夢江南 之二 温庭筠

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『夢江南 之二』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-45-14-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1796


夢江南 之一
千萬恨,恨極在天涯。
限りないほどのこの恨んでも恨んでも恨みきれない。この恨みの最も強いものは地の果てにいる愛しい人が行ったきりだということです。
山月不知心裏事,水風空落眼前花。
私の周りの自然美の山にかかる月は心の内から裏まであふれるほどのものになっている心配事は知らないでしょう。川面を吹き抜ける風は私の目の前の花をむなしく落していくのも私の心の内を知らないのです。
揺曳碧雲斜。
はるかかなたのあの人の所へあのたなびいている雲が渡してくれるのです。

夢江南 之一
千萬の恨み,恨みの極まれるは天涯に在り。
山月は知らず心裏の事,水風は空しく落つ 眼前の花。
碧雲 揺曳して斜めなり。


夢江南 之二
梳洗罷,獨倚望江樓。
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
腸斷白蘋洲。

この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。

夢江南 之二
梳洗【そせん】罷【おわ】り,獨り江樓に倚【よ】りて望む。
過ぎ盡くす千帆 皆是ならず,斜暉【き】脈脈として  水悠悠。
腸斷す 白蘋【ひん】の洲。
白蘋005




『夢江南』之二 現代語訳と訳註
(本文) 

梳洗罷,獨倚望江樓。
過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
腸斷白蘋洲。




(下し文)
夢江南 之二
梳洗【そせん】罷【おわ】り,獨り江樓に倚【よ】りて望む。
過ぎ盡くす千帆 皆是ならず,斜暉【き】脈脈として  水悠悠。
腸斷す 白蘋【ひん】の洲。

(現代語訳)
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。


(訳注)
夢江南 之二

夢江南:詞牌の一。詞の形式名。単調 二十七字。五句平韻。この詞は花間集 第二 夢江南二作品中の第二である。


梳洗罷,獨倚望江樓。
毎朝 顔を洗い、くしで髪を梳く、身繕いをおわると、河畔の高殿に上って、いつもひとりで大江を眺めるのです。
・梳洗 くしけずることと洗うことで、朝起きたときなどの身繕いのこと。梳沐。
・罷 おわる。やむ。
・望江樓 河辺に建てられた江を見ることができる高殿」とあった。


過盡千帆皆不是,斜暉脈脈水悠悠。
何もかも通り過ぎてしまったこと、千の帆かけ船が行き交うけれどあの人がのっている船ではないのです。そうしているといつの間にか太陽が西に傾いている、みゃくみゃくと思いつきないこの気持ちを、せつなくやるせない思いを知らないというように川の流れは悠悠と流れて行くのです。
過盡 (全てが)通り過ぎてしまったが。
・千帆 多くの帆掛け船。
・皆 みな。
・不是 「是」ではない。そうではない。自分の思っている(あの人が乗っている)舟ではない。
・斜暉 夕陽。斜陽。落暉。
脈脈 情を含んで(見つめて)いるさま。思いを寄せて尽きないさま。
・水悠悠 自分の心は「脈脈」として切ない思いなのに、それに反して、自然の川の流れは、物に拘泥せずに悠々と流れ去っていく。


腸斷白蘋洲。
この下はらの痛みの私の身を知らぬまま、白州の花はどこへともしれず流れて行くのでしょう。
・腸斷 男性と関係がもてないことへの腸が断たれるほどの辛い思い。
・白蘋洲 蘋は萍で、浮き草。白い花をつけている。それがある川の洲。蘋萍(ひんへい)、萍蘋(へいひん)の小さな中洲。
杜甫『麗人行』「楊花雪落覆白蘋,青鳥飛去銜紅巾。」
白蘋 蘋はあさざの類、白い花のさく水草。麗人行  杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 誠実な詩人杜甫特集 65