薛濤 《春望詞四首》其一 唐五代詞・宋詩

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。


2013年4月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩妾薄命二首 其二 曹植 魏詩<72-#1> 女性詩741 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2253
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩九辯 第八段-#2 宋玉  <00-#25>Ⅱもっとも影響を与えた詩文 654 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2254
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集送裴五赴東川 成都5-(9) 杜甫 <462>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2255 杜甫詩1000-462-645/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集従斤竹澗超嶺渓行 謝霊運<51> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2256 (04/21)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257


紅梅0021 春望詞四首 
7 花開不同賞,花落不同悲。 
 欲問相思處,花開花落時。 
  
8 嚂草結同心,將以遺知音。 
 春愁正斷絕,春鳥復哀吟。 
  
9 風花日將老,佳期猶渺渺。 
 不結同心人,空結同心草。 
  
10 那堪花滿枝,翻作兩相思。 
 玉箸垂朝鏡,春風知不知。 



薛濤が尊敬した杜甫の同題詩。
春望  ―長安   
國破山河在,城春草木深。
感時花濺涙,恨別鳥驚心。
烽火連三月,家書抵萬金。
白頭掻更短,渾欲不勝簪。
野望  ―秦州
清秋望不極,迢遞起層陰。
遠水兼天淨,孤城隱霧深。
葉稀風更落,山迥日初沈。
獨鶴歸何晚?昏鴉已滿林。
野望 ―成都 
西山白雪三城戍,南浦清江萬裡橋。
海內風塵諸弟隔,天涯涕淚一身遙。
惟將遲暮供多病,未有涓埃答聖朝。
跨馬出郊時極目,不堪人事日蕭條!


春望詞四首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-142-14-#7   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2257


春望詞四首
花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。

pla030
















春 望 四首
花開くも 同に賞せず、花落つるも 同に悲まず。
問はんと欲す 相思の處、花開き花落つるの時。



『春望詞四首』 現代語訳と訳註
(本文)
花開不同賞,花落不同悲。
欲問相思處,花開花落時。


(下し文)
春 望 四首
花開くも 同に賞せず、花落つるも 同に悲まず。
問はんと欲す 相思の處、花開き花落つるの時。


(現代語訳)
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。。


花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです


欲問相思處,花開花落時。
お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。

yayoipl05




昭和の初めから中期にかけて訳されたもの。全く頓珍漢な訳文としか言いようがない。
漢文大系15 の訳
春です。花が咲けばうれしいものですが、愛するあなたといっしょに、そのうれしさをともにして、賞でることもかなわず、また花が散るのはさびしいものですが、さびしいとて、ごいっしょにさびしがることもできない今のあたし。さて、愛するあなたは、そちらで、花が嘆き花が散る釘をごらんになって、おひとりで、どんな思いをしていらっしゃるのでしょうか?- (あなたも、さぞかしさびしい思いでいらやることと思われます。しかしまたあるいは、わたくしのことなどお忘れになって、そちらの美しい方と浮かれておいでになるのではあるまいかという不安な気もいたします。いえいえ、あなたは決してそんなお方ではないはず、やっぱりきっとさびしがっておいでになるでしょう。そうだそうだ、それにちかいないと、自分にいい聞かせていますが、しかし、いかがでしょうか?)


・那珂秀穂の訳。(支那歴朝閨秀詩抄-昭和十八年 地平社刊)
花咲きてうれしかるとも
花散りてかなしかるとも
いかがせむ 君はいづくに
ながむるや 咲きて散る花
・小田嶽夫・武田泰淳氏の「揚子江風土記」(昭和十六年 竜吟社刊)の訳。
花が咲いたら しぼんだら
かたりあひたいあのひとと
うれしかなしのむわのうち
花が咲くのに しぼむのに