玉胡蝶 温庭筠

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『玉胡蝶』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-37-6-#   花間集 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1764


玉胡蝶
秋風淒切傷離,行客未歸時。
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない。
寒外草先衰,江南雁到遲。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
搖落使人悲,腸斷誰得知?

こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。

玉の胡蝶
秋の風 淒として切なく離るることを傷み,行客は未だ歸る時なし。
寒外 草 衰えること先んじ,江南 雁 遲れて到る。
芙蓉 凋嫩【ちょうどん】の臉,楊柳の新たの眉を墮つ。
搖落して人をして悲しましむ,腸斷して誰か知るを得んや?

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『玉胡蝶』 現代語訳と訳註
(本文)

玉胡蝶
秋風淒切傷離,行客未歸時。
寒外草先衰,江南雁到遲。
芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
搖落使人悲,腸斷誰得知?


(下し文)
玉胡蝶
秋の風 淒として切なく離るることを傷み,行客は未だ歸る時なし。
寒外 草 衰えること先んじ,江南 雁 遲れて到る。
芙蓉 凋嫩【ちょうどん】の臉,楊柳の新たの眉を墮つ。
搖落して人をして悲しましむ,腸斷して誰か知るを得んや?


(現代語訳)
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。


(訳注)
玉胡蝶

玉胡蝶 双調四十一字、前段四句四平韻、後段四句三平韻(詞譜四)。
・胡蝶 西域の異民族の蝶ということであるが、ここでは上品な色町における女性を云い、その女性が最も輝いているころのことを指している。性を売る女性ではない。
蛇足だが、胡蝶は[荘子斉物論](荘子が夢で胡蝶になって楽しみ、自分と蝶との区別を忘れ たという故事から)現実と夢の区別がつかないこと。 自他を分たぬ境地。また、人生のはかなさにたとえる。蝶夢。


秋風淒切傷離,行客未歸時。
季節も移り変わり西から吹く風はものさびしいせつなさ、別れの時の傷に痛みを連れて吹いてくる、あの人は遠い西域の塞に行ったきりでいまだに帰る時期まで知らせもない
凄切 さびしくいたましいこと。
・行客 旅人。ここは征夫。
 雁と書信をかけていう。


寒外草先衰,江南雁到遲。
もうすでに寒くなっている国境ではこちらよりずっと早く枯れて衰えている。江南では雁が飛んでくるのが遅いという、あの人の知らせも遅いのです。
この聯は完全対句となっているので意味もそれを基本に読み取る。。


芙蓉凋嫩臉,楊柳墮新眉。
還らないあの人を待ち侘びて蓮の花が枯れて凋むような頬も落ちている、それに新しく描いた眉も青柳の葉が散ったように薄れ落ちてしまう。
・芙蓉凋嫩臉 芙蓉:若々しい女性を象徴するもの。凋嫩臉:精神的苦痛が頬をこけさせることを云う。
・楊柳墮新眉 楊柳:男女の若々しい様子を示すもので男女のいとなみも暗示させる。柳の葉の形の眉も若い女性がした化粧である。この聯は完全対句となっている。

/○楊柳 楊柳は男女を示す。また楊は芸妓の色町を示す語である。柳は男性であるが、細柳は女性を示す語として、つかわれる。

搖落使人悲,腸斷誰得知?
こんなにものすべてが枯れて落ち別れていく秋は人を悲しくさせるのです、心も体も痩せ細っていき、おなかの腸も断ち切れてしまう、こんな苦しいことは誰が知ってくれるというのでしょうか。
・搖落 うらがれること。
宋玉『九辨』、
悲哉秋之為氣也!
蕭瑟兮草木搖落而變衰,

杜甫『蒹葭』
摧折不自守,秋風吹若何?
暫時花戴雪,幾處葉沈波。
體弱春苗早,叢長夜露多。
江湖後搖落,亦恐歲蹉跎。

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断腸は胸のもやもやではなく下半身のもやもやをいう。