愁思 魚玄機

2013年2月28日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩箜篌引 曹植 魏詩<50>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1993
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原性 韓愈(韓退之) <116-4>Ⅱ中唐詩602 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ1994
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集遣意二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 5)  杜甫 <410> 五言律詩 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1995 杜甫詩1000-410-593/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集夜歸鹿門山歌 孟浩然 kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 1996 (02/28)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性愁思 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-90-26-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1997
 
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謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。
李商隠詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html 李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩
http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩
http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首   
 

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卷804_20 【愁思】魚玄機


愁思
(いろんな思い)
落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
長者車音門外有,道家書卷枕前多。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。

私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望そんなひと時を過ごすことになることでしょう。
落葉 紡紛として暮雨に和す、朱絲 獨り撫でて自ら清歌す。
情を放ち恨を休み友に心すること無し,性を養い拋うつこと空し海波に苦しむ。
長者車音は門外に有り,道家書卷は枕前に多し。
布衣 終に作る雲霄の客,綠水青山 時に一過す。

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『愁思』 現代語訳と訳註
(本文)

落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
長者車音門外有,道家書卷枕前多。
布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。


(下し文)
落葉 紡紛として暮雨に和す、朱絲 獨り撫でて自ら清歌す。
情を放ち恨を休み友に心すること無し,性を養い拋うつこと空し海波に苦しむ。
長者車音は門外に有り,道家書卷は枕前に多し。
布衣 終に作る雲霄の客,綠水青山 時に一過す。


 (現代語訳)
(いろんな思い)

庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望そんなひと時を過ごすことになることでしょう。


(訳注)
愁思

いろんなおもい(愁うことと思うこと)
杜甫『喜達行在所三首 其二』 
愁思胡笳夕,淒涼漢苑春。
生還今日事,間道暫時人。
司隸章初睹,南陽氣已新。
喜心翻倒極,鳴咽淚沾巾。
この詩も漢詩大系15(P109-110)の訳詩と解説はひどすぎる(どうかしている)。女心も人の心もわかっていない。すべての出来事を「馬鹿男の李億に棄てられた」ことに関連図けていること、閨情詩に使う語句についても、李億をわすれられないことに結び付け、満たされない性に結び付けている。全くの間違いである。魚玄機は男に生れたかったということについても、そうすれば「男に棄てられることはなかった」という低次元の解釈をしているのだ。魚玄機の初期の作品の語句の使用法と晩年の使用法の中にこそ、語句、文法、押韻・・・・すべて自由に使用できる男性を羨んだのである。大系15ではこの詩は男が居なくて身もだえをする女性として解釈をしているというのは、あたかもその解釈は女性蔑視ですべてを性の対象として見る「李億そのもの」の視点であるということである。このブログで魚玄機の詩を全て訳した後は全く違った魚玄機の女性像が見えてくるはずである。


落葉紛紛暮雨和,朱絲獨撫自清歌。
庭に落ちた木の葉が風に舞いさらさら音を立て、夕方の時雨がその子の葉に降る音で和ませてくれます。そしたら、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴に信頼の絲、それでも一人で弾いていると自然にすがすがしいうたを歌います。
・落葉 落ち葉の音は昔は男が来てくれる時の音だった。
・暮雨和 そんな男を待つ生活は雨で流し、落ち葉にあたる雨音はことwpつま弾く気分にさせてくれる。
・朱絲 杜甫『寄岳州賈司馬六丈、巴州嚴八使君兩閣老五十韻』  -#7「貝錦無停織,朱絲有斷弦。」(讒人は織物女工がたえず貝錦の紋を織りつづけ止めることがないように粛宗皇帝に耳元でささやき続けたし、清廉なことを示すまっすぐな朱き琴糸も裏切りに遭えば信頼の絲は断ちきられるものである。)


放情休恨無心友,養性空拋苦海波。
うすい思いやりの心に対して憾むことなんかもうやめていますし単なる友人としても、もうありえないのです。それは人の性、道を修養することであり、裏切りや強欲に苦しむことの人間世界から離れて修業することは確かに難しいものです。
・放情 情を放棄する。人に対する思いやりの心を棄てること。うす情け。
・休恨 憾むことを止めることにより、きれいな心を取り戻すこと。
・無心友 心に思う友となるべきおとこはいらない。
・養性 性、道の修養をすること。
・空拋 俗世界から離れることがなかなか難しい。
・苦海波 裏切りや強欲に苦しむこと


長者車音門外有,道家書卷枕前多。
社会的に、勉学にもたけておられるお方がこの道観を訪ねられてもこちらには入ってこられることはないのです。私の枕元には道教を修学するための書籍でいっぱいなのです。
・長者 富貴の人、社会的に、勉学にもたけているひと。
・車音 遠くに聞こえる道観に來る来観者の車の音。
・門外有 富貴のものが道観の傍を通る。今の自分には全く関係ないことであるということを云う。
・道家 道教を勉強、修養するもの。
・書卷 道教に関する書籍。
・枕前多 寝床枕元一派にに書籍にかこまれていて、他には誰も入ってこないこと。


布衣終作雲霄客,綠水青山時一過。
私ももう着飾った着物を着たいとは思はないし、普通の着物を着て修業を積んで仙人のようなところまで到達したいと思っています。そうなれば、透き通った水に、はるか遠くの山を望む、そんな春の行楽と関係のない清々しいひと時を過ごすことになることでしょう。
・布衣 粗末な着物。冠位のない人。杜甫『秋雨嘆三首  其三』「長安布衣誰比數,反鎖衡門守環堵。」(私はだれからも相手にされない長安の一市民。門を閉ざし、土塀で囲まれた家の中でじっとしている。)
・雲霄客 仙人。高士。低次元の人間でないこと。
・綠水 清らかに澄んだ水。
・青山 はるかに見える春の山々。
「布衣」「雲霄」「綠水」「青山」「一過」こうした語句はつまらぬ男との決別していることを著したいと思う語句であろう。
魚玄機が宮島に