薛濤 《斛石山曉望寄呂侍御》 朝日がのぼりはじめて、この仙界の建物の扉に、暁けがたの光がさし、そして、あっというまに、今までのあたりの山々、峯々をおおっています。そこへ、霧や霞をふくんだ山の風がふき、暗かった峯の上に、めぐり回ってつんざくおとをたて、もやを突きやぶるのです。

2013年6月29日 同じ日の紀頌之5つのブログ
●古代中国の結婚感、女性感,不遇な生き方を詠う 三国時代の三曹の一人、三国時代の「詩神」である曹植の詩
Ⅰ李白と李白に影響を与えた詩
  
LiveDoor
《麥秀歌》 (殷末周初・箕子) <91>古詩源 巻一 古逸 81...
●唐を代表する中唐の韓愈の儒家としての考えのよくわかる代表作の一つ
Ⅱ中唐詩・晩唐詩
LiveDoor
桃源圖 韓愈(韓退之) <145-#5>Ⅱ中唐詩723 漢文委員会kanb...
●杜甫の全作品1141首を取り上げて訳注解説 ●理想の地を求めて旅をする。"
Ⅲ杜甫詩1000詩集 LiveDoor謁文公上方 (五言古詩) 成都6-(29-#1) 杜甫 <491-#1>  漢...
●これまで分割して掲載した詩を一括して掲載・改訂掲載・特集  不遇であった詩人だがきめの細やかな山水詩をかいている
Ⅳブログ漢・唐・宋詞詩集 Fc2
●●森鴎外の小説『魚玄機』、芸妓で高い評価を受けた『薛濤』の詩。唐時代にここまで率直な詩を書く女性が存在した奇跡の詩
Ⅴ.唐五代詞詩・宋詞詩・女性 LiveDoor斛石山曉望寄呂侍御 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-211-77-#71  ...
 
 ■今週の人気記事(漢詩の5ブログ各部門)
 ■主要詩人の一覧・詩目次・ブログindex

『楚辞・九歌』東君 屈原詩<78-#1>505 kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1332
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67664757.html
『楚辞』九辯 第九段―まとめ 宋玉  <00-#35> 664 漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之の漢詩ブログ2304
http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/archives/6471825.html
安世房中歌十七首(1) 唐山夫人 漢詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67710265.html
為焦仲卿妻作 序 漢詩<143>古詩源 巻三 女性詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67729401.html
於凊河見輓船士新婚別妻一首 曹丕(魏文帝) 魏詩 http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67759129.html
朔風 (一章) 曹植 魏詩<25-#1>文選 雑詩 上  http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67780868.html
謝靈運詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/1901_shareiun000.html 謝靈運詩 六朝期の山水詩人。この人の詩は上品ですがすがしい男性的な深みのある詩である。後世に多大な影響を残している。
謝靈運が傲慢で磊落だったというが彼の詩からはそれを感じさせるということは微塵もない。謝靈運、謝朓、孟浩然は好きな詩人である。
登永嘉緑嶂山詩 #1 謝霊運 <20> 詩集 386ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67474554.html
登池上樓 #1 謝霊運<25>#1  ー http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10/archives/67502196.html
孟浩然の詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/209mokonen01.html 孟浩然の詩 盛唐初期の詩人であるが謝霊運の詩に傾倒して山水詩人としてとてもきれいな詩を書いている。特に山水画のような病者の中で細やかな部分に動態を感じさせる表現力は素晴らしい。

李商隠詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/3991_rishoin000.html
李商隠詩 華やかな時はほんの1年余り、残りは不遇であった。それが独特な詩を生み出した。この詩人の詩は物語であり、詩を単発で見ては面白くなく、数編から十数編のシリーズになっているのでそれを尊重して読まれることを進める。
女性詩人 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/0josei00index.html 女性詩人 古代から近世に至るまで女性の詩は書くことを許されない環境にあった。貴族の子女、芸妓だけである。残されている詩のほとんどは詞、楽府の優雅、雅なものへの媚の詞である。しかしその中に針のような痛みを感じさせるものがあるのである。
孟郊詩 http://www10.plala.or.jp/kanbuniinkai/328_moukou001.html 「文章得其微,物象由我裁。」詩人が作り出す文章は細やかなる描写表現を得ているものだ、万物の事象をも作り出すことさえも詩人自身の裁量でもってするのである。
李商隠詩 http://kanbuniinkai7.dousetsu.com/99_rishoinn150.html Ⅰ李商隠150首

 

斛石山曉望寄呂侍御 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-211-77-#71   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2602




