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『菩薩蠻十四』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-14-1-#14  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1672


2. 温庭筠 菩薩蠻
水精簾裏頗黎枕,暖香惹夢鴛鴦錦。
もう晩秋になろうというのに水晶のすだれの内側に、あの人ための玻璃の枕を用意している、あたたかくする香を焚いて、夢にしか現れない鴛鴦の錦のふすまに横になり、あの人のことを思う。
江上柳如煙,雁飛殘月天。
春になり大江のほとりには、煙と見まごうばかりに柳絮が飛ぶ、雁が有明けの月が残る空をわたってゆく。
藕絲秋色淺,人勝參差剪。
おんなは、秋には藕絲のうすいた秋の色の衣服をきていて、人日には髪かざりの人勝をふそろいに飾ってまっていた。
雙鬂隔香紅,玉钗頭上風。
左右の鬢にはうつくしい花のかんざしをへだて挿している。玉のかんざしは風に吹かれてゆらゆらゆれている。
水精の簾の裏 頗黎【はり】の枕,香を暖め夢に惹れ鴛鴦【えんおう】の錦。
江上 柳如の煙,雁飛 月天に殘る。
藕絲【ぐうし】秋色淺く,人勝【じんしょう】參差【さんさ】の剪。
雙鬂【そうびん】香紅を隔ち,玉钗【ぎょくさ】頭上の風。

miyajima593


『菩薩蠻十四』 現代語訳と訳註
(本文)
菩薩蠻
水精簾裏頗黎枕,暖香惹夢鴛鴦錦。
江上柳如煙,雁飛殘月天。
藕絲秋色淺,人勝參差剪。
雙鬂隔香紅,玉钗頭上風。

(下し文)
水精の簾の裏 頗黎【はり】の枕,香を暖め夢に惹れ鴛鴦【えんおう】の錦。
江上 柳如の煙,雁飛 月天に殘る。
藕絲【ぐうし】秋色淺く,人勝【じんしょう】參差【さんさ】の剪。
雙鬂【そうびん】香紅を隔ち,玉钗【ぎょくさ】頭上の風。


(現代語訳)
もう晩秋になろうというのに水晶のすだれの内側に、あの人ための玻璃の枕を用意している、あたたかくする香を焚いて、夢にしか現れない鴛鴦の錦のふすまに横になり、あの人のことを思う。
春になり大江のほとりには、煙と見まごうばかりに柳絮が飛ぶ、雁が有明けの月が残る空をわたってゆく。
おんなは、秋には藕絲のうすいた秋の色の衣服をきていて、人日には髪かざりの人勝をふそろいに飾ってまっていた。
左右の鬢にはうつくしい花のかんざしをへだて挿している。玉のかんざしは風に吹かれてゆらゆらゆれている。


(訳注)
水精簾裏頗黎枕,暖香惹夢鴛鴦錦。
もう晩秋になろうというのに水晶のすだれの内側に、あの人ための玻璃の枕を用意している、あたたかくする香を焚いて、夢にしか現れない鴛鴦の錦のふすまに横になり、あの人のことを思う。
・水精簾 水精は水晶。李白の『玉階怨』「玉階生白露、 夜久侵羅襪。却下水晶簾、 玲瓏望秋月。」(白玉の階きざはしに白い露が珠のように結露し、 夜は更けて羅(うすぎぬ)の襪(くつした)につめたさが侵みてくる。露に潤った水晶の簾をさっとおろした、透き通った水精の簾を通り抜けてきた秋の澄んだ月光が玉の光り輝くのを眺めているだけ。)李白39玉階怨 満たされぬ思いの詩。
・頗黎枕 頗黎は玻璃/頗梨【はり】1 仏教で、七宝の一。水晶のこと。2 ガラスの異称。3 火山岩中に含まれる非結晶質の物質。
・暖香 それをたくと部屋のあたたかくなるたきもの。香名に暖香というのもあるがここは一般的なことばであろう。
・惹夢 夢をさそうこと。
・鴛鴦錦 鴛駕の紋様のある錦の被(懸けふとん)。


江上柳如煙,雁飛殘月天。
春になり大江のほとりには、煙と見まごうばかりに柳絮が飛ぶ、雁が有明けの月が残る空をわたってゆく。
・柳如 柳絮が飛び交うのはカスミではなく煙のようなじょうたいせある。


藕絲秋色淺,人勝參差剪。
おんなは、秋には藕絲のうすいた秋の色の衣服をきていて、人日には髪かざりの人勝をふそろいに飾ってまっていた。
・藕絲秋色淺 藕絲は蓮根からとれる糸。そのよぅな細くて軽い繊維の衣服をいう。体の線がよく出て、宮女が閨に着る。
・人勝 正月七日「人勝節」という。正月7日の人日に用いられた飾り。人や動植物の形に切り抜いて彩色したあしぎぬ、金箔の縁飾り等の残片を一枚に貼り込んでいる。
参差は大小ふそろいのさま。
 

雙鬂隔香紅,玉钗頭上風。
左右の鬢にはうつくしい花のかんざしをへだて挿している。玉のかんざしは風に吹かれてゆらゆらゆれている。
・香紅 花をいう言葉であるが、ここは花のかんざしを意味するとおもう。
・玉钗頭上風 王叙頭は玉のかんざし。男と交わって揺れるのではなく、風に揺れるのである。憐れに感じさせるほどせつない女の状況を詠うのである。