薛濤 《九日遇雨二首》

だれもが、山に登って菊酒をくみかわそうと待ちのぞんでいたのに、登ることができないのでくやしいおもいです。ただ寒さの中に、雨にしめって金色をした黄色い菊の花が、菊の香りのお酒が飲めないのは、残念におもうはかないのです。

2013年5月10日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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九日遇雨二首 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-161-33-#26   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2352



九日遇雨二首其一 
(旧暦の九月九日、重陽の節句の日が、ちょうどひどい吹き降りであったので、よんだ作。二首。)
萬里驚飆朔氣深,江城蕭索晝陰陰。
はるか万里のさきからおそろしい暴風がおそってくる。狂ったように雨を打ちつけて、冬のような北の寒さが、ひしひしと身にしみるほどつめたいのです。錦江沿いの町は、ものさびしくひっそりして、昼というのに、すっかり雨雲におおわれて、夜のように暗いのです。
誰憐不得登山去,可惜寒芳色似金。
  
だれもが、山に登って菊酒をくみかわそうと待ちのぞんでいたのに、登ることができないのでくやしいおもいです。ただ寒さの中に、雨にしめって金色をした黄色い菊の花が、菊の香りのお酒が飲めないのは、残念におもうはかないのです。

(二)   
茱萸秋節佳期阻,金菊寒花滿院香。
神女欲來知有意,先令云雨暗池塘。


(九日、雨に遇ふ 二首 其の一)
萬里 驚飆【きょうふう】朔気【さくき】深く、江城 蕭索【しょうさく】晝【ひる】陰陰。
誰か憐【あわれ】まん 山に登り去き得ざるを、惜むべし 寒芳【かんほう】色 金に似たり。

(九日、雨に邁ふ 二首 其の二)
茱萸の秋節 任期阻まる、金菊 寒花 満院香し。
神女来らんと欲す 意有るを知る、先づ 雲雨をして 池塘を暗からしむ。


『九日遇雨二首』 現代語訳と訳註
(本文)
(一) 
萬里驚飆朔氣深,江城蕭索晝陰陰。
誰憐不得登山去,可惜寒芳色似金。


(下し文)
(九日、雨に遇ふ 二首)
萬里 驚飆【きょうふう】朔気【さくき】深く、江城 蕭索【しょうさく】晝【ひる】陰陰。
誰か憐【あわれ】まん 山に登り去き得ざるを、惜むべし 寒芳【かんほう】色 金に似たり。


(現代語訳)
(旧暦の九月九日、重陽の節句の日が、ちょうどひどい吹き降りであったので、よんだ作。二首。)
はるか万里のさきからおそろしい暴風がおそってくる。狂ったように雨を打ちつけて、冬のような北の寒さが、ひしひしと身にしみるほどつめたいのです。錦江沿いの町は、ものさびしくひっそりして、昼というのに、すっかり雨雲におおわれて、夜のように暗いのです。

だれもが、山に登って菊酒をくみかわそうと待ちのぞんでいたのに、登ることができないのでくやしいおもいです。ただ寒さの中に、雨にしめって金色をした黄色い菊の花が、菊の香りのお酒が飲めないのは、残念におもうはかないのです。

(訳注) (一)
九日遇雨二首

(旧暦の九月九日、重陽の節句の日が、ちょうどひどい吹き降りであったので、よんだ作。二首。)
・九日 陰暦九月九日の節句の日をいう。陰陽思想では奇数は陽の数であり、陽数の極である9が重なる日であることから「重陽」と呼ばれる。奇数の重なる月日は陽の気が強すぎるため不吉とされ、それを払う行事として節句が行なわれていたが、九は一桁の数のうち最大の「陽」であり、特に負担の大きい節句と考えられていた。後、陽の重なりを吉祥とする考えに転じ、祝い事となったものである。『芸文類聚』に魏の文帝が鍾繇へ菊花を贈った記事が見える。 上記の菊を使った習慣の他に、茱萸(グミではなくカワハジカミ)の実を入れた袋を肘に下げたり、郊外の丘など高い場所へピクニックに出掛け遠くを見る(これを登高と呼ぶ)ことが行われた。
中国で重陽が正式な節句として認められたのは漢代である。劉歆による『西京雑記』に、高祖の愛妾であった戚夫人が殺害された後、宮廷より放逐された侍女の賈佩蘭が、9月9日は宮廷では茱萸を肘に下げ、菊酒を飲み長寿を祈る習慣があったと人に話したことにより、民間でも祝われるようになったとある。
魏の文帝が鐘繇にあたえた手紙に、「歳月来り、忽ち復た九月九日。九は陽数為り、而して日月並び応ず、故に重陽と日ふ」と見えている。 
魚玄機『重陽阻雨』
滿庭黃菊籬邊拆,兩朵芙蓉鏡裏開。
落帽臺前風雨阻,不知何處醉金杯。

重陽阻雨 魚玄機  ⅩⅫ唐五代詞・宋詩Gs-97-33-#  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2032


萬里驚飆朔氣深,江城蕭索晝陰陰。
はるか万里のさきからおそろしい暴風がおそってくる。狂ったように雨を打ちつけて、冬のような北の寒さが、ひしひしと身にしみるほどつめたいのです。錦江沿いの町は、ものさびしくひっそりして、昼というのに、すっかり雨雲におおわれて、夜のように暗いのです。
・萬里 成都には劉備が呉に攻め込む際、諸葛亮が見送った有名な万里橋があり、薛濤の住まいの近くにあるが、ここは重陽節で遠方の人の健康を願う日であるから固有名詞ではなく、はるか万里の向こうという意味である。
・驚飆(きょうひょぅ) 飆は、つむじ風。暴風で二爾雅」には、「暴帆の下より上る女親という」と説明してある。
・朔気 北方の気。
・江城(こうじよう) 成都は涙江に臨んでいるから、河辺の城。
・粛索 ものさびしく、ひっそりしているさま。
杜甫『秦州雜詩二十首 其十七』
邊秋陰易久,不複辨晨光。
簷雨亂淋幔,山雲低度牆。
鸕鶿窺淺井,蚯蚓上深堂。
車馬何蕭索,門前百草長。
秦州雜詩二十首 其十七 杜甫 第5部 <270> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1259 杜甫詩 700- 384
杜甫『送樊二十三侍禦赴漢中判官』
威弧不能弦,自爾無寧歲。
川穀血橫流,豺狼沸相噬。』
天子從北來,長驅振凋敞。
頓兵岐梁下,卻跨沙漠裔。
二京陷未收,四極我得製。
蕭索漢水清,緬通淮湖稅。』
送樊二十三侍禦赴漢中判官 #1 杜甫 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 173
李白『古風五十九首 其十四』「胡關饒風沙、蕭索竟終古。」古風五十九首 其十四 李白:Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白151


誰憐不得登山去,可惜寒芳色似金。
だれもが、山に登って菊酒をくみかわそうと待ちのぞんでいたのに、登ることができないのでくやしいおもいです。ただ寒さの中に、雨にしめって金色をした黄色い菊の花が、菊の香りのお酒が飲めないのは、残念におもうはかないのです。
・登山 この日、山に登って菊酒をのみ、邪気をはらう風習がある。