薛濤 《摩訶池宴》 成都城の摩訶池のまわりに春のひかりが早くも届いている。この春めいた池の水を愛で、咲き誇る花を見て春の日は日とともにすぎていく。

2013年6月25日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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摩訶池宴 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-207-73-#67   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2582


・摩訶池宴 ・七言律詩 押灰韻
・中唐•武元衡
・武元衡(ぶ げんこう、758年 - 815年)は、中国・唐の詩人。河南緱氏(こうし、河南省偃師の南)の出身。字は伯蒼。 徳宗の建中4年(783年)の進士。徳宗に才能を認められ、比部員外郎・右司郎中・御史中丞を歴任。順宗朝では権臣・王叔文に従わなかった為、降職されたが、憲宗の元和2年(807年)には門下侍郎・同中書門下平章事(宰相)に至った。同年、宰相のまま剣南西河節度使に任ぜられて蜀に赴き、7年間、蜀に滞在した。


摩訶池宴
摩訶池上春光早,愛水看花日日來。
成都城の摩訶池のまわりに春のひかりが早くも届いている。この春めいた池の水を愛で、咲き誇る花を見て春の日は日とともにすぎていく。
穠李雪開歌扇掩,綠楊風動舞腰回。
花がたくさん咲いているすももはその枝に雪を開かせ、それは扇で花吹雪を散らすようだ。土手の緑の柳の枝は風で揺れ動き、まるで細腰を廻し踊るようである。
蕪臺事往空留恨,金谷時危悟惜才。
荒れ果てた政治府は仕事をするために行くけれど空しく恨みだけをそこにとどめている。贅の限りを盡した苑はそれが危うくなる時才能あるものを生かすことなくいたずらに行くしかなかった。
晝短欲將清夜繼,西園自有月裴回。
秋が訪れ昼の時間が短くなると清々しい夜の部分でもってつながっていくが、西向きの庭園では明月が上がってきて夜の散策が風流である。

海棠花011摩訶池の宴
摩訶池の上【ほとり】春光早し,水を愛し花を看るに日日來る。
穠李【じょうき】雪開く歌扇【かせん】掩い,綠楊 風動く舞腰 回る。
蕪臺【ぶだい】事往きて空しく恨みを留め,金谷 時危うくして才を惜むを悟る。
晝短かければ清夜を將って繼がんと欲す,西園 自ら月の裴回する有り。


『摩訶池宴』 現代語訳と訳註
(本文)

摩訶池上春光早,愛水看花日日來。
穠李雪開歌扇掩,綠楊風動舞腰回。
蕪臺事往空留恨,金谷時危悟惜才。
晝短欲將清夜繼,西園自有月裴回。


(下し文)
摩訶池の宴
摩訶池の上【ほとり】春光早し,水を愛し花を看るに日日來る。
穠李【じょうき】雪開く歌扇【かせん】掩い,綠楊 風動く舞腰 回る。
蕪臺【ぶだい】事往きて空しく恨みを留め,金谷 時危うくして才を惜むを悟る。
晝短かければ清夜を將って繼がんと欲す,西園 自ら月の裴回する有り。


(現代語訳)
成都城の摩訶池のまわりに春のひかりが早くも届いている。この春めいた池の水を愛で、咲き誇る花を見て春の日は日とともにすぎていく。
花がたくさん咲いているすももはその枝に雪を開かせ、それは扇で花吹雪を散らすようだ。土手の緑の柳の枝は風で揺れ動き、まるで細腰を廻し踊るようである。
荒れ果てた政治府は仕事をするために行くけれど空しく恨みだけをそこにとどめている。贅の限りを盡した苑はそれが危うくなる時才能あるものを生かすことなくいたずらに行くしかなかった。
秋が訪れ昼の時間が短くなると清々しい夜の部分でもってつながっていくが、西向きの庭園では明月が上がってきて夜の散策が風流である。


(訳注)
摩訶池宴

・摩詞池 成都城内にある池の名。陳・隋間の勇将、蕭摩訶がつくったというもの。蕭摩訶は、南蘭陵の人で、あざなは元胤。幼い時に父をなくしたが、元気いっぱい、勇力があり、陳の呉明徹の部将となり、北伐にしたがい、部下の騎馬隊を引具して、深く敵の城に入り、縦横に奮撃、当たるところ敵なしというありさまであったので、呉明徹は、彼を三国時代の蜀の勇将、関羽や張飛以上だといったという。功績によって腰騎大将軍となり、緩遠郡公に封ぜられた。隋の時代には、開府儀同三司になったが、幷州で叛逆に加わり、誅せられた。この他、今はないという。摩訶池では、しばしば船を浮かべて宴が催されたらしく、西川節度使武元衝の詩中にも、「摩訶池宴」とか、「摩訶池送李侍禦之鳳翔」(摩詞池にて李侍御の鳳翔に之くを送る)などの詩がのこっている。「摩訶池宴」は当時のこの池の風光をよく写している。


摩訶池上春光早,愛水看花日日來。
成都城の摩訶池のまわりに春のひかりが早くも届いている。この春めいた池の水を愛で、咲き誇る花を見て春の日は日とともにすぎていく。


穠李雪開歌扇掩,綠楊風動舞腰回。
花がたくさん咲いているすももはその枝に雪を開かせ、それは扇で花吹雪を散らすようだ。土手の緑の柳の枝は風で揺れ動き、まるで細腰を廻し踊るようである。
・穠李 花がたくさん咲いているすもも。
・綠楊 男女の性交に喩えられる。柳腰、細腰。


蕪臺事往空留恨,金谷時危悟惜才。
荒れ果てた政治府は仕事をするために行くけれど空しく恨みだけをそこにとどめている。贅の限りを盡した苑はそれが危うくなる時才能あるものを生かすことなくいたずらに行くしかなかった。
・蕪臺 荒れ果てた政治府。
・金谷 贅の限りを盡したたに苑。


晝短欲將清夜繼,西園自有月裴回。
秋が訪れ昼の時間が短くなると清々しい夜の部分でもってつながっていくが、西向きの庭園では明月が上がってきて夜の散策が風流である。
・晝短 昼の時間帯が短い秋冬のことを謂う。
海棠花04