薛濤 《上川主武元衡相國二首 其二》東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。


2013年6月21日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集
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李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 


上川主武元衡相國二首 其二 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-203-69-#63   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2562

武元衛は、彼女が成都で仕えた十一人の節度使のうちの一人。元和二年、彼女の四十六歳の年に、武元衛は宰相を兼務したまま剣南西川節度使となって赴任してきた。その着任と同時に献じた詩が、「嘉陵驛の詩に續けて、武相國に獻ず」(6 1)で、この詩はその翌年の春の作である。武元衡は、元和八年二月、成都を出塗して、宰相として都にもどっている。薛濤は、四十歳から四十七歳までの八年、營妓として武元衝に仕えた。


上川主武元衡相國 其一
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。 
上川主武元衡相國 其二
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。 
  


上川主武元衡相國二首 其一
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。)
落日重城夕霧收,玳筵雕俎荐諸侯。
日が城の上に落ち掛け、そしてその後ろに重なり、夕もやも消えていく、節度使さまのお邸では、玳瑁がかざられ、豪華な筵を敷いて、宴合が開かれ、大勢の諸公をお招きになっている。
因令朗月當庭燎,不使珠帘下玉鉤。
明るい月がのぼり、節度使さまは、「月に庭のかがり火がわりにちょうどよい」と仰せられて、すだれをおろすことをとめられた。おかげで月光とかがり火の風流な宴席となったのです。


上川主武元衡相國 其二
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。 
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。


『上川主武元衡相國二首』 現代語訳と訳註
kagaribi00(本文)
上川主武元衡相國 其二
東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。 


(下し文)
(上川主【せんしゅ】武元衡 相國【しょうこく】に【たてまつ】る 二首 其の二) 
東閣に尊を移して 綺席【きせき】を陳ね,貂簪【ちょうしん】龍節【りょうせつ】更に春に宜し。
軍城の畫角【がかく】三聲【さんせい】歇【や】み,云幕【うんばく】初めて垂れて 紅燭 新なり。


(現代語訳)
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。


(訳注)
上川主武元衡相國 其二
(剣南西川の節度使さまであり、宰相であられる武元衡さまにたてまつる。その二)


東閣移尊綺席陳,貂簪龍節更宜春。
東の樓閣に宴席を移られましたが、この宴席もみごとなにならべられているのです。それに節度使さまは、りっはな貂の尾を飾った簪をつけ、龍節の旗も飾られ、春の夜にふさわしいなごやかなありさまになっているのです。
・東閣 邸内の東側にある別の高閣。
・尊 さかずき。ここは宴席をいう。
・綺席 はなやかに飾られた宴席をいう.
・貂簪 貂はテン。いたち科の獣。その尾は淡黄色をしていて、冠につけて飾りとした。簪はかんむりをとめるために髪に挿すもの。高貴な人は貂尾のついた冠をかむり、その冠を簪で髪にとめていた。
・龍節 竿の上部に竜の形を型どった飾りがつき。下にふさがついていて、将軍や外国に使する使節に与えられるしるしのはたである。節度使は将軍としてこれを与えられていたということ。 


軍城畫角三聲歇,云幕初垂紅燭新。 
城の鼓楼からは、三聾の角笛のひびきが、ここにも伝わってくるのです。夜気の冷たさをさえぎるためにはじめて幔幕が垂らしはられて、そこにあかあかと紅いろうそくに燈が灯されるのです。
・軍城 西川節度使(軍政長官)の屯する蜀都成郡のことであるから、詩的表現、軍城といった。
・畫角 角笛。時を告げる。
・雲幕 雲の模様のある幕。幕はカーテンと思えばよい。軍内と庭とを区切るもの幔幕。
・紅燭 べに色のローソクの燈火。