卷804_8 【酬李學士寄簟】魚玄機


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卷804_8 【酬李學士寄簟】魚玄機


酬李學士寄簟

珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。
唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。

りっぱな夏用の簟ござをこの翡翠樓の中で誰もまだで、初めてベッドに敷きました。清らかな水の流れのような模様が、あり、涼しさをよび、さそいます。
ただ、夏は最高のもので、あの雲扇と同じことでいつまでも一緒にいることはできないのです。すがすがしいかぜがふきねけるような秋になればいらないものとなるのでしょうね。どうかその扇や簟のように、このわたくしを見限らないで来てくださいね。お待ちしています。


李学士の簟を寄せらるるに酬ゆ
珍らしい簟は新に鋪【し】く翡翠樓に、弘澄【おうちょう】たる玉水 方流を記す。
唯 應に 雲【うんせん】と情相い似たり、同じく銀牀【ぎんしょう】に向って早秋を恨むべし。

李清照0055
















『酬李學士寄簟』 現代語訳と訳註
(本文)

珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。
唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。


(下し文)
李学士の簟を寄せらるるに酬ゆ
珍らしい簟は新に鋪【し】く翡翠樓に、弘澄【おうちょう】たる玉水 方流を記す。
唯 應に 雲【うんせん】と情相い似たり、同じく銀牀【ぎんしょう】に向って早秋を恨むべし。

(現代語訳)
りっぱな夏用の簟ござをこの翡翠樓の中で誰もまだで、初めてベッドに敷きました。清らかな水の流れのような模様が、あり、涼しさをよび、さそいます。
ただ、夏は最高のもので、あの雲扇と同じことでいつまでも一緒にいることはできないのです。すがすがしいかぜがふきねけるような秋になればいらないものとなるのでしょうね。どうかその扇や簟のように、このわたくしを見限らないで来てくださいね。お待ちしています。


(訳注)
酬李學士寄簟

現存の彼女の詩中では、「子安」というあざなで彼はほとんどよばれている。すなわち、
情書、李子安に寄す ・・・( 9)
春情、子安に寄す  ・・・(11)
漢江を隔てて、子安に寄す (40)
江陵の愁望、子安に寄す  (42)
子安に寄す        ・・・(43)
「李億員外に寄す」(2)ということで別の人物である。
このブログでは魚玄機は自分を棄てた李億の事を見下しているという視点から解釈している。この詩は、李億とは関係のない別の李という学士からのプレゼントとして見ていく。
・酬 お礼に作った詩である。
・簟 竹または葦で編んだ敷き物。夏期ベッドの上に敷いて涼をとる場合と、ベッドなり長椅子が竹で張ってある場合とあるが、ここは前者。
シーツに似た寝具で、竹を編んで作る。夏はその上に寝ると、涼しい。
韓愈『鄭羣贈簟』
蘄州笛竹天下知,鄭君所寶尤瑰奇。
擕來當晝不得臥,一府傳看黄琉璃。
體堅色淨又藏節,盡眼凝滑無瑕疵。
法曹貧賤眾所易,腰腹空大何能爲?』
自從五月困暑濕,如坐深甑遭蒸炊。
手磨袖拂心語口,慢膚多汗真相宜。
日暮歸來獨惆悵,有賣直欲傾家資。
誰謂故人知我意,卷送八尺含風漪。』
呼奴掃地鋪未了,光彩照耀驚童兒。
青蠅側翅蚤虱避,肅肅疑有清飆吹。
倒身甘寢百疾愈,卻願天日恒炎曦。
明珠青玉不足報,贈子相好無時衰。』鄭羣贈簟 #1 Ⅱ韓退之(韓愈)詩307 紀頌之の漢詩ブログ998


珍簟新鋪翡翠樓,泓澄玉水記方流。
りっぱな夏用の簟ござをこの翡翠樓の中で誰もまだで、初めてベッドに敷きました。清らかな水の流れのような模様が、あり、涼しさをよび、さそいます。
・翡翠樓(ひすいのろう) 翳翠はかわせみ。青い色の鳥で水辺に住み魚類を食べる。豪華な楼閣の中で初めて引いたのだろう。想像以上に高価なものであったことは前にあげた韓愈のしでもよくわかる。
・泓澄(おうちょう) 水の清いさま。水が深くて澄んでいるようす。
韓愈『岳陽樓別竇司直』
餘瀾怒不已,喧聒鳴甕盎。
明登岳陽樓,輝煥朝日亮。
飛廉戢其威,清晏息纖纊。
泓澄湛凝綠,物影巧相況。
江豚時出戲,驚波忽蕩瀁。
中唐詩-298 岳陽樓別竇司直 #4 Ⅱ韓退之() 紀頌之の漢詩ブログ 韓愈特集-36-#4

・玉水 玉に深い意味はない。清らかな
水。
方流(ほうりゅう) 並んで流れる。何本かの水の流れ。竹の節を削ったところが、自然に模様を成し、水が何条かの流れになって流れているように見えることをいう。
 