斛石山曉望寄呂侍御
(斛石山の夜明けの眺めを詠んで、都の呂侍御に贈る。)
曦輪初轉照仙扃,旋擘煙嵐上窅冥。
朝日がのぼりはじめて、この仙界の建物の扉に、暁けがたの光がさし、そして、あっというまに、今までのあたりの山々、峯々をおおっています。そこへ、霧や霞をふくんだ山の風がふき、暗かった峯の上に、めぐり回ってつんざくおとをたて、もやを突きやぶるのです。
不得玄暉同指點,天涯蒼翠漫青青。

明るくのぼる眩しい太陽は、斛石山の上のすばらしい朝の景色は、手柄をたてられたあなたさまと、いっしょに指さしてながめることができることはないのですが、天涯はるかに遠くはなれて、青々と展開している山々、峯々、ただ一人でながめていることはつまらないものです。

斛石山 曉望、呂侍御に寄す
曦輪【ぎりん】初めて轉じて仙扃【せんけい】を照らせば,旋【たちま】ち煙嵐【えんらん】を擘【つんざ】いて窅冥【ようめい】に上る。
玄暉【げんき】指を同じゅうして點ずるを得ず,天涯 蒼翠【そうすい】漫に青青たり。


『斛石山曉望寄呂侍御』 現代語訳と訳註
(本文)
斛石山曉望寄呂侍御
曦輪初轉照仙扃,旋擘煙嵐上窅冥。
不得玄暉同指點,天涯蒼翠漫青青。


(下し文)
斛石山 曉望、呂侍御に寄す
曦輪【ぎりん】初めて轉じて仙扃【せんけい】を照らせば,旋【たちま】ち煙嵐【えんらん】を擘【つんざ】いて窅冥【ようめい】に上る。
玄暉【げんき】指を同じゅうして點ずるを得ず,天涯 蒼翠【そうすい】漫に青青たり。


(現代語訳)
(斛石山の夜明けの眺めを詠んで、都の呂侍御に贈る。)
朝日がのぼりはじめて、この仙界の建物の扉に、暁けがたの光がさし、そして、あっというまに、今までのあたりの山々、峯々をおおっています。そこへ、霧や霞をふくんだ山の風がふき、暗かった峯の上に、めぐり回ってつんざくおとをたて、もやを突きやぶるのです。
明るくのぼる眩しい太陽は、斛石山の上のすばらしい朝の景色は、手柄をたてられたあなたさまと、いっしょに指さしてながめることができることはないのですが、天涯はるかに遠くはなれて、青々と展開している山々、峯々、ただ一人でながめていることはつまらないものです。


(訳注)
斛石山曉望寄呂侍御
(斛石山の夜明けの眺めを詠んで、都の呂侍御に贈る。)
・斛石山 成都盆地の中に有る山で成都 学射山、現在鳳凰山。学射山の古名で、蜀県の北十五里(約9km 地図5/4-C/D)「益州日記」に、斛石山に雨女擪ありと見ゆるもの。北宗の田況の「三月三日、学射山に登る」。三国時代蜀漢、劉備の子、劉禅が弓の練習をしたとされることから、「学射山」といわれた。斛も石も物の量をあらわす語で10斗の量になる。
薛濤『斛石山書事』
王家山水畫圖中,意思都盧粉墨容。
今日忽登虛境望,步搖冠翠一千峰。

斛石山書事 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-167-39-#32  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2382

・呂侍御 吐蕃へ使した侍御史の呂温であろう。


曦輪初轉照仙扃,旋擘煙嵐上窅冥。
朝日がのぼりはじめて、この仙界の建物の扉に、暁けがたの光がさし、そして、あっというまに、今までのあたりの山々、峯々をおおっています。そこへ、霧や霞をふくんだ山の風がふき、暗かった峯の上に、めぐり回ってつんざくおとをたて、もやを突きやぶるのです。
・曦輪 太陽のこと。曦は「日色なり」と「玉篇」にある。花棺の詩に、「朝曦、崖を射て赤し」とある。その太陽は、太陽の神が乗って東から酉へ向かうと考えられているので、曦輪は太陽の神が乗っている車をいう。・朝曦 妃のひかり。太陽。・炎曦 かんかん照りつけること。
・初轉 太陽神の乗車の輪がはじめて動き出すこと。太陽が昇り初めたことをいう。
・仙扃 蜀はとはそ。仙官 - 道教の寺の扉に朝日がさすこと。
・煙嵐 霧や霞をふくんだ山の風。
・窅冥 窅は探い意。冥は暗がり。


不得玄暉同指點,天涯蒼翠漫青青。
明るくのぼる眩しい太陽は、斛石山の上のすばらしい朝の景色は、手柄をたてられたあなたさまと、いっしょに指さしてながめることができることはないのですが、天涯はるかに遠くはなれて、青々と展開している山々、峯々、ただ一人でながめていることはつまらないものです。
・玄暉 玄はきらめくありさま。暉はかがやき。あわせて目もくらむ太陽のこと。
・天涯 天のはて。遠く離れていること。
・蒼翠 あおいみどり。山々の色をいう。