漢詩・唐詩など 5つのブログで紹介しています。 
◆◆◆2013年2月2日紀頌之の5つの漢文ブログ◆◆◆  

Ⅰ.李白と李白に影響を与えた詩集
 
古代中国の結婚感、女性感について述べる三国時代の三曹の一人、曹植の詩 
送應氏二首 其一 曹植 魏詩<31-2>文選 祖餞 663 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1869 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67790010.html

Ⅱ.中唐詩・晩唐詩 
 唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ 
原道 韓退之(韓愈)詩<115-4>Ⅱ中唐詩576 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1870 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6250078.html

Ⅲ.杜甫詩1000詩集 
"●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 
●理想の地を求めて旅をする
●全詩1/3を掲載済。" 
因崔五侍禦寄高彭州一絶 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -4)  <386> 五言絶句 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1871 杜甫詩1000-386-567/1500 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-tohoshi/archives/67789600.html

Ⅳ.漢詩・唐詩・宋詞詩詩集 
夏日南亭懷辛大 孟浩然 (02/02) http://kanshi100x100.blog.fc2.com/blog-entry-618.html
 
Ⅴ.晩唐五代詞詩・宋詞詩 
 森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”彼女の詩の先生として登場する 晩唐期の詩人 温庭筠(おんていいん)の作品を訳註解説する。 
『楊柳枝 之八』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-64-17-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1872 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-godaisoui/archives/22743547.html



古詩十九首 (1) 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67676781.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。


李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
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『楊柳枝 之八』温庭筠  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-64-17-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1872


楊柳枝 温庭筠 
館娃宮外鄴城西,遠映征帆近拂堤。
呉王夫差の築いた館娃宮の外で敵国に向かう西施は別離した。魏の曹操の都であった鄴城で曹植は不遇を囲い、城の西ではかなしいわかれをした。別れに柳は遠くの方を行く旅の舟に映え、近くでは、柳の枝が風に靡いて別れの堤を払うのである。 
繋得王孫歸意切,不關春草綠萋萋。
楊柳の枝は旅に出た王孫のひたすらな帰えってくると誓った心を繋ぎとめてくてるのであり。楚辞でいう「春の草花が繁りだす」時にあれほど愛し合ったことにはもう関係がないと、月日が立ちおとろえていく女のもとには帰らないのだろうか。

楊柳枝    
館娃宮【かんあいきゅう】の外 鄴城【ぎょうじょう】の西,遠くは征帆に 映じ 近くは堤を拂ふ。
繋ぎ得たりは王孫の意切なるをもって歸り,「春草の萋萋(りょくせいせい)たる綠」を關せず。

美女画557

















『楊柳枝 之八』温庭筠 現代語訳と訳註
(本文)
楊柳枝 温庭筠 
館娃宮外鄴城西,遠映征帆近拂堤。
繋得王孫歸意切,不關春草綠萋萋。


(下し文)
楊柳枝    
館娃宮【かんあいきゅう】の外 鄴城【ぎょうじょう】の西,遠くは征帆に 映じ 近くは堤を拂ふ。
繋ぎ得たりは王孫の意切なるをもって歸り,「春草の萋萋(りょくせいせい)たる綠」を關せず。


(現代語訳)
呉王夫差の築いた館娃宮の外で敵国に向かう西施は別離した。魏の曹操の都であった鄴城で曹植は不遇を囲い、城の西ではかなしいわかれをした。別れに柳は遠くの方を行く旅の舟に映え、近くでは、柳の枝が風に靡いて別れの堤を払うのである。 
楊柳の枝は旅に出た王孫のひたすらな帰えってくると誓った心を繋ぎとめてくてるのであり。楚辞でいう「春の草花が繁りだす」時にあれほど愛し合ったことにはもう関係がないと、月日が立ちおとろえていく女のもとには帰らないのだろうか。

宮島(8)









(訳注)
楊柳枝 (之八)

