同じ日の紀頌之5つのブログ 
 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩為焦仲卿妻作 (まとめその1) 漢詩<32>古詩源 巻三 女性詩615 漢文委員会 
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩石鼓歌 韓愈 韓退之(韓愈)詩<97-#7>Ⅱ中唐詩528 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1678 
 Ⅲ杜甫詩1000詩集”成都紀行(9)” 桔柏渡 杜甫詩1000 <348>#1 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1679 杜甫1500- 519 
 Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集三星行 韓退之(韓愈)詩<81> (12/16) 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2 花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680 
      
 ■今週の人気記事(漢詩の3部門ランキング)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex 
 謝靈運index謝靈運詩古詩index漢の無名氏  
孟浩然index孟浩然の詩韓愈詩index韓愈詩集
杜甫詩index杜甫詩 李商隠index李商隠詩
李白詩index 李白350首女性詩index女性詩人 
 上代・後漢・三国・晉南北朝・隋初唐・盛唐・中唐・晩唐北宋の詩人  
◎漢文委員会のHP http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/
                  http://kanbuniinkai7.dousetsu.com
                  http://kanbuniinkai8.dousetsu.com
                           http://3rd.geocities.jp/miz910yh/

『更漏子 二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-16-2-#2  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1680


2.更漏子
星鬥稀,鍾鼓歇,簾外曉莺殘月。
あけがた近くなり、北斗七星のかげもまばらにみえる、時を告げる鐘鼓の音も終わった。女の部屋のすだれのそとに、もう暁の鶯がないている、そして昔あの人と別れた時に見たありあけの月がかかっている。
蘭露重,柳風斜,滿庭堆落花。
女も蘭の花のようにはしっとりと露にぬれ、柳が風に吹かれてなびくように逢瀬を重ねたものだった。庭を満開に咲いていた花が散って一面に敷いている。
虛閣上,倚欄望,還似去年惆怅。
空虚な思いでひとけのない楼閣にのぼる、欄干にもたれてなんとなくかなたを眺める。去年も、情けなくかなしみを抱えて過ごしたが同じようにまた今年も悲しい思いをしている。
春欲暮,思無窮,舊歡如夢中。

もう春は暮れて行こうとするのに、悲しい思いは尽き果てることもなく。あの日あの頃、あの人とのたのしい夜は、いまは夢の中の出来事のようになってしまった。

星鬥は稀に,鍾鼓は歇む,簾外 曉鶯【ぎょうおう】月殘る。
蘭露は重り,柳風は斜す,庭に滿つるは落花の堆。
虛閣の上,欄に倚りて望み,似る去年の惆悵なるを還るをや。
春暮なんと欲し,思いに窮まること無く,舊歡は夢に中【あた】るが如し。

pla014

『更漏子』 現代語訳と訳註
(本文)

星鬥稀,鍾鼓歇,簾外曉莺殘月。
蘭露重,柳風斜,滿庭堆落花。
虛閣上,倚欄望,還似去年惆怅。
春欲暮,思無窮,舊歡如夢中。


(下し文)
星鬥は稀に,鍾鼓は歇む,簾外 曉鶯【ぎょうおう】月殘る。
蘭露は重り,柳風は斜す,庭に滿つるは落花の堆。
虛閣の上,欄に倚りて望み,似る去年の惆悵なるを還るをや。
春暮なんと欲し,思いに窮まること無く,舊歡は夢に中【あた】るが如し。


(現代語訳)
あけがた近くなり、北斗七星のかげもまばらにみえる、時を告げる鐘鼓の音も終わった。女の部屋のすだれのそとに、もう暁の鶯がないている、そして昔あの人と別れた時に見たありあけの月がかかっている。
女も蘭の花のようにはしっとりと露にぬれ、柳が風に吹かれてなびくように逢瀬を重ねたものだった。庭を満開に咲いていた花が散って一面に敷いている。
空虚な思いでひとけのない楼閣にのぼる、欄干にもたれてなんとなくかなたを眺める。去年も、情けなくかなしみを抱えて過ごしたが同じようにまた今年も悲しい思いをしている。
もう春は暮れて行こうとするのに、悲しい思いは尽き果てることもなく。あの日あの頃、あの人とのたのしい夜は、いまは夢の中の出来事のようになってしまった。


(訳注)
星鬥稀,鍾鼓歇,簾外曉莺殘月。
あけがた近くなり、北斗七星のかげもまばらにみえる、時を告げる鐘鼓の音も終わった。女の部屋のすだれのそとに、もう暁の鶯がないている、そして昔あの人と別れた時に見たありあけの月がかかっている。
・星斗 北斗星、または南斗星をもいう。星。星辰(せいしん)。
・鍾鼓  歇時を知らせるかねと太鼓。
・殘月 十五夜までにはなく陰暦十六日以降、一般的には二十日頃の夜明けに残る月を云う。このような月を詩に詠うは芸妓との別れる場合、人目を忍んで逢瀬を重ねた男女の別れを云う。


蘭露重,柳風斜,滿庭堆落花。
女も蘭の花のようにはしっとりと露にぬれ、柳が風に吹かれてなびくように逢瀬を重ねたものだった。庭を満開に咲いていた花が散って一面に敷いている。
・蘭 香草の一種、古くは沢蘭をさす。菊科に属するもの。ふじはかま。蘭の種類は多くてこの時代のものが果たしてどのようなものであったかは決め難い。ここでは女性自身を示していると思われる。
・柳風斜 柳も女性を示す。
・落花 女の年齢を重ねた様子を云う。


虛閣上,倚欄望,還似去年惆悵。
空虚な思いでひとけのない楼閣にのぼる、欄干にもたれてなんとなくかなたを眺める。去年も、情けなくかなしみを抱えて過ごしたが同じようにまた今年も悲しい思いをしている。
倚欄望 見る目的がなくなんとなく眺めている様子を云う。
還似去年惆悵 去年「惆悵」の思いをした、今年もまた同じ思いだ。この表現では毎年同じ思いをしているのであろう。抜群の言い回しといえる。


春欲暮,思無窮,舊歡如夢中。
もう春は暮れて行こうとするのに、悲しい思いは尽き果てることもなく。あの日あの頃、あの人とのたのしい夜は、いまは夢の中の出来事のようになってしまった。