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『更漏子 六』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-20-2-#6  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1696


更漏子
玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。

梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。

玉の爐 香り、紅の蝋 涙す、偏【ひたす】らに畫堂を照らす秋の思い。
眉の翠 薄れ、鬢の雲 殘【ほつ】る。夜 長くして  衾枕 寒し。

梧桐【ことう】の樹に、三更の雨し、道【い】わず 離情正に苦なるを。
ひと葉ひと葉、ひと聲ひと聲。空しく階【きざはし】に滴りて明【あけ】に到る。


更漏子
玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが部屋内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、ろうそくのひかりだけがじっと照らしている。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。
待ち侘びた思いに沈んだ緑の眉は薄れてきている、鬢の雲型はうすくほつれてきて、季節も秋になり夜が長い、眠られないままにそぞろにかけ布をかずいても寒さをおぼえる。
梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
中庭の思いでのあおぎりの樹に、真夜中の雨がふりそそぐ音をきく、別れの愁いが、ほんとうに辛い苦しいものであることを決して口に出さない心に思った。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。

一葉一葉にしたたる雨の音、一声一声するたびにさびしさがつのる。だれもいない階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいてたえないのだ。

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『更漏子』 (六)  現代語訳と訳註
(本文)

玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。
梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
一葉葉、一聲聲。空階滴到明。


(下し文)
玉の爐 香り、紅の蝋 涙す、偏【ひたす】らに畫堂を照らす秋の思い。
眉の翠 薄れ、鬢の雲 殘【ほつ】る。夜 長くして  衾枕 寒し。
梧桐【ことう】の樹に、三更の雨し、道【い】わず 離情正に苦なるを。
ひと葉ひと葉、ひと聲ひと聲。空しく階【きざはし】に滴りて明【あけ】に到る。


(現代語訳)
宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが部屋内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、ろうそくのひかりだけがじっと照らしている。
待ち侘びた思いに沈んだ緑の眉は薄れてきている、鬢の雲型はうすくほつれてきて、季節も秋になり夜が長い、眠られないままにそぞろにかけ布をかずいても寒さをおぼえる。
中庭の思いでのあおぎりの樹に、真夜中の雨がふりそそぐ音をきく、別れの愁いが、ほんとうに辛い苦しいものであることを決して口に出さない心に思った。
一葉一葉にしたたる雨の音、一声一声するたびにさびしさがつのる。だれもいない階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいてたえないのだ。


(訳注)更漏子:詞牌の一。詞の形式名。双調 四十六字。換韻。詳しくは 「構成について」を参照。この詞は花間集の温庭の更漏子 其六。



玉爐香、紅蝋涙。偏照畫堂秋思。
宝玉のように輝いている香炉に焚いた香のよいかおりが部屋内にただよう。夜もふけ、紅い蝋燭の蝋がとけ、かなしみの涙をながす。ひたすらさびしい悲愁にとざされた座敷を、ろうそくのひかりだけがじっと照らしている。
・偏照畫堂秋思 偏はひとえに。かたよってそればかりする意。照らしてばかりいる。蟻燭のひかりが画堂をじっと照らしてばかりいる。画堂は彩色されたうつくしい座敷。



眉翠薄、鬢雲殘。夜長衾枕寒。
待ち侘びた思いに沈んだ緑の眉は薄れてきている、鬢の雲型はうすくほつれてきて、季節も秋になり夜が長い、眠られないままにそぞろにかけ布をかずいても寒さをおぼえる。
眉翠薄 黛がおちて、薄らいできて。
鬢雲殘 鬢の雲型の髪が乱れてきた。
・衾枕寒 蒲団や枕辺が寒い、寒々しい。独り寝を暗示している。



梧桐樹。三更雨。不道離情正苦。
中庭の思いでのあおぎりの樹に、真夜中の雨がふりそそぐ音をきく、別れの愁いが、ほんとうに辛い苦しいものであることを決して口に出さない心に思った。
梧桐樹 アオギリやキリの木。夫唱婦随の木の象徴であることをのべることで、一人寝の寂しさを強調する。
・三更雨  夜を五更に分けた第三の時刻をいう。十二時から二時ごろまでの真夜半。
・不道 いわない。だまっている。
離情 別れる気持ち。
正苦 別れていることはとても辛いことだ。



一葉葉、一聲聲。空階滴到明。
一葉一葉にしたたる雨の音、一声一声するたびにさびしさがつのる。だれもいない階段にしたたりおちる雨の音は夜明けまでもつづいてたえないのだ。