薛濤《棠梨花和李太尉》 李大尉さまのお花園は、六朝梁の詩人呉均の花園のように、名木をお集めておられるというが、そのなかに蜀の名花の棠梨の木を、新しく移された。今まさに春で、春水も豊富なよい時節はこの花園にも及んで、その棠梨の木も、花を一面につけたことでしょう。
  

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棠梨花和李太尉 薛濤 唐五代詞・宋詩 薛濤-235--#91   漢文委員会kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ2722


棠梨花和李太尉
(「棠梨の花」という題で、李大尉さまがお作りになった詩に、唱和申し上げます。)
吳鈞蕙圃移嘉木,正及東溪春雨時。
李大尉さまのお花園は、六朝梁の詩人呉均の花園のように、名木をお集めておられるというが、そのなかに蜀の名花の棠梨の木を、新しく移された。今まさに春で、春水も豊富なよい時節はこの花園にも及んで、その棠梨の木も、花を一面につけたことでしょう。
日晚鶯啼何所為,淺深紅膩壓繁枝。
春の日ぐれ、春の盛りを過ぎようとしているのに、春を告げるうぐいすが何のためにどこでさえずっているのでしょう。繁った棠梨の枝に、薄く濃く紅色花が枝もたわむように、咲きあふれているからでしょう。

「棠梨の花」 李太尉に和す
吳鈞の蕙圃 嘉木に移し,正に東溪春雨の時に及ばんとす。
日晚れて 鶯啼き 何所にか為さん,淺深【せんしん】にして紅膩【こうじ】繁枝を壓す。

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『棠梨花和李太尉』 現代語訳と訳註
(本文)
棠梨花和李太尉
吳鈞蕙圃移嘉木,正及東溪春雨時。
日晚鶯啼何所為,淺深紅膩壓繁枝。


(下し文)
「棠梨の花」 李太尉に和す
吳鈞の蕙圃 嘉木に移し,正に東溪春雨の時に及ばんとす。
日晚れて 鶯啼き 何所にか為さん,淺深【せんしん】にして紅膩【こうじ】繁枝を壓す。


(現代語訳)
(「棠梨の花」という題で、李大尉さまがお作りになった詩に、唱和申し上げます。)
李大尉さまのお花園は、六朝梁の詩人呉均の花園のように、名木をお集めておられるというが、そのなかに蜀の名花の棠梨の木を、新しく移された。今まさに春で、春水も豊富なよい時節はこの花園にも及んで、その棠梨の木も、花を一面につけたことでしょう。
春の日ぐれ、春の盛りを過ぎようとしているのに、春を告げるうぐいすが何のためにどこでさえずっているのでしょう。繁った棠梨の枝に、薄く濃く紅色花が枝もたわむように、咲きあふれているからでしょう。


(訳注)
棠梨花和李太尉
(「棠梨の花」という題で、李大尉さまがお作りになった詩に、唱和申し上げます。)
・大尉 官名。軍事をつかさどる。三公の一で、今日の国防長官。中央官庁の重職である。(官名) にまでなり、著述も多かった。ここでは、李大尉をその呉均になぞらえた。


吳鈞蕙圃移嘉木,正及東溪春雨時。
李大尉さまのお花園は、六朝梁の詩人呉均の花園のように、名木をお集めておられるというが、そのなかに蜀の名花の棠梨の木を、新しく移された。今まさに春で、春水も豊富なよい時節はこの花園にも及んで、その棠梨の木も、花を一面につけたことでしょう。
・吳鈞・吳均(469—520)字は叔庠。吳興故鄣(今浙江安吉縣西北)の人。南朝梁文學家。寒微の出身ではあったが,学問がすきで、すぐれた才をもっていた。梁の天監の初め、柳博が呉興の刺史となると、郡の主簿に迎え、毎日、詩を作りあったので、それにならう者が多くあらわれ、彼らの詩風を「呉均体」といった。仕えて奉朝詰・棠梨花 棠梨はアマナシの一名。薔薇科の落葉喬木で、新暦の四月ごろ、帝紅い花を咲かせる。
・蕙圃 蕙は香り革。圃は庭、圃場。
・嘉末 よい木。ここでは棠梨の木をさす。
・東渓 東の谷。春は五行思想で東、青。春の渓谷の意。
・及 間にあう。春の景色がその花園にいきわたる。


日晚鶯啼何所為,淺深紅膩壓繁枝。
春の日ぐれ、春の盛りを過ぎようとしているのに、春を告げるうぐいすが何のためにどこでさえずっているのでしょう。繁った棠梨の枝に、薄く濃く紅色花が枝もたわむように、咲きあふれているからでしょう。
・紅賦(こうじ) 脱は化粧するあぶら。紅脂のこと。