次韻西鄰新居兼乞酒 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-84-20-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1967



2013年2月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩贈白馬王彪 其六 曹植(曹子建) 魏詩<45>文選 贈答二 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1968
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩道をたずねる。 原道 1回~12回 まとめ(1) 韓愈(韓退之) <25>Ⅱ中唐詩597 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1969
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集寄贈王十將軍承俊 杜甫 成都(3部)浣花渓の草堂(3 -19) <405> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1970 杜甫詩1000-405-588/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集望洞庭湖贈張丞相 孟浩然 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 1971 (02/23)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く
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謝靈運詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
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孟浩然の詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。李商隠詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首
 
 
 



卷804_16 【次韻西鄰新居兼乞酒】魚玄機

魚玄機0005






















次韻西鄰新居兼乞酒
(西どなりに新しくきた人が1新居 と題した詩をよこされ、ついでにお酒を少しはかり分けていただきたいともうされたた。そこでお酒にそえて「返し」の歌をさしあげる。)
一首詩來百度吟,新情字字又聲金。
引っ越し早々いただいた詩を何度も繰り返して吟じてみました。すばらしい字一字、新しい感情にひたりその上、ひびきもよく通り、立派な一作だと心から感じ入りました。
西看已有登垣意,遠望能無化石心。
この詩を吟じているとお宅のある方の西ばかりみています。もう垣根をよじ上って拝見したいと思うほどでございます。遠くから望んでいてももう何もできないくらいで心が石のように固まってしまいました。
河漢期賒空極目,瀟湘夢斷罷調琴。
天の川のように牽牛と織女は会える日というのを遠い約束としていますが、お隣とはいえお目にかかるのは空しくあきらめております。また瀟湘の川の湘妃の故事のように月の夜川に向かって琴をつま弾いて愛しい人を待つことを夢に思うことなども諦めております。
況逢寒節添鄉思,叔夜佳醪莫獨斟。
まして、寒食の時節(旧暦3月3日)でやまにひをつけてでも会いたいと思って、いっそ故郷の都のことがなつかしく、さびしい思いでおります。あなたさまは、あの魏の竹林の七賢の叔夜のような風流なお方、この用意した搾りたてのお酒を、おひとりで召しあがらないでください。とこの詩を添えます。
(西鄰の「新居」兼ねて酒を乞うに次韻す)
一首の詩來り百度吟じ,情を新たに字字又聲金なり。
西看 已に垣に登るの意有り,遠望 能く石に化する心無からんや。
河漢【かかん】期 賒【とお】く空しく極目し,瀟湘【しょうしょう】夢斷えて調琴【ちょうきん】を罷【や】む。
況んや寒節【かんせつ】に逢うては鄉思【きょうし】を添ゆ,叔夜【しゅくや】佳醪【かりょう】獨り斟【く】むこと莫れ。

美女画55101道観













『次韻西鄰新居兼乞酒』 現代語訳と訳註
(本文)
次韻西鄰新居兼乞酒
一首詩來百度吟,新情字字又聲金。
西看已有登垣意,遠望能無化石心。
河漢期賒空極目,瀟湘夢斷罷調琴。
況逢寒節添鄉思,叔夜佳醪莫獨斟。


(下し文)
(西鄰の「新居」兼ねて酒を乞うに次韻す)
一首の詩來り百度吟じ,情を新たに字字又聲金なり。
西看 已に垣に登るの意有り,遠望 能く石に化する心無からんや。
河漢【かかん】期 賒【とお】く空しく極目し,瀟湘【しょうしょう】夢斷えて調琴【ちょうきん】を罷【や】む。
況んや寒節【かんせつ】に逢うては鄉思【きょうし】を添ゆ,叔夜【しゅくや】佳醪【かりょう】獨り斟【く】むこと莫れ。


(現代語訳)
(西どなりに新しくきた人が1新居 と題した詩をよこされ、ついでにお酒を少しはかり分けていただきたいともうされたた。そこでお酒にそえて「返し」の歌をさしあげる。)
引っ越し早々いただいた詩を何度も繰り返して吟じてみました。すばらしい字一字、新しい感情にひたりその上、ひびきもよく通り、立派な一作だと心から感じ入りました。
この詩を吟じているとお宅のある方の西ばかりみています。もう垣根をよじ上って拝見したいと思うほどでございます。遠くから望んでいてももう何もできないくらいで心が石のように固まってしまいました。
天の川のように牽牛と織女は会える日というのを遠い約束としていますが、お隣とはいえお目にかかるのは空しくあきらめております。また瀟湘の川の湘妃の故事のように月の夜川に向かって琴をつま弾いて愛しい人を待つことを夢に思うことなども諦めております。
まして、寒食の時節(旧暦3月3日)でやまにひをつけてでも会いたいと思って、いっそ故郷の都のことがなつかしく、さびしい思いでおります。あなたさまは、あの魏の竹林の七賢の叔夜のような風流なお方、この用意した搾りたてのお酒を、おひとりで召しあがらないでください。とこの詩を添えます。


