(元稹 唐詩)寄贈薛濤


2013年4月8日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩當牆欲高行 曹植 魏詩<64> 女性詩728 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2188
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第五段-#2 宋玉  <00-#12>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 641 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2189
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集絶句漫興九首 其六 成都浣花渓 杜甫 <450>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2195 杜甫詩1000-450-633/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集東陽溪中贈答二首その(1) 謝霊運<38> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2191 (04/08)
●森鴎外の小説 ”激しい嫉妬・焦燥に下女を殺してしまった『魚玄機』”といわれているがこれに疑問を持ち異なる視点で解釈して行く。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性

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謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

寄贈薛濤  元稹  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-129--#   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2192


寄贈薛濤
錦江滑膩蛾眉秀,幻出文君與薛濤。
錦江の流れのあるところに滑らかなきめの細かい葉だ、秀美な眉の人がいる。そんなところに卓文君と薛濤は幻のように輩出された。
言語巧偷鸚鵡舌,文章分得鳳凰毛。
彼女らの詩句に云う言語は鸚鵡の舌を盗んだかのようであり、司馬相如の詩賦を借りたようである。文章は理解しやすくその鮮やかさは鳳凰のきのようである。
紛紛辭客多停筆,個個公卿欲夢刀。
沢山いる文人詩人たちはこぞって筆を競い詩を酬唱する。そして一人一人の三公九卿までもが、晋の刀州である成都に來ることを夢に見たという。
别後相思隔煙水,菖蒲花發五雲高。
薛濤と別れてもう随分経ち、はるか遠く雲と河水を隔てていても私は彼女を思い続けているのだ。成都のあの菖蒲花は長安の五色の雲よりも鮮やかに心に残っているのだ。

錦江の滑膩 蛾眉の秀、幻出す 文君と薛濤と。
言語 巧みに倫む 鸚鵡の舌、文章 分ち得たり 鳳凰の毛。
紛紛たる詞客 多く筆を停め、箇箇の公侯刀を夢みんと欲す。
別後の相思煙水を隔つ、菖蒲 花發いて 五雲高からん。

『寄贈薛濤』 現代語訳と訳註
bijo02(本文)

錦江滑膩蛾眉秀,幻出文君與薛濤。
言語巧偷鸚鵡舌,文章分得鳳凰毛。
紛紛辭客多停筆,個個公卿欲夢刀。
别後相思隔煙水,菖蒲花發五雲高。

(下し文)
錦江の滑膩 蛾眉の秀、幻出す 文君と薛濤と。
言語 巧みに倫む 鸚鵡の舌、文章 分ち得たり 鳳凰の毛。
紛紛たる詞客 多く筆を停め、箇箇の公侯刀を夢みんと欲す。
別後の相思煙水を隔つ、菖蒲 花發いて 五雲高からん。


(現代語訳)
錦江の流れのあるところに滑らかなきめの細かい葉だ、秀美な眉の人がいる。そんなところに卓文君と薛濤は幻のように輩出された。
彼女らの詩句に云う言語は鸚鵡の舌を盗んだかのようであり、司馬相如の詩賦を借りたようである。文章は理解しやすくその鮮やかさは鳳凰のきのようである。
沢山いる文人詩人たちはこぞって筆を競い詩を酬唱する。そして一人一人の三公九卿までもが、晋の刀州である成都に來ることを夢に見たという。
薛濤と別れてもう随分経ち、はるか遠く雲と河水を隔てていても私は彼女を思い続けているのだ。成都のあの菖蒲花は長安の五色の雲よりも鮮やかに心に残っているのだ。


(訳注)
寄贈薛濤

元稹から薛濤に贈った詩は、その集に一首だけ収められ、「全唐詩」では巻四二三に、それが翰林學士になった後に贈ったものであるという註をつけている。


錦江滑膩蛾眉秀,幻出文君與薛濤。
錦江の流れのあるところに滑らかなきめの細かい葉だ、秀美な眉の人がいる。そんなところに卓文君と薛濤は幻のように輩出された。
・滑膩 滑:なめらか。 膩:あぶら。ねっとりした脂肪。 なめらか。きめ細かい。
・蛾眉 蛾眉山と芸妓の眉、美人の眉を云う。
・文君 司馬相如の妻、卓文君。
 漢  88   白頭吟            卓文君          古詩源(上)
白頭吟 卓文君 <109-#1>Ⅱ李白に影響を与えた詩543 1446
白頭吟 卓文君 <109-#2>Ⅱ李白に影響を与えた詩544 1449
 

言語巧偷鸚鵡舌,文章分得鳳凰毛。
彼女らの詩句に云う言語は鸚鵡の舌を盗んだかのようであり、司馬相如の詩賦を借りたようである。文章は理解しやすくその鮮やかさは鳳凰のきのようである。
・鸚鵡 司馬相如の『長門賦』『鸚鵡賦』を云い、それを鸚鵡がうたうようにくりかえす。
・鳳凰 司馬相如『鳳求凰』(琴歌)がある。


紛紛辭客多停筆,個個公卿欲夢刀。
沢山いる文人詩人たちはこぞって筆を競い詩を酬唱する。そして一人一人の三公九卿までもが、晋の刀州である成都に來ることを夢に見たという。
・紛紛 わずらわしいさま。 葉蔓にさす月光のゆらいでみだれるさま。おおいさま。杜甫『貧交行』「翻手作雲覆手雨,紛紛輕薄何須數。君不見管鮑貧時交,此道今人棄如土。」
・辭客 詩人・文人。
・停筆 唱和すること。
・個個 われもわれもと。ひとりひとりが。
・公卿 三公九卿から〕「公」と「卿(けい)」の総称。公は太政大臣、左・右大臣、卿は大・中納言、三位以上の朝官および参議。
・刀 晋の刀州。晉の王濬の故事。蜀を滅びした功績により相国・晋王に奉じられ、かつての曹操以来、臣下が王を賜ることになったもの。


别後相思隔煙水,菖蒲花發五雲高。
薛濤と別れてもう随分経ち、はるか遠く雲と河水を隔てていても私は彼女を思い続けているのだ。成都のあの菖蒲花は長安の五色の雲よりも鮮やかに心に残っているのだ。
・别後 元稹は東川で別れて10年経過している。809年元和四年のこと。
・相思 元稹が薛濤のことを思っていることを云い、相手がどう思っているかはわからない場合でも使う。
・隔煙水 はるか遠く雲と河水を隔てていても
・菖蒲花發 菖蒲は薛等を示し、元稹の心に刻まれたものであることを云う。「唐才子博」に、薛濤の浣花里の住居の門のところに一面に植えられていて、そこは東北長安へむかう大道に臨んでいたので、往来の車馬もその美しきにしばらく見とれたとあるもの。
・五雲高 五雲 五色の雲。綵雲。杜甫『重経昭陵』
「再窺松柏路,還見五雲飛。」(再び窺【うかが】う 松柏の路、還た見る五雲の飛ぶを。)
菖蒲02