後で愛好に盛衰のあることだけは心すべきことである。

玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 巻4•7-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》 -#1 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11003

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李白集校注

韓昌黎集

杜詩詳注

花間集

玉臺新詠

女性関連

李白

韓愈

杜甫

2/10

古風,五十九首之一 #1

張中丞傳後敘-#9

寫懷二首其一-#1

 

雜詩六首其四古意贈今人 #1

 

2/11

古風之一 #2

張中丞傳後敘-#10

寫懷二首其一 -2

 

古意贈今人 #2

 

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古風,之三五

張中丞傳後敘 -#11

寫懷二首其一 -3

 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

 

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寫懷二首其二-#1

 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

 

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僧伽歌  #2

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寫懷二首其二 -#3

 

邱巨源_雜詩_詠七寳扇-#2

 

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玉臺新詠集 巻四 7.邱巨源_ 47-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》 -#1 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog11003

 

 

 7.邱巨源_

 

 

47-1-1《雜詩二首其一 詠七寳扇》

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog11003

 

 

 

 

詠七寶扇

(七寶扇を詠む)

玅縞貴東夏、巧媛出闉。

裁狀白玉璧、縫似明月輪。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。

畫作景山樹、圖為河洛神。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

 

生風長袖際、晞華紅粉津。

拂眄迎嬌意、隱映含歌人。

時移務忘故、節改競存新。

卷情隨象簟、舒心謝錦茵。

厭歇何足道、敬哉先後晨。

玅縞は東夏を貴び、巧媛は闉より出づ

裁して白玉の璧に狀じ、縫うて明月の輪に似たり。

表裏 七寳を鏤め、中には駭雞の珍を銜ましむ。

畫きて景山の樹を作し、圖して河洛の神を為す。

來りて延く 揮握の翫、入りて 鐶釧と親む。

 

風を生ず 長袖の際、華を晞かす 紅粉の津。

拂眄 嬌を迎うる意あり、隱映す 含歌の人。

時 移れば 務めて故を忘れ、節 改まれば競うて新を存す。

卷情 象簟に隨い、舒心 錦茵を謝す。

厭歇 何ぞ道うに足らんや、敬めよや 先後の晨。

聽隣妓

(聽隣妓)

披袵乏遊術、憑軾寡文才。

蓬門長自寂、虛席視生埃。

貴里臨妝館、東鄰鼓吹臺。

#2

雲間嬌響徹、風末豔聲來。

飛華瑤翠幄、揚芬金碧杯。

中州美、從念尸灰。

遺情悲近世、中山安在哉。

披袵には 遊術に乏しく、憑軾には 文才 寡し。

蓬門 長く自ら寂く、虛席は 埃の生ずるを視る。

貴里に妝館を臨めり、東鄰は 鼓吹の臺。

#2

雲間に 嬌響徹し、風末に 豔聲來る。

華を飛ばす 瑤翠の幄、芬を揚ぐ 金碧の杯。

久しく中州の美を、從って尸灰を念う。

遺情 近世を悲み、中山 安くに在る哉。

 

 

詠七寶扇

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

玅縞貴東夏、巧媛出闉。

立派な細絹は東国の産が上等である、それは手わざの巧みな女よって呉の城下から出る。

裁狀白玉璧、縫似明月輪。

その絹布で呉の女が作った団扇は その布の裁ち方は白玉の璧のように円く、その縫い方は明月の輪のようである。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。

表と裏には七宝をちりばめてあり、中ほどには駭雞犀の角と いう珍しいものがはめてある。

畫作景山樹、圖為河洛神。

そして大山から見下ろして広がる樹木などの景色であるとか、《洛神の賦》の洛水の女神などの画が描かれてある。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

このうちわはこちらへ来ては、人の手に握られたり揮り動かされたりして玩ばれる、あちらにはいっては女のうで輪と親しんで見栄えが増す。

 

生風長袖際、晞華紅粉津。

拂眄迎嬌意、隱映含歌人。

時移務忘故、節改競存新。

卷情隨象簟、舒心謝錦茵。

厭歇何足道、敬哉先後晨。

 

(七寶扇を詠む)

縞は東夏を貴び、巧媛はより出づ。

裁して白玉の璧にじ、縫うて明月の輪に似たり。

表裏 七寳を鏤め、中には駭の珍を銜ましむ。

畫きて景山の樹を作し、圖して河洛の神を為す。

來りて延く 揮握の翫、入りて 鐶釧と親む。

#2

風を生ず 長袖の際、華を晞かす 紅粉の津。

拂眄 嬌を迎うる意あり、隱映す 含歌の人。

時 移れば 務めて故を忘れ、節 改まれば競うて新を存す。

卷情 象簟に隨い、舒心 錦茵を謝す。

厭歇 何ぞ道うに足らんや、敬めよや 先後の晨。

 

 

《詠七寶扇》現代語訳と訳注解説

詠七寶扇  #1

玅縞貴東夏、巧媛出闉。裁狀白玉璧、縫似明月輪。

表裏鏤七寳、中銜駭雞珍。畫作景山樹、圖為河洛神。

來延揮握翫、入與鐶釧親。

 

〔下し文〕

(七寶扇を詠む)

玅縞は東夏を貴び、巧媛は闉より出づ。

裁して白玉の璧に狀じ、縫うて明月の輪に似たり。

表裏 七寳を鏤め、中には駭雞の珍を銜ましむ。

畫きて景山の樹を作し、圖して河洛の神を為す。

來りて延く 揮握の翫、入りて 鐶釧と親む。

 