(訳注)
次韻西鄰新居兼乞酒

西どなりに新しくきた人が1新居 と題した詩をよこされ、ついでにお酒を少しはかり分けていただきたいともうされたた。そこでお酒にそえて「返し」の歌をさしあげる。
・漢詩大系15ではこの詩まで、李億との詩のように無理やり拡大して解釈するのはむちゃくちゃである。酒を貸してくれないでしょうかと詩を添えてきた人に、わたしは先にすてられましたなどと、いきなり引っ越してきた人に別れた男のことを謂うわけがない。この詩はただ隣に引っ越した人を持ち上げていることだけである。李億とは全く関係ないもので素直に解釈すべきである。詩の解釈は前提が違えば解釈は全く異なったものとなる。この詩は西隣の引っ越してきた人が、酒を少し分けてくれと言ってきたことに対し、酒を隣に届ける際逃げ玄機が詩を添えて渡すのである。その意味で漢詩大系15の『魚玄機・薛濤』の解釈はほとんどが頓珍漢な解釈である。ほとんどの詩の解釈が間違っている酷いものである。


一首詩來百度吟,新情字字又聲金。
引っ越し早々いただいた詩を何度も繰り返して吟じてみました。すばらしい字一字、新しい感情にひたりその上、ひびきもよく通り、立派な一作だと心から感じ入りました。


西看已有登垣意,遠望能無化石心。
この詩を吟じているとお宅のある方の西ばかりみています。もう垣根をよじ上って拝見したいと思うほどでございます。遠くから望んでいてももう何もできないくらいで心が石のように固まってしまいました。


河漢期賒空極目,瀟湘夢斷罷調琴。
天の川のように牽牛と織女は会える日というのを遠い約束としていますが、お隣とはいえお目にかかるのは空しくあきらめております。また瀟湘の川の湘妃の故事のように月の夜川に向かって琴をつま弾いて愛しい人を待つことを夢に思うことなども諦めております。
○河漢 あまのがわ。天河・銀河・経河・銀漢・雲漢・星漢・天津・漢津等はみなその異名である。杜甫『初月』『天河』。など。
○瀟湘 鼓宏舜の妻、蛾皇・女英の二人が舜王のあとを追いかけ湘水までゆき、舜の死んだことをきき、湘水に身をなげて死に、湘水の女神となった。それが湘妃であり、この湘妃が洞庭の月夜に瑟を鼓くという古伝説がある。○この二句は湘妃の故事に基づいている。この詩は中国人的な持ち上げ方をしていることなのである。解釈する方はする方で中国人的には捨てられた李億の関連付けた方が面白いストーリーとなる。


況逢寒節添鄉思,叔夜佳醪莫獨斟。
まして、寒食の時節(旧暦3月3日)でやまにひをつけてでも会いたいと思って、いっそ故郷の都のことがなつかしく、さびしい思いでおります。あなたさまは、あの魏の竹林の七賢の叔夜のような風流なお方、この用意した搾りたてのお酒を、おひとりで召しあがらないでください。とこの詩を添えます。
○寒節 寒食の時節。冬至から105日目に(旧暦3月3日)、火気を用いないで冷たい食事をしたこと。そのころは風雨が激しいので火災予防のためとも、また、一度火を断って新しい火で春を促すためともいう。
その故事は、昔、春秋・戦国時代に晋国の君主献公の息子の重耳は迫害されて、外国に逃亡。彼に従っていた介子椎と数人の者が忠義心厚く一緒に亡命していた。その後、重耳は晋国の王となった時に自分に連いて亡命していた者たちに論功行賞を行い、それぞれを諸侯にした。しかし、介子椎だけは母親と山に入って隠居した。王は山に火を放ったら、母と共に山から逃げ出してくると思い、山に火を放ち全体を焼きつくした。王が人を遣わし見に行かせたら、介子椎母子は1本の枯れた柳の木に抱きついた侭焼死していた。王はこの親子に対し心から傷みを感じ篤く葬り、廟を建立した。名前も介山とし、国王はこの日には各家庭で火を使わず、あらかじめ用意していた冷たい食べ物を食するように全国に命令を下したと言われ、その風習が今に受け継がれていると言われています。
○叔夜 嵆 康(けい こう、224年 - 262年あるいは263年)は、中国三国時代の魏の文人。竹林の七賢の一人で、その主導的な人物の一人。字は叔夜。