薛濤 《送友人》今、夜もふけて、船出されるあなたをお送りしていると、この水郷の国にある菰の葉にはまっ白く霜が降りて、月はさむざむと、その下につらなっている山々の色とともに、青く冷えきって、さびしい光景をしめしています。

2013年7月1日 同じ日の紀頌之5つのブログ
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送友人 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-213-79-#73   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2612


薛濤の代表的な作品として、いろんな本にとられている作である。「四庫全書提要」の「薛濤李冶詩集」の條には、この詩と、「竹郎府に題す」兩詩は、「向來傳誦するところ為り」と記している。それはこの二首と「柳架」の三簾が、後蜀の韋穀(王建に仕えて監察御史となる)の「才調集」十巻(四部叢刊本あり)に採収されたからであろう。とにかく、その「才調集」の註にもいうように、この詩の「水國の兼葭、夜、霜あり」は名句で、いわば薛濤の代表句である。


34題竹郎廟 
竹郎廟前多古木,夕陽沉沉山更綠。
何處江村有笛聲,聲聲盡是迎郎曲。
題竹郎廟 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-169-41-#34  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2392


18柳絮詠 
二月楊花輕復微,春風搖蕩惹人衣。
他家本是無情物,一向南飛又北飛。
柳絮詠 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-153-25-#18  漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2312


69送友人
水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
今、夜もふけて、船出されるあなたをお送りしていると、この水郷の国にある菰の葉にはまっ白く霜が降りて、月はさむざむと、その下につらなっている山々の色とともに、青く冷えきって、さびしい光景をしめしています。
誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。

「今宵、千里の旅の別離」などと誰もが言うのですが、わたくしにとっては、千里などの遠さではないのです。あの萬里の長城の、その十倍も百倍もの遙か遠いところへの旅立ちと思うのです。
魚玄機55021


『送友人』 現代語訳と訳註
(本文)
水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。


(下し文)
送友人
水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。


(現代語訳)
今、夜もふけて、船出されるあなたをお送りしていると、この水郷の国にある菰の葉にはまっ白く霜が降りて、月はさむざむと、その下につらなっている山々の色とともに、青く冷えきって、さびしい光景をしめしています。
「今宵、千里の旅の別離」などと誰もが言うのですが、わたくしにとっては、千里などの遠さではないのです。あの萬里の長城の、その十倍も百倍もの遙か遠いところへの旅立ちと思うのです。


(訳注)
送友人

(友人を送る詩)
本来は大将の人物があったのであろうが、この題の詩は多くの日との別離に宴席で誰もがこの詩を披露するというもので中国人にとっての送別の恒例の物なのである。

水國蒹葭夜有霜,月寒山色共蒼蒼。
今、夜もふけて、船出されるあなたをお送りしていると、この水郷の国にある菰の葉にはまっ白く霜が降りて、月はさむざむと、その下につらなっている山々の色とともに、青く冷えきって、さびしい光景をしめしています。
・水國 水多き地方。成都は錦江に臨み、やがて沱江をへて長江へもつながっている。水源豊富な四方を山脈にかこまれ、おおきな成都盆地は水に恵まれているのでかくいう。
○兼葭 あしのくさ。蒹とは。・蒹葭アシやヨシの類.葭 片葉の葦(かたはのあし)。
『詩経・秦風・蒹葭』
兼葭蒼蒼,白露為霜。
所謂伊人,在水一方。
溯洄從之,道阻且長;
溯游從之,宛在水中央
とある。枯れ始めた陰暦九月の候をいう。
河の向こう岸にすむ美しい娘がいる。訪ねようと上流に行くと道が険しく、川を渡るには水が多い。不遇で志を得られぬ、果たせない男、やるせない気持ちを歌ったものである。杜甫のこの詩も最終句「歲蹉跎」という語でそのすべてを表している。
杜甫『蒹葭』
摧折不自守,秋風吹若何?
暫時花戴雪,幾處葉沈波。
體弱春苗早,叢長夜露多。
江湖後搖落,亦恐歲蹉跎。
秦州抒情詩(13) 兼葭 杜甫 <298> kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1361 杜甫詩 700- 418


・蒼蒼 あおあお。また空のほれわたっているさま。ここは月が映え、山の色もそれとともに、あおくくっきりと寒むざむと見えること。成都を最近訪れた人の話によると、四川平原は広漠たるもので、成都から山など見えない、その広さに駕いたということであるが、詩語として味わえばよかろう。杜甫が成都紀行の最後を飾る
『成都府』において
「曾城填華屋,季冬樹木蒼。」
と述べて、成都に着いて薛濤のこの詩と同じような表現をしている。杜甫
「去去才難得,蒼蒼理又玄。」
寄岳州賈司馬六丈、巴州嚴八使君兩閣老五十韻 杜甫 <317-#8> 漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ1469 杜甫詩 700- 454


誰言千里自今夕,離夢杳如關塞長。
「今宵、千里の旅の別離」などと誰もが言うのですが、わたくしにとっては、千里などの遠さではないのです。あの萬里の長城の、その十倍も百倍もの遙か遠いところへの旅立ちと思うのです。
・杳 はるかなるさま。
薛濤『寄詞』
菌閣芝樓杳靄中,霞開深見玉皇宮。
紫陽天上神仙客,稱在人間立世功。
・關塞 關塞は、関所ととりで。万里の長城もその代表的なものであるから、千里、万里に対するものとして、直感的潜在的にそれを思うもの。
sas0013