暮春有感寄友人 魚玄機

2013年2月19日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩贈白馬王彪 其三 曹植(曹子建) 魏詩<42>文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1948
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原道 韓愈 (韓退之)詩文12段目#2<115-21>Ⅱ中唐詩593 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1949
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集建都十二韻 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -13-#3)  杜甫 <401> #3 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1950 杜甫詩1000-401-584/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集
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●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く
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http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
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李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
 


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卷804_13 【暮春有感寄友人】魚玄機



暮春有感寄友人
鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方の靄がしだいに漉く起ちこめてくる。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しずつ冷めてきてやめてしまった。

暮春、感ずるありて、友人に寄す
鴬語 殘夢を驚かす、軽妝 浜容を改む。
竹 陰りて初月薄く、江 静まりて晚煙 濃し。
濕える觜に泥を銜んだ燕なり,香える須は蕊を采る蜂なり。
獨りにて憐む無限の思いする,吟じて罷む 亞枝の松なり。

白鬚草01










『暮春有感寄友人』 現代語訳と訳註
(本文)

鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
獨憐無限思,吟罷亞枝松。


(下し文)
暮春、感ずるありて、友人に寄す
鴬語 殘夢を驚かす、軽妝 浜容を改む。
竹 陰りて初月薄く、江 静まりて晚煙 濃し。
濕える觜に泥を銜んだ燕なり,香える須は蕊を采る蜂なり。
獨りにて憐む無限の思いする,吟じて罷む 亞枝の松なり。


(現代語訳)
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方の靄がしだいに漉く起ちこめてくる。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しずつ冷めてきてやめてしまった。

曉鶯005








(訳注)
暮春有感寄友人

春も終わりかけて思うところあって、この詩を友人に寄せる。
花街の女性である、思わせぶりと、寂しさをアピールするのは当然の事であろう。この詩が魚玄機を棄てた慕情を詠うものというのは全く違う。主観がありすぎると間違う。


鶯語驚殘夢,輕妝改淚容。
眠りに着けずうとうととしていたら、庭のうぐいすがこの春はじめて鳴いたのでとても驚いた。泣き顔で崩れた夜の化粧を、さっとなおした。
・鶯語 鶯の鳴き声、さえずり。春を知らせる。夜あげに啼く。
・殘夢 曉け方のうとうととした夢路。春のこと、胸を焦がして眠れないことをいみする。
・嘩牧 化粧。朝の化粧直し。


竹陰初月薄,江靜晚煙濃。
月も変わり気持ちを一新した。武叢のかげから初月が、ほんのりとあがりはじめた。大江のあたりは、ひっそりと静まり、夕方のもやがしだいに漉くたちこめてくる。
・初月【はつづき】三日月。陰暦で月の初めに西の空に見える細い月。陰暦八月三日の月を指すこともあり、「秋」の季語でもある。 また、月と太陽の視黄経が等しくなるその時刻を指し、朔(さく)と言われることもある。新月 には美しい浄化のエネルギーに満ちあふれており、何かを始めるのには最適な時刻・時期だと感じていたのである。
・江 大江。


濕觜銜泥燕,香須采蕊蜂。
燕はくちばしをしめらせて、せっせと泥を進んでは、愛の巣づくりに一生けんめい働いている。蜂は蜂で、ひげに花の匂いをただよわせながら、花から花へ蕊の蜜を吸って飛びまわっている。
・觜 嘴
李商隠『茂陵』
漢の武帝は、遠征して大宛の国を討ち、天馬のように一日、千里をはしる馬を得た、その馬が蒲梢産であったから、蒲梢と名づけた。ある時は張鶱を西域に遣わし、その馬の好物である苜蓿をはじめ、石榴や胡桃などの珍樹を持ち帰らせ、それを国都の近郊に植えさせ、珍しい草木の花々が、一般化したということだ。宮中の庭苑内に多くの禽獣を飼い、弓を弾き狩猟のみした。弓の弦が切れたら、鳳の觜から作ったという接着剤を唾でとかすだけで剣でも接着するのにただ知っているだけだった。武帝が巡行する時の属車に鸞鈴をつけた旗はどの車にもつき立てられていなかった。毎度、お忍びの夜遊びをしていた。
漢家天馬出蒲梢、苜蓿榴華遍近郊。内苑只知銜鳳觜、属車無復插鶏翹。
玉桃倫得憐方朔、金屋粧成貯阿嬌。誰料蘇卿老歸國、茂陵松柏雨蕭蕭。
茂陵 李商隠 :紀頌之の漢詩ブログ李商隠特集 65


獨憐無限思,吟罷亞枝松。
いまひとりでいて、さまざまな思いがとまらないのは憐れなものだ。松の横枝に手をかけながら、口ずさんでいた詩も、少しづつ冷めてきてやめてしまった。
・無限思 さまざまな、それからそれへつきぬ思い。
・亞枝松 横に水平に枝の出ている松。
魚玄機が宮島に