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『更漏子 一』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-15-2-#1  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1676


1.更漏子
柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。
ここにいる女は柳絲のようにほそくながいよるを、枝をたれる。春の雨はこぬかのあめである。ひとりさびしさをだきながら待つ、花のかなたから水時計のしたたる音が耳を澄ませばきこえてくる。
驚寒雁,起城烏,畫屏金遮鸪。
季節も変わり北に向かう雁も目をさまし、城の烏もおきだす、枕のほとりの絵屏風にはむつまじいすがたの金の鷓鸪がえがかれている。
香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。
香のたちこめた薄霧が、花のかおりをただよわせて、すだれをとおしてしのびこんでくる。ただひとりでかなしみのうちにとざされている女にも謝安の妓女のように池のほとり春草の萌えはじめる頃に座敷で過ごしたものだった。
紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。
また女は独り紅い蝋燭を背にする、刺繍のすだれをたらしたまま、夢の中では一緒で長くして思い続けていることを、あの人は知らない。
柳絲【りゅうし】は長く,春雨は細【こまやか】く,花外は漏聲【ろうせい】迢遞【しょうてい】なり。
寒雁を驚かし,城烏を起し,畫屏 金の遮鸪。
香霧は薄し,簾幕【れんまく】は透け,惆悵して謝家の池閣。
紅燭の背,繡簾【しゅうれん】垂れ,夢長じて君 知らず。

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『更漏子』 現代語訳と訳註
(本文)
更漏子
柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。
驚寒雁,起城烏,畫屏金遮鸪。
香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。
紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。


(下し文)
柳絲【りゅうし】は長く,春雨は細【こまやか】く,花外は漏聲【ろうせい】迢遞【しょうてい】なり。
寒雁を驚かし,城烏を起し,畫屏 金の遮鸪。
香霧は薄し,簾幕【れんまく】は透け,惆悵して謝家の池閣。
紅燭の背,繡簾【しゅうれん】垂れ,夢長じて君 知らず。


(現代語訳)
ここにいる女は柳絲のようにほそくながいよるを、枝をたれる。春の雨はこぬかのあめである。ひとりさびしさをだきながら待つ、花のかなたから水時計のしたたる音が耳を澄ませばきこえてくる。
季節も変わり北に向かう雁も目をさまし、城の烏もおきだす、枕のほとりの絵屏風にはむつまじいすがたの金の鷓鸪がえがかれている。
香のたちこめた薄霧が、花のかおりをただよわせて、すだれをとおしてしのびこんでくる。ただひとりでかなしみのうちにとざされている女にも謝安の妓女のように池のほとり春草の萌えはじめる頃に座敷で過ごしたものだった。
また女は独り紅い蝋燭を背にする、刺繍のすだれをたらしたまま、夢の中では一緒で長くして思い続けていることを、あの人は知らない。


(訳注)
更漏子
・更漏子
 雙調四十六字、前段六句両仄韻両平韻、後段六句三仄韻両平韻(詞譜六)。
・更漏(夜の時を知らせる漏刻)を取材している。詞には詞詞の本意を詠ずるもの(初期の詞詞には比較的そういうものが多い)、およびただ詞調を借るものがある。


柳絲長,春雨細,花外漏聲迢遞。
ここにいる女は柳絲のようにほそくながいよるを、枝をたれる。春の雨はこぬかのあめである。ひとりさびしさをだきながら待つ、花のかなたから水時計のしたたる音が耳を澄ませばきこえてくる。
・花 妓女のいる高楼の庭の花。
・漏声 漏は漏刻、水時計。更は夜五分割された時で、夜明けが五更。漏声は水時計の水のしたたる音。したがって、女性が夜を過ごす情景をあらわすもの。
・迢遞 はるかなさま。


驚寒雁,起城烏,畫屏金遮鸪。
季節も変わり北に向かう雁も目をさまし、城の烏もおきだす、枕のほとりの絵屏風にはむつまじいすがたの金の鷓鸪がえがかれている。
・塞雁 塞辺の雁。ここは塞辺から渡ってくる隋というほどの意。雁は書信を伝える鳥、塞辺は夫の行っているところという連想をおこさせるもの。鷲は目を覚
ますこと。
・城 古城に巣くう烏。塞雁に対して対句として用いて、後宮のなかで讒言や、謀を陰湿に企てる宦官を意味するものと思われる。
・畫屏金遮鸪 画屏風に金の鴨鍋が画かれている。夫の帰りを待つ閏婦が画屏風の金の据鶴(多くは雌雄一つがいもの)を見て寂しくおもう無限の意を象徴的に表現
したものであろう。
・以上三句はそれぞれ相違した鳥、本人が來る意志がないという意味をあらわす「寒雁」、恋事の邪魔をする「城烏」、そして座敷に待つ身の女「金遮鸪」と三つ並べて閏情を表現している。


香霧薄,透簾幕,惆悵謝家池閣。
香のたちこめた薄霧が、花のかおりをただよわせて、すだれをとおしてしのびこんでくる。ただひとりでかなしみのうちにとざされている女にも謝安の妓女のように池のほとり春草の萌えはじめる頃に座敷で過ごしたものだった。
・香霧 かぐわしい霧、ここは前段の花外を承けて、花の香のただよう気分を含めているのではないかとおもう。香幕には焚香の煩霧の意もあるが、ここは前段の春雨細から考えて雲霧の意のようである。
・惆悵謝家池閣 憫帳は憂え悲しむこと。謝女というのは晋の謝安が東山の彼を愛した故事から出たもの。過去女もそういう時期もあった。李白『送侄良攜二妓赴會稽戲有此贈』「攜妓東山去。 春光半道催。遙看若桃李。 雙入鏡中開。」
池閣は、謝霊運の「池塘生春草」にかけて、池堀に春草の生ずるようになったという春情にかける意がある。


紅燭背,繡簾垂,夢長君不知。
また女は独り紅い蝋燭を背にする、刺繍のすだれをたらしたまま、夢の中では一緒で長くして思い続けていることを、あの人は知らない。
・紅燭背 紅蝋の燭をむこう向きにして暗くする。眠りに就くときにするさま。