唯應雲扇情相似,同向銀牀恨早秋。
ただ、夏は最高のもので、あの雲扇と同じことでいつまでも一緒にいることはできないのです。すがすがしいかぜがふきねけるような秋になればいらないものとなるのでしょうね。どうかその扇や簟のように、このわたくしを見限らないで来てくださいね。お待ちしています。
・雲扇 雲に深い意味はない。雲は男性を意味する扇入らないがあなたは男として必要という意味になる。
・銀牀(ぎんしよう) 銀は秋を意味する。さみしいベッドという意味になる。
・早秋(そうしゅう) 早くも訪れた秋。
秋に向かう簟についての詩、
李清照『一翦梅』
紅藕香殘玉簟秋。
輕解羅裳,獨上蘭舟。
雲中誰寄錦書來,雁字回時,月滿西樓。
花自飄零水自流。
一種相思,兩處閑愁。
此情無計可消除,才下眉頭,却上心頭。
(一翦梅)【いつせんばい】
紅き藕【はす】の香は殘【すた】る玉簟の秋。
輕やかに羅裳を解【あ】げ,獨り蘭舟に上る。
雲中誰か錦書を寄せ來【きた】らん,
雁字回【かへ】る時,月は西樓に滿つ。
花自【おのづか】ら飄零【ひょうれい】して水自ら流る。
一種の相思は,兩處閑愁す。
此の情は消し除く可【べ】く計【はかる】無し,
才【わずか】に 眉頭【まよね】より下り,却って心頭【こころ】に上る。
『一翦梅  李清照』  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-55-8-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1836


芸妓について
妓女(ぎじょ)は、中国における遊女もしくは芸妓のこと。娼妓、娼女という呼称もある。歌や舞、数々の技芸で人々を喜ばせ、時には宴席の接待を取り持つこともあった。娼婦を指すこともある。また、道教の寺観にも娼婦に近い巫女がいた。この時代において、女性が男性と対等にできる唯一の場所であった。
もともとは国家による強制的な徴発と戦時獲得奴隷が主な供給源だったと考えられるが、罪人の一族を籍没(身分を落とし、官の所有とする制度)する方法が加わった。また、民間では人身売買による供給が一般的であった。区分すると以下の通り。
(1.宮妓 2.家妓 3.営妓、4.官妓、5.民妓、6.道妓)

1 宮妓
皇帝の後宮に所属。籍没された女性や外国や諸侯、民間から献上された女性。后妃とは別に、後宮に置かれ、後宮での業務をし、技芸を学び、皇帝を楽しませた。道教坊で技芸を習得した女性もこれに含まれる。班婕妤・趙飛燕や上官婉児などのように后妃に取り立てられるものもいた。


2 家妓
高官や貴族、商人の家に置かれ、家長の妾姫となった。主人だけではなく、客を歓待する席でも技芸により、これをもてなす役目があった。官妓から、臣下に下賜されて家妓になるものもいた。始皇帝の母にあたる呂不韋の愛人や、西晋の石崇の愛妾である緑珠が有名。


3営妓
軍隊の管轄に置かれ、軍営に所属する官人や将兵をその技芸で楽しませた。蘇小小。唐代女流詩人の薛濤が有名。


4官妓
中央政府の道教観や州府の管轄に置かれた。実際は、妓楼や酒楼は個別に運営されており、唐代・長安の北里、明代・南京の旧院は、その代表的な色町である。唐代の天宝年間以降に彼女らを題材にして、多くの士大夫が詩文にうたい、妓女となじんだという記録が盛んになる。唐代はその活動は最大なものであった。
唐代女流詩人の魚玄機、明代の陳円円、李香君、柳如是が有名。


5民妓
民営の妓楼に所属した。売春だけを目的とした女性も含まれる。明代以降、官妓が衰退した後、大きな役割を果たすようになった。清代は上海に多くの民妓がいた。宋代の李師師が有名。


6.道妓
道教の祠に学問等していない娼婦に近いものが多かった。




妓館には、花や植物が植えられ、狆や鸚鵡が飼われ、香炉が置かれ、また、雲母屏風、山水画や骨董が飾られているところが多く、庭園風になっているものもあった。妓館は、互いに奇をてらい合い、提供される様々な香りが数里先まで漂ったと伝えられる。さらに、厨女(女料理人)が働いており、彼女らが料理する山海の珍味がすぐに作れるように準備されていた。旧院には商店もあり、客が妓女に贈るための高級品が置かれていた。また、茶を専門とする茶坊もあった。夜には、妓女による音楽が奏でられ、芝居が上演された。妓館の額もまた、名人の手になるものがいくつもあった。妓館には、他に下働きの下女と男衆が別にいた。
妓女の部屋もまた、趣味がよく風雅であり、文人の書斎風になっているものもあった。李白の作品、李商隠の作品で登場する舞台はここの事である。

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