〔現代語訳〕

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

立派な細絹は東国の産が上等である、それは手わざの巧みな女よって呉の城下から出る。

その絹布で呉の女が作った団扇は その布の裁ち方は白玉の璧のように円く、その縫い方は明月の輪のようである。

表と裏には七宝をちりばめてあり、中ほどには駭雞犀の角と いう珍しいものがはめてある。

そして大山から見下ろして広がる樹木などの景色であるとか、《洛神の賦》の洛水の女神などの画が描かれてある。

このうちわはこちらへ来ては、人の手に握られたり揮り動かされたりして玩ばれる、あちらにはいっては女のうで輪と親しんで見栄えが増す。

 

 

〔訳注解説〕

詠七寶扇

手わざの巧みな女によって作られた七寶扇にたとえて主に仕える女の在り方を詠う

題意 詩は七宝扇を詠じたとあるが、『考異』本には七宝画団㍍とあるのが正しいであろうという。いろいろの絵をかいて飾ったうちわ と思われる。扇子、団扇のどちらもきれいな絵を𥙷どすものであるが、洛水の女神などから、団扇と考えるのがよい。

作者丘巨源(未詳-484頃)字は不詳、蘭陵 (山東省峰県東)宋孝武帝に知られて羽林監より武昌太守に除せられたが喜ばず余杭令となった。かつて「秋胡詩」を作り諷刺の語があったので、遂に事を以て殺された。

#1

玅縞貴東夏、巧媛出

立派な細絹は東国の産が上等である、それは手わざの巧みな女よって呉の城下から出る。

玅縞 団扇に張られた絹布の細い絹絲、布地が透けて見えるほどのものを言う。

東夏 東夏の夏は黄河中流域、の中原のド真ん中あたり、その東側は、山東省地方を言う。:上等、優れている。

巧媛 技術の巧みな女工。特に繊細な技術の必要な画、刺繍のできる女性の専門職を言う。

闉 城闉のこと。江南では巧みな女性が作り上げた、団扇が産出するという意。

 

裁狀白玉璧、縫似明月輪。

その絹布で呉の女が作った団扇は その布の裁ち方は白玉の璧のように円く、その縫い方は明月の輪のようである。

白玉璧 白の練り絹が白玉璧に例える。

明月輪 その白い絹布で作った団扇は、明月に例え、明月は美女に例える。

古代団扇
白玉璧

  

表裏鏤七寳、中銜駭雞

表と裏には七宝をちりばめてあり、中ほどには駭雞犀の角と いう珍しいものがはめてある。

七寳 団扇

駭雞珍 犀の角に白い理(スジメ)の貫いているものを咳鶏犀という。鶏がこれを見ると咳くので この名がついたとされる。また、皇帝や皇太子が冠に犀の簪を差し、官員は腰に犀の装飾を施した帯を締めていました。また、犀と言えば鼻や頭に角がある動物というだけで、犀の実際の姿形を知る者は少なく、描かれる犀の姿もその角だけが強調された。

 

畫作景山樹、圖為河洛神。

そして大山から見下ろして広がる樹木などの景色であるとか、《洛神の賦》の洛水の女神などの画が描かれてある。

景山樹 ①ありさま。ようす。けしき。「景観」「景勝」「風景」 ②あおぐ。したう。「景仰(ケイギョウ)(ケイコウ)」 ③そえる。たす。「景品」「景物」 ④大きい。めでたい。見渡される地上のありさま。日の光。ひかげ。日の光に照らし出されるすべてのものの形。

河洛神 曹植《洛神の賦》「黄初三年、余朝京師、還濟洛川。古人有言、斯水之神、名曰宓妃。感宋玉對楚王説神女事、遂作斯賦。其辭曰」(黄初三年、余 京師に朝し、還りて洛川を済る。古人 言える有り、斯の水の神、名は宓妃(ふくひ)というと。宋玉の楚王に対えて神女の事を説けるに感じ、遂に斯の賦を作れり。其の辞に曰く)

黄初三年、私は朝廷に参内し、帰途洛水を渡った。古人の言い伝えでは、この川の神の名を宓妃というとのことである。私は、かつて宋玉が楚の襄王に神女の事を説いたことに思い起こして、この賦を作った。

曹植は宋玉の『神女賦』に影響を受けてこの賦を作ったことになっている。また王粲・陳琳・楊脩にも『神女賦』が残っており、彼らも同様に宋玉の作品に影響を受けて作ったと思われる。しかし、曹植が『洛神賦』を作ったとき、すでに王粲らは亡くなっており、曹植はひとり別のタイミングでこの賦を作ったようだ。

 ところで、宋玉『神女賦』に登場する女神は、「洛水の女神」ではない。王粲・陳琳・楊脩の『神女賦』に登場する女神は、作品が断片しか残っていないため特定不能だが、少なくとも「洛水の女神」であると思われるような記述はない。

 

來延揮握翫、入與鐶釧親。

このうちわはこちらへ来ては、人の手に握られたり揮り動かされたりして玩ばれる、あちらにはいっては女のうで輪と親しんで見栄えが増す。

鐶釧 手首・臀・足首などに付ける輪形の装身具。

玉臺新詠集 巻四巻四-22 巻4•6-5.2. 雜詩六首其五〔二〕 代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役) 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10996

玉臺新詠集 巻四巻四-22 46-5.2. 雜詩六首其五〔二〕 代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役) 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10996

 

 

 

