薛濤 《十離詩十首 犬離主 原註》 
元稹のところの家宴に列して、酒に酔い、酒令のことから御銚子を投げて、元稹の甥の脚を傷つけ、元稹の気嫌を損じておわれたことに原因して作られた。の詩中に、「四、五年」および 「四五秋」の語がある。

2013年5月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩《擬魏太子鄴中集詩八首 王粲》 謝靈運 六朝詩<79-#1>文選 雜擬 上 779 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2443
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩奉和虢州劉給事使君三堂新題二十一詠。荷池 韓愈(韓退之) <131>Ⅱ中唐詩692 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2444
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集入奏行贈西山檢察使竇侍禦 五言律詩 成都(6-(2-#4)) 杜甫 <469-#4>  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2440 杜甫詩1000-469#4-683/1500
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性十離詩十首 犬離主 原註 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-180-52-#40-#3  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2447
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


十離詩十首 犬離主 原註 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-180-52-#40-#3   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2447


有名な「十離詩」(40~49)が、元稹のところの家宴に列して、酒に酔い、酒令のことから御銚子を投げて、元稹の甥の脚を傷つけ、元稹の気嫌を損じておわれたことに原因して作られた。の詩中に、「四、五年」および 「四五秋」の語がある。「全唐詩」 の註には、これを彼女が厳司空(厳綬)によって元稹のもとへ派遣されたときのこととであるとしている。



十離詩
元徴之使蜀。巌司空遣涛往事。
元稹が官吏を取り締まる官、監察御史として蜀に遣わされた。厳綬(厳司空)は旅の慰労に薛濤を同行させた。
困事獲怒。遠之。
事件を起こして逆鱗に触れ、罰として遠ざけられた。
涛作十離詩以献。逐復善焉。
薛濤は、「十離詩」と題した詩を詩集にして元稹に献上した。やがてまた許され良いことになった。
犬離主
(飼い主の主人から追いだされた犬の歌。)
出入朱門四五年,為知人意得人憐。 
高貴なお邸に出入りさせていただいて早、四、五年にもなっています。あなた様のご厚情にあまえつづけており、本当にご主人にかわいがられていたのです。
近緣咬著親知客,不得紅絲毯上眠。 
ところが、ふとしたことから、ご主人の近縁のお方にかみつくようなまねをしてしまい、このうえは、紅い上等の毛せんの上で眠るわけにはいきませんと孟反省致しております。

濤因酔爭令、擲注子、
薛濤は、元稹のところの家宴に列し、酒に酔ったことによって、酒令のなかで御銚子を投げた。
誤傷相公猶子、
それが誤って元稹の世話になっている甥の足にあたりけがをさせた。
去幕。故云。
宴席掛をおろされ、幕府を去った。それでこの「十離詩十首」を作り、いう。



『十離詩十首 犬離主 原註』 現代語訳と訳註
(本文)

濤因酔爭令、擲注子、誤傷相公猶子、去幕。故云。

魚玄機550034
(下し文)
濤 酔に因って爭【いかで】は令むらる、注子を擲ちて、誤って相公の猶子を傷け、幕を去る。故に云う。


(現代語訳)
薛濤は、元稹のところの家宴に列し、酒に酔ったことによって、酒令のなかで御銚子を投げた。
それが誤って元稹の世話になっている甥の足にあたりけがをさせた。
宴席掛をおろされ、幕府を去った。それでこの「十離詩十首」を作り、いう。


(訳注)
濤困酔爭令、擲注子、

薛濤は、元稹のところの家宴に列し、酒に酔ったことによって、酒令のなかで御銚子を投げた。
・爭令 「令を争い」どちらが良いか爭う。
酒宴の席で座興を添えるためにする遊戯。またその規則。わが国でいったら唐八拳のようなもの。詩を作ることもある。負けると酒をのまなければならない。
・注子 おちようし。酒壷。


誤傷相公猶子、
それが誤って元稹の世話になっている甥の足にあたりけがをさせた。
・相公 宰相さま。ここは元稹をさす。
・猶子(ゆうし) 坊または養子をいうが、ここは甥であろう。客というのはその甥が元稹の世話になっているから。


去幕。故云。
宴席掛をおろされ、幕府を去った。それでこの「十離詩十首」を作り、いう。
・幕 幕府。地方長官の役所。