柳を詠う。連作八首のうちこれは第八首。


館娃宮外鄴城西,遠映征帆近拂堤。
呉王夫差の築いた館娃宮の外で敵国に向かう西施は別離した。魏の曹操の都であった鄴城で曹植は不遇を囲い、城の西ではかなしいわかれをした。別れに柳は遠くの方を行く旅の舟に映え、近くでは、柳の枝が風に靡いて別れの堤を払うのである。 
館娃宮 呉王夫差が西施を住まわせた宮殿。蘇州の西、硯石山(霊巌山)上に築かれた。 そして西施は旅立っていく。
・鄴城 魏の曹操の都で、現・河南省臨。館娃宮、城ともに、曾ての栄華の地であるが曹植が不遇をかこったところであり、その西にある歓楽街での別離がある。。 
・西 「西」は、歓楽街、別離、柳。その一方で五行思想から、白、秋、悲秋、別離、凋落、没落、衰頽ということ。
・遠映 遠くにはえて見えている。遠くに映じている。「近拂」の対。「遠映」「近拂」といった単語は無い。 
・映 はえる。うつる。うつす。 
・征帆 遠くへ行く舟。旅の舟。 
・拂堤 ヤナギの枝が風に靡いて堤を払うように動いている(性行の男性の腰の動きとされる)。堤は別れで再会の約束をするところ。堤に馬を止めて女のもとに行くところ。 
・拂 はらう。ヤナギの枝が風に靡き動くさまを表現していう。


繋得王孫歸意切,不關春草綠萋萋。
楊柳の枝は旅に出た王孫のひたすらな帰えってくると誓った心を繋ぎとめてくてるのであり。楚辞でいう「春の草花が繁りだす」時にあれほど愛し合ったことにはもう関係がないと、月日が立ちおとろえていく女のもとには帰らないのだろうか。
・この二句は『楚辞・招隱士』に基づくもの。 
・繋得 繋ぎとめて…。-得 動詞の後に附いて、(動作や状態の)結果、程度、方法、傾向を表す。 
・王孫 色あせていった女性の許を離れて旅立つ男性を指す、主人公。本来(その当時は)は愛しい男性。放蕩の貴人の子弟。王族の孫。貴公子。『楚辞・招隱士』「王孫遊兮不歸,春草生兮萋萋。歳暮兮不自聊,蛄鳴兮啾啾。」を指す。そこでの王孫とは、隠士である楚の王族の屈原のこと。ただ、詩詞で使われる王孫とは、女性の容色の衰え等のために、女性の許を離れて旅立っていった男性のことでもある。詩題や詞牌に謝靈運『悲哉行』「萋萋春草生,王孫遊有情」『王孫歸』『憶王孫』『王孫遊』(南齊・謝朓)「綠草蔓如絲,雜樹紅英發。無論君不歸,君歸芳已歇。」 としてよく使われる。劉希夷『白頭吟』(代悲白頭翁)「公子王孫芳樹下,清歌妙舞落花前。光祿池臺開錦繍,將軍樓閣畫神仙。一朝臥病無人識,三春行樂在誰邊。宛轉蛾眉能幾時,須臾鶴髮亂如絲。但看古來歌舞地,惟有黄昏鳥雀悲。」 や、王維の『送別』「山中相送罷,日暮掩柴扉。春草明年綠,王孫歸不歸。」や、韋荘の『淸平樂』に「春愁南陌。故國音書隔。細雨霏霏梨花白。燕拂畫簾金額。盡日相望王孫,塵滿衣上涙痕。誰向橋邊吹笛,駐馬西望消魂。」 や、王維の『山居秋暝』で「空山新雨後,天氣晩來秋。明月松間照,清泉石上流。竹喧歸浣女,蓮動下漁舟。隨意春芳歇,王孫自可留。」がある。 
・歸意 帰郷したいという気持ち。帰ると約束したこと。
・切 しきりに。ふかく。程度の深刻さを示す。ひたすらなさま。それを思うことがしきりで強いさま。
・不關 …に関わらずに。かかわらない。関係ない。「春草綠萋萋」に関してのこと。春草 春の草。春に咲く草花。(『楚辞・招隱士』「王孫遊兮不歸,春草生兮萋萋。」)を踏まえている。 *「春草綠萋萋」で「月日が流れ、季節が変わって春になったのに」の意になる。 
謝靈運『悲哉行』「萋萋春草生,王孫遊有情」
謝朓『王孫遊』「綠草蔓如絲,雜樹紅英發。無論君不歸,君歸芳已歇。」
さかんに茂っている春の草木がのびている、「楚辞」で詠う王孫は遊んでいて情をもっている。
・綠萋萋 青々と茂っている。 
・萋萋 木や草の繁っているさま。
王昭君の『昭君怨』(『怨詩』)「秋木萋萋,其葉萎黄。有鳥處山,集于苞桑。養育羽毛,形容生光。既得升雲,上遊曲房。離宮絶曠,身體摧藏。志念抑沈,不得頡頏。雖得委食,心有徊徨。我獨伊何,來往變常。翩翩之燕,遠集西羌。高山峨峨,河水泱泱。父兮母兮,道里悠長。嗚呼哀哉,憂心惻傷。」