 雜詩六首 

〔鮑令暉〕

18

巻四-18

其一

1.  擬青青河畔草

〔鮑令暉〕

19

巻四-19

其二

2.  擬客從遠方來

〔鮑令暉〕

20

巻四-20

其三

3.  題書後寄行人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其四

4.  古意贈今人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其五

5.1.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(明月何皎皎)

〔鮑令暉〕

22

巻四-22

 

5.2.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役)

〔鮑令暉〕

 

雜詩六首其一  擬青青河畔草

裊裊臨窗竹,藹藹垂門桐。灼灼青軒女,泠泠高台中。

明志逸秋霜,玉顏艷春紅。人生誰不別,恨君早從戎。

鳴弦慚夜月,紺黛羞春風。

 

雜詩六首其二  擬客從遠方來

客從遠方來。贈我漆鳴琴。木有相思文。弦有別離音。

終身執此調。寒不改心。願作陽春曲。宮商長相尋。

 

雜詩六首其三  題書後寄行人

自君之出矣。臨軒不解顏。砧杵夜不發。高門晝常關。

帳中流熠耀。庭前華紫蘭。物枯識節異。鴻來知客寒。

遊用暮冬盡。除春待君還。

 

雜詩六首其四  古意贈今人

#1

無異服。衣氈代文練。月月望君歸。年年不解綖。

荊揚春早和。幽冀猶霜霰。

#2

北寒妾已知。南心君不見。 誰為道辛苦。寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲。顏落風催電。容華一朝盡。惟餘心不變。

 

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

明月何皎皎。垂照羅茵。若共相思夜。知同憂怨晨。

芳華豈矜貌。霜露不憐人。君非青雲逝。飄跡事咸秦。

妾持一生淚。經秋複度春。

 

君子將遙役。遺我雙題錦。臨當欲去時。複留相思枕。

題用常著心。枕以憶同寢。行行日已遠。轉覺心彌甚。

 

 

 

巻四-22  6.鮑令暉

 

46-5.2. 雜詩六首其五〔二〕 代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役)

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog10998

 

 

 

雜詩六首其五 

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

其五 代葛沙門妻郭小玉詩二首 (葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(一)〔妻の気持ちは明月のように、健やかで美しく輝いている気持ちを届け、いつまでもお待ちしている。〕

明月何皎皎、垂照羅茵。

夫がいなくても明月のなんと白くあかるく輝いているのだろう。その光は高窓の垂れ幕を透かし、うすぎぬのしとねを照らしてくる。

若共相思夜、知同憂怨晨。

それは寝夜を共にすごし、夜をあかした時の月光のようでもあり、また憂えたり怨んだりして、夜明けを共に過ごしたあの夜が続いたことを思い知らせるようでもある。

芳華豈矜貌、霜露不憐人。

春に花が咲き香の頃をひとりで過ごしたけれど、わたしの容貌をあわれに思っては下さらなかったし、秋に露霜が置かれて寒くつらい日もわたしを気の毒がっては下さらなかった。

君非青雲逝、飄跡事咸秦。

それでもあなたは青空の雲をめざして進まれる野心だけというのでなく、ただ咸陽や長安のほとりをぶらつくように私の元を離れることもなくいて居られる。

妾持一生淚、經秋複度春。

だから、帰るところは私のところ、わたしは生涯、涙を流しながらでも、秋を過ごし、そして、春をまたすごしてもひたすら待ち続けるのです。

 

(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕

君子將遙役、遺我雙題錦。

夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。

臨當欲去時、複留相思枕。

そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。

題用常著心、枕以憶同寢。

わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。

行行日已遠、轉覺心彌甚。

夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。

 

(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(一)

明月 何ぞ皎皎たる、垂 羅茵を照す。

相思の夜を共のするが若し、憂怨の晨を同じくするを知る。

芳華 豈に貌を矜れまんや、霜露 人を憐れまず。

君は青雲の逝くに非ず、飄跡 咸秦を事とす。

妾は 一生の淚を持して、秋を經 複た 春を度る。

 

君子 將に遙かに役せんとし、我に雙題の錦を遺る。

去らんと欲するの時に臨當し、複た相思の枕を留む。

題は用て常に心に著け、枕は以て同寢を憶う。

行き行きて日に已に遠し、轉た心の彌いよ甚しきを覺ゆ。

 

 

《雜詩六首其五》代葛沙門妻郭小玉詩二首 現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

君子將遙役、遺我雙題錦。

臨當欲去時、複留相思枕。

題用常著心、枕以憶同寢。

行行日已遠、轉覺心彌甚。

 

 

(下し文)

(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(二)

君子 將に遙かに役せんとし、我に雙題の錦を遺る。

去らんと欲するの時に臨當し、複た相思の枕を留む。

題は用て常に心に著け、枕は以て同寢を憶う。

行き行きて日に已に遠し、轉た心の彌いよ甚しきを覺ゆ。

 

 

(現代語訳)

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕

夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。

そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。

わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。

夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。

 

 

(訳注解説)

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

(二)〔出立の時に夫から贈られた鴛鴦の枕、同心結、褥の刺繍に思いを寄せ夫に伝えたいと願う。〕

「沙門」は僧侶の称である。葛という人が僧籍にあったのか否かほ詳かでない。その妻郭小玉が夫に贈る詩に代わって作ったのである。

 

二 君子將遙役  (君子 將に遙かに役せんとす)

