『酒泉子』四首(二) 温庭筠

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『酒泉子』四首(二) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-22-3-#2  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1704


酒泉子 (二)
花映柳條,閑嚮綠萍池上。
花は柳の枝を背に照り映えている。ひまに任せてみどりの浮草のただよう池のほとりにむかう。
憑欄杆,窺細浪,兩蕭蕭。

欄干にもたれてみる、そしてさざ波の行方をよくのぞいてみていると、しとしとと雨がふってくるのである。
近來音信兩疏索,洞房空寂寞。
ちかごろになって、あの人との手紙のやりとりも来訪のどちらもなくなり疎遠になっている。私のねやはひっそりとさびしいいままなのです。
掩銀屏,垂翠箔,度春宵。

銀の屏風でかこいをし、翡翠のみどりのすだれを垂れたままにして、またわびしく春の宵をすごすことになるのです。

花は 柳條に 映じ,閑にして郷【むか】うは 綠萍【りょくびょう】池の上り。
欄干に憑【よ】り,細浪を窺【のぞ】けば,雨 蕭蕭たり。

近來 音信 兩 疏索にす,洞房 空しく寂寞たり。
銀屏を掩い,翠箔【すいはく】を垂して,春宵を度る。


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『酒泉子四首(二)』 現代語訳と訳註
(本文)
酒泉子
花映柳條,閑嚮綠萍池上。
憑欄杆,窺細浪,兩蕭蕭。

近來音信兩疏索,洞房空寂寞。
掩銀屏,垂翠箔,度春宵。


(下し文)
花は 柳條に 映じ,閑に向ふ綠萍の 池上。
欄干に凭(よ)り,細浪を窺へば,雨 蕭蕭たり。

近來 音信 兩(ふた)つながら疏索(まれ)に,洞房空しく寂寂たり。
銀屏にて 掩ひ,翠箔を 垂らし,春宵を 度(わた)る。


(現代語訳)
花は柳の枝を背に照り映えている。ひまに任せてみどりの浮草のただよう池のほとりにむかう。
欄干にもたれてみる、そしてさざ波の行方をよくのぞいてみていると、しとしとと雨がふってくるのである。
ちかごろになって、あの人との手紙のやりとりも来訪のどちらもなくなり疎遠になっている。私のねやはひっそりとさびしいいままなのです。
銀の屏風でかこいをし、翡翠のみどりのすだれを垂れたままにして、またわびしく春の宵をすごすことになるのです。


(訳注)
酒泉子

・酒泉子 唐教坊曲名。雙調四十字、前段五句両平韻
両仄韻、後段五句三仄韻一平韻(詞譜三)。
唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。
『酒泉子』は宮廷で歌われたこの教坊曲である。


花映柳條,閑向綠萍池上。
花は柳の枝を背に照り映えている。ひまに任せてみどりの浮草のただよう池のほとりにむかう。
・映 照り映える。ここでは、花の(紅い)色が緑の柳に映えていること。
・柳條 柳の枝。 ・條:長い枝。しなやかな女性の様子を云う。
・閑 ひま。ぶらぶらと。つれづれなるままに。ひまにまかせて。
・郷 ~に向かう。
・綠萍 綠色の浮き草。
・池上 池のほとり。


憑欄杆,窺細浪,兩蕭蕭。
欄干にもたれてみる、そしてさざ波の行方をよくのぞいてみていると、しとしとと雨がふってくるのである。
・憑欄杆 欄干によりかかる。このしぐさは、人を待ったり、思索したりするときの表現。
・窺 うかがう。様子を見る。
・細浪 さざ波。
・蕭蕭 ものさびしいさま。


近來音信兩疏索,洞房空寂寂。
ちかごろになって、あの人との手紙のやりとりも来訪のどちらもなくなり疎遠になっている。私のねやはひっそりとさびしいいままなのです。
近來 ちかごろ。
・音信 文字やしるしによるおとずれ。手紙。たより。来訪。
・兩 来訪と手紙のどちらも。
・疏索 まれである。
・房 へや。
・空寂寂 空寂。ひっそりとして寂しい。
・洞房空寂寂 奥深い婦人の部屋はひっそりとして寂しい。


掩銀屏,垂翠箔,度春宵。
銀の屏風でかこいをし、翡翠のみどりのすだれを垂れたままにして、またわびしく春の宵をすごすことになるのです。
掩銀屏 銀の屏風でおおう。
・翠箔 翡翠の簾。緑色のカーテン。緑色のカーテンは女性の部屋をいう。
 過ごす。
度春宵 春のよいをすごす。