『酒泉子』 四首(三) 温庭筠


  同じ日の紀頌之5つのブログ 
 Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩燕歌行二首 其二 曹丕(魏文帝) 魏詩<5>玉台新詠・文選楽府 古詩源 巻三 女性詩624 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1713 
 Ⅱ中唐詩・晩唐詩秋懐詩十一首(2) 韓愈 韓退之(韓愈)詩<102>Ⅱ中唐詩537 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1714 
 Ⅲ杜甫詩1000詩集杜甫詩 成都紀行まとめ(詩index)  <353> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1715 杜甫詩 700- 528 
 Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集元和聖徳詩 韓退之(韓愈)詩<80-#10> (12/25) 
 Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩 
      
 ■今週の人気記事(漢詩の3部門ランキング)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex 
 謝靈運index謝靈運詩古詩index漢の無名氏  
孟浩然index孟浩然の詩韓愈詩index韓愈詩集
杜甫詩index杜甫詩 李商隠index李商隠詩
李白詩index李白350首女性詩index女性詩人
 上代・後漢・三国・晉南北朝・隋初唐・盛唐・中唐・晩唐北宋の詩人  
◎漢文委員会のHP http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/
          http://kanbuniinkai7.dousetsu.com
          http://kanbuniinkai8.dousetsu.com
http://3rd.geocities.jp/miz910yh/



『酒泉子』 四首(三) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-23-3-#3  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1716



酒泉子四首 温庭筠

酒泉子 (一)
羅帶惹香,猶系別時紅豆。
淚痕新,金縷舊,斷離腸。
一雙嬌燕語雕梁,還是去年時節。
綠陰濃,芳草歇,柳花狂。

酒泉子 (二)
花映柳條,閑嚮綠萍池上。
憑欄杆,窺細浪,兩蕭蕭。
近來音信兩疏索,洞房空寂寞。
掩銀屏,垂翠箔,度春宵。

酒泉子 (三)
日映紗窗,金鴨小屏山碧。
故鄉春,煙霭隔,背蘭釭。
宿妝惆悵倚高閣,千裏雲影薄。
草初齊,花又落,燕雙雙。

酒泉子 (四)
楚女不歸,樓枕小河春水。
月孤明,風又起,杏花稀。
玉钗斜簪雲鬟重,裙上金縷鳳。
八行書,千裏夢,雁南飛。


酒泉子 (一)
羅帶 香に惹かれ,猶お別れ時に紅豆に系かる。
淚痕 新たにし,金縷 舊く,離れ腸を斷つ。
一雙 燕を嬌して雕梁を語り,是に去る年 時節を還える。
綠陰 濃く,芳草 歇むは,柳花の狂なり。

酒泉子 (二)
花 柳條を映え,閑にして嚮うは 綠萍 池の上り。
欄杆を憑し,細浪を窺うは,兩 蕭蕭たり。
近來 音信 兩 疏索にす,洞房 空しく寂寞たり。
銀屏を掩い,翠箔を垂して,春宵を度る。

酒泉子 (三)
日 紗窗に映し,金鴨 小屏 山の碧。
故鄉の春,煙霭の隔,蘭釭を背す。
宿妝 惆悵して高閣に倚るは,千裏 雲影薄し。
草 初めて齊し,花又落つるは,燕 雙雙たり。

酒泉子 (四)
楚女 歸らず,樓枕 小河の春水。
月 孤り明るくし,風又起きるは,杏花 稀れなり。
玉钗 斜簪 雲鬟 重り,裙上 金縷の鳳。
八行の書,千裏の夢,雁 南飛す。

酒泉子 (三)
日映紗窗,金鴨小屏山碧。
昼下がりの日陰が薄絹を張った女の部屋の窓に映えている。女が横たわりそのそばに金の鴨の絵が屏風に書かれている山の葉の緑もえがかれている。
故鄉春,煙霭隔,背蘭釭。
故郷にも春が来ているだろう、春霞に遠く隔たっている。蘭の火灯し皿にともしたままで背を向けている。
宿妝惆悵倚高閣,千裏雲影薄。
宵越しの化粧で多くはいつ来るのかと待ちわびて憂愁のためにくずれてしまったままで歎き悲しんで高楼の手摺に寄りかかる。眺め遣る千里の先にいるあの人も雲の影も薄くなる。
草初齊,花又落,燕雙雙。