君子將遙役、遺我雙題錦。

夫ははるばる北方の地へつとめにでかけるにあたり、わたしにおしどり紋様を題した錦を下さった。

君子 夫を指していう。

双題錦 つがいの鴛鴦(オシドリ)などの模様を織り込んだ錦である。夫婦の使用するものには、鴛鴦の詩集は多く施された。

 

臨當欲去時、複留相思枕。

そして、いよいよ出立に合わせて、また 同心結ともいえる恋枕を残してゆかれた。

相思枕 共寝の枕、長枕であろうが、別離のとき、堅く解けない結び方。また、そのもの。相愛の意を象徴し、夫婦の堅い誓いにたとえていう「同心結」で結んだひもの飾りの二人用の長尺の枕を贈ったのであろう。

 

題用常著心、枕以憶同寢。

わたしは鴛鴦の紋様のところをいつも胸にあて、枕をする時は共寝のことを思い起こしています。

常著心 夫に対する思い、執着心のことを言うが、ここでは鴛鴦の刺繍の個所に胸を当てて思いを通わせるという意。

 

行行日已遠、轉覺心彌甚。

夫の旅路は日に日に遠ざかって行かれている、だから、思いはますますつのるはかりです。

行行日 遠い旅に出ている夫を慕う妻の気持ちをいう。『文選』巻二十九、『先秦漢魏晋南北朝詩』漢詩巻十二、「行行重行行」 どんどんと遠くへ行ってしまう。今日も明日も旅を続けている。「行行」は「行く」という動作が何度も繰り返されることを示す。

玉臺新詠集 巻四 巻4•6-5.1 .雜詩六首其一代葛沙門妻郭小玉詩二首 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10988

玉臺新詠集 巻四 46-5.1 .雜詩六首其一代葛沙門妻郭小玉詩二首 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10988

 

 

6. 鮑令暉

 

46-5.1 .雜詩六首其一代葛沙門妻郭小玉詩二首 (一)

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog10990

 

 

 

 

 

 雜詩六首 

〔鮑令暉〕

18

巻四-18

其一

1.  擬青青河畔草

〔鮑令暉〕

19

巻四-19

其二

2.  擬客從遠方來

〔鮑令暉〕

20

巻四-20

其三

3.  題書後寄行人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其四

4.  古意贈今人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其五

5.1.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(明月何皎皎)

〔鮑令暉〕

22

巻四-22

 

5.2.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役)

〔鮑令暉〕

 

雜詩六首其一  擬青青河畔草

裊裊臨窗竹,藹藹垂門桐。灼灼青軒女,泠泠高台中。

明志逸秋霜,玉顏艷春紅。人生誰不別,恨君早從戎。

鳴弦慚夜月,紺黛羞春風。

 

雜詩六首其二  擬客從遠方來

客從遠方來。贈我漆鳴琴。木有相思文。弦有別離音。

終身執此調。寒不改心。願作陽春曲。宮商長相尋。

 

雜詩六首其三  題書後寄行人

自君之出矣。臨軒不解顏。砧杵夜不發。高門晝常關。

帳中流熠耀。庭前華紫蘭。物枯識節異。鴻來知客寒。

遊用暮冬盡。除春待君還。

 

雜詩六首其四  古意贈今人

#1

無異服。衣氈代文練。月月望君歸。年年不解綖。

荊揚春早和。幽冀猶霜霰。

#2

北寒妾已知。南心君不見。 誰為道辛苦。寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲。顏落風催電。容華一朝盡。惟餘心不變。

 

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

明月何皎皎。垂照羅茵。若共相思夜。知同憂怨晨。

芳華豈矜貌。霜露不憐人。君非青雲逝。飄跡事咸秦。

妾持一生淚。經秋複度春。

 

君子將遙役。遺我雙題錦。臨當欲去時。複留相思枕。

題用常著心。枕以憶同寢。行行日已遠。轉覺心彌甚。

 

 

雜詩六首其五 

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

其五 代葛沙門妻郭小玉詩二首 (葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(一)〔妻の気持ちは明月のように、健やかで美しく輝いている気持ちを届け、いつまでもお待ちしている。〕

明月何皎皎、垂照羅茵。

夫がいなくても明月のなんと白くあかるく輝いているのだろう。その光は高窓の垂れ幕を透かし、うすぎぬのしとねを照らしてくる。

若共相思夜、知同憂怨晨。

それは寝夜を共にすごし、夜をあかした時の月光のようでもあり、また憂えたり怨んだりして、夜明けを共に過ごしたあの夜が続いたことを思い知らせるようでもある。

芳華豈矜貌、霜露不憐人。

春に花が咲き香の頃をひとりで過ごしたけれど、わたしの容貌をあわれに思っては下さらなかったし、秋に露霜が置かれて寒くつらい日もわたしを気の毒がっては下さらなかった。

君非青雲逝、飄跡事咸秦。

それでもあなたは青空の雲をめざして進まれる野心だけというのでなく、ただ咸陽や長安のほとりをぶらつくように私の元を離れることもなくいて居られる。

妾持一生淚、經秋複度春。

だから、帰るところは私のところ、わたしは生涯、涙を流しながらでも、秋を過ごし、そして、春をまたすごしてもひたすら待ち続けるのです。

 

君子將遙役、遺我雙題錦。

臨當欲去時、複留相思枕。

題用常著心、枕以憶同寢。

行行日已遠、轉覺心彌甚。

 

(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(一)

明月 何ぞ皎皎たる、垂 羅茵を照す。

相思の夜を共のするが若し、憂怨の晨を同じくするを知る。

芳華 豈に貌を矜れまんや、霜露 人を憐れまず。

君は青雲の逝くに非ず、飄跡 咸秦を事とす。

妾は 一生の淚を持して、秋を經 複た 春を度る。

 

