薛濤《春望詞四首 其三》
春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。


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春望詞四首 其三 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-144-16-#9   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2267  


春望詞四首 
wakaba002花開不同賞,花落不同悲。
花さく季節が来ました。でもこの同じ場所で同じときに観賞することはないのです。花が落ちる季節になってもその悲しみを一緒にすることはないのです
欲問相思處,花開花落時。

お聞きしたいことがあります。あなたがわたしのことを思ってくださる場所のことを。それがわかったら私がその場所に飛んで行って花さくときから花が散る時まで一緒に過ごしたいと思います。
  
嚂草結同心,將以遺知音。
行楽を愉しむ中、二人で声を上げてたくさん草をとり、それを愛のあかしとして「同心むすび」にむすぶ。
まさに客とそれをしたことで恋しい人への思いをふと忘れ得たような思いがするのです。

春愁正斷絕,春鳥復哀吟。
女の春の愁いというものはそんなことでも断ちることになるのです。春に盛んな鳥が啼くと、おんなにとってはまた悲しそうな聲でさえずっているように聞こえてきます。
  
風花日將老,佳期猶渺渺。
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。
不結同心人,空結同心草。

心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。
  
那堪花滿枝,翻作兩相思。
玉箸垂朝鏡,春風知不知。


『春望詞四首 其三』 現代語訳と訳註
(本文)

風花日將老,佳期猶渺渺。
不結同心人,空結同心草。


(下し文)
風花 日に將に老いんとする、佳期 猶は渺渺。
同心の人とは 結ばれず、空しく 同心の草を 結ぶ。


(現代語訳)
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。
心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。


(訳注)
春望詞四首

春になっても来てくれない客がどうしているのかあいさつ代わりに贈った詩で、通り一遍の手紙、一般的な詩ではなくこのような詩は上品であっても心をかなり動かすなかなかのテクニックである。
自分の気持ちを表に出してはいけない時代である。したがって、日本における訳注はどうも間違ったものが多く、参考にならない。


風花日將老,佳期猶渺渺。
春の日は終わろうとしている。風流な風も、行楽の花も、女もおいてゆく。又逢うことのお約束今なお、遠いぼんやりしたままなのです。

・風花 風流な風も、行楽の花。単なる風と花ではない。
・老 花と女が老化していくこと。
・佳期 会う時期を約束すること
・渺渺 遠いぼんやりしたままの状態。

不結同心人,空結同心草。
心が通い合っているあの人とは結ばれることはなかった。でも、空しいことは、あのとき、誓い合って結んだ「同心むすび」の草を今一人で結んでいることなのです。
玉台新詠巻十に、銭唐蘇小歌一首として次の詩がある。「 妾乗油璧車、郎騎青□馬、 何処結同心、西陵松柏下。」(何れの処にか同心を結ばん)という句がある。
温庭筠 『更漏子』
相見稀,相憶久,眉淺淡煙如柳。
垂翠幕,結同心,侍郎熏繡衾。
城上月,白如雪,蟬鬓美人愁絕。