春が来て初めての「斉眉之礼」をしたかった、時は過ぎまた花が落ちて、ツバメは梁の上でツガイ、飛び交うのもツガイ。

酒泉子 (三)
日 紗窗に映し,金鴨 小屏 山の碧。
故鄉の春,煙霭の隔,蘭釭を背す。
宿妝 惆悵して高閣に倚るは,千裏 雲影薄し。
草 初めて齊し,花又落つるは,燕 雙雙たり。

趙飛燕Hienso002



























『酒泉子四首』(三) 現代語訳と訳註
(本文)
酒泉子 (三)
日映紗窗,金鴨小屏山碧。
故鄉春,煙霭隔,背蘭釭。
宿妝惆悵倚高閣,千裏雲影薄。
草初齊,花又落,燕雙雙。


(下し文)
酒泉子 (三)
日 紗窗に映し,金鴨 小屏 山の碧。
故鄉の春,煙霭の隔,蘭釭を背す。
宿妝 惆悵して高閣に倚るは,千裏 雲影薄し。
草 初めて齊し,花又落つるは,燕 雙雙たり。

(現代語訳)
昼下がりの日陰が薄絹を張った女の部屋の窓に映えている。女が横たわりそのそばに金の鴨の絵が屏風に書かれている山の葉の緑もえがかれている。
故郷にも春が来ているだろう、春霞に遠く隔たっている。蘭の火灯し皿にともしたままで背を向けている。
宵越しの化粧で多くはいつ来るのかと待ちわびて憂愁のためにくずれてしまったままで歎き悲しんで高楼の手摺に寄りかかる。眺め遣る千里の先にいるあの人も雲の影も薄くなる。
春が来て初めての「斉眉之礼」をしたかった、時は過ぎまた花が落ちて、ツバメは梁の上でツガイ、飛び交うのもツガイ。


(訳注) 酒泉子 (三)
・酒泉子 唐教坊曲名。雙調四十字、前段五句両平韻
両仄韻、後段五句三仄韻一平韻(詞譜三)。
唐以降の中国王朝における宮廷に仕える楽人や妓女たちに宮廷音楽を教習させるための機関をさす。楽曲や歌舞の習得を主な目的とするが、官妓にあたる妓女を統括する役割もあった。その後の王朝に引き継がれ、清代まで続いたが、雍正帝の時に廃止された。
『酒泉子』は宮廷で歌われたこの教坊曲である。


日映紗窗,金鴨小屏山碧。

昼下がりの日陰が薄絹を張った女の部屋の窓に映えている。女が横たわりそのそばに金の鴨の絵が屏風に書かれている山の葉の緑もえがかれている。
・紗窗 薄絹を張った窓。
李白『宮中行樂詞八首 其五』「繡戶香風暖。 紗窗曙色新。 宮花爭笑日。 池草暗生春。 綠樹聞歌鳥。 青樓見舞人。 昭陽桃李月。 羅綺自相親。」
・鴨 カモ科の鳥類のうち、雁(カリ)に比べて体が小さく、首があまり長くなく、冬羽(繁殖羽)では雄と雌で色彩が異なるものをいう。カルガモのようにほとんど差がないものもある。
『菩薩蠻』 (一) 
小山重疊金明滅,鬢雲欲度香顋雪。
懶起畫蛾眉。弄妝梳洗遲。
照花前後鏡。花面交相映。
新帖繡羅襦。雙雙金鷓鴣。


故鄉春,煙霭隔,背蘭釭。
故郷にも春が来ているだろう、春霞に遠く隔たっている。蘭の火灯し皿にともしたままで背を向けている。


宿妝惆悵倚高閣,千裏雲影薄。
宵越しの化粧で多くはいつ来るのかと待ちわびて憂愁のためにくずれてしまったままで歎き悲しんで高楼の手摺に寄りかかる。眺め遣る千里の先にいるあの人も雲の影も薄くなる。
・宿粧 宵越しの化粧で多くはいつ来るのかと待ちわびて憂愁のためにくずれているものをいう。
温庭筠『菩薩蠻 三』
蕊黃無限當山額,宿妝隱笑紗窗隔。
相見牡丹時,暫來還別離。
翠钗金作股,钗上蝶雙舞。
心事竟誰知?月明花滿枝。
・惆悵 歎き悲しむさま


草初齊,花又落,燕雙雙。
春が来て初めての「斉眉之礼」をしたかった、時は過ぎまた花が落ちて、ツバメは梁の上でツガイ、飛び交うのもツガイ。
・斉眉  《後漢の梁鴻の妻の孟光が食膳を捧げるとき、その高さを眉(まゆ)と斉(ひと)しくしたという「後漢書」梁鴻伝の故事から》妻が夫を深く尊敬して仕えること。