君子 將に遙かに役せんとし、我に雙題の錦を遺る。

去らんと欲するの時に臨當し、複た相思の枕を留む。

題は用て常に心に著け、枕は以て同寢を憶う。

行き行きて日に已に遠し、轉た心の彌いよ甚しきを覺ゆ。

 

 

《雜詩六首其五》代葛沙門妻郭小玉詩二首 現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

明月何皎皎。垂照羅茵。若共相思夜。知同憂怨晨。

芳華豈矜貌。霜露不憐人。君非青雲逝。飄跡事咸秦。

妾持一生淚。經秋複度春。

 

(下し文)

(葛沙門の妻郭小玉に代るの詩二首)

(一)

明月 何ぞ皎皎たる、垂 羅茵を照す。

相思の夜を共のするが若し、憂怨の晨を同じくするを知る。

芳華 豈に貌を矜れまんや、霜露 人を憐れまず。

君は青雲の逝くに非ず、飄跡 咸秦を事とす。

妾は 一生の淚を持して、秋を經 複た 春を度る。

 

(現代語訳)

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

(一)〔妻の気持ちは明月のように、健やかで美しく輝いている気持ちを届け、いつまでもお待ちしている。〕

夫がいなくても明月のなんと白くあかるく輝いているのだろう。その光は高窓の垂れ幕を透かし、うすぎぬのしとねを照らしてくる。

それは寝夜を共にすごし、夜をあかした時の月光のようでもあり、また憂えたり怨んだりして、夜明けを共に過ごしたあの夜が続いたことを思い知らせるようでもある。

春に花が咲き香の頃をひとりで過ごしたけれど、わたしの容貌をあわれに思っては下さらなかったし、秋に露霜が置かれて寒くつらい日もわたしを気の毒がっては下さらなかった。

それでもあなたは青空の雲をめざして進まれる野心だけというのでなく、ただ咸陽や長安のほとりをぶらつくように私の元を離れることもなくいて居られる。

だから、帰るところは私のところ、わたしは生涯、涙を流しながらでも、秋を過ごし、そして、春をまたすごしてもひたすら待ち続けるのです。

 

 

(訳注解説)

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

(僧侶の葛上人の妻の郭小玉が夫の葛上人に贈る詩を変わって作った)

(一)〔妻の気持ちは明月のように、健やかで美しく輝いている気持ちを届け、いつまでもお待ちしている。〕

「沙門」は僧侶の称である。葛という人が僧籍にあったのか否かほ詳かでない。その妻郭小玉が夫に贈る詩に代わって作ったのである。

 

一 明月何皎皎

明月何皎皎、垂照羅茵。

夫がいなくても明月のなんと白くあかるく輝いているのだろう。その光は高窓の垂れ幕を透かし、うすぎぬのしとねを照らしてくる。

 一本「重」に作る。「」は窓おおい。月光が寝牀に届く、大きな高窓であろう。

 

若共相思夜、知同憂怨晨。

それは寝夜を共にすごし、夜をあかした時の月光のようでもあり、また憂えたり怨んだりして、夜明けを共に過ごしたあの夜が続いたことを思い知らせるようでもある。

 

芳華豈矜貌、霜露不憐人

春に花が咲き香の頃をひとりで過ごしたけれど、わたしの容貌をあわれに思っては下さらなかったし、秋に露霜が置かれて寒くつらい日もわたしを気の毒がっては下さらなかった。

芳華豈矜貌、霜露不憐人 この二句は、残された妻の苦労、辛さ、寂しさの日々のことを述べる。

 

君非青雲逝、飄跡事咸秦。

それでもあなたは青空の雲をめざして進まれる野心だけというのでなく、ただ咸陽や長安のほとりをぶらつくように私の元を離れることもなくいて居られる。

青雲逝 青空の雲の如き高き地位をめざすこと。

飄跡 ふらふらと足あと のひるがえり定まらぬ意。

咸秦 咸陽、長安。

 

妾持一生淚、經秋複度春。

だから、帰るところは私のところ、わたしは生涯、涙を流しながらでも、秋を過ごし、そして、春をまたすごしてもひたすら待ち続けるのです。

 

玉臺新詠集 巻四 巻4•6-4 .雜詩六首其四古意贈今人 #2 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10977

玉臺新詠集 巻四 46-4 .雜詩六首其四古意贈今人 #2 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10977

 

 

 

 

6.鮑令暉

 

 

46-4 .雜詩六首其四古意贈今人 #2

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog10977

 

 

 

雜詩六首其四  古意贈今人

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

#1

無異服、衣氈代文練。

夫の出征している寒国には別にかわった着物などなく、毛織りの衣をあやぎぬに代用しているとのことである。

月月望君歸、年年不解綖。

夫が出立してからは、妻はこの月そして次の月もと、月々あなたの帰りを待ち望んでいますが、あの杜詩過ぎて次の年もと、何年たってもこの思いの解消されることはありません。

