薛濤 《采蓮舟》 
新鮮な秋の魚の料理に舌づつみをうっているうちに、月は上って時がすぎていくと男女はどこかへ消えていき人の声もなく静かになった。先ほどまで谷間をいっぱいにした採連の女たちが帰ってきはじめた。白い足に紅い袂の女たちの歌がおわると、船頭の舶唄がはじめて聞こえてきた。

2013年5月7日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩責躬詩 曹植 魏詩<75ー#4>文選 上 献詩 女性詩757 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2333
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩示児 韓愈(韓退之) <112-#6>Ⅱ中唐詩670 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2334
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集病柏 五言古詩 成都5-(24-1) 杜甫 <473-#2>漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2335 杜甫詩1000-473-#2-661/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集折楊柳行 その二 謝霊運(康楽) <67> kanbuniinkai 紀 頌之の詩詞ブログ 2336 (05/07)
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性采蓮舟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-158-30-#23  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2337
 
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孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

采蓮舟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-158-30-#23   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2337


采蓮舟
(蓮の実をとる舟。)
風前一葉壓荷蕖,解報新秋又得魚。
涼しい新秋の風のなか、一そうの小舟が、はすの実や葉をおさえつけ、分けてこちらへ進んでくる。そして初めての采蓮の舟は収獲して、また、魚をとってきたと報せてきました。
兔走烏馳人語靜,滿溪紅袂棹歌初。

新鮮な秋の魚の料理に舌づつみをうっているうちに、月は上って時がすぎていくと男女はどこかへ消えていき人の声もなく静かになった。先ほどまで谷間をいっぱいにした採連の女たちが帰ってきはじめた。白い足に紅い袂の女たちの歌がおわると、船頭の舶唄がはじめて聞こえてきた。

(采蓮の舟)
風前 一葉 荷蕖【かきょ】を壓し,報ず解【ら】く 新秋 又魚を得たると。
兔走【とそう】烏馳【うち】人語は靜まり,滿溪【まんけい】紅袂【こうへい】棹歌【とうか】は初まる。


『采蓮舟』 現代語訳と訳註
宮島(7)(本文)
風前一葉壓荷蕖,解報新秋又得魚。
兔走烏馳人語靜,滿溪紅袂棹歌初。


(下し文)
(采蓮の舟)
風前 一葉 荷蕖【かきょ】を壓し,報ず解【ら】く 新秋 又魚を得たると。
兔走【とそう】烏馳【うち】人語は靜まり,滿溪【まんけい】紅袂【こうへい】棹歌【とうか】は初まる。


(現代語訳)
(蓮の実をとる舟。)
涼しい新秋の風のなか、一そうの小舟が、はすの実や葉をおさえつけ、分けてこちらへ進んでくる。そして初めての采蓮の舟は収獲して、また、魚をとってきたと報せてきました。
新鮮な秋の魚の料理に舌づつみをうっているうちに、月は上って時がすぎていくと男女はどこかへ消えていき人の声もなく静かになった。先ほどまで谷間をいっぱいにした採連の女たちが帰ってきはじめた。白い足に紅い袂の女たちの歌がおわると、船頭の舶唄がはじめて聞こえてきた。


(訳注)
上弦の月采蓮舟

蓮の実をとる舟。
採蓮のことは、六朝時代から詩によまれて、李白が長江下流域、呉越を旅する時の多くの詩を残している。
李白『採蓮曲』
若耶渓傍採蓮女、笑隔荷花共人語。
日照新粧水底明、風飄香袖空中挙。
岸上誰家遊冶郎、三三五五映垂楊。
紫騮嘶入落花去、見此踟蹰空断腸。
李白10  採蓮曲

淥水曲  李白 11

越女詞 五首 其一 李白12

越女詞 五首 其二 李白13

越女詞五首其三 14其四 12-5其五


李白秋浦歌十七首其十三 
淥水淨素月。 月明白鷺飛。
郎聽采菱女。 一道夜歌歸。
秋浦歌十七首 其三 李白Kanbuniinkai紀頌之の漢詩李白特集247/350


風前一葉壓荷蕖,解報新秋又得魚。
涼しい新秋の風のなか、一そうの小舟が、はすの実や葉をおさえつけ、分けてこちらへ進んでくる。そして初めての采蓮の舟は収獲して、また、魚をとってきたと報せてきました。
・風前 涼しい新秋の風のなかの意。
・一葉(いちょう) 木の葉にたとえた一艘の舟。
・荷蕖 スイレン科の抽水性多年草、園芸植物、薬用植物。
・歴 押し分けてゆく。
・解報 何々と知らせてきたようだの意。(解道をイフナラク、解聞をキクナラクとどうようのつかいかた)
と読んだ。
・新秋(しんしゅう)初めて採連に出て収獲すること。
・魚 この蓮の咲いている漢の下の水中に住む魚で、今夜の宴のさかなである。別の意味としては水の中の魚は男性を指す。


兔走烏馳人語靜,滿溪紅袂棹歌初。
新鮮な秋の魚の料理に舌づつみをうっているうちに、月は上って時がすぎていくと男女はどこかへ消えていき人の声もなく静かになった。谷間をいっぱいにした採連の女たちが帰ってきはじめた。白い足に紅い袂の女たちの歌がおわると、船頭の舶唄がはじめて聞こえてきた。
pla039・兎走烏馳 兎や烏は、月に住むもので、上弦(7日)の月から満月(15日)にかけての月をいう。そこでそれらが走りかけるというのは、月が上って時がたつこと。「烏免勿々」の語がある。
・紅袂 あかいたもと。舟の上で、船歌を合唱する美しい女たちの姿。採連の女は素足を出すものでその白さと赤を印象付ける。
・棹歌(とうか) 船頭が棹で調子をとって歌ふなうた。ここは探蓮の曲や、この辺りの船呪であろう。
李白『留別廣陵諸公』
憶昔作少年,結交趙與燕。
金羈絡駿馬,錦帶橫龍泉。
寸心無疑事,所向非徒然。
晚節覺此疏,獵精草太玄。
空名束壯士,薄俗棄高賢。」#1
中迴聖明顧,揮翰淩雲煙。
騎虎不敢下,攀龍忽墮天。
還家守清真,孤節勵秋蟬。
煉丹費火石,採藥窮山川。」#2
臥海不關人,租稅遼東田。
乘興忽復起,棹歌溪中船。
臨醉謝葛強,山公欲倒鞭。
狂歌自此別,垂釣滄浪前。」
越女詞 五首 其三 李白14
耶溪採蓮女,見客棹歌囘。
笑入荷花去,佯羞不出來。
・初 これからずっと夜ふけるまでつづくであろうという心がふくまれて、歌い出したの意。