薛濤 《上川主武元衡相國 其一》 日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。

2013年6月20日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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上川主武元衡相國二首 其一 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-202-68-#62   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2557


武元衛は、彼女が成都で仕えた十一人の節度使のうちの一人。元和二年、彼女の四十六歳の年に、武元衛は宰相を兼務したまま剣南西川節度使となって赴任してきた。その着任と同時に献じた詩が、「嘉陵驛の詩に續けて、武相國に獻ず」(6 1)で、この詩はその翌年の春の作である。武元衡は、元和八年二月、成都を出塗して、宰相として都にもどっている。薛濤は、四十歳から四十七歳までの八年、營妓として武元衝に仕えた。


上川主武元衡相國 其一
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。 
上川主武元衡相國 其二
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。 
kagaribi00  


上川主武元衡相國二首 其一
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。)
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。

明るい月がのぼり、節度使さまは、「月に庭のかがり火がわりにちょうどよい」と仰せられて、すだれをおろすことをとめられた。おかげで月光とかがり火の風流な宴席となったのです。


上川主武元衡相國二首其一 現代語訳と訳註
(本文)
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。


(下し文)
(上川主【せんしゅ】武元衡 相國【しょうこく】に【たてまつ】る 二首 其の一) 
落日 重城 夕霧收まる,玳筵【たいえん】雕俎【ちょうそ】諸侯に荐【すす】む。
朗月をして庭燎【ていりょう】に當らしむに因って,不使珠帘【しゅれん】をして玉鉤【ぎょくこう】より下さしめず。


 (現代語訳)
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。)
日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。
明るい月がのぼり、節度使さまは、「月に庭のかがり火がわりにちょうどよい」と仰せられて、すだれをおろすことをとめられた。おかげで月光とかがり火の風流な宴席となったのです。


(訳注)
満月003上川主武元衡相國二首 其一
剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。


落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。
・川主武元衡相国 川主は剣南西川節度使。西川地方の軍政の長官であるから、川主という。武元衡は憲宗の元和二年正月に門下侍郎平章事となっている。宰相であるから相国といった。
・重城 いくえにも厳重にかさなった城。蜀の城をさす。
・玳筵 玳は南海に産する海亀の玳瑁のこと。甲を亀甲といい装身具にする。筵はむしろ。あわせて豪華な宴席。
・雕俎 彫は飾る。雕は机、宴会の時に食器をのせる台。あわせて豪華な宴会の料理。


因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。
明るい月がのぼり、節度使さまは、「月に庭のかがり火がわりにちょうどよい」と仰せられて、すだれをおろすことをとめられた。おかげで月光とかがり火の風流な宴席となったのです。
・朗月 あきらかに照る月。
庭燎 庭のかがり火。
・珠帘/簾 玉のすだれ。
・玉鉤 玉でできている廉の捲きどめ。かぎ型をしている。