荊揚春早和、幽冀猶霜霰。

妻の住む荊州や揚州の地では早くも春の和らぎを見せていますが、夫の仕官している幽州や冀州のあたりはいまだ霜や霞の季節のことでしょう。

#2

北寒妾已知、南心君不見。 

 北地の寒さについて、私はよく承知 していますが、南方であなたの身を案じることしかできないている私の心はご覧になれないのです。

誰為道辛苦、寄情雙飛燕。

誰が、このわたしの辛さ苦しさをあなたに告げてくれられるのでしょう。この情は北に飛びゆくつがいの燕に託すしかないのです。

形迫杼煎絲、顏落風催電。

私の姿はやせやつれて機の抒に糸が尽きるようなありさま、顔色の衰えは風が電をせきたてるようなあわただしさで、やつれさせおいてしまうのです。

容華一朝盡、惟餘心不變。

花の姿は一朝にして改まるものですが、わたしのあなたを思う心はいつまでも変わらずに残っているのみです。

 

(雜詩六首、其の四  古意を 今人に贈る)

#1

には 異服無く。衣氈を 文練に代う。

月月 君の歸るを望むも。年年 解綖せず。

荊揚は 春 早く和なり。幽冀は 猶お霜霰ならん。

#2

北寒は 妾 已に知るも、南心は 君 見ず。 

誰が為に 辛苦を道はん、情を雙飛の燕に寄す。

形は迫りて 杼に絲を煎ぎ、顏 落ちて 風 電を催す。

容華 一朝にして盡せり、惟だ 心の變ぜらるを餘すのみ。

 

 

 

《雜詩六首其四》古意贈今人 現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩六首其四  古意贈今人

#1

無異服、衣氈代文練。

月月望君歸、年年不解綖。

荊揚春早和、幽冀猶霜霰。

#2

北寒妾已知、南心君不見。 

誰為道辛苦、寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲、顏落風催電。

容華一朝盡、惟餘心不變。

 

(下し文)

(雜詩六首、其の四  古意を 今人に贈る)

#1

には 異服無く。衣氈を 文練に代う。

月月 君の歸るを望むも。年年 解綖せず。

荊揚は 春 早く和なり。幽冀は 猶お霜霰ならん。

#2

北寒は 妾 已に知るも、南心は 君 見ず。 

誰が為に 辛苦を道はん、情を雙飛の燕に寄す。

形は迫りて 杼に絲を煎ぎ、顏 落ちて 風 電を催す。

容華 一朝にして盡せり、惟だ 心の變ぜらるを餘すのみ。

 

(現代語訳)

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

#2

 北地の寒さについて、私はよく承知 していますが、南方であなたの身を案じることしかできないている私の心はご覧になれないのです。

誰が、このわたしの辛さ苦しさをあなたに告げてくれられるのでしょう。この情は北に飛びゆくつがいの燕に託すしかないのです。

私の姿はやせやつれて機の抒に糸が尽きるようなありさま、顔色の衰えは風が電をせきたてるようなあわただしさで、やつれさせおいてしまうのです。

花の姿は一朝にして改まるものですが、わたしのあなたを思う心はいつまでも変わらずに残っているのみです。

 

(訳注)

雜詩六首其四  古意贈今人

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

古意 古意というのは詩題の一種、擬古、倣古などと同じく、古人の意にならった作品の意であるが、男女の情を内容とする作が多く、斉・梁より初唐にかけて同題の作品がかなり多い。ここでは、夫婦で昔、閨闈で意思疎通したこと、あるいは、春までには帰ってくるからとか、夫が妻に訳したことを示すものである。

今人 「今の人である夫」、昔、約束してくれて、出征した人であるが今は私のところに帰ってくれる人であるというほどの意味である。

 この詩は南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べたものである。

 

#2

北寒妾已知、南心君不見。 

北地の寒さについて、私はよく承知 していますが、南方であなたの身を案じることしかできないている私の心はご覧になれないのです。

 

 

誰為道辛苦、寄情雙飛燕。

誰が、このわたしの辛さ苦しさをあなたに告げてくれられるのでしょう。この情は北に飛びゆくつがいの燕に託すしかないのです。

 

 

形迫杼煎絲、顏落風催電。

私の姿はやせやつれて機の抒に糸が尽きるようなありさま、顔色の衰えは風が電をせきたてるようなあわただしさで、やつれさせおいてしまうのです。

杼煎絲 蚕の繭糸は湯煎して取り出し、機織りの杼に取り付けられることを言う。

風催電 風が顔に吹き付けると顔をしかめるもの、落雷の恐怖に顔をゆがめる。このように、月日の経過、辛さ苦しみにより、やつれ置いてゆく様子を著したもの。

 

容華一朝盡、惟餘心不變。

花の姿は一朝にして改まるものですが、わたしのあなたを思う心はいつまでも変わらずに残っているのみです。

 

玉臺新詠集 巻四 巻4•6-4 .雜詩六首其四古意贈今人 #1 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10975

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古風,五十九首之一 #1

張中丞傳後敘-#9

寫懷二首其一-1

 

雜詩六首其四古意贈今人 #1

 

 

 

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玉臺新詠集 巻四 46-4 .雜詩六首其四古意贈今人 訳注解説 漢文委員会 紀頌之Blog10975

 

 

 

6.鮑令暉

 

 

46-4 .雜詩六首其四古意贈今人  #1

 

 

玉臺新詠集 訳注解説

 

 

漢文委員会 紀頌之Blog10975

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雜詩六首 

〔鮑令暉〕

18

巻四-18

其一

1.  擬青青河畔草

〔鮑令暉〕

19

巻四-19

其二

2.  擬客從遠方來

〔鮑令暉〕

20

巻四-20

其三

3.  題書後寄行人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其四

4.  古意贈今人

〔鮑令暉〕

21

巻四-21

其五

5.1.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(明月何皎皎)

