題隱霧亭 魚玄機


2013年3月6日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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李商隠詩
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卷804_25 【題隱霧亭】魚玄機


題隱霧亭
春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。

(隱霧亭に題す)
春花 秋月 詩篇に入り,白日 清宵 是れ散仙。
空しく珠簾を卷いて 曾て下さず,長に一榻【とう】を移して 山に對して眠る。


魚玄機が宮島に







『題隱霧亭』 
現代語訳と訳註
(本文)

題隱霧亭
春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。


(下し文)
(隱霧亭に題す)
春花 秋月 詩篇に入り,白日 清宵 是れ散仙。
空しく珠簾を卷いて 曾て下さず,長に一榻【とう】を移して 山に對して眠る。


(現代語訳)
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。


(訳注)
題隱霧亭

隱霧とは道家の好む語である。
魚玄機の詩は場所の特定季節の特定が難しいものがある。この詩もどこであってもおかしくない。実態感がないのである。お座敷で「お題」があったものと考えてもおかしくない。実際の景色を見て、作ったものとは思えない雰囲気を捨てきれない。『1.賦得江邊柳』「翠色連荒岸,煙姿入遠樓。影鋪秋水面,花落釣人頭。根老藏魚窟,枝低繫客舟。蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。」の雰囲気に類似している。


春花秋月入詩篇,白日清宵是散仙。
春に咲く花、秋の名月、季節の事が詩に読み込まれるものである。夏の日は朝からま昼の太陽もおおぞらもよし、清々しい夕方まで一日の事も結構で、わたしは無官仙人になったようである。
・入詩篇 詩のなかへよみこむ。これはこの詩全体にかかる語である。
・白日 太陽の輝いている昼間。この語は真夏の日中。
・散仙 道家では、仙人にも官職があることになっており、その官職についていない仙人のことを散仙という。


空卷珠簾不曾下,長移一榻對山眠。
雪の日は山を見るにすだれはまきあげたまま、こんなに景色のよい所だと一度もおろしすことなどないでしょう、長椅子をそのすだれの下に移して、山を見ながら、春夏秋冬寝てしまうことでしょう。
・珠簾 簾はすたれ、珠は玉であるが、冬の季語、詩語として冠らせたもの。白居易『香爐峰下、新卜山居、草堂初成、偶題東壁
日高睡足猶慵起、小閣重衾不怕寒。
遺愛寺鐘欹枕聽、香爐峰雪撥簾看。
匡廬便是逃名地、司馬仍爲送老官。
心泰身寧是歸處、故郷何獨在長安。
日高く睡り足るも、なお起くるにものうし、小閣にしとねを重ねて寒さをおそれず。
遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き、香爐峰の雪は簾をかかげてみる。
匡廬(きょうろ)はすなわちこれ名を逃るるの地、司馬はなお老を送るの官たり。
心やすく身やすきは是帰処、故郷何ぞ独り長安にのみ在らんや。

此の句によってこの絶句の中に春夏秋冬」揃うわけである。
・長 長時間。こんな景色だと春夏秋冬長い時間景色を見ていることが出来る。
・榻 長いこしかけ、ソファーに寝るようにこれに身を横たえて寝ることもある。



この詩は、「春夏秋冬」を歌いこみ、「仙人」を詠い、「隱霧」と語をうまく詠いあげている。季節感、実感のない詩であるということではなかろうか。魚玄機の詩はその使われた獄によって分析するのは意味のない作業のように思われる。おそらく森鴎外は魚玄機は旅行の旅には出ていないと感じていたのではなかろうか。


1.賦得江邊柳
翠色連荒岸,煙姿入遠樓。
影鋪秋水面,花落釣人頭。
根老藏魚窟,枝低繫客舟。
蕭蕭風雨夜,驚夢復添愁。

もう春の盛りを過ぎるころとなり、柳の葉の緑も色濃く、荒れてものさびしい岸辺にずっとつづいてそよいでいます。春霞も遠く霞んだ柳の並木の彼方に高楼が目に入いります。
秋水を思わせる清らかに澄んだ水面に、はっきりと柳の木の影がうつっています。柳絮の綿帽子が花びらが落ちるようにふわりふわりと、河の岸で釣りをしている人の頭のうえに飛んでいます。
日も落ちてさびしい雨と風の夜になって柳の木の枝がざわざわと騒がしい音がしています。風雨の音に驚いて夢からさめ、今日も来なかったあの人をおもい、またひとしおさびしいに引き入れられるのです。

(江連の柳を賦し得たり)
翠色 荒岸に連り、煙姿 遠樓に入る。
影は鋪く秋水の面,花は落つ釣人の頭。
根老いて 魚窟を藏し、枝垂れて 客舟を繋ぐ。
蕭蕭たる風雨の夜には、夢を驚かし また愁を添ふ。