司空曙 《江村即事》釣りをやめて家に帰ってきたが、船はしっかりと繋ぎとめたわけではない。この錦江の川辺の村には、月が没して暗闇が一段と増してきて、眠るのにちょうどいい感じになった。 

2013年5月23日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性江村即事 司空曙 唐五代詞・宋詩 薛濤-174-46-#36-#4  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2417
 
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


江村即事 司空曙 唐五代詞・宋詩 薛濤-174-46-#36-#4   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2417


15司空曙しくうしょ(?~790?)
大歴十才 
江村即事(釣罷歸來不繋船)
送吉校書東帰 
司空 曙(しくう しょ)は、中国・唐の詩人。広平(河北省永年)の出身。字は文名または文初。
代宗の大暦年間の初め頃(770年頃)、左拾遺となり、徳宗の貞元初年(785年頃)、剣南西川節度使の幕僚になった。潔癖な性格で権臣に媚びず、長沙(湖南省)のあたりに流寓していたこともある。大暦十才子の一人。


司空曙
『別盧秦卿』(五言絶句)
別盧秦卿
知有前期在、難分比夜中。
無将故人酒、不及石尤風。
(盧秦卿に別る)
前期の在ること有るを知れども、分ち難し 此の夜の中(うち)。
故人の酒を将(もっ)て、石尤(せきゆう)の風に及ばずとする無かれ。


江村即事(七言絶句)
釣罷歸來不繋船,江村月落正堪眠。
釣りをやめて家に帰ってきたが、船はしっかりと繋ぎとめたわけではない。この錦江の川辺の村には、月が没して暗闇が一段と増してきて、眠るのにちょうどいい感じになった。
縱然一夜風吹去,只在蘆花淺水邊。

たとえ、夜中に風が舟を吹き飛ばすこともあるだろうが、どうせ、アシの花の咲いている浅瀬あたりに流されている程度のことだとおもう。 

(江村即事)
釣 罷め 歸り來かへ きたりて  船を繋がず,江村 月 落ちて  正に眠るに堪たり。
縱然【たとひ】 一夜  風 吹き去るとも,只だ 蘆花 淺水の邊りに 在らん。


『江村即事』 現代語訳と訳註
tski00120(本文)
江村即事(五言絶句)
釣罷歸來不繋船,江村月落正堪眠。
縱然一夜風吹去,只在蘆花淺水邊。


(下し文) (江村即事)
釣 罷め 歸り來かへ きたりて  船を繋がず,江村 月 落ちて  正に眠るに堪たり。
縱然【たとひ】 一夜  風 吹き去るとも,只だ 蘆花 淺水の邊りに 在らん。


(現代語訳)(江村即事)
釣りをやめて家に帰ってきたが、船はしっかりと繋ぎとめたわけではない。この錦江の川辺の村には、月が没して暗闇が一段と増してきて、眠るのにちょうどいい感じになった。
たとえ、夜中に風が舟を吹き飛ばすこともあるだろうが、どうせ、アシの花の咲いている浅瀬あたりに流されている程度のことだとおもう。 



(訳注)
江村即事

錦江の村(浣花渓村)を詠じた詩。 
・江村:錦江の村(浣花渓村)川辺の村。川に沿った村。杜甫の草堂のある浣花渓とは位置的に東に5km程度行ったところと考える。 
・即事:その場のことを詠じた詩。目の前の景色や様子。
杜甫『草堂即事』
草堂即事
荒村建子月,獨樹老夫家。
雪裡江船渡,風前竹徑斜。
寒魚依密藻,宿鷺起圓沙。
蜀酒禁愁得,無錢何處賒?
草堂即事 五言律詩 成都5-(34) 杜甫 <459  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2380 杜甫詩1000-459-670/1500



斛石山書事 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-167-39-#32  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2382

oborotsuki04
釣罷歸來不繋船、江村月落正堪眠。
釣りをやめて家に帰ってきたが、船はしっかりと繋ぎとめたわけではない。この錦江の川辺の村には、月が没して暗闇が一段と増してきて、眠るのにちょうどいい感じになった。
・釣:釣ること。 
・罷:やめる。中止する。 
・歸來:(自宅など本来の居場所に)かえってくる。 
・繋:繋(つな)ぎとめる。つなぐ。 
・月落:上弦の月のころであろう西空に沈み、まだ夜暗い。夜空が一層暗くなり、夜も更けたさまを謂う。李白73『宿清溪主人』「夜至清渓宿、主人碧厳裏。簷楹挂星斗、枕席響風水。月落西山時、啾啾夜猿起。」
(清溪の主人の家に宿泊した。夜に入って 清渓のほとりにきて宿泊した。主人の家は、碧(みどり)の木々苔むす厳の奥にある。軒天の端には北斗七星がきらめき、寝室の枕席にはさわやかな風が吹いてきて、静かさの中せせらぎが響く。しばらくすると月が西の山の端に落ちはじめた時、啾啾と悲しげに夜猿が鳴き始めた。)李白70清溪半夜聞笛 71秋浦歌十七首 其二 72清溪行 73 宿清溪主人
張繼の『楓橋夜泊』に「月落烏啼霜滿天,江楓漁火對愁眠。姑蘇城外寒山寺,夜半鐘聲到客船。」とある。 
・正:ちょうど。 
・堪眠:眠るのに充分である。 
・堪:ものにこらえられる。…にたえる。…できる。…に充分である。…に好適である。


縱然一夜風吹去、只在蘆花淺水邊。
たとえ、夜中に風が舟を吹き飛ばすこともあるだろうが、どうせ、アシの花の咲いている浅瀬あたりに流されている程度のことだとおもう。 
・縱然:たとえ…であろうとも。 
・吹去:吹き飛ばす。 
・-去:動詞の後に附いて、動作が遠ざかる、持続する感じを表す。…しさる。
・只在:ただ…にあるだけ。 
・蘆花:アシの花。 
・淺水:浅瀬。
・儒者の冗談はこの程度のものなのだ。これが風流とは思えないものだが、おそらく湿地の淵のようなところに停泊させたのであろう。百花潭の近くかもしれない。

薛濤『斛石山書事』