〔鮑令暉〕

22

巻四-22

 

5.2.  代葛沙門妻郭小玉詩二首(君子將遙役)

〔鮑令暉〕

 

雜詩六首其一  擬青青河畔草

裊裊臨窗竹,藹藹垂門桐。灼灼青軒女,泠泠高台中。

明志逸秋霜,玉顏艷春紅。人生誰不別,恨君早從戎。

鳴弦慚夜月,紺黛羞春風。

 

雜詩六首其二  擬客從遠方來

客從遠方來。贈我漆鳴琴。木有相思文。弦有別離音。

終身執此調。寒不改心。願作陽春曲。宮商長相尋。

 

雜詩六首其三  題書後寄行人

自君之出矣。臨軒不解顏。砧杵夜不發。高門晝常關。

帳中流熠耀。庭前華紫蘭。物枯識節異。鴻來知客寒。

遊用暮冬盡。除春待君還。

 

雜詩六首其四  古意贈今人

#1

無異服。衣氈代文練。月月望君歸。年年不解綖。

荊揚春早和。幽冀猶霜霰。

#2

北寒妾已知。南心君不見。 誰為道辛苦。寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲。顏落風催電。容華一朝盡。惟餘心不變。

 

雜詩六首其五 

代葛沙門妻郭小玉詩二首

明月何皎皎。垂照羅茵。若共相思夜。知同憂怨晨。

芳華豈矜貌。霜露不憐人。君非青雲逝。飄跡事咸秦。

妾持一生淚。經秋複度春。

 

君子將遙役。遺我雙題錦。臨當欲去時。複留相思枕。

題用常著心。枕以憶同寢。行行日已遠。轉覺心彌甚。

 

万里の長城 02
 

 

 

 

 

  6. 鮑令暉 雜詩六首其四古意贈今人

 

雜詩六首其一  擬青青河畔草

(従軍している夫に対して思婦の思いを述べた作)

裊裊臨窗竹,藹藹垂門桐。

窓にさしかかった竹はたおやかであるし、門に垂れた桐はおだやかに茂っている。

灼灼青軒女,泠泠高台中。

東の高楼の青色の軒端にはかがやくばかりの美しい女が居り、冷えびえとした高い台の中に住まっている。

明志逸秋霜,玉顏艷春紅。

彼女は秋の霜にもまさる明らかな志をいだき、その玉のような顔は春の紅い花よりもつややかである。

人生誰不別,恨君早從戎。

この世には誰しも別れのないものはないけれども恨めしくも、彼女の夫は早くから出征して今に帰らぬのである。

鳴弦慚夜月,紺黛羞春風。

独り舷をかきならしても夜の月に対してわが身をほじ、紺黛の眉ず衣を用いるのも春風にはずかしい気持ちで、化粧する心にもなれない。

 

(雜詩六首其一  青青たる河畔の草に擬す)

裊裊たり 窗に臨む竹,藹藹たり門に垂れる桐。

灼灼たり 青軒の女,泠泠たり 高台の中。

明志は秋霜を逸【す】ぎ,玉顏は 春紅のごとく艷かなり。

人生 誰か別れざらん,君が早く戎に從いしを恨む。

鳴弦 夜月に慚じ,紺黛 春風に羞ず。

 

雜詩六首其二  擬客從遠方來

(あの人を送り出して、ずいぶん歳月を過ごした。あの人の知人が遠方から訪ねて事を届けてくれた。心変わりをせず待っていると改めて決意する。)

客從遠方來。贈我漆鳴琴。

遠方から訪ねてこられた来客があり、あの人がわたしに送り届けてくれたのは、漆ぬりの琴であった。

木有相思文。弦有別離音。

琴の木地には相思の文様があるのであるが、弦をつま弾くと別離の響きがあるのを感じた。

終身執此調。寒不改心。

なかなか帰れないことを理解し、一生涯この調を守っていくことにしよう、そして、歳の暮れになっても心変わりを決してしないと思った。

願作陽春曲。宮商長相尋。

それから、また、陽春の曲を奏して宮調・商調互いに調和する如く、いつもながく求めあって離れぬようにしたいと思うのであった。

 

雜詩六首其の二  (客遠方より来るに擬す)

客 遠方より來り、我に 漆の鳴琴を贈る。

木には相思の文有り、絃に別離の音有り。

終身 此の調を執り、歳寒まで 心を改めず。

願はくば陽春の曲を作して、宮商 長く相尋ねん。

 

雜詩六首其三  題書後寄行人

(夫からの手紙を読み終えて後に文を記して旅先の夫に贈った詩である。)

自君之出矣。臨軒不解顏。

あなたがこの家を出發されてからというもの、わたしは軒端に立ってあなたの方を臨むけれど、喜ばしいという情報、景色もないので顔をほころばせて笑うことなどない。

砧杵夜不發。高門晝常關。

夜は冬支度の砧を打つ擣音も立てず、昼は高い門をとざしたままでにしている。

帳中流熠耀。庭前華紫蘭。

閨のとばりの中には螢の光が流れ、庭さきには紫の秋蘭が花さきだした。

物枯識節異。鴻來知客寒。

そして、物みな枯れて季節のうつろいがわかり、大雁がやって来て旅にある人が寒いであろうと気がつく。

遊用暮冬盡。除春待君還。

あなたは遠い土地に出かけたままその旅もこの冬の暮れで終わります。春の終わり頃にはお帰りを待っています。

 

(雜詩六首其の三 書後に題して行人に寄す)

