薛濤 《罰赴邊上韋相公二首 其二》 しっかりと馬のたづなをにぎりしめ、嶺を超える辺りでは、その手はこおりそうで、寒いうえに、寒く、氷りつきそうな寒さです、それに微風であっても、その粉ぬか雨が頬をうつ、冷たく、それが身体の芯そこをおらせてしまいそうです。
 

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罰赴邊上韋相公二首 其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-177-49-#39   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2432


罰赴邊上韋相公二首 其一
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その一)
螢在荒蕪月在天,螢飛豈到月輪邊。
収賄のことで罰をうけて、そのつぐないに、西北の荒れ果てた国境地方へ、守備兵の慰問途中の月が天高く上がった夜、宿舎の庭さきの荒れはてた草むらに、螢が飛びあがって光っているが、とてもあの高い室の月の側まではゆけないでしょう。
重光萬里應相照,目斷云霄信不傳。

その月の明るい光は、どんなに遠いところへでも、万遍なく届いている、ただ大空をあの雲のように、仰ぎ見るだけで、心に思うまことは、上書した文には同じだけ、届かないのです。


罰赴邊上韋相公二首 其二
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その二)
按轡嶺頭寒復寒,微風細雨徹心肝。
しっかりと馬のたづなをにぎりしめ、嶺を超える辺りでは、その手はこおりそうで、寒いうえに、寒く、氷りつきそうな寒さです、それに微風であっても、その粉ぬか雨が頬をうつ、冷たく、それが身体の芯そこをおらせてしまいそうです。
但得放兒歸舍去,山水屏風永不看。
こんなに地獄のような寒さにつくづくと思うのですが、かりにもし、お許しが出て、故郷のわが家へ無事歸ることができたとしましたら、山水をえがいた屏風は、きっといつまでたっても、見るのもいや、というものです。


『罰赴邊上韋相公二首 其二』 現代語訳と訳註
(本文)

按轡嶺頭寒復寒,微風細雨徹心肝。
但得放兒歸舍去,山水屏風永不看。


(下し文)
轡を嶺頭に按ゆれば 寒復た寒、微風 細雨 心肝に徹る。
但し 兄を放して令に歸り去るを得しむとも、山水の屏風は 永く看じ。


蜀の山50055(現代語訳)
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その二)
しっかりと馬のたづなをにぎりしめ、嶺を超える辺りでは、その手はこおりそうで、寒いうえに、寒く、氷りつきそうな寒さです、それに微風であっても、その粉ぬか雨が頬をうつ、冷たく、それが身体の芯そこをおらせてしまいそうです。
こんなに地獄のような寒さにつくづくと思うのですが、かりにもし、お許しが出て、故郷のわが家へ無事歸ることができたとしましたら、山水をえがいた屏風は、きっといつまでたっても、見るのもいや、というものです。


(訳注)
罰赴邊上韋相公二首 其二
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その二)


按轡嶺頭寒復寒,微風細雨徹心肝。
しっかりと馬のたづなをにぎりしめ、嶺を超える辺りでは、その手はこおりそうで、寒いうえに、寒く、氷りつきそうな寒さです、それに微風であっても、その粉ぬか雨が頬をうつ、冷たく、それが身体の芯そこをおらせてしまいそうです。
・按轡嶺頭 際しい峠越えのようす、馬のたづなをおさえけわしい山道をのぼる。馬が谷底へ足を踏みすべらして落ちたりしないように、たづなを引き締めること。あるいは、この旅の途中に、そうした意味から名付けられた。詩人は按轡嶺という、固有名詞があったかのように使うことで後世に伝わるものである。
・心肝 心臓と肝臓。身体の芯のこと。


但得放兒歸舍去,山水屏風永不看。
こんなに地獄のような寒さにつくづくと思うのですが、かりにもし、お許しが出て、故郷のわが家へ無事歸ることができたとしましたら、山水をえがいた屏風は、きっといつまでたっても、見るのもいや、というものです。
・但 それだけ、かりにの意。万一の意。
・放 はなつ。ほしいままにする。自由に解散する。
・舎 營妓の宿舎、住居。
・屏風 びょうぶ。
・永 永遠に。
Nature1-007














罰赴邊上韋相公二首  罰赴邊有懷上韋令公二首其一
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罰赴邊上韋相公二首 其一
螢在荒蕪月在天,螢飛豈到月輪邊。
重光萬里應相照,目斷云霄信不傳。
(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その一)
収賄のことで罰をうけて、そのつぐないに、西北の荒れ果てた国境地方へ、守備兵の慰問途中の月が天高く上がった夜、宿舎の庭さきの荒れはてた草むらに、螢が飛びあがって光っているが、とてもあの高い室の月の側まではゆけないでしょう。
その月の明るい光は、どんなに遠いところへでも、万遍なく届いている、ただ大空をあの雲のように、仰ぎ見るだけで、心に思うまことは、上書した文には同じだけ、届かないのです。

罰赴邊上韋相公二首 其二
按轡嶺頭寒復寒,微風細雨徹心肝。
但得放兒歸舍去,山水屏風永不看。

(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、韋皐節度使に上奏いたします。その二)
しっかりと馬のたづなをにぎりしめ、嶺を超える辺りでは、その手はこおりそうで、寒いうえに、寒く、氷りつきそうな寒さです、それに微風であっても、その粉ぬか雨が頬をうつ、冷たく、それが身体の芯そこをおらせてしまいそうです。
こんなに地獄のような寒さにつくづくと思うのですが、かりにもし、お許しが出て、故郷のわが家へ無事歸ることができたとしましたら、山水をえがいた屏風は、きっといつまでたっても、見るのもいや、というものです。


罰赴邊有懷上韋令公二首其一
黠虜猶違命,烽煙直北愁。
卻教嚴譴妾,不敢向松州。

(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その一)
あの悪くてずるい吐蕃の奴らが、いまだに唐朝廷の命にそむいている。この度も成都の真北の国境地帯からのろしがあがって侵入のしらせがきた。北の方は困ったことである。
わたしは、いまきびしい譴責をうけてわたしは北の都護府の軍営の慰問をしているところ。その都護府のさらに北の松州慰問迎へということであったが、節度使さまは、わたしの身を心配されて、途中からもどってこいというお使いをくださった。

罰赴邊有懷上韋令公二首其二
聞道邊城苦,而今到始知。
卻將門下曲,唱與隴頭兒。

(収賄のことを譴責されて国境の都護府慰問から松州慰問へ赴いているところ、心配されて面槍を受けたので韋皐節度使に上奏いたします。その二)
かねて聞きおよんでおりましたのは吐蕃国境地帯にある都護府の城塞のご苦労の多いことですが、今、ここにきてみて、はじめてそれがはっきりわかりました。
韋皐節度使さまが幕府のご宴席で歌っておられた平穏で歌われる「門下曲」は、とても毎日毎夜、守備にご苦労なさっている勇ましい「隴頭兒」の方々には、お聞かせできませんでした。