怨詩 王昭君  漢詩<110-#2>玉台新詠集 女性詩 546 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1455


謝靈運『悲哉行』
萋萋春草生,王孫遊有情,差池鷰始飛,夭裊桃始榮,灼灼桃悅色,飛飛燕弄聲,檐上雲結陰,澗下風吹清,
幽樹雖改觀,終始在初生。松蔦歡蔓延,樛葛欣虆縈,眇然遊宦子,晤言時未并,鼻感改朔氣,眼傷變節榮,侘傺豈徒然,澶漫絕音形,風來不可托,鳥去豈為聽。

悲哉行 謝霊運(康楽) 詩<76-#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩503 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1326


謝靈運『石門在永嘉』 #1
躋険築幽居、披雲臥石門。苔滑誰能歩、葛弱豈可捫。
嫋嫋秋風過、萋萋春草繁。美人遊不遠、佳期何繇敦。』

石門在永嘉 謝霊運<30#1 詩集 404  kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1029


謝靈運『登池上樓』
池塘生春草,園柳變鳴禽。」
祁祁傷豳歌,萋萋感楚吟。
登池上樓 #2 謝靈運<25>#2  詩集 396 kanbuniinkai紀 頌之漢詩ブログ1005
などと、杜甫など多くの詩人が詠っている。



楊柳枝 (之一)
蘇小門前柳萬條,毵毵金線拂平橋。
黃莺不語東風起,深閉朱門伴舞腰。


楊柳枝 (之二)
金縷毵毵碧瓦溝,六宮眉黛惹香愁。
晚來更帶龍池雨,半拂欄杆半入樓。


楊柳枝 (之三)
禦柳如絲映九重,鳳凰窗映繡芙蓉。
景陽樓畔千條路,一面新妝待曉風。

楊柳枝 (之四)
織錦機邊莺語頻,停梭垂淚憶征人。
塞門三月猶蕭索,縱有垂楊未覺春。


楊柳枝 (之五)
兩兩黃鹂色似色,袅枝啼露動芳音。
春來幸自長如線,可惜牽纏蕩子心。

楊柳枝 (之六)
宜春苑外最長條,閑袅春風伴舞腰。
正是玉人腸絕(一作斷)處,一渠春水赤闌橋。

楊柳枝 (之七)
南內牆東禦路帝,須知春色柳絲黃。
杏花未肯無情思,何事行人最斷腸?

楊柳枝 (之八)
館娃宮外邺城西,遠映征帆近拂堤。
系得王孫歸意切,不關(一作同)芳草綠萋萋。



王孫遊として、雑曲歌辞。公子が女性の許を離れて旅路に就いている。『楚辭・招隱士』第二段「王孫遊兮不歸,春草生兮萋萋。」に基づく。この作品は、『玉臺新詠』第十巻にある。モチーフは、『楚辭』の招辞の一種である『招隱士』に「王孫遊兮不歸,春草生兮萋萋。歳暮兮不自聊,蛄鳴兮啾啾。」に由来する。

綠草蔓如絲:緑の草のツルが糸のように伸びて、思いが絡み。 ・綠草:緑の草。 ・蔓:ツル。つる草。 ・如絲:糸のようである。また、「絲」「思」の掛詞で、思いが糸のように伸びて絡み。 ・絲:「思」に掛けている。