君の出でしより、軒に臨みて顏を解かず。

砧杵 夜 げん發せず、高門 晝も常に関せり。

帳中に 熠耀 流れ、庭前に 紫蘭 華さく。

物枯れて節の異なるを識り、鴻 來りて客の寒からんことを知る。

遊びは 暮冬を用て盡き、除春に 君が還るを待たん。

春雪に草原に集まる動物002
雜詩六首其四  古意贈今人

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

#1

無異服、衣氈代文練。

夫の出征している寒国には別にかわった着物などなく、毛織りの衣をあやぎぬに代用しているとのことである。

月月望君歸、年年不解綖。

夫が出立してからは、妻はこの月そして次の月もと、月々あなたの帰りを待ち望んでいますが、あの杜詩過ぎて次の年もと、何年たってもこの思いの解消されることはありません。

荊揚春早和、幽冀猶霜霰。

妻の住む荊州や揚州の地では早くも春の和らぎを見せていますが、夫の仕官している幽州や冀州のあたりはいまだ霜や霞の季節のことでしょう。

#2

北寒妾已知、南心君不見。 

誰為道辛苦、寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲、顏落風催電。

容華一朝盡、惟餘心不變。

 

(雜詩六首、其の四  古意を 今人に贈る)

#1

には 異服無く。衣氈を 文練に代う。

月月 君の歸るを望むも。年年 解綖せず。

荊揚は 春 早く和なり。幽冀は 猶お霜霰ならん。

#2

北寒は 妾 已に知るも、南心は 君 見ず。 

誰が為に 辛苦を道はん、情を雙飛の燕に寄す。

形は迫りて 杼に絲を煎ぎ、顏 落ちて 風 電を催す。

容華 一朝にして盡せり、惟だ 心の變ぜらるを餘すのみ。

 

 

 

《雜詩六首其四》古意贈今人 現代語訳と訳註解説

(本文)

雜詩六首其四  古意贈今人

#1

無異服、衣氈代文練。

月月望君歸、年年不解綖。

荊揚春早和、幽冀猶霜霰。

#2

北寒妾已知、南心君不見。 

誰為道辛苦、寄情雙飛燕。

形迫杼煎絲、顏落風催電。

容華一朝盡、惟餘心不變。

 

(下し文)

(雜詩六首、其の四  古意を 今人に贈る)

#1

には 異服無く。衣氈を 文練に代う。

月月 君の歸るを望むも。年年 解綖せず。

荊揚は 春 早く和なり。幽冀は 猶お霜霰ならん。

#2

北寒は 妾 已に知るも、南心は 君 見ず。 

誰が為に 辛苦を道はん、情を雙飛の燕に寄す。

形は迫りて 杼に絲を煎ぎ、顏 落ちて 風 電を催す。

容華 一朝にして盡せり、惟だ 心の變ぜらるを餘すのみ。

 

(現代語訳)

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

夫の出征している寒国には別にかわった着物などなく、毛織りの衣をあやぎぬに代用しているとのことである。

夫が出立してからは、妻はこの月そして次の月もと、月々あなたの帰りを待ち望んでいますが、あの杜詩過ぎて次の年もと、何年たってもこの思いの解消されることはありません。

妻の住む荊州や揚州の地では早くも春の和らぎを見せていますが、夫の仕官している幽州や冀州のあたりはいまだ霜や霞の季節のことでしょう。

 

(訳注)

雜詩六首其四  古意贈今人

(南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べた詩である。)

古意 古意というのは詩題の一種、擬古、倣古などと同じく、古人の意にならった作品の意であるが、男女の情を内容とする作が多く、斉・梁より初唐にかけて同題の作品がかなり多い。ここでは、夫婦で昔、閨闈で意思疎通したこと、あるいは、春までには帰ってくるからとか、夫が妻に訳したことを示すものである。

今人 「今の人である夫」、昔、約束してくれて、出征した人であるが今は私のところに帰ってくれる人であるというほどの意味である。

 この詩は南方に住んでいる妻が北方の地に仕官している夫を思う意を述べたものである。

 

無異服、衣氈代文練。

夫の出征している寒国には別にかわった着物などなく、毛織りの衣をあやぎぬに代用しているとのことである。

無異服 人々みな一様の服装の意。

衣氈 一本には「氈褐」に作る、「褐」は粗毛の織物、匈奴の防寒衣。

文練 あや模様 のねりぎぬ。

 

月月望君歸、年年不解

夫が出立してからは、妻はこの月そして次の月もと、月々あなたの帰りを待ち望んでいますが、あの杜詩過ぎて次の年もと、何年たってもこの思いの解消されることはありません。

不解綖 (多く男女間の)切っても切れない縁.了不解之。=切っても切れない関係を結んだ.

『古詩賞析』の注に「客路寒を禦ぐの綖を解いて帰らず」の意と解き、「綖」は冠上を覆う黒布とする。『漢墾ハ朝詩選』の注に、『呂覧』の「勿窮篇」に見える「愉轡の語の高誘注、「愉 は解、誕は緩」とあるに本づいて夫をまち望む心に解け緩む時のない意に従って解すし、一般的に使用される、切っても切れない縁と解すのが妥当である。

 

荊揚春早和、幽冀猶霜霰。

妻の住む荊州や揚州の地では早くも春の和らぎを見せていますが、夫の仕官している幽州や冀州のあたりはいまだ霜や霞の季節のことでしょう。

荊・揚 湖北・江蘇地方、妻の居処。

幽・冀 河北・北方地方、夫の居処。

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