早秋 魚玄機

2013年3月8日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩怨歌行 曹植 魏詩<53-#1>古詩源 巻五 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2033
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩原人 韓愈(韓退之) <117-1>Ⅱ中唐詩610 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2034
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集水檻遣心二首其二 杜甫 成都(4部)浣花渓の草堂(4 - 13)  杜甫 <418>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2035 杜甫詩1000-418-601/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集述祖徳詩 二首(1)序 謝霊運<7> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2036 (03/08)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性早秋 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-98-34-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2037
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

 安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

早秋 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-98-34-#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2037

卷804_27 【早秋】魚玄機


早秋
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる。
涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
思婦機中錦,征人塞外天。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
雁飛魚在水,書信若為傳。

雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。

早秋
嫩菊【どんぎく】新彩を含み,遠山【えんざん】夕煙閑【しず】かなり。
涼風綠樹【りょくじゅ】驚かし,清韻【せいいん】朱弦に入る。
思婦【しふ】機中の錦,征人【せいじん】塞外の天。
雁は飛び、魚は水に在り,書信 若為【いかに】か傳えん。


『早秋』魚玄機#34 現代語訳と訳註
(本文)
早秋
嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
思婦機中錦,征人塞外天。
雁飛魚在水,書信若為傳。


(下し文) 早秋
嫩菊【どんぎく】新彩を含み,遠山【えんざん】夕煙閑【しず】かなり。
涼風綠樹【りょくじゅ】驚かし,清韻【せいいん】朱弦に入る。
思婦【しふ】機中の錦,征人【せいじん】塞外の天。
雁は飛び、魚は水に在り,書信 若為【いかに】か傳えん。


(現代語訳)
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。

魚玄機550033
(訳注)
早秋

・早秋 初秋。秋三秋(初秋・仲秋・晩秋)前半【首聯】【頷聯】で、初秋から仲秋を詠い、後半【頸聯】【尾聯】で晩秋を詠う。


嫩菊含新彩,遠山閑夕煙。
秋になったのだろう菊が新しいつぼみをつけている。はるか遠い山のあたりには、日が短くなり始めて夕もやにかすんでいる
・嫩 1 発芽して最初に出る葉。双子葉植物で2枚出る。《季 春》2 人間の幼少のころ。また、物事の初め。「栴檀(せんだん)は―より芳(かんば)し」3 名香の一。伽羅(きゃら)で香味は苦甘。羅国。ふたばあおい双葉葵。
・新彩 彩はいろどり。ここは花。
・閑夕煙 夕靄がかすんで静かなかんじにひたっている。


涼風驚綠樹,清韻入朱弦。
これまでになかった涼しい風が吹いてきて、緑の葉が茂る木々がおどろいている。風が通り過ぎるその音に朱い琴から奏でる音が、すみきった空に響きあう。
・涼風 秋になってまもない頃の涼しい秋かぜ。
・清韻 韻はひびき。清らかな風の音と琴の音かからみあうこと。


思婦機中錦,征人塞外天。
この家では、妻が夫を思い慕ったことばを回文で織り込んでいる。国境の塞を守る夫も、とりでの辺りの空もたかくなってこごえるようになってきたことだろう。
・思婦 旅に出た夫のことを思っている妻。この句から晩秋となる。
・機中錦 錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込む。この句は李白『烏夜啼』に基づいている。
黄雲城辺烏欲棲、帰飛唖亜枝上啼。
機中織錦秦川女、碧紗如煙隔窓語。
停梭悵然憶遠人、独宿弧房涙如雨。
「機中織錦秦川女」織機(はた)を前に 錦を織っている長安の女。 ・機中:機(はた)で織り込む。 ・機:はた。はたおる。 ・織錦:錦を織る。夫を思い慕ったことばを回文で織り込む。 ・秦川女:蘇蕙(蘇若蘭)のこと。この句は『晋書・列伝第六十六・列女・竇滔妻蘇氏』砂漠方面に流された夫を思う妻の典型を引用。秦川は長安地方を指す。夫が秦川刺史であったことによるための言い方。回文の錦を織った妻のことで竇滔とうとうの妻の蘇蕙(蘇若蘭)のこと。回文:順序を逆に読めば、別の意味になる文のこと。
・征人 国境守備の夫。
・塞 邊塞、とりで。国境にある。
謝惠連『擣衣』

擣衣 謝惠連 詩<83-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩513 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1356

搗衣(擣衣) 杜甫 <295> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1352 杜甫詩 700- 415


雁飛魚在水,書信若為傳。
雁足の雁が飛び、魚尺の魚が水の中にいる。たよりを運ぶということは聞いているが、それは故事でいうことであって現実問題として、どうしたらいいのだろう。
・雁飛魚在 雁は雁書。○雁足 蘇武の故事。妻からの手紙をいう。蘇武が漢の使となって匈奴に捕えられていたとき、漢より別の使者がいって匈奴をあざむいていうのに、天子が上林中において弓を射て雁を得たところ、雁の足に帛書が繋いであった「蘇武は大沢の中にある」により蘇武の所在がわかり、救出できた。○鴻魚尺素 鯉素 (故事). 手紙のこと。「鯉魚尺素」の略。鯉の腹の中から白絹(=素)に書かれた手紙が出てきた故事による。 「古楽府」飲馬長城窟行の「客従遠方来、遺我双鯉魚、呼児烹鯉魚、中有尺素書。
終南山06