酬李郢夏日釣魚回見示 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-83-19-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1962

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卷804_15 【酬李郢夏日釣魚回見示】魚玄機



酬李郢夏日釣魚回見示
李郢さまが「夏日魚を釣りて回る」詩をお見せいただいたことに酬ゆる。
住處雖同巷,經年不一過。
住いとするところをおなじような坊の一角に居りながら、もうかれこれ一年、一度もお立ち寄りになりません。
清詞勸舊女,香桂折新柯。
昔なじみであるこのわたくしに清らかな詩をくださいました。新しい人生に再出発しなさいと元気づけられました。
道性欺冰雪,禪心笑綺羅。
今の私は、道家の教えを欺くことなどは氷や雪よりも清らかに冷たくしております。おめかしをして微笑を返して男の心をひこうとすることなどは心から軽蔑しています。
跡登霄漢上,無路接煙波。
道家の修行により、その道を昇って行き仙界の銀河の空に昇りたいと思っています。男にすがる道は考えてもいません、今からは蒼海の波とかすみのような山水自然に向き合って行こうと思っています。

李郢の「夏日魚を釣りて回る」を示されしに酬ゆ
住處 巷を同じうすと雖も、経年一たびも過らず。
清詞もて 舊女に勧めたまう、香桂 新柯を折れと。
道性 冰雪を欺き,禪心 綺羅を笑う。
跡は霄漢の上に登らんとする,路の煙波にする接する無し。


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『酬李郢夏日釣魚回見示』 現代語訳と訳註
(本文)

住處雖同巷,經年不一過。
清詞勸舊女,香桂折新柯。
道性欺冰雪,禪心笑綺羅。
跡登霄漢上,無路接煙波。


(下し文)
(李郢の「夏日魚を釣りて回る」を示されしに酬ゆ)
住處 巷を同じうすと雖も、経年一たびも過らず。
清詞もて 舊女に勧めたまう、香桂 新柯を折れと。
道性 冰雪を欺き,禪心 綺羅を笑う。
跡は霄漢の上に登らんとする,路の煙波にする接する無し。


(現代語訳)
李郢さまが「夏日魚を釣りて回る」詩をお見せいただいたことに酬ゆる。
住いとするところをおなじような坊の一角に居りながら、もうかれこれ一年、一度もお立ち寄りになりません。
昔なじみであるこのわたくしに清らかな詩をくださいました。新しい人生に再出発しなさいと元気づけられました。
今の私は、道家の教えを欺くことなどは氷や雪よりも清らかに冷たくしております。おめかしをして微笑を返して男の心をひこうとすることなどは心から軽蔑しています。
道家の修行により、その道を昇って行き仙界の銀河の空に昇りたいと思っています。男にすがる道は考えてもいません、今からは蒼海の波とかすみのような山水自然に向き合って行こうと思っています。


(訳注)
酬李郢「夏日釣魚回」見示

李郢さまが「夏日魚を釣りて回る」詩をお見せいただいたことに酬ゆる。
・李郢 茶山貢焙歌 (晩唐) 李郢 山水詩など奇麗な詩を書く。魚玄機とは11歳違いで、温庭筠と共にしをまじ合わせた。
唐才子傳に「李郢  郢,字楚望,大中十年崔铏榜進士及第。初居余杭,出有山水之興,人有琴書之娛,疏于馳競。歷為藩鎮従事,后拜侍御史。郢工詩,理密辭閑,個個珠玉。其清麗極能寫景狀懷,每使人竟日不能釋卷。與清塞、賈島最相善。」とある


住處雖同巷,經年不一過。
住いとするところをおなじような坊の一角に居りながら、もうかれこれ一年、一度もお立ち寄りになりません。
・同巷 坊が近所。大通りと横丁が両鄰以内にある。
・經年 四季節を半分越えたら一年。
・一過 詩人との交流は多かった。性的交流も詩の内容からあったのだろう。


清詞勸舊女,香桂折新柯。
昔なじみであるこのわたくしに清らかな詩をくださいました。新しい人生に再出発しなさいと元気づけられました。
・清詞 一般的に魚玄機とかわす詩は閨情詩が多かったので、山水詩などについていう。
・舊女 幼いころから詩を書くので、昔馴染み。
・香桂折新柯 李億から棄てられたことなど忘れてあたらしい出発をしなさいというほどの意味。柳を折るは、旅立ちの別れで、季節は春。秋は春に新しい枝を得るために旧芽を摘むのでこういう。


道性欺冰雪,禪心笑綺羅。
今の私は、道家の教えを欺くことなどは氷や雪よりも清らかに冷たくしております。おめかしをして微笑を返して男の心をひこうとすることなどは心から軽蔑しています。
・道性欺冰雪 道家の教えを欺くことなどは氷や雪よりも清らかに冷たくする。道家の修行をしているということ。
・禪心笑綺羅 禪心:自分に対峙して心静かにるる然の心でいる。笑:微笑むこと。男性に微笑を返して媚びること。傾国の微笑。綺羅:着飾ること。芸妓の生活をおくること。


跡登霄漢上,無路接煙波。
道家の修行により、その道を昇って行き仙界の銀河の空に昇りたいと思っています。男にすがる道は考えてもいません、今からは蒼海の波とかすみのような山水自然に向き合って行こうと思っています。
・霄漢 霄はそら。漢は銀河。道家の究極の自然との同化の場所こそ仙郷であることをいう。
・煙波 山水の世界。清廉な世界。煙はかすみ、波は東海の蒼海の波を云う。

駅亭の 隠遁