薛濤 《贈韋校書》
わたくしのことを、楚の抃和が荊山から宝玉の原石を手に入れたすばらしい寶にたとえられ、科挙及第、甲乙年と同等といわれましたが、それはまちがいで、わたくしは役立つことは役立ちますが、草むらに見出された薬草、あの香り草ぐらいのものでしかありません。

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贈韋校書 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-190-56-#50   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2497


贈韋校書
(韋校書に贈る。)
芸香誤比荊山玉,那似登科甲乙年。
わたくしのことを、楚の抃和が荊山から宝玉の原石を手に入れたすばらしい寶にたとえられ、科挙及第、甲乙年と同等といわれましたが、それはまちがいで、わたくしは役立つことは役立ちますが、草むらに見出された薬草、あの香り草ぐらいのものでしかありません。
澹地鮮風將綺思,飄花散蕊媚青天。
 
あなたさまは、この風光のよい四川の土地に、詩才を、その花のような、また花の蕊のような精華をもって、青空高くまきちらして、天子さまのお覚えもめでたく、まったくすはらしいお方です。

韋校書に贈る
芸香 誤って比す荊山の玉、那んぞ 登科甲乙の年に 似ん。
澹地 鮮風 綺思を將ひ、親花 散蕊 青天に姫ぶ。


『贈韋校書』 現代語訳と訳註
紅梅0021(本文)

芸香誤比荊山玉,那似登科甲乙年。
淡澹地鮮風將綺思,飄花散蕊媚青天。 


(下し文)
(韋校書に贈る)
芸香 誤って比す荊山の玉、那んぞ 登科甲乙の年に 似ん。
澹地 鮮風 綺思を將ひ、親花 散蕊 青天に姫ぶ。


(現代語訳)
(韋校書に贈る。)
わたくしのことを、楚の抃和が荊山から宝玉の原石を手に入れたすばらしい寶にたとえられ、科挙及第、甲乙年と同等といわれましたが、それはまちがいで、わたくしは役立つことは役立ちますが、草むらに見出された薬草、あの香り草ぐらいのものでしかありません。
あなたさまは、この風光のよい四川の土地に、詩才を、その花のような、また花の蕊のような精華をもって、青空高くまきちらして、天子さまのお覚えもめでたく、まったくすはらしいお方です。


(訳注)
贈韋校書

二十年間にわたり剣南西川節度使として、成都に駐在し、薛濤がほぼ十九歳のころから三十八歳まで世話になった韋皐に、兄の子臧孫(正貫)というのがあり、太子校書部になっていたから、たぶんその韋臧孫に贈ったものであろう。そしてこの詩意からみて、臧孫が彼女を卞和によって見出された戦國時代の名玉、「連城壁」のような寶と禮讃(社交的に)したのに封して、返した詩であろう。またふつうなら「酬」と題すべきところであるが、「贈」としているところから考えると、絶句後半の転結は自己のことを述べたのではなく、相手、すなわち韋臧孫の詩才をたたえたものである。


芸香誤比荊山玉,那似登科甲乙年。
わたくしのことを、楚の抃和が荊山から宝玉の原石を手に入れたすばらしい寶にたとえられ、科挙及第、甲乙年と同等といわれにましたが、それはまちがいで、わたくしは役立つことは役立ちますが、草むらに見出された薬草、あの香り草ぐらいのものでしかありません。
・芸香 ミカン科の多年草、薬用植物
・荊山之玉 優秀で賢明な人をいう。「荊山」は春秋時代、楚の抃和が宝玉の原石を手に入れた山である。そのことから高価な宝石のような人をさしていう。
・登科甲乙年 登科は科挙の試験すなわち官吏の登庸試験に及第すること、甲乙は十干(じっかん)は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10の要素の順列。干支を書くとき干を支の前に書くことから天干(てんかん)とも言う。その十干の始めの二つであるから、甲の年、乙の年というふうに、何年に及第したということ。


澹地鮮風將綺思,飄花散蕊媚青天。 
あなたさまは、この風光のよい四川の土地に、詩才を、その花のような、また花の蕊のような精華をもって、青空高くまきちらして、天子さまのお覚えもめでたく、まったくすはらしいお方です。
・將 養う。
・飄花 花を鼠にひるがえすこと。
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