『南歌子七首』 (七) 温庭筠

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『南歌子七首』 (七) 温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-36-5-#14  花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1760


南歌子 七首
(一)
手裏金鹦鹉,胸前繡鳳凰。偷眼暗形相。不如從嫁與,作鴛鴦。
嫁ぐかもしれないそのひとの手の中には、黄金製の鸚鵡杯があり、衣服の胸元には、ホウオウの刺繍がしてあります。
わたしはこっそりとその人お顔と姿をうかがい見るのです。もう嫁いでいった方がいいかもしれない。きっと鴛鴦のような夫婦となります。 


(二)
似帶如絲柳,團酥握雪花。簾卷玉鈎斜。九衢塵欲暮,逐香車。

その人は帯のようにしなやかであり、糸柳のような腰つきであり、その肌はきよく滑らかなまるみをもっていて雪の白さと艶やかな花の白さの指さきで握ってくれる。
車の簾を巻き上げも、宝玉で輝く簾を掛ける鉤金具もうまく途中で止めている。
大通りはいくつにも別れその上この人ごみに紛れて暮れていこうとしている。その人の香りの車の後を追っていくのである。

(三)
鬓垂低梳髻,連娟細掃眉。終日兩相思。爲君憔悴盡,百花時。
左右の鬢の雲型に垂れる髪は低くして髻まできれいに梳いてある。上品な麗しさは続き細く書かれた眉につながっていました。
その日は一日中二人でいて互いに思い続けていました。
今あなたは百花繚乱の時かもしれませんが私はそのために心配でたまらなく心労の限りを尽くして痩せ細ってしまいます。

(四)
臉上金霞細,眉間翠鈿深。倚枕覆鴛衾。隔簾鶯百囀,感君心。
ほほのうえには、かぼそい金霞のよそおいでかざり、眉間にはふかく翠りの鈿のかざりをしている。
着飾ったうつくしい人は枕をあててよこになり、鴛鴦のうす絹の掛け布をかづいている。
御簾を隔てて鶯がしきりにさえずっているので、その鶯の囀りは、しみじみとあなたのこころを感じているのです。

(五)
撲蕊添黃子,呵花滿翠鬟。鴛枕映屏山。月明三五夜,對芳顔。

蕊黃は女の額に黄色の化粧をほどこして、花を開かせ、麗しい輪にまいた黒毛のまげで精いっぱいのお化粧をしています。
鴛鴦のように私が寝床についてよこ向きになると、寝姿が屏風に山影が映ります。
今夜は十五夜で月明かりが明るくしてくれます。だからあなたの美しい顔を私の方に向けてください。

(六)
轉盼如波眼,娉婷似柳腰。花裏暗相招,憶君腸欲斷,恨春宵。
あの女は流し目を動かしまるで波眼蝶のようなのだ、優雅にして美しく垂れ柳のような細腰をしている。
あの人はあの女を花のさき乱れる裏の茂みに誘っている。わたしはあの人のことをこんなに思っているのにこんな私の下の腹なんて切ってしまいたい。それにしてもこんな春の宵は恨めしいのです。


(七)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。羅帳罷爐熏。近來心更切,爲思君。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。


南歌子七首
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
羅帳罷爐熏。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近來心更切,爲思君。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。

懶拂【らんふつ】して鴛鴦の枕,休縫するは翡翠の裙。
羅帳 爐熏【くんろ】を罷【まか】る。
近來 更なる心は切れ,君を思うを爲さる。


ホトトギス

『南歌子七首』(七) 現代語訳と訳註
(本文)

懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
羅帳罷爐熏。
近來心更切,爲思君。


(下し文)

懶拂【らんふつ】して鴛鴦の枕,休縫するは翡翠の裙。
羅帳 爐熏【くんろ】を罷【まか】る。
近來 更なる心は切れ,君を思うを爲さる。




(現代語訳)

けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。


(訳注)
懶拂鴛鴦枕,休縫翡翠裙。
けだるい気持ちを振り払いあの人の使った鴛鴦の枕に横になるのは、翡翠の肌着を裁縫するのをやめたからなのです。
・懶拂 懶: 何かすることを面倒がること。また、そのような性質や人。また、そのさま。ぶしょう。
・鴛鴦枕 鴛鴦の絵が描かれた枕。仲良くしていたころのことを想像させる。
・休縫 裁縫することを休止する。
・翡翠裙 翡翠の襦袢。肌着。スカート。


羅帳罷爐熏。
うす絹のとばりは必要ないし、五更炉からの香りもやめている。
・羅帳 うす絹のとばり。
・爐熏 彩画香炉。竹を截頭円錐形に粗く編み,絹で包んだ器。


近來心更切,爲思君。
近頃になってはさらにこころすらも通じることなく途切れてしまってきている。それはただあなたことを思うことだけさせられているのです。
・近來 近頃では。
心更切 心さえも切断している。
・爲思君 ただあなたを思うことだけさせられている。